JP3355119B2 - シート後処理装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コピー、ファック
スおよびプリンタ等の機能を有する画像形成装置が組み
込まれた画像形成システム、特に、交換部品を用いる機
能装置を有する画像形成システムの交換部品の交換機構
を用いたシート後処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】近年の複写機は、複写作業の自動化や、
複写後のシートに対するステープル作業、或いはパンチ
ング作業等の後処理作業の自動化を実現するため、自動
原稿送り装置や、シート後処理装置と組み合わされて、
画像形成システムとして使用されるようになっている。
上記シート後処理装置は、原稿画像が複写されて複写機
から排出されてくるシートに対し、所定枚数のシートに
よって構成される一部のシート毎にステープル、或いは
パンチング等の後処理を行うものである。

【０００３】ところで、このようなシート後処理装置に
おいて、ステープル針は消耗品であり、該ステープル針
が無くなると補給を行う必要がある。ステープル針の補
給は、通常はステープル針の充填されたカートリッジを
交換することによって行われる。

【０００４】ところが、このようなカートリッジを交換
する場合、後処理手段であるステープラー等がシート後
処理装置の奥側にあると、カートリッジの交換作業時に
おける視認性が悪く、作業に手間がかかるといった問題
点がある。

【０００５】このような問題を解決するための従来のシ
ート後処理装置としては、例えば、特開平９−４８５５
６号公報に開示されたものがある。

【０００６】上記公報におけるシート後処理装置では、
後処理手段を台部のガイド部材に沿って移動させること
により、該後処理手段をシート後処理装置の本体内部よ
り引き出し位置まで引き出すことができ、さらに、該引
き出し位置において該後処理手段を所定位置まで回動さ
せることができる。

【０００７】これにより、上記後処理手段のカートリッ
ジ交換時における視認性を良好にすることができ、カー
トリッジ交換が行ないやすくなる。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、カートリッジの交換時には、上記後処理手段
が所定位置まで移動させられるため、カートリッジの交
換作業は行い易くなるが、実際の交換作業として、ユー
ザー自身が上記後処理手段からカートリッジを引き抜か
なければならない。また、上記シート後処理装置におい
て使用される後処理手段によっては、カートリッジの交
換時に、後処理手段に設けられたレバー等を操作するこ
とによって、カートリッジの排出を行えるものもある
が、このような後処理手段においても、ユーザー自身が
該レバー等の操作を行わなければならない。

【０００９】このため、カートリッジ交換時における作
業手順が多くなり、カートリッジ交換に手間がかかると
いう問題が生じる。

【００１０】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、ステープル針等のカート
リッジ交換時等において、ステープラー等の機能装置を
作用姿勢に移動させる動作と、使用済みのカートリッジ
等の交換部品を該機能装置から排出させる動作とを１ア
クションで行うことにより、交換作業をより簡易化でき
る画像形成システムにおける交換部品の交換機構を提供
することにある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

【００１２】

【００１３】

【００１４】請求項１のシート後処理装置は、画像形成
装置から排出されるシートを、後処理トレイにスタック
し、スタックされたシートに対して後処理手段による後
処理を行って排出すると共に、上記後処理を所定回数行
った後には上記後処理手段における交換部品の交換が必
要となるものであり、上記の課題を解決するために、上
記後処理手段は、上記交換部品の交換時には、後処理時
における姿勢である作用姿勢から交換姿勢に切り替えら
れ、上記シート後処理装置には、上記後処理手段の交換
部品の排出動作を、上記後処理手段の姿勢の切り替え動
作と連動させる連動手段が設けられていることを特徴と
している。

【００１５】上記の構成によれば、上記シート後処理装
置における後処理手段は、交換部品の交換時には、後処
理時における姿勢である作用姿勢から、交換が容易とな
る交換姿勢に切り替えられる。

【００１６】このとき、上記連動手段により、上記後処
理手段の切り替え動作と、後処理手段の交換部品の排出
動作とが連動されるため、ユーザーは後処理手段の切り
替え動作を行うのみで、同時に交換部品の排出が行われ
るので、上記２つの動作を１アクションで行うことがで
き、交換部品の交換作業が簡易化できる。

【００１７】請求項２のシート後処理装置は、請求項１
の構成に加えて、上記後処理手段は、支持部材に回動可
能に取り付けられており、回動動作によって上記後処理
手段が作用姿勢から交換姿勢に姿勢が切り替えられると
共に、上記連動手段は、上記後処理手段に設けられ、上
記交換部品の排出時に回動操作されることによって、上
記後処理手段から上記交換部品を排出させる回動レバー
と、上記支持部材に設けられ、上記後処理手段の回動時
に上記回動レバーと当接し、上記後処理手段が作用姿勢
から交換姿勢に切り替えられる時には、上記回動レバー
に力を作用させて、上記回動レバーを交換部品を排出さ
せる方向へ回動させると共に、上記後処理手段が交換姿
勢から作用姿勢に切り替えられる時には、回動レバーに
対して力を作用させず、上記後処理手段の回動の妨げと
ならないレバー解除部材とを含んでいることを特徴とし
ている。

【００１８】上記の構成によれば、上記後処理手段は、
支持部材に回動可能に取り付けられており、回動動作に
よって上記後処理手段が作用姿勢から交換姿勢に姿勢が
切り替えられる。さらに、上記後処理手段には、上記交
換部品の排出時に回動操作されることによって、上記後
処理手段から上記交換部品を排出させる回動レバーが設
けられている。

【００１９】また、上記支持部材には、上記後処理手段
の回動時に上記回動レバーと当接するレバー解除部材が
設けられており、上記レバー解除部材は、上記後処理手
段が作用姿勢から交換姿勢に切り替えられる時には、上
記回動レバーに力を作用させて、上記回動レバーを交換
部品を排出させる方向へ回動させると共に、上記後処理
手段が交換姿勢から作用姿勢に切り替えられる時には、
回動レバーに対して力を作用させず、上記後処理手段の
回動の妨げとなることはない。

【００２０】この結果、簡単な構成からなる具体的な連
動手段の構造を提供することができる。

【００２１】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
１ないし図１４に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。尚、本実施の形態において、特許請求の範囲に記載
の画像形成システムは、複写機およびシート後処理装置
から構成されるものであり、機能装置にはシート後処理
装置内のステープラーが対応する。

【００２２】本実施の形態におけるシート後処理装置１
は、図２に示すように、例えばディジタル複写機やディ
ジタルカラー複写機、その他の一般的な複写機等を含む
画像形成装置としての複写機２のシート排紙口３側に設
置され、この複写機２から排出された用紙やＯＨＰシー
ト等のシートにステープル処理等の後処理や、シートの
仕分け処理を行なうものである。

【００２３】尚、上記シート後処理装置１がシートに対
して行なう後処理としては、上述のようなステープル処
理の他に、パンチング処理や、糊付け処理等が考えられ
るが、本実施の形態においては、後処理としてステープ
ル処理が行なわれる場合を例示する。

