JP3355485B2 - ロック防止用電子装置の機能を監視するための安全回路 - Google Patents

ロック防止用電子装置の機能を監視するための安全回路

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JP3355485B2
JP3355485B2 JP00371590A JP371590A JP3355485B2 JP 3355485 B2 JP3355485 B2 JP 3355485B2 JP 00371590 A JP00371590 A JP 00371590A JP 371590 A JP371590 A JP 371590A JP 3355485 B2 JP3355485 B2 JP 3355485B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ロツク防止用電子装置の機能を監視するた
めの安全回路に関する。
ロツク防止された車両制動装置において、調整される
べき車両用車輪にあるセンサの出力値は電子調整装置へ
供給される.これらのセンサは通常、周波数が車輪の速
度に比例する電圧信号を供給する.これらのセンサは大
抵磁界を形成し、この磁界は、僅かな間隔を置いて通過
する歯付き回転磁極により制御されかつセンサのコイル
に電圧を誘導する. センサは車両用車輪に配置されており、従つて、信号
発生に著しく影響を及ぼす、車両振動によるかなりの荷
重及び汚損を受ける. それによつて、実際の車輪速度にもはや対応しない電
圧信号が発生されることがある.制動調整中の車輪速度
のこのような欠陥のある検出は危険な状況に至らせるか
ら、大抵、安全及び監視回路が設けられており、これら
の安全及び監視回路は、ロツク防止された制動装置にお
けるこのような欠陥の発生の際にこれらの欠陥を検出及
び通報しかつ場合によつては、ロツク防止された制動装
置の欠陥のある部分範囲を遮断するので、この制動装置
はかろうじて従来の制動装置のように動作する. 刊行物「ヴアブコ社のロツク防止装置.対角線分割に
よる、高められた安全性.1983年8月発行.発行者:ウ
アブコ・ヴエステイングハウス・フアールツオイクブレ
ムゼン・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンステル・
ハフツング,ハノーヴアー」から、走行開始の際及び走
行中にセンサ及び付属の配線を監視しかつ生ずる欠陥を
運転者に通報しかつ同時に装置の欠陥部分を対角線状に
遮断する安全回路は公知である.この場合、異なる車軸
の対角線状に対向する2つの車輪用の電子調整装置の部
分だけが遮断される. このような安全回路を持つロツク防止装置において、
大型商用車の始動の際又はギヤ入れの際、積み込み又は
他の振動の際に、個々の車輪の短時間の車輪運動が起こ
ることが考えられ、これらの車輪運動を電子調整装置が
速度急変として評価する.このような速度急変は、通常
走行運転の際には起こり得ない、突然の、極端に大きい
速度変化として示されるから、安全回路はこれをロツク
防止された制動装置の欠陥として評価しかつこの制動装
置を作動停止させる.それにより従来の制動装置だけが
作動しており、しかしこの制動装置には、ロツク防止さ
れた制動装置より小さい走行安全性しかない.しかし振
動によるこのような障害は制動装置の真の欠陥ではない
から、ロツク防止された制動装置がこのような場合に作
動停止されるならば不利である. 〔発明が解決しようとする課題〕 本発明の基礎になつている課題は、冒頭に挙げた種類
の安全回路を改良して、正しくない欠陥検出がこの安全
回路により十分防止されるようにすることである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するため、ロツク防止用電子装置の機
能を監視する安全回路が、それぞれの調整回路に付属す
る2つの回路部分から成り、これらの回路部分が、それ
ぞれ車輪速度上昇急変用の第1の急変検出回路と、車輪
速度低下急変用の第2の急変検出回路と、車輪速度限界
を検出するための比較回路とを含んでおり、両方の回路
部分が後続の論理回路により互いに論理結合され、それ
により、1つの車輪について欠陥とみなされる車輪速度
急変が検出されると共に、この車輪に対角線状に対向す
る車輪の車輪速度が所定の限界値より高い値を示す場合
に、欠陥通報及び電子装置の部分遮断が行なわれる。
本発明のそれ以外の構成及び有利な実施態様は、他の
請求項から明らかである. 〔発明の効果〕 本発明には、比較的少ない手段により、ロツク防止さ
れた制動装置を持つ車両の安全性が改善されるという利
点がある.こうして本発明による安全回路は、ロツク防
止された制動装置の調整回路の一体化された部分として
の電子回路により実現され得る.この電子回路の他に
は、本発明による安全回路の使用のために何んら余分な
構造的出費は必要でない.ロツク防止された制動装置の
電子装置がマイクロプロセツサを含んでいる場合は、本
発明による安全回路は、ハードウエアに関する補足を必
要とすることなしに、純ソフトウエア的にも実現可能で
ある. 本発明による安全回路には、この安全回路が、実際に
は車両の速度急変を含んでいないような速度急変だけを
欠陥として通報するという利点もある.こうして安全回
路は、速度急変が車両の停止の際には起こり得ないとい
う事情も考慮している.従つて安全回路は各欠陥通報の
前に、車両が特定の速度を超えたかどうかを検査する.
