JP3353165B2 - 画像形成装置とそれに用いる磁気ブラシ帯電法用磁性粒子の製造方法 - Google Patents

画像形成装置とそれに用いる磁気ブラシ帯電法用磁性粒子の製造方法

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JP3353165B2
JP3353165B2 JP24145493A JP24145493A JP3353165B2 JP 3353165 B2 JP3353165 B2 JP 3353165B2 JP 24145493 A JP24145493 A JP 24145493A JP 24145493 A JP24145493 A JP 24145493A JP 3353165 B2 JP3353165 B2 JP 3353165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真複写機、プリン
タ等の静電画像形成を行なうための画像形成装置とそれ
に用いる磁気ブラシ帯電法用磁性粒子の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真法を用いた画像形成装置は、高
品質の文字や画像を高速で手軽に複写できると言う利点
を有しており、複写機やプリンタとして広く利用されて
いる。
【0003】この画像形成装置は帯電、露光、現像、転
写、分離、クリーニングおよび定着の各プロセスをもっ
て構成されていることはよく知られており、そのうち最
初のプロセスである帯電には、従来コロナ帯電器により
像形成体を一様に帯電させる方法が採用されている。こ
のコロナ帯電器は一方が開放されたシールドケース内に
放電ワイヤを張架して構成され、該放電ワイヤに通常5
kV以上の高電圧を印加してその周辺に強電界を得て前記
シールドケース壁面及び開放面へ気体放電を行なう。そ
の際発生する荷電イオンのうち開放面から放出される荷
電イオンを像形成体に付着させることにより帯電が行な
われる。
【0004】このようにコロナ帯電器は比較的広い空間
で放電が行なわれ、したがって放電の一部しか帯電に利
用されないので、像形成体に所望の帯電を付与するため
に放電ワイヤに大量の直流電流を流す必要がある。
【0005】このため気体放電に伴って多量のオゾンが
発生し、これが像形成体を構成する光導電性材料を破壊
して像形成体の電子写真性能を疲労劣化せしめる。
【0006】またコロナ帯電器による帯電は温度、湿度
の影響をうけ易く像形成体への帯電が不安定であり、か
つ高電圧電流のリークによる感電事故の恐れがある。ま
た前記オゾンガスにより環境雰囲気を汚染して人体に害
をもたらす弊害もあり、これらのことは電子写真法を用
いる画像形成装置の大きな欠点となっている。
【0007】このようなコロナ帯電器の欠点は主として
帯電が広い空間での気体放電により行なわれることに原
因がある。そこでコロナ帯電法とは異なる接触帯電法が
提案された。
【0008】例えば特開昭59-133569号公報には接触帯
電装置の一種である磁気ブラシ帯電装置が記載されてい
る。該帯電装置ではマグネットを内包した円筒上に磁性
粒子層を形成して成る磁気ブラシを、移動する像形成体
に対して直流電圧の印加下に移動・摺擦させて前記像形
成体に帯電を付与するようにしている。
【0009】前記磁気ブラシ帯電装置の磁気ブラシは、
磁性粒子から成る柔軟なブラシであるため、像形成体面
を損傷することがない。また磁気ブラシ帯電法は像形成
体とブラシとの間の微小空間での放電を利用しているた
め、直流電流の利用効率が従来のコロナ帯電法に比べて
著しく大きく、そのため像形成体を所望の電位にまで帯
電するための直流電流は小さくて済み、従って発生オゾ
ン量を低く抑えることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら前記磁気
ブラシ帯電法は依然として放電現象を利用したものであ
り、オゾンの発生は皆無とはならない。そのうえ磁気ブ
ラシ帯電法では該帯電方法特有の帯電の不均一さが存在
し、これを解消するため、本出願人の先の提案である特
願平2-238478号明細書(特開平4-116674号公報)に記載
されるように、直流電圧にかなりの大きさの交流電圧
(例えばVP-P200〜3500V)を重畳して印加するのが一
般的である。そのような場合には無視できない量のオゾ
ンの発生がある。
【0011】このようなオゾンの発生は、長期に亘って
反復する像形成の過程で次第に像形成体を疲労劣化せし
め、その電子写真性能を低下せしめる。さらにまた前記
オゾンの発生は、特に高湿環境下で帯電器に近接又は接
触して放置された像形成体の部分に対応して低画像濃度
あるいは不鮮明画像をもたらす、いわゆるオゾンボケ発
生の原因となる。
【0012】ところでコロナ帯電法に代わる接触帯電法
に関しては、前記特開昭59−133569号公報の他
に例えば、特開昭61−57958号公報があり、該公
報には銅,ニッケル,鉄,アルミニウム,金,銀等の金
属あるいは酸化鉄,フェライト,酸化亜鉛,酸化スズ,
酸化アンチモン,酸化チタン等の金属酸化物を含む導電
性微粒子による帯電法が記載されている。また、特開平
4-21873号公報には、鉄粉,表面を酸化させた鉄粉,各
種フェライト粉末を用いた磁気ブラシ帯電法が記載され
ている。さらにまた特開平4-116674号公報には、鉄,ク
ロム,ニッケル,コバルト等の金属、あるいはこれらの
化合物や合金、例えば四三酸化鉄,γ-酸化第2鉄,二
酸化クロム,酸化マンガン,フェライト,マンガン-銅
系合金を用いた磁気ブラシ帯電法が記載されている。
【0013】これらの各公報記載の帯電法においては、
上記のように無視できない量のオゾンの発生を伴う筈で
あるが、前記各号公報のいずれにおいても全く発生オゾ
ン量を低減する対策がなされていない。
【0014】また前記各号公報にはフェライト粒子を用
いる記載があるが、他の一般的な磁性粒子と同列に記載
されており、ましてフェライト粒子とオゾン発生との係
り合いについては全く記載がなく、示唆もない。
【0015】本発明は前記実情に鑑みて提案されたもの
であり、その目的とするところは、長期に亘り反復して
行なわれる像形成の過程で像形成体の損傷を伴なうこと
なく該像形成体に均一な帯電を安定に付与することがで
き、特にオゾン発生が抑止され長期に亘る反復像形成に
際して像形成体の疲労劣化がなく、かつ高湿時にもオゾ
ンボケを生ずることのない電子写真複写機、プリンタ等
の静電画像形成を行なうための画像形成装置とそれに用
いる磁気ブラシ帯電法用磁性粒子の製造方法を提供する
ことにある。
【0016】
【0017】
【課題を解決するための手段】前記の目的は、下記によ
って達成される。
【0018】(1) 像形成体と、磁性粒子を含有して
なる磁気ブラシに直流電圧と交流電圧を重畳印加し、該
磁気ブラシを像形成体に対して移動摺擦させることによ
り前記像形成体の帯電を行なう磁気ブラシ帯電法による
帯電手段と、非磁性トナーと磁性キャリアから成る二成
分現像剤が収容されている現像器を含む画像形成装置に
おいて、前記帯電手段の磁気ブラシ帯電法用磁性粒子
が、4dまたは5d金属を含有し下記一般式で表される
化合物を主成分とするフェライトからなり、4dまたは
5d金属の酸化物の酸素原子1個当たりの標準生成エン
タルピーの絶対値が酸化第2鉄(Fe 2 O 3 )の酸素原子1
個当たりの標準生成エンタルピーの絶対値と同等または
それより小さい値を持ち、かつ、体積平均粒径が20〜
200μm、飽和磁化は20〜200emu/g、見か
けの比抵抗が10 3 〜10 10 ohm・cmである磁気ブ
ラシ帯電法用磁性粒子であることを特徴とする画像形成
装置。
【0019】一般式:(MO)X・(Fe2O3)1-X または [(M
2O)1/2(Fe2O3)1/2]X(2Fe2O3)1-X但し、式中のMは安定
にフェライトを形成する金属原子であり、またX≦0.6
である。
【0020】この場合4dまたは5d金属が、Mo、Tc、
Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、W、Os、Ir、Pt、Au、Hgの何れか
であることが望ましい。
【0021】(2) (1)記載の磁気ブラシ帯電法用
