JP3354168B2 - 管・ケーブル等の布設具及び管・ケーブル等の布設装置 - Google Patents

管・ケーブル等の布設具及び管・ケーブル等の布設装置

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JP3354168B2 JP9362492A JP9362492A JP3354168B2 JP 3354168 B2 JP3354168 B2 JP 3354168B2 JP 9362492 A JP9362492 A JP 9362492A JP 9362492 A JP9362492 A JP 9362492A JP 3354168 B2 JP3354168 B2 JP 3354168B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電線管,給水湯・ガス
等の流体管,ケーブル等(以下、単に管等とする)を、
ダクト,ラック,保護管等に設けられる前記管等の布設
路(以下、単に布設路とする)に布設する際に使用する
布設具及び布設装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、布設路に管等を布設する作業
においては、図14に示すような長尺状に形成された布
設具が使用されており、この布設具9を布設路に沿って
送り込み、送り込まれた布設具9の先端に管等を連結さ
せた状態で布設具9を引戻すことにより、管等を布設路
に引き込んで布設するようにしている。この布設具9
は、布設路に沿って送り込みが可能な剛性と先端に連結
された管等を布設路に引き込む際にかかる張力に耐え得
る強度とが必要であることから、ポリアセタール等の合
成樹脂を押出し成形することにより製造されており、そ
の外面は平滑に形成されている。
【0003】このような従来の布設具を用いて布設路に
管等を布設するには、まず布設具を布設路に沿って送り
込む作業が行なわれるが、この作業は、作業者が布設具
を順次手で送り込むことにより行なわれており、管等の
布設が長距離に及ぶ場合には極めて面倒な作業であっ
た。このため、前記布設具の送り込み作業を容易に行な
うための繰出機が必要とされていた。
【0004】また、布設具を布設路に沿って送り込んだ
後、布設具先端に連結した管等を布設路に引き込んで布
設する作業は、比較的軽量な管等については人力で布設
具を引き戻すことができるが、人力では引き戻すことが
出来ない重量の大きい管等については牽引機を使用しな
ければ引き込むことができない。また、軽量な管等であ
っても、布設路への引き込みが長距離に及ぶ場合や一度
に複数本の管等を引き込むような場合も同様に牽引機が
必要となる。
【0005】しかしながら布設具は、前述した剛性を備
えているため小径に巻回することができず、通常、短距
離布設用のもので最小径70センチ程度、長距離布設用
のものでは1メートル以上の巻回径を必要としており、
それ以下の径で強制的に巻回したときは布設具の折損を
避けることができない。従って、布設具を巻回状態で回
転させて、布設具を布設路に沿って送り込んだり引き戻
したりする従来の繰出機や牽引機にあっては、巻回径の
極めて大きな大型機を使用しなければならず、布設作業
時における繰出機や牽引機の運搬が極めて困難であり、
さらにこのような大型機を用いた作業では、高所や巾狭
な場所での作業が行なえず、作業場所に制限を受けると
いう問題が生じていた。
【0006】また前記問題を解決するため、重量の大き
な管等を布設路に引き込む作業においては、剛性を有さ
ず小径に巻回可能であると共に管等の引き込み時の張力
に耐え得る強度を備えた引込ロープなるものを布設具と
は別に用意して布設作業を行う方法が採られている。す
なわち、布設路に沿って送り込んだ布設具に引込ロープ
を連結し、布設具を引戻して布設路に引込ロープを引き
込み、次いでこの引込ロープに管等を連結し、引込ロー
プを巻回径の小さな小型牽引機で引戻して布設路に管等
の布設を行なうのである。
【0007】しかしながら上記引き込み作業にあって
は、布設具とは別に引込ロープを用意しなければなら
ず、また作業的にも、布設具により引込ロープを引き込
んだ後、さらに管等を引き込まなければなければならな
いため非常に面倒であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、布設具を布
設路に沿って往復動させることにより管等を布設路に布
設する作業において、布設具の送り込み、又は引戻し作
業を、極めて簡単な構成で、確実に行なうことができ、
特に、管等の布設路への布設が長距離に及ぶ場合、重量
の大きな管又は一度に複数本の管等を布設路に布設する
場合等に有効な布設具及び布設装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】前記課題を解決するた