この場合、速度急変が停止状態から行なわれるか(速度
上昇急変)、又は車両が特定の速度から停止状態(速度
低下急変)に達したかどうかは重要でない. これは本発明による安全回路により、この安全回路
が、特定の運転条件において、実際に欠陥が複数のセン
サのうちの1つにあるかどうか、又は短時間のたいした
ことのない障害があるかどうかを検出することができる
一種の適性検査を行なうことによつて、達成される.こ
うして本発明は、例えば1つのセンサの故障が、その他
のセンサのうちの1つが速度信号を供給する場合にだけ
有り得ることであり、他の場合は車両がまだ停止してい
る場合であるという認識から出発している.しかし車両
が停止している場合に、ロツク防止された制動装置の作
動停止は表示されていない.従つて安全回路は、複数の
センサのうちの1つ又はロツク防止された制動装置の他
の試験された構成部品における真の欠陥を検出しかつそ
の場合にだけ、安全技術的に非常に重要なロツク防止装
置を作動停止させることができる. 本発明の特別の実施例では、一方の車軸の監視される
車輪の回転数が、他方の車軸の対角線状に対向する車輪
の回転数と比較され、欠陥検出の際にこの対角線状辺だ
けが遮断される.このことは、他方の対角線状辺に対し
て、ロツク防止された制動装置が更に引き続き機能を果
たすことができかつこれによつてロツクする車輪による
車両の不安定性が防止されるという利点がある. 〔実施例〕 図面に示されている実施例について本発明を以下に詳
細に説明する。
図面は、2つの調整チヤネル用の安全回路を持つ、ロ
ツク防止された制動装置の構成図である.そこには車両
の4つの監視される車輪が示されており、これらの車輪
のそれぞれ2つの対角線状に対向する車輪は、共通の安
全回路を持つ電子調整装置に対応している.他の両方
の、対角線状に対向する車輪に対応している、付属の安
全回路を持つ電子調整装置は、図示された電子調整装置
と構成に関して同じであるから、別に図示されていな
い. 車両用車輪2,5,45,50はそれぞれ回転磁極1,13,14,49
と固定的に結合されている.これらの回転磁極は車両用
車輪と同じ回転数を持つているので、周速は車輪速度に
比例している.しかしこれらの回転磁極を駆動又は支持
軸にも配置することができる.これらの回転磁極は従来
技術の実施例に関するものであり、この場合、周囲には
強磁性材料製の歯状扇形片が配置されている。回転磁極
と向い合わせにそれぞれセンサ3,47,24,31が取り付けら
れており、このセンサは通常1つの棒状電磁石及び1つ
のコイルから成り、回転磁極の回転の際に電圧がコイル
に誘導される.この場合、電圧の周波数は回転する車輪
の速度に対応する. センサ3からセンサ導線6が電子調整装置11へ通じて
いる.電子調整装置11においてセンサ導線6は信号処理
回路9へ導かれており、この信号処理回路は、センサ3
により発生された電圧信号を外乱信号から分離しかつ信
号処理を行ない、この信号処理回路は発生された電圧信
号を、周波数が車輪速度に対応する、一定の振幅の方形
波状電圧に変換する. こうして処理されたアナログ電圧信号は調整回路10
(マイクロコンピユータ)へ供給され、この調整回路は
これから約4msごとに(プログラム周期に応じて)デイ
ジタル車輪速度信号を検出する.電子調整装置11は、セ
ンサ3,47により検出された車両用車輪と同じ数の同種の
調整回路10,38を持つている.この場合、それぞれ2つ
の対角線状に対向する車輪に付属しているそれぞれ2つ
