JPH07268598A - 防眩性の優れたチタン板およびその製造方法 - Google Patents

防眩性の優れたチタン板およびその製造方法

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JPH07268598A
JPH07268598A JP6398794A JP6398794A JPH07268598A JP H07268598 A JPH07268598 A JP H07268598A JP 6398794 A JP6398794 A JP 6398794A JP 6398794 A JP6398794 A JP 6398794A JP H07268598 A JPH07268598 A JP H07268598A
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oxygen
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titanium plate
oxidizing atmosphere
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JP6398794A
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Hirobumi Yoshimura
博文 吉村
Isamu Takayama
勇 高山
Kazuhiro Takahashi
一浩 高橋
Kinichi Kimura
欽一 木村
Naoaki Harada
尚明 原田
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Nippon Steel Corp
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Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防眩性に優れたチタン板を製造する方法の提
供を目的とする。 【構成】 表面に400〜1200オングストローム厚
さの酸化皮膜を有し、かつ表面粗度Raが0.9μm以
上であるチタン板。チタン板の最終焼鈍工程において、
板表面に400〜1200オングストローム厚さの酸化
皮膜を生成させ、しかるのちダルロール圧延によって表
面粗度Raを0.9μm以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、チタン板の表面に酸化
皮膜を生成させ、しかるのち、これに凹凸を付与するこ
とにより防眩性を向上させたチタン板およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チタンは、耐食性に優れ、特に雨水、海
水に対しては腐食しない特性であることから、最近、特
に建築材料の屋根、外壁などの外装材に多く使用されは
じめている。この外装材には、外気、雨などによる腐食
を防止するための耐食性の他に建物が眩しくなるなどの
美観上の点から、防眩性が要求されるようになってき
た。このための従来の方法としては、チタン板に単に、
凹凸を付与(ダル化)する場合、あるいは、酸洗などに
よって溶削による表面の凹凸化などが提案されてきた。
しかしながら、前者の単なるロール圧延によるダル化で
は、どうしても金属光沢が残存し防眩性を充分に確保す
ることはむずかしい。また、酸洗法による溶削による表
面の凹凸化は、かなりの防眩性が得られるものの材料表
面を溶削、破棄するために材料の歩留を低減させ経済的
に好ましくない欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のよう
な不都合な方法を行うことなく、チタン板の最終焼鈍工
程において簡便な処理で表面に酸化皮膜を生成させ、し
かるのち表面を凹凸にして防眩性を向上させることを目
的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、チタン板
の防眩性を向上させるために種々の検討を行った結果、
以下の知見を見出した。 (1)通常のチタンの金属光沢を有した材料に、ダルロ
ール圧延による凹凸を単に付与しても、充分なる防眩性
は得られない。 (2)チタンの冷間圧延板の焼鈍過程において酸化雰囲
気処理することにより、材料表面に均一で緻密な酸化皮
膜を所定厚さ付与すれば、表面が着色して光沢が減じ、
防眩性が向上する。 (3)表面酸化皮膜の厚さが400オングストロームか
