JP3350924B2 - オルダムリングの製造方法 - Google Patents
オルダムリングの製造方法Info
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- JP3350924B2 JP3350924B2 JP00089098A JP89098A JP3350924B2 JP 3350924 B2 JP3350924 B2 JP 3350924B2 JP 00089098 A JP00089098 A JP 00089098A JP 89098 A JP89098 A JP 89098A JP 3350924 B2 JP3350924 B2 JP 3350924B2
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- Japan
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- punch
- die
- cutting
- peripheral surface
- oldham ring
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D3/00—Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
- F16D3/02—Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive adapted to specific functions
- F16D3/04—Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive adapted to specific functions specially adapted to allow radial displacement, e.g. Oldham couplings
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルダム軸継手に
利用される部品であるオルダムリングに係わり、特に粉
末冶金により製造されるオルダムリングの製造方法に関
する。
利用される部品であるオルダムリングに係わり、特に粉
末冶金により製造されるオルダムリングの製造方法に関
する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図1から図3は、軸心
が若干ずれている軸間でトルク伝達を行うオルダム軸継
手に利用される部品であるオルダムリング1の一例を示
している。図1から図3において、2は円環状のリング
本体で、このリング本体2は、外周面および内周面が同
軸な円柱面になっているとともに、両端面が前記円柱面
と直交する平面になっている。そして、リング本体2の
両端面には、突起状の一対のキー部3,4がそれぞれ形
成されている。各端面のキー部3,4は、リング本体2
の中心軸について各々軸対称な位置にあり、かつ両端面
のキー部3と4とは、リング本体2の中心軸について互
いに90°離れた位置にある。これらキー部3,4は、図
示していないが、オルダム軸継手において入力側部品お
よび出力側部品のキー溝に係合し、このキー溝に対して
リング本体2の径方向へ摺動するものである。したがっ
て、オルダム軸継手の確実な作動のためには、特にキー
部3,4の側面3a,4aの精度が重要であり、リング本体
2の一端面のキー部3の側面3aと他端面のキー部4の側
面4aとの直角度も高精度が要求される。要求される直角
度は、例えば0.04mm以下である。
が若干ずれている軸間でトルク伝達を行うオルダム軸継
手に利用される部品であるオルダムリング1の一例を示
している。図1から図3において、2は円環状のリング
本体で、このリング本体2は、外周面および内周面が同
軸な円柱面になっているとともに、両端面が前記円柱面
と直交する平面になっている。そして、リング本体2の
両端面には、突起状の一対のキー部3,4がそれぞれ形
成されている。各端面のキー部3,4は、リング本体2
の中心軸について各々軸対称な位置にあり、かつ両端面
のキー部3と4とは、リング本体2の中心軸について互
いに90°離れた位置にある。これらキー部3,4は、図
示していないが、オルダム軸継手において入力側部品お
よび出力側部品のキー溝に係合し、このキー溝に対して
リング本体2の径方向へ摺動するものである。したがっ
て、オルダム軸継手の確実な作動のためには、特にキー
部3,4の側面3a,4aの精度が重要であり、リング本体
2の一端面のキー部3の側面3aと他端面のキー部4の側
面4aとの直角度も高精度が要求される。要求される直角
度は、例えば0.04mm以下である。
【0003】前述のようなオルダムリング1の製法とし
て粉末冶金を利用したものがある。粉末冶金では、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮して圧粉体を成形した
後、この圧粉体を加熱して焼結することが行われる。次
