JP3352885B2 - チタン薄板およびその製造方法 - Google Patents
チタン薄板およびその製造方法Info
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Description
の接触により発生する焼き付き等による表面疵を防止す
るための耐疵付き性に優れたチタン薄板およびその製造
方法に関するものである。特にロール成形した後、突き
合わせ部をTIG溶接する溶接チタン管では、溶接部の
健全性を維持するために、ロール成形の際に潤滑剤を使
用できないことから、素材であるチタン薄板自体に耐疵
付き性が求められている。
(社)チタニウム協会編 日刊工業新聞社発行 199
2年 180頁に、『処理温度が850℃以上にて良好
な耐摩耗性を有する。』と記載されているように公知で
あるが、この処理は、最終製品の形状となったものに対
して行なわれてきた。その例として、特開平1−108
83号公報では、チタン合金板を鍵の形状に成形した
後、約850℃にて窒化処理し、耐摩耗性に優れたチタ
ンキーが得られることを示している。一方、この窒化処
理は、ロール成形加工を前提とするチタン薄板に適用す
ると、窒化層が厚すぎるため、曲げ加工時に表面が割れ
る等の欠点がある。
は、チタン合金線材を450〜750℃の温度域で酸化
処理した後、潤滑処理することにより焼き付きなく伸線
できることを示している。一方、この酸化処理は、不均
一な青色が表層に生じるため、溶接管用チタン薄板に適
用した場合、ロール成形加工後に着色部の除去が必要に
なるという欠点がある。
は、チタン板を特定の圧延油を用いて冷延した後、油分
を若干残存させ、非酸化性雰囲気で焼鈍することによ
り、TiCを主成分とする表面硬化層を形成し、耐疵付
き性が向上するとしている。一方、この方法は、洗浄液
の洗浄能力に依存して油分を残存させるため、品質が安
定しにくいという欠点がある。
がなく、不均一な青色の着色がなく、品質が安定しやす
い特徴を有し、工具との耐焼き付き性に優れた皮膜を有
するチタン薄板およびその製造方法の提供を課題とす
る。
決するために、以下の構成を要旨とする。すなわち、 表面に0.1μm以上、1.0μm以下の厚さの窒化
チタン層を有し、その下層に窒素の拡散層を有すること
を特徴とするチタン薄板である。また、好ましくは、
表面に0.3μm以上、0.7μm以下の厚さの窒化チ
タン層を有し、その下層に窒素の拡散層を有することを
特徴とするチタン薄板である。さらに、チタンを窒化
雰囲気中にて550℃以上、700℃以下の温度にて加
熱することを特徴とする上記またはのチタン薄板の
製造方法である。また好ましくは、冷延されたままの
チタンを窒化雰囲気中にて加熱温度が600℃以上、7
00℃以下の温度にて加熱することを特徴とする上記
またはのチタン薄板の製造方法である。
0μm以下の厚さの窒化チタン層を有するとしたのは、
窒化チタン層が0.1μm未満では、工具との焼き付き
性の改善が十分とは言えず、また、窒化チタン層が1.
0μm超となると黄金色に着色すること、およびその下
層の窒素の拡散層が約16μm以上と厚く成長し、加工
性が劣化するためである。また、その下層に窒素の拡散
層を有するとしたのは、この層が窒化チタン層の下に存
在することにより、工具との焼き付き性の改善に効果が
あるからである。
さは0.3μm以上、0.7μm以下にすることが好ま
しい。すなわち、窒化チタン層が0.3μm以上から溶
接チタン管のロール成形に十分な耐焼き付き性を示すか
らであり、また窒化チタンが0.7μm以下であれば、
溶接チタン管に多用される0.5mm厚さのチタン板に対
して加工性の劣化が無視できるからである。
550℃以上、700℃以下の温度にて加熱するのは、
まず窒化雰囲気中での加熱により、窒化チタン層とその
下層に窒素の拡散層を形成できるからである。さらに、
550℃未満では、窒化反応が緩慢なため長時間を要す
るからであり、一方、700℃超では、窒化反応が活発
となるため短時間にする必要があり、そのため連続焼鈍
設備を通板することになるが、この場合酸化反応を抑制
し、窒化反応を生じさせるための雰囲気制御が、極めて
困難となるからである。また、この方法により形成され
た窒化チタンは、X線回折による同定分析の結果から、
主にTi2 Nからなることを確認した。
を用いるのが好ましい。すなわち、窒化により焼鈍も同
時に実施できるからである。さらに、冷延されたままの
チタン板は、焼鈍されたチタン板と比較して、窒化の進
行がやや速く、焼鈍時間を短縮できるからである。この
理由として、冷延ままのチタン材は転位を媒介としたチ
タン原子と窒素原子の双方の拡散係数が大きくなるため
と考えられる。さらに加熱温度を600℃以上としたの
は、600℃未満では、冷延まま材の加工性回復に必要
な再結晶が十分に生じないためである。
で、チタンを十分に洗浄し、炉内と導入窒素ガス中の不
