JP3351610B2 - 構造物の制振装置 - Google Patents

構造物の制振装置

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JP3351610B2
JP3351610B2 JP02572194A JP2572194A JP3351610B2 JP 3351610 B2 JP3351610 B2 JP 3351610B2 JP 02572194 A JP02572194 A JP 02572194A JP 2572194 A JP2572194 A JP 2572194A JP 3351610 B2 JP3351610 B2 JP 3351610B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ジャイロモーメントを
利用して、構造物等の信号を抑制する構造物の制振装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の構造物の制振装置としては、例
えば特開平1−244001号公報に記載されている技
術がある。この技術はジャイロ制振装置に関するもの
で、構造物の風揺れを制振するために設置されるもので
ある。
【0003】図5を用いて、このジャイロ制振装置につ
いて説明する。図5はタワー1上にジャイロ制振装置2
を設置した状態を示し、制振装置本体は高速で回転する
フライホイール3と、これを軸受4,5を介して回転自
在に支持するジンバル6と、このジンバル6を回転自在
に支持する軸受7,8とから構成され、フライホイール
3はモータ9により駆動される。また、ジンバル6はサ
ーボモータ10により減速機11を介して歳差運動可能
に構成されている。図中(b)は(a)の図を左手側面
より見た図で、ジンバルの歳差の動きを示している。
【0004】フライホイール3の回転軸まわりの回転慣
性モーメントをJ、回転角速度をΩ、ジンバルの歳差角
をθ(t)とすると、この機構により図のy軸およびz
軸まわりに次式で示すモーメントTy ,Tz が発生す
る。
【0005】 Ty =J・Ω・θ’・COS θ (1) Tz =J・Ω・θ’・SIN θ (2) ここでθ’は角度θの時間微分を表し、ジンバルの歳差
角速度である(以下、時間微分はダッシュ「’」で示
す)。このTy ,Tz は軸受7,8を介してタワー1に
伝わる。すなわち、Ty はタワー1に曲げ変形を与え、
z はタワー1にねじり変形を与える方向に作用する。
【0006】上述した制振装置はタワーの振動を検出す
る振動センサを備えており、このセンサより検出した信
号を基に制御演算し、サーボドライバに制御信号を与
え、サーボモータを駆動してジンバルにタワーの揺れに
同調した歳差運動を与えることにより、制振装置よりモ
ーメントTy を出力させ、タワーの揺れを相殺するもの
である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のジャイ
ロモーメントによる制振装置(以降ジャイロ制振装置と
称する)は、具体的にはフィードバック制御や最適制御
理論等に基づいて設計されているが、このいずれも制御
ゲインは一定の定数で、入力信号の大きさに比例した出
力を出すことになる。しかるに、このような制振装置を
実運用するにあたって、次のような問題点がある。
【0008】(1)建設用タワークレーンに応用する場
合:建設用タワークレーンは図6に示すように、柱12
上にクレーン本体13が設置され、長いブーム14の先
端より垂直に下げられたワイヤー15の先端のフック1
6に荷17を掛けて、上下水平に重量物を移動させるも
のである。
【0009】図7はこのタワークレーンの機械面を真上
より見た概略図で、制振装置の配置を示したものであ
る。制振装置の機械本体部分(フライホイール、ジンバ
ル等から構成されるモーメント発生部分)19,20は
クレーンの旋回中心に対して対称位置に配置され、また
振動センサ21,22,23はクレーン機械面の前方に
設置される。
【0010】このような建設用タワークレーンにおい
て、乱暴な荷の地切り(地上に置いた荷を持ち上げるこ
と)や着地(荷を地上に置くこと)を行った瞬間にクレ
ーンには急に荷の荷重が掛かったり、また荷重が急に解
放されたりして、クレーンは急に傾いたり、傾いたもの
が急に解放されたりする。このときクレーン上に設置さ
れた振動センサには、振動センサ自身の信号特性によ
り、図8に示すような急激な信号が入り、真の揺れに相
当する信号以外にドリフト(直流成分)を生じる。これ
により制振装置はこれらの瞬間に急激で過大な動きを生
じる。これを防ぐために、従来は、このようなドリフト
(クレーンの最大吊り荷重による)による動きに合わせ
て制御ゲインを決定していたが、これでは逆に通常の荷
の運搬に伴う小さな揺れの場合、十分な制振効果を発揮
することができなかった。
【0011】(2)構造物の風揺れや地震による揺れの
緩和に応用する場合:構造物に適用する場合は特開平1
−244001号公報記載の通りであるが、図9に示す
ように通常の風揺れの他、台風等による暴風や大地震に
よる大きな揺れも起こり得る。これらのいわば特異なケ
ースに対応できるよう制振装置の制御ゲインを決定して
おくと、通常の風揺れ等には十分な制振効果が得られな
いのである。
【0012】(3)その他一般的な問題点:サーボ機器
を含む制振装置全般について、ノイズの進入や素子の故
障により、予測外の動作をすることが有り得る。例え
ば、制御に用いる各種振動センサが故障して異常な信号
を発生させたり、サーボ回路の故障により機器が暴走す
ることも可能性として考慮しなくてはならない。そし
