JP2579527B2 - 白煙発生防止用の向流式冷却塔 - Google Patents

白煙発生防止用の向流式冷却塔

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JP2579527B2
JP2579527B2 JP63125421A JP12542188A JP2579527B2 JP 2579527 B2 JP2579527 B2 JP 2579527B2 JP 63125421 A JP63125421 A JP 63125421A JP 12542188 A JP12542188 A JP 12542188A JP 2579527 B2 JP2579527 B2 JP 2579527B2
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健 柏田
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は白煙発生防止用の冷却塔に関する。
(従来技術) 従来、この種冷却塔に使用する乾式熱交換器が、特開
昭51−100370号公報に記載されており、その構造は全体
合成樹脂製で、扁平な垂直方向の相互に平行な複数個の
散布水流下通路と、これらの散布水流下通路間に夫れ夫
れ形成された垂直方向の面を持つ扁平で、気流の流れる
空気通路とを有し、これら2つの流体通路が相互の流体
を非接触とする複数枚の合成樹脂板よりなる熱交換隔壁
板によって仕切られている冷却塔用熱交換器が記載され
ており、各空気通路の両壁は逆U字状部材で形成され、
隣接する逆U字状部材の波形側壁は突出して設けたリブ
部分で相互に接着されていると共にその側縁において連
結パネルにより相互に連結されて前記散布水流下通路を
形成している。
この公報記載の前記熱交換器は図に示すように冷却塔
の外気取入口に面した充填材の内側にこの熱交換器を数
個階層的に吊り下げ支持し、冬季における白煙発生の防
止を図っている。
(解決しようとする課題) このように先行技術のものは、直交流式冷却塔に使用
するには適しているが、向流式冷却塔にそのまま使用す
るにはこの熱交換器への供給装置及びその構造が複雑と
なる。更にこの熱交換器では、液体の流下速度を緩くす
るため狭く、かつ屈曲させた液体通路は長期間使用する
間には塵埃や微生物がそれらの壁面に付着し、液体通路
の断面積を実質的に狭くし、所定の流量が流下できず、
これらの熱交換器の供給側において溢水し、これらの周
辺を悪戯に漏らすだけでなく、循環冷媒の損失となって
いる。
冷却塔の外気取入口に面した充填材の内側にこの熱交
換器を数個階層的に吊り下げ支持してある場合には、前
記供給側での溢水現象により所望の白煙発生の防止を行
えないこともあると共に、前記流体通路が狭いため内部
に侵入したエアが抜けがたく、この通路内に滞留し熱交
換を阻害している。
この発明は気液非接触型の熱交換器の熱交換を行なう
主要部分における液体通路において、仮に一部分に目詰
りを起したとしても、熱交換器全体として液体の給吐出
量が一定に保持できるようにし、液体通路の流量に影響
を及ぼさないようにすると共に侵入したエアを円滑に抜
けるようにし、熱交換効率を向上させることと、内外圧
の圧力差を少なくし、これらの圧力変化により破損しな
い乾式熱交換器を使用した向流式冷却塔を提供すること
を目的とする。
(課題を解決する手段) 前記課題を達成するために、この発明は湿式熱交換器
の上に乾式熱交換器を積み重ねてなる白煙発生防止用の
向流式冷却塔において、前記乾式熱交換器は、間隔をお
いて並列配置した複数枚の同一形状の乾式熱交換体から
