JP6543981B2 - β型チタン合金板 - Google Patents

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本発明は、型かじりの発生を抑制したβ型チタン合金板に関する。
従来から、チタン合金は熱交換器、溶接管、マフラーなどの二輪排気系など多数の用途で使用されている。中でも、プレート式熱交換器では複雑形状であるために深絞り成形などのプレス加工がなされることから、十分な加工性とともに優れた耐型かじり性が要求される。ただ、チタン材料は化学的に活性であるため、プレス加工を行ったとき、型かじりや焼きつきが起こりやすい、という問題がある。
そこで、例えば特許文献1には、焼き付き防止のため、段落0055に記載のように表面に形成された硬質層を除去した上で、段落0017に記載のように、表面の凹凸の形態を適切化することで保油性を高め、プレス成形時のプレス油の潤滑効果を高めて耐焼付き性を向上させることが記載されている。特許文献2の第3頁目には、加工性に優れたβ組織を得る目的で、Ti−15V−3Cr−3Sn−3Alをβ変態点以上(800℃)で3分間大気中で焼鈍した後に空冷することによって溶体化処理したチタン合金板を、400〜550℃の溶融ソルト中に所定時間浸漬し、2%HFおよび10%NHOの水溶液で2分間酸洗して、表面のスケールを除去することが記載されている。また、特許文献3には、0.5mmの純チタン板の表面に窒素富化層を0.5〜5μm形成して耐焼き付き性を改善する方法が記載されている。
特許第4584341号公報 特許第2774325号公報 特許第3398555号公報
しかし、特許文献1には、前述のように表面の凹凸を制御することにより耐焼き付き性を向上させることが記載されているものの、硬質層を完全に除去しているため、深絞り加工の際には凹凸が潰れてしまい保油性を維持できず、型かじりの発生が否めない。
また、特許文献2には、所定の焼鈍、ソルト処理および酸洗を経ることが記載されているため、ある程度の硬度および膜厚の硬質層が形成されるとも思われる。しかしながら、特許文献2に記載の発明は、表面が平滑で曲がったりしないβ型チタン合金板を提供することを目的としているのであり、耐型かじり性を高めることを目的としていない。そのため、特許文献2に記載のβ型チタン合金は、実施例でソルトへの浸漬時間が1分間となっていることから、ソルトと過剰に反応させていると考えられ、スケールだけでなく表層の硬質層も十分に除去することを目的として製造されており、十分な耐型かじり性を備えているとは言い難い。
さらに、特許文献3に記載の発明では、耐焼き付き性を改善するために窒素富化層を有するものの、膜厚が5μmを超えると着色の問題が発生するため、その膜厚比はせいぜい1%程度に抑えられている。このため、板厚に対して硬質層の膜厚が薄く型かじりに対しては有効ではない。
本発明は、焼きつきや金型かじりを防止するとともにプレス加工などでの成形性も有するβ型チタン板を提供することを課題とする。
チタン材料は化学的に活性な材料であり、プレス加工などでは焼きつきや型かじりが生じやすい問題があった。表面に酸化層や窒化層などを付与して焼きつきなどを防止する方法が検討されている。型かじりは、金型との摺動による材料表層のせん断変形によって生じるものであり、表層を硬くし塑性変形を抑制することで防止できる。型かじりが防止できる理由は、板厚中心の硬度が低いと金型との接触における面圧が低下し表面硬度が高いことによって表面での変形が少ないためである。したがって、表層と中心の硬度に大きな差があれば型かじりを防止するのに有効である。