て、制振装置の暴走により被制振構造物を逆に加振して
しまったり、機械的な衝突による衝撃力の発生、モータ
の異常加熱による火災等が考えられる。これらについて
十分な安全対策を講じておかないと、実用に供すること
はできないという問題がある。
【0013】上述したように、建設用タワークレーンを
構造物に適用する場合に、滅多にない過大な揺れに対し
て制御ゲインを決めておくと、通常の振動に対しては十
分な効果が得られないことになり、逆に通常の振動に対
して効果を出せるよう制御ゲインを決めると、万一の場
合の過大な揺れに対して、制振装置が過大に反応し、制
振装置が機械的に損傷を受けたり、また制振装置の衝突
による衝撃により、クレーンや構造物に損傷を与えたり
する可能性がある。特にクレーンの場合、このような衝
撃が生じると、荷の落下につながり、二次的な災害を引
き起こすことも考えられる。さらに構成機器の故障に対
するフュエルセーフの考えを適用しておく必要がある。
【0014】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
その目的とするところは、通常の振動に対しても十分制
振効果があるとともに、過大な振動に対しても所定の能
力の範囲内で異常なく運転でき、更にフュエルセーフの
安全対策の整った構造物の制振装置を提供することにあ
る。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の構造物の制振装置は、回転体の高速回転と
強制的に与える前記回転体の歳差運動により発生するモ
ーメントを、構造物の揺れを打ち消す方向に作用させ
て、構造物の揺れを低減する構造物の制振装置であっ
て、前記回転体の歳差角を検出する歳差角検出手段と、
制振運転過程において前記歳差角検出手段が検出した歳
差角が所定の値を越えた場合、制振運転を中断し、前記
歳差角を原点に復帰させるように制御する原点復帰制御
手段と、前記歳差角が原点に復帰した後、制振運転を再
開させるように制御する再開制御手段とを有することを
要旨とする。
【0016】また、本発明の構造物の制振装置は、前記
原点復帰制御手段による歳差角の原点復帰動作を計数す
る計数手段と、該計数手段で計数した所定時間以内の原
点復帰動作回数を所定値と比較する比較手段と、該比較
手段による比較の結果、前記所定時間以内の原点復帰動
作回数が所定値より多い場合、制振運転を停止させる停
止手段とを有することを要旨とする。
【0017】更に、本発明の構造物の制振装置は、回転
体の高速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動に
より発生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方
向に作用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振
装置であって、制振動作に対する制御ゲインを複数設定
する制御ゲイン設定手段と、構造物の揺れを検出する揺
れ検出手段と、該揺れ検出手段で検出した揺れの大きさ
に応じて前記制御ゲインを切り換える制御ゲイン切り換
え手段とを有することを要旨とする。
【0018】本発明の構造物の制振装置は、構造物の揺
れの大きさを複数のレベルに判定する判定手段と、構造
物の揺れの大きさの範囲の最大値と、この最大値とそれ
ぞれのレベルに適用する制御ゲインとの積が各レンジに
おいてほぼ一定となるように最大値を決定する最大値決
定手段とを有することを要旨とする。
【0019】また、本発明の構造物の制振装置は、回転
体の高速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動に
より発生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方
向に作用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振
装置であって、制振動作に対する制御ゲインを複数設定
する制御ゲイン設定手段と、前記回転体の歳差角度を検
出する歳差角度検出手段と、該歳差角度検出手段で検出
した歳差角度の大きさに応じて制御ゲインを切り換える
制御ゲイン切り換え手段とを有することを要旨とする。
【0020】更に、本発明の構造物の制振装置は、回転
体の高速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動に
より発生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方
向に作用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振
装置であって、前記回転体を回転させるモータを駆動す
るインバータの故障検出信号および前記回転体に歳差運
動を与えるサーボモータを駆動するサーボドライバの故
障検出信号に基づいて制振制御を停止する停止手段を有
することを要旨とする。
【0021】本発明の構造物の制振装置は、回転体の高
速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動により発
生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方向に作
用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振装置で
あって、前記回転体の軸受けの温度を検出する軸受け温
度検出手段と、前記回転体を回転させるモータの温度を