の調整回路10,38は、共通の安全回路12により監視され
る単位体を形成する. 本発明は、先ず第一にセンサ3,47及びこれらのセンサ
のセンサ導線6,42を監視する機能を持つ安全回路に関す
るから、図面は、安全回路のこの監視部に関する部分だ
けを示している.更に、調整回路10,38は、電磁調整弁
4,46とロツク防止された制動装置の他の回路部分とを検
査する回路部分も含んでいる.この検査には欠陥用導線
21,34が付属しており、これらの欠陥用導線はORゲート2
0の入力端と接続されている. 安全回路12は大体において2つの同種の回路部分22,2
3から成り、各部分は調整回路10,38に付属している.両
方の回路部分22,23は論理回路18,19,20,26,28により互
いに論理結合されておりかつ共通の信号出力端30を形成
しており、この信号出力端は増幅回路35を介して信号装
置36及び遮断装置37,40を付勢する. 安全回路12の調整回路10に付属している部分は、第1
の急変検出回路15、第1の比較回路16及び第2の急変検
出回路17から成り、これらの回路の入力端は調整回路10
の出力端VAと接続されておりかつこれらの回路へこのよ
うにして、調整された車輪2用の速度信号VAが供給され
る. 第1の急変検出回路15は、正の車輪加速度に対応する
速度急変を検出するために使用される.この急変検出回
路15は、0km/hの速度に対応する値を持つデイジタル速
度信号により付勢可能な入力回路を含んでいる。速度信
号がこのような付勢信号に追従する場合、速度信号が7k
m/hの車輪速度の数値を超えて急変すると、出力信号と
して欠陥信号が形成されて、第1のANDゲート18へ供給
される。
デイジタル車輪速度信号は同時に第1の比較回路16へ
も供給され、この比較回路はこの信号を、7km/hの速度
に一致する限界値と比較する.その際、第1の比較回路
16は、速度信号の値が7km/hの最低速度に一致する値を
超える場合に、出力信号として欠陥信号を発生する.こ
の出力信号は第3のANDゲート26の両入力端のうちの一
方及び第4のANDゲート28の両入力端のうちの一方に印
加される. 車両用車輪2に対応する速度信号は、同様に第2の急
変検出回路17にも印加される。この回路は11.2km/hより
大きい値から約0km/hの値又は定められた車両最低速度
への速度低下急変を検出する回路である。
急変検出回路15,17は、速度検出と同期して付勢され
る記憶回路を含んでいる.電子調整装置11は約4msの間
隔で車輪速度を検出しかつこの速度信号を回路15,16,17
の入力端に印加する.第2の急変検出回路17は供給され
た値を約4msの速度検出と同期して読み込みかつ同時に
前の値を再び読み出す.その際、時間的に以前の(濾波
された)速度検出の値が11.2km/h以上の値に一致してい
たが、現在の(濾波されていない)速度検出の値が約0k
m/hの値を示す場合にのみ、出力信号が発生される。第
2の急変検出回路17の出力信号は欠陥信号であり、第2
のANDゲート19に印加される. 同様に安全回路12は他の部分23に第3の急変検出回路
25、第2の比較回路27及び第4の急変検出回路29を含ん
でおり、これらの回路は調整回路38に付属しておりかつ
車両用車輪48のセンサ47を監視する.この場合、第1及
び第3の急変検出回路15,25は、それぞれ約4msの時間の
2つの連続する測定サイクルの間の0km/hから7km/hへの
速度上昇急変の検出のために使用される。これに対して
