JP3357148B2 - 氷蓄熱設備 - Google Patents

氷蓄熱設備

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JP3357148B2
JP3357148B2 JP29445493A JP29445493A JP3357148B2 JP 3357148 B2 JP3357148 B2 JP 3357148B2 JP 29445493 A JP29445493 A JP 29445493A JP 29445493 A JP29445493 A JP 29445493A JP 3357148 B2 JP3357148 B2 JP 3357148B2
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真二 岸田
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積水プラントシステム株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は氷蓄熱設備に関するも
のであり、とくに冷熱を氷の微粒子として蓄え、必要に
応じて氷の持つ冷熱を効率よく供給できるようにした氷
蓄熱設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】氷蓄熱設備は既に知られている。それ
は、例えば特開平1−147234号、特開平3−75
428号公報などに記載されている。氷蓄熱設備は、ブ
ラインを冷却媒体として用い、ブライン中の水分を氷と
して蓄えておき、必要に応じて氷の持つ冷熱を供給する
ものである。その設備は、ブライン中の水分をシャーベ
ット状の細かい氷の粒子として貯留する氷蓄熱槽と、氷
蓄熱槽から取り出したブラインを冷凍機で冷却して氷蓄
熱槽へ戻す冷却通路と、氷蓄熱槽から取り出したブライ
ンを負荷装置、たとえば空調機器等を経て氷蓄熱槽へ戻
す循環通路とから成るものである。ブラインとしては、
食塩などの無機塩類を溶解した水溶液のほか、エチレン
グリコールのような有機物を溶解した水溶液も用いられ
る。
【0003】氷蓄熱設備では、電力を利用してどれだけ
多くのシャーベット状の細かい氷の粒子を蓄熱槽内に均
等厚さに蓄え、どのようにしてその蓄えられた冷熱をよ
り多く効率的に利用するかが、最大の問題とされる。
【0004】従来の氷蓄熱設備では、循環通路から氷蓄
熱槽へどのようにしてブラインを戻すべきかについて検
討され、色々な提案がなされて来た。例えば、特開平1
−147234号公報は、循環通路の戻り部を氷蓄熱槽
内上部に設けているが、その戻り部は一本の主管と、こ
れと直交する多数の枝管とで構成することとされ、枝管
に多数のノズルを付設し、ノズルを平面方向で氷蓄熱槽
の全面にわたり分散させるように提案している。また、
特開平3−75428号公報は、氷蓄熱槽内の上部に管
を放射状に付設して、放射状配置の中心の周りに管を回
転させ、循環通路から戻ってくるブラインをこの管から
噴霧させることを提案している。
【0005】ところがこれらの氷蓄熱設備では、各枝管
の先が閉塞しているので各枝管毎に内圧が異なり、各ノ
ズルから噴射されるブラインの噴射量が異なることにな
り易い。従って負荷装置を経て温度の高くなったブライ
ンが氷蓄熱槽内のブライン中に浮かんで蓄えられる氷の
微粒子の層の上面に均一に分散されず、氷の微粒子の層
の溶解の度合いが氷蓄熱槽内の場所によってまちまちで
あるという欠点があった。
【0006】氷蓄熱槽内に放出された氷の微粒子が浮力
によって浮き上がり氷の層の下面に次々に蓄積され、氷
の層の厚さが分厚くなっているような状態であると、図
1に示すように、ブラインの液中に存在している氷の微
粒子は浮力Fによってさらに上方に浮き上がろうとし