検出するモータ温度検出手段と、前記回転体および架台
の振動を検出する振動検出手段と、前記温度検出手段、
モータ温度検出手段および振動検出手段のそれぞれの検
出信号を第1および第2の制限値とそれぞれ比較する比
較手段と、該比較手段の比較結果に基づいて、アラーム
を発生するとともに、制振制御を停止する制御停止手段
とを有することを要旨とする。
【0022】また、本発明の構造物の制振装置は、回転
体の高速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動に
より発生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方
向に作用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振
装置であって、前記回転体に与える歳差運動を演算する
制御演算器の故障を検出する故障検出手段と、該故障検
出手段の故障検出信号に基づいて制振装置全体の電源を
遮断する電源遮断手段とを有することを要旨とする。
【0023】更に、本発明の構造物の制振装置は、回転
体の高速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動に
より発生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方
向に作用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振
装置であって、構造物のねじり振動の中心から等距離の
位置に対称に設置され、構造物の揺れを検出する一対の
振動センサと、該一対の振動センサからの振動検出信号
に基づいて構造物のねじり振動成分をキャンセルするキ
ャンセル手段とを有することを要旨とする。
【0024】本発明の構造物の制振装置は、回転体の高
速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動により発
生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方向に作
用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振装置で
あって、構造物のねじり振動の中心から等距離の位置に
それぞれ設置され、構造物の振動を検出する一対の振動
センサと、該一対の振動センサからの振動検出信号に基
づいて構造物のねじり振動の大きさを検出するねじり振
動検出手段と、該ねじり振動検出手段で検出したねじり
振動が所定の大きさを越えた場合、制振装置を停止させ
る停止手段とを有することを要旨とする。
【0025】また、本発明の構造物の制振装置は、回転
体の高速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動に
より発生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方
向に作用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振
装置であって、構造物の振動を検出する複数の振動セン
サと、該複数の振動センサからの振動検出信号を相互に
比較する比較手段と、該比較手段の比較結果に基づいて
いずれかの振動センサに故障が生じたことを判定する故
障判定手段と、該故障判定手段により故障が生じたこと
が判定された場合、制振装置の運転を停止する停止手段
とを有することを要旨とする。
【0026】更に、本発明の構造物の制振装置は、回転
体の高速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動に
より発生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方
向に作用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振
装置であって、前記回転体に歳差運動を与えるべく該回
転体を回転自在に支持するジンバルの回転範囲の両側に
設けられたリミットスイッチと、該リミットスイッチの
信号に基づいて制振制御を停止する停止手段とを有する
ことを要旨とする。
【0027】本発明の構造物の制振装置は、回転体の高
速回転と強制的に与える前記回転体の歳差運動により発
生するモーメントを、構造物の揺れを打ち消す方向に作
用させて、構造物の揺れを低減する構造物の制振装置で
あって、制振装置本体への人体の接近を検出するセンサ
手段と、該センサ手段からの検出信号に基づいて制振制
御を停止する停止手段とを有することを要旨とする。
【0028】
【作用】本発明の構造物の制振装置では、回転体の歳差
角を検出し、この検出した歳差角が所定の値を越えた場
合、制振運転を中断し、歳差角を原点に復帰させ、原点
復帰後、制振運転を再開させている。
【0029】また、本発明の構造物の制振装置では、歳
差角の原点復帰動作を計数し、この計数した所定時間以
内の原点復帰動作回数が所定値より多い場合、制振運転
を停止させている。
【0030】更に、本発明の構造物の制振装置では、制
振動作に対する制御ゲインを複数設定するとともに、構
造物の揺れを検出し、この検出した揺れの大きさに応じ
て制御ゲインを切り換えている。
【0031】本発明の構造物の制振装置では、構造物の
揺れの大きさを複数のレベルに判定し、構造物の揺れの
大きさの範囲の最大値と、この最大値とそれぞれのレベ
ルに適用する制御ゲインとの積が各レンジにおいてほぼ
一定となるように最大値を決定している。
【0032】また、本発明の構造物の制振装置では、制
