JP3352816B2 - 厚膜ライニング工法 - Google Patents

厚膜ライニング工法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、地下に埋設されるガス
管,水道管等の既設配管において、補修管の管内面にラ
イニング樹脂の塗膜を形成して更生修理するライニング
工法に関し、詳しくは、長尺の補修管に厚膜ランニング
する厚膜ランニング工法に関する。
【0002】
【従来の技術】地下に埋設されたガス管,水道管等の既
設配管は、長年使用されると、腐食等が進んでガス漏れ
等を生じるおそれがある。そこで修理の必要な補修管
を、地下埋設状態のままその管内面に樹脂のライニング
塗膜を施して更生修理する工法が知られている。この場
合の樹脂ライニングは、全体で必要な液状の樹脂を管内
部中を搬送しつつその管内面に付着して樹脂の塗膜を形
成するものである。
【0003】厚膜ライニングは、例えば30,000c
psの高粘度樹脂を使用して例えば3〜7mmの厚い塗
膜を形成するものであり、この場合のライニング工法と
して樹脂の粘度が高いことを考慮してピグ移動法,空気
圧移動法(SHOTライニング)が提案されている。ピ
グ移動法は、ピグの前方に配置される樹脂をピグの牽引
により押圧して搬送し、管内面にピグ外周とのクリアラ
ンスに応じ樹脂を付着して塗膜を形成するものである。
空気圧移動法は、補修管の一端に注入される樹脂にコン
プレッサ等による高圧空気を作用し、この空気圧による
押圧力で樹脂をプラグ状で気流搬送しつつ管内面に付着
して塗膜を形成するものであり、この場合に塗膜の厚さ
に対して空気圧,樹脂の粘度,ライニング速度等を適正
に制御する。
【0004】ここで長尺の補修管の厚膜ライニングで
は、全体の樹脂量が非常に多くなる。そこでピグ移動法
においてピグ前方に多量の樹脂を配置すると、所定の樹
脂量以上では樹脂圧が大き過ぎてピグのみが移動してし
まい樹脂を搬送できなくなる。空気移動法においても所
定の樹脂量以上では、空気のみが抜けて樹脂を搬送でき
なくなる。こうしていずれの場合も1回の搬送可能な樹
脂量には限界があり、長尺の場合は樹脂を複数回に分け
て搬送することを余儀無くされる。従って、長尺の補修
管の厚膜ライニングでは、少なくとも多量の樹脂を搬送
して荒塗りする1次ライニングで、その樹脂を複数回に
分けて繰返し搬送することが前提となる。
【0005】ここでピグ移動法では、樹脂を分割搬送す
る場合でも塗膜の厚さは略一定化する利点があるが、牽
引装置に牽引ロープにより連結されるピグを繰返し往復
移動することになって、作業性が悪い。また空気圧移動
法では、樹脂を注入して空気圧作用することを繰返せば
良いので作業性は良いが、膜厚の変動が大きくて歩留り
が悪く、均し作業も煩雑になる。そこで作業性の良い空
気圧移動法をベースとして膜厚の変動が少ない荒塗りの
1次ライニング工法を開発し、且つピグによる仕上げの
2次ライニングも容易化することが望まれる。
【0006】従来、上記空気圧移動法による厚膜ライニ
ングに関しては、例えば特開昭61−271070号公
報の先行技術がある。この先行技術において、被処理管
の内部に弾力性を有する滑動体を挿入し、滑動体の後方
へ高粘性のライニング材を注入し、ライニング材により
被処理管の内部を略閉塞状態にしてライニング材の前後
に圧力差を発生させ、この圧力差でライニング材と滑動
体を流動させて管内壁面にライニング皮膜を形成するこ
とが示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、ライニング材をその前後の圧力差
により搬送する工法であるから、上述するように1回の
搬送可能なライニング材の量には限界があり、長尺の場
合にはこのまま適応できない。滑動体は、被処理管に嵌
合してライニング材が前方へたれて延びるのを防止する
ものであるから、ライニング材の搬送,皮膜形成には直
接関与しない。また、ピグの自重により、該ピグが管路
内で下方へ偏るため管路内上面のライニング膜が厚く、
逆に管路内下面のライニング膜が薄くなり、管路内に均
一なライニング膜が形成できない問題点が派生する。
【0008】本発明は、このような点に鑑み、長尺の補
