JPH05240596A - 冷却塔用合成樹詣製熱交換体及びこの熱交換体を利用した直交流式冷却塔 - Google Patents

冷却塔用合成樹詣製熱交換体及びこの熱交換体を利用した直交流式冷却塔

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JPH05240596A
JPH05240596A JP8129591A JP8129591A JPH05240596A JP H05240596 A JPH05240596 A JP H05240596A JP 8129591 A JP8129591 A JP 8129591A JP 8129591 A JP8129591 A JP 8129591A JP H05240596 A JPH05240596 A JP H05240596A
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JP
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liquid
cooling tower
flow
corrugated
cooling water
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JP8129591A
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Inventor
Takeshi Kashiwada
健 柏田
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Ebara Refrigeration Equipment and Systems Co Ltd
Original Assignee
Ebara Shinwa Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】流下液緩速部に水平方向に延在する波形の邪魔
シール部を全面に複数段にわたり階層的に分布させ、各
段の邪魔シール部を各頂部と谷部において相互離間して
この頂部には循環冷却水流入用間隙を、また谷部には細
幅の水抜き用間隙を各々形成する事により、循環冷却水
の滞留時間をより長くし、その冷却を能率良く行う。 【構成】冷却塔の運転中においては、熱交換体10の供
給部11は外気に開放している。このため、熱交換体1
0の内部圧力を高めることなく、循環冷却水を自然流下
式に各段の波形の邪魔シール部22における頂部22a
の循環冷却水流入用間隙22cを通して順次下段の液溜
部に流入しながら流下する。これにより流下時に流下液
緩速部での循環冷却水の滞留時間はより長くなり、その
冷却は能率良く行なわれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は冷却塔用の熱交換体及
びこの熱交換体を利用した直交流式冷却塔に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の気液非接触型の熱交換器
が、特開昭51ー100370号公報に記載されてお
り、その構造は全体合成樹脂製で、扁平な垂直方向の相
互に平行な複数この液体流下通路と、これらの液体流下
通路間に夫れ夫れ形成された垂直方向の面を持つ扁平
で、気流の流れる空気通路とを有し、これら2つの流体
通路が相互の流体を非接触とする複数枚の合成樹脂板よ
りなる熱交換隔壁板によって仕切られている冷却塔用熱
交換器が記載されており、各空気通路の両壁は逆U字状
部材で形成され、隣接する逆U字状部材の波形側壁は突
出して設けたリブ部分で相互に接着されていると共にそ
の側縁において連結パネルにより相互に連結されて前記
液体流下通路を形成している。
【0003】この公報記載の前記熱交換器は冷却塔の外
気取入口に面した充填材の内側にこの熱交換器を数個階
層的に積み重ねて、冬季における白煙発生の防止を図っ
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような先行技術の
ものにおいては、液体の流下速度を緩くするため狭く、
かつ屈曲させた液体通路は長期間使用する間には塵埃や
微生物がそれらの壁面に付着し、液体通路の断面積を実
質的に狭くし、所定の流量流下できず、これらの熱交換
器の供給側において溢水し、これらの周辺を悪戯に濡ら
すだけでなく、循環冷媒の損失となっている。
【0005】この発明は気液非接触型の熱交換体の熱交