純分を制御すれば、極めて安定した品質で製造できる。
コイルを準備した。このコイルをバッチ式真空焼鈍炉を
用いて、真空引き後、窒化雰囲気中にて、表1に示す各
種加熱温度と加熱時間条件にて窒化し、コイルをスリッ
トしてフープとし、溶接管を製造し、ロール疵発生の有
無により耐焼き付き性を評価した。また、加工性を密着
曲げにより評価した。さらに着色有無の評価も行なっ
た。以上の結果も表1に併せて示す。
製品とするフープで、焼き付き疵が発生するレベルにま
でスクイズロールの圧下を大きくして製造を行なった。
焼き付き疵が発生しなかったものを○、焼き付き疵がA
r雰囲気中で焼鈍したフープを用いた場合よりも低減し
たものを△、焼き付き疵がAr雰囲気中で焼鈍したフー
プを用いた場合なみに発生したものを×とした。密着曲
げは、割れのないものを○、わずかでも割れたものを×
とし、また、オレンジピールの激しかったものも×とし
た。着色は、着色のないものを○、ごく薄く金色がかっ
たものを△、黄金色に着色したものを×とした。
洗済みのチタンコイルを窒素雰囲気中にて550℃、5
時間加熱したものであり、その表層には、0.1μmの
厚さの窒化チタン層がある。造管は、焼き付き疵が低減
し、密着曲げは割れがなく、着色は無かった。
の冷延・酸洗済みのコイル(未焼鈍材)を用いて試験し
た結果である。600℃、5時間加熱したものであり、
その表面には0.3μmの厚さの窒化チタン層がある。
造管は、焼き付き疵がなく、密着曲げは割れがなく、着
色もなかった。
1〜13に用いた焼鈍・酸洗済のコイルを、不活性雰囲
気中で焼鈍したコイルに代えても、表1と同様の結果と
なった。また、表1のNo.5に用いた圧延・酸洗済
(未焼鈍)のコイルを圧延後洗浄したコイルに代えて
も、表1と同様の結果となった。
0μm以下の厚さの窒化チタン層を有する場合、また、
好ましくは、表面に0.3μm以上、0.7μm以下の
厚さの窒化チタン層を有する場合、本発明の課題に対し
て、総合的に優れたチタン薄板となりうる。
を窒化雰囲気中にて加熱温度が550℃以上、700℃
以下の温度にて加熱することにより得られ、好ましく
は、冷延されたままのチタンを窒化雰囲気中にて加熱温
度が600℃以上、700℃以下の温度にて加熱するこ
とにより焼鈍工程と兼ねることができる。
がなく、安定した品質にて、ロール成形等の加工の際に
優れた耐焼き付き性を示すチタン薄板を提供できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 表面に0.1μm以上、1.0μm以下
の厚さの窒化チタン層を有し、その下層に窒素の拡散層
を有することを特徴とするチタン薄板。 - 【請求項2】 チタンを窒化雰囲気中にて、550℃以
上、700℃以下の温度にて加熱することを特徴とする
請求項1記載のチタン薄板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22021796A JP3352885B2 (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | チタン薄板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP22021796A JP3352885B2 (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | チタン薄板およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1060620A JPH1060620A (ja) | 1998-03-03 |
JP3352885B2 true JP3352885B2 (ja) | 2002-12-03 |
Family
ID=16747722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP22021796A Expired - Fee Related JP3352885B2 (ja) | 1996-08-21 | 1996-08-21 | チタン薄板およびその製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3352885B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104520455B (zh) * | 2012-08-14 | 2017-02-22 | 新日铁住金株式会社 | 钛薄板 |
-
1996
- 1996-08-21 JP JP22021796A patent/JP3352885B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH1060620A (ja) | 1998-03-03 |
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