なり、隣接する乾式熱交換体間に垂直な空気流通路を一
個宛形成し、 前記各乾式熱交換体は、2枚の合成樹脂製壁板をその
上縁と両側縁で閉じた全体矩形で扁平な薄肉中空体で構
成され、前記各乾式熱交換体の下縁は全幅にわたり外部
に開口し散布水吐出口としてあり、 前記上縁の中央部で前記両壁板は外方に張り出し、こ
の上縁の中央部には両側壁が前記両壁板からなる膨出窪
みが外部に開口して散布水受け入れ口として成形してあ
り、この膨出窪みと前記散布水吐出口を連通する散布水
流下通路が、前記各乾式熱交換体内部に形成してあり、 前記散布水流下通路の幅の大部分は、散布水緩速部と
してあり、この散布水流下緩速部は水平方向に延びる邪
魔シール部を全面に複数段にわたり階層的に分布させ
て、これら邪魔シール部を一つ置きに位置をずらせ、前
記邪魔シール部間に蛇行流路を形成して成り この散布水緩速部は、少なくとも一つの垂直なシール
部を介して垂直方向の溢水路と隣接形成して配置され、
この垂直なシール部の上端は、堰の形状としてあり、こ
の堰を通して前記溢水路と散布水緩速部における最上段
部の液溜部分とが相互連通していると共に、前記蛇行す
る流下緩速部の屈曲路位置には前記垂直なシール部を横
断し前記溢水路内に開口するエア抜き穴が形成してあ
り、前記両壁板外面には、前記膨出窪みと同一寸法張り
出した隆起部がスペーサとして成形してあり、このよう
に構成して成る前記合成樹脂製の乾式熱交換体同士は前
記膨出窪み同士及び隆起部同士が相互当接し一体に組み
立て前記乾式熱交換器としてあることを特徴とする白煙
発生防止用の向流式冷却塔である。
前記溢水路は前記乾式熱交換体の一側縁に沿って設け
てあることが望ましい。
前記溢水路は前記乾式熱交換体の両側縁に沿って設け
てあるとより好ましい。
前記屈曲する散布水緩速部はその中央部分で垂直な邪
魔シール部分で2系列乃至4系列の流体通路に夫れ夫れ
分離されている場合もある。
前記複数段にわたり設けた邪魔シール部の長さは、上
段のものほど下段のものに比べ順次長くしてあり、前記
散布水緩速部における最上段部から下数段にわたる領域
は散布水流下量調整域としてあり、これより下方の領域
は散布水分散促進域としてあることが、熱交換上好まし
い。
前記合成樹脂製の乾式熱交換体における下縁部の外面
には前記空気流通路に位置する水滴捕捉用のエリミネー
タが一体に形成されていることもある。
前記膨出窪みの上部開口縁は、散布水供給管のノズル
を収納する受け顎として形成されている場合もある。
(発明の作用) このように構成されている向流式冷却塔の作用を次に
説明する。
先ず、複数枚の熱交換体をケース乃至適宜の支持枠を
用いて並列配置し、前記隆起部を一種のスペーサとし
て、これにより隣接する熱交換体の間に狭い幅の水平な
空気流通路を形成し、所望寸法の乾式熱交換器を組み立
てる。
このように組み立てた前記乾式熱交換器を、向流式冷
却塔の充填材の上側に階層的に配列する。
この状態で冷却塔の送風機を回転駆動し、負荷部であ
る空調若しくは冷凍機によって温められた(30〜70℃程
度)循環する冷媒たる冷却水(散布水)を散布水受入口
から前記流下液緩速部位置に供給すると、冷却水は順次
前記邪魔シール部間に形成された蛇行流路中を蛇行しつ
つ順次流下し、前記熱交換体の両壁板と充分に撹拌され
ながら接触し、単に垂直に流下するより遥かに長時間両
壁板と接触し、下側の充填材を通り前記各空気流通路を
上向きに流れる空気と前記両壁板を介して間接的に熱交
換し、これらを暖めると同時に、自づからは空気に熱を
とられてその分冷却される。
この冷却塔の運転中に、前記散布水緩速部内に残留し
ているエアは、前記散布水緩速部の屈曲路上部隅角に押
