JP3353609B2 - ポリシランの精製方法 - Google Patents

ポリシランの精製方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシラン中に存
在する有機溶剤不溶性成分を短時間で簡単かつ満足に除
去してポリシランを効率良く精製することができるポリ
シランの精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】ポリシ
ラン類の最も一般的な合成法であるアルカリ金属等と多
価ハロシランとの反応により得られるポリシラン類は、
不純物として有機溶剤不溶成分を含む場合があり、更
に、長期間の保存中にも不溶化物が生成してくる場合が
ある。
【0003】従来、上記不溶成分を除去する方法として
は、ポリシラン溶液をメンブランフィルター等を用いて
濾過する方法が採用されていたが、この方法では、不溶
成分が反応溶剤で膨潤して目詰まりを起こすため、除去
が非常に困難であった。なおこの方法では、濾過助剤等
を併用すると除去効率が多少改善されるが、この場合も
依然として非常に長い濾過時間を必要とするため実用的
でないものであった。
【0004】また、室温下で濾紙と濾過助剤等とを併用
する方法も考えられるが、この方法を採用しても除去で
きない微細化した不溶物が含まれ、実際、この場合に得
られる微濁した溶液には濾紙を通過するものの、0.2
μmのメンブランフィルターを通過しない不溶物が含ま
れてしまう。このような微濁の溶液から作成されたポリ
シラン類の膜は、透明度が低く、表面平滑度に劣るなど
いくつかの問題点を有するものであった。
【0005】従って、上記問題点がなく、より効率良い
ポリシラン類の精製方法の開発が望まれる。
【0006】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、合成後のポリシラン中、あるいは長期保存後のポリ
シラン中に存在する有機溶剤不溶成分を有効に除去し得
てポリシランを効率良く精製することができるポリシラ
ンの精製方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結
果、後述する一般式(1)のポリシランを有機溶剤に溶
解し、珪藻土及び必要に応じて活性炭を添加して加熱処
理を施した後、濾過を行うことにより、合成後のポリシ
ラン中、あるいは長期保存後のポリシラン中に存在する
有機溶剤不溶成分、特に0.2μmのメンブランフィル
ターを通過しないような微細化した不溶成分までも短時
間で簡単かつ満足に除去可能であり、ポリシランを効率
良く精製することができること、それ故、本発明の精製
方法により得られるポリシランは、有機溶剤に対する不
溶成分を含まない優れた品質を有するため、透明度の高
い膜を作成することが可能であり、表面平滑性に優れた
膜を与えるものであることを知見し、本発明をなすに至
った。
【0008】従って、本発明は、後述する一般式(1)
のポリシランを有機溶剤に溶解し、珪藻土及び必要に応
じて活性炭を添加して40〜150℃の温度条件で0.
5〜2時間の加熱処理を施した後、濾過を行うことを特
徴とするポリシランの精製方法を提供する。
【0009】以下、本発明につき更に詳細に説明する
と、本発明のポリシランの精製方法は、ポリシランを有
機溶剤に溶解し、珪藻土及び必要に応じて活性炭を添加
して加熱処理を施した後、濾過を行うことを特徴とする
ものである。
【0010】ここで、ポリシランとしては、ポリシラン
の最も一般的な合成法であるアルカリ金属等と多価ハロ
シランとの反応により得られるものなどの下記一般式
(1)で示されるポリシランが使用される。
【0011】 〔(RaR’bSi)n(R’’cR’’’dSi)m〕 (1) (但し、式中R、R’はそれぞれ置換又は非置換のアル
キル基又はアリール基、R’’、R’’’はそれぞれ水
素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルコキ
シ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキル基又はア
リール基であり、aは1又は2、bは0又は1、a+b
=1又は2、cは0、1又は2、dは0又は1、c+d
=0、1又は2、n≧0、m≧0、n+m>20であ
る。)
【0012】上記式(1)において、R、R’はそれぞ
れ置換又は非置換のアルキル基又はアリール基、好まし
くは炭素数1〜10のものであり、例えばメチル基、エ
チル基、ブチル基、プロピル基、ヘキシル基、ヘプチル
基、オクチル基、フェニル基、トリル基、フェニルエチ
ル基等が挙げられる。
【0013】R’’、R’’’はそれぞれ水素原子、ハ
ロゲン原子、置換もしくは非置換のアルコキシ基、アミ
ノ基、アルキルアミノ基、アルキル基又はアリール基
で、好ましくは炭素数1〜10のものであり、例えば水
素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、メトキシ
基、エトキシ基、イソプロポキシ基、プロポキシ基、ブ
トキシ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、上記
したR、R’と同様のアルキル基、アリール基等が挙げ
られる。
【0014】aは1又は2、bは0又は1、a+b=1
又は2、cは0、1又は2、dは0又は1、c+d=
0、1又は2、n≧0、m≧0、n+m>20である。
【0015】上記ポリシランを溶解する有機溶剤として
は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、エーテル類が好
適に用いられ、具体的にはトルエン、キシレン、テトラ
ヒドロフラン等が挙げられる。なお、有機溶剤の使用量
は、ポリシラン溶液中のポリシランの濃度が1〜30重
量%となる範囲が好適である。
【0016】次に、珪藻土としては、種々のものを使用
することができ、例えばセライト類〔ジョーンズ−マン
ビル スケールス社(Johns−Manville
Sales Corp.社)製のFilter−Ce
l,Celite 505,Standard Sup
er−Cel,Celite 512,Hyflo S