修管の厚膜ライニングにおいて、荒塗りの作業性と膜厚
の均一性を向上し、且つピグによる仕上げも容易化する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
本発明は、長尺の補修管の内面に設定厚の塗膜を、荒塗
りの1次ライニングと、仕上げの2次ライニングで形成
する厚膜ライニング工法において、1次ライニングで
は、ライニング膜の設定厚と略同程度の径を有するワイ
ヤを補修管の始端開口部から終端開口部に亘って該管路
内面下に布設し、適当な量の樹脂を始端開口部より管路
内に導入し、補修管の内面との間に設定厚に対応するク
リアランスを有するピグを前記ワイヤの上に載せること
で該ピグを管路内にセンタリングして導入し、次いでピ
グを空気圧搬送して管路内面に厚い樹脂膜を形成しつつ
樹脂搬送し、搬送完了後再び樹脂を始端開口部より管路
内に導入して樹脂搬送を繰返すことで多量の樹脂を複数
回に分けて長尺の補修管の内部全長に搬送して厚い樹脂
膜を形成し、2次ライニングでは、補修管内に仕上げピ
グを牽引移動して1次ライニングで形成した厚い樹脂膜
を均し、補修管の内部全長に厚い塗膜を形成することを
特徴とする。
【0010】この発明において、ピグは軽くて弾性を有
するものが望ましいが、これのみに限定されない。仕上
げピグはそのクリアランスにより均すものであれば、い
かなる形状であっても良い。更に、2次ライニングのピ
グ移動には1次ライニングで補修管内部に布設されるワ
イヤを利用することができるが、このワイヤを使用しな
くても良い。
【0011】
【作用】上記ライニング工法による本発明では、長尺の
補修管の1次ライニングの際に、ピグがワイヤによりセ
ンターリングして補修管に挿入されることで、ピグ全周
のクリアランスが略等しくなる。ここで長尺の補修管の
厚膜ライニングには多量の樹脂が必要になるが、先ずこ
の球ピグを戻した状態でその前方に樹脂を充填し、次い
で球ピグを空気圧搬送して球ピグにより厚い樹脂膜を形
成しつつ樹脂搬送し、その後減圧して球ピグを戻すこと
を繰返してライニングされ、このため多量の樹脂が複数
回に分けて、球ピグの空気圧搬送により長尺の補給管の
内部全長に確実に搬送される。このとき球ピグの全周の
等しいクリアランスにより、補修管に厚くて均一な樹脂
膜が形成されて、仕上げし易くなる。
【0012】1次ライニング後の2次ライニングでは、
補修管の樹脂膜中に仕上げピグを牽引移動することで、
この仕上げピグのクリアランスにより樹脂膜が更に所定
の膜厚に均される。そして長尺の補修管の内部全長に厚
い塗膜が、高い精度で形成される。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。厚膜ライニング工法の概略について説明すると、
先ず空気圧移動法をベースとした荒塗りの1次ライニン
グを行い、次にピグ移動法による仕上げの2次ライニン
グを行うものである。図1において、1次ライニングシ
ステムの全体の構成について説明する。符号1は地下に
埋設されたガス管,水道管等の既設管路で、管内径が例
えば70〜80mm,管長が例えば100〜200mの
長尺の太い補修管である。樹脂Aは、エポキシ樹脂と硬
化剤を配合した厚膜ライニング可能な例えば30,00
0cpsの高粘度樹脂であり、この樹脂Aを用いて長尺
の補修管1の管内面全長に例えば3〜7mmの厚い塗膜
を形成するものである。
【0014】そこで長尺の補修管1には、空気圧移動法
をベースとした樹脂搬送装置2が連設される。樹脂搬送
装置2は、補修管1の内部全長の底に牽引を兼ねたピグ
位置決めのワイヤ3が布設される。また空気圧移動法で
の膜厚変動を低減するため、球形の球ピグ4が管内部に
ワイヤ3に載って挿入される。補修管1の一端開口部に
は所定の長さのランチャー5が閉塞して連結され、他端
開口部には余剰樹脂や球ピグ4を回収するレシーバ6が
連結される。
【0015】ランチャー5において球ピグ4が最も後退
した場合の球ピグ直前の位置に樹脂注入タンク7が管路
8を介して連通され、加圧機能と減圧機能との両方を兼
ね備えるコンプレッサ10の吐出側が管路9によりタン
ク7の樹脂上部の加圧摺動板11に、高圧空気により樹
