JP3355343B2 - シートスライド装置 - Google Patents

シートスライド装置

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JP3355343B2
JP3355343B2 JP31061396A JP31061396A JP3355343B2 JP 3355343 B2 JP3355343 B2 JP 3355343B2 JP 31061396 A JP31061396 A JP 31061396A JP 31061396 A JP31061396 A JP 31061396A JP 3355343 B2 JP3355343 B2 JP 3355343B2
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茂雄 角田
保 沢田
登志夫 増井
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両等におけるシ
ートスライド装置、さらに詳しくは、ロアレールの端部
にキャップを備えたシートスライド装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、車両用のシートスライド装置
は、図11のように、ブラケットB1、B2を介して車
体の床面上に設置される断面略U字状のロアレールR1
に対して、前側シートSが装着されるアッパーレールR
2をスライド可能に嵌合させ、そしてロック機構Lによ
って、アッパーレールR2を所望のスライド位置にロッ
クできるようになっている。このようなスライド装置に
おいては、特に、シートSが図11中左方の前進位置に
セットされている場合に、ロアレールR1の後端部が大
きく露出することになる。
【0003】従来より、このようなロアレールR1の後
端部の露出による後部シート側からの見栄えの悪化を回
避するために、そのロアレールR1の後端部にカバーC
を装着したものがある。例えば、実開平2−13252
8号公報および実開平4−123825号公報には、カ
バーCによってロアレールR1の後端部と共にブラケッ
トB1を覆う構成が記載されている。それらのカバーC
は、いずれもロアレールR1の後端部側の開放端面、つ
まり断面略U字状のロアレールR1の内側から後端部外
方に開放される端面を塞ぐようになっており、その開放
端面を塞ぐカバーCの部分は、鉛直方向に延在する垂直
壁部、またはロアレールR1の後端部から前端部側に向
かって斜め上方に傾斜する傾斜壁部(以下、「内方傾斜
の壁部」という)とされている。
【0004】また、これらのカバーCには、ロアレール
R1の後端部からのカバーCの抜け止め力をアップさせ
たり、カバーCの組み付け性を向上させたり、見栄えを
良くしたりするためのフランジ部がロアレールR1の内
部に位置するように形成されている。そのフランジ部に
おいて、ロアレールR1の前端部側を向く端面は鉛直方
向に延在する垂直壁面となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
ようなカバーCが装着されたシートスライド装置におい
て、断面略U字状のロアレールR1の内部に異物が入り
込んだ状態を想定した場合、シートSと共にアッパーレ
ールR2を後方にスライドさせたときに、そのアッパー
レールR2側とカバーC側との間にて異物が挟み込まれ
るおそれがある。
【0006】その異物を挟み込むアッパーレールR2側
の部位は、異物の形状や大きさなどに応じて、アッパー
レールR2の後端部、またはレールR1,R2間に備わ
るローラやリテーナなどの後端部となる。一方、異物を
挟み込むカバーC側の部位は、異物の形状や大きさなど
に応じて、垂直壁部、内方傾斜の壁部、またはフランジ
部の垂直面となる。後者のカバーC側における垂直壁部
とフランジ部の垂直面は、異物の挟み方向と直交する面
によって確実に異物を挟む込んでしまうことになり、ま
たカバーCの内方傾斜の壁部は、異物の挟み方向に対し
て傾斜する面において異物をロアレールR2の内側底部
に押し付けるような分力を生じて、より確実に異物を挟
み込んでしまうことになる。このようなアッパーレール
R2側の部位とカバーC側の部位との間にて異物が挟ま
れたままとなった場合には、シートSと共にアッパーレ
ールR2を後方にスライド調整できなくなってしまう。
【0007】本発明の目的は、ロアレールの内部に入り
込んだ異物を排除することができるシートスライド装置
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のシートスライド
装置は、床面に設置されかつ底部と左右の側部によって
断面略U字状に形成されたロアレールと、シートが取り
付けられかつ前記ロアレールに移動自在にガイドされる
