JP2006316230A - 難燃性樹脂組成物 - Google Patents
難燃性樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2006316230A JP2006316230A JP2005143135A JP2005143135A JP2006316230A JP 2006316230 A JP2006316230 A JP 2006316230A JP 2005143135 A JP2005143135 A JP 2005143135A JP 2005143135 A JP2005143135 A JP 2005143135A JP 2006316230 A JP2006316230 A JP 2006316230A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin composition
- retardant resin
- flame retardant
- heating
- comparative example
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Organic Insulating Materials (AREA)
Abstract
【解決手段】 ベース材料の熱可逆性ポリオレフィン樹脂100重量部に対し、無機金属水酸化物を100〜300重量部配合して構成されることによって実現する。そして、この難燃性樹脂組成物には、必要に応じてノンハロゲン化物からなる添加剤が配合されていてもよい。
Description
このように構成されたオレフィン系樹脂組成物は、電気絶縁性、白化防止性、流動性、難燃性にすぐれ、電線・ケーブル等の絶縁層またはシース層、その他各種成形品を高い成形性で与える材料である。そして、このオレフィン系樹脂組成物が用いられた電線・ケーブル等の絶縁層(絶縁体)またはシース層(シース材料)には、ハロゲン化物が含まれていないため、ハロゲン系ガスは発生しない。
本発明の目的は、難燃性があって高い耐熱性を有するとともに、燃焼時にハロゲン系ガスを発生しない難燃性樹脂組成物を提供することにある。
この難燃性樹脂組成物のベース材料に用いられる熱可逆性ポリオレフィン樹脂は、架橋構造を有しているため、耐熱特性のよい樹脂である。また、熱可逆性ポリオレフィン樹脂は、架橋構造を有しているにもかかわらず、熱可塑性を有し、押出し成形などの加工を行うことができる。この熱可塑性は、熱可逆性ポリオレフィン樹脂が熱可逆架橋性を有しているためである。ここで、熱可逆架橋性とは、高温での架橋解離反応とその架橋解離温度以下での架橋結合反応とが可逆的に行われるため、高温での架橋解離反応により樹脂の架橋構造が壊され、高温でこの樹脂が溶融される性質をいう。
また、無機金属水酸化物には、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルサイト、ドーソナイトなどが少なくとも1種類以上用いられているとよい。
ここで、添加剤には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、帯電防止剤、分散剤、増粘剤、金属劣化防止剤、防カビ剤、流動調整剤、無機充填剤、中和剤などが少なくとも1種類以上用いられているとよい。
以下、本発明に係る難燃性樹脂組成物について、実施例に基づいて詳しく説明する。
比較例1は、ベース材料として熱可逆性ポリオレフィン(具体的には、三菱化学(株)製TRCポリマーCPA550)100重量部に対して、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学工業(株)製 キスマ5P)80重量部、酸化防止剤(具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガノックス1010)1重量部、紫外線吸収剤(具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製チノビン783)1重量部、を配合したものである。
比較例2は、ベース材料として熱可逆性ポリオレフィン(具体的には、三菱化学(株)製TRCポリマーCPA550)100重量部に対して、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学工業(株)製 キスマ5P)320重量部、酸化防止剤(具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガノックス1010)1重量部、紫外線吸収剤(具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製チノビン783)1重量部、を配合したものである。
比較例3は、ベース材料としてエチレン−アクリル酸エチル共重合体(EEA)(具体的には、日本ポリオレフィン(株)製A1150)100重量部に対して、水酸化マグネシウム(具体的には、協和化学工業(株)製 キスマ5P)100重量部、酸化防止剤(具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製イルガノックス1010)1重量部、紫外線吸収剤(具体的には、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製チノビン783)1重量部、を配合したものである。
表1において、『○』と判定された試料はIEEEA383による難燃性の判定基準を満たしていると、『×』と判定された試料はIEEEA383による難燃性の判定基準を満たしていないということが示されている。なお、『―』と判定された試料は、コンパウンティングができないために試料が作製されず、評価がなされていないことが示されている。
