JP4728829B2 - 水硬性組成物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃棄物や産業副産物、特に、微粉炭燃焼ボイラー等から排出される石炭灰を原料とした水硬性組成物およびその製造方法に関する。
下水汚泥、都市ゴミ、建設廃材等の産業廃棄物や石炭灰等の産業副産物は、場合により焼却及び溶融などの方法により減容後、かなりの部分が埋め立てにより最終的に処分されている。しかしながら、既存最終処分場の残余処理可能量の逼迫、新規処分場の立地難等により埋め立て以外の有効活用が望まれている。このような中、例えば非特許文献1には、都市ゴミ焼却灰を溶融後、高炉水砕スラグと同等性能の水硬性の混和材として用いる技術が開示されている。
北辻他/第10回廃棄物学会研究発表会講演論文集 P.621, 1999
ところで、一般に高炉水砕スラグ等のガラス質の潜在水硬性物質に関しては、JIS R 5211:2003「高炉セメント」で定められる塩基度(下式参照)が水硬性に大きい影響を与える重要な因子であると考えられており、これが高いほど水硬性に優れ、モルタルの強度が向上すると考えられる。
塩基度P=(MCaO+MMgO+MAl2O3)/MSiO2
(但し、上記式中、MCaOはCaOの質量%、MMgOはMgOの質量%、MAl2O3はAlの質量%、MSiO2はSiOの質量%を表す)
しかしながら、石炭灰や各種廃棄物の焼却灰の化学組成としては、一般にSiOが主成分であり、CaO、MgO及びAlの含有率が少ない場合が多い。従って、廃棄物を用い水硬性の高い材料を製造する為には、水硬性物質の原料としては比較的高価な石灰石等を併用せざるを得ない。
また、高炉水砕スラグと類似の潜在水硬性物質を製造する際は、原料を溶融後、急冷することによりガラス化する方法が一般的であるが、この方法ではガス化溶融炉等の特殊な溶融炉及び専用の冷却装置が必要であった。また、溶融させる為には、被処理物を1300〜1600℃程度の高温にする必要があり、大量のエネルギーが必要であった。さらには、溶融後に冷却して得られるスラグは、非常に硬いものであり、その粉砕には専用の粉砕機が必要となる上に、大量なエネルギーを費やすという問題があった。つまり、高炉水砕スラグと類似の潜在水硬性物質を製造する方法では、設備コスト及びランニングコストがかかり、結果として製造コストが高くなるという課題が存在していた。
本発明は、このような従来技術の包含する問題に鑑みてなされたものであり、製造コストを十分に低減しながら、モルタル等の製品の強度を十分に向上させることができる水硬性組成物の製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、モルタル等の製品の強度を十分に向上させることができる水硬性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、CaO、SiO及びAlを所定の割合で含む原料を、溶融によらず、焼結の温度範囲内で焼成することにより、塩基度の高いガラス相を含む焼結物、即ちモルタル等の強度を十分に向上させることができる水硬性組成物を十分に安価に製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、酸化物換算でCaOを20〜45質量%、SiO を30〜50質量%、Al を25〜45質量%含む組成を有し、かつ石炭灰を50質量%以上含有する原料を焼結温度で焼成し、粉砕することにより得られる水硬性組成物であって、アノーサイトを40〜80質量%、並びにCaO、MgO及びSiO を含むガラス相を20〜40質量%含有し、かつガラス相の下記式:P=(MCaO+MMgO+MAl2O3)/MSiO2
(但し、上記式中、MCaOはCaOの質量%、MMgOはMgOの質量%、MAl2O3はAlの質量%、MSiO2はSiOの質量%を表す)
で表される塩基度Pが0.20〜0.56であることを特徴とする水硬性組成物である。
この水硬性組成物によれば、モルタル等の強度を十分に向上させることができる。
また、本発明は、アノーサイトを40〜80質量%、並びにCaO、MgO及びSiO を含むガラス相を20〜40質量%含有しかつガラス相の下記式:P=(MCaO+MMgO+MAl2O3)/MSiO2
(但し、上記式中、MCaOはCaOの質量、MMgOはMgOの質量、MAl2O3はAlの質量、MSiO2はSiOの質量を表す)