振動作に対する制御ゲインを複数設定するとともに、回
転体の歳差角度を検出し、この検出した歳差角度の大き
さに応じて制御ゲインを切り換えている。
【0033】更に、本発明の構造物の制振装置では、回
転体を回転させるモータを駆動するインバータの故障検
出信号および回転体に歳差運動を与えるサーボモータを
駆動するサーボドライバの故障検出信号に基づいて制振
制御を停止している。
【0034】本発明の構造物の制振装置では、回転体の
軸受けの温度、回転体を回転させるモータの温度、およ
び回転体および架台の振動を検出し、それぞれの検出信
号を第1および第2の制限値とそれぞれ比較し、該比較
結果に基づいて、アラームを発生するとともに、制振制
御を停止している。
【0035】また、本発明の構造物の制振装置では、回
転体に与える歳差運動を演算する制御演算器の故障を検
出し、この故障検出信号に基づいて制振装置全体の電源
を遮断している。
【0036】更に、本発明の構造物の制振装置では、構
造物のねじり振動の中心から等距離の位置に対称に一対
の振動センサを設置して、構造物の揺れを検出し、この
振動検出信号に基づいて構造物のねじり振動成分をキャ
ンセルしている。
【0037】本発明の構造物の制振装置では、構造物の
ねじり振動の中心から等距離の位置にそれぞれ一対の振
動センサを設置して、構造物の振動を検出し、この振動
検出信号に基づいて構造物のねじり振動の大きさを検出
し、この検出したねじり振動が所定の大きさを越えた場
合、制振装置を停止させている。
【0038】また、本発明の構造物の制振装置では、構
造物の振動を複数の振動センサで検出し、この検出した
複数の振動検出信号を相互に比較し、この比較結果に基
づいていずれかの振動センサに故障が生じたことを判定
し、故障が生じたことが判定された場合、制振装置の運
転を停止している。
【0039】更に、本発明の構造物の制振装置では、回
転体に歳差運動を与えるべく回転体を回転自在に支持す
るジンバルの回転範囲の両側にリミットスイッチを設
け、該リミットスイッチの信号に基づいて制振制御を停
止している。
【0040】本発明の構造物の制振装置では、制振装置
本体への人体の接近をセンサ手段で検出し、この検出信
号に基づいて制振制御を停止している。
【0041】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0042】図1は、本発明の一実施例に係わる構造物
の制振装置に使用される制御装置の構成を示すブロック
図である。同図に示す制御装置は、上述した図5〜図7
に示すようにフライホイール、ジンバル、フライホイー
ル駆動モータ、ジンバル駆動サーボモータ、フライホイ
ール軸受、ジンバル軸受等からなるジャイロ機構で構成
されるような制振装置本体を制御するものであり、この
ように構成されるジャイロ機構のジャイロモーメントに
よりタワークレーン29等の構造物の振動を抑制するも
のである。
【0043】図1に示す制御装置は、ジンバル28の回
転角度を検出するジンバル回転角度センサ30およびタ
ワークレーン29の振動を検出する振動センサ24を有
し、ジンバル回転角度センサ30からのジンバル回転角
度情報および振動センサ24からのタワークレーン振動
情報を制御演算器25に供給し、この制御演算器25の
制御演算結果に基づいてサーボドライバ26、サーボモ
ータ27を介してジンバル28の歳差運動を制御し、こ
れによりタワークレーン29の振動を抑制するものであ
る。
【0044】このように構成される制振装置の制御装置
の作用をまず建設用タワークレーンに適用する場合につ
いて説明する。
【0045】この場合には、まず振動センサ24で検出
したタワークレーン29の振動を制御演算器25に取り
込み、制御演算した結果をサーボドライバ26に速度指
令として出力する。サーボドライバ26はこの指令を受
けてサーボモータ27を駆動し、これによりジンバル2
8に歳差運動を与える。この結果、タワークレーン29
には前述の式(1)にしたがって制振モーメントが作用
し、タワークレーン29の振動を抑制する。このとき、
ジンバル26の回転角度はジンバル回転角度センサ30
によって検出され、制御演算器25に取り込まれる。こ
の結果、制御演算器25はタワークレーン29の振動を
抑制するようジンバル28を動かす制御に合わせて、ジ
ンバル28の歳差の中心を原点に復帰させるよう制御す
ることができる。
【0046】この場合、ジンバル28の回転角にある制
限値を設けておき、制御運転によってジンバル28の回
転角がこの制限値を越えた場合には、制御ゲインをゼロ
にして原点復帰動作に入り、原点復帰の後にすみやかに
制御を再開する手段を設ける。
【0047】この様子を図2に示す。図2(a)は従来
の制御を実施した場合で、前述の通りタワークレーン2
9において急激な荷の着地や地切りを行った場合、振動
センサよりドリフトが生じ、ジンバル振り角が非常に大
きくなってしまう。図2(b)は本発明による制御を実
施した場合で、ジンバル振り角が制限値を越えた場合に
は制振を中断して、図中矢印で示すごとくジンバルの原
点に戻す動作を与え、原点復帰後すみやかに制振を継続
する。この例では1回目の復帰動作の後制御運転に戻っ
たが、再びジンバル角の制限値を越えたので2回目の復
帰動作に入っている。それ以降は制限値以内なので制振
運転が継続されている。
【0048】また、万一振動センサが故障し、ドリフト
が出っぱなしになった場合、このジンバル原点復帰動作
が連続して行われることになるので、一定時間の間にこ
の原点復帰動作が一定回数以上連続された場合、異常と
判断して制御運転そのものを停止するよう設定する。こ
