JPS6314277B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は乾・湿式冷却塔に係り、特に冷却塔の
混合室内に湿式冷却部からの上昇湿り空気と、湿
式冷却部から流入する乾燥空気とを交互に立体交
叉させて混入させるように構成したことにより、
乾燥空気と湿り空気との混和を促進でき、排出空
気により白煙の発生を防止し得る乾・湿式冷却塔
に関する。

従来の乾・湿式冷却塔は、第１図に示すよう
に、冷却塔ａの上方に所定間隔を隔てて互いに対
向させて設けられた乾式冷却部ｂと各乾式冷却部
ｂの下方に設けられた湿式冷却部ｃと、乾式冷却
部ｂ間に設けられた混合室ｄと、塔ａの底部に設
けられた水槽ｅとから主に構成されている。混合
室ｄの底部には水平方向に枢軸を有する水平ダン
パｆが、混合室ｄの乾式冷却部ｂ側の側部には、
やはり水平方向に枢軸を有する垂直ダンパｇがそ
れぞれ設けられている。塔ａの上壁ｈには排気筒
ｉが設けられ、排気筒ｉにはフアンｊが設けられ
ている。

フアンｊの駆動により大気は冷却塔ａ内に吸引
され乾式冷却部ｂを通過する際に乾式冷却部ｂに
供給されるプラント等からの温水と間接熱交換
し、温められた乾燥空気Ｄは、第２図に示すよう
に、垂直ダンパｇより混合室ｄ内に流入する。ま
た、湿式冷却部ｃに供給された温水と直接熱交換
した大気は湿り空気Ｗとなり水平ダンパｆより混
合室ｄ内に流入する。

ところが垂直ダンパｇより混合室ｄ内へ流入し
た乾燥空気Ｄは図示するごとく、排気筒ｊの周側
部より排出され、一方、水平ダンパｆより流入し
た湿り空気Ｗは排気筒ｊの中心部より排出される
ものが多く、湿り空気Ｗと乾燥空気Ｄとの混合は
不充分なものであり、図示斜線で示すように排気
筒ｊの中心部より湿度の高い空気が排出されるこ
ととなる。このため、外気温度の低い冬季などに
おいては、排出された高湿度の空気中の蒸気は凝
縮され白煙が大量に発生し公害問題となつてしま
う。また、混合室ｄの中心部で水平ダンパｆの出
口近傍の図中破線で囲む領域は流速が極めて遅く
デツドスペースとなつている。

白煙発生を防止するために、冬季に冷却塔を運
転する際には水平ダンパｆを全閉にし、垂直ダン
パｇを全開にすることが提案されているが、この
ようにすると塔ａ内の湿式冷却部ｃに外気を取り
込むために設けられたルーバｋの吸込みが減少
し、ルーバｋ面から白煙が外部に大量に漏出し、
さらには、この漏出した白煙が乾式冷却部ｂへ入
り込み冷却能力を低下させてしまうという問題が
あつた。

本発明は以上のような従来の問題点を有効に解
決すべく創案されたものである。

本発明の目的は、乾・湿式冷却塔の混合室での
乾燥空気と湿り空気との混合を向上させ、排出さ
れる空気の湿度を均一にでき、もつて排出空気の
白煙化を防止し得る乾・湿式冷却塔を提供するに
ある。

以下に本発明の好適一実施例を添付図面に基づ
いて詳述する。

第３図において、１は乾・湿式冷却塔であり、
冷却塔１上方には所定間隔を隔てて互いに対向さ
せて乾式冷却部２，２が設けられている。乾式冷
却部２には図示省略の多数のフイン付チユーブが
配設されている。乾式冷却部２，２の下方にはそ
れぞれ、乾式冷却部２で冷やされた温水をさらに
冷却するための湿式冷却部３，３が設けられ、湿
式冷却部３は合成樹脂製の充填物よりなる充填層
で形成されている。塔１底部には湿式冷却部３で
冷却処理された水を貯えるための水槽４が設けら
れている。

乾式冷却部２，２の間には混合室５が設けら
れ、混合室５の底壁６には、第４図に拡大示する
ように、乾式冷却部２，２間方向に枢軸を有する
水平ダンパ７が冷却部２，２の間に直列に複数設
けられ（図示例では３つ）、さらにこのように水
平ダンパ７が乾式冷却部２に沿つて適宜間隔に配
設されている。また、混合室５の乾式冷却部２に
臨む側壁８には、垂直方向に枢軸を有する垂直ダ
ンパ９が各水平ダンパ７間の位置にそれぞれ設け
られている。（図示例では水平ダンパ７、垂直ダ
ンパ９ともに全開となつている）。側壁８の断面
は、乾式冷却部２からの乾燥空気Ｄを混合室５内
に円滑に導入させるように山型に形成されてい
る。