しやられ、この部分に滞留しようとするが、前記エア抜
き穴を通って前記溢水路内に流入しこの溢水路を上昇し
前記供給部から外部へ吐き出される。
仮に冷却水の供給量が脈動を起したり、一時的に供給
量が増加したとき、或は流下液緩速路中に微生物などが
付着し、流下液緩速路の断面積が狭くなり、流量低下を
きたし、液溜部の水位が上昇し、堰より高くなると、前
記冷却水の一部は溢水路を通り直接流下し、前記熱交換
体外に溢れ出さない。
なお、前記冷却塔運転中、各熱交換体の散布水受入口
は外気に開放してあり、自然流下式に前記冷却塔中に配
設された冷却水は前記流下液緩速路内を蛇行しつつ流下
していく。そして、冷却塔の運転停止と同時に大気圧を
受けて外部に開口した前記散布水吐出口より外部へ吐出
される。
前記複数段にわたり設けた邪魔シール部の長さは、上
段のものほど下段のものに比べ順次長くしてあり、前記
散布水緩速部における最上段部から下数段にわたる領域
は散布水流下量調整域としてあり、これより下方の領域
は散布水分散促進域としてあるものにおいては、散布水
入口に多目の散布水が流入した場合、この散布水流下量
調整域で散布水が下方へ一度に流れるのを抑制され、前
記散布水緩速部から散布水吐出口へ向かうことのできる
流量を超えた余分の量の散布水は、この散布水流下量調
整域の側方に位置する溢水路内に流入し、この散布水緩
速部から逃げ溢水路を通り前記散布水吐出口から吐出さ
れる。
次いで、この散布水流下量調整域を通過し、下方の散
布水分散促進域に至った散布水は、短い寸法の邪魔シー
ル部間の隙間を通して幅方向へ拡がるよりも下方への流
下が順次促進され、側方の溢水路に余り流入することな
く散布水緩速部を通して吐出口により吐出される。な
お、この散布水分散促進域においても若干流下する散布
水が多目の場合には、その側の幅の狭い溢水路に流入
し、この溢水路を通って流下し吐出口から吐出する。
このようにして、この熱交換体内を流下中に散布水
は、前記空気流通路内を上昇する空気流と向流の状態で
間接的に冷却され、下方の充填材上へ散布される。
前記乾式熱交換体における下縁部の外面には前記空気
流通路に位置する水滴捕捉用のエリミネータが一体に形
成されている場合には、下方の充填材を通り抜けた空気
中に含まれている水滴はこのエリミネータで捕捉され
る。
前記膨出窪みの上部開口縁は、散布水供給管のノズル
を収納する受け顎として形成されているものにおいて
は、この受け顎に前記ノズルを差し込み、この膨出窪み
を外気に開放した状態でノズルを通して散布水を前記乾
式熱交換体内へ供給する。
(発明の効果) 叙上のように構成し作用を為すこの発明の向流式冷却
塔においては、熱交換を行なう主要部分たる散布水緩速
部において、仮に一部目詰り乃至流量制限があり、一時
的に供給冷却水の流量が変化し、液溜部の水位が上昇し
ても、堰を超えて熱交換流下水路の一部である溢水路を
通過して下方に冷却水が吐出するため、通過水量自体を
制限するおそれがない。
この向流式冷却塔においては、前記流下液緩速路の一
部目詰まりが発生しても、堰を超えて熱交換流下水路の
一部である溢水路を通過して散布水吐出口から冷却水が
吐出する為、冷却水が前記供給部から空気流通路に溢れ
ることが無い。
この上縁中央部で前記の両壁板は外方に張り出し、こ
の上縁の中央部に、前記散布水受入口となる膨出窪みを
形成し、この膨出窪みと前記散布水吐出口を連通する散
布水流下通路が、前記各乾式熱交換体内部に形成してあ
るため、散布水供給ヘッダーから吐出した循環冷却液
が、並列した熱交換体からなる乾式熱交換器の容量より
若干多くても、この膨出窪み内に一度滞留し、乾式熱交
換器外には流出せず、簡易な配管構造で、自然流下式に