磁性粒子の製造方法であって、3価の鉄化合物を含む金
属化合物の混合物を焼成する工程を経て得られるたフェ
ライトを粉砕し、該粉砕物に4dまたは5d金属の単体
または化合物たはその溶液または分散液を混合した後、
造粒、焼成することを特徴とする磁気ブラシ帯電法用磁
性粒子の製造方法。
【0022】(3) (1)記載の磁気ブラシ帯電法用
磁性粒子の製造方法であって、3価の鉄化合物を含む金
属化合物の混合物を焼成する工程を経て造粒されたフェ
ライトに、4dまたは5d金属の単体または化合物また
はその溶液または分散液を付着あるいは混合し、乾燥ま
たは焼成の少なくとも何れかを行うことを特徴とする磁
気ブラシ帯電法用磁性粒子の製造方法。
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】
【0032】以下本発明の構成を詳細に説明する。
【0033】本発明の磁気ブラシ帯電用磁性粒子は、
式(MO)X・(Fe2O3)1-X若しくは[(M2O)1/2(Fe2O3)1/2]X(2
Fe2O3)1-Xで表されるフェライト粒子に4dまたは5d
金属を含有させた点に特徴があり、前記式中のMは安定
にフェライトを形成する金属原子であって、Mは前記4
dまたは5d金属であってもよい。前記金属Mの代表例
としては、例えばLi,Mg,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn等が
挙げられる。また前記式中X≦0.6である。
【0034】本発明の磁気ブラシ帯電用磁性粒子(帯
電用磁性粒子と略すことあり)では、前記フェライト粒
子に4dまたは5d金属が単体の状態または酸化物の状
態で含有され、それによってフェライト粒子にオゾン分
解活性が付与され、もって、まさに発生の場所で発生オ
ゾンを効果的に分解し、該発生オゾンによる像形成体の
疲労劣化及び高湿環境下でのオゾンボケの発生が防止さ
れる。例えば4d金属としてはY、Zr、Nb、Mo、Tc、R
u、Rh、Pd、Ag、Cd、5d金属としてはLu、Hf、Ta、
W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hgが挙げられる。
【0035】しかしながら本発明の帯電用磁性粒子で
は、特に前記4dまたは5d金属のうち、その酸化物の
酸素原子1個当りの標準生成エンタルピーの値が酸化第
2鉄(Fe2O3)の値(−275kJ/mol・Oatom)に近いか、
またはそれ以上の4dまたは5d金属若しくは該4dま
たは5d金属の酸化物がオゾン分解活性に特に優れてい
ることが確かめられている。そこで本発明では好ましく
は前記値の絶対値が275kJ/mol・Oatomより小さいか、
またはそれに近いものとされ、この値を大きく越えると
所望のオゾン分解効果が発揮されにくい。
【0036】なお前記金属の酸化物の標準生成エンタル
ピーの値は、例えば1984年日本化学会編の改訂三版化学
便覧に記載されている。また、これら4dまたは5d金
属元素の性質は1977年 Longman Group 社発行の R.V.PA
RISH 著「THE METALLIC ELEMENTS」に詳細に記載されて
いる。
【0037】このようにフェライト粒子に含有されるべ
き4dまたは5d金属のオゾン分解活性の度合と該金属
の酸化物の標準生成エンタルピーの値との相関が示され
たが、オゾン分解能を知る実用的な測定法として以下の
方法がある。
【0038】試料30gを内径14mmの円柱状ガラス管内に
円柱状に充填し、試料層の上層(ガス導入側)にガラス
製ラシヒリングを、下層(ガス放出側)にガラスウール
を充填する。30℃で100ppmのオゾンを含有する空気を0.
15l/minの流速で導入し、前記試料層を通過した後の
空気中のオゾン濃度を測定する。オゾン濃度は試料気体
の254nmに於ける光吸収の度合いを測定することにより
測定される。
【0039】なお、試料のオゾン分解能が高くて、前記
測定法によって測定すると試料層を通過した後の空気中
のオゾン濃度が低すぎて十分な精度が得られない場合が
ある。そのような場合には、試料質量を減少し、また導
入するオゾン含有空気の流速を増大して測定する。
【0040】本発明においては磁性粒子のオゾン分解活
性は、試料層を通過した後の空気中のオゾン濃度が、前
記標準的な試料質量と導入するオゾン含有空気の流速で
測定して50ppm以下となる、即ち試料層で分解されるオ
ゾン濃度が50ppm以上となる程度であるのが好ましい。
【0041】前記4dまたは5d金属のうち、その酸化
物の酸素原子1個当りの標準生成エンタルピーの絶対値
がFe2O3のそれ以下のものの代表例としては、例えばMoO
3(−248),Tc2O7(−159),RuO2(−153),Rh20
3(−114),PdO(−85),Ag20(−31),CdO(−25
8),WO3(−281),OsO4(−99),IrO2(−137),Pt
3O4(−41),Au2O3(−27),HgO(−91)等が挙げら
れる。但し括弧内は前記酸素原子一個当り標準生成エン
タルピーの値(kJ/mol・Oatom)を示す。
【0042】したがって、前記4dまたは5d金属とし
てMo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、W、Os、Ir、Pt、Au、
Hgの何れかが好ましい。
【0043】ここでフェライト粒子に含有される前記4
dまたは5d金属は、前記フェライト粒子を構成する式
(M0)X・(Fe2O3)1-X若しくは[(M2O)1/2(Fe2O3)1/2]X(2Fe
2O3)1-XのMそのものであってもよいし、一部が前記フ
ェライト粒子を構成するMであっても、また前記フェラ
イト粒子の結晶格子に不純物点として組み込まれている
ものであってもよく、さらにまた前記フェライト粒子の
結晶とは独立の相をなすものであってもよい。
【0044】前記フェライト粒子に前記4dまたは5d
金属を含有させる場合、該金属の一部または全部が前記
フェライト粒子の結晶構造に取り込まれる場合には触媒
化学で言うところのdispersionが小さくなるためその添
加量を多くする必要があり、そうでない場合には添加量
は少なくて済む。即ち、この場合主たる触媒活性を有す
るのは、前記酸素原子一個当り標準生成エンタルピーが
大きい(絶対値が小さい)酸化物を与える4dまたは5
d金属またはその酸化物であって、該4dまたは5d金
属またはその酸化物がフェライト粒子表面あるいは内表
面に高い濃度で存在することが必要とされる。
【0045】前記のように、フェライト粒子中の前記4
dまたは5d金属の存在状態によって含有させるべき4
dまたは5d金属の好適な添加量が異なり、また個々の
フェライト-4dまたは5d金属の組み合わせについて
4dまたは5d金属の存在状態を知る事は容易ではな
い。しかしながら、4dまたは5d金属は一般にフェラ
イトの主成分金属とはなりにくいことが知られており、
dispersionは大きく、従ってその添加量は比較的小さく
て良い。
【0046】即ち、本発明の帯電用磁性粒子において、
その主成分であるフェライト粒子に含有させる前記4d
または5d金属の量は、前記磁性粒子に含有される全金
属に対して0.001〜10atom%であり、0.001atom%を下廻
ると前記磁性粒子のオゾン分解活性が不足し、10atom%
を越えると該磁性粒子の磁気特性や機械的強度が悪くな
る。
【0047】前記4dまたは5d金属の含有率(atom
%)は一般に0.01atom%以上である場合は波長分散型蛍
光X線分析装置(例えば理学電機工業(株)製 WDXシ
ステム3080型)を用いて測定することができる。この場
合、予め既知組成の試料中の4dまたは5d金属の蛍光
X線強度を測定した後、被検試料中の4dまたは5d金
属の蛍光X線強度を測定し、ファンダメンタルパラメー
タ法に従い、前記4dまたは5d金属の含有率を得る。
【0048】また、前記4dまたは5d金属の含有率が
更に低い場合は、被検試料を例えばフッ化水素酸を用い
て溶解し、水溶液としたものを試料としてICP発光分
析装置(例えばセイコー電子工業(株)製 SPS4000
型)により分析を行い、前記4dまたは5d金属の含有
率を得る。
【0049】本発明の帯電用磁性粒子の体積平均粒径は