て、氷の層の上面近くにある氷の微粒子をブラインの液
上面Bよりも上へ押し上げることとなり、氷の層の表面
Xはブラインの液上面Bよりも上方に位置することとな
る。ここに、隣接するノズルYから噴射されるブライン
の噴射量及び噴射角度が共に大きく氷蓄熱槽内に蓄えら
れた氷の層の表面X上で重なり合う場合には、氷の層の
表面Xは一様に溶かされることとなり、氷の層の表面は
全体的に平らな状態が維持される。
【0007】ノズルから噴射されたブラインは、氷の微
粒子間の隙間を通過して冷却されながら下方(破線矢印
方向)に向かい、一方、氷の微粒子は負荷装置を経て温
度の高くなったブラインによって溶解される。この時、
負荷装置を経て温度の高くなったブラインは氷の層の上
部ほど均等によく溶かしブラインの温度が下がるにつれ
て氷の層の下部ほど均等に少なく溶かすこととなり、氷
の層の厚さに厚い所と薄い所との差が出来ず、常に氷蓄
熱槽内に蓄積されている冷熱を均等にまんべんなく利用
することになる。
【0008】 しかしながら、図に示すように、各ノ
ズルYから噴射される噴射量が氷蓄熱槽内の場所によっ
てまちまちであると、氷蓄熱槽内のブライン中に浮かぶ
氷の層の表面Xの一部に突出部Zが出来ることになり、
氷の層の厚さに次第に差が生じてくるばかりでなく、氷
の層中の氷の微粒子の溶解の度合いが異なり、氷の微粒
子の密度も場所によって次第に異なってくることにな
る。
【0009】つまり、ノズルからの噴射量の少ない所で
は、氷の層の厚さが厚くて氷の微粒子の密度が高く、ノ
ズルからの噴射量の多い所では、氷の層の厚さが薄くて
氷の微粒子の密度が小さくなる傾向にあった。
【0010】また、各ノズルから噴射される噴射量が異
なるままに負荷装置の稼働が続くことになるので、ブラ
イン上面に浮かぶ氷の層の厚さや、氷の層中の氷の微粒
子の密度の差は大きく開く一方であった。
【0011】循環通路のブライン戻り部から散布された
温度の高いブラインは、氷蓄熱槽内の氷の層が厚く氷の
微粒子の密度が高い所だけでなく、氷の層が薄く氷の微
粒子の密度が小さい所も通過する。しかも、氷の層が厚
く氷の微粒子の密度が高い所ほどノズルから噴射される
噴射量が少なく、氷の層が薄く氷の微粒子の密度が小さ
い所ほどノズルから噴射される噴射量が多いので、氷の
層の厚い所を通過した少量のブラインは充分に冷却さ
れ、氷の層の薄い所を通過した多量のブラインは充分に
は冷却されていないこととなり、氷の層の下には温度の
低いブラインと、温度の高いブラインとが混在すること
になる。従って、循環通路のブライン取り出し部から出
て、再び負荷装置へ送られるブラインは温度が一定しな
い為、負荷装置の能力が不規則に変動することとなる。
【0012】その上、氷の層が薄く氷の微粒子の密度が
小さい所ほどノズルから噴射される噴射量が多いので、
次第に氷の層の下に存在するブラインの温度は高めに推
移していくことになる。即ち、負荷装置の能力は次第に
低下していくことになる。
【0013】更に又、各枝管の先が閉塞しているので各
枝管毎に内圧が異なり、各枝管に配設されているノズル
に加わる圧力に差異が生じて、各ノズルから噴射される
ブラインの噴射量だけでなく、噴射角度も異なることに
なり易い。
【0014】 図15に示すように、隣接するノズルY
の少なくとも一方から噴射されるブラインの噴射量及び
噴射角度が小さく氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の層の表面
上で重なり合わない場合には、負荷装置を経て温度の高
くなったブラインが散布されない部分ができることにな
る。温度の高いブラインが散布された部分の氷の表面X
は溶解されるが、散布されない部分の氷の表面は溶解さ
れないので、氷の層の表面に著しい凹凸ができ、この散
