JP2004115876A - 成形性及び潤滑性に優れたチタン材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】チタン材の表層において、窒素、酸素、炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さにて1〜8mass%で5μm深さにて0.2mass%の範囲にするものである。効率的な製造方法として、冷間圧延後に酸素濃度と露点を規定した窒素ガス雰囲気中で所定の温度範囲にて焼鈍するものである。更に、より効率的な方法としてコイルなどを用いて連続的に焼鈍するものである。これにより、摩擦係数が低く潤滑性に優れ且つエリクセン値が高く成形性にも優れたチタン材を得ることができる。上記製造方法によって、窒素、酸素、炭素の総和が上記範囲内となる表面の形成と冷間圧延後の焼鈍を同時に達成することができる。
【選択図】 図4
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイスやポンチ及びロールなどの成形工具やその他接触物との潤滑性に優れ、且つ張り出し、深絞り、曲げ、押し広げなどの成形性に優れたチタン材とその製造方法に関する。ここで、潤滑性とは接触対象物とチタン材との間で摩擦係数が小さくチタン材に疵が生じにくいことである。成形性とは成形限界が高いことである。
【0002】
【従来の技術】
チタン薄板や線材などは冷間圧延などの冷間加工後に、スケールを生じさせないために真空或いはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気にて焼鈍されるか、大気中で焼鈍した後に酸洗によって脱スケールされるのが一般的な製造方法である。したがって、通常のチタン材は、真空或いはアルゴンなどの不活性ガス雰囲気で熱処理された表面か、酸洗された表面である。チタンはこのままの表面では他の金属に比べ反応性が高いために金属製の成形工具など焼き付きが生じやすくチタン材表面を疵付ける。そのためチタンとの親和性の低い銅合金製の成形工具の使用や、チタンの成形に適した潤滑剤の選定、更にはその塗布頻度の増加などが行われてきた。その一方でチタン側の表面に種々皮膜を形成する方法も検討されてきた。
【0003】
成形時の潤滑性を高める方法として、陽極酸化や酸化性雰囲気中の加熱によって酸化膜を付与することが一般的であり、特に深絞り加工において効果があることが知られている。陽極酸化処理は酸化皮膜の密着性に課題があり、密着性を高めるため電解液組成や電解電圧を適正に制御する必要があるとともに、陽極酸化処理の前後で熱処理を施す手段もとられる。加えて母材チタン表面の付着物などの影響が形成される酸化皮膜厚さに大きく影響することから洗浄と均一化を兼ねて前処理として酸洗などを付与するケースが多い。このように陽極酸化は工程が複雑である。
【0004】
また酸化性雰囲気中での加熱はチタンと酸素の反応が急激なため高温で実施すると厚い硬質層が形成されて成形時の割れの起点となるため、500℃前後の低温で長時間処理する方法が適している。そのため焼鈍処理後に改めて加熱酸化処理を施す必要があり効率的ではない。
【0005】
非特許文献1の「焼付きを防止した純チタン板の多段深絞り加工」において、陽極酸化皮膜と大気酸化皮膜の他に窒化皮膜の多段深絞り加工における限界絞り段数を評価しており効果があることが記載されている。深絞り成形ではチタンの高いr値に由来して材料そのものの成形限界はもともと高いことから、それを阻害する第一の要因が工具との焼き付きであり皮膜の形成は効果がある。
【0006】
焼鈍時に窒化層を同時に形成させる方法として、特許文献1の「チタン薄板およびその製造方法」と特許文献2の「成形加工用チタン薄板とその製造方法」がある。これらは各々0.1〜1.0μm、0.5〜5.0μmの窒化チタン層を有し耐疵付き性に優れているものである。
【0007】
次に窒素雰囲気で焼鈍する方法として、特許文献3の「チタンおよびチタン合金ストリップの連続焼鈍方法」は、酸素濃度が30〜100ppmのアルゴンガスまたは窒素ガス、またはアルゴンと窒素の混合ガス中で加熱温度650〜750℃の焼鈍を実施することにより、表面に酸化物や窒化物を生成せずに酸素や窒素が固溶した硬質層を形成することによって表面が疵付きにくくなるものである。
【0008】