しかしながら、これまでのβ型チタン合金の表層を硬くする方法は以下の問題があった。β変態温度以下での酸化または窒化処理は、α相の析出に伴い延性が低下する問題があった。一方、β変態温度以上での酸化または窒化処理は厚い化合物層が形成され延性が低下する問題があった。
そこで、本発明者らは、型かじりを防ぐため表面を硬化させて表面の硬さの板厚中心硬さに対する比を大きくし、なおかつ母材の延性も確保する方法を鋭意調査した。その結果、以下の知見が得られた。
(1)表層に特定の厚さの、酸素が固溶した硬質層を形成させることによって型かじりを防止でき、母材の成形性が優れたβ型チタン合金が得られる知見を得た。
(2)すなわち、後述のβ型チタン合金の冷延板において、焼鈍での酸素吸収量とその後の酸洗での溶削量を制御することによって、表層に酸素が固溶した硬質層を形成させる。
(3)この硬質層は、表面から深さ10μmの硬さが板厚中心の硬さの1.2倍以上であり、硬質層厚さは板厚に対して2.0〜10%/片面にする。この硬質層によって、型かじりを防止することが可能となり、硬質層よりさらに硬質な化合物は存在しないため優れた成形性も得られる。
(4)β型チタン合金については、表面近傍の硬質層を薄くするとともに硬度を高くするため、短時間で表面に酸素を吸収させる必要がある。このためには、短時間で高温酸化しやすいように、Vが質量%で14%以上とする必要がある。
(5)さらに、質量%でAlを2.5〜5%、Snを0.5〜4%含有することで優れた時効特性が得られる。さらなるβ相の安定化を図るには、Crを質量で4%以下含有する必要がある。
ここに、本発明は次の通りである。
質量%で、V:14〜25%、Al:2.5〜5%、Sn:0.5〜4%、Cr:4%以下を含有し、残部はTiおよび不純物からなり、表面に硬質層を有し、表面から深さ10μmでの硬さが板厚中心の硬さの1.2倍以上であり、前記硬質層の厚さが板厚の2.0〜10%/片面であることを特徴とするβ型チタン合金板。
本発明において、「表面から深さ10μmでの硬さ」とは、チタン合金板の表面に形成されている硬質層の表面からの深さを表す。
本発明により、金型かじりや焼きつきを防止した優れた加工性を有するβ型チタン合金板を提供することができる。
本発明を詳述する。なお、以下では、「質量%」を単に「%」と記載する。
1.化学組成
・V:14〜25%
Vはβ相を安定化し、室温にて時効処理前の合金組織をβ相単相にするための重要な元素である。高温酸化促進の観点では4%以上であれば十分であるが、14%未満の場合は高温のβ相状態からの水冷などの急冷による溶体化処理の際、マルテンサイト型組織が生じ、冷間加工性を劣化させる。このため14%以上が好ましい。25%を超える場合は、固溶強化による延性の低下に伴い、合金の冷間加工性が著しく劣化する。さらにβ相の安定度が高くなりすぎてα相が析出しにくくなるため、時効処理に要する時間が長くなり、さらに時効処理による強化が十分得られない。好ましくは23%以下である。より好ましくは21%以下である。
・Al:2.5〜5.0%
β合金は最終製品では時効処理による強化が施されるが、その際に十分な強度上昇が得られるために、α相安定化元素のAlを含有する。また、Alは時効処理において脆性なω相析出を抑制しα相の析出を促進させる効果もある。2.5%未満では強度上昇およびω相抑制の効果が十分得られない。5.0%を超える場合はβ相単相の状態で硬くなりすぎてしまい冷間加工性を低下させる。好ましくは4.5%以下である。
・Sn:0.5〜4.0%
