JP3355347B2 - 搬送システム - Google Patents

搬送システム

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の利用分野】この発明は無人搬送車や有軌道台車
等の搬送システムに関し、特に誘導方式や移載方式の異
なる搬送装置を混在させることに関する。
【0002】
【従来技術】無人搬送車と有軌道台車とを混在させた搬
送システムは知られているが、それでも無人搬送車ある
いは有軌道台車等の同じ種類の搬送装置の中では、用い
る搬送装置は1種類であり、2種類の無人搬送車を混在
させたり、2種類の有軌道台車を同じ軌道上に混在させ
たりする事はない。これは搬送システムの導入時に、用
いる搬送装置の種類を決定し、以降は最初と同じ種類の
搬送装置を追加するからである。
【0003】しかしながらこのようにすると、システム
の拡張性に問題があり、例えばバージョンアップによっ
て誘導方式や移載方式が変化した搬送装置を導入するこ
とができない。また場所によって誘導方式を使い分けた
り、ステーションに応じて移載方式を使い分けたりする
ことができない。このため搬送システムの柔軟性に欠け
ることになる。
【0004】
【発明の課題】この発明の基本的課題は、誘導方式が異
なる無人搬送車と走行路とを併用して、共通のコントロ
ーラにより運用することにある(請求項1〜3)。請求
項2の発明での追加の課題は、誘導方式の異なる無人搬
送車を走行路の同じ区間を走行可能にして、無人搬送車
の運用をより容易にすることにある。請求項3の発明で
の追加の課題は、走行路の同じ部分を誘導方式の異なる
無人搬送車に走行させる際の、具体的な制御方式を提供
することにある。
【0005】
【発明の構成】請求項1の発明の搬送システムは、誘導
方式の異なる複数種の走行路と、誘導方式の異なる複数
種の無人搬送車とを設けて、これらを管理するコントロ
ーラを、前記走行路の誘導方式を走行路定義ファイルに
記憶すると共に、前記無人搬送車の誘導方式を無人搬送
車定義ファイルに記憶し、かつ搬送指令から定まる走行
路に対して前記走行路定義ファイルから誘導方式を求
め、求めた誘導方式にフィットする無人搬送車を前記無
人搬送車定義ファイルから求めて、搬送指令を割り付け
る、ようにしたことを特徴とする。
【0006】請求項2の発明の搬送システムでは、走行
路の少なくとも一部について、複数種の誘導方式を配備
する。
【0007】請求項3の発明の搬送システムでは、走行
路にセグメント及びインターロック部を設けて、走行路
定義ファイルを、誘導方式のよって走行路を区別し、か
つ複数の誘導方式で走行路の同じ部分を走行させる場
合、セグメントやインターロック部の番号を誘導方式の
異なる走行路間で共通にする、ように構成する。
【0008】
【発明の作用と効果】請求項1の発明の作用効果を説明
する。搬送指令が発生すると搬送元と搬送先とが定ま
り、この間の走行路の誘導方式を走行路定義ファイルか
ら求めると、誘導方式が定まる。次に求めた誘導方式に
フィットする無人搬送車を、無人搬送車定義ファイルか
ら求める。この結果、どの無人搬送車に搬送指令を割り
付ければよいかが判明し、複数種の誘導方式を用いて
も、搬送システムを運用できる。
【0009】請求項2の発明では、走行路の少なくとも
一部について複数種の誘導方式を配備するので、誘導方
式によって無人搬送車システムの走行路を分断せずに、
柔軟に無人搬送車を運用することができる。好ましくは
複数の移載方式にフィットし得るステーションを設け、
移載方式の相違によって走行路が分断されないようにす
る。
【0010】請求項3の発明では、走行路定義ファイル
を、誘導方式のよって走行路を区別し、かつ複数の誘導
方式で走行路の同じ部分を走行させる場合、セグメント
やインターロック部の番号を誘導方式の異なる走行路間
で共通にする。このため、走行路の同じ部分で複数の誘
導方式を用いても、搬送システムの制御を容易に行うこ
とができる。
【0011】
【実施例】図1〜図5に実施例を示す。図1に実施例の
無人搬送車システム2のレイアウトを示すと、3は入荷