の例ではタワークレーン29の揺れの振動数が0.4H
zであり、また原点復帰に約1.5秒かけているので、
15秒間にこの原点復帰動作が5回以上行われたら運転
を停止するように設定している。
【0049】次に、構造物の風揺れや地震による揺れの
緩和に応用する場合について説明する。
【0050】構造物の風揺れ低減を目的とした制振装置
の場合、前述した図9に示すように、通常の風揺れの他
に、台風による暴風、地震による揺れがある。しかしな
がら、制振装置は、比較的頻度の高い通常の風揺れに対
して十分な効果を出すのが望ましいので、図3に示すよ
うに制御ゲインを可変とする制御方法を用いる。
【0051】これは通常発生し得る構造物の風揺れに対
し十分に制振効果のある制御ゲインをあらかじめ決定
し、これを100%として、80%,60%,40%,
20%,0%の制御ゲインを5段階に設定する。
【0052】振動センサにて検出した構造物の揺れの信
号をv(t)(t:時間)とすると、v(t)を用いて
次の関数V(t)を定義する。
【0053】
【数1】 V(t)=max[|v(t−τ)|,|v(t)|] :関数|v(t)|の連続区間t−τ≦t≦tにおける最大値 (3) ここで、τはある時間幅を表す。すなわち、振動センサ
の出力v(t)の絶対値の最大値を、現在時刻よりτだ
け前の時刻より現在までの間で調べ、これをV(t)と
する。V(t)に対して6段階にレンジを決定し、それ
ぞれをG5,G4,G3,G2,G1,G0とする。各
レンジのV(t)の範囲およびそれぞれの制御ゲインK
p は以下の通りである。
【0054】
【数2】 ここでKpoは通常の風揺れに対して十分に効果のある制
御ゲインの大きさである。ただし、制御則においては、
振動センサ出力v(t)とジンバル振り角θ(t)を用
いて次式のように出力信号を決定する。ただし、Kp
制御ゲイン、KAはジンバル原点復帰ゲインである。
【0055】
【数3】 [出力信号]=Kp ×f(v(t),v’(t))+KA ×θ(t) (5) V1 〜V5 を決めるには、それぞれのレンジにおいて信
号出力が最高になるように次式を満足すべく決定する。
【0056】
【数4】 V1 ×Kpo=V2 ×0.8Kpo=V3 ×0.6Kpo=V4 ×0.4Kpo =V5 ×0.2Kpo=一定 (6) すなわち、
【数5】 V5 =5V1 ,V4 =2.5V1 ,V3 =1.67V1 ,V2 =1.25V1 (7) とする。なお、レンジG0においてKp =0となる場
合、振動制御は行われないが、ゲインKA は残っている
ので、ジンバルを原点復帰させる動作は行われる。
【0057】このようなルールにしたがって実行される
制御の様子を図3に示す。図3の(イ)では比較的小さ
な揺れであるので、レベルG5のゲインで制振運転され
るが、(ロ)で大きな揺れが入ったため、レベルがG5
→G4→G3→G2と切り替わり、この大きな揺れが収
まった(ハ)では、順次レベルはG2→G3→G4→G
5と切り替わっている。
【0058】次に、本発明の他の実施例として、ジンバ
ル振り角に着目した制御ゲイン可変手法について説明す
る。ここで、ジンバル振り角をθとしたとき、θi を現
在時刻ti に最も近い時点でサンプリングした振り角と
し、ti までにサンプリングしたデータを用いてΔt秒
後のti+1 =ti +Δtの振り角θi+1 を予測する。こ
こでΔtはサンプリング時間間隔である。
【0059】(a)予測にあたり、角速度まで考慮する
場合、過去のデータを用いてθi+1を予測すると、 θi+1 =θi +θ’i +Δt (8) と書ける。ここで、 θ’i ≒(θi −θi-1 )/Δt (9) としてこれを代入すると、θi+1 は次のようになる。
【0060】
【数6】 θi+1 =θi +θi −θi-1 =2θi −θi-1 (10) (b)予測にあたり、角速度に加え、角加速度まで考慮
すると、
【数7】 θi+1 =θi +θ’i Δt+θ”i (Δt)2 (11) と書ける。ここで、 θ’i ≒(θi −θi-1 )/Δt (12) θ’i-1 =(θi-1 −θi-2 )/Δt (13) の関係より、角加速度は、
【数8】 θ”i =(θ’i −θ’i-1 )/Δt =(θi −2θi-1 +θi-2 )/Δt2 (14) となるため、θi+1 は次のように求まる。
【0061】 θi+1 =3θi −3θi-1 +θi-2 (15) 次にゲインレベルを6段(G5(最大)〜G1(最
小)、およびG0(ゲインゼロ))とし、以下のルール
を定める。
【0062】(a)高位の制御ゲインレンジからはいつ
でも低位のレンジへ、何段でも移れる。
【0063】(b)低位の制御ゲインレンジから高位へ
は1段ずつ進める。この移行は一定時間の観測の結果進
める。
【0064】(c)制御ゲインレンジの移行は一定時間
を掛けて緩やかに移行する(ゲインの切り替わりによる
衝撃を防止するため)。
【0065】基本の制御ゲインを式(5)におけるKp
とすると、各レンジは以下のように定められる。
【0066】
【数9】 また、レンジの切り換えは予測したθi+1 の大きさによ
り次のように決定する。
【0067】(a)|θi+1 |>50°の場合:全ての
レンジからレンジG0へ移行する。
【0068】(b)45°<|θi+1 |≦50°の場
合:全てのレンジからレンジG1へレンジを下げる。
【0069】(c)40°<|θi+1 |≦45°の場
合:下限のレンジをG1として全てのレンジにおいて3
段跳びにレンジを下げる。
【0070】(d)35°<|θi+1 |≦40°の場
合:下限のレンジをG1として全てのレンジにおいて2
段跳びにレンジを下げる。