換を行なう主要部分における液体通路において、この熱
交換体内での循環冷却の滞留時間をより一長期化し、外
気との間接的な熱交換効率を高め、かつ冷却塔の運転停
止時には迅速に熱交換体外へ循環冷却水を抜けるように
した熱交換体を提供すると共に、かかる熱交換体を使用
した前記冷却塔を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本件発明の冷却塔用合成樹脂製熱交換体は全体とし
て扁平な薄肉中空体であり、内部が液体流下通路として
ありその中空体の上部には外部に開口した循環冷却水供
給部が形成されており、その中空体の下縁である前記液
体流下通路の下端にも外部に開口した吐出部が設けてあ
り、この液体流下通路の幅の大部分は流下液緩速部とし
てあり、この流下液緩速部は水平方向に延在する波形の
邪魔シール部を全面に複数段にわたり階層的に分布させ
て、上下段の波形の邪魔シール部の頂部と谷部を一つお
きに1/2ピッチ位置をずらせ、前記壁板外面には、隆
起部がスペーサとして成形してあると共に、各段の波形
の邪魔シール部は各頂部と谷部において相互離間して頂
部には流入用間隙がまた谷部には狭幅の水抜き用間隙が
各々形成されていることを特徴とする。
【0007】前記課題を解決するために、本件発明の冷
却塔用合成樹脂製熱交換体は、全体として扁平な薄肉中
空体であり、内部が液体流下通路としてありその中空体
の上部には外部に開口した循環冷却水供給部が形成され
ており、その中空体の下縁である前記液体流下通路の下
端にも外部に開口した吐出部が設けてあり、この液体流
下通路の幅の大部分は、流下液緩速部としてあり、この
流下液緩速部は水平方向に延在する波形の邪魔シール部
を全面に複数段にわたり階層的に分布させて、上下段の
邪魔シール部の頂部と谷部を一つ置きに1/2ピッチ位
置をずらせ、前記邪魔シール部間にその両端部で相互連
通する液溜部からなる蛇行流路を形成して成り、この流
下液緩速部は、この中空体の両側縁に沿い設けた垂直な
シール部を介して垂直方向の溢水路と隣接形成して配置
され、この垂直なシール部の上端は、堰の形状としてあ
り、この堰を通して前記溢水路と流下液緩速部における
最上段部の液溜部分とが相互連通していると共に、波型
上段の液溜部分と下段の液溜部分がその両端部で相互に
連通する位置より若干下位位置には、前記垂直なシール
部を横断し前記溢水路内に開口するエア抜き穴が形成し
てあり、前記両壁板外面には、隆起部がスペーサとして
成形してあると共に、各段の波形の邪魔シール部は各頂
部と谷部において相互離間して頂部には流入用間隙が、
また谷部には狭幅の水抜き用間隙が各々形成されている
ことを特徴とする。
【0008】前記熱交換体における中空体を真空乃至ブ
ロー成形品としてあることが望ましい。
【0009】前記熱交換体における隆起部は各段の波形
邪魔シール部における各頂部の位置で、前記循環冷却水
流入用間隙に対応して1個宛て、前記壁板外面から膨出
成形されている。
【0010】前記熱交換体は各エア抜き穴を形成する垂
直シール部分の上端は、外方上向きに屈曲し、各溢水路
における中空体の表裏面には、この垂直なシール部分の
屈曲方向とほゞ同一方向に傾斜した畝が全域にわたり上
下階層状に形成されていることを特徴とすることが望ま
しい。
【0011】前記流入用間隙の通過流量は、前記水抜き
用間隙の通過流量に比して20倍乃至30倍としてある
ことを特徴とする。
【0012】前記課題を解決するために、この発明の直
交流式冷却塔は、前記熱交換体の外表面上に上下方向に
延在する小ピッチの波形模様が全域にわたり形成され、
この熱交換体が外気取入口の幅方向に間隔をおいて並列
されていることを特徴とする。
【0013】前記課題を解決するために、この発明の直
交流式冷却塔は前記熱交換体を多段積みしてなる大型冷
却塔であることを特徴とする。
【0014】
【作用】このように構成されている請求項1乃至請求項
6記載の発明である前記熱交換体の作用を請求項7記載
の発明である直交流式冷却塔に組み込んだ場合として説
明する。
【0015】先ず、複数枚のこの発明の熱交換体をケー
ス乃至適宜の支持枠を用いて並列配置し、前記隆起部を
一種のスペーサとして、これにより隣接する熱交換体の
間に狭い幅の水平な空気流通路を形成し、所望寸法の間
接型熱交換器を組み立てる。このように組み立てた熱交
換器を、直交流式冷却塔内に配列する。この際、循環冷
却水供給パイプは、前記熱交換体群の前記供給口に接続
する供給用ヘッダーとして使用する。
