JP2000337668A - 氷蓄熱方法及び装置 - Google Patents

氷蓄熱方法及び装置

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JP2000337668A
JP2000337668A JP11145432A JP14543299A JP2000337668A JP 2000337668 A JP2000337668 A JP 2000337668A JP 11145432 A JP11145432 A JP 11145432A JP 14543299 A JP14543299 A JP 14543299A JP 2000337668 A JP2000337668 A JP 2000337668A
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Kenji Yoshimura
賢二 吉村
Keiichiro Hirata
敬一郎 平田
Korehisa Hayashi
伊久 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 伝熱効率がよく、装置をコンパクトにできる
氷蓄熱方法及び装置を提供する。 【解決手段】 蓄熱槽11内に伝熱部材13を立設し、
夜間電力を利用して伝熱部材13内に伝熱媒体を循環さ
せ、更に伝熱部材13の上方に設けられたノズル14か
ら散水を行って、伝熱部材13の表面に氷を形成させ、
昼間は氷の融解熱を利用して冷房を行う氷蓄熱方法にお
いて、伝熱部材13を内部に伝熱媒体用通路を有する板
状体として、蓄熱槽11内に所定の隙間12を有して並
設し、更に、ノズル14から散水を行って氷の融解を外
側から徐々に行い、蓄熱槽11の底部に溜まった冷水を
冷房に利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の冷暖房な
どに利用される氷蓄熱方法及び装置に係り、詳しくは、
コンパクトで熱効率のよい冷暖房を行うことができる氷
蓄熱方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力使用量は年々増加し、特に夏期の昼
間の電力使用量がピークに達したときには供給が追いつ
かない状態である。しかし、夜間電力を活用した電力負
荷平準化により大幅な電力の使用効率化が図れるため、
電力負荷平準化を目的とした高効率な氷蓄熱装置の開発
が必要とされている。従来の氷蓄熱装置のほとんどは浸
管式であった。浸管式とは、蓄熱槽内の水中に伝熱管を
設置し、その伝熱管内に低温の伝熱媒体(ブライン)を
流すことによって伝熱管周りに氷を生成させる方式であ
った。この方式は、製氷時に氷の厚さの増加と共に伝熱
特性が悪化してシステム性能が低下すること、また解氷
時に融解速度が小さいこと等の欠点があり、高性能化が
難しかった。このため、浸管式を改良した装置として、
特開平7−19688号公報に示された板状氷製造装
置、特開平5−240538号公報に示された流下液膜
式氷蓄熱装置、及び特開平2−101366号公報に示
された噴霧式製氷蓄熱装置等が公開されている。
【0003】図5(A)、(B)に示すように、特開平
7−19688号公報に示された板状氷製造装置70
は、鉛直平板71表面に水を流しながら製氷を行い、氷
73がある程度の厚さに成長すると、鉛直平板71内に
ホットガス等を流して伝熱面72を加熱し、氷73を伝
熱面72から剥離させ、剥離した平らな氷73の冷熱を
冷房として使用するものである。また、図6に示すよう
に、特開平5−240538号公報に示された流下液膜
式氷蓄熱装置75は、伝熱管76の上に設置された散水
管77の軸方向に等間隔に空けられた孔から水を液滴7
8の状態で落下させ、落下した液滴78が伝熱面の表面
で合わさり、液膜を生成する方式である。伝熱管76は
水平円管を用いている。そして、図7に示すように、特
開平2−101366号公報に示された噴霧式製氷蓄熱
装置80は、水タンク81内の上部に設置され、ポンプ
82及び熱交換器83に連結された水ノズル84と膨張
弁85、熱交換器86及び圧縮機87に連結された冷媒
ノズル88とがそれらの噴霧拡散角度を交差するように
隣接して取付けられている。水ノズル84から噴霧され
た水と、冷媒ノズル88から噴霧された冷媒とが、水タ
ンク81内の水面上で広い範囲で直接接触し、氷粒89
