JP3029673B2 - 4輪駆動車の不等トルク配分制御装置 - Google Patents

4輪駆動車の不等トルク配分制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、センターディファレンシャル装置を備えて
トルク配分制御される4輪駆動車において、前後輪のト
ルク配分を走行条件に応じてアクティブに不等配分する
不等トルク配分制御装置に関し、詳しくは、低μ路での
旋回加速後のスピン防止対策に関するものである。
〔従来の技術〕
センターディファレンシャル装置を備えたフルタイム
式4輪駆動車において、センターディファレンシャル装
置の基準トルク配分を後輪偏重に設定する。また、セン
ターディファレンシャル装置には差動制限装置を付設し
て、差動制限トルクを後輪偏重から直結した場合の車重
配分の間で電子的に制御する。この不等トルク配分制御
系により、常に後輪を先にスリップさせて4輪スリップ
を防ぎ、FR(フロントエンジン・リヤドライブ)傾向の
駆動で操縦性,旋回性等を向上し、更に広い制御領域を
得る方式が、本件出願人により既に提案されている。そ
して、この広い制御領域で各走行条件に応じて差動制限
トルクを適正に定め、最適に電子制御することが開発さ
れている。
ここで、かかる後輪偏重をベースとした不等トルク配
分制御系において、通常制御モードでは大転舵時のタイ
トコーナブレーキ現象を防止するため、スロットル開度
の小さい領域では、差動制限トルクを比較的小さくして
センターディファレンシャル装置をフリーの状態に設定
している。しかし、通常制御モードとしてこれのみの制
御では、低μ路において旋回加速後にアクセル戻し、セ
レクトダウン等の操作を行うと、差動制限トルクが小さ
いことで後輪のブレーキトルクが大きくなり、スピンの
傾向になる。このため、通常制御モードでは上記のタイ
トコーナブレーキ現象を有効に防止すると共に、比較的
車速の大きい状態で旋回する際のスピン傾向も防いで、
車両の挙動の安定化を図ることが望まれる。
そこで、従来この種のセンターディファレンシャル装
置を備えた4輪駆動車の差動制限トルク制御に関して
は、例えば特開平2−18121号公報の先行技術がある。
ここで、ベベルギヤ式のセンターディファレンシャル装
置を有し、このデフケースとフロントデフのデフケース
との間に差動制限装置を設ける。そして、差動制限力を
駆動力に対し、増大関数的に設定することが示されてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、上記先行技術のものにあっては、ベベルギ
ヤ式のセンターディファレンシャル装置であって等分に
トルク配分され、この状態から前輪偏重に不等トルク配
分制御される構成であるから、本件の場合と技術思想が
基本的に異なっている。この方式では、旋回時に後輪偏
重にトルク配分されることが無いので、スピン傾向にな
ることも無いが、本発明のようなFR的な駆動による性能
のメリット等を得ることもできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたもので、その目
的とするところは、差動制限トルクにより後輪偏重から
車重配分の広い領域で、前後輪のトルクを制御する不等
トルク配分制御において、旋回時のタイトコーナブレー
キ現象と共に、スピン傾向も防止することが可能な4輪
駆動車の不等トルク配分制御装置を提供することにあ
る。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の4輪駆動車の不等
トルク配分制御装置は、基準トルク配分を後輪偏重の不
等トルク配分に定めるセンターディファレンシャル装置
の差動を制限することで、前輪偏重のトルク配分に制御
する差動制限装置を有するセンターディファレンシャル
装置付4輪駆動車において、前記差動制限装置を制御す
る制御ユニットは、スロットル開度信号と車速信号とに
基づいた通常,発進,転舵,スリップの各モードに応じ
基本トルクを設定する基本トルク設定手段と、前後輪差