布状態が継続すると氷の層の表面の凹凸は一層顕著にな
る。しかも、温度の高いブラインが散布される部分で
は、溶解が継続するので、溶解すればするほど溶解した
部分の氷の層は浮き上がろうとする。ところが氷の層は
全体的に一体となった挙動を示し、氷の層全体が浮き上
がろうとするので、温度の高いブラインが散布されない
部分の氷は溶解されることなく、氷の層の上面に高く突
出することとなり、例えば柱状や小山状の突出部Zが形
成される。こうして溶解が継続するに従って氷の層全体
が自重と浮力の均衡を保つためにより一層高さを増して
いくこととなり、そして遂には氷の突出部Zは氷蓄熱槽
の上部に付設された管を破壊し、さらには蓋までも破壊
することとなって、不都合を生じる。そこでこのような
不都合を起こさないようにする必要がある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述のよ
うな欠点のない氷蓄熱設備を提供しようとするものであ
る。すなわち、この発明は、ブライン中の水分をシャー
ベット状の細かい氷の粒子として氷蓄熱槽内に蓄えてお
き、循環通路から戻されるブラインを氷蓄熱槽内に蓄え
られた氷の層の表面上に余すところなく一様に噴出さ
せ、氷の層を一様に溶解させて、負荷装置の高い能力を
一定に保とうとするものである。また、この発明は、氷
の層の表面上に突出部が形成され、次第に高さを増して
いって氷蓄熱槽の上部に付設された管や蓋を破壊するこ
とのないようにしようとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明者は、上述の課
題解決のためには、氷蓄熱槽内にある循環通路の戻り部
を格別な構造とする必要があると考えた。すなわち、循
環通路の戻り部を氷蓄熱槽の上部で一周させてブライン
の噴出圧力の均等を図るべきであり、循環通路の戻り部
に取り付けられるノズルを蓋にできるだけ近いところに
配置する必要があり、さらに、氷蓄熱槽内で隣接するノ
ズルから噴出するブラインの縁が、氷蓄熱槽内に蓄えら
れた氷の層の表面上で常に重なり合うようにすべきであ
ることを見いだした。この発明は、このような知見に基
づいて完成されたものである。
【0017】この発明は、ブライン中の水分を氷として
蓄える氷蓄熱槽と、氷蓄熱槽から取り出したブラインを
冷凍機で冷却して氷蓄熱槽へ戻す冷却通路と、氷蓄熱槽
から取り出したブラインを負荷装置を経て氷蓄熱槽へ戻
す循環通路とからなる氷蓄熱設備において、氷蓄熱槽の
上部に一周する環状パイプを配置し、上記環状パイプに
負荷装置を経由したあとの循環通路の端を接続したこと
を特徴とする、氷蓄熱設備に関するものである。
【0018】
【実施例】この発明に係る氷蓄熱設備を実施の一例につ
いて、図面に基づき説明すると次のとおりである。図3
及び図4は、この発明に係る氷蓄熱設備の一部切欠斜視
図である。図5は、蓋と循環通路のブライン戻り部との
関係の一例を示した断面図である。図6ないし図9は、
この発明において付設される環状パイプの配置を示した
氷蓄熱槽の平面図である。図10ないし図12は、この
発明における氷蓄熱槽の一部切欠縦断面図である。図1
3及び図14は、環状パイプを蓋の上方に付設した例を
示す一部切欠縦断面図である。
【0019】図3において、1は氷蓄熱槽であり、2は
冷却通路であり、3は循環通路である。冷却通路2及び
循環通路3内では、氷蓄熱槽1内に入れられているブラ
インが、それぞれポンプP1 及びP2 によって吸引され
てそれぞれ矢印x及びy方向に流れるようになってい
る。冷却通路2におけるブライン取り出し部は複数個の
管4で構成され、ブラインの戻り部は複数個の管5で構
成されている。また、循環通路3におけるブライン取り
出し部は複数個の管6で構成され、ブラインの戻り部は
環状パイプ7、架橋パイプ8、枝パイプ9及びノズル1