特許文献4の「金属チタンの熱処理方法」は、露点が−30℃以下で酸素濃度が700ppm以下の窒素ガス雰囲気にて600〜800℃の温度で5分以下保持し、その後同じ窒素ガス雰囲気で300℃以下まで冷却することによって酸化皮膜厚みを500Åより薄くして着色のないチタンを製造するものである。
【0009】
【特許文献1】
特開平10−60620号公報
【特許文献2】
特開平10−204609号公報
【特許文献3】
特開昭56−116863号公報
【特許文献4】
特開昭63−60269号公報
【非特許文献1】
社団法人日本金属学会2002年発行の「まてりあ」第41巻第7号467〜472ページ
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
非特許文献1に記載の方法では、窒化皮膜も大気酸化皮膜と同様に窒素の侵入によって硬質層が形成されることから、板が流れ込む深絞りとは異なり表面が延ばされる張り出し成形においては、この硬質層が割れの起点となり成形性に不利に作用する場合が顕在化する。そのため加熱温度や時間及び雰囲気を適正に制御する必要があり、特に焼鈍と同時に窒化皮膜を付与する場合には窒素以外にチタン表面の残存油分や雰囲気中からの酸素や炭素の侵入も制御する必要があり先行技術では成し得ない。
【0011】
特許文献1、2に記載の方法では、550〜700℃数時間も保持することでチタン内部まで窒素が侵入し厚い硬質層が形成される。この硬質層が張り出しなどの成形時に割れの起点となり、特に板厚が0.5mm前後と薄い場合には硬質層の影響が顕著になり成形限界を低下させる場合があった。また数時間といった長い熱処理時間であるため窒素以外にも硬化に寄与する酸素や炭素も深く侵入し母材の延性をも低下させてしまう場合があった。更に長時間の熱処理のため生産性を高めることが難しい。
【0012】
特許文献3に記載の方法では、硬さによって疵付きにくさは得られるものの表面が酸化物や窒化物で覆われていないため、反応性の高い金属チタン(酸素や窒素がチタン中に固溶した層)と成形工具の金属同士の接触が起きるため焼き付きが発生し潤滑性には必ずしも有効に作用しない。
【0013】
特許文献4に記載の方法では、酸化皮膜厚みによってのみ条件範囲を規定しており、雰囲気ガスの大半を占める窒素と冷間圧延油の残存物から持ち込まれる炭素の影響や、ましてや潤滑性や成形性については示唆する記載がない。したがって、当該発明の製造条件にて表層には窒素、酸素、炭素が必ず濃化することから、これらの濃化層が如何に潤滑性や成形性へ影響するかがプレス成形などの二次加工性にとって重要であることを鑑みると、当該発明の製造条件では潤滑性と成形性を両立したチタン材を必ずしも成し得ない。
【0014】
以上の従来技術は、酸化や窒化を個別に実施したものであり、疵付きにくさやr値の高いチタンにとって有利な深絞り加工では有効であったが、表面が延ばされる張り出し成形及び張り出し過程を含む成形では表層材質の差異が顕在化することから必ずしも有効ではないという課題を有していた。これは、張り出し成形性も高めるためには熱処理にて表層に濃化する窒素、酸素、炭素の全てを制御する必要があるが従来技術では各々を個別に取り入れたものであり、上記の従来技術を単に組み合わせただけ容易に改善されない。また決して効率的な方法ではないという課題も有していた。
【0015】
そこで本発明は、前記した従来技術の課題を鑑みて、張り出し成形性も高めるために表層の窒素、酸素、炭素の全てを制御した成形性と潤滑性に優れたチタン材とその効率的な製造方法を提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
このような目的に応えるべく本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下のような本発明の成形性及び潤滑性に優れたチタン材及びその製造方法を成すに至った。
【0017】
チタン材として以下の特徴を有するものである。
(1) チタン材の表層において、窒素と酸素と炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜8mass%、5μm深さで0.2mass%以下である表層を有することを特徴とする成形性及び潤滑性に優れたチタン材。
