JP3357086B2 - オレフィン系樹脂組成物ならびにその成形品 - Google Patents

オレフィン系樹脂組成物ならびにその成形品

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はオレフィン系樹脂組成物
ならびにその成形品および使用方法に関する。より詳し
くは、本発明は、電気絶縁性ならびに流動性および難燃
性に優れたオレフィン系樹脂組成物に関し、さらに該組
成物から製造された成形品および該組成物を絶縁層また
はシース層とした電線・ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】電線・ケーブルの絶縁層やシース層の材
料として電気絶縁特性に優れたオレフィン系樹脂が多く
用いられるが、最近高度の難燃性が要求されるようにな
り、例えばUL規格においてはV−1ないしV−0とい
う高度の難燃度が要求されている。有機ハロゲン化合物
等の難燃剤、三酸化アンチモン等の難燃助剤または塩化
ビニル樹脂、塩素化ポリエチレン等をポリオレフィンに
配合して難燃化することができるが、燃焼時に火垂れが
生じたり、燃焼時の発煙量が多かったり、燃焼時に有毒
ガスが発生したり、金属の腐蝕性がある等の欠点があっ
た。
【0003】これらの欠点を解決するため、金属水酸化
物をオレフィン系樹脂に配合する方法が提案され、水酸
化アルミニウムがコスト安いため最初に使用されたが、
分解温度が170〜190℃と低く、分解により水を発
生するので、成形品の中および表面に発泡を生じ、成形
品の性能を悪化させ、また、難燃度V−1ないしV−0
を達成するには60〜65重量%という高配合率にしな
ければならず問題があった。これに対し、水酸化マグネ
シウムは、分解温度が360℃近辺と水酸化アルミニウ
ムに比べ非常に高く、成形品の製造中に発泡を起こしに
くいので、NTTの洞道内にて使用する光ケーブル、P
ECケーブル等のシース層用難燃性オレフィン系樹脂組
成物の難燃剤として使用されてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】オレフィン系樹脂に水
酸化マグネシウムを配合した難燃性樹脂組成物から製造
した成形品は優れた性質を有するものの、表面が白化す
る欠点がある。この白化現象は水酸化マグネシウムが洞
道内における高湿度、高温雰囲気で大気中のCO2 を吸
着しヒドロオキシ炭酸マグネシウム(MgCO3 ・Mg
(OH)2 )の白色物質を生成することに起因する。白
化現象が起こると、外観が損なわれるだけでなく、耐ア
ーク性、絶縁性、機械的特性等が低下するため、これら
の欠点の改善が強く要望されている。また、ポリオレフ
ィンに水酸化マグネシウムを配合すると、成形加工時に
おいてノズル、スプレー、ランナー、ゲート、キャビテ
ィー内において流動性が悪化し、早い成形速度および成
形サイクルが得られず、生産性に劣り、さらに成形品の
表面が荒れ、美観を損ねたり、電気的特性、機械的特性
が低下する等の問題があり、その改善も要望されてい
る。
【0005】このような状況に鑑み、本発明は、電気絶
縁特性に優れたオレフィン系樹脂に水酸化マグネシウム
を配合して難燃性を高めるとともに、水酸化マグネシウ
ムに起因する流動性の悪化および白化現象が防止された
オレフィン系樹脂組成物の提供を課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、オレフィ
ン系樹脂と水酸化マグネウシムからなる樹脂組成物に数
多くのポリマーを配合して実験を行ったところ、特定の
エラストマーを配合した場合に上記課題が解決できるこ
とを見出し本発明を完成させた。
【0007】すなわち、本発明は、オレフィン系樹脂1
00重量部、水酸化マグネシウム5〜450重量部およ
びシリコーン変性スチレン系エラストマー0.1〜10
0重量部からなるオレフィン系樹脂組成物に関する。
【0008】本発明はさらに、上記オレフィン系樹脂組
成物から製造された成形品にも関する。本発明において
成形品とは特に制限しないが、電線・ケーブルの絶縁層
やシース層、その他各種成形品を意味する。
【0009】また、本発明は上記オレフィン系樹脂組成