0によって構成されている。
【0020】この発明の特徴事項は循環通路3における
ブラインの戻り部に関係しているので、循環通路3の戻
り部について最初に説明する。氷蓄熱槽1は底11、4
個の側壁12ないし15、蓋16とで構成されている。
循環通路3の戻り部は、氷蓄熱槽1の内部のうちの上方
部分に、蓋16に接近して設けられている。負荷装置を
通過したあとの循環通路の端は環状パイプ7に接続され
るが、環状パイプ7は側壁12ないし15に沿って氷蓄
熱槽の内部を一周している。環状パイプ7が包囲する内
部には、環状パイプ7の対向部分を接続する架橋パイプ
8が設けられ、内部の面積は架橋パイプ8によってほぼ
等しい面積部分に分割されている。
【0021】図3では環状パイプ7が直角四辺形を呈し
ているから、架橋パイプ8は環状パイプ7を構成する一
辺と平行に延びることとなる。架橋パイプ8と、環状パ
イプ7のうち架橋パイプ8と平行なパイプは、その両側
に設置された複数個の枝パイプ9に接続されている。各
枝パイプ9はリング状の小回路を形成し、その小回路に
複数個のノズル10が付設されている。各ノズル10は
ブラインを下方に向かって広がる円錐状に分散して噴出
するようにされている。
【0022】図3では、氷蓄熱槽の底11も、側壁12
ないし15も、蓋16も、何れも単位パネルの組み立て
によって構成されている。そのうち蓋16を構成する単
位パネルは、直角四辺形の基板の四辺に接続用フランジ
を設けて浅い箱状に形成されているが、その基板は中央
部が僅かに隆起して高さの低い四角錐台状を呈してい
る。上述のリング状の枝パイプ9は、その四角錐台の下
方に丁度納まる形となって収容されている。
【0023】図5は、リング状の枝パイプ9が蓋16を
構成する単位パネルの中に収容されている状態を断面に
よって示している。環状パイプ7に接続された架橋パイ
プ8の両側に、リング状の枝パイプ9が付設されている
が、リング状の枝パイプ9は四角錐台の基板に固定され
ている。それに伴い、リング状の枝パイプ9に付設され
たノズル10は、蓋16に極めて接近したところに位置
することとなっている。つまり、ノズル10を、蓋16
に極めて接近したところに位置させることができて、そ
の分氷蓄熱槽内により多くの氷の微粒子を蓄えることが
出来る。又、ノズル10から噴出するブラインは、氷蓄
熱槽内に蓄えられる氷の層の表面X上に散布され、隣接
するノズルから噴出するブラインの縁が、この表面X上
で常に重なり合う状態にされる。従って、温度の高いブ
ラインが氷の層を余すところなくほぼ一様に溶解するこ
ととなるので、溶解されないために出来る氷の突出部が
形成されず好都合である。
【0024】次に、循環通路3のブライン取り出し部及
び冷却通路2のブライン取り出し部とブライン戻り部と
の構造を説明すると次のとおりである。図3において、
管4ないし管6は、何れも氷蓄熱槽1の底11に沿って
延びるように配置されている。また、管4ないし管6は
互いに平行に配置されている。管4ないし管6は組をな
しており、各組では管4ないし管6が同じ順序に配置さ
れていることが好ましい。こうして、管4ないし管6は
底11のほぼ全面にわたって延びている。
【0025】管4ないし管6は、何れもその管にそれぞ
れ複数個の開口41、51、61が設けられ、これらの
開口はそれぞれの管の長手方向に沿ってほぼ等しい間隔
をおいて設けられている。管4の開口41と管6の開口
61とは、底11の面と平行な方向に向かって開き、互
いに反対方向に向かって開いている。また管5の開口5
1は、底11の面に垂直に上方に向かって開いている。
【0026】複数個の管4は、何れも一端が閉塞され、
他端において管4と垂直に延びる管42に接続され、管
42は一端が閉塞され、他端が底11から僅かに立ち上