Snは上記のAlと同様な作用があるが、Alほど固溶強化能が大きくないため、Alに代わりSnに置き換えることにより、冷間加工性を損なわずに強化することができる。0.5%未満では含有量が少ないため、強化が乏しくなる。4.0%を超える場合は、Alを下限の2.5%としてもβ相単相の状態で硬くなりすぎてしまい冷間加工性を低下させる。
・Cr:4.0%以下
Crは共析反応型の元素であり、β相を安定化させ冷間加工性を確保する上で有効な元素である。しかし、4.0%を超えるとβ相が安定しすぎてα相が析出しにくくなるため、時効処理に要する時間が長くなり、さらに時効処理による強化が十分得られない。好ましくは3.5%以下である。
・O:0.05〜0.15%
Oは固溶強化能力が高い元素である。0.05%未満では強度が不十分である。好ましくは0.06%以上である。一方、0.15%を越えると強度が高くなりすぎて成形加工性を著しく低下させてしまう。好ましくは0.14%以下である。
残部はTiおよび不純物である。
2.硬質層
・表面から深さ10μmの硬さ/板厚中心の硬さが1.2以上
本発明では、表面から深さ10μmの硬さを硬質層の硬さとみなす。表面から深さ10μmの硬さ/板厚中心の硬さが1.2未満、すなわち表面の硬さと板厚中心の硬さが近い値になると面圧が高くなり表面が塑性変形しやすくなるため、型かじりが生じやすくなってしまう。上限値は特に限定されないが、硬質層の硬度が高すぎることによる成形性の劣化を抑制するため、硬さの比が2.0以下であることが好ましい。硬質層の硬度は、面圧を下げて型かじりを抑制する観点から、300HV以上であることが好ましい。
・硬質層の厚さが板厚の2.0〜10%/片面
硬質層の厚さが板厚の10%/片面より厚いと、表層から内部への硬度分布の勾配が小さくなり、型かじりが生じる。よって、上限値は板厚の10%/片面とする。一方、硬質層の厚さが薄すぎると型かじりを抑制するため、下限値は板厚の2.0%/片面とする。硬質層の膜厚はチタン板の板厚にもよるが、10〜100μm程度でよい。
・硬質層の固溶成分の説明
本発明のβ型チタン合金板は表面に硬質層を有する。本発明で規定する硬質層は酸素が固溶した層であることが望ましい。硬質層が「酸素が固溶した」層である理由は以下の通りである。
チタン材は大気中の窒素や炭素と焼鈍にて反応するが、大気中のように十分酸素の分圧が高いときは、酸素との反応が優先するため、窒素や炭素とほとんど反応しない。また、窒素と炭素はα安定化元素であるため、β相であるチタン母相には固溶せず、大気から微量侵入する窒素および炭素はスケールに留まる。このスケールは酸洗により除去されるため、本発明のチタン合金には不可避の不純物としてのみ存在し、表面硬度にほとんど影響しない。
水素はβ型安定化元素で大気焼鈍により周辺の水蒸気などと反応して極表層の硬質層にも固溶するが、スケール直下の表層(〜深さ10μm)は酸素が多量に固溶(濃化)しており、これによって結晶格子が拡張し、水素もこの近傍に濃化する。この焼鈍後の極表層の硬質層は酸化スケールとともに酸洗により除去され、全体として水素含有量は100ppm未満であり、表面硬度および機械的性質にはほぼ影響しない。すなわち、本発明のチタン合金の表面からの板厚方向への硬度分布に強く影響する元素は酸素のみである。
また、硬質層の酸素濃度は、硬質層の硬度を高めて型かじりを抑制する観点から、2.5%以上であることが好ましい。また、酸素濃度が高すぎると加工性が劣化するため、酸素濃度の上限値は5.0%であることが好ましい。
(3)板厚
本発明のチタン板は主に板熱交換器などの用途に利用される。このため、0.3〜1.5mm程度の板厚であればよい。
3.製造方法
(1)熱間圧延、焼鈍、冷間圧延