(シャーベット状氷)となって上部から積もり、徐々に
水タンク81内を下方に移動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の氷蓄熱装置は、それぞれ以下の問題があった。特開
平7−19688号公報に示された板状氷製造装置70
は、生成した氷73を鉛直平板71から剥離させるの
で、剥離した氷73を回収して冷熱を取り出す装置が別
途必要であり、設備が大きくなっていた。また、特開平
5−240538号公報に示された流下液膜式氷蓄熱装
置75は、図6に示すように、上側から流下する液膜は
水平円管の各段を落下しながら徐々に温度を下げるの
で、上の段ほど生成される氷79の体積が小さくなる。
一方、下側の各段を流下する液膜の温度は低い温度で略
一定となるので略同じ大きさの氷79が生成される。よ
って、下段で生成される氷79が隣り合う氷79と接触
する直前まで製氷を行っても、上段で生成される氷79
の体積が小さいため、上部に空間が生じ、空間占有率が
小さくなっていた。また、解氷時には、液滴78が氷7
9の同じ場所に落下するので、氷79が上部から溶け、
伝熱管76から氷79が落下しやすかった。そして、特
開平2−101366号公報に示された噴霧式製氷蓄熱
装置80は、有害な冷媒が水と混合して水タンク81内
を流動するため、気密性を有するタンクを設置する必要
があり、装置が大型になっていた。本発明はかかる事情
に鑑みてなされたもので、伝熱効率がよく、装置をコン
パクトにできる氷蓄熱方法及び装置を提供することを目
的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る氷蓄熱方法は、蓄熱槽内に伝熱部材を立設し、夜間
電力を利用して前記伝熱部材内に伝熱媒体を循環させ、
更に該伝熱部材の上方に設けられたノズルから散水を行
って、該伝熱部材の表面に氷を形成させ、昼間は前記氷
の融解熱を利用して冷房を行う氷蓄熱方法において、前
記伝熱部材を内部に伝熱媒体用通路を有する板状体とし
て、前記蓄熱槽内に所定の隙間を有して並設し、更に、
前記ノズルから散水を行って前記氷の融解を外側から徐
々に行い、前記蓄熱槽の底部に溜まった冷水を前記冷房
に利用する。ここで、散水とは、水を、例えば、0.1
〜0.9mm程度の細かい水滴の状態で噴霧することを
いう。また、板状体には、表面に氷脱落防止用の複数の
突起、鈎状の爪、又はあり溝等を形成したものも含む。
伝熱部材に形成された氷の表面に液膜を流し、氷−水界
面の熱伝達率を上げることによって、凝固・融解速度を
増加させることができる。また、立設した伝熱部材の上
部から散水を行うので、水を凝固させて氷を形成すると
きには液膜を伝熱面に均一に流して、伝熱面積を有効に
使うことができる。そして、融解時には氷の表面に均一
に液膜を流して融解を外側から徐々に行うので、伝熱部
材の表面から氷が剥離して脱落するのを抑えることがで
きる。
【0006】ここで、前記ノズルから噴霧する水の量を
調整して氷の融解速度を制御することも可能である。従
来の浸管式に比べて融解速度を速くすることができるた
め、散水量を増減させることによって冷房負荷の大きな
変動にも追従して冷房を行うことが可能となっている。
本発明に係る氷蓄熱装置は、蓄熱槽と、前記蓄熱槽の内
部に所定の隙間を有して立設され、内部には伝熱媒体用
通路を有する板状の伝熱部材と、前記それぞれの伝熱部
材の上方に配置され、夜間電力を利用して前記伝熱部材
の表面に氷を形成するときと、昼間前記伝熱部材の表面
に形成された氷を溶かすときに、前記伝熱部材の表面に
水を散水するノズルと、前記蓄熱槽内に溜まった水を、
冷房負荷を通して、及び/又はバイパス回路を通じて前
記ノズルに送るポンプとを有している。通常、製氷時に
は、バイパス回路を通じてノズルに水を送り、ノズルか
ら散水して伝熱部材の表面に氷を生成する。そして、冷
房使用時には、冷房負荷を通してノズルに水を送り、散
水して氷を溶かす。また、製氷しながら冷房を使用した
いときには、冷房負荷を通して冷熱を取り出してノズル
に水を送り、内部に伝熱媒体を流す伝熱部材の表面に水
を散水して氷を生成することも可能である。伝熱面の形
状が鉛直平板状になっているので、同じ空間での水平円
管状伝熱面と比較して伝熱面積を増加させ、凝固速度を
増加させることができる。また、鉛直平板状伝熱面では
氷が均一厚さになるため隣り合う氷同士の接触が起きに
