JP2665920B2 - 管内面のライニング補修工法 - Google Patents

管内面のライニング補修工法

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JP2665920B2
JP2665920B2 JP63032362A JP3236288A JP2665920B2 JP 2665920 B2 JP2665920 B2 JP 2665920B2 JP 63032362 A JP63032362 A JP 63032362A JP 3236288 A JP3236288 A JP 3236288A JP 2665920 B2 JP2665920 B2 JP 2665920B2
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宣勝 池
謙二 大島
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は、地下に布設されているガス管、水道管のよ
うな既設配管の老朽化対策として管内面にライニングを
形成する補修工法に関し、特に既設管路に枝管として分
岐管が設けられている形態の既設配管の管内面ライニン
グ補修工法に関する。
【従来の技術】
地下に布設されているガス管、水道管などの既設配管
は、布設年限が長くなると経年により管に腐蝕孔が生
じ、漏洩が起るおそれがあることからその漏洩予防ある
いは保全のため、施工後、所要の時期に、既設配管に対
し、布設状態のまま管内の更生修理が行われている。 この更生修理技術の1つとして、液状樹脂を用いて管
内面に樹脂のライニング膜を形成する補修が行なわれて
いる。この樹脂ライニング工法としては、特開昭57−10
5270号公報および特開昭61−268386号公報等に記載され
た先行技術が知られている。 これらの先行技術は、既設配管の一端側の管内に、管
内を所要長さにわたり充満するように所要量の液状樹脂
をプラグ状に注入し、且つ樹脂プラグの前後管内に圧力
差を生起させ、この圧力差により樹脂プラグが管内を流
動する行程で管内面に所要膜厚のライニングを形成する
ようにしており、本出願人も先にこの種の先行技術を提
唱している。(特開昭63−65983号公報参照;以下この
種の補修工法を「厚膜ライニング工法」と称する)
【発明が解決しようとする課題】
上述の厚膜ライニング工法では、既設配管の補修区間
が長い場合、管内に流動進行させる樹脂プラグの1回の
注入量を大量にできない制約から、複数回に分けて分割
して既設配管の管内を各別に流動する方式が採用されて
いる。 この場合、既設配管にはその管路途中に、例えば供給
管のような枝管が分岐されている事例が多く、既設配管
内を樹脂プラグが流動進行する時、その分岐管内に入り
込んで分岐管内を閉塞するという問題がある。 この問題の対策として従来、既設配管内のライニング
施工後に、分岐管の末端地上開口部から加圧空気を供給
することで既設配管の管内に排出させることが考えられ
ているが、分岐管内に侵入した樹脂が固化してしまった
後では、既設配管内への樹脂排出が不能となる問題があ
る上に、この方式による場合は、既設配管内に排出した
樹脂を除去するか、あるいは仕上ピグ等を通して平滑化
させるなどの後仕末も必要となる。 そこで、他の対策として、分岐管に対し、予め所定圧
の加圧空気を末端の地上開口部から供給して置いて、既
設配管内を流動進行する樹脂プラグが、分岐管の接続個
所を通過する時、分岐管内に侵入しない工夫が考えられ
ている。この場合には、既設配管の補修区間全長をライ
ニング施工する間、各分岐管について加圧空気を供給し
続けなければならないという不経済が避けられない。 本発明は、上記の事情に鑑み、厚膜ライニング工法に
よって既設配管のライニング施工を行う際、分岐管内に
侵入する樹脂の侵入現象を巧みに利用して分岐管内の全
長にわたるライニング施工が同時に行え、またライニン
グが終了した分岐管内には樹脂の侵入現象が起らず、し
かも侵入現象を阻止する加圧流体の供給を有効に活用