【００２４】また、上記シート後処理装置１は、複写機
２及びシート後処理装置１のジャム処理やステープル針
交換時には、複写機２から紙排出方向へ離接可能な構造
となっている。上記シート後処理装置１を複写機２に接
続する場合には、シート後処理装置１側に装着した傾斜
レールが複写機２側のガイド部材に乗り、複写機２のシ
ート排紙口３と、シート後処理装置１のシート入紙口４
との高さを精度良く揃えることが可能となっている。

【００２５】また、上記シート後処理装置１は、例え
ば、ステープル処理された多量のコピーの排出先とし
て、昇降動作及びオフセット仕分け動作が可能なオフセ
ットトレイ１１を有している。

【００２６】上記オフセットトレイ１１は、昇降用モー
タ５１の駆動力が、ギヤ等で構成される駆動力伝達系５
２と駆動用ワイヤ５３とによって伝達されることで、昇
降動作を行う。

【００２７】さらに、上記オフセットトレイ１１は、下
部のオフセットトレイ補強板１１ａと上部のオフセット
トレイ板１１ｂの二重構造になっており、上記オフセッ
トトレイ板１１ｂは、オフセットモータ５４の駆動力に
より、オフセットトレイ補強板１１ａに対してシートの
搬送方向に対して垂直となる方向に水平移動させること
ができる。これにより、複数部数のシート又はシート束
を排出し、これらシート等をオフセット仕分けする場合
には、該シート等が１部排出される度に、上記オフセッ
トトレイ板１１ｂを左右に交互に移動させることによ
り、上記オフセットトレイ１１上には、排出されたシー
ト等が左右に交互にずれた状態で蓄積される。従って、
特に、上記シート束にステープル処理がされない場合
に、シート束の仕分けが極めて容易となる。

【００２８】また、上記シート後処理装置１は、オフセ
ットトレイ１１の他に上固定トレイ１２及び下固定トレ
イ１３の２つの固定トレイを有している。即ち、本実施
の形態で用いられている複写機２は、コピーモードの他
に、ファックスモード及びプリンタモードの動作モード
を有しており、例えば、上記上固定トレイ１２がファッ
クスモード時の排出先トレイとして設定され、下固定ト
レイ１３がプリンタモード時の排出先トレイとして設定
されている。

【００２９】シート後処理装置１は、その内部に、排出
されるシートの用紙サイズ、ステープル処理の有無、反
転排出の要否、及び排出先トレイ等に応じて、種々の組
み合わせを可能とする複数のパスを有しており、これら
複数のパスの中から所望のパスを組み合わせて１つの搬
送経路を形成し、シートに必要な処理を施して排出する
ものとなっている。

【００３０】上記の複数のパスは、具体的には、ダイレ
クトパス２１、迂回パス２２、反転パス２３、連絡パス
２４、上固定トレイ排出パス２５、下固定トレイ排出パ
ス２６、オフセットトレイ排出パス２７、及び下ステー
プルトレイ１５から構成される。

【００３１】ダイレクトパス２１は、シート入紙口４か
ら下方向に延びており、反転ローラ４２を通して、後述
するように、垂直に延びる上ステープルトレイ１４と下
ステープルトレイ１５との間に設けられる隙間部分へ繋
がっている。このため、複写機２から排出されたシート
は、ダイレクトパス２１及び反転ローラ４２を通って、
下ステープルトレイ１５へ搬送される。

【００３２】上記迂回パス２２は、シート入紙口４から
上方向に延びており、上記上ステープルトレイ１４の上
端部を湾曲して迂回し、迂回後はシート後処理装置１の
トレイ側の側面付近を下方向に延びて、さらにオフセッ
トトレイ１１の上部側手前で再び湾曲し、下ステープル
トレイ１５の下端部に繋がっている。また、上記迂回パ
ス２２は、シート入紙口４から下ステープルトレイ１５
の下端部に繋がるまでの全区間で、迂回パス２２ａ〜２
２ｃの３つの部分に分割されている。そして、迂回パス
２２ａと迂回パス２２ｂとの接続部より、上固定トレイ
１２にシートを排出する場合のパスとなる上固定トレイ
排出パス２５が枝分かれされる一方、迂回パス２２ｂと
迂回パス２２ｃとの接続部より、下固定トレイ１３にシ
ートを排出する場合のパスとなる下固定トレイ排出パス
２６が枝分かれされている。

【００３３】上記反転パス２３は、上記のダイレクトパ
ス２１の下端の反転ローラ４２近傍において、上ステー
プルトレイ１４及び下ステープルトレイ１５の間の隙間
部分との接続部付近から、複写機２側にほぼ鉛直方向に
延びている。即ち、上記ダイレクトパス２１を搬送され
てきたシートは、前記下ステープルトレイ１５へ搬送さ
れる場合以外に、反転パス２３側へ搬送される場合があ
る。そして、上記反転パス２３に導入されたシートは、
その後、反転ローラ４２の反転により連絡パス２４から
迂回パス２２へ送出される。従って、上記反転パス２３
及び連絡パス２４は、迂回パス２２に対してシートを一
旦スイッチバックさせて送り込む場合に使用されるパス
となっている。

【００３４】上記オフセットトレイ排出パス２７は、下
ステープルトレイ１５の下端部から上記迂回パス２２の
さらに下側を通って延びており、下ステープルトレイ１
５の下端部より送り出されるシートは該オフセットトレ
イ排出パス２７からオフセットトレイ１１上へ排出され
る。

【００３５】尚、上記の各搬送パスの切替えは、各パス
の分岐部分に設けられるゲートと、搬送ローラの回転方
向を切り替えることによって行なわれるが、これらの切
替え動作について、後に詳細に説明する。

【００３６】上記下ステープルトレイ１５は、ステープ
ル処理が施されるシート束を一旦スタックするために垂
直に延びる後処理トレイとしてのステープルトレイの一
部分であり、本実施の形態では、この下ステープルトレ
イ１５を搬送経路の一部を構成するパスとして利用して
いる。

【００３７】即ち、本実施の形態では、ステープルトレ
イは、シート後処理装置１の上部付近において、上ステ
ープルトレイ１４と下ステープルトレイ１５とに分離さ
れた状態で、ほぼ垂直に配置されている。そして、上記
上ステープルトレイ１４と下ステープルトレイ１５との
間には隙間が設けられているので、上述したように、こ
の隙間を通して、前記ダイレクトパス２１から下ステー
プルトレイ１５にシートを搬入することが可能となって
いる。