脂Aを注入するように連通される。コンプレッサ10の
吐出側は、圧力調整するレギュレータ12,管路13を
介してランチャー5に、高圧空気を導入して加圧するこ
とで球ピグ4と共に樹脂Aを搬送するように連通され
る。またコンプレッサ10の吸入側も管路14によりラ
ンチャー5に、減圧して球ピグ4を自動的に戻すことが
可能に連通される。
【0016】また多量の樹脂Aを複数回に分けて繰返し
搬送する制御系として、上述の各管路8,9,13,1
4にそれぞれバルブ20〜23が設けられ、コンプレッ
サ10の吸入、吐出側にもバルブ18,19が設けられ
る。また加圧による球ピグ4の樹脂搬送の際には、加圧
空気の吹き抜けにより搬送終了を検知できるため、この
吹き抜けを検出する圧力センサ24が設けられ、これら
バルブ18〜23と圧力センサ24がコントローラ25
に接続される。
【0017】コントローラ25は、圧力センサ24によ
る圧力を表示するメータ29、バルブ18,20〜22
を閉じバルブ19,23を開いて補修管1のランチャー
5側を減圧する球ピグ戻しボタン26を有する。またバ
ルブ19,20,22,23を閉じバルブ18,21を
開いて、樹脂注入タンク7を加圧する樹脂注入ボタン2
7を有する。更に、バルブ19〜21,23を閉じバル
ブ18,22を開いて、ランチャー5に高圧空気を導入
する球ピグ加圧ボタン28を有する。そしてメータ29
の圧力表示で樹脂搬送状態を判断しながらボタン26〜
28を操作することで、多量の樹脂を複数回に分けて迅
速且つ確実に搬送することが可能になっている。
【0018】球ピグ4は、軽量の弾性体の材料で作られ
て、段差やバリ等があっても迅速且つ確実に移動するこ
とが可能になっている。また球ピグ4の大きさは、図2
のように管内径より所定のクリアランスC1だけ小さく
形成されるが、このクリアランスC1は目標とする厚い
膜厚,ピグ自体の変形,クリアランスにかかる樹脂圧等
を考慮して、樹脂を確実に搬送でき且つ目標とする膜厚
より若干厚い樹脂膜Bを形成するように設定される。ワ
イヤ3の太さも、クリアランスC1と略等しく設定され
る。そして球ピグ4がワイヤ3の上に載って移動し、ピ
グ全周のクリアランスC1が略等しくなるように管中心
に位置決めされる。
【0019】ここで管内径Dと目標とする膜厚tにより
1m当たりの樹脂量Qが算出され、この樹脂量Qに管長
Lを乗算することで全体の必要量Gが計算される。ここ
で例えばD=81mm,L=100m,t=5mmの場
合は、Q=1.43kg/mとなり、G=143kgと
なる。また1回の球ピグ4で搬送可能な限界量Lは、空
気圧,球ピグ4の大きさ等により決まり、この限界量L
が例えば30kgの場合は、全体の必要量143kgを
5回に分ければ良い。そこでタンク7による樹脂注入の
場合には、タイマ時間等によりこの限界量L以下に分割
して注入される。
【0020】図3において、2次ライニングシステムに
ついて説明する。このシステムは補修管1の底に布設さ
れるワイヤ3を利用して、このワイヤ3にピグ移動法の
仕上げ装置30が設けられる。仕上げ装置30は、補修
管1のワイヤ3の一方が管外部の牽引装置31に連結さ
れ、その他方に複数個の仕上げピグ32が連結される。
仕上げピグ32は、ネオプレンスポンジ等の軟質弾性体
の材料で作られ、軽くて、径方向に弾性変形可能であ
り、胴部の周囲に例えば4つのウイング32aが等間隔
で放射状に突設され、ピグ32を常に管内部中心にセン
ターリングすることが可能になっている。また胴部の後
ろに膜厚と等しいクリアランスC2の円柱状の絞り部3
2bが連接され、この絞り部32bによりワイヤ3やウ
イング32aの跡を樹脂で埋めて、1次ライニングの樹
脂膜Bを更に所定の膜厚に均すようになっている。
【0021】次に、長尺の補修管11に厚膜ライニング
する場合の作用を、図4を用いて説明する。先ず、補修
管1に図1の1次ライニングの樹脂搬送装置2のランチ
ャー5,レシーバ6,樹脂を入れた樹脂注入タンク7,
コンプレッサ10等を取付け、且つ補修管1の内部の底
にワイヤ3を布設して球ピグ4を挿入する。そしてコン
プレッサ10を作動し、コントローラ25によりバルブ
開閉可能にして、1次ライニングを行う。即ち、先ず図