し、併せて供給時間を短縮化して経済的に管内面のライ
ニング補修が達成できる工法を提供することを目的とす
る。
【課題を解決するための手段】
この目的を達成する手段として、本発明は、既設配管
の一端側の管内に、管内を所要長さにわたり充満するよ
うに所要量の液状樹脂をプラグ状に注入し、且つ樹脂プ
ラグの前後管内に低圧の圧力差を生起させ、該圧力差に
より樹脂プラグが管内を流動する行程で管内面に所要膜
厚のライニングを形成する管内面のライニング補修工法
において、 上記既設配管に対し、その補修区間の長さに対応して
上記樹脂プラグを複数回に分けて各別に管内を流動させ
る方式としてあり、且つ既設配管の管路途中に分岐管が
介在する場合、施工当初は分岐管の末端を開放状態とし
て施工して既設配管内を流動する複数回の樹脂プラグ
が、分岐管の接続個所を通過する毎に、所要量の樹脂が
分岐管内に流入し得る状態とし、 この分岐管内への流入樹脂が分岐管の末端開口部に到
達するまでは上記開放状態を維持して分岐管内の全長に
わたるライニングを行い、 分岐管内への流入樹脂プラグが、分岐管の末端開口部
に到達して吹き抜けを起した時点では、当該分岐管の末
端開口部を閉止させ、その後、末端開口部より所要圧の
加圧流体を供給し、既設配管内を流動する樹脂プラグが
管路の最終行程に流動するまで所要の低圧の圧力差に近
似した圧力差を保持するように施工することを特徴とし
ている。
【作 用】
このような補修工法によると、既設配管内に注入され
る複数回の樹脂プラグの流動進行によって既設配管に対
しては所要の膜厚ライニングが施工される。 既設配管に分岐管がある場合、施工当初は、分岐管の
端末開口部を開放状態にして施工するから、既設配管内
を流動進行する樹脂プラグは、分岐管の接続位置を通過
する際に分岐管内に流入する現象が起る。 分岐管内に流入する樹脂プラグが、分岐管の末端開口
部において吹き抜けを起すまでは開放状態を持続させて
おくから、既設配管内を複数回に分けて流動進行する樹
脂プラグは、分岐管の接続位置を通過する毎に所要量づ
つ複数回にわたり流入し、その流入樹脂は分岐管路の末
端側まで流動するようになって分岐管路の全長にわたる
ライニングが達成可能となる。 分岐管の末端開口部において吹き抜けを起すと、末端
開口部を閉止させることで、ライニングが完了した分岐
管については、その分岐管からの圧力漏洩が発生しない
から、既設配管内における圧力差の変動がなくなり、施
工の継続性が保たれるようになる。 その後、分岐管の末端開口部より所要圧の加圧流体を
分岐管内に供給することで、以後、ライニング施工が終
了した分岐管に対しては、その分岐位置を後続の樹脂プ
ラグが通過することがあっても分岐管内への樹脂の侵入
が防止される。 またこの加圧流体は、既設配管内に流入して圧力差を
生起させる流体圧として活用される結果、既設配管内を
流動進行する樹脂プラグが、管路の最終行程に流動する
まで所要の低圧の圧力差に近似した圧力差が保持される
ようになる。 この場合、加圧流体の供給は、ライニングが完了した
時点以降に供給する方式であるので、供給時間の短縮化
が図れ、経済的となる。
【実 施 例】
以下、本発明の一実施例を図面を参照して具体的に説
明する。 図面において、第1図は、本発明による補修工法の実
施例を概略的に示すものであり、符号1は補修対象とな
る既設配管である。この既設配管1は、ガス管について
いえば、一般に口径50〜100mm程度の低圧支管と呼ばれ
るものを対象にしている。 この既設配管1は、補修に際して、所定長さの補修区
間に区画し、区間の両端開口部の位置にピットを形成し
て、ピット内でその一端開口部の側に所定長さを有する
ランチャー2をフランジ3により接続した状態にする。 上記ランチャー2には、樹脂供給手段である樹脂注入
器4が、電磁開閉弁5を介して接続され、この樹脂注入
器4から所定長さにわたって既設配管1の内部を充満す
るに必要な量の液状ライニング樹脂Aが、ランチャー2
を介して管内に導入できるようにしてある。ここでライ
ニング用の樹脂は、主剤と硬化剤を調合した常温2液硬