動力を使用せずに循環冷却水を各熱交換器散布水流下通
路に供給し、熱交換できる。
更に、この冷却塔運転開始時に前記散布水緩速部内に
残留しているエアは冷却水により前記散布水緩速部の屈
曲路上部に押しやられ、前記エア抜き穴を通って前記溢
水路内に流入しこの溢水路を上昇して前記供給部から外
部へ吐きだされるため、エアはこの散布水緩速部内に殆
ど残留せず、熱交換に支障を来さないし、熱交換器の内
外圧差が少なく、これを破損させない。
前記散布水吐出口を前記中空体の下縁を全幅にわたり
開口して形成してあるため、循環冷却液の熱交換体から
の吐出を迅速、且つ広い面積で行え、充填材をこの熱交
換体の下部に装填してなる冷却塔に使用する場合に、こ
の充填材全域に上方から均一に循環冷却液を散布出来
る。
前記溢水路を前記中空体の一側縁に沿って設けたもの
では、その成形が容易と成り、この溢水路を前記中空体
の両側縁に沿って設ければ、前記溢水路及びエア抜き穴
に関する効果を倍加できる。
前記屈曲する散布水緩速部をその中央部分で垂直な区
画シール部分で2系列乃至4系列の流体通路に夫れ夫れ
分離させれば、この熱交換体全面に均一に循環冷却水を
分配できる。
前記複数段にわたり設けた邪魔シール部の長さは、上
段のものほど下段のものに比べ順次長くしてあり、前記
散布水緩速部における最上段部から下数段にわたる領域
は散布水流下量調整域としてあり、これより下方の領域
は散布水分散促進域としてある熱交換体に流入する散布
水の流量の変動時に散布水流下量調整域で散布水の流下
速度を邪魔シール部で遅速し、熱交換体の散布水受入口
から溢れ出ようとする散布水の一部を、側方の溢水路へ
逃がすことができ、空気流通路内へ漏出するのを防止で
きるとともに、散布水分散促進域に流下した散布水は、
滞留時間を短縮化し、下方の充填材への散布を迅速する
ことができる。
合成樹脂製の乾式熱交換体における下縁部の外面には
前記空気流通路に位置する水滴捕捉用のエリミネータが
一体に形成されているものにおいては、下方の充填材間
を吹き抜け、この熱交換体間に流入しようとする空気流
で運ばれてきた水滴をこのエリミネータで確実に捕捉で
き完全にキヤリーオーバーを防止できる。
前記窪みの上部開口縁が、散布水供給管のノズルを収
納する受け顎として形成されているものでは、ノズルを
この受け顎で安定良く支持できる。
(実施例) 次にこの発明の代表的な実施例を説明する。
第1図において、Aは湿式熱交換器の一種である充填
材Cの上に乾式熱交換器Bを積み重ねてなる白煙発生防
止用の向流式冷却塔であり、前記乾式熱交換器Bは、間
隔において並列配置した複数枚の同一形状の乾式熱交換
体10からなり、隣接する乾式熱交換体10間に垂直な空気
流通路11を一個宛形成する。
前記各乾式熱交換体10は、2枚の合成樹脂製壁板12、
13をその上縁10aと両側縁10b、10cで閉じた全体矩形で
扁平な薄肉中空体で構成され、前記各乾式熱交換体10の
下縁は全幅にわたり外部に開口し散布水吐出口14として
ある。この熱交換体10に使用する合成樹脂は特に制限は
ないがポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリエチレン、
ポリプロピレンなど安価で成形性のよいものが良い。
前記上縁10aの中央部で前記両壁板12、13は外方に張
り出し、この上縁10aの中央部には両側壁で前記両壁板1
2、13からなる膨出窪み15が外部に開口して散布水受け
入れ口として成形してあり、この膨出窪み15と前記散布
水吐出口14を連通する散布水流下通路17が、前記各乾式
熱交換体10内部に形成してあり、前記散布水流下通路17
の幅の大部分は、散布水流下緩速部18としてあり、この