20〜200μm、好ましくは30〜70μmである。20μmを下廻
ると像形成体への磁性粒子付着が発生し易く、かつ磁性
粒子が像形成体に付着して流出すると言う弊害を生ず
る。また200μmを越えると像形成体を損傷したり、帯電
が不均一になるなどの弊害を生ずる。
【0050】前記磁性粒子の体積平均粒径は、湿式分散
機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「HELOS」(S
YMPATEC社製)により測定される体積基準の平均粒径で
あって、湿式分散機で磁性粒子数10mgを界面活性剤と共
に水50mlに分散させ、次いで超音波ホモジナイザー(出
力150W)で発熱による再凝集に注意しながら1〜10分
間分散する前処理を行なった後に測定される値である。
【0051】前記磁性粒子の飽和磁化は20〜200emu/
g、好ましくは35〜95emu/gである。20emu/gを下廻
ると磁性粒子が像形成体に付着して流出する弊害を生
じ、200emu/gを越えると画像に不均一な掃き目を生ず
る。
【0052】前記磁性粒子の飽和磁化は、磁性粒子を0.
25cm2×30mmの試料セルにタッピングしながら充填した
後、試料をピックアップコイルにつけて磁化器にセット
し、直流磁化特性自動記録装置「Type 3257」(横河北
辰電機社製)を用いてX−Yレコーダーにヒステリシス
カーブを描かせることにより得られる。
【0053】前記磁性粒子の見かけの比抵抗は103〜10
10ohm・cm,好ましくは106〜109ohm・cmである。103ohm
・cmを下廻ると像形成体にピンホールや傷があった場合
にバンディング故障が発生し易く、1010ohm・cmを越え
ると帯電不良を生じ易くまた像形成体への磁性粒子の付
着、流出が発生し易くなる。
【0054】前記磁性粒子の見かけの比抵抗は、磁性粒
子を1.0cm2の断面積を有する容器に入れてタッピングし
た後、充填された磁性粒子上に500g/cm2の荷重を掛
け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界を生ずる
電圧を印加したときの電流値を読み取ることにより得ら
れる。
【0055】なおフェライト粒子に前記4dまたは5d
金属を含有させて成る磁性粒子は多孔質で比表面積が大
きい程オゾン分解活性が大となる。本発明では磁性粒子
の比表面積をBET法により測定し、オゾン分解能を知
る1つの手がかりとしている。
【0056】本発明の磁性粒子のBET法によって測定
された比表面積の値は好ましくは0.15m2/g以上であ
る。
【0057】なお磁気ブラシ帯電法においては磁性粒子
の粒径分布がシャープである程有利であり、本発明では
磁性粒子が通過しうるまた通過しえない篩meshの範囲を
測定することにより粒径分布を測定し、磁気ブラシ帯電
特性を知る1つの手がかりとしている。
【0058】本発明に用いられるような粒径の造粒され
たフェライト粒子は一般に次のようにして製造される。
即ち、適宜配合された3価の鉄化合物(多くの場合酸化
第2鉄)を含む金属化合物(多くの場合金属酸化物)の
混合物を湿式ボールミル等によって充分粉砕、混合す
る。得られたスラリーを乾燥して粉砕し、通常700〜10
00℃の温度で仮焼成する。こうして得られた仮焼成フェ
ライトを更に湿式ボールミル等によって5μm以下に粉
砕した後、スプレードライ法などの造粒方法によって造
粒し、1000〜1500℃で焼成する。焼成物を粉砕、篩分け
して目的物を得る。なお、特別な場合には、仮焼成の工
程を省略して、原材料金属化合物の混合物の粉砕済スラ
リーを直接スプレードライ法によって造粒し、焼成して
粉砕、篩分けする方法も採用される。又、仮焼成の工程
を省略して原材料金属化合物の混合物の粉砕済スラリー
を特に造粒することなく1000〜1500℃で焼成すれば、塊
状のフェライトを得ることができる。
【0059】本発明の帯電用磁性粒子を製造する代表的
な方法としては、以下の(イ)、(ロ)、(ハ)があ
る。
【0060】(イ)前記4dまたは5d金属を金属単
体,金属酸化物,金属水酸化物または金属塩の状態で、
3価の鉄化合物を含むフェライト製造用原材料金属化合
物の混合物に加え、これに上述のような操作を施して造
粒された前記帯電用磁性粒子を得る。
【0061】また、別の製造方法として(ロ)3価の鉄
化合物を含むフェライト製造用原材料金属化合物の混合
物に上述のような操作を施して得られた仮焼成フェライ
ト若しくは造粒乃至焼成済みフェライト粒子を粉砕し、
これに前記4dまたは5d金属の金属単体、金属酸化
物、金属水酸化物または金属塩を混合してこれを造粒
し、再度焼成して求める帯電用磁性粒子を得る。
【0062】さらにまた、別の製造方法として(ハ)上
述のような操作を施して得られた造粒されたフェライト
粒子に前記4dまたは5d金属の金属単体、金属酸化
物、金属水酸化物または金属塩を付着あるいは混合し、
必要に応じて乾燥または再度焼成あるいは乾燥後に再度
焼成して求める帯電用磁性粒子を得る。
【0063】本発明において、仮焼成フェライトまたは
造粒されたフェライトの粉砕を行う場合、直ちに粉砕す
ると粉砕品の粒度分布が広くなったり粉砕に長時間を要
したりするので、粗粉砕(アトマイザーや、スーパーミ
クロンミルを用いて5〜30μmの粒度にする)してから
粉砕するのが普通である。粉砕機としては、ボールミル
やアトライターが使用される。
【0064】フェライト粒子表面に前記金属水酸化物を
付着あるいは混合するのに、各種金属塩類の水溶液中に
フェライト粒子を懸濁しておき、アンモニア水、苛性ア
ルカリ水溶液等で懸濁液をアルカリ性にする手法が有利
に用いられる。付着あるいは混合された金属水酸化物は
自発的に金属酸化物となることもあり、また再焼成の過
程を加えれば確実に金属酸化物に変成される。なおアン
ミン錯体の形成により可溶化してしまう金属でない限
り、前記アンモニアを用いる方法が水洗などの後処理に
よるアルカリ金属イオンの除去の操作を省く事が出来て
好都合である。
【0065】フェライト粒子に前記金属塩類を付着ある
いは混合させる場合の該金属塩類の対アニオンとして
は、酢酸、シュウ酸、マレイン酸、琥珀酸等のカルボン
酸基、炭酸基、硝酸基、ハロゲンイオン、硫酸基等を挙
げる事ができる。
【0066】これらの金属塩類は焼成によってエネルギ
ー的により安定な酸化物に変化するのが普通であり、中
でもカルボン酸基、特にシュウ酸基、炭酸基、硝酸基を
含む金属塩は、比較的低温で酸化物に変化するので比表
面積の大きな多孔質の金属酸化物相を形成するのに好都
合であり、これによってオゾン分解活性に優れた磁性粒
子を得ることができる。
【0067】次にオゾン分解活性が付与された前記磁性
粒子を用いた帯電方法および、該帯電方法を用いて像形
成を行なう画像形成装置の発明につき図1および図2に
よりに説明する。
【0068】図1は前記帯電方法を実施する上で用いら
れる代表的な磁気ブラシ帯電装置20の断面図である。磁
気ブラシ帯電装置20は、磁気ブラシ帯電部材24、層厚規
制部材26及び撹拌部材27等をケーシング25内に一体的に
内包する構成のものである。また前記磁気ブラシ帯電部
材24は、N,S交互の複数の磁極を有する磁石ローラ23
と、その外周を像形成体10に対して順または逆の方向に
回転するスリーブ22と、その外周に本発明の磁性粒子層
から成る磁気ブラシとを有し、該磁気ブラシを移動する
像形成体10に対して移動・摺擦して前記像形成体10に帯
電が付与される。
【0069】本発明の帯電方法では、前記磁気ブラシ帯
電部材24に保護抵抗28を介して電圧印加手段である電源
29から電圧が印加される。しかしながら印加される電圧
が直流電圧のみでは均一帯電が付与されない場合があ
り、本発明では交流電圧が前記直流電圧に重畳して印加
される。この場合、直流電圧の絶対値は300〜1000
(V)が適正で、前記交流電圧は、その peak to peak
値VP-Pが後述するごとき放電開始電圧VTHの2倍以上
であることが好ましい。交流電圧のVP-Pの値が2VTH
未満の場合は帯電の均一化が不充分である。
【0070】本発明の帯電方法では、磁気ブラシ帯電部
材24にオゾン分解活性に優れた磁性粒子21が用いられて
いるため、2VTHを越える高いVP-P値を有する交流電
