JP3353276B2 - 動力舵取装置 - Google Patents

動力舵取装置

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JP3353276B2 JP28477792A JP28477792A JP3353276B2 JP 3353276 B2 JP3353276 B2 JP 3353276B2 JP 28477792 A JP28477792 A JP 28477792A JP 28477792 A JP28477792 A JP 28477792A JP 3353276 B2 JP3353276 B2 JP 3353276B2
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幹夫 鈴木
義治 稲熊
健一 福村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等に用いられる
電気・油圧式の動力舵取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、電気・油圧式の動力舵取装置
は、図7に示すように、モータMによって駆動されるポ
ンプ1と、リザーバ2と、ステアリング操作をパワーア
シストするパワーシリンダ3と、可変絞り4A〜4D,
4E〜4Hを設けた2つのブリッジ回路C1,C2から
なる制御弁5とによって構成され、ステアリングホイー
ル6の回転操作に応じて制御弁5が作動して、ポンプ1
から吐出された作動油をパワーシリンダ3の一方の油室
に供給するとともに、パワーシリンダ3の他方の油室よ
り作動油をリザーバ2に排出するようになっている。な
お、図では各ブリッジ回路C1,C2にパワーシリンダ
3をそれぞれ接続したが、このパワーシリンダ3は単一
のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】この種の動力舵取装
置においては、図6の破線で示すように、操舵の中立付
近(ハンドル回転角θ1以下)においては、パワーシリ
ンダ3の差圧を0にしてシリンダ出力をマニアルにした
いが、ステアリングホイール6が回転操作されると、制
御弁5の可変絞り4A〜4Hの開口面積が増減変化さ
れ、それに伴ってハンドル回転角がθ1以下の操舵の中
立付近においても、パワーシリンダ3の差圧が徐々に上
昇し、ハンドル回転角θ1においてパワーシリンダ3の
差圧はΔP1となる。
【0004】このために、アシスト開始のポイントが不
明確となり、実車におけるフィーリングにおいても、中
立付近の操舵のフィーリングが曖昧となってしっかり感
がでない問題があった。
【0005】
【問題点を解決するための手段】 本発明は、上記した
従来の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1に記載
の発明は、相対回転可能なバルブシャフトとバルブボデ
ィとの間に、作動油を絞り制御する第1および第2の制
御部を形成し、前記第1の制御部は、モータによって回
転駆動されるポンプとリザーバとにそれぞれ接続する流
路に可変絞りを設けた第1のブリッジ回路によって構成
され、前記第2の制御部は、前記ポンプとパワーシリン
ダの両油室とリザーバとにそれぞれ接続する流路に可変
絞りを設けた第2のブリッジ回路によって構成され、ハ
ンドルの操舵を検出する操舵検出手段と、この操舵検出
手段からの信号に応じて前記モータの回転速度を制御す
るモータ制御装置とを備え、操舵の中立付近においては
前記第1の制御部にのみ作動油が流通するように前記第
2の制御部の可変絞りをセンタクローズバルブとパワー
シリンダの両油室を連通するセンタオープンバルブにて
構成したものである。請求項2に記載の発明は、請求項
1において、第2の制御部の各可変絞りのうちポンプ側
の可変絞りをセンタクローズバルブにて構成するととも
に、リザーバ側の可変絞りをセンタオープンバルブにて
構成したものである。さらに、請求項3に記載の発明
は、請求項1もしくは請求項2において、車速を検出す
る車速センサを設け、この車速センサからの信号に応じ
て前記モータ制御装置を車速の増大に伴ってモータの回
転速度を低下するように制御するようにしたものであ
る。
【0006】
【作用】上記した構成により、バルブシャフトとバルブ
ボディとの相対回転角が小さな中立付近においては、
1の制御部にのみ作動油が流通するので、パワーシリン
ダの両油室の差圧の上昇を防止でき、マニアル操舵とな
る。
【0007】 請求項1から3に記載の発明によれば、
ハンドル操舵が検出されると、モータ制御装置によって
ポンプを駆動するモータの回転速度が上昇され、ポンプ
吐出流量がパワーアシストに必要なレベルに増大され