【００３８】上記シート後処理装置１において、シート
に対してステープル処理を行う場合には、該シートはス
テープルトレイ上にスタックされる。シートがステープ
ルトレイ上にスタックされる場合、該シートの下端がシ
ート支持台５５上に載置される状態となり、該シート支
持台５５によりシートの下端が整合される。但し、ステ
ープルトレイ上に搬送されてきた上記シートが静電気等
により上記シート支持台５５上で十分に整合しない場合
もあり、これを防止するため、シートが１枚搬送されて
くる毎に、パドラー５６の回転（図２において反時計回
り方向）によって該シートに下方向への搬送力が与えら
れ、確実に整合させられる。上記パドラー５６は、例え
ば、ゴム等の弾性材料によって形成された可撓性の羽根
部によって、上記シートに搬送力を与えている。尚、上
記パドラー５６は、ステープルトレイ上にシートが１枚
搬送されてくる度に１回転するものとする。

【００３９】また、上記シート支持台５５上に載置され
るシート束の側端は、整合板５７によって、該シート束
の側面から保持されることにより整合させられる。さら
に、上記ステープルトレイは、上述したように上下方向
に延設されていると共に、上ステープルトレイ１４の領
域においては、スタックされるシートの片面側しか支持
していないため、該シートがステープルトレイと反対側
に倒れ込む虞がある。

【００４０】これを防止するために、スタックされるシ
ートの少なくとも上端部付近にペーパーガイド部５８を
配置し、ステープルトレイとペーパーガイド部５８とに
よって、シートを挟み込むように保持する。上記ペーパ
ーガイド部５８は、例えば、２枚の連接板５８ａ・５８
ｂによって構成されており、ジャム処理時等には、手動
により待避位置に移動させることが可能である。

【００４１】上記ステープルトレイの下方には後処理手
段としてのステープラー５９が配置されている。上記シ
ート支持台５５上に所定枚数のシートがスタックされる
と、該シート支持台５５がシート束を保持した状態で、
上記ステープラー５９のステープル処理位置まで下降す
る。上記ステープラー５９によりステープル処理された
シート束は、シート支持台５５がシート束を保持した状
態で上昇することにより、再びステープルトレイの位置
まで戻される。そして、上記シート束は、シート支持台
５５の下降によって、オフセットトレイ排出パス２７を
通ってオフセットトレイ１１へ排出される。

【００４２】上記構成によるシート後処理装置１では、
複写機２の動作モードや、搬入されるシートのシートサ
イズ等に応じて、ゲートや搬送ローラの動作が制御さ
れ、搬送経路が切り替えられる。以下に、複写機２の各
動作モードにおけるシート後処理装置１の動作を説明す
る。

【００４３】（コピーモード動作）複写機２のコピーモ
ード時に、複写機２から排出される所定枚数のシート束
毎にステープル処理を行なう場合、該シートのサイズが
レターサイズ（Ａ４横）よりも大きいか、或いはレター
サイズ以下かによって、シート後処理装置１内での搬送
経路が異なる。

【００４４】先ず、シートサイズがレターサイズ以下の
場合を説明する。尚、この場合の搬送経路は、図３にお
いて、ダイレクトパス２１→ステープルトレイ（下ステ
ープルトレイ１５のみ）→オフセットトレイ排出パス２
７→オフセットトレイ１１の順序となる。

【００４５】図２に示すように、複写機２のシート排紙
口３から排出されてきたシートは、シート後処理装置１
のシート入紙口４を通して入紙され、入紙ローラ４１に
よって該シート後処理装置１内部のダイレクトパス２１
へ搬入される。その後、反転ローラ４２によってダイレ
クトパス２１から下ステープルトレイ１５へと搬送され
る。尚、上記反転ローラ４２は、回転方向を順逆自在に
切替可能なローラであって、該反転ローラ４２が順回転
することにより、シートはダイレクトパス２１から下ス
テープルトレイ１５へ、或いは反転パス２３へと送り込
まれる。また、上記反転ローラ４２が逆回転する時に
は、シートはダイレクトパス２１から連絡パス２４を介
して迂回パス２２へと送り込まれる。

【００４６】ここで、上記入紙ローラ４１と反転ローラ
４２との付近においては、該入紙ローラ４１の下流側直
後に、入紙されたシートの搬送パスをダイレクトパス２
１及び迂回パス２２の何方かに切り替える入紙ゲート３
１が設けられており、反転ローラ４２の上流側には、該
反転ローラ４２の順回転時と逆回転時とで切り替えられ
る反転ゲート３２が設けられている。さらに、上記反転
ローラ４２の下流側直後には、該反転ローラ４２の順回
転時にシートの搬送パスを下ステープルトレイ１５及び
反転パス２３の何方かに切り替える切替ゲート３３が設
けられている。

【００４７】即ち、複写機２のコピーモード時に、レタ
ーサイズ以下のシートに対してステープル処理を行なう
場合、入紙ゲート３１、反転ゲート３２及び切替ゲート
３３は、図４（ａ）に示すような位置に切り替えられて
いる。

【００４８】ダイレクトパス２１を搬送されたシート
は、切替ゲート３３の誘導によって、上ステープルトレ
イ１４と下ステープルトレイ１５との間の隙間を通っ
て、図５（ａ）に示すように、下ステープルトレイ１５
の上端部から下ステープルトレイ１５上へスタックされ
る。このとき、上記シートのサイズがレターサイズより
小さいので、該シートは下ステープルトレイ１５からは
み出すことはない。

【００４９】こうして、シート支持台５５上に所定枚数
のシートからなるシート束がスタックされると、図５
（ｂ）に示すように、該シート支持台５５が下降して、
該シート束がステープラー５９まで移動され、ステープ
ル処理が行なわれる。尚、この時、上記下ステープルト
レイ１５の下流側に設けられ、かつシート束の搬送先を
オフセットトレイ１１及びステープラー５９の何方に切
り替える切替ゲート３４は、上記シート束がステープラ
ー５９に送られる位置に切り替えられている。

【００５０】上記ステープラー５９によりステープル処
理が終了すると、シート支持台５５が上昇し、図５
（ｃ）に示すように、上記シート束は切替ゲート３４よ
りも高い位置まで戻され、その後、切替ゲート３４がオ
フセットトレイ１１への排出位置に切り替わる。この状
態で、図５（ｄ）に示すように、上記シート支持台５５
を下降させると共に、上記切替ゲート３４の上流側の搬
送ローラ４３にてシート束を押圧しながら回転させるこ
とにより、上記シート束がオフセットトレイ排出パス２
７へ送出される。そして、上記シート束は、さらに出紙
ローラ４４によりオフセットトレイ排出パス２７を通っ
てオフセットトレイ１１へ排出される。

【００５１】尚、上記搬送ローラ４３は、駆動ローラ４
３ａと、２つの従動ローラ４３ｂ・４３ｃとから構成さ
れており、上記シート束をオフセットトレイ排出パス２
７へ送出する場合には、駆動ローラ４３ａと従動ローラ
４３ｂとが使用される。一方、従動ローラ４３ｃは、迂
回パス２２を搬送されてきたシートをステープルトレイ
に送り込む場合に、駆動ローラ４３ａと同時に使用され
る。また、上記従動ローラ４３ｂは、駆動ローラ４３ａ
に対して離接可能であり、シート束をステープラー５９
へ移動する時には、該従動ローラ４３ｂが待避位置に移
動しており、該シート束の移動を妨げることはない。