回転に基づいて補正係数を設定する補正係数設定手段
と、前記基本トルクを前記補正係数により補正して差動
制限トルクを算出する差動制限トルク算出手段とを有
し、前記基本トルク設定手段は、通常モードのとき、2
速以上の変速段で、且つスロットル開度信号の小さい領
域においてアクセル開放に伴う差動制限トルクの変動を
抑制するよう基本トルクを高く設定したことを特徴とし
ている。
〔作用〕
上記構成に基づき、4輪駆動での車両走行時に、制御
ユニットで各走行状態に応じたモードを判断して適正な
差動トルクが算出され、これにより差動制限装置のトル
クが制御されて、前後輪のトルクが後輪偏重と前輪偏重
との間で最適に不等トルク配分制御され、種々の性能を
発揮する。そして、通常モードの低速段では比較的低ト
ルクに設定されて、大転舵時のタイトコーナブレーキ現
象が確実に防止され、高速段の低負荷では高トルクに設
定されて、低μ路の旋回加速後のアクセル戻しの際のス
ピン傾向も、防止することが可能になる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第2図において、センターディファレンシャル装置を
備えたフルタイム式4輪駆動車の駆動系の概略について
述べると、符合1はエンジン、2はクラッチ、3は変速
機であり、変速機出力軸4がセンターディファレンシャ
ル装置20に入力している。センターディファレンシャル
装置20から前方にフロント駆動軸5が、後方にリヤ駆動
軸6が出力し、フロント駆動軸5はフロントディファレ
ンシャル装置7,車軸8を介して左右の前輪9に、リヤ駆
動軸6はプロペラ軸10,リヤディファレンシャル装置11,
車軸12を介して左右の後輪13にそれぞれ連結して、伝動
構成される。
センターディファレンシャル装置20は複合プラネタリ
ギヤ式であり、変速機出力軸4と一体の第1サンギヤ2
1,リヤ駆動軸6と一体の第2サンギヤ22,及びこれらの
サンギヤ21,22の周囲に複数個配置されるピニオン23を
有し、ピニオン23の第1ピニオン23ギヤ23aが第1サン
ギヤ21に、第2ピニオン23ギヤ23bが第2サンギヤ22に
それぞれ噛合っている。また、変速機出力軸4にはリダ
クションのドライブギヤ25が回転自在に設けられ、この
ドライブギヤ25と一体のキャリヤ24にピニオン23が軸支
され、ドライブギヤ25はフロント駆動軸5と一体のドリ
ブンギヤ26に噛合って構成される。
一方、上記センターディファレンシャル装置20には、
差動制限装置として油圧クラッチ27が付設されている。
この油圧クラッチ27は、例えばセンターディファレンシ
ャル装置20の直後方でドラム27aをキャリヤ24に、ハブ2
7bをリヤ駆動軸6にそれぞれ結合して同軸上に配置され
る。
このセンターディファレンシャル装置20の構成によ
り、第1サンギヤ21に入力する変速動力を、キャリヤ24
と第2サンギヤ22とに、所定の基準トルク配分で分けて
伝達する。また、旋回時の前後輪の回転差を、ピニオン
23の遊星回転により吸収するようになる。ここで、基準
トルク配分は2つのサンギヤ21,22と2つのピニオンギ
ヤ23a,23bとの4つのギヤ噛合いピッチ円半径で自由に
設定されることになる。そこで、前輪トルクTFと後輪ト
ルクTRの基準トルク配分eTSを、例えば以下のように充
分に後輪偏重に設定することが可能になる。
eTS=TF:TR≒34:66 またフロントエンジンの搭載の場合は、車両の前輪重
量WFと後輪重量WRの静的重量配分eWが、例えば以下のよ
うになっている。
eW=WF:WR≒62:38 従って、油圧クラッチ27の差動制限による直結の場合
は、この重量配分に応じて前輪偏重にトルク配分され
る。以上により、油圧クラッチ27の差動制限トルクを制
御することで前後輪のトルク配分を、後輪偏重の基準ト
ルク配分eTSと、前輪偏重の重量配分eWとの広い範囲で
制御することが可能になるのである。
次に、油圧クラッチ27の油圧制御系について述べる。
先ず、変速機が自動変速機の場合は、その油圧制御系