で表される塩基度Pが0.20〜0.56である水硬性組成物の製造方法であって、酸化物換算でCaOを20〜45質量%、SiOを30〜50質量%、Alを25〜45質量%含み且つCaO、MgO及びAlの含有率の合計が100質量%である組成を有する原料を焼結温度で焼成し、粉砕することにより前記水硬性組成物を製造することを特徴とする水硬性組成物の製造方法である。
(但し、上記CaO、SiO及びAlの質量%は、MCaO+MSIO2+MAl2O3=100質量%になるように換算した値を表す)
上記製造方法において、原料として、石炭灰を50質量%以上含有するものを使用し、かつ焼結温度を1000℃〜1300℃とすることが好ましい。
本発明に係る水硬性組成物の製造方法によれば、水硬性の比較的高い材料を焼結により製造出来る。このため、モルタルの強度を十分に向上させることができる水硬性組成物を得ることができる。また、本発明に係る水硬性組成物の製造方法によれば、特別な溶融炉、冷却装置等は必要とせず、セメント製造等に用いられる一般的なロータリーキルンを用い、連続的に、かつ、安価に水硬性組成物を製造可能である。また、比較的低い温度での焼成が可能な為、エネルギー使用量も低減可能な上、焼成可能な温度範囲が広い為、キルンの運転が安易である。さらに、本発明により得られる焼成物は、溶融による焼成物と比較して被粉砕性に優れる為、粉砕に要するエネルギー使用量も低減可能である。
また、本発明の水硬性組成物によれば、モルタル等の強度を十分に向上させることができる。
以下、本発明に係る水硬性組成物の好適な実施形態について詳細に説明する。
本発明の水硬性組成物は、アノーサイトを40〜80質量%、ガラス相を20〜40質量%含有し、ガラス相の塩基度Pが0.20〜0.56である。
この水硬性組成物によれば、優れた水硬性が得られ、モルタル等の強度を十分に向上させることができる。
なお、アノーサイトの含有率が40〜80質量%の範囲を外れる場合、ガラス相の塩基度が低くなり、優れた水硬性を得ることができない。従って、モルタル等の強度を十分に向上させることができない。また、ガラス相が20〜40質量%の範囲を外れる場合は、ガラス相の塩基度が低くなり、優れた水硬性を得ることができない。ガラス相の塩基度が0.20未満でも、優れた水硬性を得ることができない。
ガラス相の塩基度は、好ましくは0.30以上である。この場合、水硬性組成物の強度をより十分に向上させることができる。
次に、本発明に係る水硬性組成物の製造方法の実施形態について説明する。
上記水硬性組成物の製造方法は、酸化物換算でCaOを20〜45質量%、SiOを30〜50質量%、Alを25〜45質量%含む組成を有する原料を焼結温度で焼成し、粉砕することにより前記水硬性組成物を製造することを特徴とする水硬性組成物の製造方法である。但し、上記CaO、SiO及びAlの質量%は、MCaO+MSiO2+MAl2O3=100質量%になるように換算した値を表す。
本発明に係る水硬性組成物の製造方法によれば、水硬性の比較的高い材料を焼結により製造出来る。このため、モルタルの強度を十分に向上させることができる水硬性組成物を得ることができる。また、本発明に係る水硬性組成物の製造方法によれば、特別な溶融炉、冷却装置等は必要とせず、セメント製造等に用いられる一般的なロータリーキルンを用い、連続的に、かつ、安価に水硬性組成物を製造可能である。また、比較的低い温度での焼成が可能な為、エネルギー使用量も低減可能な上、焼成可能な温度範囲が広い為、キルンの運転が安易である。さらに、本発明により得られる焼成物は、溶融による焼成物と比較して被粉砕性に優れる為、粉砕に要するエネルギー使用量も低減可能である。
上記組成を有する原料は、廃棄物の有効利用の点から、SiOを含む廃棄物と、CaOを主成分とした改質材とを混合することにより構成することが好ましい。
上記廃棄物としては、石炭灰、製紙スラッジ灰、下水汚泥焼却灰、各種排水処理スラッジ、各種スラグ、再生骨材微粉、建設廃土、各種汚染土壌、都市ゴミ焼却灰、及び建設廃材等が使用可能である。これらのうち石炭灰は特に限定はされない。すなわち、JIS A 6201:1999「コンクリート用フライアッシュ」に規定されるI種、II種、III種及びIV種のいずれでも使用可能であり、またこれらに適合しない非JIS品も使用可能である。