【００５２】次に、シートサイズがレターサイズよりも
大きい場合を説明する。尚、この場合の搬送経路は、図
３において、ダイレクトパス２１→反転パス２３→連絡
パス２４→迂回パス２２→ステープルトレイ（上ステー
プルトレイ１４及び下ステープルトレイ１５）→オフセ
ットトレイ排出パス２７→オフセットトレイ１１の順序
となる。

【００５３】図２に示すように、複写機２より入紙され
るシートは、先ず、ダイレクトパス２１から反転パス２
３へ送り込まれる。この時の入紙ゲート３１、反転ゲー
ト３２及び切替ゲート３３は、図４（ｂ）に示す位置に
切り替えられている。

【００５４】こうして、上記シートが反転パス２３へ送
り込まれ、該シートの後端が、反転ゲート３２を超える
と、該反転ゲート３２が、図４（ｃ）に示すように、シ
ートを反転パス２３から迂回パス２２へ送り込む位置に
切り替えられ、同時に反転ローラ４２の回転方向が逆方
向に切り替えられる。これにより、複写機２より入紙さ
れてきたシートは、上記反転パス２３によって一旦スイ
ッチバックされた後、連絡パス２４を介して迂回パス２
２へ送り込まれる。

【００５５】尚、本実施の形態において、シートの後端
とは、該シートが複写機２より排紙される時点での後端
部をシートの後端であると定義し、同様に、該シートが
複写機２より排紙される時点での先端部をシートの先端
であると定義する。つまり、上記反転パス２３でスイッ
チバックされたシートは、該シートの後端を前にした状
態で迂回パス２２を搬送されることとなる。

【００５６】また、シートを迂回パス２２へ送り込む前
に、反転パス２３にてスイッチバックを行うのは以下の
理由による。即ち、複写機２がコピーモードの場合、該
複写機２からは、シートが最終ページから排出されてく
る。従って、シートにステープル処理を施す場合、ステ
ープルトレイ上にスタックされるシートは、フェイスア
ップ、つまり後から送られてくるシートの画像形成面が
常に表を向く状態でスタックされなければならない。し
かしながら、本実施の形態のシート後処理装置１では、
複写機２より排出されてくるシートを、直接迂回パス２
２を通してステープルトレイにスタックさせると、フェ
イスダウンでスタックされてしまう。このため、上記シ
ート後処理装置１では、シートを迂回パス２２へ送り込
む前に、反転パス２３にて一旦スイッチバックを行い、
ステープルトレイ上にシートがフェイスアップでスタッ
クされるようにしている。

【００５７】迂回パス２２へ搬送されたシートは、該迂
回パス２２の全周を通って、下ステープルトレイ１５の
下端部から、搬送ローラ４３によってステープルトレイ
へ送り込まれる。尚、ここで、搬送ローラ４３は、駆動
ローラ４３ａと従動ローラ４３ｃとが用いられる。この
とき、上記シートのサイズがレターサイズよりも大きい
ので、該シートは上ステープルトレイ１４及び下ステー
プルトレイ１５の両方に渡って支持された状態でスタッ
クされる。

【００５８】即ち、シートサイズがレターサイズを超え
る場合には、ダイレクトパス２１を用いて該シートをス
テープルトレイに送り込むと、シートサイズが大きすぎ
るために、該シートが下ステープルトレイ１５に収まり
きらず、ダイレクトパス２１内で搬送ジャムを引き起こ
す。このため、この場合は迂回パス２２を利用してシー
トがステープルトレイへ送り込まれる。

【００５９】ステープルトレイにスタックされた後のシ
ートの処理に関しては、シートサイズがレターサイズ以
下の場合と同様であるので、説明を省略する。

【００６０】また、ステープル処理を行なわない場合の
コピーモード時においては、シートのサイズに関わら
ず、この場合の搬送経路は、図３において、ダイレクト
パス２１→ステープルトレイ（下ステープルトレイ１５
のみ）→オフセットトレイ排出パス２７→オフセットト
レイ１１の順序となる。

【００６１】即ち、この場合、複写機２から搬入されて
くるシートは、下ステープルトレイ１５上でスタックさ
れる必要は無く、シートは１枚毎にオフセットトレイ１
１上に排出される。従って、この時、シート支持台５５
は下降状態で維持され、かつ、切替ゲート３４もオフセ
ットトレイ１１への排出位置に維持されている。

【００６２】（ファックスモード及びプリンタモード動
作）既に説明したように、複写機２から排出されるシー
トは、ファックスモード時には上固定トレイ１２に排出
され、プリンタモード時には下固定トレイ１３に排出さ
れる。但し、コピーモードでは最終ページから通常フェ
イスアップで排出されるが、ファックスモード及びプリ
ンタモードでは先頭ページから排出される。

【００６３】このため、コピーモードと同様にフェイス
アップで排出すると排出後のページ順序が逆になってし
まうので、ファックスモード及びプリンタモードではト
レイへの排出の前に、一度シートをスイッチバックさせ
てフェイスダウンで排出させる。

【００６４】即ち、ファックスモード時の搬送経路は、
図３において、ダイレクトパス２１→反転パス２３→連
絡パス２４→迂回パス２２ａ→上固定トレイ排出パス２
５→上固定トレイ１２の順序となる。一方、プリンタモ
ード時の搬送経路は、図３において、ダイレクトパス２
１→反転パス２３→連絡パス２４→迂回パス２２ａ→迂
回パス２２ｂ→下固定トレイ排出パス２６→下固定トレ
イ１３の順序となる。

【００６５】このように、ファックスモード及びプリン
タモードでは、複写機２から入紙されるシートは、一
旦、反転パス２３へ送られ、ここでスイッチバックされ
た後、迂回パス２２へ送られる。この時のシート後処理
装置１の動作は、レターサイズ以上のシートをステープ
ル処理する場合のコピーモード動作と同じである。

【００６６】こうして、迂回パス２２へ送り込まれたシ
ートは、図２に示すように、該迂回パス２２の途中から
上固定トレイ１２又は下固定トレイ１３に排出される。
即ち、ファックスモード時には、出紙ゲート３５が切り
替わることによって、迂回パス２２を搬送されているシ
ートが上固定トレイ排出パス２５を通って、出紙ローラ
４５によって上固定トレイ１２へ排出され、プリンタモ
ード時には、出紙ゲート３６が切り替わることによっ
て、下固定トレイ排出パス２６を通って、出紙ローラ４
６によって下固定トレイ１３へ排出される。