4(a)のように球ピグ4をランチャー5に戻した状態
でコントローラ25の樹脂注入ボタン27を操作する
と、コンプレッサ10により樹脂注入タンク7を加圧し
て複数回に分割した量の高粘度の樹脂A1がランチャー
5の球ピグ4の直前に注入して充填される。
【0022】次いでコントローラ25の球ピグ4加圧ボ
タン28を操作すると、コンプレッサ10によりランチ
ャー5に高圧空気が導入し、その空気圧dが球ピグ4に
作用して押圧される。そこで球ピグ4は、ピグ全周のク
リアランスC1の樹脂圧に抗してランチャー5から補修
管1中を搬送され、このため球ピグ4の前方に充填され
る樹脂A1も図4(b)のように、クリアランスC1か
ら樹脂の一部を後方に漏洩しつつプラグ状で連続的に搬
送される。このとき球ピグ4は球形であるため、補修管
1の段差や曲線部でも支障なく搬送され、弾性体である
ため、管内面のバリ等により容易に変形して同様に搬送
され、このため樹脂A1も確実に搬送される。
【0023】また球ピグ4はワイヤ3により管中心に位
置決してピグ全周のクリアランスC1が略等しいため、
球ピグ4の円形の外周面により樹脂A1が管内面に厚く
均一に塗り付けられる。そこで補修管1の所定の長さに
は所定量の樹脂A1が確実に付着して、その内面全周に
は目標とする厚い膜厚より若干厚い樹脂膜B1が形成さ
れ、こうして長尺の補修管1の内部には一端より厚くて
均一な樹脂膜B1が順次形成される。
【0024】そして球ピグ4の前方の樹脂が管内面に付
着して無くなると、図4(c)のように球ピグ4と共に
加圧空気が吹く抜け、圧力センサ24によりこのことが
検出される。この場合は、コントローラ25の球ピグ4
戻しボタン26を操作すると、ランチャー5側が減圧し
て球ピグ4は迅速且つ自動的に戻り、こうして1回目の
ライニングを終了する。
【0025】2回目も、図4(d)のように先ず分割さ
れた樹脂A2を加圧して注入し、次にランチャー5を加
圧する。すると球ピグ4と樹脂A2は最初に1回目にラ
イニングされた樹脂膜B1中を進み、この場合は樹脂同
志で粘性抵抗が非常に小さいことで滑るように移動し、
このため球ピグ4の前方に樹脂A2の全部を保った状態
で容易に搬送される。そして1回目のライニングによる
樹脂膜B1が切れると、それ以降は図4(e)のように
球ピグ4の前方の樹脂A2が管内面に付着して、そのク
リアランスC1に大きい樹脂圧がかかる。そこで球ピグ
4の空気圧搬送に伴いその前方の樹脂A2が、同様に搬
送しつつ管内面に付着して樹脂膜B2が連続して形成さ
れ、ライニング距離が継ぎ足して更に延びる。その後、
加圧空気の吹き抜けを圧力センサ24で検出すると、再
び球ピグ4が減圧により戻され、こうして2回目のライ
ニングを終了する。
【0026】以下同様にして、3回目以降のライニング
を繰返すことにより、長尺の補修管1の厚膜ライニング
に必要な多量の樹脂Aが複数回に分けて補修管1中を適
切に搬送され、その長尺の補修管1の内部全長に多量の
樹脂Aが連続して確実に付着される。そして球ピグ4に
より図4(f)のように、長尺の補修管1の内部全長に
厚くて均一な樹脂膜Bを形成するように1次ライニング
して終了し、仕上し易いものとなる。
【0027】次に、上述の1次ライニング終了後は、補
修管1から樹脂搬送装置2を取外すが、このとき補修管
1の内部全長の底にはワイヤ3が布設されており、この
ワイヤ3をピグ移動に利用できる。そこで管外部でワイ
ヤ3に図2の仕上げ装置30の仕上げピグ32と牽引装
置31を取付けて、2次ライニングを行う。即ち、図4
(g)のように補修管1の他方の牽引装置31を作動
し、仕上げピグ32を補修管1の一方から内部に挿入
し、且つその仕上げピグ32をワイヤ3により牽引して
補修管1中を移動する。
【0028】すると仕上げピグ32が1次ライニングに
よる樹脂膜B中をウィング32aでセンターリングした
状態で滑って移動し、そのウィング32aやワイヤ3の
跡を埋めたり、膜厚変化を少なくするように均される。
ここで仕上げピグ32は目標とする膜厚と同一のクリア
ランスC2を有し、上述の1次ライニングにおいて樹脂
膜Bがその目標とする膜厚より若干厚くて略均一に形成