めの手段として、請求項1の発明は、「管・ケーブル等
を布設する布設路に沿って自身の剛性により送り込み可
能であると共に、先端に連結された管・ケーブル等を前
記布設路に引き込み可能な長尺体で構成され、外面に軸
方向に連続する凹凸が設けられてなることを特徴とする
管・ケーブル等の布設具」を、その内容としている。
【0010】また請求項2の発明は、「管・ケーブル等
を布設する布設路に沿って自身の剛性により送り込み可
能であると共に、先端に連結された管・ケーブル等を前
記布設路に引き込み可能な長尺体で構成され、外面に軸
方向に連続する凹凸が設けられてなる布設具と、外周面
に前記布設具の凹凸と係合する凹凸を有すると共に布設
具の軸方向に回動する回動体を備え、この回動体の回動
により前記布設路に沿って布設具を軸方向に移動させる
繰出機及び又は牽引機とからなることを特徴とする管・
ケーブル等の布設装置」を、その内容としている。
【0011】
【発明の作用】請求項1記載の布設具は、外面に軸方向
に連続する凹凸を備えているため、例えば、この凹凸と
係合する係合体を軸方向に回動又はスライドさせる等、
凹凸を利用することにより軸方向の移動を可能とするこ
とが出来る。従って、管等を布設路に布設する作業にお
いて、布設路に沿った布設具の送り込みや引き戻しを、
簡単かつ確実に行なうことが出来る。
【0012】請求項2記載の布設装置にあっては、布設
具の外面軸方向に連続して形成された凹凸を、繰出及び
/又は牽引機が備えた回動体の外周面に形成された凹凸
と係合させて、回動体を布設具軸方向に回動させること
により、布設具を軸方向に移動させることができる。従
って、管等を布設路に布設する作業において、布設路に
沿った布設具の送り込み及び/又は引戻しを、簡単かつ
確実に行なうことが出来る。
【0013】
【実施例】以下、本発明を具体化した布設具及び布設装
置の実施例を図に基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の布設具の一実施例を示し
た斜視図である。この布設具1は、合成樹脂の押出成形
により断面円形状で長尺に形成された長尺本体11と、
この長尺本体11の先端に取着され、管等を連結するた
めの連結孔13が貫通して設けられた金属製の頭部12
とから構成されており、後述する布設路に沿って自身の
剛性により送り込みが可能であると共に、頭部12の連
結孔13に連結された管等を布設路に引き込み可能な強
度を備えている。また布設具1は、長尺本体11の相対
峙する外面に凹凸14が軸方向に連続して交互に形成さ
れている。この凹凸14は、長尺本体11を押出し成形
すると同時に形成することができる。
【0015】この長尺本体11への頭部12の取着は、
頭部のプレス加工、接着材による接着、熱融着等により
行なうことが出来、その取着の方法は種々あるが、頭部
12は長尺本体11と別体に形成される必要はなく、長
尺本体11と一体に合成樹脂で形成されてもよい。ま
た、布設具1は断面円形状で形成されているが、その断
面形状は非円形状でもよく、四角形状やその他の多角形
状で形成されていてもよい。また、布設具1の凹凸14
は相対峙する外面に形成したが、その形成箇所は、外周
面上の一箇所にのみ形成しても、任意の複数箇所に形成
してもよく、さらに外周面の全周に形成してもよい。
【0016】図2は、本発明の布設装置の繰出及び/又
は牽引機の一実施例を示しており、布設具1を布設路に
送り込む繰り出し機能と、布設具1を引戻して、布設具
1の先端に連結された管等を布設路に引き込む牽引機能
とを備えた繰出・牽引機2の斜視図である。この繰出・
牽引機2は、函体28内に布設具1が挿通される所定の
空間25を隔てて設けられた一対の回動体21を備えて
おり、この回動体21は、函体28内に設けられたモー
ター(図示せず)の駆動により回転する複数の回転ロー
ラー23と、布設具1の凹凸14と係合する凹凸22が
外周に形成され、回転ローラー23の回転に伴って回動
する無端帯体24とにより、無限軌道に形成されてい
る。
【0017】また空間25は、函体28の相対向する側
面にそれぞれ設けられた布設具1の挿通口26及び27
に臨むように設けられている。従って、図3に示すよう
に、回転ローラー23を回転させ、回動体21を第4図
の矢印A方向に回動させた状態で、一方の挿通口26か
ら空間25内に挿入された布設具1は、その外面凹凸1
4が回動体21の凹凸22に係合されることにより、軸
方向に移動され、他方の挿通口27から送り出されるよ
うになっている。また函体28内の回転ローラー23
は、前記回転とは逆方向にも回転可能に設けられてお
り、回転ローラー23を逆回転させ、回動体21を第4
図の矢印B方向に回動させることにより、挿通口27か