圧を重畳してもオゾンの発生を極めて低く保つことがで
きる。しかしながら過度に高いVP-P値を有する交流電
圧を加えると像形成体10に放電破壊を生じたり、放電領
域が広くなり、磁性粒子21のもつオゾン分解能の限度を
越えて無視できない量のオゾンの発生を見る場合があ
る。そこで本発明ではVP-Pの値は2VTH〜3VTHの範
囲とされ、通常VP-Pの値が500〜3000ボルトの交流電圧
が印加される。
【0071】また前記交流電圧の周波数f(ヘルツ)は
下記式で示す範囲に選択する。
【0072】f≧(像形成体の線速VS[mm/sec]/ニッ
プ幅L[mm])×10 ここで前記ニップ幅Lは像形成体に接触する磁気ブラシ
の幅を表わし、通常LはL=1〜10mmであって、fが
(VS/L)×10を下廻るとサイクル斑と呼ばれる帯電
むらを生ずるようになるから、fの値は100〜5000ヘル
ツの範囲に選ばれる。
【0073】前記のように本発明の帯電方法は特有の磁
性粒子21を用いた点に特徴があり、その粒子は前記した
ように、式(MO)X・(Fe2O3)1-X若しくは[(M2O)1/2(Fe
2O3)1/2]X(2Fe2O3)1-Xで表されるフェライト粒子に4d
または5d金属を含有させたものである。
【0074】但し式中のMは安定にフェライトを形成す
る金属原子であって、Mが前記4dまたは5d金属であ
ってもよく、またXはX≦0.6である。
【0075】また前記4dまたは5d金属の酸化物の酸
素原子1個当りの標準生成エンタルピーの絶対値がFe2O
3のそれ以下か、またはそれに近いものとすることによ
って、磁性粒子のオゾン分解活性は高くなる。
【0076】また磁性粒子21のオゾン分解能は前記実用
的な測定法によって測定することができ、該測定法にお
いて磁性粒子層を通過した後の空気中のオゾン濃度が50
ppm以下となるのが好ましい。
【0077】また磁性粒子中の前記4dまたは5d金属
の含有量は磁性粒子21の全金属に対して0.001〜10atom
%とされるのが好ましい。
【0078】さらにまた磁性粒子21の体積平均粒径は20
〜200μm、好ましくは30〜70μmであり、その飽和磁化
は20〜200emu/g、好ましくは35〜95emu/gであり、
さらにまたその見かけの比抵抗は103〜1010ohm・cm、好
ましくは106〜109ohm・cmであって、好ましくは球形粒
子である。
【0079】前記磁性粒子21は磁石ローラ23とスリーブ
22との相対的回転により搬送されるが、通常は前記のよ
うに磁石ローラ23を固定してスリーブ22のみを回転する
構成とし、像形成体10に対して順方向に0.5〜3倍の周
速比で回転して磁性粒子を付着搬送する。搬送される磁
性粒子は層厚規制部材26により一定の層厚となるように
規制される。ここで前記スリーブ22と像形成体10との間
隙Dは100〜5000μmとされる。100μmを下廻ると均一な
穂立の形成が困難となり、5000μmを超すと穂立と像形
成体の接触が弱く、十分な帯電が得られずかつ帯電むら
を生ずる。
【0080】図2は、前記図1の磁気ブラシ帯電装置が
組み込まれたカールソンプロセスの画像形成装置の1例
を表す断面図である。
【0081】10は100〜500mm/secで矢印方向に回転す
る像形成体であり、該像形成体10は、Al等の導電性基体
上に例えばポリビニルアルコール、ポリビニルブチラー
ル、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ポリアミド、カゼイン等の下引層、アゾ顔料、多環キノ
ン顔料、ペリレン顔料、フタロシアニン顔料等の電荷発
生物質(CGM)を含有する電荷発生層(CGL)及び
芳香族アミン化合物、ヒドラゾン系化合物、ピラゾリン
系化合物、トリアリールアミン系化合物等の電荷輸送物
質(CTM)を含有する電荷輸送層(CTL)をこの順
に積層して成る負帯電性の有機感光体である。
【0082】30は固定磁石体32と、その外周を像形成体
10より速い周速で順方向に回転するスリーブ31から成る
現像ローラと撹拌器33A及び33Bを有する現像器で、非
磁性トナーと磁性キャリアから成る二成分系現像剤が収
容されている。
【0083】前記画像形成装置は、オゾン分解活性に優
れた前記磁性粒子を用いた磁気ブラシ帯電装置20を用い
て像形成を行なう点に特徴があり、前記磁気ブラシ帯電
装置20の磁気ブラシ帯電部材24には図示していない電圧
印加手段から300〜1000ボルトの絶対値の直流電圧及び
peak to peak 値VP-Pが500〜3000ボルト、周波数fが1
00〜5000ヘルツの交流電圧が重畳印加され、該磁気ブラ
シ帯電部材24を矢印方向に回転する像形成体10に摺擦し
て該像形成体上に均一な帯電が付与される。
【0084】次いで露光系12からの像露光Lにより前記
像形成体10上に静電潜像が形成され、該静電潜像は現像
器30により現像されてトナー像が形成される。
【0085】このトナー像は、給紙カセット40から給紙
ローラ41及びタイミングローラ42により給送された転写
紙P上に、電圧が印加された転写ローラ13等の転写手段
により転写される。トナー像を担持した転写紙Pは搬送
手段80により定着装置に搬送されてトナー像が定着さ
れ、転写後の像形成体10はクリーニング装置50のブレー
ド51又はファーブラシ等のクリーニング手段によりクリ
ーニングされる。
【0086】なお、前記画像形成装置において、正又は
負の放電開始電圧VTHの測定は、磁気ブラシ帯電装置20
の直後に像形成体表面電位測定装置60を配置して行なわ
れる。即ち前記電位測定装置60の電位計プローブ61を磁
気ブラシ帯電装置20の直後に配置し、像形成体10の表面
電位を電位計62で読み取り、検出電位を増幅器63で増幅
してレコーダー64で記録する。測定に際しては、現像
器、転写手段、クリーニング装置等を不作動とし、磁気
ブラシ帯電部材24に正又は負の逓増する直流電圧を印加
し、回転する像形成体10上に前記磁気ブラシ帯電部材24
による接触帯電を行ない、該磁気ブラシ帯電部材24に印
加する正又は負の直流の昇圧に伴って像形成体10上に初
めて正又は負の表面電位が検出されるに到ったときの印
加直流電圧値を前記像形成体10に対する正又は負の放電
開始電圧VTHとする。
【0087】前記構成としたことにより像形成体上には
均一帯電を付与することができ、かつ繰り返しての像形
成に際してオゾン発生に基づく像形成体の疲労劣化がな
く長期に亘り高画質が安定して得られる。さらにまた特
に高湿時にオゾンボケの発生を回避することができる。
【0088】
【実施例】以下本発明を比較例及び実施例により具体的
に説明するが、本発明の実施の態様はこれにより限定さ
れるものではない。
【0089】(比較例1)本比較例では帯電用磁性粒子
として表面を酸化した球形鉄粉(粒子1)が用いられ
た。
【0090】〔用いた磁性粒子の特性〕 前記加重下の電圧印加により測定された粒子の見かけの
比抵抗:107ohm・cm、前記レーザ回折式粒度分布測定装
置「HELOS」により測定された粒子の体積平均粒径:81
μm、前記直流磁化特性自動記録装置「Type 3257」を用
いて測定された粒子の飽和磁化:192emu/g、前記BE
T法により測定された粒子の比表面積:0.13m2/g、前
記篩選別法により選別された粒子の粒径分布:150mesh
篩を通過するが250meshを通さない粒径分布(以下単に1
50mesh〜250meshと表す)。
【0091】さらに前記オゾン分解能を前記の方法によ
り測定したところ、磁性粒子層を通過したオゾン濃度は
80ppmであり、100ppmのうち20ppmのオゾンが前記磁性粒
子層により分解された。
【0092】前記特性を有する表面を酸化した球形鉄粉
を図1の磁気ブラシ帯電装置20に充填し、該磁気ブラシ
帯電装置20をU−BIX 4045複写機(コニカ(株)社
製)に装着して成る改造機を用いて下記のようにして像
形成テストを行なった。
【0093】前記磁気ブラシ帯電部材24にVDC=−800
Vの直流電圧、peak to peak 値(VP-P)=1kV、周波
数(f)=1kHZの交流電圧を重畳印加し、30℃、相対
湿度80%の高温高湿環境下で連続して5000コピーの複写
を行なった。このときの磁気ブラシ帯電装置20の直上の
オゾン濃度をオゾン濃度測定装置「EG−2001F」(荏