(2) 表面から0.5μm深さにおける元素濃度がチタンの次に窒素が高いことを特徴とする上記(1)の成形性及び潤滑性に優れたチタン材。
【0018】
ここで、表層に含まれる元素のうち窒素、酸素、炭素以外にも水素やフッ素が検出される場合があるが、工業的な製造方法では水素やフッ素の含有量は少なく且つ硬化への寄与が小さいことから、窒素、酸素、炭素以外に水素やフッ素などを不可避的に含むことを制限するものではない。
【0019】
上記(1)、(2)に記載のチタン材の効率的な製造方法として、
(3) 冷間圧延後、酸素濃度が350ppm以下で露点が−30℃以下の窒素ガス雰囲気中にて750〜835℃で保持して焼鈍することを特徴とする(1)又は(2)の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
(4) 冷間圧延後、酸素濃度が100ppm以下で露点が−40℃以下の窒素ガス雰囲気中にて800〜830℃で保持して焼鈍することを特徴とする(1)又は(2)の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
(5) 冷間圧延後、酸素濃度が350ppm以下で露点が−30℃以下の窒素ガス雰囲気中にて750〜835℃で300秒以下保持して焼鈍することを特徴とする(1)又は(2)の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
(6) 冷間圧延後、酸素濃度が100ppm以下で露点が−40℃以下の窒素ガス雰囲気中にて800〜830℃で180秒以下保持して焼鈍することを特徴とする(1)又は(2)の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
(7) (3)〜(6)の焼鈍を連続的に実施することを特徴とする成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
【0020】
ここで窒素ガス雰囲気中の水素濃度は不可避的に含まれる程度が好ましいがチタンへ水素が侵入して材質を劣化させない場合には特に規制するものではない。また焼鈍後の冷却方法として、焼鈍雰囲気と同一のガス、或いは一般的にはArなどの不活性ガスによるガスフローが好ましいが特に制限するものではない。
【0021】
冷間圧延後には、焼鈍を実施する前に圧延油を洗浄するためにアルカリ水溶液や溶剤などへの浸漬或いは電解などの一般的な洗浄工程を実施するのが好ましいが、洗浄の実施やその方法は特に限定しない。更に一般的に焼鈍後には形状や材質を調整するための矯正や軽加工を実施する場合があるが、その条件や方法に関しては、プレス成形などの次工程にて問題が無ければ本発明において特に制限するものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
図1〜3ににグロー放電発光分光分析(略称GDS)によって得た3種類の工業用純チタンJIS1種板(以降、略称チタン板)の表面から深さ方向のTi,N,O,C,H濃度(mass%)の変化を示す。図1〜3の(b)は各々(a)の縦軸スケールを変えた図である。図1は本発明の実施例であるチタン板、図2は冷間圧延後にアルカリ洗浄してアルゴン雰囲気にて焼鈍したチタン板(以降、アルゴン雰囲気焼鈍仕上げ)、図3は硝フッ酸水溶液にて表面を溶削して仕上げたチタン板(以降、硝フッ酸酸洗仕上げ)のGDSの結果である。
【0023】
アルゴン雰囲気焼鈍仕上げと硝フッ酸酸洗仕上げの両者はチタンの一般的な製造方法であり代表的な表面である。アルゴン雰囲気焼鈍はチタンを酸化させることなく焼鈍する方法で、真空中にて焼鈍した場合とその表面が変わらないことから真空とアルゴン雰囲気を併用する場合もある。硝フッ酸酸洗は大気熱処理で生成したスケールを除去するため或いは表面に微細な凹凸を形成させるためにチタン表面を溶削する手段である。
【0024】
ここでGDSはJOBIN YVON社製(仏)JY5000RF−PSS型を用いて、分析元素Ti,N,O,C,H、放電範囲直径4mm、分析時間300秒、サンプリング時間0.25秒にて実施した。アルゴンガスにてスパッタリングしておりスパッタリング速度は工業用純チタンJIS1種を200秒間スパッタリングした後の深さを実測して求め、そのスパッタリング速度とスパッタリング時間より測定時の表面からの深さ(μm)を求め図示した。またチタン板はアセトン溶液中で30秒間超音波洗浄した後、冷風乾燥したものを分析した。
