JPS6026293Y2 - 乾・湿式冷水塔 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は乾・湿式冷水塔に係り、特に直線上に複数の湿
式冷却セルユニットを有する湿式冷水塔の両端部及び排
気用スタックと隔壁との間の土壁に乾式冷却部を設けて
排気の白煙化を防止するようにした乾・湿式冷水塔に関
する。

一般に、石油化学工場、石油精製所、製鉄所の発電所、
地熱発電所等において被処理温水の冷却システムとして
採用されていた従来の冷水塔は、主として被処理温水を
冷却用空気との直接熱交換によって冷却する湿式冷水塔
であった。

その一例を第１図乃至第２図に示す。

図示する如く湿式冷水塔１は、その被処理温水の処理量
に応じて湿式冷却セルユニット２を後述するそのクロス
フロー型湿式冷却部２ａが直線上に並ぶように複数セル
ユニット（図示例では２セルユニツト）相接合させて構
成されている。

そして各セルユニット２間には隔壁３が設けられ、また
湿式冷水塔１の両端部は側壁４で覆われている。

湿式冷却セルユニット２は所定の間隙を隔てて互いに向
い合わせて設けられたクロスフロー型湿式冷却部２ａと
、この冷却部２ａの上端を結んで設けられた排気用スタ
ック５を有する上壁６とから構成されている。

クロスフロー型湿式冷却部２ａは、塩化ビニール製充填
物等による充填層から主に構成され、被処理温水がその
充填層内を流れ落ちる間に外部から誘引されて充填層を
横断通過する冷却用空気を被処理温水と直接接触させ、
これを冷却するものである。

ところで、この湿式冷水塔には排気の白煙化という特有
の問題がある。

この排気の白煙化は被処理温水と外気との温度差に起因
し、特に冬期において顕著である。

この排気の白煙化を防止するため、クロスフロー型湿式
冷却部２ａへ流入する被処理温水の流量を減少調節する
手段が提案される。

しか腰この手段によれば季節によって冷水塔１の冷却能
力が大きく変動することを避けられない。

また、冷水塔１の最低限の冷却能力を維持するためには
、上記湿式冷却セルユニット２を直線上に多数並設し、
冷却能力に余裕を持たせておかなければならない。

しかし、この手段によれば多額の設備投資を要し、また
敷地面積の制約を伴つ。

本考案は従来の湿式冷水塔における上記問題点を有効に
解決すべく創案するに至ったものである。

本考案の目的は、従来の湿式冷水塔の左右両端を覆って
いる側壁内及び排気用スタックを隔壁との間の土壁に被
処理温水を冷却用空気との間接熱交換によって冷却する
乾式冷却部を配設することにより乾・湿式冷水塔を構成
腰敷他面積の増加を伴うことなく既設のものを含む湿式
冷水塔の排気の白煙化を防止し得、かつ冷却能力の向上
をも遠戚することのできる乾・湿式冷水塔を提供するに
ある。

以下本考案の好適一実施例を添付図面に基づいて詳述す
る。

第３図に示すように乾・湿式冷水塔７は２つの湿式冷却
セルユニット２かそのクロスフロー型湿式冷却部２ａを
直線上に並べるように相接合されて構成され、その両端
部は縦形乾式冷却部８で覆われている。

この乾式冷却部８は第４図に示すように被処理温水の流
路となる複数本の縦形フィン付ｖ８ａを配備して形成さ
れており、各乾式冷却部８上に連結された給水ヘッダ９
から送られる被処理温水が縦形フィン付管りａ内を降下
する間に外部から後述する混合室１１内に誘引される冷
却用空気がこの縦形フィン付管８ａ外周を通って間接熱
交換するように構成されている。

湿式冷却セルユニット２は２つのクロスフロー型湿式冷
却部２ａを所定の間隙を隔てて互いに向い合わせて設け
られ、その上端は排気用スタック５を有する上壁６で結
ばれている。

なお排気用スタック５内には排気ファン１０が設けられ
ている。

また隣接する湿式冷却セルユニット２との間には隔壁３
が設けられている。

そして排気用スタック５と隔壁３との間に上壁６には横
形乾式冷却部１２が設けられて、クロスフロー型温式冷
却部２ａＸ縦形乾式冷却部８、上壁６、隔壁３及び横形
乾式冷却部１２とによって区画された混合室１１が形成
されている。