アッパーレールとを備えたシートスライド装置におい
て、前記ロアレールの端部にカバーを装着し、前記カバ
ーに、前記ロアレールの端部内方から前記ロアレールの
端部外方に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面部を形成
したことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0010】(第1の実施形態)図1から図5は、本発
明の第1の実施形態を説明するための図である。
【0011】図1は、本例のシートスライド装置全体の
斜視図である。図1において10は、ブラケット1、2
を介して車体の床面上に装着されるロアレールであり、
図2のように、その底部10Aと左右の側部10B,1
0Cによって断面略U字状に形成されている。さらに、
それらの側部10B,10Cには、外方に延出する折曲
部10D,10Eが形成されている。それらの折曲部1
0D,10Eの後端部寄りの位置(図1中の右端側の位
置)には、後述するカバー30を装着するための切り欠
き(凹部)10F,10Gが形成されている。また、折
曲部10D,10Eの後端部には傾斜面10H,10I
が形成されている。
【0012】図1において20は、図示しないシートの
底部が装着されるアッパーレールであり、その中間部2
0Aの左右の側部20B,20Cがコ字状に湾曲し、全
体として断面略C字状に形成されている。これらのレー
ル10、20は、後者の側部20B,20Cが前者の側
部10B,10Cおよび折曲部10D,10Eを囲むよ
うにして、それらの長手方向に沿ってスライド自在に嵌
合されている。
【0013】ロアレール10の側部10B,10C、折
曲部10D,10Eと、アッパーレール20の側部20
B,20Cによって囲まれる空間内にはボール51(図
5参照)が転動自在に介在され、またロアレール10の
底部10Aとアッパーレール20の中間部20Aとの対
向面間にはローラ52(図5参照)が転動自在に介在さ
れており、これらのボール51およびローラ52は、レ
ール10、20の間にて移動自在のリテーナ50によっ
て保持されている。
【0014】アッパーレール20の側部には、ブラケッ
ト3とブラケット4の湾曲部4A、4Bとによって、操
作ロッド5がその軸線を中心として矢印A1、A2方向
に回動自在に支承されている。操作ロッド5の一端部に
はハンドル5Aが折曲成形され、その他端部にはラッチ
プレート6が溶接されている。ラッチプレート6の先端
には図示しない爪部が形成されており、ロアレール10
の側部10Cには、ラッチプレート6の爪部と嵌合可能
な複数のロック孔10Fがロアレール10の長手方向に
沿って等間隔に形成されている。そして、通常は、トー
ションバー7の弾性復元力によって操作ロッド5が矢印
A1方向に回動されており、ラッチプレート6の爪部
は、それと対向するロック孔10Fと嵌合し、両レール
10、20を相対移動不可能としてシートをロックして
いる。そのシートの位置を調整するときには、ハンドル
5Aによって操作ロッド5を矢印A2方向に回動操作し
て、ラッチプレート6の爪部をロック孔10Fから一時
的に離脱させればよい。
【0015】本例のカバー30は、合成樹脂によって射
出成形されており、図1、図2のように矢印B方向から
ロアレール10の後端部にはめ込まれるようになってい
る。また、カバー30自体は、後述するようにアッパー
レール20のスライドを阻害しない形状となっている。
【0016】図3、図4において31は、カバー30の
下側端面カバー部であり、これは、ロアレール10の底
部10Aの端面、側部10B,10Cの略下側半分の端
面、およびこれらの端面によって囲まれるロアレール1
0の後端部側の開口部を覆うように、平面略長方形に形
成されている。この下側端面カバー部31には、左右の
スリット31A、31Bが形成されている。32、33
は左右の上側端面カバー部であり、ロアレール10の側
部10B,10Cの略上側半分の端面、および折曲部1
0D,10Eの端面を覆うように、平面略L字状に形成
されている。32A、33Aは、後述する爪43、44
を形成するための型抜き穴である。
【0017】下側端面カバー部31の裏面には、ロアレ
ール10の底部10Aの内面に接する下側面部34が突
出成形されており、この下側面部34には、スリット3
1A、31Bに連続するスリット34A、34Bが形成
されている。また、下側端面カバー部31と上側端面カ
バー部32、33の裏面には、ロアレール10の側部1
0B,10Cの内面に接する左右の側方面部35、36
が突出成形され、それらの間には、水平方向に延在する
壁部37が形成されている。その壁部37と下側面部3
4との間には、カバー30の幅方向(ロアレール10の
幅方向に相当する)にずれて位置する左右および中央の