上記改質材は、CaOを主成分とするものであれば特に限定されない。ここで、主成分とは、全成分中最も多く含まれている成分を言う。上記改質材としては、例えば、石灰石の他に、海水マグネシアクリンカーの製造に伴ない発生するハイドロ残渣、各種スラグ、生コンスラッジ、及び、製紙スラッジ灰等のCaO含有産業廃棄物及びそれらの混合物等が使用可能である。貝殻、肉骨粉等の食品処理工程で発生する含CaO材料も使用可能である。これ等の産業廃棄物の利用は、埋立等で処理していた産業廃棄物の有効活用に繋がる。さらに、セメント、セメント製造装置の原料系電気集塵機より捕集したセメントキルンダスト、及びセメント製造装置のプレヒーター部分より取出された仮焼中間原料等の、セメント製造工程から発生する材料も改質材として使用可能である。なお、上記セメントとしては、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント等をあげることができる。
これらの原料の混合方法は特に限定されない。また、ロータリーキルンを用いる場合は、焼成中にキルン内で転動造粒する為、混合物を粉末で投入すれば良いが、静止状態で焼成する場合には、石炭灰と改質材との混合物を予め造粒し、石炭灰と改質材との接触を確実にすることが好ましい。
上記混合物を焼成する温度は、溶融が起こらず、焼結が起こる温度範囲である。焼結とは固体粉体の集合体を融点以下の温度あるいは一部液相を生じる温度で熱処理することにより、粉体間に結合が生じ固まる現象を示す。また、溶融とは固相にある物質が加熱され全体が液相になる相変化を示す。焼結の起こる温度範囲は、石炭灰や改質材の使用材料及び調合割合によって異なるが、廃棄物として石炭灰を50質量%以上含有するものを使用する場合、1000℃〜1300℃である。1000℃未満では、石炭灰と改質材との反応が十分でない為、水硬性組成物への転換が不完全となる。また、1300℃を超える温度では、液相量が多くなり過ぎキルン焼成が困難となる。
焼成する方法としては、例えば、専用の炉により焼成しても良好な特性を持った水硬性組成物の製造が可能であるが、セメント製造設備に通常設置されるロータリーキルンを転用する方法が、新たな設備投資を伴わないという点で、好ましい。
また、焼成物の粉砕は、通常のセメントの仕上げ工程において使用されるボールミル等が使用可能である。
以下、実施例を用いて本発明の内容をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
(1)原料
原料は次のものを使用した。化学分析値を表1に示す。なお、分析はJIS R 5204:2002「セメントの蛍光X線分析方法」に準拠して実施した。
(i)石炭灰1〜3:宇部興産(株)石炭火力自家発電設備からの排出物
(ii)改質材:キルンダスト:普通ポルトランドセメント用クリンカー製造装置の原料系電気集塵機で捕集されたもの
(2)混合
石炭灰及びキルンダストを、日本アイリッヒ(株)製アイリッヒミキサーRV02型を用い、表2に示す4種類の配合割合で混合し、配合A〜Dを各10kgずつ試製した。
(3)焼成
外熱式の管状回転電気炉を用い、上記4種類の配合それぞれに関して、各8時間の連続焼成実験を行った。用いた回転磁製管は、ムライト製で、長さ1000mm、 内径70mmΦの大きさである。
基本的な運転条件を表3に示す。
表3の条件で運転した結果、配合A、B及びCに関しては、8時間安定して焼成可能であり、さしたる問題は生じなかった。一方、配合Dに関しては混合原料粉末が溶融し、激しいコーチングが発生し、約20分で閉塞をおこした。さらに、磁製管交換後、電気炉温度を1180℃まで下げ再度配合Dの焼成を行ったが、未焼成品が排出される結果となった。さらに、配合A、B及びCに関して電気炉温度を1150〜1250℃の間で変動させて焼成を実施してみたが、1200℃の場合と同様にさしたる問題もなく長時間焼成が可能であり、焼結物の外観にも大きな変化はなかった。
(4)粉砕、化学分析
上記各配合の1200℃焼成試料を振動ミル(製品名:ANDREWS AUTOMATION Ltd.製のGy−Ro Mill)により1分間粉砕後、JIS R 5204:2002「セメントの蛍光X線分析方法」に従って化学分析を実施した。表4に、これら粉砕物の化学分析値を示す。また、CaO+SiO+Al=100質量%となるように換算した場合の化学分析値を表5に示す。
(5)結晶相、ガラス相の定量並びにガラス相組成および塩基度の算出
配合A,B,C及びDの1200℃焼成試料に関しての結晶相量を内部標準方法により定量した。これより、ガラス相量を求めると共に、表4に示した焼成試料全体の化学分析値と合わせて検討することによりガラス相組成及び塩基度を算出した。以下にその方法を順に述べる。
(i)標準試料の原料
標準試料用の原料として、アノーサイト及びゲーレナイトは岩本鉱産物商会の鉱物見本を、石英は和光純薬工業(株)製の石英粒を、酸化マグネシウムは和光純薬工業(株)製の試薬特級の酸化マグネシウムをそれぞれ用いた。