化型の樹脂であり、チクソトロピー性を有する樹脂が使
用される。なお上記樹脂注入器4には、予め主剤と硬化
剤を混合した樹脂を空気加圧式注入器により圧送供給し
てもよく、また主剤と硬化剤を図示しない別々のポンプ
により圧送しつつその過程でスタティックミキサーによ
り両者を混合供給するようにしてもよい。 また上記ランチャー2には、樹脂注入器4の電磁開閉
弁5と連動して逆向きに動作する電磁開閉弁7が設置さ
れ、その後方に演算装置6′によって演算制御される流
動調整弁11および16と、それらの気体流量を計測する流
量計9,17および気体供給圧を計測する圧力計8,10などか
らなる制御装置6を介して小型コンプレッサ12が接続さ
れており、このコンプレッサ12からの圧送空気が制御装
置6で流量制御されてランチャー2内に導入され、既設
配管1内に向けて送り込まれるようにしている。 また、上記コンプレッサ12から圧送空気は、制御装置
6によって制御される三方切換弁13を介してランチャー
2内に導入されると共に、流量調整弁14を介して樹脂注
入器4内にも導入され、樹脂注入器4内に設けた加圧摺
動板15を介してライニング用樹脂Aを電磁開閉弁5(こ
れは制御装置6によって制御される電磁開閉弁7と連動
して開放動作する)から一定圧力で液状のままランチャ
ー2内に所定量押し出し、既設配管1内に注入される。 上記既設配管1に対し、供給管などの分岐管18が接続
されている場合、補修作業に当って、分岐管18の先端に
設けたメータを取外し、ここにヒューズコックなどの自
動閉止バルブ19を設け、ライニング作業の当初は、各分
岐管18の先端を開放して置く。なお、図中符号20は既設
配管1の他端に設けた樹脂回収装置であり大気に連通し
ている。 次に上述の装置による補修作業の作業工程を説明する
と、まず、送風系路側の電磁開閉弁7を閉じる一方、樹
脂供給系路側の電磁開閉弁5を開いて、既設配管1の始
端側開口部に接続されたランチャー2内に、樹脂注入器
4内から所定量のライニング樹脂Aを液状のまま注入す
る。このライニング樹脂Aは、それがランチャー2内よ
りさらに既設配管1の始端側の管路内に注入され、かつ
上記管路内を所定長さにわたって充満するようにプラグ
状に注入される。 次に上記ライニング用樹脂プラグAの注入が完了する
と、電磁開閉弁5を閉じると共に、送風系路側の電磁開
閉弁7を開き、かつ三方切換弁13を切換えてコンプレッ
サ12からの圧送空気を、流量調整弁11および流量計9を
通してランチャー2の端部より管内に送り込む。 これにより管内に充填された樹脂プラグAの前後管内
に所要圧の圧力差が生起し、その圧力差により樹脂プラ
グAに流動性が付与され、樹脂プラグAが既設配管1の
管内を流動進行するようになる。この時、樹脂プラグA
の後側に作用する押圧力は、その初期の段階において略
1.5kg/cm程度とし、その後樹脂プラグAに流動性が付与
されて既設配管1の管内を流動進行する時には、その押
圧力を流量調整弁16により減圧し、例えば、大気圧に対
して0.6kg/cm以下の低圧に下げる。 この樹脂プラグAの流動進行時、管内面に接触しなが
ら壁面に対する付着力で樹脂が管内面に残留され、これ
が、樹脂プラグAの通過後、所要膜厚のライニング塗膜
aとなる。ここでは、樹脂プラグAの粘性が高く、また
付着力に依存するため全体的に均一厚さに形成される。 なお、ここで樹脂プラグAの走行速度Vを一定とし
て、樹脂粘度を変化させた場合を考察すると、樹脂粘度
が低い方が、押圧力の作用する樹脂プラグAの端面形状
が第2図に示すような砲弾形に近くなり、膜が厚くな
る。また、粘度が高い方が第3図に示示すような垂直形
の端面形状となって膜が薄くなることが実験的に確認さ
れている。 また樹脂粘度を一定にして、押圧力Pを高くして樹脂
プラグAの走行速度を速めると、前記樹脂の端面形状
は、第2図のようになり、膜は厚くなる。また押圧力P
を低くして走行速度を遅くすると、樹脂の端面形状は、
第3図のよになり膜は薄くなることも実験的に確認され