uper−Cel,Celite 501,Celit
e 503,Celite 535,Celite 5
45,Celite 560等〕、ダイカライト類〔グ
レフコ インコ ユーエスエー社(Grefco,In
co,U.S.A.社)製のSuperaid,UF,
Speedflow,Special Speedfl
ow,Speedplus,Speedex等)、ラジ
オライト類(昭和化学工業社製のRADIOLITE#
100,RADIOLITE#200,RADIOLI
TE#500,RADIOLITE#600,RADI
OLITE#700,RADIOLITE#900,R
ADIOLITE#1100,RADIOLITE#1
00)などが好適に使用できる。その平均粒径は、5〜
20μm程度である。
【0017】上記珪藻土の添加量は、ポリシラン溶液1
00部(重量部、以下同様)に対して1〜30部、特に
5〜10部が好ましく、添加量が1部に満たないと目的
とする効果が得られない場合があり、30部超えると回
収率の低下を招く場合がある。
【0018】活性炭の添加は必須ではないが、活性炭を
添加する場合、活性炭の添加量はポリシラン溶液100
部に対して1〜10部、特に2〜5部が好ましい。
【0019】ポリシラン溶液に上記珪藻土を添加後の加
熱処理条件は、40〜150℃、特に60〜100℃で
0.5〜2時間、特に0.5〜1時間加熱しながら撹拌
することが好ましい。加熱処理温度が40℃より低い
と、微細不溶物の除去効率が低く、150℃より高いと
ポリシランの分解や酸化が起こる場合がある。
【0020】加熱処理後は、室温に冷却後、濾紙等の濾
材で必要に応じて吸引或いは加圧して濾過し、溶媒を除
去することにより、精製したポリシラン類を得ることが
できる。この場合、濾材の目の粗さは1〜10μm、よ
り好ましくは3〜5μmとすることが好適である。
【0021】
【発明の効果】本発明のポリシランの精製方法によれ
ば、合成後のポリシラン中、あるいは長期保存後のポリ
シラン中に存在する有機溶剤不溶成分、特に微細化した
不溶成分までも短時間で簡単かつ満足に除去することが
でき、透明度が高く表面平滑度に優れた膜を与える高品
質の精製ポリシランを工業的に有利に得ることができ
る。
【0022】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。なお、各例においてMeはメチル基、Ph
はフェニル基であり、Mnは数平均分子量、Mwは重量
平均分子量を示すものである。
【0023】〔実施例1〕 トルエン溶媒還流中、ナトリウムとメチルフェニルジク
ロロシランを反応させることにより得られたポリシラン
(MePhSi)n(Mn23,000、Mw97,0
00)10gをトルエン190gに溶解した。このポリ
シラン溶液の外観は微青白色であり、微細な不溶成分を
含んでいた。
【0024】次に、このポリシラン溶液にセライト(C
elite 545 Johns−Manville
Sales Corp.社製)を10g添加し、80℃
に加熱しながら30分間撹拌を行った。室温に冷却後、
濾紙(直径70mm、保留粒子径4μm)を用いた吸引
濾過により、瞬時に無色透明な(MePhSi)nのト
ルエン溶液が得られ、溶媒を除去したところ、9.5g
の(MePhSi)nが回収された。
【0025】〔実施例2〕実施例1と同様に合成され、
長期保存されていた(MePhSi)n(Mn19,0
00、Mw82,000)10gをトルエン190gに
溶解した。このポリシラン溶液の外観は多少黄色がかっ
た微青白色であり、微細な不溶成分を含んでいた。
【0026】次に、このポリシラン溶液にセライト(C
elite 545)を10g添加し、80℃に加熱し
ながら60分間撹拌を行った。室温に冷却後、濾紙(直
径70mm、保留粒子径4μm)を用いた吸引濾過によ
り、数分後に無色透明な(MePhSi)nのトルエン
溶液が得られ、溶媒を除去したところ、8.7gの(M
ePhSi)nが回収された。
【0027】〔実施例3〕実施例2に活性炭5gを添加
した以外は実施例2と同様な操作を行ったところ、数分
後に無色透明な(MePhSi)nのトルエン溶液が得
られ、更に、溶媒を除去したところ、8.5gの(Me
PhSi)nが回収された。
【0028】〔比較例1,2〕80℃での加熱処理を行
わない以外は実施例1,2と同様に行った。濾紙(直径
70mm、保留粒子径4μm)を用いた吸引濾過によ
り、それぞれ外観が微青白色の(MePhSi)nのト
ルエン溶液が得られた。
【0029】上記実施例、比較例で精製されたポリシラ
ンについて、下記方法で精製度を評価した。結果を表1
に示す。精製度評価方法 : 上記実施例、比較例で得られたポリシランの5%トルエ
ン溶液100mlに対して、0.2μmのメンブランフ
ィルター(直径47mm)を用いた加圧濾過試験を行
い、濾過性を基準とした不溶成分の除去の程度を比較し
た。
【0030】表1の結果より、本発明方法によれば、ポ
リシラン中に存在する不溶成分を効率良く除去できるこ
とが確認された。
【0031】
【表1】

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるポリシラン
    を有機溶剤に溶解し、珪藻土及び必要に応じて活性炭を
    添加して40〜150℃の温度条件で0.5〜2時間の
    加熱処理を施した後、濾過を行うことを特徴とするポリ
    シランの精製方法。 〔(RaR’bSi)n(R’’cR’’’dSi)m〕 (1) (但し、式中R、R’はそれぞれ置換又は非置換のアル
    キル基又はアリール基、R’’、R’’’はそれぞれ水
    素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアルコキ
    シ基、アミノ基、アルキルアミノ基、アルキル基又はア
    リール基であり、aは1又は2、bは0又は1、a+b
    =1又は2、cは0、1又は2、dは0又は1、c+d
    =0、1又は2、n≧0、m≧0、n+m>20であ
    る。)
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