ら着色しはじめて黄色を呈し、酸化膜厚さが増すにつれ
その効果は向上し、1200オングストロームで必要と
する防眩性は充分得られる。 (4)酸化皮膜を付与すると表層部がやや硬化し、内部
との硬度差を生ずるのでこれをダルロールにて圧延する
と通常よりも表面がより凹凸化し、従来の方法によるよ
うな金属光沢は呈さず、防眩性の優れた材料が得られ
る。
【0005】本発明は、上記知見に基づいたものであ
り、その要旨とするところは以下の通りである。 (1)チタン板の最終焼鈍工程において、板表面に40
0/1200オングストローム厚さの酸化皮膜を生成さ
せる。 (2)酸化雰囲気は、バッチ式の焼鈍方法の場合におい
ては、焼鈍後の冷却過程においてその雰囲気を大気、ま
たは不活性ガスに0.1〜20%の酸素を含む混合ガス
とすることが望ましい。 (3)前記(1)記載の方法を連続焼鈍方式で行う場合
は、酸化雰囲気を0.01〜0.1%の酸素を含む混合
ガス中で600〜800℃で行うのが望ましい。 なお、ここで言う酸化皮膜の厚さとは、表面の酸素富化
層の内、酸素濃度が原子%にて2%以上である層の厚さ
と定めた。また、防眩性を表わす指標として、光沢度
(JIS−Z−8741による)をもって示し目標を1
50%以下とした。以下、本発明を詳細に説明する。対
象となるチタン板は、工業用純チタンJIS(H460
0)1〜3種相当の材料、またそれらにPdを添加した
材料あるいはTi−3Al−2.5V、Ti−15V−
3Cr−3Sn−3Alなどの加工性の優れたチタン合
金など、外装材に供されるあらゆる種類の材料である。
また、製造履歴については特に限定されないが、従来の
方法で冷間圧延された板に適用することができる。
【0006】焼鈍条件については、バッチ式焼鈍方式で
はその雰囲気は焼鈍時に酸化皮膜を生成しない無酸化雰
囲気として、通常実施されている真空あるいはアルゴ
ン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気であれば良い。温
度、時間については特に限定するものではなく、材料が
再結晶する条件であれば良い。
【0007】冷却過程の酸化雰囲気中で冷却開始する温
度範囲に関しては、300℃未満では目的とする厚さの
酸化皮膜を付与できないので、また600℃を超えると
目的とする酸化皮膜による着色が飽和しかつ不均一とな
るので、600〜300℃の温度範囲とした。酸化雰囲
気については、大気、あるいは不活性ガスに酸素を含む
混合ガスが望ましく、混合ガス中の酸素濃度は0.1%
未満では目的とする厚さの酸化皮膜を付与できないの
で、また20%を超えると目的とする酸化皮膜付与の制
御が困難になりかつ不均一となるので、0.1〜20%
の酸素濃度範囲が望ましい。
【0008】前記焼鈍からの冷却過程で前記酸化雰囲気
中で冷却する具体的方法については特に限定するもので
はなく、コイルまたは切板状のチタン板をバッチ式焼鈍
炉で無酸化雰囲気焼鈍した後、その冷却過程で該チタン
板を炉外に出す、あるいは炉内を大気雰囲気または酸素
と不活性ガスの混合ガス雰囲気に置換すれば良い。さら
に、これら酸化雰囲気に置換する場合に、炉内を一旦真
空にした後置換すれば、目的とする酸化皮膜をより一層
均一に付与することができる。
【0009】一方、チタンコイルを連続焼鈍する場合に
は、雰囲気を0.01〜0.1%の酸素と不活性ガスの
混合ガスとして、かつ、温度を600〜800℃で行
い、冷却する過程において行うことにより、目的とする
ものが得られる。また、焼鈍を目的としないで、焼鈍板
に酸化皮膜のみを付与することもできる。
【0010】表面の酸化皮膜厚さについては、400オ
ングストローム未満では充分な防眩性が得られないため
に、400オングストローム以上とした。酸化皮膜が厚
くなるほど防眩性は向上するのでその上限は特に限定さ
れないが、1200オングストロームからその効果は飽
和する傾向がある。
【0011】続いて、ダルロール圧延法によって、この
表面酸化した材料を圧延すると、着色されて、しかも表
層部がやや硬化し、内部は軟かいことによって、その表
層と内部との硬度差によって表面の凹凸が良く付与さ
れ、光の乱反射によって金属光沢が減じ防眩性が著しく
向上する。その凹凸は、表面粗度Raで、0.9μm以
上である。このように、チタン板の表面に酸化皮膜を付
与し、しかるのち、ダルロール圧延法によって表面に凹
凸をつけることにより防眩性の優れたチタン板が得られ
る。
【0012】
【実施例】
〔実施例1〕工業用純チタンJIS1種相当の板厚0.
