JP3352728B2 - 後輪差動制限装置の制御方法 - Google Patents

後輪差動制限装置の制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のリヤディファレ
ンシャルに装備される後輪差動制限装置のリヤ差動制限
トルクを、各運転走行の条件に応じて制御する制御方法
に関し、詳しくは、スリップ時制御においてリヤ2輪同
時スリップ等を防止する制御に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車両においては、左右後輪の一方
がスリップしたり、またはアクセルオフ等により2輪の
制動力に差を生じると、アンダステア方向またはオーバ
ステア方向のヨーモーメントを生じて、車両の安定性に
大きく影響することが知られている。そこで後輪差動制
限装置のリヤ差動制限トルクにより左右後輪のトルク配
分を制御して、スリップやアクセルオフ時のタックイン
挙動等を防止することが提案されている。
【0003】従来、後輪差動制限装置の制御に関して
は、例えば特開平3−123036号の出願がある。こ
こで左右後輪の車輪速を検出し、この車輪速差が設定値
以上の場合にスリップ判断して、リヤ差動制限トルクを
最大のデフロック方向に制御する。そしてリヤデフロッ
クによりスリップを防止することが示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来技
術のものにあっては、左右後輪のスリップを抑えてトラ
クション性能を向上することはできる。しかし左右後輪
の車輪速のみでスリップ判断して、リヤ差動制限トルク
をデフロック方向に制御する方法であるから、以下のよ
うな不具合がある。
【0005】即ち、図5に示すように例えば路面の右側
が低μ路で、左側が高μ路のスプリットμ路を走行する
場合には、右側の駆動輪の後輪13R、または前輪9R
と後輪13Rがスリップする可能性がある。このとき右
後輪13Rのスリップにより後輪差動制限装置11のリ
ヤ差動制限トルクTrが、従来技術のようにデフロック
方向に制御されると、左後輪13Lもデフロックにより
スリップしてリヤ2輪同時スリップを生じることがあ
る。またこの場合に、左後輪13Lの車輪速Nrlが左
前輪9Lの車輪速Nfl以上に増大し、これにより車両
スピンを招いて、車両の方向安定性を損うおそれがあ
る。低μ路の旋回時にはリヤ内輪が最もスリップし易く
なるが、この場合にも同様に制御されると、リヤ2輪同
時スリップ等を生じて、車両の安定性を損うおそれがあ
る。
【0006】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、後輪差動制限装置のスリップ時制御において、リヤ
2輪同時スリップや車両スピン等を防止して車両の安定
性を確保することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、左右後輪のリヤディファレンシャルに付
設される後輪差動制限装置のリヤ差動制限トルクを、少
なくともスリップ状態に応じて制御する制御系におい
て、前輪車輪速の小さい方に対して後輪車輪速の小さい
方が、不感帯を越えて大きくなる場合にリヤ2輪同時ス
リップを判断し、この場合に不感帯を越えた分に応じて
補正係数を設定して、前記リヤ差動制限トルクを減少補
正するものである。
【0008】
【作用】上記方法により、低μ路の走行において左右後
輪の一方がスリップすると、後輪差動制限装置にスリッ
プ状態に応じたリヤ差動制限トルクを生じてスリップ防
止され、このとき更に前後輪の車輪速の小さい方同志を
比較して、リヤ2輪同時スリップの有無が判断される。
そこでスプリットμ路等の走行で左右前輪の一方も同様
にスリップし、前輪の高μ路側の車輪速に対して、後輪
のリヤ差動制限トルクにより上昇した高μ路側の車輪速
が不感帯を越えて大きくなると、補正係数によりそのリ
ヤ差動制限トルクが減少補正され、後輪の高μ路側の車