散布水流下緩速部18は水平方向に延びる邪魔シール部19
を全面に複数段にわたり階層的に分布されて、これら邪
魔シール部19を一つ置きに位置をずらせ、前記邪魔シー
ル部19間に蛇行流路を形成して成り、この散布水流下緩
速部18は、少なくとも一つの垂直なシール部20を介して
垂直方向の溢水路21と隣接形成して配置され、この垂直
なシール部20の上端は、堰20aの形状としてあり、この
堰20aを通して前記溢水路21と散布水流下緩速部18にお
ける最上段部の液溜部分とが相互連通していると共に、
前記蛇行する散布水流下緩速部18の屈曲路位置には前記
垂直なシール部20を横断し前記溢水路21内に開口するエ
ア抜き穴22が形成してあり、前記両壁板12、13外面に
は、前記膨出窪み15と同一寸法張り出した隆起部23がス
ペーサとして成形してあり、このように構成して成る前
記合成樹脂製の乾式熱交換体10同士は前記膨出窪み15同
士及び隆起部23同士が相互当接し一体に組み立てられ乾
式熱交換器Bを構成している。
前記中空体からなる乾式熱交換体10は真空乃至ブロー
成形品としあることが望ましい。
この実施例では、各側縁10b、10cに沿い溢水路21が形
成されているが、前記溢水路21は、前記乾式熱交換体10
の一側縁10b、又は10cに沿ってのみ設けることもある。
前記屈曲する散布水流下緩速部18はその中央部分で垂
直な邪魔シール部で2系列乃至4系列の流体通路に夫れ
夫れ分離されている場合もある。
前記熱交換体10における上下隣接する水平な方向に延
びる邪魔シール部19間の蛇行流路の両壁は、この両壁ほ
ゞ全面にわたり下流側ほど上位に45度前後傾斜した平行
な畝24を内外に形成した波板状としてある。
前記複数段にわたり設けた邪魔シール部19の長さは、
上段のものほど下段のものに比べ順次長くしてあり、前
記散布水流下緩速部18における最上段部から下数段にわ
たる領域は散布水流下量調整域25としてあり、これより
下方の領域は散布水分散促進域26としてある。
前記散布水流下量調整域25に位置する前記溢水路21b
の幅は、前記散布水分散促進域26に位置する前記溢水路
21c幅より約2倍程度広幅としてあり、この幅の異なる
上下の溢水路21bと21cの継目部分で、前記幅の狭い溢水
路21cを形成する垂直なシール部20cの上端が散布水流下
緩速部18と幅の狭い溢水路21cとを連通する第2の堰20b
を形成している。
前記乾式熱交換体10における下縁部の外面には前記空
気流通路11に位置する水滴捕捉用のエリミネータ27が一
体に形成されている。
前記散布水流下量調整域25に位置する幅の広い前記溢
水路20b内に少なくとも前記エア抜き穴22が開口し形成
してある場合もある。
前記膨出窪み15の上部開口縁15aに散布水供給管受け
口15bが形成されている。
なお、この受け口15bにかえて前記膨出窪み15の上部
開口縁15aを、散布水供給管FのノズルF1を収納する受
け顎15cとして形成しても良い(第4図参照)。
(実施例の作用) このように構成されている実施例の向流式冷却塔Aの
作用を次に説明する。
先ず、複数枚の熱交換体10をケース乃至適宜の支持枠
(図示せず)を用いて並列配置し、前記隆部部23を一種
のスペーサとして、これにより隣接する熱交換体10の間
に狭い幅の水平な空気流通路11を形成し、所望寸法の乾
式熱交換器Bを組み立てる。
このように組み立てた前記乾式熱交換器Bを、向流式
冷却塔Aの充填材Cの上側に階層的に配列する。
この状態で冷却塔Aの送風機を回転駆動し、負荷部で
ある空調若しくは冷凍機によって温められた(30〜70℃
程度)循環する冷媒たる冷却水(散布水)が前記隣接す