物をを絶縁層またはシース層とした電線・ケーブルに関
する。
【0010】本発明において、オレフィン系樹脂とは、
エチレンの単独重合体、エチレンと他のα−オレフィン
との共重合体、エチレンと酢酸ビニルまたはエチルアク
リレートとの共重合体、エチレン以外のα−オレフィン
の単独重合体、α−オレフィンと共重合可能なビニルモ
ノマーとの共重合体等を意味する。
【0011】このようなオレフィン系樹脂には、例えば
高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重
合体(EVA)、エチレン−アクリル酸エチル共重合体
(EEA)、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレ
ン、気相法直鎖状低密度ポリエチレン、気相法超低密度
ポリエチレン、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−
プロピレン−ジエンゴム、イソブチレン−イソプレンゴ
ム、ポリプロピレン、ポリブテン−1等があり、これら
は単独でまたは2種類以上を混合して使用してもよい。
【0012】本発明における水酸化マグネシウムとは難
燃剤として一般に用いられているものなら任意のものが
使用できるが、平均粒子径が0.1〜15μm、好適に
は0.5〜3μmのものであり、BET法による比表面
積が1ないし20m2 /g、好適には3ないし8m2
gのものである。市販の水酸化マグネシウムは予めステ
アリン酸ソーダ、ラウリルスルホン酸ソーダ等の界面活
性剤で表面処理されており、分散性および流動性の向上
が図られている。
【0013】水酸化マグネシウムのオレフィン系樹脂1
00重量部に対する配合量は5〜450重量部である。
水酸化マグネシウムの配合量が5重量部以下であると難
燃性の付与効果がなく、また450重量部以上であると
成形品の加工において流動性低下を来し、成形品の剛
性、寸法安定性、衝撃強度等が低下し望ましくない。
【0014】本発明においてシリコーン変性スチレン系
エラストマーとは、スチレン系エラストマー100重量
部に対してオルガノポリシロキサン1ないし500重量
部および有機過酸化物0.01〜1重量部を加熱混練し
て製造したものである。
【0015】また、上記のスチレン系エラストマーと
は、スチレンとブタジエンとをアニオン重合法、カチオ
ン重合法、配位重合法、ラジカル重合法、溶液重合法、
エマルジョン重合法等で共重合させたブロックコポリマ
ーまたはこれらに水素添加してポリマー鎖中の不飽和二
重結合をなくしたポリマーを意味する。具体的には以下
の商品名のものを挙げることができる:タフプレンA
(旭化成工業製,スチレン−ブタジエン直鎖ブロックコ
ポリマー)、ソルブレンT−411(日本エラストマー
製,スチレン−ブタジエンブロックコポリマー)、クレ
イトンD−1101(シェル化学製,スチレン−ブタジ
エン−スチレンブロックコポリマー)等およびこれらに
水素添加したタフテック(旭化成工業製)、クレイトン
G(シェル化学製)、ラバロン(三菱油化製)等。これ
らのスチレン系エラストマーは、スチレンの一部をα−
メチルスチレン、ビニルトルエン、p−t−ブチルスチ
レン等で置換してもよく、また同様に、ブタジエンの一
部をイソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン等で置換してもよい。
【0016】次に、上記のオルガノポリシロキサンと
は、次式I: (式中、R1 は脂肪族不飽和基、R2 は脂肪族不飽和基
を含まない非置換または置換1価炭化水素基を表し、a
およびbは次の条件:0≦a<1、0.5<b<3、1
<a+b<3を満たす数値を表す)で表されるものであ
り、この中で、R1 基としてはビニル基、アリル基、ア
クリル基、メタクリル基等が例示され、R2 としてはメ
チル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、フェニ
ル基、トリル基等のアリール基、シクロヘキシル基、シ
クロブチル基等のシクロアルキル基およびこれら炭化水
素基の炭素原子に結合した水素原子を部分的にハロゲン