ら送り出された布設具1をさらに引戻すことができる。
【0018】この繰出・牽引機2の回動体21は、無限
軌道で形成されているが、これに限らず、回転ローラー
23の外周に直接、布設具1の凹凸14と係合する凹凸
を形成し、回転ローラー23を回動体としてもよい。こ
の場合、回転ローラーからなる回動体の数は前記実施例
のものに何等限定されない。
【0019】以上に説明した布設具1と繰出・牽引機2
とを用いて、電線管の布設路にケーブルを布設するた
め、布設具1を布設路である電線管内に送り込む手順を
図4及至図6に基づいて以下に説明をする。
【0020】まず、図4に示すように、ケーブルを布設
する経路に沿って配管された電線管3の一端開口31
に、挿通口27を臨ませて繰出・牽引機2を設置する。
この設置の方法については、函体28に電線管3端部へ
の取付機構を設けたり、別の取付部材を介して管端に取
付けて設置する方法、函体28を建築物の壁面や地面に
固定する固定部材等を用いて設置する方法、函体28を
建築物の天井や構造材等に吊り下げて固定する方法等種
々あり、その作業場所等に応じた設置を行なえばよい。
【0021】次いで、回転ローラー23を回転させ、回
動体21を図3の矢印A方向に回動させる。そして、布
設具1を挿通口26に挿入し、布設具1の外面凹凸14
を回動体21の凹凸22に係合させて、布設具1を軸方
向に移動させ、図5に示すように電線管3の布設路33
に沿って挿通口27から順次送り出し、図6に示すよう
に布設具1を電線管3の他端開口32まで送り込むこと
ができる。
【0022】次いで、前記工程により、電線管3の布設
路33に沿って送り込んだ布設具1を、繰出・牽引機2
を用いて布設路33に沿って引戻して、ケーブルを布設
路に布設する手順を図7及至図9に基づいて以下に説明
をする。
【0023】まず、図7に示すように電線管3内に送り
込まれ、他端開口32から引出された布設具1の頭部1
2に、ケーブル4を連結する。次いで、回転ローラー2
3を逆回転させ、回動体21を図3の矢印B方向に回動
させることにより、図8に示すように布設具1を順次引
戻し、ケーブル4を布設路33に引き込んだ後、図9に
示すように、布設具1とケーブル4との連結を解除し
て、電線管3の布設路33にケーブル4を布設する。
【0024】尚、前記実施例において、布設具1を送り
込む場合と引戻す場合とで、函体28内のモーターのギ
ヤ比を変更できるようにしておけば、送り込み時には低
トルクであるが高速の回転として布設具の送り込みを短
時間で行なえるようにし、引き込み時においては、低速
の回転であるが高いトルクで引戻せるようにして、重量
の大きな管等の引き込みを可能とすることができる。
【0025】また前記実施例において、繰出・牽引機2
は、回動体21を矢印A及びB方向に回動可能として、
繰出機能及び牽引機能の両方を備えたもので説明した
が、本発明の装置を構成する繰出及び/又は牽引機にあ
っては、これに限定されることはなく、回動体21は矢
印A方向にのみ回動可能としても、例えば、第10図に
示すように、函体28の上面を構成する上蓋28aを本
体28に対し開閉可能に形成し、上蓋28aを開けるこ
とにより挿通口26及び27が上方に開放する構成とし
ておけば、布設具1を布設路に送り込んだ後、凹凸14
と凹凸22とが係合している状態にあっても、繰出・牽
引機2を布設具1から取外すことができ、これを布設具
1の軸に対し180度反転させて、再度、凹凸14と凹
凸22とを係合させ、回動体21を再び矢印A方向に回
動させることにより、布設具1を布設路から引戻すよう
にしてもよい。
【0026】さらに、前記実施例においては、本発明の
布設装置を構成する繰出及び/又は牽引機は、繰出機能
と牽引機能との両方を備えた繰出・牽引機で説明をした
が、本発明の布設装置にあっては、これに限らず、繰出
機と牽引機とをそれぞれ別に構成した装置、すなわち、
布設具とこれを布設路に送り出す繰出機とからなる装
置、布設具とこれを引戻してケーブルを布設路に布設す
る牽引機とからなる装置のそれぞれを包含している。
【0027】また本発明において、管等を布設する布設
路とは、例えば図11に示すような樋状のケーブルラダ
ー5の載置部51や、図12に示すような曲げ加工した
線材6をケーブル布設路に沿って複数設けることにより
形成される載置部61を包含している。このような布設
路に沿って布設具を送り込んだり引戻したりするには、
図11及び図12に示すように、長さ方向に連続するス
リット71を備えた中空状のシュータ7を布設路に沿っ
て設け、このシュータ7内に布設具を往復動させること
により行なうことができる。この場合においては、図1
3に示すように、布設具8の頭部82側方に、中央に管
等が連結される連結孔83を備え、スリット71を通過
できる厚みの板状延出部81を形成しておくとよい。す