る熱交換体10の当接する膨出窪み15の上部開口縁15aに
形成した受け口15bに横たえられ配管した散布水供給用
ヘッダーから水平に延びる散布水供給管Fの散水孔から
各熱交換体10の散布水受け入れ口へ分散供給され、次い
でこれら散布水受け入れ口16から前記散布水流下緩速部
18位置に供給すると、冷却水は順次前記邪魔シール部19
間に形成された蛇行流路中を蛇行しつつ順次流下し、前
記熱交換体10の両壁板12、13と充分に撹拌されながら接
触し、単に垂直に流下するより遥かに長時間両壁板12、
13と接触し、下側の充填材Cを通り前記各空気流通路11
を上向きに流れる空気と前記両壁板12、13を介して間接
的に熱交換し、これらを暖めると同時に、自づからは空
気に熱をとられてその分冷却される。
なお、邪魔シール部19間の蛇行流路の両壁を、この両
壁ほゞ全面にわたり下流側ほど上位に45度前後傾斜した
平行な畝24を内外に形成した波板状としてある場合に
は、この蛇行流路内を巡回する冷却水はこれら畝24を乗
り越える度に上方に誘導されて若干盛り上がると共に、
この蛇行流路の各水平部分の流路の上側部まで冷却水は
充満乃至は少なくとも前記水平部分の内壁面の上部まで
を濡らして屈曲位置に達し、長時間にわたり両壁板12、
13のほゞ全面と接触し続ける。
この冷却塔の運転中に、前記散布水流下緩速部18内に
残留しているエアは、前記畝24により上方へ若干盛り上
がる冷却水の動きに伴い、前記散布水流下緩速部18の屈
曲路上部隅角に押しやられ、この部分に滞留しようとす
るが、前記エア抜き穴22を通って前記溢水路21内に流入
しこの溢水路21を上昇し前記供給部から外部へ吐き出さ
れる。
仮に冷却水の供給量が脈動を起したり、一時的に供給
量が増加したとき、或は散布水流下緩速部18中に微生物
などが付着し、散布水流下緩速部18の断面積が狭くな
り、流量低下をきたし、前記液溜部分の水位が上昇し、
堰20aより高くなると、前記冷却水の一部は溢水路21を
通り直接流下し、前記熱交換体10の膨出窪み15外に溢れ
出さない。
なお、前記冷却塔運転中、各熱交換体10の散布水受け
入れ口は外気に開放してあり、自然流下式に前記冷却塔
内に配設された冷却水は前記散布水流下緩速部18内を蛇
行しつつ流下していく。そして、冷却塔Aの運転停止と
同時に大気圧を受けて外部に開口した前記散布水吐出口
14より外部へ吐出される。
前記散布水受け入れ口に多目の散布水が流入した場
合、この散布水流下量調整域25で散布水が下方へ一度に
流れるのを抑制され、前記散布水流下緩速部18から散布
水吐出口14へ向かうことのできる流量を超えた余分な量
の散布水は、この散布水流下量調整域25の側方に位置す
る広幅な溢水路21b内に流入し、この散布水流下緩速部1
8から逃げ溢水路21を通り前記散布水吐出口14から吐出
される。
次いで、この散布水流下量調整域25を通過し、下方の
散布水分散促進域26に至った散布水は、短い寸法の邪魔
シール部19間の隙間を通して幅方向へ拡がるよりも下方
への流下が順次促進され、側方の幅の狭い溢水路21cに
余り流入することなく散布水流下緩速部18を通して吐出
口14より吐出される。なお、この散布水分散促進域26に
おいても若干流下する散布水が多目の場合には、その側
の幅の狭い溢水路21bに散布水は流入し、この溢水路21
を通って流下し散布水吐出口14から吐出する。
このようにして、この熱交換体10内を流下中に散布水
は、前記空気流通路11内を上昇する空気流と向流の状態
で間接的に冷却され、下方の充填材C上へ散布される。
この際、下方の充填材Cを通り抜けた空気中に含まれ
ている水滴は前記エリミネータ27で捕捉されこの熱交換