第2及び第4の急変検出回路17,29は11.2km/h以上から0
km/hへの速度低下急変の検出のために使用される。車両
用車輪48もやはり回転磁極49を含んでおり、この回転磁
極の周速はセンサ47により検出されかつ信号処理回路39
を介して調整回路38へ供給される.この調整回路38はセ
ンサ信号から約4msごとにデイジタル速度信号を検出
し、この速度信号は、検出された車両用車輪48の車輪速
度に一致している.速度信号VDは第3の急変検出回路2
5、第2の比較回路27及び第4の急変検出回路29へ供給
される.この場合、第3の急変検出回路25の出力端は第
3のANDゲート26の入力端に、第2の比較回路27の出力
端は第2のANDゲート19及び第1のANDゲート18の第2の
入力端に、そして第4の急変検出回路29の出力端は第4
のANDゲート28の第2の入力端にそれぞれ印加されてい
る.4つのANDゲート18,19,26,28の出力端はORゲート20の
入力端に接続されている. 更に、ORゲート20の入力端は両方の調整回路10,38の
2つの信号出力端32,33と接続されており、これらの信
号出力端32,33は他の回路部分例えばロツク防止用電子
装置の欠陥(例えば長く続きすぎる加速度調整信号又は
滑り調整信号)の際に付勢される。
ORゲート20の出力端30は、信号ランプ36を付勢する増
幅回路35と接続されている.同時にこの増幅回路35は遮
断継電器37も付勢し、この遮断継電器は常閉接点40によ
り両電磁調整弁46及び4用の出力増幅器8の電圧供給装
置41を遮断する.この出力増幅器8は導線7,32を介して
電磁調整弁4,46と接続されている. 他の両方の、対角線状に対向する車両用車輪5,50は、
センサ24,31を持つ回転磁極13,14を持つており、これら
のセンサは、同種の安全回路を持つ(図示されていな
い)電子調整装置を備えている.前述の安全回路22は次
のように動作する. 先ず、ロツク防止された制動装置が完全に機能を果た
すことができかつ車両が停止状態にあると仮定する.こ
の場合、センサ3,24,31,47は電圧パルスを供給しないの
で、信号処理回路9,39もまだ応答することができず、調
整回路10,38は0km/hの速度を算出する.調整回路10,38
は1周期当たり1度(約4msごとに)個々の車輪速度を
読み出すから、これらの車輪速度は各測定サイクルにつ
いて0km/hの速度を検出する.このようなデイジタル速
度信号は同時に急変検出回路15,17,25,29及び比較回路1
6,27にも印加される.しかし急変検出回路15,17,25,29
は常に、上述した速度変化がある場合にはじめて出力信
号としての欠陥信号を形成する.これは停止中には行な
われないから、すべてANDゲート18,19,26,28の両入力端
のうちの少なくとも1つに信号は印加されない.従つて
ANDゲートは、ORゲート20を介して信号装置36又は遮断
装置37を付勢することができる出力信号も形成すること
ができない. 車両がゆつくり動きだし、例えば30km/hの速度に達し
た場合に、センサ3,47は電圧信号を信号処理回路9,39へ
供給し、この信号処理回路の周波数は車輪又は車両速度
に比例している.これから信号処理回路9,39は方形波状
電圧信号を形成し、これらの方形波状電圧信号の周波数
は、供給される信号の周波数と一致している.方形波状
電圧信号から調整回路10,38はデイジタル速度信号を算
出し、これらの速度信号は30km/hの車輪速度に一致して