【0025】
また図4に図1〜3に示した3種類のチタン板の摩擦係数を示す。摩擦係数は短冊形状のチタン板を工具鋼SKD11にて一定荷重100kgfで挟み込んだ状態から引き抜いたときの引き抜き荷重より求めた。潤滑状態はチタン板表面に何も塗布しなかった場合(無潤滑)と、プレス成形用の水溶性潤滑油を塗布した場合(プレス成形用潤滑油)の2条件である。
【0026】
図1〜3に示すように、本発明(図1)は他のアルゴン焼鈍仕上げ(図2)と硝フッ酸酸洗仕上げ(図3)と比べ表層部の窒素,酸素及び炭素の濃度が高く、特に窒素の濃度が高い。またアルゴン焼鈍仕上げ(図2(b))は硝フッ酸酸洗仕上げ(図3(b))と比べ0.5μm深さにてC濃度が高い。これらのプレス成形用潤滑油での摩擦係数は、図4に示すように、アルゴン焼鈍仕上げで0.3弱、硝フッ酸酸洗仕上げで0.9であるのに比べ、本発明の実施例は0.1未満と低い。また無潤滑での摩擦係数も同様にアルゴン焼鈍仕上げで0.75、硝フッ酸酸洗仕上げで2.5超であるのに比べ、本発明の実施例は0.2未満と低い。このように表層部の窒素,酸素及び炭素の濃度が高い表面にすることにより摩擦係数を極めて低く潤滑性に優れることを見いだした。
【0027】
表層部の窒素,酸素及び炭素の濃度が高い表面にすることによって摩擦係数を低くできるが、この窒素,酸素及び炭素の濃化層は硬質層であり延性が低く張り出しなどの成形性に悪い影響を与える場合がある。従って、摩擦係数が低く潤滑性に優れるが成形性が低下する場合があることから、表面から0.5μm深さと5μm深さにおける窒素,酸素,炭素の濃度総和を規定することよって、潤滑性と成形性がともに優れたチタン材の発明に至った。
【0028】
図5に表面から0.5μm深さと5μm深さにおける窒素,酸素,炭素の濃度総和と摩擦係数とエリクセン値の関係を示す。図5では無潤滑状態における摩擦係数が0.3以下である場合を潤滑性に優れると判定し、エリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍仕上げした場合(つまり表層に窒素,酸素及び炭素の濃化がほとんどない場合)と比べそれ以上である場合を成形性が良いと判定した結果である。図5に示したように、表面から0.5μm深さにおける窒素,酸素,炭素の濃度総和が、1mass%未満では摩擦係数が0.3超と高く、8mass%超ではエリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍した場合未満となる。また表面から5μm深さにおける窒素,酸素,炭素の濃度総和が0.2mass%超になるとエリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍した場合未満となる。一方、窒素,酸素,炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜8mass%、5μm深さで0.2mass%以下の領域とすることによって、摩擦係数が0.3以下で且つエリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍した場合以上となり潤滑性と成形性ともに優れることから、本発明の(1)の範囲とした。好ましくは摩擦係数が0.3以下で且つエリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍した場合よりも高くなることから、窒素,酸素,炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜6.5mass%、且つ5μm深さで0.15mass%以下とする。窒素,酸素,炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで3mass%以上とするとさらに好ましい。
【0029】
特に表層の窒素が高い場合には、引き抜き試験後のチタン材側とダイスの工具鋼SKD11側の両方とも表面に疵が付きにくかったことから、窒素が高い場合が好ましく、本発明の(2)において表面から0.5μm深さにおける元素濃度がチタンの次に窒素が高いこととした。その一例が、図1のGDSの結果である。
【0030】