【0071】(e)30°<|θi+1 |≦35°の場
合:下限のレンジをG1として全てのレンジにおいて1
段レンジを下げる。
【0072】(f)現在時刻までの3秒間において、常
に|θi+1 |<15°である場合:上限のレンジをG5
としてG5以外のレンジにいる場合はレンジを1段上げ
る。
【0073】上記の手法により、ジンバル振り角に着目
した可変ゲインの制御が可能となる。なお、この他にサ
ーボドライバへの速度指令信号(図1において制御演算
器25からサーボドライバ26への信号)の大きさによ
り可変ゲイン制御を実施することもできる。
【0074】図4は、図1に示す制御装置の制御演算器
25に供給される各種入力信号を示すブロック図であ
る。制御演算器25は、ディジタル計算機で構成されて
いるものであるので、該制御演算器25には入力信号イ
ンタフェース51を介して各種入力信号が供給されてい
る。また、図4では、制振装置の電源を遮断する入力信
号についても示している。なお、故障を検出した場合の
措置として、制振停止、非常停止、電源遮断の3段階を
規定する。制振停止は制振運転のみ停止し、フライホイ
ールの回転は継続するもの、非常停止は制振運転を停止
すると共に、フライホイールの回転も停止するもの、電
源遮断は制振装置全体の電源を回路上で遮断するもので
ある。
【0075】図4において、制御演算器25に供給され
る各種入力信号および制振装置の電源遮断用の入力信号
は次の通りである。
【0076】 (a)振動センサNo.1出力信号:v1 (t) (b)振動センサNo.2出力信号:v2 (t) (c)振動センサNo.3出力信号:v3 (t) (d)ジンバル回転角センサ出力信号 (e)ジンバル回転角リミットスイッチ (f)赤外線センサ出力信号 (g)サーボモータ温度 (h)フライホイール駆動モータ温度 (i)フライホイール軸受温度 (j)ジンバル軸受温度 (k)制振装置本体振動 (l)サーボドライバ異常信号 (m)インバータ異常信号 (n)非常停止スイッチ (o)制御演算器故障信号 ここで、3台の振動センサNo.1〜3は例えば建設用
タワークレーンの場合図7の21,22,23の如く設
置する。すなわち、振動センサNo.2をクレーンの旋
回中心(一般のタワーの場合はねじり振動の中心)線上
(図4の22)に設置し、残りの2台をその対称位置に
設置(図7の21と23)する。構造物の揺れには曲げ
振動の他、ねじり振動成分も幾分含まれる可能性がある
から、制御に用いる振動出力v(t)は、
【数10】 v(t)=(v1 (t)+v2 (t))/2 (17) とすることによりねじり振動成分を取り除くことができ
る。また、ねじり振動成分vT (t)のみ取り出す場合
には、
【数11】 vT (t)=(v1 (t)−v2 (t))/2 (18) とすればよい。ここで次の比較演算を制御演算に加え
る。ただしΔv,ΔvT はそれぞれあらかじめ設定した
制限値である。
【0077】 |v(t)−v3 (t)|<Δv (19) |VT (t)|<ΔvT (20) 上記2式が正の場合は制御演算を継続するが、偽の場合
は何らかの異常が発生したとして非常停止とする。式
(19)が偽の場合には3台の振動センサのいずれかが
故障したことを示し、式(20)が偽の場合はねじり振
動が異常に大きくなったか、やはり振動センサのいずれ
かが故障したことを示している。
【0078】ジンバル回転角センサ出力信号は、前述し
た建設用タワークレーンに応用した場合の操作に用いら
れる。ただし、さらに上限値を設けておき、建設用タワ
ークレーンに応用した場合の操作にも係わらずこの上限
値を越えた場合には明らかな異常であると判断して非常
停止とする。
【0079】ジンバル回転角リミットスイッチは、ジン
バルの回転範囲の上限に、機械的なリミットスイッチを
設けているものであり、上記の操作にも係わらずジンバ
ルが過大に回転して、このスイッチが入った場合、制御
上の異常と判断して制振装置を非常停止させる。
【0080】赤外線センサ出力信号は、制振装置の特に
ジンバル回転により、人が挟まれたり、巻き込まれる等
の事故の可能性も考えられるので、制振装置本体付近に
赤外線センサを設置し、人がある設定範囲内に入った
ら、非常停止とする。
【0081】サーボモータ温度およびフライホイール駆
動モータ温度については、サーボモータとフライホイー
ル駆動モータの温度に2重の制限値を設けておき、第1
段の制限値を越えた場合は、いずれもサーボモータや駆
動モータの異常過熱と判断されるので、アラーム(ラン
プ点灯、ブザー発信)を出力し、さらに運転継続中に第
2段の制限値を越えた場合には非常停止させる。ただ
し、アラーム出力後、継続して測定した温度が第1段の
制限値を下回ったら、アラームを解除して制振を継続す
る。
【0082】フライホイール軸受温度およびジンバル軸
受温度については、フライホイール軸受とジンバル軸受
の温度に2重の制限値を設けておき、第1段の制限値を
越えた場合は、いずれもフライホイール軸受やジンバル
軸受の異常過熱と判断されるので、アラーム(ランプ点
灯、ブザー発信)を出力し、さらに運転継続中に第2段
の制限値を越えた場合には非常停止させる。ただし、ア
ラーム出力後、継続して測定した温度が第1段の制限値
を下回ったら、アラームを解除して制振を継続する。
【0083】制振装置本体振動については、ジャイロ本
体で異常振動が出た場合(検出した振動値があらかじめ
設定したレベルを越えた場合)、本体に取り付けてある
振動センサで検出して非常停止とする。特に、この場合
はフライホイールの機械的な破損による不釣り合い振動
や軸受の異常による振動である可能性が高いので、非常
