JP3390188B2 - 後輪差動制限装置の制御方法 - Google Patents

後輪差動制限装置の制御方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のリヤディファレ
ンシャルに装備される後輪差動制限装置のリヤ差動制限
トルクを、各運転走行の条件に応じて制御する制御方法
に関し、詳しくは、タックイン現象の低減制御に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に車両においては、走行中に種々の
外乱以外に、操舵による横力、アクセル操作による駆動
力、ブレーキ操作による制動力が加えられ、これにより
車両の運動が常に変化して種々の挙動を示す。この場合
の車両の挙動変化の1つとして高速旋回中にアクセルオ
フすると、後輪から前輪への荷重移動やピッチングによ
る姿勢変化によって前輪のコーナリングフォースの増加
をもたらし、この結果旋回半径が急に小さくなるタック
イン現象がある。このタックイン現象は、車両の安定性
を損いドライバに違和感を与えるので好ましくない現象
とされており、このためタックイン現象を低減すること
が望まれている。
【0003】また車両においては、前後輪や左右後輪の
トルク配分を制御すると、旋回性能や車両挙動変化に対
して影響を与えることが知られている。そこで前後輪や
左右後輪において適正にトルク配分制御することで、運
動性能や動的安定性を向上することが期待される。
【0004】ここで高速旋回中のアクセルオフ時にリヤ
差動制限トルクを増大すると、図5(a)に示すよう
に、外輪の制動力B1が、内輪の制動力B2より大きく
なる。そしてこの制動力差により、車両を直進させよう
とするヨーモーメントMが発生し、タックイン現象の低
減に有効であることが、実車試験で確認されている。そ
こでリヤディファレンシャルに差動制限装置として、任
意にトルク制御可能な油圧多板クラッチを付設して構成
し、リヤ差動制限トルクを制御することで、上述のタッ
クイン現象を低減することが期待される。
【0005】従来、後輪差動制限装置に多板クラッチを
用いて電子制御するものに関しては、以下の先行技術が
ある。特開昭62−178434号公報では、車速が所
定値以上で舵角が所定値以下の高速直進走行時に差動制
限トルクを増大して、走行安定性を向上することが示さ
れている。特開昭61−102321号公報では、アク
セル踏込み量により加速状態を検出し、アクセル踏込み
量に応じて差動制限トルクを増大関数的に制御して加速
時の加速性能を向上し、低負荷時の旋回性を向上するこ
とが示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記先行技
術のものにあっては、前者が高速直進安定性を、後者が
加速時の加速性能を向上することを図るものであるか
ら、タックイン現象を低減することはできない。
【0007】本発明は、この点に鑑みてなされたもの
で、後輪差動制限装置のトルク配分制御により、高速旋
回中のアクセルオフ時のタックイン現象を効果的に低減
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の後輪差動制限装置の制御方法は、第1に
は、左右後輪のリヤディファレンシャルに付設される後
輪差動制限装置のリヤ差動制限トルクを制御する制御系
において、高速旋回中のアクセルオフ時のタックイン強
さを、各変速段毎の車速と横加速度との関係で設定され
スタビリティファクタの減少として数値化予測して設
定し、このスタビリティファクタの減少を防ぐためのヨ
ーモーメントを算出し、このヨーモーメントに対応した
リヤ差動制限トルクを演算して後輪差動制限トルクを制
御することを特徴とする。第2には、前記の後輪差動制
限装置の制御方法において、前記ヨーモーメントは、定
常円旋回の運動方程式に基づき、スタビリティファクタ
減少量、横加速度、前後輪の等価コーナリングパワ、ホ
イールベースの式により算出されることを特徴とする。
第3には、前記の後輪差動制限装置の制御方法におい
て、前記リヤ差動制限トルクは、ヨーモーメント、タイ
ヤ径、トレッドの式により算出されることを特徴とす
る。
【0009】
【作用】上記方法により、高速旋回中のアクセルオフ時
には、旋回状態に応じてタックイン強さが予測され、こ