輪速の上昇が抑えられるのであり、こうして後輪スリッ
プを抑えつつリヤ2輪同時スリップ等も確実に防止され
るようになる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、センターディファレンシャルを備
えたフルタイム式4輪駆動車の駆動系の概略について説
明すると、符合1はエンジン、2はクラッチ、3は変速
機であり、変速機出力軸4がセンターディファレンシャ
ル20に入力している。センターディファレンシャル2
0から前方にフロント駆動軸5が、後方にリヤ駆動軸6
が出力し、フロント駆動軸5はフロントディファレンシ
ャル7、車軸8を介して左右の前輪9L,9Rに、リヤ
駆動軸6はプロペラ軸10、リヤディファレンシャル1
1、車軸12を介して左右の後輪13L,13Rにそれ
ぞれ連結して伝動構成される。
【0010】リヤディファレンシャル11はベベルギヤ
式であり、このリヤディファレンシャル11の例えばデ
フケース11aと一方のサイドギヤ11bとの間に、差
動制限装置として油圧多板式リヤクラッチ28がバイパ
スして付設されている。そして、リヤクラッチ28のリ
ヤ差動制限トルクTrが零の場合は左右後輪13L,1
3Rに等しくトルク配分し、所定のリヤ差動制限トルク
Trを生じるとこのトルクTrの分だけ高速輪から低速
輪にトルク移動し、最も大きいリヤ差動制限トルクTr
でデフロックし、且つこの場合は左右後輪13L,13
Rにかかる車重Wと路面摩擦係数μとの積W・μに応じ
てトルク配分するようになっている。
【0011】センターディファレンシャル20は複合プ
ラネタリギヤ式であり、変速機出力軸4と一体の第1の
サンギヤ21、リヤ駆動軸6と一体の第2のサンギヤ2
2、及びこれらのサンギヤ21,22の周囲に複数個配
置されるピニオン23を有する。そしてピニオン23の
第1のピニオンギヤ23aが第1のサンギヤ21に、第
2のピニオンギヤ23bが第2のサンギヤ22にそれぞ
れ噛合っている。また変速機出力軸4にはドライブギヤ
25が回転自在に設けられ、このドライブギヤ25と一
体のキャリヤ24にピニオン23が軸支され、ドライブ
ギヤ25はフロント駆動軸5と一体のドリブンギヤ26
に噛合って構成される。一方、上記センターディファレ
ンシャル20には、差動制限装置として油圧多板式セン
タークラッチ27が付設されている。このセンタークラ
ッチ27は、例えばセンターディファレンシャル20の
直後方でドラム27aをキャリヤ24に、ハブ27bを
リヤ駆動軸6にそれぞれ結合して同軸上に配置される。
【0012】このセンターディファレンシャル20の構
成により、第1のサンギヤ21に入力する変速動力を、
キャリヤ24と第2のサンギヤ22とに所定の基準トル
ク配分で分けて伝達する。また旋回時の前後輪の回転差
を、ピニオン23の遊星回転により吸収するようにな
る。ここで基準トルク配分は2つのサンギヤ21,22
と2つのピニオンギヤ23a,23bとの4つのギヤ噛
合いピッチ円半径で自由に設定されることから、前後輪
の基準トルク配分を充分に後輪偏重に設定することが可
能になる。またフロントエンジンの搭載の場合は、車両
の前輪重量と後輪重量の静的重量配分が前輪偏重であ
り、油圧クラッチ27の差動制限による直結の場合は、
この重量配分に応じて前輪偏重にトルク配分される。従
って、油圧クラッチ27のセンター差動制限トルクTc
を制御することで前後輪のトルク配分を、後輪偏重の基
準トルク配分から前輪偏重の重量配分に及ぶ広い範囲で
制御することが可能になる。
【0013】次に、センタークラッチ27とリヤクラッ
チ28の油圧制御系について説明する。先ず、変速機が
自動変速機の場合は、その油圧制御系のオイルポンプ3
0の油圧をレギュレータ弁31で調圧したライン圧を利
用して構成される。そこで、センタークラッチ油圧制御
手段32はライン圧油路33と連通するクラッチ制御弁
34を有し、このクラッチ制御弁34が油路35を介し
てセンタークラッチ27に連通する。また、ライン圧油
路33はパイロット弁36及びオリフィス37を有する