のオイルポンプ30の油圧をレギュレータ弁31で調圧した
ライン圧を利用して構成される。そこで、オリフィス36
を有するライン圧油路32がクラッチ制御弁33,油路34を
介して油圧クラッチ27に連通する。また、ライン圧油路
32はパイロット弁35及びオリフィス36を有する油路37に
よりソレノイド弁38に連通し、ソレノイド弁38によるデ
ューティ圧が油路39を介してクラッチ制御弁33の制御側
に作用する。ソレノイド弁38は制御ユニット50からの各
走行条件に応じたデューティ信号が入力すると、それに
より油圧をドレンしてデューティ圧を生じるものであ
り、このデューティ圧に応じてクラッチ制御弁33を動作
し、油圧クラッチ27の差動制限トルクを可変制御するよ
うになっている。
第1図において、上記4輪駆動車に適応される、本発
明の不等トルク配分制御装置の実施例の電子制御系につ
いて述べる。
先ず、入力情報として、前輪の回転数NFを検出する前
輪回転数センサ40,後輪の回転数NRを検出する後輪回転
数センサ41,スロットル開度センサ42,変速機のシフト位
置を検出するシフト位置センサ43,ブレーキスイッチ44,
エンジン回転数センサ45等を有する。
制御ユニット50は前輪回転数NFと後輪回転数NRが入力
する車速検出部51,前後回転比算出部52を有する。車速
検出部51はエンジン回転数Neが設定値以上において、例
えば前輪回転数NFと後輪回転数NRの平均値により車速V
を算出する。前後回転比算出部52はこの制御で重要なス
リップ,転舵及びこれ以外の走行条件での状態を、回転
比により判断及び検出できることを考慮して設けられる
ものである。
そこで、前輪回転数NFと後輪回転数NRにより回転比eN
を、以下のように設定する。
eN=NR/NF ここで、回転比eNの算出方法について、以下に説明す
る。前輪回転パルスはインパネのスピードメータからの
信号で、第3図(a)のようにメータケーブル1回転に
つきa個のパルスを出力する。後輪回転パルスはプロペ
ラ軸のもので、第3図(b)のようにプロペラ軸1回転
につきb個のパルスを出力する。前輪回転パルス1パル
ス間に発生する後輪回転のパルス数xを以下のように算
出することで、回転比eNを求めることができる。
x=1/a・g1・g2・b g1:スピードメータギヤ比, g2:ファイナルギヤ比, NR/NF=x′/x x′:実パルス数 また制御ユニット50は、上記車速V,前後回転比eN,ス
ロットル開度θ及びシフト位置の信号が入力する通常モ
ード判定部53,発進モード判定部54,転舵モード判定部5
5,スリップモード判定部56を有する。また、スロットル
開度θとブレーキスイッチの信号が入力する制動モード
判定部57,シフト位置の1レンジの信号が入力する1レ
ンジモード判定部58,ABS作動信号とブレーキスイッチの
信号が入力するABSモード判定部59を有する。
通常モード判定部53は前進1速ないし4速,または後
進速のシフト位置,及びθ,Vにより通常走行の状態を判
断するものであり、このモード判定信号で基本トルク設
定部60において差動制限トルク設定のための基本トルク
Tc1を定める。基本トルク設定部60には各シフト位置毎
にθとVの関係で基本トルクTc1がマップにより与えら
れており、1速または後進速のマップM1は第4図(a)
のように、基本トルクTc1がθに対しては増大関数で、
Vに対しては減少関数で設定されている。即ち、θの小
さい領域では基本トルクTc1を減じて大転舵時のタイト
コーナブレーキ現象を防止し、この場合にVが低い程基
本トルクTc1を増して走破性を向上するようになってい
る。
一方、2速以上の高速段でも上記マップと同様の傾向
で設定すると、高速段で旋回加速後にアクセル戻しをす
るとθの減少に応じて基本トルクも減じ、後輪ブレーキ
トルクが増してスピン傾向になる。そこで2速以上の高
速段のマップM2は同図(b)のように、θの小さい領域
で基本トルクTc1を大きく設定し、アクセル戻し後も基
本トルクTc1を増大保持するようになっている。