いる.これらの速度信号はそれぞれ急変検出回路15,17,
25,29の入力端及び比較回路16,27へ供給される.この加
速過程中に調整回路10,38は約4msごとに現在の速度信号
を算出する.個々の測定時点の間の最高可能車両加速に
おいても速度変化は決して7km/hの値を超えることがで
きないから、第1の急変検出回路15及び第3の急変検出
回路25も出力信号としての欠陥信号を形成することがで
きない.従つて第1のANDゲート18及び第3のANDゲート
26にも両入力端の少なくとも一方に入力信号は印加され
ないので、これらのANDゲートにおいても出力信号は生
じない. 第2の急変検出回路17及び第4の急変検出回路29も出
力信号を供給しない.なぜならばこれらの回路は、2つ
の測定時点の間の速度信号が約0km/hの値に低下した場
合にのみ出力信号を形成することができるからである。
この場合、急変検出回路16,17,25,29は検査及び監視回
路であり、この検査及び監視回路は欠陥信号の形成のた
めに使用される.従つて第2のANDゲート19の少なくと
も1つの入力端及び第4のANDゲート28の少なくとも1
つの入力端にも入力信号は印加されないので、これらの
ANDゲートも出力信号を形成することができない.従つ
てこの場合、信号装置36及び遮断装置37の付勢は、車両
の最大加速度の際にもできない. 車両用車輪2のセンサ3が汚損又は大きい空隙変化の
ため散発的即ち不規則な電圧パルスしか調整回路10へ供
給しないものと仮定すると、センサ3が最低50mVの高さ
の電圧パルスを供給しない限り、調整回路10は電圧パル
スの評価を行わず、車輪2が停止しているものとみなさ
れる。このようである限り、第1の急変検出回路15は付
勢されない。
センサ3が、7km/h以上の速度に一致する電圧パルス
を突然供給する場合は、調整回路10がこれからデイジタ
ル車輪速度を算出する.しかしこのような速度急変は実
際の車両加速の際に有り得ないので、第1の急変検出回
路15は出力信号として欠陥信号を供給し、この欠陥信号
は後続の論理回路の第1のANDゲート18へ供給される. しかし同時に、車両用車輪2に対角線状に対向する車
両用車輪48のセンサ47も安全回路23により検査される.
電子調整装置11の付属の調整回路38の中に、車両用車輪
の回転の際にデイジタル速度信号が形成され、この速度
信号は車両速度に対応している.この車両速度は7km/h
以上の速度に一致しているから、第2の比較回路27は出
力信号として欠陥信号を形成し、この欠陥信号は第1の
ANDゲート18の入力端と接続されている.これらの出力
信号は論理回路におけるL信号に一致している.第1の
急変検出回路15も第2の比較回路27も出力信号を第1の
ANDゲート18に印加するから、このANDゲートも出力信号
を形成し、この出力信号はORゲート20に印加される.OR
ゲート20はこれから出力信号も形成し、この出力信号は
増幅回路35を介して信号装置36を付勢しかつ同時に遮断
装置37を操作し、この遮断装置は常閉接点40を介して電
磁調整弁4,46用の出力増幅器8を遮断するので、車輪2
及び48用のロツク防止装置はもはや作動しない. 大型商用車では、エンジンの始動の際、ギア入れの際
又は他の振動の際に個々の車両用車輪に突然の車輪運動
が起こることがある.例えば車両用車輪2のこのような
突然の車輪運動が起こつた場合は、これから調整回路10
は、車両がまだ走行しないにも拘らず、7km/h以上の値
への車輪速度の突然の上昇を算出することが有り得る.