また本発明にて表層の窒素が高いものは、チタン材表面の薄膜X線回折の結果、チタン窒化物であるTi2NやTiN,TiN0.26が存在する。ここで薄膜X線回折はCuKα線、入射角1度で実施したものでチタン材表面深さにおいて約0.5μmまでの物質情報であることから、本発明にて窒素、酸素、炭素の固溶層の上部に約0.5μmの極浅いチタン窒化物層が存在するものがある。これによって工具と金属チタンとの直接的な接触が抑制されるため、潤滑性が高く表面が疵付きにくくなる効果を更に向上していると考えられる。但し、張り出し成形性を示すエリクセン値を低下させないためには、チタン窒化物層の下部に存在する窒素をはじめとした酸素、炭素の固溶層の延性を確保することも重要であり、そのことから本発明では0.5μm深さでの窒素、酸素、炭素の濃度総和の規定に加えて、更に5μm深さでも該濃度総和を規定する。
【0031】
ここで表面から0.5μm深さと5.0μm深さの窒素,酸素,炭素の濃度総和は、図1〜3に示したようなGDSによる濃度分布測定の結果より、各々の深さにおいて窒素濃度と酸素濃度と炭素濃度の三つを加算した値を用いた。また、図5は純チタンJIS1種で厚み0.5mmの板の例である。その他のチタン材においても同様な効果が得られる。
【0032】
また、窒素、酸素、炭素がピーク状に極端に濃化した部位が存在する場合には、これらの濃度が不連続な部分が成形時に割れの起点になり易くなることから、本発明の(1)と(2)において、好ましくは表面からチタン内部に向けて連続的に窒素、酸素、炭素の元素濃度が減少している表層を有するものとする。図1は連続的に窒素、酸素、炭素の元素濃度が減少する好ましい場合の一例である。但し、表面に付着した汚れなどによって窒素、酸素、炭素の濃化ピークが生じるような場合はチタンの材質特性に影響しないことから、上記のようなピーク状の極端な濃化として取り扱わない。
【0033】
次に、窒素,酸素,炭素が濃化した成形性と潤滑性に優れた表面の形成と冷間圧延後の焼鈍を同時に可能にするといった効率的な製法方法、つまり焼鈍時に窒素,酸素,炭素の濃化した表層を形成する方法、について説明する。
【0034】
窒素,酸素,炭素の濃化状態は焼鈍時の雰囲気、温度、時間によって異なるため、これらを規定した。
【0035】
まず雰囲気は真空中或いはアルゴンやヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中の酸素濃度と露点を制御して、酸素を主とした濃化層を形成する方法がある。しかしながら、加工が加わったチタンを焼鈍する温度域においては高温であるため酸素とチタンの反応が激しく、本発明(1)と(2)の表層を形成するためには酸素濃度と露点を厳格に制御する必要があり工業的に難しい。そこで高温でのチタンとの反応性が酸素よりも緩い窒素ガス雰囲気とすることによって比較的広範囲な酸素濃度と露点において本発明(1)と(2)の表層が得られることから、本発明の(3)〜(7)では窒素ガス雰囲気とした。ここで酸素濃度が350ppm超又は露点が−30℃超の場合には表面から0.5μm深さの窒素,酸素,炭素の濃度総和が8mass%超となりエリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍した場合よりも低くなることから、本発明では焼鈍時の窒素ガス雰囲気中における酸素濃度を350ppm以下、露点を−30℃以下とした。好ましくは、窒素,酸素,炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜6.5mass%、5μm深さで0.15mass%以下となりエリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍した場合よりも高くなることから、本発明では焼鈍時の窒素ガス雰囲気中における酸素濃度を100ppm以下、露点を−40℃以下とした。ここで窒素ガス雰囲気中の水素濃度は不可避的に含まれる程度が好ましいがチタンへ水素が侵入して材質を劣化させない場合には特に規制するものではない。好ましくは窒素ガス雰囲気中の水素濃度は1%以下である。
【0036】