発進モード判定部54はVが零であり、回転比eNが設定
値以上で直進と判断される場合に、発進走行を判断す
る。そして、このモード判定信号で基本トルク設定部61
において発進時の基本トルクTc2を定めるが、この場合
の基本トルクTc2は同図(c)のマップM3のように、θ
に対して高いレベルの増大関数で設定されている。
スリップモード判定部56は回転比eNが設定値以下の場
合に前輪スリップを、設定値以上の場合に後輪スリップ
を判断する。そして、このスリップ判定信号で基本トル
ク設定部63において、θとVをパラメータとしたマップ
M4で基本トルクTc3を定める。この場合に、後輪スリッ
プでは同図(d)の実線のように基本トルクTc3を増大
するが、前輪スリップでは破線のように基本トルクTc3
を減少する。
更に、転舵モード判定部55は回転比eNがフル転舵の下
限設定値と微小転舵の上限設定値の範囲内の場合に、転
舵による旋回走行を判断する。この転舵モードでは上記
各モードでの走行時の基本トルクを、タイトコーナブレ
ーキ現象を生じないように減少補正すればよい。そこ
で、補正係数設定部62では同図(e)のマップM5のよう
に、補正係数kが回転比eNに対して増大関数で、Vに対
しても増大関数で設定されており、低速大転舵ほど補正
係数kを小さく定める。
制動モード判定部57はスロットル全閉でブレーキスイ
ッチ44のON信号が入力する場合に、通常制動を判断す
る。そして、この制動信号で基本トルク設定部64におい
て、差動制限のトルクを零に定め、制動性能を最大限発
揮するようになっている。
1レンジモード判定部58は1レンジのシフト信号の入
力により判断し、この場合は強制的にスリップモードの
基本トルクTc3に設定して悪路からの脱出を可能にす
る。
更に、ABSモード判定部59はブレーキスイッチONとABS
作動信号の両入力により判断し、基本トルク設定部65で
所定の小さい基本トルクTc4に定め、車輪回転の回復を
促すようになっている。
これらの各モードで設定された基本トルクTc1〜Tc4,
補正係数kは差動制限トルク算出部70に入力する。この
算出部70では、通常モードの基本トルクTc1に対して発
進,スリップのモードの基本トルクTc2またはTc3を優先
して選択し、且つこの選択された基本トルクに補正係数
kを乗算して差動制限トルクTsを以下のように算出す
る。
Ts=k・Tc (Tc=Tc1,Tc2,Tc3,Tc4) 差動制限トルクTsはデューティ比変換部71に入力し、
トルクTsに対して同図(f)の変換マップM6を用いてデ
ューティ比Dに変換し、このデューティ比Dの信号を駆
動部72を介してソレノイド弁38に出力するように構成さ
れている。
次いで、この実施例の作用を説明する。先ず、車両走
行時にエンジン1の動力がクラッチ2を介して変速機3
に入力し、変速動力がセンターディファレンシャル装置
20の第1サンギヤ21に入力する。ここで、センターディ
ファレンシャル装置20の各歯車諸元により基準トルク配
分が後輪偏重に設定されているため、このトルク配分で
キャリヤ24と第2サンギヤ22に分配して動力が出力され
る。
一方、このとき電子制御系の制御ユニット50には前輪
回転数NF,後輪回転数NR,シフト位置,スロットル開度θ
の各信号が入力し、車速V,前後回転比eNが算出される。
そして、これらの信号が各モード判定部53〜59に入力し
て通常,発進,転舵,スリップ,制動,1レンジ,ABS制御
の各走行条件が判断される。
そこで、高μ路での発進時にはそのモード判定部54で
判断され、この場合のマップM3により高基本トルクTc2
に設定され、このデューティ信号がソレノイド弁38に入
力する。そして、油圧制御系のソレノイド弁38から高い
デューティ圧PDがクラッチ制御弁33に作用し、これに伴
い油圧クラッチ27の給油量が増してクラッチ圧Pcが上昇
し、所定の高い差動制限トルクTsを生じるのである。こ
のため、センターディファレンシャル装置20では差動が
制限され、差動制限トルクTsに応じて第2サンギヤ22か