【００６７】尚、複写機２が大容量のメモリを有してい
て、送られてくる画像データを該メモリに全て保管して
から、最終ページからプリントして排出することが可能
である場合には、シートをスイッチバックさせる必要が
ないので、複写機２より入紙されるシートを、反転パス
２３を利用することなく、シート入紙口４から直接迂回
パス２２へ送り込んで、上固定トレイ１２又は下固定ト
レイ１３に排出すればよい。この場合、入紙ゲート３１
は、図４（ｄ）に示す位置に切り替えられている。

【００６８】また、ファックスモード又はプリンタモー
ド時において、ステープル処理を行う場合においても、
複写機２がメモリを有しているか否かによって、シート
後処理装置１の搬送経路は異なる。

【００６９】複写機２がメモリを有していれば、シート
はコピーモード時と同様に最終ページからプリントして
排出されるので、シート後処理装置１の搬送経路もコピ
ーモード時と同じとなる。即ち、シートがレターサイズ
以下であれば、ダイレクトパス２１→ステープルトレイ
（下ステープルトレイ１５のみ）→オフセットトレイ排
出パス２７→オフセットトレイ１１の順序の搬送経路と
なり、シートがレターサイズ以上であればダイレクトパ
ス２１→反転パス２３→連絡パス２４→迂回パス２２→
ステープルトレイ（上ステープルトレイ１４及び下ステ
ープルトレイ１５）→オフセットトレイ排出パス２７→
オフセットトレイ１１の順序の搬送経路となる。また、
各ローラやゲートの切替動作もコピーモード時と同じと
なる。

【００７０】一方、複写機２がメモリを有していなけれ
ば、シートは先頭ページからプリントして排出される。
従って、ステープルトレイ上にスタックされるシート
は、フェイスダウンでスタックされなければならない。
このとき、ダイレクトパス２１を用いて、シートを直接
下ステープルトレイ１５へ送り込むと、シートをフェイ
スダウンでスタックさせることができないため、この場
合は、シートのサイズに関わらず、迂回パス２２を用い
て、シートをステープルトレイに搬送することになる。

【００７１】即ち、この場合の搬送経路は、図３におい
て、迂回パス２２→ステープルトレイ（下ステープルト
レイ１５のみ、または上ステープルトレイ１４および下
ステープルトレイ１５）→オフセットトレイ排出パス２
７→オフセットトレイ１１の順序となる。

【００７２】尚、上記複写機２がメモリを有していて
も、メモリに記憶される画像データが、該メモリの記憶
容量を超えてしまう場合もあり、このような場合は、複
写機２は先頭ページからシート排出を行うため、シート
後処理装置１は、複写機２がメモリを有しない場合も同
様の動作を行う。

【００７３】以上が、本実施の形態のシート後処理装置
１における複写機２の動作モードに応じた搬送経路であ
る。

【００７４】ここで、本実施の形態のシート後処理装置
１においては、さらに、以下の特徴ある構成を備えてい
る。

【００７５】即ち、本実施の形態に係るシート後処理装
置１は、ステープラー５９において、ステープル針の交
換を容易に行うことのできる構成を有する。

【００７６】先ず、上記シート後処理装置１において用
いられるステープラー５９の、ステープル針の交換機構
の例を図６ないし図１０を用いて説明する。ここで、図
６は上記ステープラー５９におけるステープル針の交換
機構の正面図、図７は上記ステープラー５９に挿入され
るステープル針のカートリッジの側面図、図８は上記図
６におけるＡ−Ａ断面図、図９は上記図６におけるＢ−
Ｂ断面図、図１０は上記図６におけるステープル針の交
換機構の側面図である。

【００７７】上記ステープラー５９には、多数のステー
プル針を収容する交換部品としてのカートリッジ７０の
収容部８０が設けられている。上記カートリッジ７０の
側面には、図７に示すように、溝７１と係合穴７２とが
設けられている。上記溝７１は、少なくとも、カートリ
ッジ７０の挿入方向に対して傾きをもつ傾斜部７１ａを
有する。

【００７８】上記収容部８０の内部には、カートリッジ
７０の装着時に、装着される該カートリッジ７０の先端
と当接するように、押出板８１がバネ８２によってカー
トリッジ７０を離脱させる方向に弾性付勢可能に配置さ
れている。また、上記収容部８０の外側側面において
は、カートリッジ交換用レバー８３（回転レバー）が一
体的に設けられた解除軸８４が、ステープラー５９の側
壁５９ａと収容部８０の側面８０ａとに回転自在に支持
されている。

【００７９】上記解除軸８４の、ステープラー５９の側
壁５９ａと収容部８０の側面８０ａとの間の位置には、
解除カム８５が設けられている。上記解除カム８５の収
容部８０側にはピン８５ａが設けられており、該ピン８
５ａは収容部８０に設けられた開口部８０ｂから収容部
８０の内部に突出している。また、上記解除カム８５の
上記ピン８５ａと反対側の面には、平面８５ｂ、螺旋上
の傾斜面８５ｃおよび平面８５ｂとは一段位置の異なる
平面８５ｄが設けられている。

【００８０】上記解除カム８５に隣接して、ロック部材
８６が、ステープラー５９の側壁５９ａに支持されて、
図６における左右方向に摺動自在に配置されている。上
記ロック部材８６は、バネ８７により、収容部８０の内
部に向かって付勢されており、また、反対側の端部をス
トッパ８８で規制されて、それ以上の左側に移動しない
ようになっている。上記ロック部材８６の収容部８０側
には、収容部８０の側壁８０ａに設けられた開口部８０
ｃに挿通される係合部８６ａが形成されている。上記係
合部８６ａの断面形状は、カートリッジ７０の係合穴７
２と略等しく、大きさは若干小さいものとなっている。

【００８１】さらに、このロック部材８６の中央部には
鍔部８６ｂが設けられており、該鍔部８６ｂには、解除
カム８５の平面８５ｂ、傾斜面８５ｃおよび平面８５ｄ
と当接するように半球部８６ｃが設けられている。すな
わち、上記ロック部材８６のバネ８７の付勢力による左
方向の移動は、半球部８６ｃが解除カム８５に当接する
ことにより制限され、該解除カム８５の回転によって、
該半球部８６ｃとの当接面が変わることによってロック
部材８６が移動する。

【００８２】次いで、カートリッジ７０の着脱動作に関
して、図１１（ａ）ないし（ｄ）、および図１２（ａ）
ないし（ｄ）を用いて説明する。尚、上記図１１（ａ）
および（ｃ）、図１２（ａ）および（ｃ）は、それぞれ
図１１（ｂ）および（ｄ）、図１２（ｂ）および（ｄ）
のＢ−Ｂ断面図であるが、図を分かり易くする収容部８
０の側壁８０ａを省略している。