表1において、『○』と判定された試料は押出機で押出し成形されるためコンパウンティングができると、『×』と判定された試料は、そのまま押出機で押出し成形されないためコンパウンティングができないということが示されている。
先ず、評価用試験試料として、実施例1〜実施例3、比較例1〜比較例3の組成に基づいて作製された難燃性樹脂組成物を押出機で押し出して1〜2mmの厚さのシートが作製される。作製されたシートは、常温で押出後24時間以上放置された後に、評価用試験試料として所定の試験片(JIS3号ダンベル片)の形状に作製される。
ここで、この引張強さの目標値を10MPa以上としたのは、引張強さが10MPaを下回るようでは、引張強さが小さいため、機械的強さが充分に確保された難燃性樹脂組成物を得ることができないからである。表1において、『○』と判定された試料は引張強さが10MPa以上であるため、目標値を満たしていると、『×』と判定された試料は引張強さが10MPaを下回るため、目標値を満たしていないということが示されている。なお、『―』と判定された試料は、コンパウンティングができないために試料が作製されず、評価がなされていないことが示されている。
先ず、試験は、日本工業規格のJIS C3005に準拠した上記引張試験によって行われ、この引張試験にて破断された試験片から、試験片の標線間の長さが測定される。次に、この測定された長さは、予め試験前に測定された標線間の長さ(元の長さ)で除される。そして、この除された後の長さを元の長さで割って、伸び(%)が百分率で表される。すなわち、伸び(%)は、試験片が引き伸ばされたときの最大の伸びを元の長さに対する相対的な割合として百分率で表されたものである。なお、標線間の長さとは、伸び(ひずみ)を測定する目的で試験前に試験片の平行部に付けられた二つの標線の間の長さ(距離)をいう。
先ず、上記引張試験にて破断された試験片から、試験片の標線間の長さが測定され、この測定値に基づいて上記室温での伸びと同じ方法により加熱後の伸びが求められる。そして、この測定された伸び(加熱後伸び)と常温で測定された伸び(加熱前伸び)に基づいて加熱後の伸び残率(%)が求められる。すなわち、加熱後の伸び残率(%)は、各試料における加熱後に測定された伸びを各試料の加熱前に測定された伸びでそれぞれ割り、百分率で表したものである。
(1)難燃性評価:難燃性については、実施例1が『○』、実施例2が『○』、実施例3が『○』で、実施例1〜実施例3については、いずれの実施例も難燃性の基準値を満足しており、難燃性は十分確保されている。比較例も比較例3は『○』で、難燃性の基準値を満足しており、難燃性は十分確保されている。しかし、比較例1は『×』で、難燃性の基準値を満足しておらず、難燃性は確保されていない。この比較例1と実施例1を比較すると、比較例1はベース材料100重量部に配合された無機金属水酸化物が80重量部であるのに対し、実施例1はベース材料100重量部に配合された無機金属水酸化物が100重量部である。すなわち、比較例1が難燃性の基準値を満足していないのは、ベース材料に配合された無機金属水酸化物の量が実施例1と比べて少ないため、難燃性が充分に確保されないからである。なお、比較例2は評価が『―』で、コンパウンティングができないため(後述されたコンパウンティングの評価結果では、比較例2は『×』である)、難燃性の評価をすることができない。
Claims (2)
- 熱可逆性ポリオレフィン樹脂をベース材料に用いた難燃性樹脂組成物であって、
前記ベース材料100重量部に対し、無機金属水酸化物が100〜300重量部配合されていることを特徴とする難燃性樹脂組成物。 - 前記ベース材料には、ハロゲン化物含まれていない添加剤が必要に応じて配合されていることを特徴とする請求項1に記載の難燃性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005143135A JP2006316230A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 難燃性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005143135A JP2006316230A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 難燃性樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006316230A true JP2006316230A (ja) | 2006-11-24 |
JP2006316230A5 JP2006316230A5 (ja) | 2008-07-17 |
Family
ID=37537180
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005143135A Abandoned JP2006316230A (ja) | 2005-05-16 | 2005-05-16 | 難燃性樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006316230A (ja) |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05186644A (ja) * | 1992-01-16 | 1993-07-27 | Nippon Unicar Co Ltd | オレフィン系樹脂組成物ならびにその成形品および使用方法 |