らキャリヤ24側に動力がバイパスして伝達し、後輪偏重
から前輪偏重のトルク配分状態になる。そして、キャリ
ヤ24から前輪側に、第2サンギヤ22から後輪側にそれぞ
れ動力伝達して、第6図の点P2のような不等トルク配分
の4輪駆動走行になり、前後輪により出足良く発進加速
することになる。
発進後に前後輪の回転数NF,NRが略等しくなり回転比e
Nが設定値以内になると、通常モードがその判定部53で
判断される。このとき、1速や後進速の低速段では、マ
ップM1により比較的低基本トルクTc1に設定され、これ
に基づき油圧制御されて、油圧クラッチ27の差動制限ト
ルクTsが低く制御される。このため、前後輪のトルクは
略基準トルク配分に応じて、第6図の点P1に寄った後輪
偏重のトルク配分となり、4輪駆動でありながらFR的に
なり、旋回性,操縦性が良好になる。この場合に、特に
θが小さい領域で旋回する際には、センターディファレ
ンシャル装置20が略フリーになり、前後輪の回転差ΔN
を吸収しながら自由に旋回することが可能になる。
また、上述の発進,通常モードでの走行時に、θが大
きい高負荷条件では、差動制限トルクTsが増大制御され
るため、前後輪が直結気味になって走破性等を充分発揮
する。一方、特にこのような走行条件において転舵する
と、それが転舵モード判定部55で検出され、回転比eN
に応じて補正係数kが設定される。そして、転舵が大き
い程、差動制限トルクTsが一時的に減少補正されるので
あり、このためタイトコーナブレーキ現象を生じること
なく旋回することが可能になる。
通常のブレーキ操作による制動時には、それが制動モ
ード判定部57で判断され、差動制限が解除されることに
なり、これにより4輪で充分制動性能が発揮される。
次に、低μ路の走行時にはスリップモード判定部56で
スリップの有無が判断されており、通常のスリップ発生
時には後輪偏重の不等トルク配分で常に後輪が先にスリ
ップし、4輪のスリップが回避される。この後輪スリッ
プ時には、マップM4により基本トルクTc3が高く制御さ
れ、これにより差動制限トルクTsが高まりセンターディ
ファレンシャル装置20の差動が制限され、且つ第6図の
点P3のように前輪偏重のトルク配分に移行することにな
る。また、逆に前輪スリップが判断されると、差動制限
トルクTsの低下により後輪偏重のトルク配分に制御され
るのであり、こうして非スリップ側の車輪駆動力が常に
増大するように制御してスリップ防止される。
尚、このスリップモードでは回転比eNが設定値から外
れた場合は勿論のこと、車速Vが上昇したり、スロット
ル開度θが低下してスリップ回避が判断されると、スリ
ップモードの制御が解除されて通常モードの制御に復帰
する。
この低μ路での制動時に車輪ロックしてブレーキ系で
ABS制御が作動すると、それがABSモード判定部59で判断
される。そしてこの場合は基本トルクが小さい値に設定
されるため、制動作用を損なうことなく車輪回転の復帰
を促して、ABS制御機能を助長する。
また、悪路等において1レンジにシフトすると、スリ
ップモードと同様の大きい基本トルクに設定されて、走
破性が向上される。
以上説明した各走行条件でのモードの制御をまとめて
示すと、第7図のようになる。
更に、既に述べた通常モードの制御においては、第5
図のフローチャートが実行される。即ち、ステップS1で
通常モードが判断されると、ステップS2に進んで変速機
のシフト位置がチェックされ、1速または後進速の低速
段の場合は、既に述べたように第4図(a)のマップM1
で低負荷時比較的低基本トルク制御される。
一方、2速以上の高速段の場合は、第4図(b)のマ
ップM2で基本トルク制御される。そこで、加速等のスロ
ットル開度θの大きい領域では基本トルクTc1が高トル
ク制御されており、この加速後にアクセル戻しをする
と、ステップS2からステップS3,S4に進み、マップM2
ら明らかなように基本トルクTc1が再び高トルクに制御
されることになり、差動制限トルクTsが高トルクに制御
される。このため、低μ路での旋回加速後のアクセル戻