【００８３】図１１（ａ）および（ｂ）に示すように、
カートリッジ７０の収容部８０への装着開始時には、ロ
ック部材８６の半球部８６ｃが解除軸８４に設けた解除
カム８５の平面８５ｄに当接した状態になっている。こ
のため、ロック部材８６の係合部８６ａは、装着される
カートリッジ７０の邪魔にならないように待避した位置
にある。

【００８４】次に、図１１（ｃ）および（ｄ）に示すよ
うに、カートリッジ７０を収容部８０に押し込むと、解
除カム８５のピン８５ａが、カートリッジ７０の側面に
設けられた溝７１に嵌合し、該溝７１の斜面７１ａに沿
って下方向に移動する。これに伴い、解除カム８５が図
１１（ｃ）において解除軸８４の時計方向回りに回転す
る。これにより、ロック部材８６の半球部８６ｃと対向
する解除カム８５の部分が、平面８５ｄから傾斜面８５
ｃへと変わり、該ロック部材８６が図１１（ｄ）におい
て左へ移動する。

【００８５】さらに、カートリッジ７０が押し込まれて
解除カム８５が回転すると、ロック部材８６の係合部８
６ａの先端は、バネ８７により付勢されてカートリッジ
７０の側壁に当接し、解除カム８５がこれよりさらに回
転すると、図１２（ａ）および（ｂ）に示すように、半
球部８６ｃは傾斜面８５ｃから離間する。この時、カー
トリッジ７０の側壁に当接した係合部８６ａは、カート
リッジ７０の移動に伴って、カートリッジ７０の側壁を
摺動するが、カートリッジ７０を挿入する妨げにはなら
ない。

【００８６】こうして、最終的に、カートリッジ７０が
装着位置に到達すると、図１２（ｃ）および（ｄ）に示
すように、ロック部材８６の係合部８６ａはカートリッ
ジ７０の係合穴７２に嵌合し、該カートリッジ７０が収
容部８０から出ないようにロックされる。この時、解除
カム８５は、平面８５ｂの部分において半球部８６ｃと
対向しており、該解除カム８５と解除軸８４を通して一
体的に形成されたカートリッジ交換用レバー８３は水平
位置（図１４（ｂ）参照）に戻る。また、バネ８２は、
カートリッジ７０の挿入動作で圧縮されて、弾性力を蓄
える。

【００８７】ステープラー５９に装着されているカート
リッジ７０を取り出す場合には、カートリッジ交換用レ
バー８３を水平位置から反時計回りに回動させる。これ
により、ロック部材８６の係合部８６が、カートリッジ
７０の係合穴７０ｂから外れ、ロックが解除されるの
で、バネ８２に蓄えられた弾性力により、カートリッジ
７０は交換可能な位置まで押し出される。

【００８８】上記構成のステープラー５９を用いたシー
ト後処理装置１では、以下に説明する構成によって、ス
テープル針の交換が容易に行える。

【００８９】先ず、上記ステープラー５９は、図１に示
すように、支持部材としてのステープラー支持台６３に
よって、回転支点６４を軸として回転自在に配置され
る。また、上記ステープラー支持台６３には、該ステー
プラー支持台６３とステープラー５９との間において、
ステープラー５９の回転時にカートリッジ交換用レバー
８３と当接するようにレバー解除部材６５が設けられ
る。

【００９０】上記レバー解除部材６５は、支点６５ａを
中心に、ステープラー支持台６３に対して回転自在に支
持されているが、特に外力が与えられない場合には、例
えば、バネ６６等により、基準位置に戻されるようにな
っている。また、上記ステープラー支持台６３には、基
準位置にあるレバー解除部材６５と当接し、該レバー解
除部材６５が基準位置から反時計回りに回転するのを防
止するストッパー６７が設けられている。本実施の形態
では、上記カートリッジ交換用レバー８３およびレバー
解除部材６５によって、特許請求の範囲に記載の連動手
段が構成される。

【００９１】尚、上記図１におけるステープラー５９
は、後述する作用姿勢の状態にあり、この時、ステープ
ル処理時にシートを挟んでステープルで綴じるステープ
ル口５９ｂが上方向にあり、カートリッジ７０を挿入す
るカートリッジ挿入口５９ｃが下方向にある。

【００９２】上記ステープラー５９におけるステープル
針交換時の動作を説明する。

【００９３】上記ステープラー５９は、ステープル針の
交換を開始する前は、図１３（ａ）に示すように、ステ
ープル口５９ｂが上方向にあり、カートリッジ挿入口５
９ｃが下方向にある状態（以下、作動姿勢と称する）に
ある。上記、作動姿勢の状態で、ステープル針の交換を
行おうとすると、カートリッジ７０の取り出し時にカー
トリッジ交換用レバー８３を操作すると、該カートリッ
ジ７０は下に落下するため、ユーザーは、これを手で受
け止めなければならない。また、カートリッジ７０の挿
入時には、カートリッジ挿入口５９ｃが視認できず、作
業が行ないにくい。

【００９４】したがって、本実施の形態に係るシート後
処理装置１では、ステープル針の交換を行う場合には、
図１３（ｄ）に示すように、ステープル挿入口５９ｃが
側方にくる状態（以下、交換姿勢と称する）となるよう
に、ステープラー５９が回転支点６４を中心に時計方向
に９０°回転される。

【００９５】図１３（ａ）に示すステープラー５９の作
動姿勢から回転を始めると、図１３（ｂ）に示すよう
に、カートリッジ交換用レバー８３が、レバー解除部材
６５に当接する。ここからさらに、ステープラー５９を
回転させると、図１３（ｃ）に示すように、上記レバー
解除部材６５の回転はストッパー６７（図１参照）によ
って制止されるので、該レバー解除部材６５によりカー
トリッジ交換用レバー８３が入れられ、図１３（ｄ）に
示すように、ステープラー５９が交換姿勢に切り替えら
れると同時に、カートリッジ７０が排出される。

【００９６】次に、カートリッジ７０の装着時には、先
ず、図１４（ａ）に示すように、交換姿勢にあるステー
プラー５９において、側方にあるカートリッジ挿入口５
９ｃより、カートリッジ７０が挿入される。カートリッ
ジ７０が挿入されると、図１４（ｂ）に示すように、カ
ートリッジ交換用レバー８３が水平位置に戻る。

【００９７】この状態から、上記ステープラー５９を作
動姿勢まで回転させると、図１４（ｃ）において、カー
トリッジ交換用レバー８３がレバー解除部材６５に当接
する。ここからさらに、ステープラー５９を回転させる
と、図１４（ｄ）に示すように、この場合、上記レバー
解除部材６５の回転は制限されないため、該レバー解除
部材６５はカートリッジ交換用レバー８３に当接したま
ま、時計方向に回転し、ステープラー５９の回動を妨げ
ることはない。

【００９８】上記ステープラー５９が、作動位置まで回
転されると、図１４（ｅ）に示すように、カートリッジ
交換用レバー８３とレバー解除部材６５との当接は解除
され、該レバー解除部材６５はバネ６６によって基準位
置に復帰する。