くく、水平円管状伝熱面に比較して、伝熱面と伝熱面と
の間のスペースを小さくでき、蓄熱槽の容積を有効に使
用することができるので、蓄熱層をコンパクトにするこ
とができる。そして、融解時には氷表面に均一に液膜を
流して氷の脱落を起きにくくしているので、一定温度の
冷水を取り出すことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態について説明し、本
発明の理解に供する。図1に示すように、本発明の一実
施の形態に係る氷蓄熱装置10は、氷の融解熱を利用し
て冷房を行う装置であって、製氷及び解氷を行う蓄熱槽
11を備えており、蓄熱槽11の内部には、内部に伝熱
媒体用通路を有する板状体である伝熱部材13が所定の
隙間12を有して複数並設されている。蓄熱槽11内に
あって伝熱部材13の上方には、伝熱部材13の表面に
水を散水するノズル14が配置されている。以下詳しく
説明する。伝熱部材13内の伝熱媒体用通路には、夜間
電力を利用してポンプ15によってエタノール水溶液等
の伝熱媒体Aを循環させている。この伝熱媒体Aは、同
じく夜間運転され、圧縮機18、凝縮機19、及び膨張
弁20を備えた冷凍機16に設けられた熱交換器17内
を通過することによって、冷凍機16内を循環する伝熱
媒体Bによって冷却される。なお、伝熱媒体A、ポンプ
15及び熱交換器17を省略し、冷凍機16内の伝熱媒
体Bを直接伝熱部材13内部の伝熱媒体用通路に循環さ
せることも可能である。蓄熱槽11の下部(底部)に
は、水が貯留されている。蓄熱槽11に溜まった水は、
複数の切り替え弁21〜25を切り替え、ポンプ28を
作動することによってノズル14に送られる。たとえ
ば、昼間の冷房使用時は水を冷房負荷26を通してノズ
ル14に送り(図1中の実線で示す経路)、冷房負荷2
6を使用しない場合には、バイパス回路27を通じて直
接ノズル14に送るように構成されている。ノズル14
からは、非常に細かい霧状の水が散水されるので、複数
の伝熱部材13の表面に均一な液膜を生成することがで
きる。したがって、ノズル14の数は1つでもよいが、
2以上設けることも可能である。なお、本実施の形態に
おいて使用した水滴の平均粒子直径は、0.48〜0.
66mmであった。
【0008】次に、冷凍機16内を流れる伝熱媒体B、
及び伝熱部材13内を流れる伝熱媒体Aの循環経路につ
いて説明する。冷凍機16を始動すると、冷凍機16内
を流れる伝熱媒体Bは、圧縮機18で圧縮され、凝縮器
19で液化され、膨張弁20を通り、熱交換器17に送
られる。そして熱交換器17内で蒸発し、ポンプ15に
よって熱交換器17に送られる伝熱媒体Aから熱を奪い
伝熱媒体Aを低温にして、再度圧縮機18に送られる。
ポンプ15を始動すると、蓄熱槽11と冷凍機16の間
を循環する伝熱媒体Aは、熱交換器17内で蒸発する伝
熱媒体Bによって熱を奪われ低温にされる。そして、伝
熱部材13内の伝熱媒体用通路を通過して伝熱部材13
の温度を下げ、再び熱交換器17に送られる。
【0009】次いで、氷蓄熱装置10を使用した蓄熱方
法、及び蓄熱槽11内を流れる水の循環経路について製
氷時と解氷時に分けて説明する。夜間電力を利用して製
氷するときには、水が蓄熱槽11の下部から切り替え弁
21、ポンプ28、切り替え弁22、バイパス回路2
7、切り替え弁23、24、及びノズル14を通過する
ように切り替え弁21〜25を設定してポンプ28を始
動する。すると、蓄熱槽11の下部に溜まった水はノズ
ル14に送られ、ノズル14から伝熱部材13の上部に
噴霧され、伝熱部材13の表面に付着して流下液膜を形
成する。なお、このときは、冷凍機16及び伝熱媒体A
を循環させるポンプ15も運転しているので、伝熱部材
13の表面は低温になっており、伝熱部材13の表面に
流下液膜を形成する水は次第に凝固して氷になる。ま
た、水は伝熱部材13の表面に形成された氷の表面にも
流下液膜を形成し、さらに凝固して氷を形成する。伝熱
部材13は鉛直方向に立設しているので、氷の表面に形
成された流下液膜の流下速度を速くすることができ、こ
れによって製氷面の熱伝達率を高くして凝固速度を浸管
式のものより速くできる。また、形成される氷の表面は
伝熱部材13の表面に略平行になるので、隣り合う伝熱
部材13の表面に形成される氷との隙間が均一になり、
蓄熱槽11内に空きスペースを形成しないで空間占有率
を大きくすることができる。