停止させる。
【0084】サーボドライバ異常信号およびインバータ
異常信号については、ジンバルに歳差運動を与えるサー
ボモータのサーボドライバおよびフライホイール駆動用
モータのインバータに、それぞれの異常時(たとえば過
負荷時や温度異常上昇時等)に信号を出力する機能を設
け、この信号により制振装置を非常停止させる。
【0085】非常停止スイッチは、付近に居る人間の体
感により、異常な動きや音が観測された場合や、何らか
の非常事態を判断したオペレータのボタン操作により非
常停止させるスイッチで、これにより制振装置の電源を
遮断する。
【0086】制御演算器故障信号は、制振装置の全ての
制御演算を司る制御演算器25自身が故障した場合で
は、もはや全ての安全機能の遂行が困難な状態にあるの
で、回路上で制振装置全体の電源を遮断する。このよう
な演算器の故障は、たとえば制御演算と平行して、ある
簡単な演算結果を出力する機能を持たせ、この出力が途
絶えた場合、上記措置をとるものとする。また、演算器
によっては、このような出力機能をすでに有しているも
のもある。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転体の歳差角を検出し、この検出した歳差角が所定の
値を越えた場合、制振運転を中断し、歳差角を原点に復
帰させ、原点復帰後、制振運転を再開させているので、
通常制振の対象とする構造物の揺れの大きさに対して、
更に大きな揺れが発生する場合でも、通常の揺れに対す
る制振効果を十分に発揮できるとともに、大きな揺れに
対しても適確に対応することができ、またストッパーに
衝突することを防止することができる。
【0088】また、本発明によれば、制振動作に対する
制御ゲインを複数設定するとともに、構造物の揺れを検
出し、この検出した揺れの大きさに応じて制御ゲインを
切り換えているので、通常の運転に伴う振動に対しては
十分な制御ゲインを与えることにより高い制振効果を得
ることができ、小さな揺れでも大きな揺れでも効果的に
制振することができる。
【0089】更に、本発明によれば、回転体を回転させ
るモータを駆動するインバータの故障、回転体に歳差運
動を与えるサーボモータを駆動するサーボドライバの故
障、回転体の軸受けの故障、回転体を回転させるモータ
の故障、制御演算器の故障等の各種故障に基づいて制振
装置の運転を停止させているので、危険を回避し、安全
性および信頼性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わる構造物の制振装置に
使用される制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例の制振装置を運転した場合のジン
バルの動きを示す図である。
【図3】図1の実施例の制振装置の制御運転の様子を示
す図である。
【図4】図1の実施例の制御装置の制御演算器に供給さ
れる各種入力信号を示すブロック図である。
【図5】図1の実施例の制御装置に適用される構造物の
制振装置の具体的な構成を示す図である。
【図6】構造物の制振装置を適用した建設用タワークレ
ーンの具体的な構成を示す図である。
【図7】図6に示す建設用タワークレーンの制振装置の
構成を示す図である。
【図8】図6に示す建設用タワークレーンの運転に伴う
振動センサの信号を示す波形図である。
【図9】一般的な構造物の揺れの様子を示す図である。
【符号の説明】
1 タワー 2 制振装置本体 3 フライホイール 6,28 ジンバル 9 フライホイール駆動モータ 10,27 サーボモータ 21,22,23,24 振動センサ 25 制御演算器 26 サーボドライバ 30 ジンバル回転角度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−265387(JP,A) 特開 平5−295928(JP,A) 特開 平5−196090(JP,A) 特開 平4−316739(JP,A) 特開 平2−12000(JP,A) 特開 平1−178626(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 - 15/08 E04H 9/02 E01D 1/00

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転体の高速回転と強制的に与える前記
    回転体の歳差運動により発生するモーメントを、構造物
    の揺れを打ち消す方向に作用させて、構造物の揺れを低
    減する構造物の制振装置であって、前記回転体の歳差角
    を検出する歳差角検出手段と、制振運転過程において前
    記歳差角検出手段が検出した歳差角が所定の値を越えた
    場合、制振運転を中断し、前記歳差角を原点に復帰させ
    るように制御する原点復帰制御手段と、前記歳差角が原
    点に復帰した後、制振運転を再開させるように制御する
    再開制御手段とを有することを特徴とする構造物の制振
    装置。
  2. 【請求項2】 前記原点復帰制御手段による歳差角の原
    点復帰動作を計数する計数手段と、該計数手段で計数し
    た所定時間以内の原点復帰動作回数を所定値と比較する
    比較手段と、該比較手段による比較の結果、前記所定時
    間以内の原点復帰動作回数が所定値より多い場合、制振
    運転を停止させる停止手段とを有することを特徴とする
    請求項1記載の構造物の制振装置。
  3. 【請求項3】 制振動作に対する制御ゲインを複数設定
    する制御ゲイン設定手段と、構造物の揺れを検出する揺
    れ検出手段と、該揺れ検出手段で検出した揺れの大きさ