【００９９】以上のように、本実施の形態に係るシート
後処理装置１では、ステープラー５９は、カートリッジ
７０の交換時には、ステープル処理時における姿勢であ
る作用姿勢から交換姿勢に切り替えられ、上記シート後
処理装置１には、上記ステープラー５９のカートリッジ
７０の排出動作を、上記ステープラー５９の姿勢の切り
替え動作と連動させるため、カートリッジ交換用レバー
８３およびレバー解除部材６５からなる連動手段が設け
られている。

【０１００】それゆえ、上記シート後処理装置１におけ
るステープラー５９は、カートリッジ７０の交換時に
は、ステープル処理時における姿勢である作用姿勢か
ら、交換が容易となる交換姿勢に切り替えられ、このと
き、上記連動手段により、上記ステープラー５９の切り
替え動作と、ステープラー５９のカートリッジ７０の排
出動作とが連動される。このため、ユーザーはステープ
ラー５９の切り替え動作を行うのみで、同時にカートリ
ッジ７０の排出が行われるので、上記２つの動作を１ア
クションで行うことができ、これによって、カートリッ
ジ７０の交換作業が簡易化できる。

【０１０１】また、上記シート後処理装置１では、上記
ステープラー５９は、支持台に回動可能に取り付けられ
ており、回動動作によって上記ステープラー５９が作用
姿勢から交換姿勢に姿勢が切り替えられる。ここで、上
記レバー解除部材は、上記ステープラー５９が作用姿勢
から交換姿勢に切り替えられる時には、上記回動レバー
に力を作用させて、上記回動レバーをカートリッジ７０
を排出させる方向へ回動させる。さらに、上記ステープ
ラー５９が交換姿勢から作用姿勢に切り替えられる時に
は、回動レバーに対して力を作用させず、上記ステープ
ラー５９の回動の妨げとなることはない。

【０１０２】これにより、上記ステープラー５９を回動
させるという簡単な動作のみで、ステープラー５９の姿
勢の切り替えと、カートリッジ７０の排出という２つの
動作を１アクションで行うことができる。しかも、上記
２つの動作を連動させるための構成を極めて簡単なもの
とすることができる。

【０１０３】尚、本実施の形態では、機能装置および後
処理手段としてステープラー５９を用いており、交換部
品をカートリッジ７０としているが、本発明は、これに
限定されるものではない。

【０１０４】例えば、機能装置としては、画像形成装置
内の装置を適用することも可能であり、このような具体
例としては、以下の構成を挙げることができる。

【０１０５】例えば、トナーカートリッジを含む現像装
置またはプロセスユニットが画像形成装置に対して着脱
可能な構成において、該現像装置またはプロセスユニッ
トが画像形成装置に装着されている時には、トナーカー
トリッジは現像装置またはホッパー等にトナー補給可能
な状態になっており、該現像装置またはプロセスユニッ
トが画像形成装置から引き出される時に、この引き出し
動作に伴って、トナーカートリッジが現像装置またはプ
ロセスユニットから排出される構成とすることができ
る。

【０１０６】すなわち、上記構成では、現像装置または
プロセスユニットが機能装置、トナーカートリッジが交
換部品に相当し、該現像装置またはプロセスユニットが
画像形成装置に装着されている状態が作用姿勢、画像形
成装置から引き出された状態が交換姿勢となる。

【０１０７】また、上記構成において、交換備品として
トナーカートリッジの代わりに廃棄トナー容器を含むプ
ロセスユニットに関しても本発明は適用できる。すなわ
ち、プロセスユニットが画像形成装置に装着されている
時（作用姿勢）には、上記廃棄トナー容器が廃棄トナー
を受け取ることができる状態になっており、プロセスユ
ニットが画像形成装置から引き出される時（作用姿勢→
交換姿勢）に、廃棄トナー容器がプロセスユニットから
排出される構成とすることができる。

【０１０８】また、クリーニング部材（交換部品）を含
む定着装置（機能装置）が画像形成装置に対して着脱可
能な構成において、該定着装置が画像形成装置に装着さ
れている状態（作用姿勢）から画像形成装置外に引き出
された状態（交換姿勢）に切り替わる時に、この引き出
し動作に伴って、クリーニング部材が定着装置から排出
される構成とすることができる。

【０１０９】さらに、後処理手段として、パンチング装
置を用いる場合、パンチング処理を行うたびにパンチ屑
が発生するため、これを受けるパンチ屑受けが必要とな
る。上記パンチング装置は、ある程度の回数使用する
と、上記パンチ屑受けにパンチ屑が溜まるので、これを
取り出して捨てる必要が生じる。

【０１１０】したがって、上記パンチング装置を後処理
手段とし、さらに、上記パンチ屑受けをカートリッジ形
式にしてこれを交換部品とすれば、本発明を適用するこ
とができる。

【０１１１】また、これ以外にも、後処理手段として糊
付け装置等を用い、該糊付け装置において使用される糊
の補給部品をカートリッジ形式の交換部品として本発明
を適用することも可能である。

【０１１２】さらに、本実施の形態では、該ステープラ
ー５９に設けられるカートリッジ交換用レバー８３は回
動レバーとなっており、該カートリッジ交換用レバー８
３の回動操作によってステープラー５９からカートリッ
ジ７０が排出される構成となっている。

【０１１３】しかしながら、本発明はこれに限定される
ものではなく、カートリッジ交換用レバー８３にスライ
ドレバーを用いたり、あるいは、レバー形式でなくボタ
ン操作によってカートリッジ７０が排出される構成であ
ってもよい。但し、上記カートリッジ交換用レバー８３
を回動レバーとすることにより、ステープラー５９の姿
勢の切り替え時におけるステープラー５９の回動動作
と、カートリッジ７０の排出動作とを、極めて簡単な構
成で連動させることができる。

【０１１４】

【発明の効果】

【０１１５】

【０１１６】請求項１の発明のシート後処理装置は、以
上のように、上記後処理手段は、上記交換部品の交換時
には、後処理時における姿勢である作用姿勢から交換姿
勢に切り替えられ、上記シート後処理装置には、上記後
処理手段の交換部品の排出動作を、上記後処理手段の姿
勢の切り替え動作と連動させる連動手段が設けられてい
る構成である。

【０１１７】それゆえ、上記シート後処理装置における
後処理手段は、交換部品の交換時には、後処理時におけ
る姿勢である作用姿勢から、交換が容易となる交換姿勢
に切り替えられ、このとき、上記連動手段により、上記
後処理手段の切り替え動作と、後処理手段の交換部品の
排出動作とが連動される。このため、ユーザーは後処理
手段の切り替え動作を行うのみで、同時に交換部品の排
出が行われるので、上記２つの動作を１アクションで行
うことができ、これによって、交換部品の交換作業が簡
易化できるという効果を奏する。