計3つのリブ(傾斜面部)38が形成されており、それ
らのリブ38の端面は、カバー30の裏面側から表面側
に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面38Aとなってい
る。
【0018】また、上側端面カバー部32、33の裏面
には、折曲部10D,10Eと嵌合すべく、その上面、
側面、および下面と接する断面コ字状の左右の上側面部
41、42が突出成形されている。これらの上側面部4
1、42の内部には、前述したロアレール10側の切り
欠き10F,10Gと嵌合する爪(凸部)43、44が
形成され、それらの爪43、44におけるカバー30の
裏面側の端部は傾斜面43A、44Aとなっている。
【0019】このように構成されたカバー30は、矢印
B方向からロアレール10の後端部にはめ込まれ、爪4
3、44と切り欠き10F,10Gとの嵌合によってロ
アレール10の後端部に固定される。その際、爪43、
44側の傾斜面43A、44Aとロアレール10側の傾
斜面10H,10Iが当接し、一旦、爪43、44が上
側面部41、42の弾性変形を伴って外側に変位してか
ら、切り欠き10F,10Iと嵌合する。また、スリッ
ト31A,31B,34A,34Bは、キャップ30の
適度な弾性変形を許容する。
【0020】そして、このように装着されたカバー30
は、アッパーレール20が前方(図5中の左方)に移動
してロアレール10の後端部が大きく露出した場合に、
その後端部の見栄えを良くして、外観上の問題を解消す
ることになる。
【0021】いま、ロアレール10の内部に異物が入り
込んだまま、アッパーレール20が後方にスライドした
場合を想定する。この場合、その異物は、その形状や大
きさに応じて、アッパーレール20の後端部とカバー3
0との間、リテーナ50とカバー30との間、またはロ
ーラ52とカバー30との間に位置することになる。
【0022】図5の場合は、2点鎖線のようにロアレー
ル10内に入り込んだ異物Wがリテーナ50とカバー3
0との間に位置した場合の例である。その異物Wは、ア
ッパーレール20の後方へのスライドに伴いリテーナ5
0によって後方に押され、その後端部がカバー30のリ
ブ38の傾斜面38Aに沿って上方に移動する。この結
果、図5のように異物Wがカバー30の壁部37の上を
通ってロアレール10の外に押し出されて排除されるこ
とになり、異物Wの挟み込みが発生せず、アッパーレー
ル20を後方にスライド調整できなくなるという事態が
回避されることになる。また、ロアレール10の端部の
略下側半分を覆う下側端面カバー部31の上端と傾斜面
38Aの上端とが略同一高さに位置しているため、異物
Wをスムーズに排除することができ、その排除性におい
てきわめて有利となる。
【0023】(第2の実施形態)図6は、本発明の第2
の実施形態を説明するための分解斜視図であり、本例の
場合は、ロアレール10にカバー30を装着するため
に、ロアレール10の側部10B,10Cに係止用穴
(凹部)10J,10Kを設け、カバー30の側方面部
35、36に突部(凸部)45、46を形成した。突部
45、46は、円柱状の頭部に傾斜面45A、46Aが
形成された形態とされている。そして、カバー30を矢
印B方向からロアレール10の後端部にはめ込むことに
より、一旦、突部45、46が側方面部35、36の弾
性変形を伴って内側に変位してから、それが係止用穴1
0J,10Kに嵌合する。その他の構成は、前述した第
1の実施形態と同様である。
【0024】(第3の実施形態)図7および図8は、本
発明の第3の実施形態を説明するための図であり、本例
の場合は、下側面部34と壁部37との間に、カバー3
0の裏面側から表面側に向かって斜め上方に傾斜する傾
斜壁39が形成されている。31Aは、その傾斜壁39
を形成するための型抜き穴である。
【0025】したがって、本例においては、傾斜壁39
の表面が前述した実施形態の傾斜面38Aと同様に機能
して、異物Wを排除することになる。
【0026】(第4の実施形態)図9および図10は、
本発明の第4の実施形態を説明するための図であり、本
例の場合は、前述した第3の実施形態における傾斜壁3
9が湾曲形状とされている。その他の構成は、前述した
第3の実施形態と同様である。
【0027】(その他)ロアレール10のとカバー30
との結合構造は、何ら上述した実施形態のみに特定され
ず任意であり、例えば、カバー30側に切り起こした片
部をロアレール10側の孔部に係合させる結合構造など
を採用することもできる。また、傾斜面部としてのリブ
38や傾斜壁39の上端の位置は、異物をスムーズに排
除する上においては、カバー30の本来の機能を損なわ
ない限り低い位置に設定することが好ましい。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシートス
ライド装置は、ロアレールの端部に装着したカバーに、
ロアレールの端部内方からロアレールの端部外方に向か
って斜め上方に傾斜する傾斜面部を形成したことによ
り、その傾斜面部の傾斜を利用して、ロアレールの内部
に入り込んだ異物を挟み込むことなく排除することがで
き、アッパーレールが移動調整できなくなるという事態
を未然に回避することができる。
【0029】また、ロアレールの端部の略下側半分を覆
う下側端面カバー部の上端と略同一の高さとなるよう
に、傾斜面部の上端の位置を設定することにより、異物
の排除性を向上させることができる。
【0030】また、カバーを樹脂材料によって成形した
上、ロアレールとカバーとを凹部と凸部との嵌合によっ
て結合させることにより、カバーの弾性を利用して、そ
れをロアレールに対して簡易にかつ確実に装着すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を説明するための分解
斜視図である。
【図2】図1におけるカバー装着部分の拡大斜視図であ
る。
【図3】図2のカバーのIII 矢視図である。
【図4】図2のカバーのIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態における異物の排除機
能を説明するための要部の側面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態におけるカバー装着部
分の斜視図である。
【図7】本発明の第3の実施形態におけるカバーの斜視
図である。
【図8】図7のカバーのVIII−VIII線に沿う断面図であ
る。
【図9】本発明の第4の実施形態におけるカバーの斜視
図である。
【図10】図9のカバーのX−X線に沿う断面図であ
る。
【図11】従来例のシートスライド装置の使用状況を説
明するための側面図である。
【符号の説明】
10 ロアレール 10F,10G 切り欠き(凹部) 10J,10K 係止用穴(凹部) 20 アッパーレール 30 カバー 31 下側端面カバー部 38 リブ(傾斜面部) 39 傾斜壁(傾斜面部) 43、44 爪(凸部) 45、46 突部(凸部) 50 リテーナ W 異物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 角田 茂雄 神奈川県横浜市磯子区丸山一丁目14番7 号 株式会社大井製作所内 (72)発明者 沢田 保 神奈川県平塚市天沼10番1号 日産車体 株式会社内 (72)発明者 増井 登志夫 神奈川県綾瀬市小園771番地 池田物産 株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−2109(JP,A) 実開 昭49−106022(JP,U) 実開 平2−132528(JP,U) 実開 平4−123825(JP,U) 実開 平2−74226(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60N 2/06 B60N 2/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 床面に設置されかつ底部と左右の側部に
    よって断面略U字状に形成されたロアレールと、シート
    が取り付けられかつ前記ロアレールに移動自在にガイド
    されるアッパーレールとを備えたシートスライド装置に
    おいて、 前記ロアレールの端部にカバーを装着し、 前記カバーに、前記ロアレールの端部内方から前記ロア
    レールの端部外方に向かって斜め上方に傾斜する傾斜面
    部を形成したことを特徴とするシートスライド装置。
  2. 【請求項2】 前記傾斜面部は、前記ロアレールの幅方
    向において複数に分割されて形成されていることを特徴
    とする請求項1に記載のシートスライド装置。
  3. 【請求項3】 前記傾斜面部は湾曲していることを特徴
    とする請求項1または2に記載のシートスライド装置。
  4. 【請求項4】 前記傾斜面部の上端は、前記ロアレール
    の端部の略下側半分を覆う下側端面カバー部の上端と略
    同一の高さに位置することを特徴とする請求項1から3
    のいずれかに記載のシートスライド装置。
  5. 【請求項5】 前記カバーは樹脂材料により成形され、 前記ロアレールと前記カバーとの装着部の一方に凹部を
    形成し、 前記装着部の他方に前記凹部と嵌合する凸部を形成した
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のシ
    ートスライド装置。
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