されているため、仕上げピグ32のクリアランスC2に
より樹脂膜Bが、補修管1の全長にわたり高い精度で目
標とする膜厚にライニングして仕上げされる。これによ
り補修管1の全長の内面には、図4(g)のように高粘
度樹脂による厚い塗膜Eが均一に形成され、この塗膜E
により管内面の腐食等を適確に埋めて補修される。
【0029】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によると、
厚膜ライニングにおいて、1次ライニングでは、補修管
の内部に所定のクリアランスを有する球ピグを、ワイヤ
によりセンターリングして挿入するので、管内面に樹脂
膜を均一に形成することができ、このため膜厚変動が低
減して、所定量の樹脂を適確に付着すると共に仕上し易
くなる。
【0030】また、先ずこのピグの前方に樹脂を充填
し、次いでピグを空気圧搬送してピグにより厚い樹脂膜
を形成しつつ樹脂搬送し、再び樹脂を充填して樹脂搬送
を繰返し、多量の樹脂を複数回に分けて長尺の補給管の
内部全長に搬送して厚い樹脂膜を形成する工法であるか
ら、長尺の補修管の内部に高粘度の多量の樹脂を確実に
搬送することができて、実用性が大きい。
【0031】2次ライニングでは、補修管の樹脂膜中に
仕上げピグを牽引移動して均し、補修管の内部全長に厚
い塗膜を形成する工法であるから、作業が容易である。
また1次ライニングの際のワイヤをピグ移動に利用する
ので、作業し易くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る厚膜ライニング工法の1次ライニ
ングに適した実施例を示す全体の構成図である。
【図2】球ピグとワイヤの装着状態を示す断面図であ
る。
【図3】同厚膜ライニング工法の2次ライニングに適し
た実施例を示す全体の構成図である。
【図4】1次ライニングと2次ライニングの作用状態を
示す図である。
【符号の説明】
1 補修管 3 ワイヤ 4 球ピグ 32 仕上げピグ

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長尺の補修管の内面に設定厚の塗膜を、
    荒塗りの1次ライニングと、仕上げの2次ライニングで
    形成する厚膜ライニング工法において、 1次ライニングでは、ライニング膜の設定厚と略同程度
    の径を有するワイヤを補修管の始端開口部から終端開口
    部に亘って該管路内面下に布設し、適当な量の樹脂を始
    端開口部より管路内に導入し、補修管の内面との間に設
    定厚に対応するクリアランスを有するピグを前記ワイヤ
    の上に載せることで該ピグを管路内にセンタリングして
    導入し、次いでピグを空気圧搬送して管路内面に厚い樹
    脂膜を形成しつつ樹脂搬送し、搬送完了後再び樹脂を始
    端開口部より管路内に導入して樹脂搬送を繰返すことで
    多量の樹脂を複数回に分けて長尺の補修管の内部全長に
    搬送して厚い樹脂膜を形成し、 2次ライニングでは、補修管内に仕上げピグを牽引移動
    して1次ライニングで形成した厚い樹脂膜を均し、補修
    管の内部全長に厚い塗膜を形成することを特徴とする厚
    膜ライニング工法。
  2. 【請求項2】 1次ライニングでは、補修管の一端開口
    部にランチャーを取付け、このランチャーに樹脂注入タ
    ンクをコンプレッサにより加圧して樹脂を注入するよう
    に構成してライニングすることを特徴とする請求項1記
    載の厚膜ライニング工法。
  3. 【請求項3】 前記コンプレッサは加圧機能と減圧機能
    との両方を備えるものとし、加圧機能により樹脂を注入
    し、樹脂注入完了後に減圧機能でピグを引き戻すように
    構成してライニングすることを特徴とする請求項1また
    は2記載の厚膜ライニング工法。
  4. 【請求項4】 2次ライニングでは、補修管の内部に布
    設されるワイヤの一方に仕上げピグを連結し、他方に牽
    引装置を連結してライニングすることを特徴とする請求
    項1記載の厚膜ライニング工法。
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