原子、シアノ基、メルカプト基等で置換した基等が例示
されるが、これらはその同種または異種の組合せでもよ
い。
【0017】また上記式I中、aは0または0より大
で、かつ1未満である。この範囲は、aが1以上である
と本発明により製造された成形品が硬くなりすぎること
による。aは好適には0.0004〜0.06である。
【0018】また上記式I中、bは0.5より大で、か
つ3未満である。この範囲は0.5以下であると、本発
明の組成物の混練が難しく加工性が劣り、3以上である
と本発明により製造された成形品が硬くなりすぎ望まし
くないことによる。bは好適には1〜2である。
【0019】本発明におけるオルガノポリシロキサンの
分子構造は、上記式Iで表されるものであれば、直鎖
状、分岐鎖状、環状、網状、立体網状等のいずれのもの
であってよい。
【0020】このようなオルガノポリシロキサンとして
は、例えばシリコーンゴムの引裂強度改良剤として市販
されている、いわゆるシリコーンガムストックを挙げる
ことができる。また、本発明において使用される直鎖状
のオルガノポリシロキサンとしては、一般式: (式中、Rは非置換または置換1価炭化水素基を表し、
nは10以上の数を表す)で表され、一般にシリコーン
オイルと呼称されるものがある。
【0021】上記式中のRはアルキル基、アリール基お
よび水素原子から選ばれる基であり、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、
i−ブチル基、t−ブチル基、フェニル基、水素原子が
代表的なものである。分子中の全てのRが同一であって
も、一部のRが別の基であってもよく、Rの一部がビニ
ル基、水酸基であってもよい。
【0022】nは10以上であり、そして100〜10
00が好適である。nが10未満であると、スチレン系
エラストマーとの混練が困難となる。
【0023】本発明において使用される上記式Iで表さ
れるオルガノポリシロキサン系重合体の23℃における
粘度は10CS以上、好ましくは103 〜106 CSの
ものが望ましい。10CSより低い粘度の場合加熱混練
が難しく、成形品の表面からオルガノポリシロキサン系
重合体が滲み出す場合がある。
【0024】官能基含有オルガノポリシロキサンの例と
しては、ビニルメチル−ジメチルポリシロキサン、ビニ
ルメチル−フェニルメチル−ジメチルポリシロキサンな
どが挙げられる。
【0025】本発明において、シリコーン変性スチレン
系エラストマーの配合量はオレフィン系樹脂100重量
部および水酸化マグネシウム5〜450重量部に対して
0.01〜100重量部である。ここで、水酸化マグネ
シウムの配合量が少ないときは、シリコーン変性スチレ
ン系エラストマーの配合量は比較的少なくてよく、多量
に配合する必要はないが、水酸化マグネシウムの配合量
が多いときは、比較的多量に配合する必要がある。ま
た、シリコーン変性スチレン系エラストマーの配合量が
0.01重量部以下であると流動性および白化性の改良
が認められず加工性に劣り、100重量部以上になると
機械的強度、加工性が悪化し望ましくない。
【0026】また、全組成物100重量%中の水酸化マ
グネシウムの含有量は約5〜約70重量%であることが
望ましい。これは、5重量%以下であると難燃性効果が
得られず、70重量%以上であると加工性、機械的特性
が悪化し望ましくないことによる。
【0027】本発明のオレフィン系樹脂組成物には樹脂
組成物に慣用の各種補助資材を配合することができる。
この補助資材としては、安定剤、酸化防止剤、充填剤、
着色剤、カーボンブラック、架橋剤、滑剤、加工性改良
剤、帯電防止剤などがある。
【0028】本発明の組成物は、オレフィン系樹脂に、
水酸化マグネシウム、シリコーン変性スチレン系エラス
トマーの配合成分、所望により上記各種補助資材を加え
て、バンバリーミキサー、加圧ニーダー、二軸押出機、
ブスコニーダー、ヘンシェルミキサー、ロールニーダー
等を用いる通常の混練法で製造できる。各成分の混合順
序は任意でよく、酸化防止剤、架橋剤、帯電防止剤等の
微量添加成分は予めオレフィン系樹脂、特にEVA、E
EA等との高濃度マスターバッチを製造し、添加しても