用のトラックヤードで、4は出荷用のトラックヤードで
あり、5,5は自動倉庫、6,7,8は工作機械や半導
体処理装置等を配列した工程である。9は入荷時に原材
料等を仕分けるためのピッキングエリアで、10は出荷
時の仕分け用のピッキングエリアである。そしてトラッ
クヤード3からピッキングエリア10までで構成される
工場の搬送システムとして、実施例の無人搬送車システ
ム2を構成する。
【0012】12は無人搬送車の充電エリアで、14は
レーザー誘導走行路で、16は磁気誘導走行路である。
走行路にはレーザー誘導と磁気誘導の2種類を用意した
が、これ以外にさらに別の走行路を用意しても良い。1
8は共用ステーションで、19はフォーク用のステーシ
ョン、20はリフター用のステーションであり、共用ス
テーション18はフォークとリフターのいずれの移載方
式にもフィットする。用いる無人搬送車は例えば、レー
ザー誘導でフォークにより移載を行うものと、磁気誘導
でリフターにより移載を行うものの2種類とし、リフタ
ーによる移載ではステーション18,20の底部に無人
搬送車が潜り込んで、リフターを用いて移載を行う。ま
たリフターを用いた磁気誘導型の無人搬送車は全方向タ
イプで、位置を固定したままで進行方向のみを例えば9
0゜変化させる等の運動ができ、任意の位置から360
゜任意の方向へ進行方向を変え得ることが特徴である。
【0013】磁気誘導型の無人搬送車は、工場等の床面
に配設した磁気テープに沿って走行する。磁気誘導型の
無人搬送車は、磁気テープに切れ目の生じやすい屋外走
行には適しておらず、またトラックヤード3,4でトラ
ックとの間で物品の受け渡しを行うには適していない。
これに対してレーザー誘導型の無人搬送車は、レーザー
光で周囲を走査し、建物の壁等に設けたリフレクタから
の反射光を受光して、現在位置を認識する。レーザー誘
導型の無人搬送車は屋内と屋外の双方の走行に適し、か
つここではフォークを移載装置として用いたので、トラ
ックヤード3,4での移載に適している。これらに応じ
て実施例では、レーザー誘導走行路14をトラックヤー
ド3,4の付近を主として配置し、磁気誘導走行路16
を工程6,7,8の周囲を中心に配設し、搬送能力に柔
軟性を持たせるため、一部の区間でレーザー誘導走行路
14と磁気誘導走行路16を重ね合わせて配置した。
【0014】実施例では、レーザー誘導と磁気誘導の2
種類の誘導方式を用い、フォークとリフターの2種類の
移載方式を用いたが、誘導方式の種類は3種類以上でも
良く、また移載方式の種類は、好ましくはこれ以外に、
チェーンコンベヤによる移載やローラーコンベヤによる
移載等もサポートしておく。これらのためには後述の無
人搬送車管理CPUに、より多数の誘導方式や、より多
種類の移載方式を登録し得るように、後述の定義ファイ
ルを設定すればよい。
【0015】図2に実施例の無人搬送車システム2の制
御系を示すと、22は物流CPUで、物品の在庫状況を
管理すると共に、トラックヤード3への入荷や、トラッ
クヤード4からの出荷、あるいは工程6,7,8の進捗
によって生じる、物品の搬送要求を処理し、搬送要求を
無人搬送車管理CPU24へ入力する。無人搬送車管理
CPU24は、無人搬送車定義ファイル26に、個々の
無人搬送車32毎に、その移載方式、例えばフォーク,
リフター,チェーンコンベヤ,ローラーコンベヤ等の種
別、あるいは移載可能なステーションの種類を表す値、
と誘導方式、例えば磁気誘導かレーザー誘導か等の種類
を表す値を記憶する。
【0016】ステーション定義ファイル28には、各ス
テーションの移載方式を記録している。この移載方式
は、フォーク,リフター,チェーンコンベヤ,ローラー
コンベヤ等の移載装置の種類そのものでも良く、あるい
はローラーコンベヤとチェーンコンベヤの双方の移載に
対応可能なものには値1を、ローラーコンベヤにのみ対
応可能なものには値2を、チェーンコンベヤにのみ対応
可能なものには値3をというように、対応可能な移載方
式の値を数値化したものを記憶させても良い。
【0017】走行路定義ファイル30には走行路の誘導