ている。この結果、樹脂粘度と走行速度Vとを適宜、選
択設定すれば、管内面に膜厚のライニングが実現できる
ことが実験的、理論的に確認されているのである。 本発明による補修工法では、まず目的とする既設配管
1の管内面に形成すべきライニング塗膜の膜厚を、どの
程度の厚さに形成するかを選定し、この膜厚の選定に基
いて、補修対象管の管径、使用する樹脂の粘度、充填さ
れた樹脂長などの補修関係条件から、必要な樹脂プラグ
Aの流速を設定する。そして、その流速でライニングす
る時に、コンプレッサ12からどの程度の圧力で空気を送
るかを定め制御装置6でこれを制御する。この場合、樹
脂プラグAには、前述したようにチクソトロピー性の樹
脂を使用する。この性質は樹脂に外力を加えると塗料構
造を破壊して軟化現象を起し、外力を取り去ると時間の
経過と共に原状に回復する特性を有する。このため、前
述のようにランチャー2から既設配管1内に送り込む時
には、初期押圧力として1.5kg/cm程度の圧力に設定し、
既設配管1内での移動には0.6kg/cm以下の低圧に下げ
る。これによって既設配管1に腐蝕部分があっても、補
修施工に際して腐蝕部分が破壊される現象が避けられ
る。 また上記押圧力の付加による圧力差で樹脂プラグAが
管内を流動進行してライニング塗膜の形成が進み、その
塗膜の形成により樹脂プラグAの流動量が減少すると、
その樹脂量の減少に対応して上記押圧力を減衰させ、樹
脂プラグAの流動速度が常に一定となるように制御装置
6、流量調整弁11および16により管内に流入する空気量
を制御する。 すなわち、樹脂プラグAが管内を移動して樹脂量が減
少すると、それに伴って樹脂プラグAの流動速度が速く
なる傾向になるが、この流動速度は、既設配管1内に導
入された気体の管内圧力に関連して変化するものであ
り、さらに管内圧力は管内に流入した気体の量と、樹脂
プラグの位置、すなわち樹脂プラグの後方側の体積によ
って定まるものであるから、管内に流入した気体の量を
流量計9,17により計測し、さらに管内の気体量を計測し
た各時点における管内圧力を計測することにより、演算
装置6′により管内の気体の体積の変化、すなわち樹脂
の位置の変化から樹脂プラグの速度を算出することがで
きる。これによって始端側の制御装置6により樹脂プラ
グAの流動速度が一定になるような押圧力が得られるよ
うに、流量調整弁11(R1)と流量調整弁16(R2)がコン
トロールされて樹脂量の減少に合せて樹脂プラグの流動
速度が一定となるように樹脂プラグAの押圧力が自動的
に減衰されるように制御される。 以下、樹脂プラグAの流動速度を一定に保持する制御
装置6の動作について説明する。 まず、管内に流入した気体の量をQ1、管内の圧力をP1
とすれば、 π/4・d2・l1・P1=Q1・P0 ……(1) の関係にあるので、ある時刻T1におけるQ1,P0,P1を測定
すれば、(1)式よりl1を知ることができる。 管内に流入した気体Q1とは、流量計9による計測値F1
と流量計17による計測値F2との差である。この流量計9,
17には質量流量計を使用すると気体の温度の影響がない
ので都合がよい。 ここでl1は、時刻T1における樹脂位置、P0は圧力計10
の計測値、P1は圧力計8の計測値、dは既設配管1内の
ライニング内径である。 次に樹脂流動速度を検知するために、ある時間(t
秒)だけ空気供給を停止し圧力計8により管内圧力の変
化P1→P2を計測し、このときの樹脂位置をl2とすれば、 l1・P1=l2・P2となり、 P2を知ればある時間t秒後の樹脂位置l2を知ることが
できる。したがって樹脂流動速度Vは、 V=l2−l1/t となる。また空気の供給を停止せず、前状態の一定流入
をつづける場合は、ある時刻T2における気体の流入量
Q2、管内の圧力P2を測定し、 π/4・d2・l2・P2=Q2・P0から、 l2=Q2・P0/π/4・d2・P2となり、樹脂流動速度Vは、 V=l2−l1/T2−T1となる。 このようにして演算装置6′と制御装置6により樹脂
流動速度Vが一定となるように流動調整弁11(R1)、流