よい。得られた難燃性オレフィン系樹脂組成物は射出成
形法、押出成形法、回転成形法、圧縮成形法等によって
各種成形品を得ることができる。
【0029】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はなく、本発明の技術的思想を体現するものは本発明の
範囲内に包含される。なお、以下の実施例において部お
よび%はそれぞれ重量部および重量%を意味する。
【0030】以下の実施例における成形品の試験は、シ
ートを圧縮成形機で作製し、これから試験片を作製して
以下の試験法で実施した: 〔炭酸ガス白化試験法および評価法〕約0.125m3
(一辺が50cmの立方体)のガラス板製チャンバー中
にJIS K 6760で規定された方法に従って製造
したダンベル試験片を吊るし、室温(外気温度に追随)
状態で、炭酸ガスを湿度90%RH以上となるように水
中に潜らせて、パイプで上記チャンバー中に流入させ、
試験片と水分を含んだ炭酸ガス流を接触させ、その重量
増加率を測定した。 〔流動性〕流動性の度合いとしてメルトインデックス
(MI)とフローインデックス(FI)の値を示した
が、JIS K 6760のメルトフローレートの試験
方法において、MIは190℃、荷重2.16kgで測
定した値、FIは190℃、荷重21.6kgで測定し
た値であり、いずれも単位はg/10分である。 〔難燃性〕JIS K 7201に従って酸素指数で表
示した。
【0031】実施例1オルガノポリシロキサンとして、
メチルビニルシロキサン含量0.8モル%、70℃での
可塑性80のシリコーンガムストック(商品名RZ76
01,日本ユニカー製)40部、スチレン系エラストマ
ーとしてスチレン−エチレン−ブテン−1−スチレンブ
ロック共重合体(SEBS)(商品名ラバロン5301
C,三菱油化製)100部および有機過酸化物1,3−
ジ(t−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(商
品名パーブチルP,日本油脂製)0.07部をバンバリ
ーミキサーにより180℃で10分間混練し、シリコー
ン変性スチレン系エラストマーを得た。
【0032】高圧法低密度ポリエチレン(商品名NUC
−830,日本ユニカー製)100部、ステアリン酸処
理された水酸化マグネシウム200部、酸化防止剤(商
品名イルガノックス1010,チバ−ガイギー製)0.
5部、カーボンブラック(商品名バルカン9A−32,
キャボット製)2.5部および上記シリコーン変性スチ
レン系エラストマー15部をバンバリーミキサーにより
170℃で10分間混練した。この混練物のMIおよび
FIはそれぞれ0.12および38であり、流動性は良
好であった。また、酸素指数は34で難燃性も良好であ
った。
【0033】上記混練物から造粒してペレットを得た。
このペレットを熱プレス成形機により150℃、100
kg/cm2 、3分間成形することにより得られた厚さ
1mm、縦150mm、横180mmのシートから白化
試験のためのダンベル試験片を打ち抜いた。
【0034】CO2 による試験片重量増加率1.0%に
要する日数は19日であった。これは促進試験であり、
地上の炭酸ガス濃度である0.03%において同一重量
増加率を達成する日数に換算すると3500日であり、
炭酸ガスによる白化に対しては十分効果があることを示
す。目視による表面白化現象の観察も、部分的に白化物
質が発生するのに要する日数は10日であり、試験片に
全面的に白化現象が発生する日数は23日であった。こ
れも地上における日数に換算するとそれぞれ800日お
よび3800日となり、長期間白化現象が抑制されるこ
とを示す。
【0035】実施例2 高圧法低密度ポリエチレン(商品名NUC−830,日
本ユニカー製)100部、ステアリン酸処理された水酸
化マグネシウム200部、酸化防止剤(商品名イルガノ
ックス1010,チバ−ガイギー製)0.5部、カーボ
ンブラック(商品名バルカン9A−32,キャボット
製)2.5部および実施例1で得られたシリコーン変性
スチレン系エラストマー30部をバンバリーミキサーに
より170℃で10分間混練した。この混練物のMIお