体10を通り上下に抜けない。
前記散布水流下量調整域25に位置する幅の広い前記溢
水路21bに少なくとも前記エア抜き穴22が開口し形成し
てあるものにおいても、前記と同様の作用がなされる。
前記膨出窪み15の上部開口縁15aに散布水供給管受け
口15bが形成されているものでは、前記供給用ヘッダー
Fをこの受け口15b内に収納して散布水の供給を行う。
前記膨出窪み15の上部開口縁15aが、散布水供給管F
のノズルを収納する受け顎15cとして形成されているも
のにおいては、この受け顎15cに前記ノズルFを差し込
み、外気に開放した状態でノズルF1を通して散布水を前
記乾式熱交換体10内へ供給する。
このように構成し、作用する実施例は、各請求項の効
果を奏する。
なお、実施例固有の効果としては、次の事項がある。
関連発明である邪魔シール部間の蛇行流路の両壁を、
この両壁ほゞ全面にわたり下流側ほど上位に45度前後傾
斜した平行な畝を内外に形成した波板状としてある冷却
塔用合成樹脂製熱交換体においては、前記特定発明の効
果に加えて、この蛇行流路内を巡回する冷却液をこれら
畝を乗り越える度に上方に誘導されて若干盛り上がる。
この場合に、各水平流路部分の上側にエアが残留して
いたとしても、この盛り上がる冷却水によって、エアは
前述のエア抜き穴から溢水路へ押し出されるため、内部
の残留エアが各水平流路部における水位の上昇を阻害す
ることがない。
また蛇行流路の各水平部分の流路の上側部まで冷却水
は上昇してこれら各水平部分に充満乃至は少なくとも前
記水平部分の内壁面の上部までも濡らし屈曲位置に到達
させるため、前記傾斜させた畝のない場合よりも、循環
冷却液が蛇行流路を通過する時間が長くなり、かつ両壁
板と循環冷却液とが接触する表面積が広くなるため、空
気と循環冷却液との非接触の熱交換率を上げることが出
来る。
前記中空体を真空乃至ブロー成形品とすれば、この熱
交換体の製造が容易で、かつ安価と成る。
前記散布水流下量調整域に位置する前記溢水路の幅
は、前記水分散促進域に位置する前記溢水路の幅より約
2倍程度広幅としてあり、この幅の異なる上下の溢水路
の継目部分で、前記幅の狭い溢水路を形成する垂直なシ
ール部の上端が散布水緩速部とこの幅の狭い溢水路とを
連通する第2の堰を形成しているものにおいては、散布
水流下量調整域での溢水量が散布水分散促進域のものよ
り多目であっても、充分に散布水を溢水路を通し、吐出
口へ流下させることができ、空気流通路の内壁を漏らさ
ずにすみキャリオーバー現象をなくせる。
前記散布水流下量調整域に位置する幅の広い前記溢水
路内に少なくとも前記エア抜き穴が開口し形成してあれ
ば、前記溢水効果とエア抜きを併行して行うことができ
る。
前記膨出窪みの上部開口縁に散布水供給管受け口か形
成されているものにおいては、供給用ヘッダーになる供
給をこの受け水口内に収納でき、その散水構造が簡略に
できる。
【図面の簡単な説明】
図面はこの発明に係るものであって、第1図は第1実施
例の概略図、第2図はその熱交換体の正面図、第3図は
乾式熱交換体の配列を示す側面図、第4図はその他の熱
交換体の一部を示す正面図、第5図は第3図の一部拡大
縦断面図である。 図中の主な符号 10……乾式熱交換体 15……膨出窪み、 18……散布水流下緩速部 21……溢水路、 22……エア抜き穴 25……散布水流下量調整域、 26……散布水分散促進域。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】湿式熱交換器の上に乾式熱交換器を積み重
    ねてなる白煙発生防止用の向流式冷却塔において、 前記乾式熱交換器は、間隔をおいて並列配置した複数枚