原実業社製)により測定したところ0.008ppmであった。
【0094】次いで前記複写後、30℃、相対湿度80%の
高温高湿環境下で1夜放置後再び複写を開始したとこ
ろ、磁気ブラシが接触して放置された像形成体の部分に
相当していわゆるオゾンボケと呼ばれる低濃度で不鮮明
な画像域が見られた。
【0095】(比較例2)本比較例では帯電用磁性粒子
として、表面を酸化して見かけの比抵抗を高めた球形マ
グネタイトFeO・Fe2O3磁性粉(粒子2)が用いられた。
【0096】〔用いた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:106ohm・cm、体積平均粒径:82μm、
飽和磁化:90emu/g、比表面積:0.11m2/g、粒径分
布:150mesh〜250mesh。
【0097】又、前記の方法によってオゾン分解能を測
定したところ、磁性粒子層を通過した空気中のオゾン濃
度は85ppmであり、磁性粒子層により100ppmのオゾンの
うち15ppmのオゾンが分解された。
【0098】前記特性の磁性粉を比較例1の改造機の磁
気ブラシ帯電装置20に組み込み比較例1と同様の条件で
5000コピーを行ない、その時の磁気ブラシ帯電装置20の
直上のオゾン濃度を測定したところオゾン濃度は0.010p
pmであった。
【0099】これを比較例1の場合と同様に、前記高温
高湿環境下に1夜放置し、放置後複写を再開したときオ
ゾンボケの発生が観察された。
【0100】(比較例3)本比較例では磁気ブラシ帯電
用磁性粒子として、γ-ヘマタイト(haematite)である
磁性粒子(粒子3)が用いられた。
【0101】〔用いた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:1010ohm・cm、体積平均粒径:61μm、
飽和磁化:74emu/g、比表面積:0.22m2/g、粒径分
布:200mesh〜350mesh。
【0102】又、磁性粒子のオゾン分解能を前記の方法
により測定したところ、磁性粒子層を通過した空気中の
オゾン濃度は75ppmであり、100ppmのうち25ppmのオゾン
が前記磁性粒子層により分解された。
【0103】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なった結果、5000コピー後の磁気ブラシ帯電装
置20の直上のオゾン濃度は0.007ppmであり、かつ、前記
高温高湿環境下に1夜放置後の像形成で比較例1と同様
のオゾンボケが観察された。
【0104】(比較例4)本比較例では磁気ブラシ帯電
用磁性粒子として(CuO)0.235・(ZnO)0.235・(Fe2O3)
0.53に相当する各金属酸化物を水媒体中でボールミルを
用いて粉砕、混合し、乾燥して900℃で5時間仮焼成
後、再度ボールミルを用いて粉砕し、適当量のポリビニ
ルアルコールを加えて粘度を調整した後、200℃の乾燥
炉に噴霧するスプレードライ法で造粒し、1150℃で12時
間焼成し、篩分けして、ほぼ原材料組成に等しい組成の
球形フェライト粒子(粒子4)を得た。
【0105】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:5×108ohm・cm、体積平均粒径:79μ
m、飽和磁化:65emu/g、比表面積:0.18m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh。
【0106】又、磁性粒子のオゾン分解能を前記の方法
により測定したところ、磁性粒子層を通過した空気中の
オゾン濃度は65ppmであり、100ppmのうち35ppmのオゾン
が前記磁性粒子層により分解された。
【0107】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なった結果、5000コピー後の磁気ブラシ帯電装
置20の直上のオゾン濃度は0.003ppmであり、かつ、前記
高温高湿環境下に1夜放置後の像形成で比較例1の場合
に比してオゾンボケがかなりの程度軽減しているものの
皆無ではないことが観察された。
【0108】(実施例1)比較例2で用いられた球形マ
グネタイト粒子(粒子2)232gを0.1Mの硝酸銀水溶液
100mlに混合撹拌し、これに1Mの苛性ソーダ水溶液を
徐々に加えてpHを12.1に調整した。得られた沈殿物を
濾集し、充分に水洗,風乾後超小型ロータリーキルン型
電気炉内で空気雰囲気中250℃で0.5時間焼成し、本実施
例の磁性粒子(粒子5)を得た。
【0109】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:5×106ohm・cm、体積平均粒径:82μ
m、飽和磁化:89emu/g、比表面積:0.32m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する4d金属の含
有率:0.33atom%。
【0110】また磁性粒子のオゾン分解能を前記の方法
(但し、ここでは試料質量を30gから5g、導入する10
0ppmのオゾン含有空気の流速を0.15l/minから1.5l/
minに変更した)により測定したところ、磁性粒子層を
通過した空気中のオゾン濃度は12ppmであり、100ppmの
うち88ppmは前記磁性粒子層により分解された。
【0111】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なった結果、5000コピー後の磁気ブラシ帯電装
置20の直上のオゾン濃度が0.001ppm以下であり、かつ1
夜放置後の像形成でオゾンボケが全く発生していなかっ
た。
【0112】(実施例2)本実施例では硝酸ニッケル,
硝酸第二鉄(Fe(NO3)3)をモル比で1:2含有する混合水
溶液に更にモル比で0.02の硝酸銀を加えて溶解するとと
もにポリビニルアルコールを加えて粘度を調整した。こ
の溶液を200℃の乾燥炉に噴霧して乾燥、造粒する。得
られた粒子を電気炉を用いて1200℃で12時間焼成し、篩
分けしての本実施例のフェライト粒子(粒子6)を得
た。
【0113】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:8×107ohm・cm、体積平均粒径:80μ
m、飽和磁化:45emu/g、比表面積:0.24m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する4d金属の含
有率:0.66atom%。
【0114】また磁性粒子のオゾン分解能を前記の方法
により測定したところ、磁性粒子層を通過した空気中の
オゾン濃度は13ppmであり、磁性粒子層により100ppmの
うち87ppmのオゾンが分解された。
【0115】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生がみられなかった。
【0116】(実施例3)MnO、ZnO、Fe2O3の0.23:0.2
3:0.54のモル比の混合物を水媒体中でボールミルを用
いて粉砕,混合後、乾燥して900℃で6時間仮焼成し
た。これをアトマイザーで粗粉砕したもの485gに適量
の水を加え、アトライターを用いて、平均粒径1.2μmに
湿式粉砕する。これに酢酸銀1.34gとポリビニルアルコ
ールを適宜加えてアトライター粉砕を追加後、実施例2
と同様にして本実施例の磁性粒子(粒子7)を得た。
【0117】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:5×107ohm・cm、体積平均粒径:79μ
m、比表面積:0.22m2/g、粒径分布:150mesh〜250mes
h、全金属に対する4d金属の含有率:0.13atom%。
【0118】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は13ppmであり、100ppmのうち87p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0119】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0120】(実施例4)酢酸銀に代えて11.0gの炭酸