横形乾式冷却部１２は複数本の横形フィン付管１２ａを
配備して形成され、管１２ａ内に被処理温水が通水され
て外部から管１２ａ外周を通って混合室１１内に誘引さ
れる冷却用空気によって冷却されるよう構成されている
。

各クロスフロー型湿式冷却部２ａ及び縦形乾式冷却部８
の下方には処理水槽１３が設けられ、冷却処理された処
理水を外部へ排出するよう構成されている。

次に本考案の作用について述べる。

排気用スタック５内の排気ファン１０を回転させると冷
却用空気が各クロスフロー型湿式冷却部２ａと縦形乾式
冷却部８と横形乾式冷却部１２とから夫々の冷却部を通
過して混合室１１内に導入される。

このときクロスフロー型湿式冷却部２ａを通過した空気
は被処理温水との直接熱交換により１００％の飽和空気
となり、また縦形乾式冷却部８及び横形乾式冷却部１２
を通過した空気は被処理温水との間接熱交換により加熱
され乾燥空気となる。

これら飽和空気と乾燥空気は混合室１１内に互に直角に
交差して導入されるため充分に混合される。

こうして上記飽和空気は乾燥空気によってその湿度が低
減され排気用スタック５から外部へ排気される。

上記実施例の乾・湿式冷水塔の運転に際腰夏期の温度条
件の厳しいときは縦形乾式冷却部８及び横形乾式冷却部
１２を流れる被処理温水の量を減らし、クロスフロー型
湿式冷却部２ａを流れる被処理温水の量を増まして運転
するのを適当とする。

また、冬期には特に排気用スタック５から白煙が立ち昇
る場合には縦形乾式冷却部８及び横形乾式冷却部１２を
流れる被処理温水の量を増やし、クロスフロー型湿式冷
却部２ａへ流れる被処理温水の量を極力減らして運転す
るのを適当とする。

上記実施例においては湿式冷却セルユニット２を２セル
ユニット接合したが、第５図に示す如く３セルユニット
以上接合した乾・湿式冷水塔としてもよいことは勿論で
ある。

この場合には中間の湿式冷却セルユニット２には２つの
横形乾式冷却部１２が設けられるのでその排気温度は充
分に低減される。

以上の構成によって明らかな如く本考案によれば次のよ
うな効果を発揮する。

（１）クロスフロー型湿式冷却部を通過した飽和空気と
縦形乾式冷却部及び横形乾式冷却部を通過した乾燥空気
とが互いに直角に交差して混合室に流入するので、飽和
空気と乾燥空気との混合が助長されて排気湿度が充分に
低減され、冬期においても排気の白煙化を生ずることな
く冷水塔の安定した冷却運転となる。

（２）線上に複数の湿式冷却セルユニットを有する従来
の湿式冷水塔の敷地面積を増大させることなく容易に排
気の白煙化防止乃至冷却能力の向上が達、戊される。

【図面の簡単な説明】 第１図は従来のクロスフロー型湿式冷却部を有する湿式
冷水塔の概略平面図、第２図は同側面図、第３図は本考
案の好適一実施例に係る乾・湿式冷水塔の概略平面図、
第４図は第３図中Ａ−Ａ矢視側断面図、第５図は本考案
の他の実施例を示す概略平面図である。 図中２は湿式冷却セルユニット、２ａはクロスフロー型
湿式冷却セルユニット、３は隔壁、５は排気用スタック
、６は土壁、８と１２は湿式冷却部たる縦形乾式冷却部
と横形乾式冷却部、１１は混合室を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. クロスフロー型湿式冷却部を所定の間隙を隔てて互に向
   い合わせて、その上端を排気用スタックを有する土壁で
   結ひ湿式冷却セルユニットを形成腰これらセルユニット
   とそのクロスフロー型湿式冷却部が線上に並ぶように相
   接合させて各セルユニット間に隔壁を設けると共にこれ
   ら接合されたセルユニットの両端部及び上記スタックと
   隔壁との間の上記上壁に湿式冷却部を設けて上記クロス
   フロー型湿式冷却部と土壁と隔壁と乾式冷却部とによっ
   て区画された混合室を形成したことを特徴とする乾・湿
   式冷水塔。