方式、もしくは走行路を複数のセグメントや交差点等の
インターロック部に分割した場合の、各セグメントやイ
ンターロック部の番号と各部分の誘導方式とを記録す
る。この記録の方式としては、図1のようにレーザー誘
導走行路14と磁気誘導走行路16のように、誘導方式
によって走行路を区別し、各走行路14,16毎にセグ
メントやインターロック部が存在し、複数の誘導方式で
同じ部分を走行させる場合には、セグメント番号やイン
ターロック部の番号が、種類の異なる走行路間で共通で
あるとしたものでもよい。あるいは走行路14,16は
セグメントやインターロック部の集合から成るものと
し、セグメントやインターロック部毎に誘導方式を記憶
しても良い。
【0018】無人搬送車管理CPU24は個々の無人搬
送車32を管理し、ここには複数種の無人搬送車が混在
している。実施例の場合、レーザー誘導でフォーク移載
のものと、磁気誘導でリフター移載のものの2種類であ
るが、この種類は誘導方式が3種類で移載方式が4種類
とすると、合計8種類となる。各無人搬送車32は自己
定義ファイル34を有しており、そこには自己の移載方
式と誘導方式とが記録されている。また各無人搬送車3
2はマップ36を有しており、ここには自己定義ファイ
ル34に記憶した移載方式や誘導方式に適合する走行路
とステーションとが記憶されている。即ちマップ36の
記憶は、図1の走行路を、個々の無人搬送車32にとっ
て利用可能な走行路やステーションに絞ったものであ
る。
【0019】また無人搬送車管理CPU24の各ファイ
ル26〜30には、実際に装備している走行路やステー
ションあるいは無人搬送車の種類以外にも、これらの種
類を定義する余地を設けて、システムを拡張し得るよう
にしておくのが好ましい。
【0020】図3に実施例での走行路を一部拡大して示
す。14は前記のレーザー誘導走行路で、16は前記の
磁気誘導走行路で、図の右から左への走行路ではレーザ
ー誘導走行路14と磁気誘導走行路16とが重複して配
設されている。P1〜P8はポイントで、ポイント間の
走行路がセグメントS1〜S4となり、走行路が交差す
る部分が交差点C1である。
【0021】図4に1搬送指令分の無人搬送車管理CP
U24の作業を示す。搬送指令が発生すると、搬送元と
搬送先のステーションの移載方式を調べ、またこの間の
搬送路の誘導方式を調べて、割付可能な無人搬送車の種
類を決定する。このためにはステーション定義ファイル
28で移載方式を調べ、走行路定義ファイル30でこの
間の誘導方式を調べればよい。そして搬送元や搬送先の
ステーションと移載方式がフィットし、走行路と誘導方
式がフィットする無人搬送車に搬送指令を割り付ける。
搬送指令を割り付けられた無人搬送車はこの作業を実行
し、搬送指令が終了すると、無人搬送車管理CPU24
にその旨を報告し、無人搬送車管理CPU24は物流C
PU22へ搬送指令が終了した旨を報告する。
【0022】図5に、セグメント1個分と交差点1個分
の走行許可の手順を示す。無人搬送車管理CPU24は
無人搬送車に搬送指令を割り付け、無人搬送車はこの指
令に沿ってセグメント毎に走行許可を要求し、無人搬送
車管理CPU24は走行許可を与える。そしてあるセグ
メントについて無人搬送車に走行を許可すると、当該セ
グメントをロックし、他の無人搬送車には走行を許可し
ない。ここで1つのセグメントに2つの誘導方式が定義
されている場合、誘導方式が異なる他の無人搬送車に対
しても、走行を許可しないようにしておく。セグメント
の走行許可を受けた無人搬送車はそのセグメントを走行
し、走行が終了するとその旨を無人搬送車管理CPU2
4に報告し、当該セグメントのロックを解除する。交差
点に進入しようとすると、無人搬送車は交差点の走行要
求を無人搬送車管理CPU24に要求し、無人搬送車管
理CPU24は当該交差点の走行要求の待ち行列に受信
した要求を追加する。そして待ち行列での所定の順序に
沿って、1台ずつ無人搬送車に交差点の走行を許可し、
許可された無人搬送車が当該交差点を走行すると、待ち
行列から当該無人搬送車の走行要求を削除し、他の無人