このような場合は、安全回路12によりロツク防止装置を
直ぐには遮断することができない.なぜならばその場合
は、ロツク防止された制動装置の機能に影響を及ぼす装
置の欠陥がないからである. 0から7km/h以上へのこのような速度変化の際に、第
1の急変検出回路15には出力信号として欠陥信号が形成
される.この出力信号は第1のANDゲート18の第1の入
力端に印加される.車両が走行しない場合に、車両用車
輪48にあるセンサ47は電圧信号を供給しないから、第2
の比較回路27にも速度信号は印加されず、その結果、第
2の比較回路27も、第1のANDゲート18に印加される出
力信号としての欠陥信号を発生しない.この場合は第1
のANDゲート18に第1の急変検出回路15の出力信号しか
印加されないから、第1のANDゲート18も出力信号を形
成せず、その結果、信号装置36も遮断装置37も付勢され
ず、従つてロツク防止された制動装置の遮断は行なわれ
ない. 既に上述されたのと同じように、安全回路は、車両用
車輪において見せかけの速度急変が起こる場合にも動作
し、この速度急変の際に車輪速度は例えば20km/hの速度
値から突然約0km/hの値に低下する.このような事態
は、車両用車輪のセンサが突然故障した場合、又は例え
ば接続導線の損傷の場合のような他の理由からもはや速
度信号が供給されない場合に、安全回路12により常に検
出される.車両用車輪は現実のこのような減速度に達す
ることができないから、安全回路12はこのような場合に
信号装置36を付勢しかつロツク防止装置を遮断しなけれ
ばならない.他の場合には、ロツク防止された制動装置
の欠陥調整が起こることがあり、これらの欠陥調整は安
全性の理由から是認できない. 車両が例えば20km/hの速度で走行しかつ車両用車輪2
の調整回路10が欠陥のために突然速度信号をもはや検出
しなくなると仮定すれば、調整回路10の出力端に、約0k
m/hの速度に対応する速度信号が印加される.連続する
2つの測定サイクルにおいて車両用車輪の濾波された、
少なくとも11.2km/hの値の速度が約0km/hに低下した場
合は、第2の急変検出回路17が速度低下急変を検出しか
つそれに基づいて出力信号としての欠陥信号を第2のAN
Dゲート19の入力端へ供給する。
同時に、車両用車輪2に対角線状に対向する車両用車
輪48は、20km/hの車両速度、従つて又車輪速度に一致す
る速度パルスを調整回路38へ供給する.調整回路38は構
成に関して調整回路10と同じであるから、調整回路38の
出力端に速度信号VDが印加され、この速度信号は20km/h
の速度に対応する.この速度信号は同時に第2の比較回
路27の入力端にも印加され、この比較回路は出力信号と
して欠陥信号を形成し、この欠陥信号は第2のANDゲー
ト19の入力端にも印加される.第2のANDゲート19の両
入力端に入力信号が印加されるから、第2のANDゲート1
9は出力信号を形成し、この出力信号はORゲート20を介
して信号装置36及び遮断装置37を付勢し、それにより車
輪2及び48のロツク防止装置を遮断する。
しかしロツク防止された車両制動装置において、停止
している車両の振動による速度低下急変が検出されるこ
とも起こり得る.このような場合にも、これがロツク防
止装置の遮断に至らせることが防止されなければならな
い. 第2の急変検出回路17が停止している車両において速
度低下急変を検出すると仮定すれば、この急変検出回路
は出力端に欠陥信号を形成し、この欠陥信号は同時に第
2のANDゲート19の入力端に印加される.車両が停止し
ている場合に第2の比較回路27も出力信号としての走行
信号を供給することができないから、第2のANDゲート1
9の第2の入力端にも入力信号は印加されず、その結果
このANDゲート19も、ORゲート20を介して信号装置36及
び遮断装置37の付勢を行なうことができる出力信号を供
給しない. 要約すれば、1つの車輪に速度上昇急変が検出されか
つ同時に対角線状に対向する車輪又は他の車輪に7km/h
以上の車両速度が検出される場合に、欠陥通報が行なわ
れるということである. 他の欠陥例えばロツク防止用電子装置の欠陥の検出に
よる欠陥表示も行なわれる.こうして調整回路10及び調
整回路38は更に別の監視回路を含んでおり、これらの監
視回路は欠陥信号を信号接続導線21,34に印加すること
ができ、それによりORゲート20の出力信号を発生する.