次に温度の影響について説明する。図6に示すように750〜835℃の温度域において窒素ガス雰囲気中で焼鈍したもの(図6の◆)は窒素,酸素,炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜8mass%、5μm深さで0.2mass%以下となり、エリクセン値が真空雰囲気で焼鈍したもの(図6の○)以上となる。一方、750℃未満の温度では窒素,酸素,炭素の侵入が少なく0.5μm深さでの窒素,酸素,炭素の濃度総和が1mass%未満となり無潤滑での摩擦係数が0.3超となる。835℃超になると摩擦係数は0.3以下と低いものの温度が高いため窒素,酸素,炭素がチタン中へ多く侵入して、これらの濃度総和が0.5μm深さで8mass%超或いは5μm深さで0.2mass%超となりエリクセン値が低下する。
【0037】
また750〜835℃の温度域においても保持時間が300秒超になると窒素,酸素,炭素がチタン中へ多く侵入して、これら濃度総和が表面から0.5μm深さで8mass%超或いは5μm深さで0.2mass%超となりエリクセン値が低下する。
【0038】
以上のことから、本発明の(3)において750〜835℃で保持し焼鈍すること更に本発明の(5)では300秒以下保持して焼鈍することとした。好ましくは、窒素,酸素,炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜6.5mass%、5μm深さで0.15mass%以下となりエリクセン値が真空又はアルゴン雰囲気で焼鈍した場合よりも高くなることから、本発明の(4)では800〜830℃で保持し焼鈍すること更に本発明の(6)では180秒以下保持して焼鈍することとした。図6に示すように真空中で焼鈍したものに比べ窒素ガス雰囲気で焼鈍したものの方が、摩擦係数が低く潤滑性が高いためエリクセン試験での材料の流れ込みが良くなりエリクセン値が高くなる。
【0039】
ここで図6のチタン材は酸素濃度49ppmで露点−41℃の窒素ガス雰囲気で30秒保持して焼鈍したものである。エリクセン値はプレス成形用の水溶性潤滑油を塗布した厚さ0.5mmで90mm角の工業用チタンJIS1種板を用いて、しわ押さえ力1トンにてエリクセン試験を実施した値である。
【0040】
上述のように、本発明(1)と(2)の窒素,酸素,炭素が濃化した成形性と潤滑性に優れたチタン材を効率的に製法方法するため、本発明(3)と(5)、好ましくは本発明(4)と(6)の雰囲気(ガス、酸素濃度、露点)、温度、時間に規定することとした。
【0041】
更に焼鈍方法として、ステンレス鋼などのBA処理に用いられているような炉内雰囲気を制御できる連続焼鈍設備にて、本発明の(3)〜(6)の条件でチタン材を連続的に焼鈍することによっても本発明の窒素,酸素,炭素が濃化した成形性と潤滑性に優れたチタン材を得ることができる。従って、より効率的な本発明の製造方法として本発明の(7)ではチタン材の焼鈍を連続的に実施することができる。
【0042】
ここでチタン中へ侵入させる窒素,酸素,炭素の供給源として、焼鈍時の雰囲気中に存在するものの他に、チタン材の表面に残存していた冷間圧延油成分や吸着していた元素などがある。工業的に実施されている冷間圧延肌或いはそれにアルカリ洗浄を施した状態において本発明(3)〜(7)の条件にて焼鈍することによって上述の効果を得ることができ、この冷間圧延後に焼鈍するといった方法が最も簡単で効率的である。しかしながら、冷間圧延後に研削や酸洗のような手段で表面の冷間圧延油を除去した後に新たに窒素,酸素,炭素の供給源となるものを塗布するなどの工程を付加して本発明(3)〜(7)の条件にて焼鈍を実施しても、その効果は変わらない。
【0043】
チタン合金においても本発明の効果は変わらないことから、本発明は工業用純チタンに限定するものではない。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明の効果を説明する。
表1、2に、冷間圧延したチタン材を焼鈍する際の雰囲気(ガス、酸素濃度、露点)、保持温度、保持時間を、焼鈍したチタンにおける表面から0.5μm深さと5μm深さでの窒素,酸素,炭素の各々の濃度とこれらの総和、摩擦係数(無潤滑、プレス成形用潤滑剤使用)、エリクセン値(プレス成形用潤滑剤使用)を示す。一部、大気中にて焼鈍したものは、その後に脱スケールのためにソルト酸洗処理を施したものを評価した。また焼鈍後に更に真空中で熱処理を施したものを評価した。表1、2のアンダーライン箇所は、その項目が本発明の範囲外であることを示す。