なわち布設具8は、スリット71から板状延出部81を
通過させた状態で、シュータ7内で布設路に沿って往復
動可能であり、シュータ7内に送り込まれた布設具の連
結孔83に管等を連結し、布設具をシュータ7に沿って
引戻すことにより、布設路に管等の布設を行なうことが
出来る。
【0028】尚、本発明に係る布設具にあっては、その
外面に軸方向に連続する凹凸を形成し、この凹凸を利用
して軸方向の移動を可能としたが、本構成以外に、例え
ば布設具を摩擦抵抗の大きい材質で形成したり、外周面
又は外周面の一部を長手方向に連続して粗面に形成する
ことにより、その摩擦抵抗を利用することも考えられ
る。すなわち、布設具の軸方向に回動する回動体の外周
面を前記布設具の外面に当接させた際の摩擦抵抗によ
り、布設具を軸方向に移動させるのである。この場合に
おいては、布設具の外面は摩擦抵抗を大きく設けること
なく、回動体の外周面のみを摩擦抵抗を大きく設けた
り、さらに、布設具外面及び回動体の外周面を共に摩擦
抵抗を大きく設けたりすることが考えられる。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1記載の
布設具及び請求項2の布設装置を使用することにより、
管等を布設路に布設するにおいて、布設具を布設路に沿
って送り込む作業、布設具に連結された管等を布設路に
引き込んで布設する作業を、簡単かつ確実に行なうこと
が出来、管等の布設路への布設が長距離に及ぶ場合や重
量の大きな管又は一度に複数本の管等を布設路に布設す
る場合であっても、その作業を可能とすることができ
る。
【0030】さらに、本発明の布設装置によれば、その
繰出及び/又は牽引機は、極めて簡単な構成であると共
に、布設具を巻回状態で回転させて送り出し・引戻しを
行なう構成でないため、コンパクトに形成することがで
き、その運搬が容易で、高所や巾狭な場所での作業を可
能とし、作業場所の制限を受けることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る布設具の斜視図である。
【図2】本発明に係る布設装置の繰出及び/又は牽引機
の斜視図である。
【図3】本発明に係る布設装置により、布設具を軸方向
に移動させる状態を示す参考図である。
【図4】本発明に係る布設装置により、布設具を布設路
に沿って送り込む手順を示す参考図である。
【図5】本発明に係る布設装置により、布設具を布設路
に沿って送り込む手順を示す参考図である。
【図6】本発明に係る布設装置により、布設具を布設路
に沿って送り込む手順を示す参考図である。
【図7】本発明に係る布設装置により、布設具を引戻し
てケーブルを布設路に引き込んで布設する手順を示す参
考図である。
【図8】本発明に係る布設装置により、布設具を引戻し
てケーブルを布設路に引き込んで布設する手順を示す参
考図である。
【図9】本発明に係る布設装置により、布設具を引戻し
てケーブルお布設路に引き込んで布設する手順を示す参
考図である。
【図10】本発明に係る布設装置の繰出及び/又は牽引
機の別の実施例を示す斜視図である。
【図11】布設路の別の形態を示す斜視図である。
【図12】布設路の別の形態を示す斜視図である。
【図13】本発明に係る布設具の別の実施例を示す斜視
図である。
【図14】従来の布設具を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 布設具 2 繰出及び/又は牽引機 3 電線管 4 ケーブル 5 ケーブルラダー 6 線材 14 凹凸 21 回動体 22 凹凸 33 布設路

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管・ケーブル等を布設する布設路に沿っ
    て自身の剛性により送り込み可能であると共に、先端に
    連結された管・ケーブル等を前記布設路に引き込み可能
    な長尺体で構成され、外面に軸方向に連続する凹凸が設
    けられてなることを特徴とする管・ケーブル等の布設
    具。
  2. 【請求項2】 管・ケーブル等を布設する布設路に沿っ
    て自身の剛性により送り込み可能であると共に、先端に
    連結された管・ケーブル等を前記布設路に引き込み可能
    な長尺体で構成され、外面に軸方向に連続する凹凸が設
    けられてなる布設具と、 外周面に前記布設具の凹凸と係合する凹凸を有すると共
    に布設具の軸方向に回動する回動体を備え、この回動体
    の回動により、前記布設路に沿って布設具を軸方向に移
    動させる繰出及び/又は牽引機とからなることを特徴と
    する管・ケーブル等の布設装置。
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