    の同一形状の乾式熱交換体からなり、隣接する乾式熱交
    換体間に垂直な空気流通路を一個宛形成し、 前記各乾式熱交換体は、2枚の合成樹脂製壁板をその上
    縁と両側縁で閉じた全体矩形で扁平な薄肉中空体で構成
    され、前記各乾式熱交換体の下縁は全幅にわたり外部に
    開口し散布水吐出口としてあり、 前記上縁の中央部で前記両壁板は外方に張り出し、この
    上縁の中央部には両側壁が前記両壁板からなる膨出窪み
    が外部に開口して散布水受け入れ口として成形してあ
    り、この膨出窪みと前記散布水吐出口を連通する散布水
    流下通路が、前記各乾式熱交換体内部に形成してあり、 前記散布水流下通路の幅の大部分は、散布水緩速部とし
    てあり、この散布水緩速部は水平方向に延びる邪魔シー
    ル部を全面に複数段にわたり階層的に分布させて、これ
    ら邪魔シール部を一つ置きに位置をずらせ、前記邪魔シ
    ール部間に蛇行流路を形成して成り この散布水緩速部は、少なくとも一つの垂直なシール部
    を介して垂直方向の溢水路と隣接形成して配置され、こ
    の垂直なシール部の上端は、堰の形状としてあり、この
    堰を通して前記溢水路と散布水緩速部における最上段部
    の液溜部分とが相互連通していると共に、前記蛇行する
    流下緩速部の屈曲路位置には前記垂直なシール部を横断
    し前記溢水路内に開口するエア抜き穴が形成してあり、
    前記両壁板外面には、前記膨出窪みと同一寸法張り出し
    た隆起部がスペーサとして成形してあり、 このように構成して成る前記合成樹脂製の乾式熱交換体
    同士を前記膨出窪み同士及び隆起部同士が相互当接し一
    体に組み立て前記乾式熱交換器としてあることを特徴と
    する白煙発生防止用の向流式冷却塔。
  2. 【請求項2】前記溢水路は前記乾式熱交換体の一側縁に
    沿って設けてある特許請求の範囲第1項記載の白煙発生
    防止用の向流式冷却塔。
  3. 【請求項3】前記溢水路は前記乾式熱交換体の両側縁に
    沿って設けてある特許請求の範囲第1項記載の白煙発生
    防止用の向流式冷却塔。
  4. 【請求項4】前記屈曲する散布水緩速部はその中央部分
    で垂直な区画シール部分で2系列乃至4系列の流体通路
    に夫れ夫れ分離されている特許請求の範囲第1項記載の
    白煙発生防止用の向流式冷却塔。
  5. 【請求項5】前記複数段にわたり設けた邪魔シール部の
    長さは、上段のものほど下段のものに比べ順次長くして
    あり、前記散布水流下緩速部における最上段部から下数
    段にわたる領域は散布水流下量調整域としてあり、これ
    より下方の領域は散布水分散促進域としてあることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の白煙発生防止用の
    向流式冷却塔。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第1項記載の合成樹脂製の
    乾式熱交換体における下縁部の外面には前記空気流通路
    に位置する水滴捕捉用のエリミネータが一体に形成され
    ていることを特徴とする白煙発生防止用の向流式冷却
    塔。
  7. 【請求項7】特許請求の範囲第1項の膨出窪みの上部開
    口縁は、散布水供給管のノズルを収納する受け顎として
    形成されていることを特徴とする白煙発生防止用の向流
    式冷却塔。
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