油路38によりソレノイド弁40に連通し、ソレノイド
弁40によるデューティ圧が油路39を介してクラッチ
制御弁34の制御側に作用する。ソレノイド弁40は、
制御ユニット50からの各走行条件に応じたデューティ
信号が入力すると、それにより油圧をドレンしてデュー
ティ圧を生じるものであり、このデューティ圧に応じて
クラッチ制御弁34を動作して、センタークラッチ27
のセンター差動制限トルクTcを可変制御する。また、
リヤクラッチ油圧制御手段32’は、同様に油路33,
38と連通したクラッチ制御弁34’とソレノイド弁4
0’を有し、ソレノイド弁40’のデューティ圧により
リヤクラッチ28のリヤ差動制限トルクTrを可変制御
するようになっている。
【0014】図1において、後輪差動制限装置のスリッ
プ時制御系について説明する。入力情報として、左右前
輪9L,9Rの車輪速Nfl,Nfrを検出する回転数
センサ42,43、左右後輪13L,13Rの車輪速N
rl,Nrrを検出する回転数センサ44,45を有し
て、これらのセンサ信号が制御ユニット50に入力す
る。
【0015】制御ユニット50において、基本制御系に
ついて説明すると、左右後輪の車輪速Nrl,Nrrが
入力する車輪速差算出部51を有し、両車輪速の減算に
より車輪速差ΔNrを求める。この車輪速差ΔNrがP
動作補正値設定部52に入力して、左右後輪の軌跡差を
考慮した不感帯を越えた分に所定のゲインを掛けてP動
作の補正値Tpを設定する。即ち、4輪グリップ状態で
も左右後輪の車輪速差ΔNrが、例えば最大8km/h
になるため、不感帯を8km/hに定める。そして車輪
速差ΔNrがこの不感帯を越えた分に、例えば2kgf
m/km/hのゲインを掛けて補正値Tpを設定し、こ
の補正値Tpをリヤ差動制限トルク算出部53に入力す
る。
【0016】またハンチング防止するため、車輪速差Δ
Nrは変化率算出部54に入力して車輪速差の変化率d
ΔNr/dtを求め、この変化率dΔNr/dtがD動
作補正値設定部55に入力する。そして変化率dΔNr
/dtに例えば0.01kgfm/km/h/sのゲイ
ンを掛けてD動作の補正値Tdを定め、この補正値Td
もリヤ差動制限トルク算出部53に入力する。リヤ差動
制限トルク算出部53は、一般的な走行状態に応じてマ
ップにより設定した基本差動制限トルクTbを有し、こ
の基本差動制限トルクTbに上述のP動作とD動作の補
正値Tp,Tdを加算して、後輪スリップやハンチング
防止に対応したリヤ差動制限トルクTrを算出する。
【0017】次に、リヤ2輪同時スリップ防止の制御系
について説明する。先ず、制御則について説明すると、
リヤ2輪同時スリップの有無は、後輪車輪速のみでは判
断することができず、このため4輪の車輪速を監視する
必要がある。そして前輪車輪速の小さい方に対して後輪
車輪速の小さい方が、軌跡差を考慮した不感帯を越えた
場合には、リヤ2輪同時スリップと判断することができ
る。そこでこのとき、リヤ差動制限トルクを緩めるよう
に補正すれば良い。
【0018】そこで左右前輪の車輪速Nfl,Nfr
と、左右後輪の車輪速Nrl,Nrrはそれぞれ小さい
方を選ぶ選択部56,57に入力して、前後輪の車輪速
の小さい方を選択し、この車輪速NflまたはNfr,
NrlまたはNrrがリヤ2輪同時スリップ判定部58
に入力する。ここで前後輪の軌跡差は、リヤデフロック
で前輪内輪グリップしてフル転舵した場合の例えば最大
4km/hであるから、前輪側の小さい車輪速Nflま
たはNfrに対して、後輪側の小さい車輪速Nrlまた
はNrrがこの不感帯を越えた場合に、リヤ2輪同時ス
リップを判断し、補正係数設定部59でスリップ状態に
応じた補正係数Kを定める。
【0019】ここで補正係数設定部59では、センサ精
度等を考慮して、例えば25km/hの設定車速以下
と、以上とに分ける。設定車速以下では車輪速差ΔN
(例えばNrl−Nfl)を算出して、図3(a)のよ
うに不感帯を越えた車輪速差ΔNに対して補正係数K
を、減少関数的に設定する。また設定車速以上ではスリ