銀を用いた以外は実施例3と同様にして本実施例の磁性
粒子(粒子8)を得た。
【0121】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:4×106ohm・cm、体積平均粒径:81μ
m、比表面積:0.20m2/g、粒径分布:150mesh〜250mes
h、全金属に対する4d金属の含有率:1.3atom%。
【0122】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は15ppmであり、100ppmのうち85p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0123】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0124】(実施例5)パラジウム金属にして1.06g
(0.01mol)を含有する硝酸パラジウム水溶液50mlを比
較例4の球形フェライト245gに加えて撹拌しつつ乾燥
空気を送って乾燥する。得られた磁性粒子を超小型ロー
タリーキルン型電気炉を用いて800℃で2時間加熱す
る。常温に戻してからガラス管に充填し暫時水素気流を
通じて本実施例の磁性粒子(粒子9)を得た。
【0125】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:6×105ohm・cm、体積平均粒径:80μ
m、飽和磁化:64emu/g、比表面積:0.21m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する4d金属の含
有率:0.33atom%。
【0126】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は10ppmであり、100ppmのうち90p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0127】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度が0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0128】(実施例6)CuO0.235,ZnO0.235,(Fe
2O3)0.53の組成の球形フェライトをそれぞれの金属の酸
化物の0.235:0.235:0.53のモル比の混合物から比較例
4と同様の混合−仮焼成粉砕−スプレードライ造粒−焼
成の工程によって製造するに際してモル比にして0.02の
硝酸パラジウムを該混合物に添加した。(粒子10)。
【0129】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:7×105ohm・cm、体積平均粒径:78μ
m、飽和磁化:64emu/g、比表面積:18m2/g、粒径分
布:150mesh〜250mesh、全金属に対する4d金属の含有
率:1.3atom%。
【0130】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は7ppmであり、100ppmのうち93p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0131】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0132】(実施例7)比較例4の球形フェライトを
アトマイザーで粗粉砕したもの490gに適量の水を加
え、アトライターを用いて平均粒径1.2μmに湿式粉砕す
る。これに結着剤としてポリビニルアルコールを加えさ
らに三塩化ロジウム三水塩(RhCl3・3H2O)2.63gを加
えて後、更にアトライター粉砕を追加する。得られたス
ラリーを上記スプレードライ法によって造粒し、電気炉
を用いて700℃、6時間焼成し、篩分けして粒子11を得
た。
【0133】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:2×106ohm・cm、体積平均粒径:81μ
m、飽和磁化:65emu/g、比表面積:0.28m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する4d金属の含
有率:0.16atom%。
【0134】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は6ppmであり、100ppmのうち94p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0135】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0136】(実施例8)比較例4の球形フェライトを
製造する途中の仮焼成物をアトマイザーで粗粉砕したも
の490gに、適量の水を加え、アトライターを用いて平
均粒径1.2μmに湿式粉砕する。これに結着剤としてポリ
ビニルアルコールを適宜加えるとともに塩化モリブデン
(III)(MoCl3・3H2O)5.13gを加え、95℃に加熱、撹
拌しつつアンモニアガスを通ずる。得られたスラリーに
更に2時間のアトライター粉砕を追加し、上記スプレー
ドライ法によって造粒する。600℃で2時間焼成し、篩
分けして本実施例の磁性粒子(粒子12)を得た。
【0137】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:8×108ohm・cm、体積平均粒径:78μ
m、飽和磁化:64emu/g、比表面積:0.30m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する4d金属の含
有率:0.33atom%。
【0138】また磁性粒子のオゾン分解能を標準的な方
法(試料質量30gに100ppmのオゾン含有空気を0.15l/m
inの流速で導入)により測定したところ、磁性粒子層を
通過した空気中のオゾン濃度は18ppmであり、100ppmの
うち82ppmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0139】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppmであり、かつ前記
高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケの発
生は見られなかった。
【0140】(実施例9)実施例6の硝酸パラジウムに
替えて0.05モルの酸化ジルコニウム(ZrO2)を用いた以
外は同様にして本実施例の磁性粒子(粒子13)を得た。
【0141】原子吸光分析によって原料酸化ジルコニウ
ムはジルコニウム+ハフニウムに対して2.5%atmのハフ
ニウムを含んでいることが確認された。
【0142】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:9×108ohm・cm、体積平均粒径:81μ
m、飽和磁化:63emu/g、比表面積:0.18m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する4d+5d金
属の含有率:3.2atom%。
【0143】また磁性粒子のオゾン分解能を前記標準的
な方法により測定したところ、磁性粒子層を通過した空
気中のオゾン濃度が28ppmであり、100ppmのうち72ppmの
オゾンが磁性粒子層により分解された。
【0144】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度が0.001ppmであり、かつ前記
高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケの発
生は見られなかった。
【0145】(実施例10)塩化金酸(HAuCl4)の0.02M
水溶液100mlを比較例2で用いたマグネタイト463gに加
えて1時間撹拌する。極小型のロータリーキルン型電気
炉を用いて空気を送りながら550℃で1時間、更に同一
温度で水素ガスを通じて10分間焼成し、本実施例の磁性
粒子(粒子14)を得た。