よびFIはそれぞれ0.18および48、酸素指数は3
5であり、流動性および難燃性ともに良好であった。ま
た、白化防止性については、CO2 による試験片重量増
加率1.0%に要する日数は17日であり、良好だっ
た。
【0036】実施例3 直鎖状超低密度ポリエチレン(商品名DFDA−113
7,日本ユニカー製)100部、ステアリン酸処理され
た水酸化マグネシウム200部、酸化防止剤(商品名イ
ルガノックス1010,チバ−ガイギー製)0.5部、
カーボンブラック(商品名バルカン9A−32,キャボ
ット製)2.5部および実施例1で得られたシリコーン
変性スチレン系エラストマー15部をバンバリーミキサ
ーにより170℃で10分間混練した。この混練物のM
IおよびFIはそれぞれ0.13および29、酸素指数
は35であり、流動性および難燃性ともに良好であっ
た。また、白化防止性については、CO2 による試験片
重量増加率1.0%に要する日数は15日であり、良好
だった。
【0037】比較例1 高圧法低密度ポリエチレン(商品名NUC−830,日
本ユニカー製)100部、ステアリン酸処理された水酸
化マグネシウム200部、酸化防止剤(商品名イルガノ
ックス1010,チバ−ガイギー製)0.5部およびカ
ーボンブラック(商品名バルカン9A−32,キャボッ
ト製)2.5部をバンバリーミキサーにより170℃で
10分間混練した。この混練物のMIおよびFIはそれ
ぞれ0.08および17、酸素指数は33であった。
【0038】比較例2 高圧法低密度ポリエチレン(商品名NUC−830,日
本ユニカー製)100部、ステアリン酸処理された水酸
化マグネシウム200部、酸化防止剤(商品名イルガノ
ックス1010,チバ−ガイギー製)0.5部、カーボ
ンブラック(商品名バルカン9A−32,キャボット
製)2.5部およびSEBS(商品名ラバロン5301
C,三菱油化製)15部をバンバリーミキサーにより1
70℃で10分間混練した。この混練物のMIおよびF
Iはそれぞれ0.19および39、酸素指数は30であ
った。
【0039】比較例3 直鎖状超低密度ポリエチレン(商品名DFDA−113
7,日本ユニカー製)100部、ステアリン酸処理され
た水酸化マグネシウム200部、酸化防止剤(商品名イ
ルガノックス1010,チバ−ガイギー製)0.5部お
よびカーボンブラック(商品名バルカン9A−32,キ
ャボット製)2.5部をバンバリーミキサーにより17
0℃で10分間混練した。この混練物のMIおよびFI
はそれぞれ0.09および13、酸素指数は33であっ
た。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明のオ
レフィン系樹脂組成物は、オレフィン系樹脂に水酸化マ
グネシウムおよびシリコーン変性エチレン系エラストマ
ーを配合しているので、オレフィン系樹脂の電気絶縁特
性が損なわれることなく、難燃性に優れ、かつ白化防止
性および流動性が改善されたものである。従って、本発
明のオレフィン系樹脂組成物は白化防止性および難燃性
が特に要求される電線・ケーブル等の絶縁層またはシー
ス層、その他各種成形品を高い成形性で与える材料であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 51/08 C08L 83/04 - 83/12 C08K 3/22 H01B 3/30

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 オレフィン系樹脂100重量部、水酸化
    マグネシウム5〜450重量部およびシリコーン変性ス
    チレン系エラストマー0.1〜100重量部からなるオ
    レフィン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオレフィン系樹脂組成物
    から製造された成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のオレフィン系樹脂組成物
    絶縁層またはシース層とした電線・ケーブル。
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