ップ率S(ΔN/V)を算出して、同図(b)のように
4km/hに相当する不感帯を越えたスリップ率Sに対
して補正係数Kを、同様に設定する。
【0020】この補正係数Kは補正部60に入力し、リ
ヤ差動制限トルクTrに補正係数Kを乗算して補正す
る。そしてこのトルクは、更にデューティ比変換部61
で所定のデューティ比Dに変換され、このデューティ信
号がソレノイド弁40’に出力するように構成される。
【0021】次いで、この実施例の作用を説明する。先
ず車両走行時にエンジン1の動力がクラッチ2を介して
変速機3に入力し、変速動力がセンターディファレンシ
ャル20の第1のサンギヤ21に入力する。ここで、セ
ンターディファレンシャル20の各歯車諸元により基準
トルク配分が後輪偏重に設定されているため、このトル
ク配分でキャリヤ24と第2のサンギヤ22に分配して
動力が出力される。このときセンタークラッチ27が解
放されていると、上記基準トルク配分で更に前後輪側に
動力伝達して4輪駆動でありながらFR的になって、旋
回性、操縦性が良好になる。またセンターディファレン
シャル20がフリーになって、前後輪の回転差を吸収し
ながら自由に旋回することが可能になる。
【0022】一方、油圧制御手段32によりセンターク
ラッチ27にセンター差動制限トルクTcを生じると、
このトルクTcに応じて第2のサンギヤ22とキャリヤ
24の間で更にバイパスしてトルク移動し、後輪偏重か
ら直結時の車重配分に応じた前輪偏重のトルク配分に可
変制御されて、前輪または後輪のスリップ等が防止され
る。このときセンターディファレンシャル20の差動制
限で有効に動力伝達して脱出、走破性、安定性等が向上
するようになる。
【0023】上記センターディファレンシャル20とセ
ンタークラッチ27によりトルク配分して後輪側に伝達
する動力はリヤディファレンシャル11に入力し、この
リヤディファレンシャル11とリヤクラッチ28により
更に左右後輪13L,13Rにトルク配分制御して伝達
される。即ち、リヤクラッチ28が解放すると、リヤデ
ィファレンシャル11がフリーになり、且つその歯車諸
元により等トルク配分される。
【0024】この4輪駆動走行においては、4輪の回転
数センサ42〜45の車輪速Nfl,Nfr,Nrl,
Nrrが制御ユニット50に入力して処理される。即
ち、左右後輪の車輪速差ΔNrが算出され、この車輪速
差ΔNrに基づいて後輪スリップ判断され、ノンスリッ
プの場合は走行状態に応じた基本差動制限トルクTbの
みでトルクTrが算出される。そしてこのトルクTrの
デューティ信号が油圧制御手段32’に出力して、リヤ
クラッチ28に所定のリヤ差動制限トルクTrを生じ
る。そこでリヤ差動制限トルクTrに応じて左右後輪1
3L,13Rが、所定の不等トルクに配分される。
【0025】一方、低μ路での走行時に、左右後輪の車
輪速差ΔNrが不感帯を越えて増大してスリップを生じ
ると、P動作とD動作の補正値Tp,Tdによりリヤ差
動制限トルクTrが大きく制御される。このため高速の
スリップ車輪から低速のグリップ車輪にトルク移動し、
スリップ車輪のトルクが減少してそのスリップが防止さ
れる。またこうしてスリップ防止されると、車輪速差Δ
Nrが減少するが、上記D動作の補正値Tdによりリヤ
差動制限トルクTrが比較的大きい状態に保持され、こ
れによりスリップとノンスリップを繰返してハンチング
することが防止される。
【0026】このとき更に、前輪側の小さい車輪速Nf
lまたはNfrと、後輪側の小さい車輪速Nrlまたは
Nrrが選択され、これらの小さいもの同志が不感帯を
考慮して比較される。そこで左右前輪9L,9Rがいず
れもグリップする場合は、両車輪速Nfl,Nfrが略
等しく、後輪側でも上記リヤ差動制限トルクTrにより
スリップ時制御されて両車輪速Nrl,Nrrが略等し
くなる。このため両者の車輪速差ΔNが小さくなって、
リヤ2輪同時スリップを生じなくなり、上述のスリップ
時制御の状態に保持される。
【0027】一方、図5のスプリットμ路の走行時に