がり、その後氷蓄熱槽1の側壁12を貫通して槽外へ出
て、ポンプP1 に連なる。こうして管4は、冷却通路2
のブライン取り出し部を形成している。
【0027】同様に複数個の管5は何れも一端が閉塞さ
れ、他端が何れも等しい僅かの高さだけ立ち上がり、そ
の先が管5と垂直に延びる管52に接続され、管52は
両端が閉塞され途中で分岐され、分岐管53が氷蓄熱槽
1の側壁13を貫通して槽外へ出て、その先が冷凍機へ
連結される。こうして、管5は冷却通路2のブラインの
戻り部を形成している。
【0028】また、同様に複数個の管6は、何れも一端
が閉塞され、他端が管6に垂直に延びる管62に接続さ
れ、管62は両端が閉塞され、途中の2ケ所に分岐管6
3が付設され、各分岐管63は氷蓄熱槽1の側壁14を
貫通して槽外へ出て、ポンプP2 に連なっている。こう
して、管6は循環通路の取り出し部を形成している。
【0029】なお、図3において、開口41と開口61
との向く方向を何れも底11の延びる平面と平行にし
て、且つ互いに位置をずらして反対がわに向け、開口5
1の向く方向を底11の平面に垂直にして上方に向ける
と、開口51から放出されたブラインが直ちに開口41
及び開口61に吸い込まれることがなくなり、従ってブ
ライン全体が一様な温度に一層なり易い。このために、
負荷装置は一様に冷気を放出し易くなる。
【0030】図3に示した氷蓄熱設備は上述のように構
成されているから、冷却通路2では、氷蓄熱槽1から氷
の層の下に溜まったブラインを均等に取り出すことがで
き、冷凍機で冷却された氷の微粒子を含むブラインを氷
蓄熱槽1の底上へ均等に放出できることとなり、同様に
循環通路3では、氷蓄熱槽1から氷の層の下に溜まった
ブラインを均等に取り出すことができ、負荷装置を出た
ブラインを氷蓄熱槽1内の氷の層の表面上へ隈なく噴出
させて氷の微粒子間の隙間を通って下方に向かう間に一
様に冷却させ、氷蓄熱槽1の底へ溜めることができる。
なぜならば、氷の層は氷蓄熱槽1の中で上方に位置し、
液状のブラインが下方に位置しているので、冷却通路2
の取り出し部が氷蓄熱槽1の底11に沿って延びている
ために、その取り出し部は開口41から氷粒を吸い込ま
ないで液状のブラインを能率よく吸い込むこととなり、
その際、開口41が底11の全体にわたって分散してい
るので底11の全体からブラインを吸い込むこととなる
からである。開口41から吸い込まれたブラインは、冷
凍機によって冷却されて開口51から放出されるが、そ
の開口51も底11に沿い底11の全体にわたって分散
しているので、底11の近くへブラインを広く一様に排
出することとなるからである。
【0031】また、循環パイプ3内を流れるブライン
は、開口61から吸い込まれ、負荷装置を経てノズル1
0から放出されるが、開口61が底11に沿い底11の
全体にわたって分散しているので、さきに述べた冷却通
路2の吸い込みと同様に、氷粒を避けて底11の全体か
ら一様にブラインを吸い込むこととなる。循環通路3の
戻り部は、氷蓄熱槽1の内部で側壁に沿って一周する環
状パイプ7に入れられるので、ここで戻りのブラインは
圧力が均一化される。戻りのブラインは、その後環状パ
イプ7から直接にリング状の枝パイプ9へ行き、又は一
部は環状パイプ7から架橋パイプ8を経てリング状の枝
パイプ9へ行き、枝パイプ9に付設されたノズル10か
ら噴出されるので、何れにしても均一化された圧力をも
って噴出される。ここに、ノズル10が、氷蓄熱槽1の
蓋に接近した位置にあって蓋の全面にわたって分散して
設けられ、各ノズルに加わる圧力に差異がなく、隣接す
るノズル10から噴出されるブラインの縁が、氷蓄熱槽
内に蓄えられた氷の層の表面上で、常に重なり合うよう
に配置されているので、噴出されたブラインは上記の氷
の層の全表面上に隈なく散布される。従って、負荷装置