4mmの冷間圧延板を用いて、まず、バッチ式の焼鈍にお
いて真空中で630℃で8時間焼鈍した後、その冷却過
程において種々の温度から大気中で冷却、すなわち脱炉
することにより酸化皮膜を生成させた後、該チタン板を
ダルロールによって圧延し、表面に凹凸を付与した。そ
のときの、表面粗度Raと光沢度を調べた。その結果を
表1に示す。
【0013】表1から、冷却開始温度が600〜300
℃の範囲にて、表面皮膜厚さが400オングストローム
以上1200オングストローム間で、防眩性は著しく向
上する。
【0014】
【表1】
【0015】〔実施例2〕工業用純チタンJIS1種相
当の板厚0.5mmの冷間圧延した切板を用いて、アルゴ
ンガス中で650℃で3時間焼鈍し、次いでその冷却過
程における種々の温度から、炉内を100Torr以下に減
圧後種々の酸素濃度のアルゴンガスに炉内を置換して冷
却することにより酸化皮膜を生成させた。しかるのちダ
ルロール圧延法によって表面に凹凸を付与した。そのと
きの表面粗度Raと光沢度を調べた。その結果を表2に
示す。表2から、冷却開始温度が600〜300℃の範
囲にて、かつArガス中の酸素濃度が0.1〜20%の
範囲で、表面皮膜厚さが400オングストローム以上に
なると粗度も0.9μm以上となり光沢度は150%以
下となって、防眩性は著しく向上する。
【0016】
【表2】
【0017】〔実施例3〕工業用純チタンJIS1種相
当の板厚0.4mmの冷延コイルを連続焼鈍方式で行うこ
ととし、750℃で焼鈍後、冷却する過程において雰囲
気を不活性ガス中に酸素を0.01,0.05,0.1
%において行った。しかるのち、ダルロールにて表面に
凹凸を付与して表面粗度と光沢度を調べた。その結果を
表3に示す。連続焼鈍方法においても所定の酸化皮膜が
得られ、かつダルロール圧延によるダル化によって防眩
性は向上する。
【0018】
【表3】
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、従来のような不効率な
方法を行うことなく、チタン板の最終焼鈍において簡便
な処理を施すことのみで防眩性が格段に向上し、その工
業的効果は著しい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木村 欽一 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内 (72)発明者 原田 尚明 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に400〜1200オングストロー
    ム厚さの酸化皮膜を有し、かつ表面粗度Raが0.9μ
    m以上であることを特徴とする防眩性の優れたチタン
    板。
  2. 【請求項2】 チタン板の最終焼鈍工程において、板表
    面に400〜1200オングストローム厚さの酸化皮膜
    を生成させ、しかるのちダルロール圧延によって表面粗
    度Raを0.9μm以上とすることを特徴とする防眩性
    の優れたチタン板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項2記載の最終焼鈍工程が、無
    酸化雰囲気中で所定の焼鈍温度に加熱し、引き続き該加
    熱温度からの冷却過程において、600〜300℃の温
    度範囲から該チタン板を酸化雰囲気中で冷却し、該酸化
    雰囲気を大気とする焼鈍工程であることを特徴とする防
    眩性の優れたチタン板の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記請求項2記載の最終焼鈍工程が、無
    酸化雰囲気中で所定の焼鈍温度に加熱し、引き続き該加
    熱温度からの冷却過程において600〜300℃の温度
    範囲から該チタン板を酸化雰囲気中で冷却し、該酸化雰
    囲気を不活性ガスに0.1〜20%の酸素を含む混合ガ
    スとする焼鈍工程であることを特徴とする防眩性の優れ
    たチタン板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記請求項2記載の最終焼鈍工程が、雰
    囲気を0.01〜0.1%の酸素を含む混合ガスとする
    600〜800℃加熱の連続焼鈍工程であることを特徴
    とする防眩性の優れたチタン板の製造方法。
JP6398794A 1994-03-31 1994-03-31 防眩性の優れたチタン板およびその製造方法 Withdrawn JPH07268598A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007262498A (ja) * 2006-03-28 2007-10-11 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 発色を制御したチタン合金ボルトおよびナット
WO2018181140A1 (ja) * 2017-03-27 2018-10-04 Ntn株式会社 機械部品及び表面処理方法
WO2019124265A1 (ja) * 2017-12-20 2019-06-27 Ntn株式会社 機械部品及び機械部品の製造方法
JP2019108604A (ja) * 2017-12-20 2019-07-04 Ntn株式会社 機械部品の製造方法
JP2020204082A (ja) * 2019-06-19 2020-12-24 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用セパレータ材の製造方法

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