これによつて同様に調整弁の既に上述された遮断及び欠
陥表示が行なえる. 安全回路12は、個々の調整回路に付属する両部分22,2
3に関して同じように構成されているので、車両用車輪4
8における速度急変の際の動作のやり方は、先に車両用
車輪2の例で述べた動作のやり方と同じである.この場
合、第1及び第2の急変検出回路15,17の動作のやり方
は第3及び第4の急変検出回路25,29の動作のやり方に
一致しており、第1の比較回路16の動作のやり方は第2
の比較回路27の動作のやり方に一致している.第1及び
第2のANDゲート18,19の動作のやり方は、同様に第3及
び第4のANDゲート26,28の動作のやり方に一致してい
る. なお、第2の対角線の車輪5,50用のロツク防止された
制動装置は、安全回路を持つ別の電子調整装置(図示さ
れていない)を持つており、この電子調整装置は同様
に、先に述べた構成と一致している.更に、安全回路12
の機能はマイクロプロセツサの適当なプログラミングに
よつても実現され得る.
【図面の簡単な説明】
図面は、2つの調整チヤネル用の安全回路を持つ、ロツ
ク防止された制動装置の構成図である. 10……調整回路、12……安全回路、15,25……急変検出
回路、16,27……比較回路、17,29……急変検出回路、1
8,19,26,28……論理回路、22,23……回路部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−61052(JP,A) 特公 昭57−56696(JP,B2) 米国特許3803425(US,A)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロツク防止用電子装置の機能を監視する安
    全回路(12)が、それぞれの調整回路(10,38)に付属
    する2つの回路部分(22,23)から成り、これらの回路
    部分が、それぞれ車輪速度上昇急変用の第1の急変検出
    回路(15,25)と、車輪速度低下急変用の第2の急変検
    出回路(17,29)と、車輪速度限界を検出するための比
    較回路(16,27)とを含んでおり、両方の回路部分(22,
    23)が後続の論理回路(18,19,26,28)により互いに論
    理結合され、それにより、1つの車輪(2,50)について
    欠陥とみなされる車輪速度急変が検出されると共に、こ
    の車輪(2,50)に対角線状に対向する車輪(48,5)の車
    輪速度が所定の限界値より高い値を示す場合に、欠陥通
    報及び電子装置(10,38)の部分遮断が行なわれること
    を特徴とする、ロツク防止用電子装置の機能を監視する
    ための安全回路。
  2. 【請求項2】論理回路が4つのANDゲート(18,19,26,2
    8)から成り、これらのANDゲートがそれぞれ2つの入力
    端を持つており、これらの入力端が両方の急変検出回路
    (15,17,25,29)及び比較回路(16,27)の出力端と接続
    されており、これらのANDゲート(18,19,26,28)の出力
    端がORゲート(20)の入力端に接続されていることを特
    徴とする、請求項1に記載の安全回路。
  3. 【請求項3】車輪速度上昇急変が約0から7km/hまで行
    なわれるか、又は車輪速度低下急変が11.2km/h以上から
    約0まで行なわれる場合に、急変検出回路(15,25,17,2
    9)が始動されることを特徴とする、請求項1に記載の
    安全回路。
  4. 【請求項4】安全回路(12)がマイクロプロセツサ又は
    集積回路により実現されていることを特徴とする、請求
    項1〜3のうち1つに記載の安全回路。
  5. 【請求項5】安全回路(12)の出力端(30)が記憶及び
    増幅回路(35)と接続されており、この記憶及び増幅回
    路(35)が、関係する対角線に対する信号装置(36)及
    び遮断装置(37,40)を付勢することを特徴とする、請
    求項1〜4のうち1つに記載の安全回路。
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