【0045】
ここで焼鈍に用いたチタン材は、熱間圧延後に脱スケールした厚さ3.5mmの工業用純チタンJIS1種ストリップを用いて、センジミア圧延機にて厚さ0.5mmまで冷間圧延した後にアルカリ洗浄したものである。化学成分は熱間圧延後に脱スケールした材料を分析した結果、酸素0.045mass%、窒素0.005mass%、炭素0.004mass%であった。
【0046】
表1、2の表面から0.5μm深さと5μm深さでの窒素,酸素,炭素の各々の濃度とこれらの総和はGDSの結果より、摩擦係数は引き抜き試験より、エリクセン値はプレス成形用潤滑剤を使用したエリクセン試験より、各々求めた。詳細な分析及び試験条件は上述と同じである。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
表1、2に示したように、表面から0.5μm深さと5μm深さでの窒素,酸素,炭素の各々の濃度や濃度総和が本発明(1)や(2)の範囲内である実施例No.2〜5,8〜11、13〜17,32,33,34,36は無潤滑での摩擦係数が0.3以下と低く潤滑性に優れエリクセン値も11mm以上と成形性にも優れている。更に表面から0.5μm深さと5μm深さでの窒素,酸素,炭素の濃度総和が各々より好ましい範囲である1〜6.5mass%と0.15mass%以下である実施例No.4,5,8,9,10,14,15,33は無潤滑での摩擦係数が低いうえにエリクセン値が11.2mm超と更に高い。
【0050】
一方、表面から0.5μm深さと5μm深さでの窒素,酸素,炭素の濃度総和が本発明(1)や(2)の範囲から外れる比較例No.1,6,7,12,18,19,20〜31,35,37は、無潤滑での摩擦係数が0.3超と高かったり、摩擦係数が0.3以下と低くともエリクセン値が11.0mm未満と低かったりする。特に真空中或いはアルゴン中で焼鈍したNo.20〜28,31やソルト酸洗したNo.30は表面から0.5μm深さでの窒素,酸素,炭素の濃度総和が0.46以下と低いために摩擦係数が無潤滑で0.69以上、プレス成形用潤滑剤を使用しても0.25以上と実施例であるNo.2〜5,8〜11、13〜17に比べ非常に高い。
【0051】
ここで実施例であるNo.3〜5、8〜11、13〜17、32〜34、36は表面の薄膜X線回折にてチタン窒化物であるTi2NやTiN,TiN0.26のピークが検出された。
【0052】
次に焼鈍条件の影響について説明する。表1、2に示したように、焼鈍温度が700℃と低い比較例No.1は表面から0.5μm深さでの窒素,酸素,炭素の濃度総和が0.90と1mass%未満と低く無潤滑での摩擦係数が0.3超と高い。840,860℃と高い比較例No.6とNo.7は表面から0.5μm深さでの窒素,酸素,炭素の濃度総和が8mass%超と高く、更にNo.7では5μm深さでの濃度総和が0.22mass%と高いことから、無潤滑での摩擦係数は0.3以下と低いものの同じ温度と時間にて真空中で焼鈍したNo.25とNo.26とエリクセン値を比較すると同等以下の値であり成形性の向上が見られない。
【0053】
これに対して、本発明(3)及び(5)の焼鈍条件の範囲である実施例No.2〜5,8〜11、13〜17,32,33は窒素,酸素,炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜8mass%、5μm深さで2mass%以下の範囲内に制御することができ、その結果、無潤滑での摩擦係数が0.3以下と低く潤滑性に優れエリクセン値も11mm以上と成形性にも優れている。更に本発明(4)及び(6)の焼鈍条件の範囲である実施例No.4,5,8,9,10,14,15,33は表面から0.5μm深さと5μm深さでの窒素,酸素,炭素の濃度総和が各々より好ましい範囲である1〜6.5mass%と0.15mass%以下に制御することができ、その結果、無潤滑での摩擦係数が低いうえにエリクセン値が11.2mm超と更に高い。
【0054】
実施例のNo.32とNo.33は、冷間圧延したチタン製ストリップを前後にアンコイラーとコイラーが設置されている工業生産用の連続ラインにおいてアルカリ洗浄した後に連続焼鈍した実施例であり、優れた成形性と潤滑性を示す。
【0055】