【0146】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:2×105ohm・cm、体積平均粒径:82μ
m、飽和磁化:88emu/g、比表面積:0.12m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する5d金属の含
有率:0.033atom%。
【0147】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は15ppmであり、100ppmのうち85p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0148】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度が0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0149】(実施例11)実施例10の塩化金酸水溶液に
替えて塩化白金酸(H2PtCl6)の0.02M水溶液100mlを用
いた以外は実施例10と全く同様にして本実施例の磁性粒
子(粒子15)を得た。
【0150】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:2×105ohm・cm、体積平均粒径:82μ
m、飽和磁化:88emu/g、比表面積:0.13m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する5d金属の含
有率:0.33atom%。
【0151】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は6ppmであり、100ppmのうち94p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0152】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0153】(実施例12)比較例3で用いたγ-ヘマタ
イトをアトマイザーで粗粉砕したもの319gに適量の水
を加え、アトライターを用いて平均粒径1.0μmに湿式粉
砕した。これに結着剤としてポリビニルアルコールを加
えると共に塩化白金酸(H2PtCl6・6H2O)1.04gを加え
て、更にアトライター粉砕を追加した。得られたスラリ
ーを常法に従ってスプレードライ法により造粒した。70
0℃で3時間焼成して得られた粒子を篩分けし、本実施
例の磁性粒子(粒子16)を得た。
【0154】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:6×108ohm・cm、体積平均粒径:59μ
m、飽和磁化:74emu/g、比表面積:0.55m2/g、粒径
分布:200mesh〜350mesh、全金属に対する5d金属の含
有率:0.50atom%。
【0155】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は7ppmであり、100ppmのうち93p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0156】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0157】(実施例13)比較例4の球形フェライトを
製造する途中の仮焼成物をアトマイザーで粗粉砕したも
の490gに適量の水を加え、アトライターを用いて平均
粒径1.1μmに湿式粉砕する。これに結着剤としてポリビ
ニルアルコールを適宜加えると共に白金黒0.39gを加え
る。更に2時間のアトライター粉砕を追加し、常法に従
ってスプレードライ法によって造粒し900℃で2時間焼
成する。これを篩分けして、本実施例の磁性粒子(粒子
17)を得た。
【0158】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:8×106ohm・cm、体積平均粒径:81μ
m、飽和磁化:64emu/g、比表面積:0.22m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する5d金属の含
有率:0.033atom%。
【0159】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は8ppmであり、100ppmのうち92p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0160】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0161】(実施例14)(Li2O)0.25(Fe2O3)1.25で表
されるフェライトをアトマイザーで粗粉砕したもの414
gを実施例12と同様に処理して篩分けし、本実施例の磁
性粒子(粒子18)を得た。
【0162】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:4×108ohm・cm、体積平均粒径:46μ
m、飽和磁化:61emu/g、比表面積:0.52m2/g、粒径
分布:350mesh〜450mesh、全金属に対する5d金属の含
有率:0.034atom%。
【0163】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は6ppmであり、100ppmのうち94p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0164】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度が0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0165】(実施例15)実施例13の白金黒に代えて4.
48gの酸化イリジウム(IrO2) を用い焼成湿度を1250℃
に変えた以外は実施例13と同様にして本実施例の磁性粒
子(粒子19)を得た。
【0166】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:2×107ohm・cm、体積平均粒径:99μ
m、飽和磁化:62emu/g、比表面積:0.18m2/g、粒径
分布:100mesh〜200mesh、全金属に対する5d金属の含
有率:0.033atom%。
【0167】また磁性粒子のオゾン分解能を実施例1と
同様の方法により測定したところ、磁性粒子層を通過し
た空気中のオゾン濃度は8ppmであり、100ppmのうち92p
pmのオゾンが磁性粒子層により分解された。
【0168】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度が0.001ppm以下であり、かつ
前記高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケ
の発生は全く見られなかった。
【0169】(実施例16)実施例13の白金黒に代えて、
タングステン酸(H2WO4・H2O)5.36gを用い実施例13と
同様にして本実施例の磁性粒子(粒子20)を得た。
【0170】〔得られた磁性粒子の特性〕 見かけの比抵抗:8×108ohm・cm、体積平均粒径:76μ
m、飽和磁化:61emu/g、比表面積:0.20m2/g、粒径
分布:150mesh〜250mesh、全金属に対する5d金属の含
有率:0.33atom%。
【0171】また磁性粒子のオゾン分解能を前記標準的
な方法(試料質量30gに100ppmのオゾン含有空気を0.15
l/minの流速で導入)により測定したところ、磁性粒
子層を通過した空気中のオゾン濃度は48ppmであり、100
ppmのうち52ppmのオゾンが磁性粒子層により分解され
た。
【0172】この磁性粒子を用いて比較例1と同様のテ
ストを行なったところ、5000コピー後の磁気ブラシ帯電
装置20の直上のオゾン濃度は0.002ppmであり、かつ前記
高温高湿環境下に1夜放置後の像形成でオゾンボケの発
生は見られなかった。
【0173】以上の比較例及び実施例の結果から、本発
明の磁性粒子を用いた磁気ブラシ帯電では、オゾンボケ