【0016】この状態で前記冷却塔の送風機を回転駆動
し、負荷部である空調若しくは冷凍機によって温められ
た(30〜70℃程度)循環する冷媒たる冷却水を前記
供給パイプを通して前記各熱交換体の前記供給部から前
記流下液緩速速部位置に供給すると、循環冷却水は順次
前記波形の邪魔シール部間に形成された流路中を蛇行し
つつ順次流下する。
【0017】即ち、前記各段の液留部において、各谷部
に循環冷却水は一時滞留し、その頂部に達する水位とな
った後、各頂部に設けた前記広幅の循環冷却水流入用間
隙を通して下段の液留部内に順次落下流入していく。
【0018】前記熱交換体の両壁板と充分に撹拌されな
がら接触し、単に垂直に流下するより遥かに長時間両壁
板と接触し、これら両壁板を介して前記各空気流通路を
水平方向に流れる空気と間接的に熱交換し、これらを暖
めると同時に、自づからは空気に熱をとられてその分だ
け冷却される。
【0019】殊に請求項2記載の発明である熱交換体で
は、この冷却塔の運転中に、前記流下液緩速部における
各段の液留め部内に残留しようとするエアは、循環冷却
水の動きに伴い、上段になるに従い液留部の両側部へ押
しやられ、一部のエアーは順次頂部の広幅の間隙から上
段に抜け、各段に留まることなくエア抜き穴及び頂部の
間隙を通って上昇し、前記供給部から外部へ吐き出され
る。
【0020】仮に循環冷却水の供給量が脈動を起した
り、一時的に供給量が増加したとき、或は流下液緩速路
中に微生物などが付着し、流下液緩速路の断面積が狭く
なり、流量低下を来たし、前記液溜部の水位が上昇し、
前記堰より高くなると、前記循環冷却水の一部は溢水路
を通り直接流下し、前記熱交換体外に溢れ出さない。
【0021】請求項4に記載された発明では、前記頂部
で、循環冷却水の一部は前記スペーサ内で渦流となって
一時的に滞留した後、下段の液溜部内に流下してゆく。
【0022】次に請求項5に記載された発明において
は、前記残留エアの溢水路への排気に伴い、該当する段
の液溜部において液下液の不足が幾分発生した場合に
は、溢水路内を流下中の循環冷却水の一部は、前記畝に
案内されて前記エア抜き穴を通して、該当する段の液溜
部内に供給され、この不足分を補充する。
【0023】なお、前記冷却塔運転中、各熱交換体の供
給部は外気に開放してあり、自然流下式に前記循環冷却
水は前記流下液緩速路内を蛇行しつつ流下していく。そ
して、冷却塔の運転停止と同時に大気圧を受けて前記吐
出部より外部へ吐出される。即ち、各液留部を形成する
上下波形の邪魔シール部のうち、下位の波形邪魔シール
部の頂部より上位に位置する循環冷却水の一部は各頂部
の流入用間隙から下方へ順次落下し、この頂部より下位
に位置する循環冷却水の一部は各谷部の水抜き用間隙か
ら下方へ順次流下する。
【0024】 請求項6に記載された発明においては、
前記流入用間隙の通過流量は、前記水抜き用間隙の通過
流量に比して20倍乃至30倍としてあることを特徴と
するとしてあるため、冷却塔運転中は、主に循環冷却水
は各段の前記頂部の流入用間隙から液溜部に流下してゆ
き、該当する波形の液溜部をこの循環冷却水で満たした
後、次段の液溜部に流入してゆく。この際、前記水抜き
用間隙からは殆ど循環水は流出しない。
【0025】請求項8記載の発明である冷却塔において
は、前記熱交換体は上下多段積みし上位の熱交換体の前
記吐出部を下位の熱交換器の前記供給部に挿入し、循環
冷却液を順次階層的に配置した熱交換体に供給し前記同
様に冷却する。
【0026】冷却塔の内部に必要に応じて配設された充
填材の内側位置にこの特定発明の熱交換体群を配列した
場合には、この充填材上で循環冷却水と直接接触して冷
却し自身昇温した乾き空気全部がこの発明の熱交換体群
の全ての空気流通路内に流入する。一方、この熱交換体
の屈曲した流下液緩速部を蛇行して流下してくる循環冷
却水はその流下中に前記空気通路内を通過中の前記空気
で間接的に冷却し、この冷却で自身昇温した空気は排気
口から白煙を伴わずに冷却塔外に排気される。
【0027】前記熱交換体の外面にも必要に応じて散布
水をまくと、散布水は、熱交換体の外表面に形成した上
下方向に延在する小ピッチの波型模様に沿い流下してい
くと共に、前記水平方向に延在する前記波型の邪魔シー
ル部により熱交換体の幅方向に広がり、滞留時間を長く
して熱交換体全域に濡層を形成し、この熱交換体内部を
流れる循環水を効率良く間接的に冷却することができ
る。なお、請求項3に記載の発明においては、中空体真
空乃至ブロー成形品とすることで熱交換体は軽量化す
る。