しの際に、センターディファレンシャル装置20が直結気
味になってブレーキトルクが前輪9と後輪13とに分散す
る。そこで、旋回後も車両の回頭挙動を防止するように
直進性が確保され、こうしてスピン傾向が低減されるこ
とになる。
以上、本発明の実施例について説明したが、これのみ
に限定されない。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、センターディ
ファレンシャル装置を備えた4輪駆動車の電子制御系に
は、通常,発進,スリップ,転舵の各モードに応じて基
準トルクや補正係数がマップにより設定され、これによ
り差動制限トルクを算出して制御されるので、各走行状
態に応じて差動制限トルクを適確に定めることができ
る。
後輪偏重の基準トルク配分と前輪偏重の車重配分との
間の広い制御領域で、差動制限トルクを用いて前後輪を
不等トルク配分制御するので、センターデフ,デフロッ
ク以外にFR的性能,4輪スリップ防止等の効果も得られ
る。
通常モードは、マップを低速段が比較的低基本トルク
に設定されるので、大転舵時のタイトコーナブレーキ現
象を防止でき、2速以上の変速段で、且つスロットル開
度信号の小さい領域においてアクセル開放に伴う作動制
限トルクの変動を抑制するよう基本トルクを高く設定し
ているので、低μ路の旋回加速後のアクセル戻しの際の
スピン傾向を確実に防止でき、更に走行安定性が向上す
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の不等トルク配分制御装置の実施例の電
子制御系を示すスケルトン図、 第2図は本発明が適応される4輪駆動車の全体の構成を
示す構成図、 第3図は前後回転比の計算に用いる回転パルスを示す
図、 第4図(a)ないし(f)は各マップを示す図、 第5図は通常モードの作用のフローチャートを示す図、 第6図は不等トルク配分の制御状態を示す図、 第7図は各走行条件での各モードの制御状態を示す図で
ある。 1……エンジン、9……前輪、13……後輪、20……セン
ターディファレンシャル装置、27……差動制限用油圧ク
ラッチ、33……クラッチ制御弁、38……ソレノイド弁、
50……制御ユニット、53……通常モード判定部、54……
発進モード判定部、55……転舵モード判定部、56……ス
リップモード判定部、57……制動モード判定部、58……
1レンジモード判定部、59……ABSモード判定部、60,6
1,63,64,65……トルク設定部、62……補正係数設定部、
70……差動制限トルク算出部、M1……低速段用マップ、
M2……高速段用マップ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60K 17/348 B60K 17/35

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基準トルク配分を後輪偏重の不等トルク配
    分に定めるセンターディファレンシャル装置の差動を制
    限することで、前輪偏重のトルク配分に制御する差動制
    限装置を有するセンターディファレンシャル装置付4輪
    駆動車において、 前記差動制限装置を制御する制御ユニットは、スロット
    ル開度信号と車速信号とに基づいた通常,発進,転舵,
    スリップの各モードに応じ基本トルクを設定する基本ト
    ルク設定手段と、 前後輪差回転に基づいて補正係数を設定する補正係数設
    定手段と、 前記基本トルクを前記補正係数により補正して差動制限
    トルクを算出する差動制限トルク算出手段とを有し、 前記基本トルク設定手段は、通常モードのとき、2速以
    上の変速段で、且つスロットル開度信号の小さい領域に
    おいてアクセル開放に伴う差動制限トルクの変動を抑制
    するよう基本トルクを高く設定したことを特徴とする4
    輪駆動車の不等トルク配分制御装置。
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