(ii)試料調製方法
標準試料としては、アノーサイト、ゲーレナイト及び石英、それぞれ90質量部に対して酸化マグネシウムを10質量部添加し、自動乳鉢により混合粉砕し、90μm全通させたものを用いた。被測定試料(配合A、B及びCの1200℃焼成試料)に関しても、標準試料と同様にそれぞれ90質量部に対して酸化マグネシウムを10質量部添加し、自動乳鉢により混合粉砕し、90μm全通させたものを用いた。
(iii)粉末X線測定
各標準試料及び被測定試料について、粉末X線回折装置(RINT2500V:理学電機(株)製)を使用し、表6に示す条件で粉末X線回折データを採取した。
(iv)結晶相量の算出
得られたデータに関してピーク面積計算ソフトを用い、各ピーク面積を求めた。各結晶相の定量に用いたピーク(2θ)を表7に示す。引き続き、標準試料及び被測定試料それぞれに関して、酸化マグネシウムのピーク面積に対するアノーサイト、ゲーレナイト及び石英のピーク面積の比を算出した。これらの値を表8に示す。最後に、標準試料と被測定試料とのピーク面積比を用い、比例計算により各被測定試料中の結晶相量を算出した。算出結果を表9に示す。
(v)ガラス相の定量並びにガラス相組成及び塩基度の算出
各被測定試料に関して、全体(100質量%)から全結晶相の量を差し引き、残った量をガラス相の量とした。また、表4に示した焼成試料全体の化学組成より各結晶相に由来する化学組成を差し引き、残った化学成分をガラス相の組成とした。なお、ここでアノーサイトおよびゲーレナイトの化学組成をそれぞれCaO・Al・2SiOおよび2CaO・Al・SiOとし、これらの含有量および化学量論に基づき各結晶相に由来する化学組成を算出した。さらに、ガラス相の組成からガラス相の塩基度を算出した。ガラス相の量並びにガラス相組成及び塩基度を表9に合わせて示す。
表9より、配合A及びBに含まれるアノーサイトが40〜80質量%であり、ガラス相が20〜40質量%であり、ガラス相の塩基度が、0.20以上になっていることがわかる。
(6)モルタル強さ試験
前記(3)で焼成した各試料をブレーン比表面積3,300±50cm/gに粉砕後、普通ポルトランドセメントに内割で10質量%混合し混合セメントを試製した。試製セメントはJIS R 5201−1997「セメントの物理試験方法」に準拠しモルタルの強さを評価した。評価結果を材齢28日の圧縮強さ比(混合材無添加のセメントに対する割合)として表10に示す。
この表より、配合A及び配合Bを混合した場合は、配合Cを混合した場合と比較して、モルタル強さが高いことがわかる。これは、含まれるガラス相の塩基度の影響と考えられる。

Claims (2)

  1. 酸化物換算でCaOを20〜45質量%、SiOを30〜50質量%、Alを25〜45質量%含む組成を有し、かつ石炭灰を50質量%以上含有する原料を焼結温度で焼成し、粉砕することにより得られる水硬性組成物であって、
    アノーサイトを40〜80質量%、並びにCaO、MgO及びSiOを含むガラス相を20〜40質量%含有し、かつガラス相の下記式:
    P=(MCaO+MMgO+MAl2O3)/MSiO2
    (但し、上記式中、MCaOはCaOの質量%、MMgOはMgOの質量%、MAl2O3はAlの質量%、MSiO2はSiOの質量%を表す)
    で表される塩基度Pが0.20〜0.56であることを特徴とする水硬性組成物。
  2. アノーサイトを40〜80質量%、並びにCaO、MgO及びSiOを含むガラス相を20〜40質量%含有し、かつガラス相の下記式:
    P=(MCaO+MMgO+MAl2O3)/MSiO2
    (但し、上記式中、MCaOはCaOの質量%、MMgOはMgOの質量%、MAl2O3はAlの質量%、MSiO2はSiOの質量%を表す)
    で表される塩基度Pが0.20〜0.56である水硬性組成物の製造方法であって、
    酸化物換算でCaOを20〜45質量%、SiOを30〜50質量%、Alを25〜45質量%含む組成を有し、かつ石炭灰を50質量%以上含有する原料を焼結温度で焼成し、粉砕することにより前記水硬性組成物を製造することを特徴とする水硬性組成物の製造方法。
    (但し、上記CaO、SiO及びAlの質量%は、MCaO+MSiO2+MAl2O3=100質量%になるように換算した値を表す)
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