【0028】
【実施例】次に請求項1乃至請求項6に記載された発明
の熱交換体の代表的な実施例を説明する。図1におい
て、10は熱交換体であり、この熱交換体10は好適に
は真空成形乃至はブロー成形した合成樹脂製の扁平中空
体よりなり、その内部は液体流下通路としてあり、この
合成樹脂としては特に限定はないが、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレンなど安価で成形性のよい
ものが良い。前記熱交換体10の上縁中央に、外部に開
口した循環冷却液供給部の一種である筒状の供給口11
が、またその下縁中央に、外部に開口した循環冷却液吐
出部の一種である吐出口12が設けてある。これら供給
口11と吐出口12は同一軸線上にある。なお、前記供
給口11に対して吐出口12を、ほゞ2倍の横断面積と
した場合には、大容量の循環冷却水を冷却する熱交換体
に適するものとなり、その供給口11からこの循環冷却
水の溢出は殆ど生じない。
【0029】前記熱交換体である中空体10の周辺に沿
いその両壁板14、15を溶着した周辺シール部16が
形成され、前記熱交換体10の側縁17、18と平行
で、両側縁17、18から若干内側に入ったところにお
いて、前記両壁板14、15は前記側縁17、18に沿
って相互に溶着した垂直なシール部19が形成され、左
右2本の垂直なシール部19の上下端はそれぞれ熱交換
体10の上下端縁20、21には達していない。
【0030】前記これら左右2本の垂直なシール部19
の中央部分には前記両壁板14と15を相互に溶着した
水平方向に延在する波形の邪魔シール部22がその全面
に複数段にわたり階層的に分布してあり、上下段波形の
邪魔シール部22の頂部22aと谷部22bは一つ置き
に1/2ピッチ位置をずらして配置され、これら波形の
邪魔シール部22間にその両端部で相互連通する液溜部
23からなる蛇行流路として、液体流下通路の幅の大部
分を占める流下液緩速部24が形成してあり、この流下
液緩速部24における両壁板14、15がこの熱交換体
10の主要な熱交換面となっている。なお、前記波形の
邪魔シール部22は図示のものでは三角波状としてある
が、サインカーブ状に彎曲したものでもこの発明として
は同じである。
【0031】他方、前記各垂直なシール部19と各側縁
17、18との間の狭い垂直なところが溢水路25とな
っており、垂直なシール部19の上端26は堰の形状と
してあり、前記波形の邪魔シール部22の内、最も上位
のものは、この上端26より若干下位に形成してあり、
この液溜部40と溢水路25とが前記堰26を通して相
互連通している。
【0032】更に、波型上段の液溜部分23と下段の液
溜部分23がその両端部で相互に連通する位置より若干
下位位置には、垂直なシール部19を横断し溢水路25
内に開口するエア抜き穴27が形成してある。
【0033】前記一方の壁板14外面には、隆起部30
がスペーサとして成形してあると共に、各段の波形の邪
魔シール部は各頂部22aと谷部22bにおいて相互離
間して頂部22aには流入用間隙22cが、また谷部2
2bには狭幅の水抜き用間隙22dが各々形成されてこ
の流入用間隙22cの通過流量は、水抜き用間隙22d
の通過流量に比して20倍乃至30倍としてあり、好ま
しくは20倍としてある。この水抜き用間隙22dの幅
は好適には0.5mm乃至1mmである。
【0034】前記隆起部30は前記各段の各頂部22a
の位置で、前記流入用間隙22aに対応して1個宛て形
成されている。
【0035】28は、この流下液緩速部24における外
表面に形成した上下方向に延在する小ピッチの波形模様
であり、29は前記溢水路25の外表面に形成され、前
記エア抜き穴27を形成する垂直シール部分19aの上
端19bの屈曲方向と同一方向に傾斜した畝である。
【0036】次に請求項7乃至請求項8に記載された発
明の代表的な実施例を説明する。図3において、Aは直
交流の大型冷却塔であり、前記実施例の熱交換体10が
この大型冷却塔Aにおける外気取入口31の幅方向に間
隔をおいて並列されていると共に多段積みされている。
なお、この際の熱交換体10の供給口11と吐出口12
の寸法は、積み重ね接続する都合上同一寸法としてあ
る。
【0037】前記各実施例の作用は対応する請求項の発
明の作用と同じため、ここでの説明は省略する。
【0038】
【発明の効果】請求項1に記載された発明の効果は次の
通りである。この冷却塔の運転中、熱交換体の供給部は
外気に開放しているため、熱交換体の内部圧力を高める