熱間圧延に供する母材は真空アーク溶解(VAR)もしくは電子ビーム溶解(EBR)にて製造する。得られた鋳塊は必要であれば表面の切削などを行い、800〜1100℃程度に加熱して熱間加工を行う。熱間加工は熱間鍛造、熱間圧延(分塊圧延も含む)をさす。必要に応じて表面切削などを行い、800〜1100℃程度の温度範囲に加熱し、圧下率50%以上の熱間圧延を行い、熱延板を製造する。その後、熱延板を850〜1000℃の範囲で焼鈍し、ショットブラスト、硝ふっ酸酸洗などの従来と同様の酸洗処理を行い、スケールを除去する。そして、圧延率が75〜95%の冷間加工を行い0.3〜1.5mmの冷延板を製造する。
冷間圧延での圧下率は75%以上である。β合金は熱延後に焼鈍すると100μm以上の粗大な結晶粒径となるため、酸洗でスケール除去すると表面が粗くなる。この後の冷間圧延で圧下率を大きくすることで、冷延板の表面の粗さが小さくなる。表面の粗さが小さいと表面の凹凸の低減により大気などの雰囲気の対流が容易となり、酸素との反応が促進する。したがって、圧下率は75%以上である。好ましくは80%以上である。一方、圧下率が高すぎると圧延荷重が増大して圧延が困難となるため、上限は95%とする。
(2)焼鈍
冷延板を焼鈍(熱処理)する温度は、β変態温度以上880℃以下である。β変態温度以上でないとα相が析出し延性が低下するとともに硬化層の硬さが高まらない。また、880℃以下でないと酸素が固溶した硬質層が厚くなってしまい型かじりが発生しやすくなる。
焼鈍時間は、60〜180secである。60secより短いと表層に板厚中央部より1.2倍以上の硬い硬質層が形成されない。一方、180secより長いと硬質層が厚くなり型かじりが発生しやすくなる。焼鈍後の冷却はβ相単相組織が室温でも残留する空冷程度の速度であればよい。
また、水蒸気圧によっては酸素の吸収量が変化するが、大気中または燃焼雰囲気程度の水蒸気濃度であれば前記焼鈍温度、時間内で酸素の吸収量は大きく変化しない。このため、焼鈍は大気中もしくは燃焼雰囲気中で行なえば良い。
(3)ソルト処理、酸洗
焼鈍後はスケールを除去するため、NaOHを主成分としたソルトでスケールを改質し、硝ふっ酸溶液で酸洗する。スケールが存在すると前述の通り延性の低下や金型の摩耗を招くため、スケールは除去する必要がある。
ソルト温度は500〜540℃とすることが望ましい。500℃未満ではスケール残りが生じやすく、金型が摩耗しやすくなってしまう。一方、540℃を超えると、この後の酸洗で表層の硬質層が除去されるとともに硬質層の硬さが低減し、型かじり抑制の効果を失ってしまう。
硝ふっ酸酸洗ではスケールとともに硬質層も溶削するので、酸洗条件の制御によって、表面から深さ10μmでの断面硬さが板厚中央部の断面硬さの1.2倍以上で、硬質層厚さは板厚に対して2.0〜10%以下/片面である硬質層とする必要がある。そのためには、硝酸濃度は5〜10mass%、ふっ酸濃度は0.5〜4.0mass%が好ましい。硝酸濃度が低すぎると、ふっ酸とチタン材との腐食反応が激しくなり表面が粗くなってしまう。一方、硝酸濃度が高すぎると、腐食反応が鈍くなり硬質層の溶削が不十分となる可能性がある。ふっ酸濃度が低すぎると、チタン材との腐食反応が弱まり、硬質層の溶削が不十分となる可能性がある。一方、ふっ酸濃度が高すぎると、硬質層が過剰に除去され、チタン材の腐食反応が激しくなり、表面が粗くなってしまう。また、酸洗中に水素を吸収する恐れがある。
1.製造条件