れがスタビリティファクタの減少で数値化して設定され
る。そしてこのスタビリティファクタの減少を防ぐため
のヨーモーメント、リヤ差動制限トルクを演算して後輪
差動制限装置のトルクが制御されることで、アクセルオ
フ時には車両に内輪と外輪の制動力差により適正なヨー
モーメントが発生して、タックインが適確に防止される
ようになる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図2において、センターディファレンシャルを備
えたフルタイム式4輪駆動車の駆動系の概略について説
明すると、符合1はエンジン、2はクラッチ、3は変速
機であり、変速機出力軸4がセンターディファレンシャ
ル20に入力している。センターディファレンシャル2
0から前方にフロント駆動軸5が、後方にリヤ駆動軸6
が出力し、フロント駆動軸5はフロントディファレンシ
ャル7、車軸8を介して左右の前輪9L,9Rに、リヤ
駆動軸6はプロペラ軸10、リヤディファレンシャル1
1、車軸12を介して左右の後輪13L,13Rにそれ
ぞれ連結して伝動構成される。
【0011】リヤディファレンシャル11はベベルギヤ
式であり、このリヤディファレンシャル11の例えばデ
フケース11aと一方のサイドギヤ11bとの間に、差
動制限装置として油圧多板式リヤクラッチ28がバイパ
スして付設されている。そしてリヤクラッチ28の差動
制限トルクTdが零の場合は、左右後輪13L,13R
に等しくトルク配分し、所定の差動制限トルクTdを生
じるとこのトルクTdの分だけ高速輪から低速輪にトル
ク移動し、最終的にはデフロックを生じる。
【0012】センターディファレンシャル20は複合プ
ラネタリギヤ式であり、変速機出力軸4と一体の第1の
サンギヤ21、リヤ駆動軸6と一体の第2のサンギヤ2
2、及びこれらのサンギヤ21,22の周囲に複数個配
置されるピニオン23を有する。そしてピニオン23の
第1のピニオンギヤ23aが第1のサンギヤ21に、第
2のピニオンギヤ23bが第2のサンギヤ22にそれぞ
れ噛合っている。また変速機出力軸4にはドライブギヤ
25が回転自在に設けられ、このドライブギヤ25と一
体のキャリヤ24にピニオン23が軸支され、ドライブ
ギヤ25はフロント駆動軸5と一体のドリブンギヤ26
に噛合って構成される。一方、上記センターディファレ
ンシャル20には、差動制限装置として油圧多板式セン
タークラッチ27が付設されている。このセンタークラ
ッチ27は、例えばセンターディファレンシャル20の
直後方でドラム27aをキャリヤ24に、ハブ27bを
リヤ駆動軸6にそれぞれ結合して同軸上に配置される。
【0013】このセンターディファレンシャル20の構
成により、第1のサンギヤ21に入力する変速動力を、
キャリヤ24と第2のサンギヤ22とに所定の基準トル
ク配分で分けて伝達する。また旋回時の前後輪の回転差
を、ピニオン23の遊星回転により吸収するようにな
る。ここで基準トルク配分は2つのサンギヤ21,22
と2つのピニオンギヤ23a,23bとの4つのギヤ噛
合いピッチ円半径で自由に設定されることから、前後輪
の基準トルク配分を充分に後輪偏重に設定することが可
能になる。またフロントエンジンの搭載の場合は、車両
の前輪重量と後輪重量の静的重量配分が前輪偏重であ
り、油圧クラッチ27の差動制限による直結の場合は、
この重量配分に応じて前輪偏重にトルク配分される。従
って、油圧クラッチ27の差動制限トルクを制御するこ
とで前後輪のトルク配分を、後輪偏重の基準トルク配分
から前輪偏重の重量配分に及ぶ広い範囲で制御すること
が可能になる。
【0014】次に、センタークラッチ27とリヤクラッ
チ28の油圧制御系について説明する。先ず、変速機が
自動変速機の場合は、その油圧制御系のオイルポンプ3
0の油圧をレギュレータ弁31で調圧したライン圧を利
用して構成される。そこで、センタークラッチ油圧制御
手段32はライン圧油路33と連通するクラッチ制御弁
34を有し、このクラッチ制御弁34が油路35を介し
てセンタークラッチ27に連通する。また、ライン圧油
路33は、パイロット弁36及びオリフィス37を有す
る油路38によりソレノイド弁40に連通し、ソレノイ
ド弁40によるデューティ圧が油路39を介してクラッ
チ制御弁34の制御側に作用する。ソレノイド弁40は