なお１０は混合室５の空気を塔１外へ排出する
ための排気筒であり、１１は強制排気用のフアン
である。

次に、以上のように構成された本実施例の作用
について述べる。

プラント系などから乾式冷却部２内に配設され
たチユーブ内に配水される温水は塔１内に供給さ
れ、乾式冷却部２のチユーブ間を通過する外気と
チユーブを介して間接熱交換し、冷却され湿式冷
却部３へと送られる。湿式冷却部３に送られた温
水は、さらに湿式冷却部３の充填層を伝つて流下
する間に充填層を通過する外気と直接熱交換し冷
却される。冷却処理された冷却水は水槽４に貯え
られ、再びプラント系などに戻される。

湿式冷却部３を通過した外気は湿り空気Ｗとな
り塔１内を上昇し、混合室５の底壁６に設けられ
た水平ダンパ７より混合室５内へ流入するが、本
実施例においては、水平ダンパ７は乾式冷却部２
に沿つて適宜間隔に多条に配設されているため、
混合室５内に水平ダンパ７より湿り空気Ｗが縞状
に流入し、混合室５内には上昇移動する湿り空気
層が適宜間隔に多層に形成される。一方、乾式冷
却部２を通過した乾燥空気Ｄは垂直ダンパ９より
混合室５内に流入するが、垂直ダンパ９は各水平
ダンパ７間に位置させて設けられているため、上
記湿り空気層の間にほぼ水平方向に乾燥空気Ｄが
流入する。

このように、乾燥空気Ｄと湿り空気Ｗとを干渉
させることなく交互に層状に混合室５内に流入さ
せて巨視的な混合を行つた後、乾燥空気Ｄと湿り
空気Ｗとが混合されるようにしているので、混合
室５内の全域において、湿り空気Ｗは充分に乾燥
空気Ｄと混合されその湿度は低下され、均一な湿
度の空気が排気筒１０より排出されることにな
る。

従つて、冬季においても、排気空気の白煙化を
防止でき、さらに、湿式冷却部３を有効に利用で
きるため冷却塔の冷却能力を増大できる。また、
模擬実験においても、混合室内の空気の湿度分布
および流速分布がほぼ一様となることが確認され
ている。

なお、上記実施例においては、混合室５の両側
壁の垂直ダンパ８は相対向する位置に設けられて
いるが、これらを、第５図のように交互になるよ
うに設けて、湿り空気Ｗと乾燥空気Ｄとの層が混
合室５の左右で異なるように形成させるようにし
てもよい。

また、第４図では側壁８方向に水平ダンパ７が
等間隔に設けられておらず、水平ダンパ間に垂直
ダンパ９が２枚並設されている所があるが、第５
図のように、水平ダンパ間を等間隔とし、２枚並
設の垂直ダンパ９を一枚のみとしてもよい。

以上の説明で明らかなように本発明によれば、
乾燥空気と湿り空気との混合が良好となり、冬季
においても冷却塔の排気の白煙化を防止できると
共に、乾式冷却部の有効利用を図れ冷却塔の冷却
能力を増大させることができ、しかも構造簡単で
実用性に富む等の優れた効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の冷却塔を示す側断面図、第２図
は第１図の部分拡大断面図、第３図は本発明に係
る冷却塔の一実施例を示す側断面図、第４図は第
３図のＡ―Ａ線矢視断面図、第５図は本発明の他
の実施例を示す要部断面図である。 図中、１は冷却塔、２は乾式冷却部、３は湿式
冷却部、５は混合室、６は底壁、７は水平ダン
パ、８は側壁、９は垂直ダンパ、Ｗは湿り空気、
Ｄは乾燥空気である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 塔内に湿式冷却部と該湿式冷却部の上方に所
   定間隔を隔てて互いに対向させて設けられた乾式
   冷却部と、該乾式冷却部の間に設けられた混合室
   とを有する乾・湿式冷却塔において、上記混合室
   の底壁に上記乾式冷却部間方向に枢軸を有する水
   平ダンパを乾式冷却部に沿つて適宜間隔に設ける
   と共に、混合室の乾式冷却部に臨む側壁に、垂直
   方向に枢軸を有し上記各水平ダンパ間に位置させ
   て垂直ダンパを設けて、混合室に水平ダンパより
   上昇してくる湿式冷却部からの湿り空気と、垂直
   ダンパより流入する乾式冷却部からの乾燥空気と
   を交互に立体交叉させて混入させるように構成し
   たことを特徴とする乾・湿式冷却塔。