表1に示す組成のチタン合金を、水冷銅るつぼの消耗電極式真空アーク溶解にて鋳塊を製造し、この鋳塊を800〜1100℃の範囲での熱間鍛造、熱間圧延にてコイルにした後、850〜1000℃の範囲で熱延コイル焼鈍し、ショットブラスト、硝ふっ酸酸洗により脱スケールを行った。これを圧下率が68〜82%の範囲で厚さ1.0または0.8mmまで冷間圧延した後、大気中で焼鈍し、ソルト処理、硝ふっ酸酸洗により脱スケールを行った。冷間圧延後の焼鈍条件、ソルト処理条件、硝ふっ酸酸洗条件は以下の通りである。
・焼鈍条件:燃焼雰囲気中、750〜850℃×30〜900s、β変態温度は約760℃
・ソルト条件:480〜550℃×15s
・硝ふっ酸酸洗:硝酸濃度(6、9、12mass%)、ふっ酸濃度(0.5、2、5mass%)、40℃×60s
2.評価方法
脱スケール後のチタン合金板について、冷間加工性、硬度および型かじりの有無の評価を行った。詳細は以下の通りである。
・冷間圧延後に外観観察により割れが生じなかった場合は「冷間圧延性が良好:○」、割れが生じた場合は「冷間圧延性が悪い:×」と判定した。
・全製造工程を終えた試験材において、マイクロビッカース硬度計にて、荷重25gfで深さ方向の硬度分布を10μmピッチで測定し、表層からの深さ10μmおよび板厚中心でのHVを測定した。また、得られた試験材の断面観察により硬質層および板厚の厚さを測定した。
・全製造工程を終えた試験材において、円筒深絞り試験を行い、試験後の外観観察により、型かじりの有無を評価した。試験条件は、ポンチ径:40mm、ダイス径:42mm、ブランク径:80mm、潤滑:防錆油とした。
なお、硬質層の酸素濃度は、得られた試験材の断面において、表面から深さ5μmの位置をマーカス型高周波グロー放電発光表面分析装置により評価した結果、いずれも3.0〜5.0%であった。
結果を表1に示す。
Figure 0006543981
本発明の要件をすべて満たすNo.2、3、5〜9、および12〜14は冷間圧延性に優れるとともに型かじりが発生しなかった。
一方、比較例であるNo.1は、V含有量が少ないためにβ単相組織とならず、冷間加工性に劣った。
No.4は、ふっ酸濃度が高すぎるために硬質層が過剰に除去されてしまい、A/Bが1.2を下回った。
No.10は、ソルト温度が高すぎるために硬質層の硬さが低減し、A/Bが1.2を下回った。
No.11は、焼鈍処理時間が長いために硬質層の膜厚が厚く、硬化層厚さ(片面)/板厚が10%を超え、表層から内部への硬度分布の勾配が小さくなり、型かじりが生じた。
No.15は、焼鈍温度がβ変態点未満であったために硬質層の硬度が十分に高まらず、A/Bが1.2を下回った。
No.16〜18は、各々Al、Sn、Oの含有量が多いため、冷間加工性が劣った。なお、これらについては冷間加工後に割れが発生したために型かじり性を評価することができなかった。
No.19は、焼鈍時間が短いために硬質層の硬さが高まらず、A/Bが1.2を下回った。
No.20は、窒素雰囲気中で焼鈍を行ったために硬化層が十分に形成されず、硬化層厚さ(片面)/板厚が2.0を下回った。
No.21は、冷間圧延の圧下率が低かったため、表面粗さが低減せず、表面の凹凸により雰囲気の対流が不十分となり、硬化層が十分に形成されず、硬化層厚さ(片面)/板厚が2.0を下回った。

Claims (1)

  1. 質量%で、V:14〜25%、Al:2.5〜5%、Sn:0.5〜4%、Cr:4%以下を含有し、残部はTiおよび不純物からなり、表面に酸素が固溶した硬質層を有し、前記硬質層の酸素濃度は2.5%以上5.0%以下であり、表面から深さ10μmでの硬さが板厚中心の硬さの1.2倍以上1.6倍以下であり、前記硬質層の厚さが板厚の2.0〜10%/片面であることを特徴とするβ型チタン合金板。
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