る。このポンプ吐出流量はハンドル操舵によって作動油
が流通するようにされる第2の制御部の可変絞りを介し
てパワーシリンダに供給され、ハンドル操舵をパワーア
シストする。
【0008】
【実施例】以下本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。図1は電気・油圧式の動力舵取装置の全体構成を示
し、この動力舵取装置は、後述するように回転制御され
るモータ20によって駆動されるポンプ(油圧供給源)
10と、リザーバ11と、ステアリング操作をパワーア
シストするパワーシリンダ12と、ステアリングホイー
ル13の回転に応じて作動してポンプ10からパワーシ
リンダ12に供給される作動油を絞り制御するロータリ
式制御弁14を備えている。
【0009】前記制御弁14は、図2に示すように、ス
テアリングホイール13に連結されて一体的に回転する
バルブシャフト15と、このバルブシャフト15の外周
に同軸的に配設されてパワーシリンダ12によってパワ
ーアシストされるステアリングリンケージに連結される
バルブボディ16と、これらバルブシャフト15とバル
ブボディ16を相対回転可能に連結する図略のトーショ
ンバーと、これらを収納する図略のバルブハウジング等
によって構成されている。そしてバルブシャフト15と
バルブボディ16との間には、作動油を絞り制御する2
種類の第1制御部17と第2制御部18が周方向にそれ
ぞれ90度の間隔で交互に形成されている。
【0010】第1制御部17は、ポンプ10とリザーバ
11とにそれぞれ接続する4つの流路L1,L2,L
3,L4に可変絞りV1,V2,V3,V4を設けた第
1のブリッジ回路C1によって構成されている。これら
可変絞りV1,V2,V3,V4は図3に示すようにセ
ミセンタオープンバルブとして構成されている。そして
可変絞りV1,V2,V3,V4の開口面積は、バルブ
シャフト15とバルブボディ16の相対回転角(バルブ
回転角)に応じて図6の線図Aに示すように変化する。
【0011】第2制御部18は、前記ブリッジ回路C1
に並列接続されて、ポンプ10とパワーシリンダ12の
両油室12A,12Bとリザーバ11とにそれぞれ接続
する4つの流路L5,L6,L7,L8に可変絞りV
5,V6,V7,V8を設けた第2のブリッジ回路C2
によって構成されている。これら可変絞りのうち、ポン
プ10側に接続する可変絞りV5,V6は図4に示すよ
うにセンタクローズバルブとして構成され、リザーバ1
1側に接続する可変絞りV7,V8は図5に示すように
センタオープンバルブとして構成されている。そして可
変絞りV5,V6の開口面積は、バルブ回転角に応じて
図6のBに示すように変化し、また可変絞りV7,V8
の開口面積は、バルブ回転角に応じて図6のCに示すよ
うに変化する。
【0012】21はポンプ10の吐出通路中の圧力を検
出する圧力スイッチ、22は車速を検出する車速センサ
であり、これら圧力スイッチ21および車速センサ22
の信号は電子制御装置23に入力される。電子制御装置
23はそれらの信号に基づいてモータ回転速度信号を演
算し、このモータ回転速度信号を前記モータ20を回転
制御するモータ制御装置24に出力する。すなわち、電
子制御装置23は、ハンドル操舵によって吐出通路中の
圧力が高くなるとモータ回転速度を高めるように、また
車速が高くなるとモータ回転速度を低めるように、モー
タ制御装置24を制御する。
【0013】上記したように構成した本実施例において
は、ポンプ10より吐出された作動油は、操舵の中立状
態においては、ブリッジ回路C1の可変絞りV1,V
2,V3,V4を介して大きな抵抗を受けることなくリ
ザーバ11に排出されるため、ポンプ10の吐出通路中
の圧力は低く、圧力スイッチ21からは信号が出力され
ない。従ってポンプ10を駆動するモータ20は低速で
駆動され、ポンプ吐出流量を抑えて省エネルギ化を図っ
ている。なお、操舵の中立付近においては、ブリッジ回
路C2の可変絞りV5,V6が閉止されているため、パ
ワーシリンダ12には作動油が供給されず、パワーシリ
ンダ12の両油室12A,12Bは可変絞りV7,V8
を介してリザーバ11に接続され、低圧(0)状態に保
持される。
【0014】しかる状態で、ステアリングホイール13
が回転操作されてバルブシャフト16がバルブボディ1
7に対して図2の左方向に相対変位すると、ブリッジ回
路C1の一方の可変絞りV1,V4の開口面積が拡大さ
れ、他方の可変絞りV2,V3の開口面積が縮小される
ため、ポンプ10の圧力が徐々に上昇する。しかしてバ
ルブ回転角がθ1になると、ブリッジ回路C2の可変絞
りV5が開口し始め、さらにバルブ回転角がθ2になる
と、ポンプ10の吐出通路中の圧力が所定圧力以上とな