動調整弁16(R2)を制御する。 かくして樹脂プラグAは、既設配管1の注入側管端に
接続されたランチャー2より液状のまま、管内を所定の
長さにわたり充満するように注入され、上記注入樹脂に
流動性を付与する気体圧力をその管内流動速度が管の始
端側における押圧気体の質量流量および管内圧力を計測
して得られた樹脂位置と、所定時間毎に計測された樹脂
位置の差から算出された樹脂速度を一定にするように管
内の圧力気体の量を制御することにより既設配管1の管
内面に、その全長に亘って均一な所要膜厚のライニング
を行なうのである。 この場合、分岐管18の位置では、樹脂プラグの一部
は、分岐管18の管内に侵入する(第4図,第5図参
照)。なお、第5図は、分岐管18に対して管内面に既に
樹脂ライニング膜を完了している場合を示しており、こ
こでは既存のライニング層a′の上に更にライニング層
aが重ねて形成される。 この分岐管18内への侵入に伴ない減少した樹脂量につ
いては、これを演算装置6′で補正計算する必要があ
る。 今、上記分岐管18への樹脂侵入量は、次の式で求めら
れる。 l2={(R2/R1)l1}/(1+R2 3/R1 3) ここでR1は既設配管1の半径(R1=D1/2)であり、R2
は分岐管18の半径(R2=D2/2),l1は既設配管1内で分
岐管18の接続個所に到達した時の注入樹脂長、l2はその
時、分岐管18内に侵入する侵入樹脂長である。 今、既設配管1の直径を50mm、分岐管18の直径を25m
m、その時l1=100cmとすれば、 l2={(1.38/2.65)×100}/(1+1.383/2.653) =4.56cm≒50cm として計算できる。 このことから分岐管18への接続個所において、分岐管
18の管内のライニングに消費される樹脂量が計算でき、
その後、分岐管18内に送り込まれる低圧気体の量も計算
できる。これにより、演算装置6′で補正計算が可能で
ある。 そして、分岐管18内に侵入した樹脂は、圧力差による
押圧気体の働きで分岐管18内の末端開口部に向けて移動
し、この移動行程で管内面に付着する樹脂により分岐管
18の管内にライニング膜が形成される。 なお、本発明の補修施工に際しては、前記押圧力によ
り所定の樹脂流動速度が得られる樹脂プラグAの管内注
入量と、1回分の注入樹脂量による塗膜形成の長さにも
制約があるところより、補修対象の既設配管1の長さが
長い場合には、その長さに対応して樹脂プラグAの注入
回数,流動回数を複数回、繰り返すように分割して流動
進行させる方式を採るものであり、これにより補修区間
の長さを所望に増大、延長することが可能となる。 この場合、分岐管18については、既設配管1内を流動
進行する樹脂プラグAの分割回数により、分岐管18内へ
の樹脂の流入も複数回が繰り代えされるが、流入樹脂プ
ラグが分岐管18の末端開口部に到達するまでは、自動閉
止バルブ19を開放状態としておく。 分岐管18内への流入樹脂プラグが、分岐管18の末端開
口部に到達して吹き抜けを起した時点では、自動閉止バ
ルブ19を閉止させる。 この閉止後、第6図に示されているように、分岐管18
の末端開口部に接続されたボンベ25等から所要圧の加圧
空気を、絞り弁26により調整して分岐管18の管内に供給
するようにする。 この加圧空気は、ライニング施工を終了した分岐管18
に対して以後、その分岐管18が接続された既設配管1の
管内を後続の樹脂プラグが進行しても、分岐管18内に樹
脂プラグが侵入するのを阻止するに必要な圧力に調整さ
れており、また加圧空気の圧力は、分岐管18の末端開口
部より吹き抜けを起した時点での圧力低下を補填するに
必要な圧力にも対応し、既設配管1内を流動進行する樹
脂プラグが補修管路の最終行程に流動するまで所要の低
圧の圧力差に近似した圧力差を保持できるように絞り弁
26により調整される。
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によれば、既設配管の
管内に注入される複数回の樹脂プラグの流動進行によっ
て既設配管に対しては所要膜厚のライニングが施工で