を経てノズルから噴出された温度の高いブラインが氷の
層の表面を余すところなくほぼ一様に溶解することとな
り、溶解されないために出来る氷の表面の突出部が形成
されない。また隣接するノズルから噴射されるブライン
の噴射量及び噴射角度がともに大きく氷の表面上にほぼ
同量均等に散布されるので、温度の高いブラインの全て
が氷の微粒子の隙間を通る間に一様に充分冷却されるこ
ととなり、氷の層の下には充分冷却された温度の一定し
たブラインが存在することとなって、このブラインを吸
い込んで熱交換を行う負荷装置の能力が変動せず、しか
も高い能力が維持される。更に、ブラインが氷の層の全
表面上に隈なく均等に散布されるので、負荷装置を経て
温度の高くなったブラインは氷の微粒子の隙間を通って
下方に向かう時、氷の層の上部ほど均等によく溶かしブ
ラインの温度が下がるにつれて氷の層の下部ほど均等に
少なく溶かすこととなり、氷の層の厚さに厚い所と薄い
所の差が出来ず、常に氷蓄熱槽内に蓄積されている冷熱
を均等にまんべんなく利用することになって、熱効率が
良い。更にまた、ノズルが氷蓄熱槽内の高い位置にある
分より多くの氷の微粒子を蓄えることが出来る。図3に
示した氷蓄熱設備はこのような点で有利なものである。
【0032】図4に示した氷蓄熱設備は、図3に示した
ものとほぼ同様であるが、次の点で大きく異なってい
る。すなわち、図3の管4と管6とは何れもブラインの
取り出し部として働くので、図4では管4と管6とを同
一の管46に接続して、ブラインを管46から分岐管6
3を経由して槽外に導くこととしている。こうして槽外
に導いたブラインを冷却通路2と循環通路3とに分配し
ている。
【0033】図4に示した氷蓄熱設備では、管4が管6
と同じものであるから、管4と管6とを何れも管6であ
ると考えることができ、従って見方によっては図2の氷
蓄熱設備は管4が管6で代用されていると考えることが
でき、図3の管4と管42とは省略されていると見るこ
ともできる。この発明に係る氷蓄熱設備は図4に示した
ようなものであってもよい。
【0034】また、図4に示した氷蓄熱設備では、循環
通路3の戻り部の構造が僅かに異なっている。図3で
は、枝パイプ9としてリング状のものを用いたが、図4
ではリング状の代わりに正方形状のものが付設され、各
正方形91の各かど部にノズル10が付設されている。
こうして、循環通路3から戻されたブラインはノズル1
0から氷蓄熱槽内へ噴霧されて氷の層の表面上に一様に
散布される。
【0035】図4に示した氷蓄熱設備は、図3について
説明したのと同じ効果をもたらすが、ただ管4と管42
とが省略されているだけ、その構造が簡単になってい
る、という利点がある。
【0036】図6ないし図9は、氷蓄熱槽内に付設され
る環状回路とノズルとの色々な配置関係を示している。
図6ないし図8の断面が図10ないし図12に示されて
いる。そのうち、図6は、側壁12ないし15によって
構成された氷蓄熱槽の平面図を示している。図6の氷蓄
熱槽内には、側壁12ないし15に沿って一周する環状
パイプ7に、4本の架橋パイプ8が付設されて環状パイ
プ7が包囲する面積を5等分している。環状パイプ7と
各架橋パイプ8にはノズル10が付設されている。
【0037】図6のA−A断面が図10に示されてい
る。図10によると環状パイプ7も架橋パイプ8も同じ
1つの水平面上に延びていて、各パイプに直接にノズル
10が付設されている。環状パイプ7も架橋パイプ8も
何れも蓋16を構成する単位パネルに接近しているか
ら、ノズル10も蓋16に接近して設けられることにな
っている。また、ノズル10は蓋16の全面にわたって
分散して設けられている。だから、隣接するノズルから
円錐状に噴出されるブラインの縁は、氷蓄熱槽内に蓄え
られている氷の層の表面X上で、確実に重なり合うよう