ことなく、循環冷却水を自然流下式に各段の液溜部で順
次流入し蛇行しながら流下することができる。この流下
時に前記波形の邪魔シール部で形成された液溜部により
この流下液緩速部での循環冷却水の滞留時間を長くする
ことができ、その冷却を能率良く行うことができる。
【0039】次に冷却塔停止時には、前記水抜き用間隙
により全ての循環冷却水を熱交換体の外へ完全に、かつ
迅速に吐出することができる。
【0040】殊に請求項2記載の熱交換体においては、
熱交換を行なう主要部分たる流下液緩速部において、仮
に一部目詰り乃至流量制限が生じたり、一時的に循環冷
却水の供給流量が変化し、液溜部の水位が上昇しても、
前記堰を超えて液体流下水路の一部である前記溢水路を
通過して下方に循環冷却水は流下して前記吐出口部から
吐出するため、通過水量自体を制限するおそれがない。
【0041】更に前記のようにエア抜き穴を設けること
により、上段の水溜部の両端から下段の水溜部に流入す
る過程において、循環冷却水中に取り込まれたエアをこ
のエア抜き穴を通して溢水路内へ流入し、各水溜部には
全く滞留せず、流下液緩速部全域に循環冷却水を充満さ
せ、効率良く循環冷却水を間接的に冷却できる。
【0042】請求項3においては、前記効果に加えて、
熱交換体を製造し易く、かつその重量を軽量化できる。
【0043】請求項4においては前記効果の他に、各頂
部の流入用間隙への循環冷却水の流入速度を若干低速化
した状態で下段の液溜部に流下させることができる。
【0044】請求項5記載の発明では前記各エア抜き穴
を形成する垂直シール部分の上端は、外方上向きに屈曲
し、各溢水路における中空体の表裏面には、この垂直な
シール部分の屈曲方向とほゞ同一方向に傾斜した畝が全
域にわたり上下階層状に形成されていることを特徴とし
てあるため、請求項1乃至請求項4記載の発明の効果の
他に、残留エアの溢水路への排気に伴う液溜部内での流
下液の不足分を前記エア抜き穴を通しての循環冷却水の
供給で補充できる。
【0045】請求項6に記載された発明においては、前
記流入用間隙の通過流量は、前記水抜き用間隙の通過流
量に比して20倍乃至30倍としてあることを特徴とし
てあるため、前記請求項1乃至請求項5記載の効果を奏
することは勿論のこと、その冷却塔運転時における循環
冷却水の各段の液流部での滞留時間の延長効果、冷却塔
運転停止時の循環冷却水の熱交換体吐出部からの吐出の
迅速効果をより顕著に発揮できる。
【0046】請求項7に記載された冷却塔においては、
前記効果を奏する熱交換体からなる間接熱交換器を利用
して、循環冷却水を能率良く冷却できると共に、各熱交
換体の外面に散布する散布水の熱交換体表面上での滞留
時間を前記波形の邪魔シール部の形成により長くとれ、
より良く循環冷却水を間接的に冷却できる。
【0047】この際、吐出部の横断面積を供給部のそれ
のほゞ2倍とすることで、大容量の循環冷却水を冷却す
る際にも、供給部から溢出することなく、循環冷却水を
流下し、冷却し吐出部から吐出できる。
【0048】請求項8記載のものにおいては、大容量の
大型冷却塔に利用して、大きな冷却能力を発揮すること
ができる。この際、吐出部と居陸地部の寸法を同一とす
ることで、熱交換器の多段積みを容易にできると共に、
その修理メンテナンスを簡略化すると共に、適宜の継ぎ
管を利用して、外気流の通過時に熱交換体が振動するの
を確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この熱交換体の実施例の正面図である。
【図2】その側面図である。
【図3】冷却塔の実施例の概略図である。
【図4】図1の熱交換体における吐出口の底部端面図で
ある。
【図5】図1の要部拡大図である。
【符号の説明】
10 熱交換体 11 供給口 12 吐出口 22 波形の邪魔シール部 22a 頂部 22b 谷部 24 流下液緩速部 25 溢水路 27 エア抜き穴

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体として扁平な薄肉中空体であり、内
    部が液体流下通路としてありその中空体の上部には外部
    に開口した循環冷却水供給部が形成されており、その中
    空体の下縁である前記液体流下通路の下端にも外部に開
    口した吐出部が設けてあり、この液体流下通路の幅の大
    部分は、流下液緩速部としてあり、この流下液緩速部は
    水平方向に延在する波形の邪魔シール部を全面に複数段
    にわたり階層的に分布させて、上下段の前記波形の邪魔