制御ユニット50からの各走行条件に応じたデューティ
信号が入力すると、それにより油圧をドレンしてデュー
ティ圧を生じるものであり、このデューティ圧に応じて
クラッチ制御弁34を動作し、センタークラッチ27の
差動制限トルクTcを可変制御する。また、リヤクラッ
チ油圧制御手段32’は同様に油路33,38と連通し
たクラッチ制御弁34’とソレノイド弁40’を有し、
ソレノイド弁40’のデューティ圧によりリヤクラッチ
28の差動制限トルクTdを可変制御するようになって
いる。
【0015】図1において、特にリヤ差動制限によるタ
ックイン現象低減制御系について説明する。先ず基本的
制御原理について説明すると、図5(a)のように高速
旋回中のアクセルオフ時には、リヤ差動制限トルクTd
を増すことでヨーモーメントMを生じるので、タックイ
ンの強さを予測し、これを防止するヨーモーメントを算
出してリヤ差動制限すれば良いことになる。タックイン
の強さは、車速、横加速度、変速段をパラメータとした
各旋回走行において、スタビリティファクタの減少を実
測することで、予め数値化して設定できる。そこで車両
が定常円旋回する際の運動方程式において、スタビリテ
ィファクタの減少を防ぐためのヨーモーメントを算出
し、このヨーモーメントに対応したリヤ差動制限トルク
を求めれば良い。
【0016】そこでスタビリティファクタの減少に対し
て、ヨーモーメント、リヤ差動制限トルクを算出する式
について説明する。先ず高速旋回において、図5(b)
に示す2輪モデルについての運動方程式について説明す
る。車体質量m、車速V、車体すべり角β、ヨーレイト
γ、前後輪のコーナリングフォースCf,Cr、ヨー慣
性I、重心から前後輪までの距離Lf,Lr、リヤ差動
制限によるヨーモーメントMとすると、重心に作用する
遠心力と前後輪のコーナリングフォースは釣合うので、
次式が成立する。
【0017】
【数1】
【0018】また定常円旋回であって、重心回りのモー
メントも釣合うので、次式が成立する。
【数2】
【0019】ここで前後輪のコーナリングフォースC
f,Crをタイヤの等価コーナリングパワKf,Kr、
タイヤのすべり角αf,αrを用いて表すと、以下のよ
うになる。
【数3】
【0020】(3),(4)式を(1),(2)式に代
入し、更にタイヤのすべり角αf,αrを前輪舵角δを
用いて書き直して整理すると、以下の式になる。
【数4】
【0021】また、定常円旋回の場合の特性として、車
体すべり角β、ヨーレイトγは共に一定で、その変化量
は零になる。従って、(5),(6)式は、以下のよう
になる。
【数5】
【0022】ここで(8)式を次のように変形する。
【数6】
【0023】(7),(8’)式をヨーレイトγについ
て解くと、次式になる。ただしMに付随するγは残す。
またLはホイールベース(Lf+Lr)である。
【数7】
【0024】この(9)式が物理的に意味を持つ(安定
なヨーレイトが存在する)には、以下の条件が必要であ
る。
【数8】
【0025】ここでリヤ差動制限付車に拡張したスタビ
リティファクタA’を導入すると、以下になる。
【数9】
【0026】またリヤ差動制限無しの一般的なスタビリ
ティファクタA、横加速度Gsを用いて示すと、以下に
なる。
【数10】
【0027】従って、スタビリティファクタの減少量Δ
Aを、旋回走行の状態に応じて予め設定すると、それを
防止するヨーモーメントMは次式(13)で算出され
る。
【数11】
【0028】更に、ヨーモーメントM、タイヤ径R、ト
レッドdによりリヤ差動制限トルクTdは、以下の式
(14)で算出される。
【数12】
【0029】そこで上記基本的制御原理に基づき、アク
セルスイッチ43、車速Vを検出する車速センサ41、
横加速度Gsを検出する横Gセンサ42,変速機の変速
段を検出する変速段センサ44を有する。そしてこれら
のセンサ、スイッチ信号及び変速信号が制御ユニット5
0に入力する。
【0030】制御ユニット50は、アクセルスイッチ4
3の信号が入力するアクセルオフ判定部51、車速V、
横加速度Gs、変速信号が入力するタックイン強さ予測
部52を有する。タックイン強さ予測部52は、車速V
と横加速度Gsにより高速旋回の状態を判断して、この
旋回中にアクセルオフする際のタックイン強さを予測
し、これをスタビリティファクタの減少量として数値化