にすることが容易である。従って、ノズル10から噴出
されるブラインは、表面X上に隈なく降り注ぐこととな
る。
【0038】図7では、環状パイプ7が包囲する領域を
8本の架橋パイプ8が等分するように付設されて、環状
パイプ7および架橋パイプ8に直接ノズル10が付設さ
れている。図7におけるB−B断面が図11に示されて
いる。図11によると架橋パイプ8は、蓋を構成してい
る単位パネル16の内部でコの字状に隆起している。こ
の隆起した部分にノズル10が付設されていて、ノズル
10は蓋16に接近したところで、各蓋16に分散して
設けられている。従って、隣接するノズル10から噴出
された円錐状のブラインの縁は、氷蓄熱槽内に蓄えられ
ている氷の層の表面X上で、重なり合うようになってい
る。
【0039】図8では、氷蓄熱槽の側壁12ないし15
に沿って一周する環状パイプ7に、1本の架橋パイプ8
が付設され、架橋パイプ8及びこれと平行に延びる環状
パイプ7の2辺に、これから分かれた枝パイプ9が4本
ずつ等しい距離を置いて付設され、各枝パイプ9の先端
にノズル10が付設されている。図8におけるC−C断
面が図12に示されている。図12によると、環状パイ
プ7よりも枝パイプ9の方が蓋16に接近しており、従
ってノズル10は氷の層の表面Xから離れて位置するこ
とができ、隣接するノズル10から噴出される円錐状の
ブラインは、縁で重なり合って表面X上に降り注ぐ。
【0040】図9では、氷蓄熱槽の側壁12ないし15
に沿って一周する環状パイプ7に、1個の架橋パイプ8
が付設され、これらのパイプから分かれた枝パイプ9が
先端で正方形の小回路を形成している。小回路の各かど
部にノズル10が付設されている。その結果、ノズル1
0は氷蓄熱槽内で蓋の全面にわたって、分散して設けら
れたことになっており、ノズル10から噴出されるブラ
インは、氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の層の表面上に隈な
く降り注ぐこととなる。
【0041】この発明では、環状パイプを図13及び図
14に示したように蓋の上方に付設してもよい。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、氷蓄熱槽の上部に側
壁に沿って一周する環状パイプを設け、この環状パイプ
又は環状パイプが包囲する領域を分割する架橋パイプに
直接に、もしくは、環状パイプ又は架橋パイプから分か
れた枝パイプにノズルを付設し、この環状パイプに負荷
装置を経由したあとの循環通路の端を接続したので、循
環通路から戻されるブラインは各ノズルから一様な圧力
で噴出することとなる。また、各ノズルは、氷蓄熱槽の
蓋に接近して蓋の全面にわたって分散して設けられるの
で、氷の微粒子を氷蓄熱槽内により多く蓄えることが出
来る。氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の層の表面Xは、負荷
装置を経てノズルから噴出された温度の高いブラインに
よって溶解されるが、この発明では隣接するノズルから
円錐状に噴出されたブラインの縁が、氷の層の表面X上
で常に重なるようにノズルと氷の層の表面との関係を調
整したので、循環通路から戻されるブラインが隈なく氷
の層の表面X上に散布され、従って溶解されないために
出来る氷の表面の突出部が形成されない。また、隣接す
るノズルから噴射されるブラインの噴射量及び噴射角度
がともに大きく氷の表面上にほぼ同量均等に散布される
ので、負荷装置を経て温度の高くなったブラインは氷の
微粒子の隙間を通って下方に向かう時、氷の層の上部ほ
ど均等によく溶かしブラインの温度が下がるにつれて氷
の層の下部ほど均等に少なく溶かすこととなり、氷の層
の厚さに厚い所と薄い所との差が出来ない。更に、温度