【0010】昼間、解氷するときには、製氷するときの
状態から切り替え弁22、23を切り替えて、製氷時に
はバイパス回路27を通過させていた水を冷房負荷26
に通してからノズル14に送ることができる。そして、
ノズル14から伝熱部材13の上部に散水された水は、
形成されている氷の表面を流下して氷を外側から徐々に
融解する。流下式の場合の融解速度は、浸管式の場合の
融解速度より速くすることが可能なので、ノズル14か
ら噴霧する水の量を調整することによって氷の融解速度
を制御でき、冷水の温度変化に対応して所定量の冷水を
生成することができる。また、ノズル14から霧状の水
を散水して氷を外側から徐々に溶かすので、氷が脱落し
にくくなっている。氷が脱落した場合には、蓄熱槽の下
部の水中で融解が進行することになるが、この場合の融
解速度は、浸管式と同様に遅くなってしまう。しかし、
本発明に係る氷蓄熱装置10を使用した場合には、氷が
脱落しにくいので、融解の途中で融解速度が遅くなるこ
とがなく、安定して融解速度の制御を行うことができ
る。このようにして、蓄熱槽11の底部に溜まった冷水
の冷熱を冷房負荷26から取り出して冷房を行うことが
できる。なお、解氷を行うときには、冷凍機16及びポ
ンプ15は停止している。冬期には、伝熱部材13内部
の伝熱媒体用通路に加熱流体が循環するようにして温水
蓄熱を行うことも可能である。この場合には、予め蓄熱
槽11内に伝熱部材13の上端より高い位置まで水を入
れておく。そして、冷凍機16内を流れる伝熱媒体Bを
逆回転させて冷凍機16をヒートポンプとして使用し、
熱交換器17内で伝熱部材13内を流れる伝熱媒体Aを
加熱して蓄熱槽11内の水に熱を伝達する。次いで、切
り替え弁21〜25を切り替え、水が蓄熱槽11の上部
から切り替え弁25、21、ポンプ28、切り替え弁2
2、バイパス回路27、切り替え弁23、24を通過
し、蓄熱槽11の下部に流入するようにする。そして、
熱を取り出すときには、冷房負荷26の替わりに暖房負
荷を用い、加熱するときの状態から切り替え弁22、2
3を切り替えて前記暖房負荷を通過する構成にするとよ
い。
【0011】以上、本発明に係る実施の形態について説
明してきたが、本発明は、前記実施の形態に限定される
ものではなく、例えば、夜間に冷房が必要なときには、
冷凍機16及び伝熱媒体Aを循環させるポンプ15を運
転して氷を製造するときに、水が冷房負荷26を通過す
るように切り替え弁21〜25を操作して、製氷を行い
ながら冷房を行うことも可能である。
【0012】
【実施例】前記実施の形態で説明した噴霧式の氷蓄熱装
置10(実施例)、従来例に係る水平円管を使用した流
下液膜式氷蓄熱装置75(比較例1)、及び浸管式のス
タティック型氷蓄熱装置(比較例2)によって製氷及び
解氷を行った。水の初期温度Toを20度とし、伝熱部
材表面温度を−10度として、製氷を行なったときの時
間と凝固割合の変化を測定した。このときの水の噴霧量
は2.6L/minである。図2は実施例と比較例2の
結果を示したグラフである。このグラフで、横軸は時間
(min)、縦軸は凝固割合を示している。凝固割合
は、凝固層(生成した氷)の伝熱媒体の流れ方向に垂直
な面の断面積を伝熱部材の断面積で除した値で表してい
る。このグラフに示すように、90分以上製氷を続けた
場合には実施例の方が比較例2より凝固割合が大きくな
っている。この結果から、生成される氷の体積が大きく
なるに従って、浸管式である比較例2の製氷面の熱伝達
率が小さくなっていることが確認できる。
【0013】次に比較例2の伝熱部材の表面温度Twを
10度、本実施例のノズルから散水する水の温度Twa
を10度、ノズルから散水する水の流量Vを4.8L/
minとして、解氷を行ったときの時間と融解割合の変
化を測定した。図3は、融解時の本実施例と比較例2の
融解割合の変化を示したグラフである。このグラフで、
横軸は時間(sec)、縦軸は融解割合を示している。
融解割合は、融解層断面積を伝熱管断面積で除した値で
表している。なお、融解層断面積は、初期の凝固層断面
積から測定時の凝固層断面積を減じた値で示している。
このグラフに示すように、スタティック型である比較例
2の融解速度が非常に小さいことがわかる。
【0014】図4は、製氷時の実施例及び比較例1の単
位伝熱面積当たりの氷体積の変化を表したグラフであ
る。このグラフで横軸は時間(min)、縦軸は、氷体