して設定する。
【0031】ここで例えば第3速の変速段で、車速Vを
変化して高速旋回する場合の横加速度Gsとスタビリテ
ィファクタの減少量ΔAを実車計測等で示すと、図3
(a)のようになる。この特性からスタビリティファク
タは所定の横加速度から減少し、その減少量ΔAは車速
Vと横加速度Gsに対して略増大関数的に変化し、所定
の横加速度以降は急増してタックインが強くなることが
分かる。そこでこの特性に基づき、同図(b)のように
各変速段毎に車速Vと横加速度Gsをパラメータとした
スタビリティファクタ減少量ΔAのマップを予め設定す
る。そしてアクセルオフ時にこのマップを検索して、タ
ックイン強さに応じたスタビリティファクタ減少量ΔA
を定め、ヨーモーメント演算部53に入力する。
【0032】ヨーモーメント演算部53は、上述の定常
円旋回の運動方程式の(13)式に基づき、スタビリテ
ィファクタ減少量ΔA、横加速度Gs、前後輪の等価コ
ーナリングパワKf,Kr、ホイールベースLにより、
タックインを防止するのに必要なヨーモーメントMを算
出する。このヨーモーメントMはリヤ差動制限トルク演
算部54に入力し、上述の(14)式に基づき、ヨーモ
ーメントM、タイヤ径R、トレッドdによりリヤ差動制
限トルクTdを算出する。そしてこのリヤ差動制限トル
クTdはデューティ比変換部55で所定のデューティ比
Dに変換し、このデューティ信号をソレノイド弁40’
に出力するように構成される。
【0033】次いで、この実施例の作用を説明する。先
ず車両走行時にエンジン1の動力がクラッチ2を介して
変速機3に入力し、変速動力がセンターディファレンシ
ャル20の第1のサンギヤ21に入力する。ここで、セ
ンターディファレンシャル20の各歯車諸元により基準
トルク配分が後輪偏重に設定されているため、このトル
ク配分でキャリヤ24と第2のサンギヤ22に分配して
動力が出力される。このときセンタークラッチ27が解
放されていると、上記基準トルク配分で更に前後輪側に
動力伝達して4輪駆動でありながらFR的になって、旋
回性、操縦性が良好になる。またセンターディファレン
シャル20がフリーになって、前後輪の回転差を吸収し
ながら自由に旋回することが可能になる。
【0034】一方、油圧制御手段32によりセンターク
ラッチ27に差動制限トルクTcを生じると、差動制限
トルクTcに応じて第2のサンギヤ22とキャリヤ24
の間で更にバイパスしてトルク移動し、後輪偏重から直
結時の車重配分に応じた前輪偏重のトルク配分に可変制
御され、前輪又は後輪のスリップ等が防止される。この
ときセンターディファレンシャル20の差動制限で有効
に動力伝達して脱出、走破性、安定性等が向上するよう
になる。
【0035】上記センターディファレンシャル20とセ
ンタークラッチ27によりトルク配分して後輪側に伝達
する動力はリヤディファレンシャル11に入力し、この
リヤディファレンシャル11とリヤクラッチ28により
更に左右後輪13L,13Rにトルク配分制御して伝達
される。即ち、リヤクラッチ28が解放すると、リヤデ
ィファレンシャル11がフリーになり、且つその歯車諸
元により等トルク配分される。また油圧制御手段32’
によりリヤクラッチ28にリヤ差動制限トルクTdを生
じると、リヤディファレンシャル11の差動制限でグリ
ップ車輪に有効に動力伝達され、且つリヤ差動制限トル
クTdに応じて高速輪から低速輪にトルク移動する。
【0036】一方、上記4輪駆動での走行時には、各セ
ンサ、スイッチ等の信号が制御ユニット50に入力し、
高速旋回する場合はタックイン強さ予測部52で車速
V、横加速度Gs、変速信号により高速旋回の状態が判
断される。そこで高速旋回中にアクセルオフ操作する
と、タックイン強さを予測してこれに応じたスタビリテ
ィファクタ減少量ΔAがマップ検索される。そしてこの
スタビリティファクタ減少量ΔA、横加速度Gsに対す
るヨーモーメントMが算出され、更にこのヨーモーメン
トMに対応するリヤ差動制限トルクTdが算出される。
こうして算出されたリヤ差動制限トルクTdのデューテ
ィ信号が油圧制御手段32’に出力して、リヤクラッチ
28がフィードフォワード制御され、これにより図4の
ようにアクセルオフ時に直ちに所定のリヤ差動制限トル
クTdを生じる。
【0037】そこで高速旋回中のアクセルオフ時には上