JPH0794029A (ja) * | 1993-09-28 | 1995-04-07 | Showa Denko Kk | 架橋ポリオレフィン絶縁電線 |
JPH0995566A (ja) * | 1995-09-29 | 1997-04-08 | Yazaki Corp | ノンハロ難燃耐熱樹脂組成物 |
JP2003096306A (ja) * | 2001-09-20 | 2003-04-03 | Fujikura Ltd | 難燃性樹脂組成物 |
-
2005
- 2005-05-16 JP JP2005143135A patent/JP2006316230A/ja not_active Abandoned
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05186644A (ja) * | 1992-01-16 | 1993-07-27 | Nippon Unicar Co Ltd | オレフィン系樹脂組成物ならびにその成形品および使用方法 |
JPH0794029A (ja) * | 1993-09-28 | 1995-04-07 | Showa Denko Kk | 架橋ポリオレフィン絶縁電線 |
JPH0995566A (ja) * | 1995-09-29 | 1997-04-08 | Yazaki Corp | ノンハロ難燃耐熱樹脂組成物 |
JP2003096306A (ja) * | 2001-09-20 | 2003-04-03 | Fujikura Ltd | 難燃性樹脂組成物 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4940568B2 (ja) | ノンハロゲン難燃性電線・ケーブル | |
JP5425973B2 (ja) | 耐熱難燃絶縁電線 | |
CN101578334B (zh) | 无卤阻燃树脂复合材料以及采用该复合材料的电线和电缆 | |
JP5652452B2 (ja) | ノンハロゲン難燃性絶縁電線 | |
US20140141240A1 (en) | Halogen-free resin composition, electric wire and cable | |
US20070155883A1 (en) | Crosslinked flame-retardant resin composition, and an insulated wire and a wiring harness using the same | |
EP2532707B1 (en) | Flame retardant polymer composition | |
JP2007169415A (ja) | 難燃性、耐火性エチレン−プロピレン−ジエン共重合体組成物および低圧耐火電線・ケーブル | |
JP2020050703A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物、絶縁電線、及びケーブル | |
JP3723025B2 (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物 | |
JP2013194214A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびそれを用いた電線・ケーブル | |
JP4615075B2 (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物および難燃性電線・ケーブル | |
US9396839B2 (en) | Cable with improved flame retardancy | |
JP2004075993A (ja) | 難燃性樹脂組成物およびそれを被覆した絶縁電線 | |
JP2008530344A (ja) | 熱回復性物品及びそのための組成物 | |
JP2006316230A (ja) | 難燃性樹脂組成物 | |
CN110343348B (zh) | 绝缘电线 | |
JP4968618B2 (ja) | ノンハロゲン難燃シラン架橋絶縁電線の製造方法 | |
JP2001002840A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物ならびにこれを用いた介在物および難燃性電線・ケーブル | |
JP2004256748A (ja) | ノンハロゲン難燃性組成物および難燃性電源コード | |
JP2006124510A (ja) | 樹脂組成物及びそれを被覆した絶縁電線 | |
JP2002302574A (ja) | ノンハロゲン難燃性樹脂組成物およびこれを用いた難燃性電線・ケーブル | |
JP3907417B2 (ja) | 難燃性樹脂組成物 | |
JP2006176680A (ja) | 耐熱性難燃性樹脂組成物及び絶縁電線 | |
KR100747933B1 (ko) | 내열성 절연재 제조용 조성물 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20080515 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080604 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20101213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20101215 |
|
A762 | Written abandonment of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 Effective date: 20101227 |