き、この施工時、既設配管に分岐管がある場合、分岐管
内に流入する樹脂の流入現象を巧みに利用して分岐管の
全長にわたるライニングを同時に達成することができ
る。 この場合、分岐管内に流入する樹脂が、末端開口部に
到達して吹き抜けを起した時点では、分岐管の末端開口
部を閉止させ、その後、末端開口部より所要圧の加工流
体を供給することで、以後、ライニング施工が終了した
分岐管に対しては樹脂の侵入現象が起らなくなり、分岐
管内への侵入樹脂の排出対策を不要にできると同時に、
この加圧流体の供給は、既設配管内に流入して圧力差を
生起させる流体圧として活用される結果、既設管内を流
動進行する樹脂プラグは、補修管路の最終行程に流動す
るまで所要の低圧の圧力差に近似した圧力差が保持され
ることで既設配管内のライニング施工が円滑に達成で
き、また、その加圧流体の供給はライニングが完了した
時点以降に供給する方式であるので供給時間の短縮化が
図れ経済的にライニング施工が達成できる等の効果が得
られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による補修工法の実施例を概略的に示す
断面図、第2図および第3図は本発明による樹脂流動時
の樹脂押圧力と、膜厚および走行速度との関係を示す樹
脂端面形状の説明図、第4図および第5図は分岐管での
樹脂ライニングの状態を示す説明図、第6図は分岐管へ
の加圧空気の供給例示す説明図である。 1……既設配管、2……ランチャー、4……樹脂注入
器、5……電磁開閉弁、6……制御装置、6′……演算
装置、7……電磁開閉弁、8……圧力計、9……流量
計、10……圧力計、11……流量調整弁、12……コンプレ
ッサ、13……三方切換弁、14……流量調整弁、15……加
圧摺動板、16……流量調整弁、17……流量計、18……分
岐管、19……自動閉止バルブ、25……ボンベ(加圧空気
の供給源)、26……絞り弁。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B05D 7/22 B05D 7/22 F (56)参考文献 特開 昭61−268386(JP,A) 特開 昭62−23484(JP,A) 特開 昭62−23487(JP,A) 特開 昭58−193778(JP,A) 特公 昭61−54476(JP,B2) 特公 昭61−54477(JP,B2)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】既設配管の一端側の管内に、管内を所要長
    さにわたり充満するように所要量の液状樹脂をプラグ状
    に注入し、且つ樹脂プラグの前後管内に低圧の圧力差を
    生起させ、該圧力差により樹脂プラグが管内を流動する
    行程で管内面に所要膜厚のライニングを形成する管内面
    のライニング補修工法であって、 上記既設配管に対し、その補修区間の長さに対応して上
    記樹脂プラグを複数回に分けて各別に管内を流動させる
    方式としてあり、 且つ既設配管の管路途中に分岐管が介在する場合、施工
    当初は分岐管の末端を開放状態として施工して既設配管
    内を流動する複数回の樹脂プラグが、分岐管の接続個所
    を通過する毎に、所要量の樹脂が分岐管内に流入し得る
    状態とし、 この分岐管内への流入樹脂が分岐管の末端開口部に到達
    するまでは上記開放状態を維持して分岐管内の全長にわ
    たるライニングを行い、 分岐管内への流入樹脂プラグが、分岐管の末端開口部に
    到達して吹き抜けを起した時点では、当該分岐管の末端
    開口部を閉止させ、その後、末端開口部より所要圧の加
    圧流体を供給し、既設配管内を流動する樹脂プラグが管
    路の最終行程に流動するまで所要の低圧の圧力差に近似
    した圧力差を保持するように施工することを特徴とする
    管内面のライニング補修工法。
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