積(cm 3 )を伝熱面積(cm2 )で除した値を表して
いる。伝熱面積は、それぞれの伝熱部材の表面積で計算
している。グラフから、伝熱面の形状は製氷の効率(空
間占有率を除く)にはあまり影響がないことがわかる。
【0015】
【発明の効果】請求項1、2記載の氷蓄熱方法において
は、立設した伝熱部材の上方からノズルで散水するの
で、氷の表面に流下液膜を形成し、凝固・融解速度を増
加させることができ、また、液膜を伝熱面に均一に流す
ことができる。さらに、融解時には、氷の表面に均一に
液膜を流して融解を外側から徐々に行うので、伝熱部材
の表面から氷が剥離し脱落しにくくし、多量の氷の融解
速度を制御することができる。特に、請求項2記載の氷
蓄熱方法においては、ノズルから噴霧する水の量を調整
して氷の融解速度を制御するので、冷房負荷が急激に変
動して融解速度を上げる必要があるときにもこれに追従
して迅速に対応することができる。請求項3記載の氷蓄
熱装置においては、伝熱面の形状が鉛直平板状になって
いるので、氷の厚さが均一になり、伝熱面と伝熱面の間
のスペースを小さくでき、蓄熱槽の容積を有効に使用す
ることができるので、蓄熱槽をコンパクトにすることが
できる。また、融解時には、氷の表面に均一に液膜を流
して氷の脱落を起きにくくしているので、一定温度の冷
水を冷房負荷の変動に追従して必要な量だけ取り出すこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る氷蓄熱装置の正断
面図である。
【図2】本発明の実施例及び比較例の凝固割合の変化を
示すグラフである。
【図3】本発明の実施例及び比較例の融解割合の変化を
示すグラフである。
【図4】本発明の実施例及び比較例の製氷時の単位伝熱
面積当たりの氷体積の変化を表したグラフである。
【図5】(A)、(B)は、それぞれ従来例に係る板状
氷製造装置の鉛直平板の説明図である。
【図6】他の従来例に係る流下液膜式氷蓄熱装置の説明
図である。
【図7】他の従来例に係る噴霧式製氷蓄熱装置の説明図
である。
【符号の説明】
10:氷蓄熱装置、11:蓄熱槽、12:隙間、13:
伝熱部材、14:ノズル、15:ポンプ、16:冷凍
機、17:熱交換器、18:圧縮機、19:凝縮機、2
0:膨張弁、21〜25:切り替え弁、26:冷房負
荷、27:バイパス回路、28:ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 伊久 福岡県北九州市八幡西区則松3丁目6−1 福岡県工業技術センター 機械電子研究 所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱槽内に伝熱部材を立設し、夜間電力
    を利用して前記伝熱部材内に伝熱媒体を循環させ、更に
    該伝熱部材の上方に設けられたノズルから散水を行っ
    て、該伝熱部材の表面に氷を形成させ、昼間は前記氷の
    融解熱を利用して冷房を行う氷蓄熱方法において、前記
    伝熱部材を内部に伝熱媒体用通路を有する板状体とし
    て、前記蓄熱槽内に所定の隙間を有して並設し、更に、
    前記ノズルから散水を行って前記氷の融解を外側から徐
    々に行い、前記蓄熱槽の底部に溜まった冷水を前記冷房
    に利用することを特徴とする氷蓄熱方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の氷蓄熱方法において、前
    記ノズルから噴霧する水の量を調整して氷の融解速度を
    制御することを特徴とする氷蓄熱方法。
  3. 【請求項3】 蓄熱槽と、前記蓄熱槽の内部に所定の隙
    間を有して立設され、内部には伝熱媒体用通路を有する
    板状の伝熱部材と、前記それぞれの伝熱部材の上方に配
    置され、夜間電力を利用して前記伝熱部材の表面に氷を
    形成するときと、昼間前記伝熱部材の表面に形成された
    氷を溶かすときに、前記伝熱部材の表面に水を散水する
    ノズルと、前記蓄熱槽内に溜まった水を、冷房負荷を通
    して、及び/又はバイパス回路を通じて前記ノズルに送
    るポンプとを有することを特徴とする氷蓄熱装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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