の発生が極めて少ないか、または全く見られず、比較例
の磁性粒子を用いた場合、オゾンボケにより画質が悪化
し、良質の画像が得られないことが理解される。
【0174】(実施例17〜22及び比較例5〜7)表1に
は、種々の磁性粒子を充填した図1の磁気ブラシ帯電装
置20をU−BIX 3035複写機(コニカ(株)社製)にそ
の通常の帯電装置に代えて装着し、前記磁気ブラシ帯電
装置20を用いて放電開始電圧VTHを測定した結果と帯電
むら及びオゾンボケを評価した結果を示した。
【0175】前記放電開始電圧VTHの測定および前記帯
電むら及びオゾンボケの評価において、前記磁気ブラシ
帯電装置20の動作条件は、像形成体10の周速を240mm/s
ec、スリーブ22の回転数を500rpmとし、該スリーブ22の
回転方向を像形成体10に対して順方向とし、磁気ブラシ
と像形成体10のニップ幅を3mmとした。またスリーブ22
と像形成体10との間隔Dを0.75mmとし、磁石ローラ23は
N,S交互の4極から成るものとし、スリーブ22表面の
磁束密度は900ガウスとした。
【0176】なお前記複写機には、像形成体10として、
80mmφのAlドラム上に0.1μm厚のポリアミド下引層、ブ
チラール樹脂中にアゾ系電荷発生物質(CGM)を分散
含有する電荷発生層(CGL)及びポリカーボネート樹
脂中にスチリルアミン系電荷輸送物質(CTM)を含有
する電荷輸送層(CTL)をこの順に積層して成る負帯
電性有機感光体ドラムを搭載した。
【0177】まず実写に先立ち放電開始電圧VTHの測定
を行なった。
【0178】前記複写機の像形成体10と磁気ブラシ帯電
装置20のみを作動させ、他の像形成装置を不作動とし、
かつ印加電圧として直流電圧のみを印加し、前記帯電装
置の動作条件下で像形成体上に接触帯電を行なうように
した。
【0179】まず磁気ブラシ帯電装置20の直後に図1の
電位測定装置60のプローブ61を配置し、像形成体10を回
転させながら磁気ブラシに逓増する負の直流電圧を印加
して接触帯電を行ない、像形成体面上の表面電位変化を
レコーダー64で記録した。
【0180】その結果直流電圧が放電開始電圧に到着す
る迄像形成体上の表面電位は検出されないが、放電開始
以降は直流電圧の上昇と共に直線的に上昇する表面電位
が検出され、かくして放電開始電圧VTHが得られた。
【0181】つぎに、前記磁気ブラシ帯電装置20の磁気
ブラシに、直流電圧として一定電圧−700Vを、交流電
圧として周波数が2kHZ、そのVP-P値が表1に示すよう
な値に設定された電圧を印加し,各実施例毎に、30℃、
相対温度80%の高温高湿環境下で1万回の像形成テスト
を行ない、さらに前記高温高湿環境下に1夜放置した
後、再び像形成を行ない、帯電むら及びオゾンボケの評
価を行なった。
【0182】表1の帯電むら及びオゾンボケの評価基準
は以下のようである。
【0183】即ち、帯電むらは原稿画像上の反射光学濃
度(O.D.)1.3のベタ黒部に対応した複写画像上の欠陥
を画像解析装置「RT−2000」(ヤーマン社製)で解析
し、またオゾンボケは原稿画像上のO.D. 0.3のハーフト
ーン部に対応した複写画像上の欠陥を同様にして解析し
て、下記評価基準に基づき「○」、「△」、「×」に評
価した。なお測定は複写画像上の100μm×100μmの微小
部分の濃度を100点(データ数100)取るように実施し
た。
【0184】帯電むらの評価基準 「○」・・・100のデータの平均濃度が1.2以上で、かつ
100のデータの標準偏差が0.2以下 「△」・・・100のデータの平均濃度が1.2以上で、かつ
100のデータの標準偏差が0.2を越えて0.3以下 「×」・・・100のデータの平均濃度が1.2未満又は標準
偏差が0.3を越える オゾンボケの評価基準 「○」・・・ハーフトーン部平均濃度が0.2〜0.4で、か
つ標準偏差が0.2以下 「△」・・・ハーフトーン部平均濃度が0.2〜0.4で、か
つ標準偏差が0.2を越えて0.3以下 「×」・・・平均濃度0.2未満か、0.4を越えるか、又は
標準偏差が0.3を越える
【0185】
【表1】
【0186】表1から、本発明の磁性粒子を用いた磁気
ブラシ帯電では帯電むらやオゾンボケの発生がないが、
比較用磁性粒子を用いた場合、顕著な帯電むらやオゾン
ボケの発生が見られることが理解される。
【0187】
【発明の効果】オゾン発生が少なく、極めて安定した均
一帯電を付与することができる電子写真複写機、プリン
タ等の静電画像形成を行なうための画像形成装置とそれ
に用いる磁気ブラシ帯電法用磁性粒子の製造方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ブラシ帯電法に用いられる帯電装
置の一例を示す断面図。
【図2】本発明に係る磁気ブラシ帯電装置を備えた画像
形成装置の構成の概要を示す断面図。
【符号の説明】
10 像形成体 12 露光系 20 磁気ブラシ帯電装置 21 磁性粒子 22 スリーブ 23 磁石ローラ 24 磁気ブラシ帯電部材 25 ケーシング 29 電源 30 現像器 50 クリーニング装置 60 電位測定装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−13445(JP,A) 特開 昭64−28236(JP,A) 特開 昭64−28234(JP,A) 特開 昭64−28233(JP,A) 特開 平4−345170(JP,A) 特開 平5−88415(JP,A) 特開 昭59−228664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像形成体と、磁性粒子を含有してなる磁
    気ブラシに直流電圧と交流電圧を重畳印加し、該磁気ブ
    ラシを像形成体に対して移動摺擦させることにより前記
    像形成体の帯電を行なう磁気ブラシ帯電法による帯電手
    段と、非磁性トナーと磁性キャリアから成る二成分現像
    剤が収容されている現像器を含む画像形成装置におい
    て、前記帯電手段の磁気ブラシ帯電法用磁性粒子が、
    dまたは5d金属を含有し下記一般式で表される化合物
    を主成分とするフェライトからなり、4dまたは5d金
    属の酸化物の酸素原子1個当たりの標準生成エンタルピ
    ーの絶対値が酸化第2鉄(Fe 2 O 3 )の酸素原子1個当た
    りの標準生成エンタルピーの絶対値と同等またはそれよ
    り小さい値を持ち、かつ、体積平均粒径が20〜200
    μm、飽和磁化は20〜200emu/g、見かけの比
    抵抗が10 3 〜10 10 ohm・cmである磁気ブラシ帯
    電法用磁性粒子であることを特徴とする画像形成装置。 一般式:(MO)X・(Fe2O3)1-X または [(M2O)1/2(Fe
    2O3)1/2]X(2Fe2O3)1-X但し、式中のMは安定にフェライ
    トを形成する金属原子であり、またX≦0.6である。
  2. 【請求項2】 前記4dまたは5d金属が、Mo、Tc、R
    u、Rh、Pd、Ag、Cd、W、Os、Ir、Pt、Au、Hgの何れか
    であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気ブラシ帯電法用磁性
    粒子の製造方法であって、3価の鉄化合物を含む金属化
    合物の混合物を焼成する工程を経て得られたフェライト
    を粉砕し、該粉砕物に4dまたは5d金属の単体または
    化合物またはその溶液または分散液を混合した後、造
    粒、焼成することを特徴とする磁気ブラシ帯電法用磁性
    粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の磁気ブラシ帯電法用磁性
    粒子の製造方法であって、3価の鉄化合物を含む金属化
    合物の混合物を焼成する工程を経て造粒されたフェライ
    トに、4dまたは5d金属の単体または化合物またはそ
    の溶液または分散液を付着あるいは混合し、乾燥または
    焼成の少なくとも何れかを行うことを特徴とする磁気ブ
    ラシ帯電法用磁性粒子の製造方法。
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