    シール部の頂部と谷部を一つおきに1/2ピッチ位置を
    ずらせ、前記壁板外面には、隆起部がスペーサとして成
    形してあると共に、各段の波形の邪魔シール部は各頂部
    と谷部において相互離間して頂部には流入用間隙が、ま
    たその谷部には狭幅の狭幅の水抜き用間隙が各々形成さ
    れていることを特徴とする冷却塔用合成樹脂製熱交換
    体。
  2. 【請求項2】 全体として扁平な薄肉中空体であり、内
    部が液体流下通路としてありその中空体の上部には外部
    に開口した循環冷却水供給部が形成されており、その中
    空体の下縁である前記液体流下通路の下端にも外部に開
    口した吐出部が設けてあり、この液体流下通路の幅の大
    部分は、流下液緩速部としてあり、この流下液緩速部は
    水平方向に延在する波形の邪魔シール部を全面に複数段
    にわたり階層的に分布させて、上下段の波形邪魔シール
    部の各頂部と谷部を一つ置きに1/2ピッチ位置をずら
    せ、前記邪魔シール部間にその両端部で相互連通する液
    溜部からなる流路を形成して成り、 この流下液緩速部は、この中空体の両側縁に沿い設けた
    垂直なシール部を介して垂直方向の溢水路と隣接形成し
    て配置され、この垂直なシール部の上端は、堰の形状と
    してあり、この堰を通して前記溢水路と流下液緩速部に
    おける最上段部の液溜部分とが相互連通していると共
    に、波型上段の液溜部分と下段の液溜部分がその両端部
    で相互に連通する位置より若干下位位置には、前記垂直
    なシール部を横断し前記溢水路内に開口するエア抜き穴
    が形成してあり、前記両壁板外面には、隆起部がスペー
    サとして成形してあると共に、各段の波形の邪魔シール
    部は各頂部と谷部において相互離間して頂部には流入用
    間隙が、また谷部には狭幅の水抜き用間隙が各々形成さ
    れていることを特徴とする冷却塔用合成樹脂製熱交換
    体。
  3. 【請求項3】 前記中空体を真空乃至ブロー成形品とし
    ある請求項1または請求項2記載の冷却塔用合成樹脂製
    熱交換体。
  4. 【請求項4】 前記隆起部は各段の波形邪魔シール部に
    おける各頂部の位置で、前記循環冷却水流入用間隙に対
    応して1個宛て、前記壁板外面から膨出成形されている
    請求項1乃至請求項3記載の冷却塔用合成樹脂製熱交換
    体。
  5. 【請求項5】 前記各エア抜き穴を形成する垂直シール
    部分の上端は、外方上向きに屈曲し、各溢水路における
    中空体の表裏面には、この垂直なシール部分の屈曲方向
    とほゞ同一方向に傾斜した畝が全域にわたり上下階層状
    に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項
    4記載の冷却塔用の合成樹脂製熱交換体。
  6. 【請求項6】 前記流入用間隙の通過流量は、前記水抜
    き用間隙の通過流量に比して20倍乃至30倍としてあ
    ることを特徴とする請求項1乃至5記載の冷却塔用の合
    成樹脂製熱交換体。。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6記載の熱交換体の外表面
    上に上下方向に延在する小ピッチの波形模様が全域にわ
    たり形成され、この熱交換体が、外気取入口の幅方向に
    間隔をおいて並列されていることを特徴とする直交流式
    冷却塔。
  8. 【請求項8】 前記直交流式冷却塔は前記熱交換体を多
    段積みしてなる大型冷却塔であることを特徴とする請求
    項7記載の直交流式冷却塔。
JP8129591A 1991-03-22 1991-03-22 冷却塔用合成樹詣製熱交換体及びこの熱交換体を利用した直交流式冷却塔 Pending JPH05240596A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102519298A (zh) * 2011-12-16 2012-06-27 平湖市三久塑料有限公司 冷却塔填料
JP2015505026A (ja) * 2012-01-11 2015-02-16 アーアーアー ウォーター テクノロジーズ アーゲー 冷却装置

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