記リヤ差動制限トルクTdにより内輪と外輪に所定の制
動力を生じて、車両に所定のヨーモーメントMが発生す
ることになる。そしてこのヨーモーメントMにより車両
の姿勢が旋回半径の小さい側に変化することが相殺さ
れ、図4のようにヨーレイトの増加やヘッドインの増加
が抑えられるのであり、こうしてタックイン現象が防止
される。
【0038】ここで旋回状態によりタックイン強さが大
きく予測される場合は、スタビリティファクタ減少量Δ
Aと共にリヤ差動制限トルクTdも大きく制御され、こ
うして常にアクセルオフによるステア特性の変化分だけ
リヤ差動制限トルクTdが補正される。このためアクセ
ルオフ以降もそれまでと同一の基準円に正確に沿って旋
回走行するようになって、アンダーステアやオーバステ
アが回避される。また同一の基準円を保つことで、再び
アクセルオンする場合は車両が挙動変化することなく、
旋回加速される。
【0039】以上、本発明の実施例について説明した
が、FR車にも適応できることは勿論である。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、後
輪差動制限装置のトルク配分制御において、高速旋回中
のアクセルオフ時のタックイン強さを予測してスタビリ
ティファクタの減少として数値化して設定し、これを防
ぐためのヨーモーメント、リヤ差動制限トルクを演算し
て制御する方法であるから、種々の旋回状態のタックイ
ン現象を確実に防止することができ、走行安定性、安全
性等が向上する。アクセルオフ時のステア特性の変化分
だけをリヤ差動制限トルクにより補正するので、タック
イン現象のみを適確に防止することができ、再加速時の
車両の挙動変化や違和感も少なくなる。
【0041】スタビリティファクタの減少は、車速、横
加速度、変速段のマップで容易に設定される。また運動
方程式によりヨーモーメント、リヤ差動制限トルクが正
確に演算され、このため制御が正確で容易化して、信頼
性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の後輪差動制限装置の制御方法に適した
実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明が適応される4輪駆動車の駆動系と油圧
制御系の構成を示す構成図である。
【図3】タックイン強さを数値化したスタビリティファ
クタの減少の特性と、設定マップを示す図である。
【図4】アクセルオフ時のタックイン防止の制御状態を
示す図である。
【図5】タックイン防止の原理と、2輪モデルを示す図
である。
【符号の説明】
11 リヤディファレンシャル 28 リヤクラッチ 32’ リヤクラッチ油圧制御手段 50 制御ユニット 51 アクセルオフ判定部 52 タックイン強さ予測部 53 ヨーモーメント演算部 54 リヤ差動制限トルク演算部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左右後輪のリヤディファレンシャルに付
    設される後輪差動制限装置のリヤ差動制限トルクを制御
    する制御系において、 高速旋回中のアクセルオフ時のタックイン強さを、各変
    速段毎の車速と横加速度との関係で設定されたスタビリ
    ティファクタの減少として数値化予測して設定し、この
    スタビリティファクタの減少を防ぐためのヨーモーメン
    を算出し、このヨーモーメントに対応したリヤ差動制
    限トルクを演算して後輪差動制限トルクを制御すること
    を特徴とする後輪差動制限装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 前記ヨーモーメントは、定常円旋回の運
    動方程式に基づき、スタビリティファクタ減少量、横加
    速度、前後輪の等価コーナリングパワ、ホイールベース
    の式により算出されることを特徴とする請求項1記載の
    後輪差動制限装置の制御方法。
  3. 【請求項3】 前記リヤ差動制限トルクは、ヨーモーメ
    ント、タイヤ径、トレッドの式により算出されることを
    特徴とする請求項1記載の後輪差動制限装置の制御方
    法。
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