り、圧力スイッチ21がオンとなる。この圧力スイッチ
21のオン信号により、電子制御装置23はモータ20
の回転速度を上昇させ、アシストに必要な流量をポンプ
10より吐出させる。
【0015】上記した実施例においては、ポンプ10の
負荷圧力を検出する圧力スイッチ21によって、ハンド
ル操舵を検出する例について述べたが、ハンドル操舵
は、バルブの相対回転角を検出する等の他の方法によっ
ても可能である。また上記した実施例においては、ポン
プ10を駆動するモータ20を、負荷圧力と車速とに応
じて制御する例について述べたが、車速によるモータ制
御は車速感応性を持たせる上で有効であるが、車速によ
る制御は必ずしも必須のものではない。
【0016】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、中立付近に
おけるシリンダ差圧の上昇を防止して、中立付近におい
てはマニアル操舵にするものであるので、中立剛性を向
上でき、しかもハンドル中立時においてはポンプ吐出流
量を減少させ、操舵時にポンプ吐出流量を増大させるよ
うにした構成であるので、省エネルギに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す動力舵取装置の全体構成
図である。
【図2】制御弁の半周部分を展開した展開図である。
【図3】図2のA部の拡大図である。
【図4】図2のB部の拡大図である。
【図5】図2のC部の拡大図である。
【図6】バルブ回転角と可変絞りの開口面積との関係を
示すグラフである。
【図7】バルブ回転角とシリンダ差圧との関係を示すグ
ラフである。
【図8】従来の動力舵取装置を示す図である。
【符号の説明】
10 ポンプ 11 リザーバ 12 パワーシリンダ 17 第1制御部 18 第2制御部 C1 第1のブリッジ回路 C2 第2のブリッジ回路 V1〜V4 可変絞り(セミセンタオープン) V5,V6 可変絞り(センタクローズ) V7,V8 可変絞り(センタオープン) 20 モータ 21 圧力スイッチ 22 車速センサ 23 電子制御装置 24 モータ制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B62D 123:00 B62D 123:00 (56)参考文献 特開 昭61−201902(JP,A) 特開 昭60−18455(JP,A) 特開 平4−31176(JP,A) 特開 平4−292265(JP,A) 特開 平5−39050(JP,A) 特開 昭60−56668(JP,A) 特開 平6−127401(JP,A) 実開 平3−51680(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/00 - 5/32 B62D 6/00 - 6/06

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 相対回転可能なバルブシャフトとバルブ
    ボディとの間に、作動油を絞り制御する第1および第2
    の制御部を形成し、前記第1の制御部は、モータによっ
    て回転駆動されるポンプとリザーバとにそれぞれ接続す
    る流路に可変絞りを設けた第1のブリッジ回路によって
    構成され、前記第2の制御部は、前記ポンプとパワーシ
    リンダの両油室とリザーバとにそれぞれ接続する流路に
    可変絞りを設けた第2のブリッジ回路によって構成さ
    れ、ハンドルの操舵を検出する操舵検出手段と、この操
    舵検出手段からの信号に応じて前記モータの回転速度を
    制御するモータ制御装置とを備え、操舵の中立付近にお
    いては前記第1の制御部にのみ作動油が流通するように
    前記第2の制御部の可変絞りをセンタクローズバルブ
    パワーシリンダの両油室を連通するセンタオープンバル
    にて構成したことを特徴とする動力舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記第2の制御部の各可変絞りのうちポ
    ンプ側の可変絞りをセンタクローズバルブにて構成する
    とともに、リザーバ側の可変絞りをセンタオープンバル
    ブにて構成したことを特徴とする請求項1に記載の動力
    舵取装置。
  3. 【請求項3】 車速を検出する車速センサを設け、この
    車速センサからの信号に応じて前記モータ制御装置を車
    速の増大に伴ってモータの回転速度を低下するように制
    御するようにしてなる請求項1もしくは請求項2に記載
    の動力舵取装置。
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