は、左右前輪9L,9Rの車輪速も路面μの相違に応じ
て変化し、図4のように前輪の低μ路側車輪9Rがスリ
ップして車輪速Nfrが大きく、同高μ路側車輪9Lは
車輪速Nflが小さくなることがある。一方、後輪側で
は上述のようにリヤ差動制限トルクTrを生じてスリッ
プ時制御され、一点鎖線の略等しい車輪速Noになる。
そこでこの場合は、前輪側の小さい車輪速Nflと後輪
側の車輪速Noが比較され、図示のように車輪速Nfl
に対して車輪速Noが不感帯を越えて大きくなると、リ
ヤ2輪同時スリップ判断される。そして補正係数設定部
59で、車速により車輪速差ΔNまたはスリップ率Sに
応じて補正係数Kが設定される。また補正部60でこの
補正係数Kにより、リヤ差動制限トルクTrが減少補正
されることになる。
【0028】このため後輪では、リヤ差動制限トルクT
rが緩められることで、図4のように高μ路側車輪13
Lの車輪速Nrlは、前輪の高μ路側車輪速Nflに対
して不感帯以下に低下するように抑制される。こうして
後輪のスリップを抑えてトラクション性能を向上した状
態で、リヤ2輪同時スリップや車両スピンが防止され
る。尚、低μ路の旋回時にも、リヤ2輪同時スリップの
有無を判断して同様に制御される。
【0029】以上、本発明の実施例について説明した
が、これのみに限定されない。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
後輪差動制限装置のスリップ時制御において、4輪の車
輪速を監視して、前輪車輪速の小さい方に対して、後輪
車輪速の小さい方が不感帯を越えて上昇しないように制
御されるので、低μ路でのリヤ2輪同時スリップや車両
スピンを有効に防止することができ、車両の方向安定性
が向上する。補正係数を設定してリヤ差動制限トルクを
減少補正する方法であるから、制御が容易であり、後輪
スリップを抑えてトラクション性能を向上すると共に、
車両の安定性も確保することができる。前後輪の小さい
車輪速同志の車輪速差、スリップ率に応じて補正係数を
設定するので、後輪スリップとリヤ2輪同時スリップを
共に有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の後輪差動制限装置の制御方法に適した
実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明が適応される4輪駆動車の駆動系と油圧
制御系の構成を示す構成図である。
【図3】車輪速差とスリップ率に対する補正係数の特性
図である。
【図4】リヤ2輪同時スリップ防止の制御状態を示す図
である。
【図5】スプリットμ路の走行状態を示す図である。
【符号の説明】
9L,9R 前輪 11 リヤディファレンシャル 13L,13R 後輪 28 リヤクラッチ 42〜45 回転数センサ 50 制御ユニット 53 リヤ差動制限トルク算出部 58 リヤ2輪同時スリップ判定部 59 補正係数設定部 60 補正部

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右後輪のリヤディファレンシャルに付
    設される後輪差動制限装置のリヤ差動制限トルクを、少
    なくともスリップ状態に応じて制御する制御系におい
    て、前輪車輪速の小さい方に対して後輪車輪速の小さい
    方が、不感帯を越えて大きくなる場合にリヤ2輪同時ス
    リップを判断し、この場合に不感帯を越えた分に応じて
    補正係数を設定して、前記リヤ差動制限トルクを減少補
    正することを特徴とする後輪差動制限装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記補正係数は、車輪速差またはスリッ
    プ率に対して減少関数的に設定されることを特徴とする
    請求項1記載の後輪差動制限装置の制御方法。
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