搬送車に対して交差点の走行を許可する。
【0023】このようにして、1つのセグメントに複数
の誘導方式が配備され、また誘導方式の異なる走行路が
交差するような場合でも、1つのセグメントや1つの交
差点には同時に1台の無人搬送車のみを走行させて、衝
突を防止できる。
【0024】実施例では以下の効果が得られる。 (1) 屋外走行が可能なレーザー誘導方式と、屋内走行
に適して比較的安価な磁気誘導方式とを混在させること
ができる。 (2) トラックとの積み替えに適したフォーク方式と、
狭い走行路で自動倉庫内等に潜り込んで移載が可能なリ
フター方式等の、移載方式を混在させることができる。 (3) 複数の移載方式に対応した共用ステーションや共
用の無人搬送車、あるいは複数の誘導方式に対応した走
行路を設けることにより、搬送システムが分断されずに
運用できる。 (4) 共通のコントローラで制御でき、制御が一元的に
なる。 (5) 新たな移載方式の追加や新たな誘導方式の追加等
が容易にでき、システムを柔軟に拡張もしくは変更でき
る。
【0025】
【0026】
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の無人搬送車システムでのステーショ
ンと走行路との配置を示す図
【図2】 実施例での制御系の構成を示す図
【図3】 実施例での走行路を示す図
【図4】 実施例での1搬送指令分の処理を示すフロー
チャート
【図5】 実施例での走行制御を示すフローチャート
【符号の説明】
2 無人搬送車システム 3 入荷用トラックヤード 4 出荷用トラックヤード 5 自動倉庫 6,7,8 工程 9,10 ピッキングエリア 12 充電エリア 14 レーザー誘導走行路 16 磁気誘導走行路 18 共用ステーション 19 フォーク用ステーション 20 リフター用ステーション 22 物流CPU 24 無人搬送車管理CPU 26 無人搬送車定義ファイル 28 ステーション定義ファイル 30 走行路定義ファイル 32 無人搬送車 34 自己定義ファイル 36 マップ P1〜P8 ポイント S1〜S4 セグメント C1 交差点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−188221(JP,A) 特開 昭64−33607(JP,A) 特開 平1−152512(JP,A) 特開 昭63−117803(JP,A) 特開 平4−192006(JP,A) 特開 平10−338314(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G05D 1/02 B65G 1/137

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導方式の異なる複数種の走行路と、誘
    導方式の異なる複数種の無人搬送車とを設けて、 これらを管理するコントローラを、前記走行路の誘導方
    式を走行路定義ファイルに記憶すると共に、前記無人搬
    送車の誘導方式を無人搬送車定義ファイルに記憶し、か
    つ搬送指令から定まる走行路に対して前記走行路定義フ
    ァイルから誘導方式を求め、求めた誘導方式にフィット
    する無人搬送車を前記無人搬送車定義ファイルから求め
    て搬送指令を割り付ける、ようにしたことを特徴とす
    る、搬送システム。
  2. 【請求項2】 前記走行路の少なくとも一部について、
    複数種の誘導方式を配備したことを特徴とする、請求項
    1の搬送システム。
  3. 【請求項3】 走行路にセグメント及びインターロック
    部を設けて、 前記走行路定義ファイルを、誘導方式によって走行路を
    区別し、かつ複数の誘導方式で走行路の同じ部分を走行
    させる場合、セグメントやインターロック部の番号を誘
    導方式の異なる走行路間で共通にする、ように構成した
    ことを特徴とする、請求項2の搬送システム。
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