    に応じて前記制御ゲインを切り換える制御ゲイン切り換
    え手段とを有することを特徴とする請求項1又は2記載
    構造物の制振装置。
  4. 【請求項4】 構造物の揺れの大きさを複数のレベルに
    判定する判定手段と、構造物の揺れの大きさの範囲の最
    大値と、この最大値とそれぞれのレベルに適用する制御
    ゲインとの積が各レンジにおいてほぼ一定となるように
    最大値を決定する最大値決定手段とを有することを特徴
    とする請求項3記載の構造物の制振装置。
  5. 【請求項5】 制振動作に対する制御ゲインを複数設定
    する制御ゲイン設定手段と、前記回転体の歳差角度を検
    出する歳差角度検出手段と、該歳差角度検出手段で検出
    した歳差角度の大きさに応じて制御ゲインを切り換える
    制御ゲイン切り換え手段とを有することを特徴とする
    求項1又は2記載の構造物の制振装置。
  6. 【請求項6】 前記回転体を回転させるモータを駆動す
    るインバータの故障検出信号および前記回転体に歳差運
    動を与えるサーボモータを駆動するサーボドライバの故
    障検出信号に基づいて制振制御を停止する停止手段を有
    することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    構造物の制振装置。
  7. 【請求項7】 回転体の高速回転と強制的に与える前記
    回転体の歳差運動により発生するモーメントを、構造物
    の揺れを打ち消す方向に作用させて、構造物の揺れを低
    減する構造物の制振装置であって、前記回転体の軸受け
    の温度を検出する軸受け温度検出手段と、前記回転体を
    回転させるモータの温度を検出するモータ温度検出手段
    と、前記回転体および架台の振動を検出する振動検出手
    段と、前記温度検出手段、モータ温度検出手段および振
    動検出手段のそれぞれの検出信号を第1および第2の制
    限値とそれぞれ比較する比較手段と、該比較手段の比較
    結果に基づいて、アラームを発生するとともに、制振制
    御を停止する制御停止手段とを有することを特徴とする
    構造物の制振装置。
  8. 【請求項8】 前記回転体に与える歳差運動を演算する
    制御演算器の故障を制御演算器に別の演算をさせたとき
    の演算結果により検出する故障検出手段と、該故障検出
    手段の故障検出信号に基づいて制振装置全体の電源を遮
    断する電源遮断手段とを有することを特徴とする請求項
    1乃至7のいずれかに記載の構造物の制振装置。
  9. 【請求項9】 構造物のねじり振動の中心から等距離の
    位置に対称に設置され、構造物の揺れを検出する一対の
    振動センサと、該一対の振動センサからの振動検出信号
    に基づいて構造物のねじり振動成分をキャンセルするキ
    ャンセル手段とを有することを特徴とする請求項1乃至
    8のいずれかに記載の構造物の制振装置。
  10. 【請求項10】 構造物のねじり振動の中心から等距離
    の位置にそれぞれ設置され、構造物の振動を検出する一
    対の振動センサと、該一対の振動センサからの振動検出
    信号に基づいて構造物のねじり振動の大きさを検出する
    ねじり振動検出手段と、該ねじり振動検出手段で検出し
    たねじり振動が所定の大きさを越えた場合、制振装置を
    停止させる停止手段とを有することを特徴とする請求項
    1乃至9のいずれかに記載の構造物の制振装置。
  11. 【請求項11】 構造物の振動を検出する複数の振動セ
    ンサと、該複数の振動センサからの振動検出信号を相互
    に比較する比較手段と、該比較手段の比較結果に基づい
    ていずれかの振動センサに故障が生じたことを判定する
    故障判定手段と、該故障判定手段により故障が生じたこ
    とが判定された場合、制振装置の運転を停止する停止手
    段とを有することを特徴とする請求項1乃至10のいず
    れかに記載の構造物の制振装置。
  12. 【請求項12】 前記回転体に歳差運動を与えるべく該
    回転体を回転自在に支持するジンバルの回転範囲の両側
    に設けられたリミットスイッチと、該リミットスイッチ
    の信号に基づいて制振制御を停止する停止手段とを有す
    ることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載
    構造物の制振装置。
  13. 【請求項13】 制振装置本体への人体の接近を検出す
    るセンサ手段と、該センサ手段からの検出信号に基づい
    て制振制御を停止する停止手段とを有することを特徴と
    する請求項1乃至12のいずれかに記載の構造物の制振
    装置。
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JP5920860B2 (ja) * 2010-12-20 2016-05-18 株式会社タダノ クレーンの制御装置
WO2018001494A1 (de) * 2016-06-30 2018-01-04 Siemens Aktiengesellschaft Bagger, kran, wasserfahrzeug sowie steuereinrichtung und verfahren zu deren stabilisierung

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