No.34とNo.35はNo.4を、No.36とNo.37はNo.10を、更に真空中で500℃と550℃の熱処理を施したものでチタン母材部へと窒素,酸素,炭素が拡散したためこれらの元素濃度は表面から0.5μm深さにおいては減少し、5μm深さにおいては増加する傾向にある。その結果、表層部の窒素,酸素,炭素の濃度総和が本発明の範囲内である実施例No.34とNo.36はエリクセン値が11mmと成形性に優れているが、比較例No.35とNo.37は表面から5μm深さにおける窒素,酸素,炭素の濃度総和が0.2mass%超と高くなりエリクセン値が10.5mm以下と低い。また無潤滑での摩擦係数はNo.34〜37ともに0.3以下と低い。
【0056】
ここでチタン中へ侵入している窒素,酸素,炭素の供給源は、焼鈍時の雰囲気中に存在するものの他に、チタン材の表面に残存していた冷間圧延油成分や吸着していた元素などである。
【0057】
また表1、2に示したチタン板は、形状や材質を調整するために一般的に実施される矯正を施しても上述の効果は変わらなかった。
【0058】
以上、工業用純チタンの実施例を示したがチタン合金においても変わらない効果が得られる。
【0059】
【発明の効果】
以上のように、チタン材の表面から0.5μm深さと5μm深さにおける窒素、酸素、炭素の濃度総和を所定範囲内にすることによって、摩擦係数が低くて潤滑性に優れ且つエリクセン値が高く成形性も優れたチタン材を提供できる。また窒素,酸素,炭素が所定範囲内に濃化した表面の形成と冷間圧延後の焼鈍を同時に達成する効率的な製造方法として、冷間圧延後に酸素濃度と露点を規定した窒素ガス雰囲気中で所定の温度範囲及び時間範囲にて焼鈍する方法を提供できる。更に、より効率的な方法としてコイルなどを用いて連続的に焼鈍する方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のチタン板の表面から深さ方向のTi,N,O,C,H濃度分布を示す図である。
【図2】アルゴン雰囲気で焼鈍したチタン板の表面から深さ方向のTi,N,O,C,H濃度分布を示す図である。
【図3】硝フッ酸酸洗仕上げしたチタン板の表面から深さ方向のTi,N,O,C,H濃度分布を示す図である。
【図4】図1〜3に示した3種類のチタン板の摩擦係数を示す図である。
【図5】無潤滑での摩擦係数とエリクセン値がともに良好となる、チタン材表面から0.5μm深さと5μm深さにおける窒素,酸素,炭素の濃度総和範囲を示す図である。
【図6】冷間圧延した工業用純チタンJIS1種板を窒素ガス雰囲気中と真空雰囲気中にて種々温度で焼鈍したときのエリクセン値の変化を示す図である。
Claims (7)
- チタン材の表層において、窒素と酸素と炭素の濃度総和が表面から0.5μm深さで1〜8mass%、5μm深さで0.2mass%以下である表層を有することを特徴とする成形性及び潤滑性に優れたチタン材。
- 表面から0.5μm深さにおける元素濃度がチタンの次に窒素が高いことを特徴とする請求項1に記載の成形性及び潤滑性に優れたチタン材。
- 冷間圧延後、酸素濃度が350ppm以下で露点が−30℃以下の窒素ガス雰囲気中にて750〜835℃で保持して焼鈍することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
- 冷間圧延後、酸素濃度が100ppm以下で露点が−40℃以下の窒素ガス雰囲気中にて800〜830℃で保持して焼鈍することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
- 冷間圧延後、酸素濃度が350ppm以下で露点が−30℃以下の窒素ガス雰囲気中にて750〜835℃で300秒以下保持して焼鈍することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
- 冷間圧延後、酸素濃度が100ppm以下で露点が−40℃以下の窒素ガス雰囲気中にて800〜830℃で180秒以下保持して焼鈍することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
- 請求項3乃至6のいずれかに記載の焼鈍を連続的に実施することを特徴とする成形性及び潤滑性に優れたチタン材の製造方法。
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