の高いブラインの全てが氷の微粒子の隙間を通る間に一
様に充分冷却されることとなり、氷の層の下には充分冷
却された温度の一定したブラインが存在することとなっ
て、このブラインを吸い込んで熱交換を行う負荷装置の
能力が変動せず、しかも高い能力が維持される。この発
明はこのような利益を与えるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の氷蓄熱槽の一部切欠断面図である。
【図2】従来の他の氷蓄熱槽の一部切欠断面図である。
【図3】この発明に係る氷蓄熱設備の一部切欠斜視図で
ある。
【図4】この発明に係る他の氷蓄熱設備の一部切欠斜視
図である。
【図5】図3に示した氷蓄熱槽の一部切欠縦断面図であ
る。
【図6】この発明において用いることのできる氷蓄熱槽
の一部切欠平面図である。
【図7】この発明において用いることのできる他の氷蓄
熱槽の一部切欠平面図である。
【図8】この発明において用いることのできるさらに他
の氷蓄熱槽の一部切欠平面図である。
【図9】この発明において用いることのできるさらに別
の氷蓄熱槽の一部切欠平面図である。
【図10】図6に示した氷蓄熱槽の一部切欠A−A線断
面拡大図である。
【図11】図7に示した氷蓄熱槽の一部切欠B−B線断
面拡大図である。
【図12】図8に示した氷蓄熱槽の一部切欠C−C線断
面拡大図である。
【図13】この発明において用いることのできる氷蓄熱
槽の一部切欠縦断面図である。
【図14】この発明において用いることのできる氷蓄熱
槽の一部切欠縦断面図である。
【図15】 従来の氷蓄熱槽の一部切欠断面図で
ある。
【符号の説明】
1 氷蓄熱槽 2 冷却通路 3 循環通路 4、5、6 管 7 環状パイプ 8 架橋パイプ 9 枝パイプ 10 ノズル 11 氷蓄熱槽1の底 12、13、14、15 氷蓄熱槽1の側壁 16 氷蓄熱槽1の蓋 41、51、61 開口 42、52、62、46 管
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 5/00 102 F25C 1/00 F28D 20/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブライン中の水分を氷として蓄える氷蓄
    熱槽と、氷蓄熱槽から取り出したブラインを冷凍機で冷
    却して氷蓄熱槽へ戻す冷却通路と、氷蓄熱槽から取り出
    したブラインを負荷装置を経て氷蓄熱槽へ戻す循環通路
    とからなる氷蓄熱設備において、氷蓄熱槽の上部に側壁
    に沿って一周する環状パイプを配置し、上記環状パイプ
    に負荷装置を経由したあとの循環通路の端を接続すると
    ともに、環状パイプに環状パイプが包囲する領域を分割
    する架橋パイプを接続し、環状パイプ及び架橋パイプに
    枝パイプを接続し、各枝パイプにノズルを付設し、ノズ
    ルを氷蓄熱槽の蓋に近接して蓋の全面にわたって分散し
    て位置させ、各ノズルからノズルを頂点とする円錐状に
    ブラインを噴出させ、隣接したノズルから噴出するブラ
    インの縁が氷蓄熱槽内に蓄えられた氷の層の表面上で常
    に重なり合うようにしたことを特徴とする、氷蓄熱設
    備。
  2. 【請求項2】 枝パイプが1つの小回路を形成している
    ことを特徴とする、請求項1に記載の氷蓄熱設備。
  3. 【請求項3】 氷蓄熱槽の蓋が直角四辺形の基板の四辺
    にフランジを設けた浅い箱状の単位パネルの接続によっ
    て構成されており、各単位パネル内に1つの枝パイプが
    収容されていることを特徴とする、請求項1または請求
    項2に記載の氷蓄熱設備。
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