【０１１８】請求項２の発明のシート後処理装置は、以
上のように、請求項１の構成に加えて、上記後処理手段
は、支持部材に回動可能に取り付けられており、回動動
作によって上記後処理手段が作用姿勢から交換姿勢に姿
勢が切り替えられると共に、上記連動手段は、上記後処
理手段に設けられ、上記交換部品の排出時に回動操作さ
れることによって、上記後処理手段から上記交換部品を
排出させる回動レバーと、上記支持部材に設けられ、上
記後処理手段の回動時に上記回動レバーと当接し、上記
後処理手段が作用姿勢から交換姿勢に切り替えられる時
には、上記回動レバーに力を作用させて、上記回動レバ
ーを交換部品を排出させる方向へ回動させると共に、上
記後処理手段が交換姿勢から作用姿勢に切り替えられる
時には、回動レバーに対して力を作用させず、上記後処
理手段の回動の妨げとならないレバー解除部材とを含ん
でいる構成である。

【０１１９】それゆえ、請求項１の構成による効果に加
えて、上記レバー解除部材は、上記後処理手段が作用姿
勢から交換姿勢に切り替えられる時には、上記回動レバ
ーに力を作用させて、上記回動レバーを交換部品を排出
させる方向へ回動させる。さらに、上記後処理手段が交
換姿勢から作用姿勢に切り替えられる時には、回動レバ
ーに対して力を作用させず、上記後処理手段の回動の妨
げとなることはない。

【０１２０】これにより、上記後処理手段を回動させる
という極めて簡単な動作のみで、後処理手段の姿勢の切
り替えと、交換部品の排出という２つの動作を１アクシ
ョンで行うことができ、しかも、上記２つの動作を連動
させるための構成を極めて簡単なものとすることができ
るという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施形態を示すものであり、シート
後処理装置におけるステープラーの取り付け状態を示す
側面図である。

【図２】上記シート後処理装置の概略を示す全体構成図
である。

【図３】上記シート後処理装置のパスの構成を示す説明
図である。

【図４】図４（ａ）ないし図４（ｄ）は上記シート後処
理装置の入紙ゲート、反転ゲート、及び切替ゲートの切
り換え状態を示すものであり、図４（ａ）はレターサイ
ズ以下のシートに対してステープル処理を行なう場合の
説明図、図４（ｂ）は複写機から入紙されるシートが反
転パスへ送り込まれる場合の説明図、図４（ｃ）は反転
パスへ送り込まれたシートが一旦スイッチバックされた
後、連絡パスを介して迂回パスへ送り込まれる場合の説
明図、図４（ｄ）は複写機から入紙されるシートが直接
迂回パスへ送り込まれる場合の説明図である。

【図５】図５（ａ）ないし図５（ｄ）はシート束にステ
ープル処理を行うときの動作を示すものであり、図５
（ａ）はステープル処理するためにシート束が下ステー
プルトレイにスタックされた状態を示す説明図、図５
（ｂ）はシート支持台が下降してシート束にステープル
処理を行う状態を示す説明図、図５（ｃ）はステープル
処理したシート束がシート支持台にて上昇移動した状態
を示す説明図、図５（ｄ）はステープル処理したシート
束をオフセットトレイへ排出する状態を示す説明図であ
る。

【図６】図１に示すステープラーのステープル針交換機
構を示す正面図である。

【図７】上記ステープラーで用いられるカートリッジを
示す側面図である。

【図８】図６に示すステープル針交換機構のＡ−Ａ断面
図である。

【図９】図６に示すステープル針交換機構のＢ−Ｂ断面
図である。

【図１０】図６に示すステープル針交換機構の側面図で
ある。

【図１１】図１１（ａ）ないし（ｄ）は、上記ステープ
ル針交換機構におけるカートリッジ交換動作を示す説明
図である。

【図１２】図１２（ａ）ないし（ｄ）は、上記ステープ
ル針交換機構におけるカートリッジ交換動作を示す説明
図である。

【図１３】図１３（ａ）ないし（ｄ）は、図１に示すス
テープラーのカートリッジ排出時における姿勢切り替え
動作を示す説明図である。

【図１４】図１４（ａ）ないし（ｅ）は、図１に示すス
テープラーのカートリッジ挿入後における姿勢切り替え
動作を示す説明図である。

【符号の説明】

１ シート後処理装置（画像形成システム） ２ 複写機（画像形成システム、画像形成装置） １４ 上ステープルトレイ（後処理トレイ） １５ 下ステープルトレイ（後処理トレイ） ５９ ステープラー（機能装置、後処理手段） ６３ ステープラー支持台（支持部材） ６５ レバー解除部材（連動手段） ７０ カートリッジ（交換部品） ８３ カートリッジ交換用レバー（連動手段・回動レ
バー）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 兼崎 正浩 広島県福山市御幸町森脇472−５ (72)発明者 松田 光生 広島県深安郡神辺町川南780−１−402 (56)参考文献 特開 平４−359263（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−183560（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−48556（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−297493（ＪＰ，Ａ) 特開 平８−81115（ＪＰ，Ａ) 特開 平９−255219（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G03G 15/00 550 G03G 21/16 - 21/18 G03G 15/00 510 - 534

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】画像形成装置から排出されるシートを、後
   処理トレイにスタックし、スタックされたシートに対し
   て後処理手段による後処理を行って排出すると共に、上
   記後処理を所定回数行った後には上記後処理手段におけ
   る交換部品の交換が必要となるシート後処理装置におい
   て、 上記後処理手段は、上記交換部品の交換時には、後処理
   時における姿勢である作用姿勢から交換姿勢に切り替え
   られ、 上記シート後処理装置には、上記後処理手段の交換部品
   の排出動作を、上記後処理手段の姿勢の切り替え動作と
   連動させる連動手段が設けられていることを特徴とする
   シート後処理装置。
2. 【請求項２】上記後処理手段は、支持部材に回動可能に
   取り付けられており、回動動作によって上記後処理手段
   が作用姿勢から交換姿勢に姿勢が切り替えられると共
   に、 上記連動手段は、 上記後処理手段に設けられ、上記交換部品の排出時に回
   動操作されることによって、上記後処理手段から上記交
   換部品を排出させる回動レバーと、 上記支持部材に設けられ、上記後処理手段の回動時に上
   記回動レバーと当接し、上記後処理手段が作用姿勢から
   交換姿勢に切り替えられる時には、上記回動レバーに力
   を作用させて、上記回動レバーを交換部品を排出させる
   方向へ回動させると共に、上記後処理手段が交換姿勢か
   ら作用姿勢に切り替えられる時には、回動レバーに対し
   て力を作用させず、上記後処理手段の回動の妨げとなら
   ないレバー解除部材とを含んでいることを特徴とする請
   求項１に記載のシート後処理装置。