に、焼結後の焼結体に対して所定形状や所定寸法を得る
ための再圧縮である矯正を施し、さらにバリ取りや切削
加工を実施した後、耐摩耗性や疲労強度の向上のための
ガス軟窒化処理を施している。前記切削加工では、オル
ダムリング1となるワークの外周面を切削して、この外
周面の径を所定の寸法にする。図9は、外周面を切削す
る前のワーク1Aを示しており、鎖線aより外周側の部分
が切削される。完成後のオルダムリング1では、キー部
3,4がリング本体2の外周面よりも径方向外方へ突出
して位置するのに対して、ワーク1Aではキー部3,4を
含めて外周面全体が一つの円柱面をなしている。また、
ワーク1Aの内周面も全体が一つの円柱面をなしている。
それに加えて、従来の製法ではキー部3,4の側面3a,
4aにも切削加工を施して直角度などにおいて必要な精度
を出すようにしている。
て粉末冶金を利用したものがある。粉末冶金では、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮して圧粉体を成形した
後、この圧粉体を加熱して焼結することが行われる。次
に、焼結後の焼結体に対して所定形状や所定寸法を得る
ための再圧縮である矯正を施し、さらにバリ取りや切削
加工を実施した後、耐摩耗性や疲労強度の向上のための
ガス軟窒化処理を施している。前記切削加工では、オル
ダムリング1となるワークの外周面を切削して、この外
周面の径を所定の寸法にする。図9は、外周面を切削す
る前のワーク1Aを示しており、鎖線aより外周側の部分
が切削される。完成後のオルダムリング1では、キー部
3,4がリング本体2の外周面よりも径方向外方へ突出
して位置するのに対して、ワーク1Aではキー部3,4を
含めて外周面全体が一つの円柱面をなしている。また、
ワーク1Aの内周面も全体が一つの円柱面をなしている。
それに加えて、従来の製法ではキー部3,4の側面3a,
4aにも切削加工を施して直角度などにおいて必要な精度
を出すようにしている。
【0004】このようにキー部3,4の側面3a,4aに切
削加工を施すのは、粉末成形の段階において十分な精度
が得られないためである。其の理由は、原料粉末が粉末
成形プレスのダイ内で下パンチと上パンチとにより加圧
されて圧縮されるとき、原料粉末の密度差などに起因し
てパンチに捩じれるような回転力が加わり、パンチが所
定の位置から若干回動してしまうためである。例えば上
パンチは回転せずに、下パンチのみが回転したとする
と、オルダムリング1の一端面のキー部3と他端面のキ
ー部4の位置関係に誤差が生じ、キー部3の側面3aと他
端面のキー部4の側面4aとの直角度が悪化する。
削加工を施すのは、粉末成形の段階において十分な精度
が得られないためである。其の理由は、原料粉末が粉末
成形プレスのダイ内で下パンチと上パンチとにより加圧
されて圧縮されるとき、原料粉末の密度差などに起因し
てパンチに捩じれるような回転力が加わり、パンチが所
定の位置から若干回動してしまうためである。例えば上
パンチは回転せずに、下パンチのみが回転したとする
と、オルダムリング1の一端面のキー部3と他端面のキ
ー部4の位置関係に誤差が生じ、キー部3の側面3aと他
端面のキー部4の側面4aとの直角度が悪化する。
【0005】そのために側面3a,4aに対する切削加工が
必要になっていたが、切削加工が多くなると工数が増
え、コストアップをきたす問題がある。
必要になっていたが、切削加工が多くなると工数が増
え、コストアップをきたす問題がある。
【0006】また、粉末冶金により製造されたワーク1A
には気孔があるが、切削加工を行うと表面部の気孔は封
孔される。一方、オルダムリング1では製造の最後の段
階でガス軟窒化処理が施されるが、ワーク1Aの表面部の
気孔が潰れているとガスが内部まで浸透せず、処理の効
果が弱くなる。これに対して従来のオルダムリング1で
は、キー部3,4の側面3a,4aに切削加工を施していた
ため、最も耐摩耗性や疲労強度が要求されるキー部3,
4の側面3a,4aでガス軟窒化処理の効果が低くなるとい
う問題があった。
には気孔があるが、切削加工を行うと表面部の気孔は封
孔される。一方、オルダムリング1では製造の最後の段
階でガス軟窒化処理が施されるが、ワーク1Aの表面部の
気孔が潰れているとガスが内部まで浸透せず、処理の効
果が弱くなる。これに対して従来のオルダムリング1で
は、キー部3,4の側面3a,4aに切削加工を施していた
ため、最も耐摩耗性や疲労強度が要求されるキー部3,
4の側面3a,4aでガス軟窒化処理の効果が低くなるとい
う問題があった。
【0007】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、信頼性が高く且つ原価的にも有利なオル
ダムリングの製造方法を提供することを目的とする。
とするもので、信頼性が高く且つ原価的にも有利なオル
ダムリングの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、円環状のリング本体の両端面に
突起状のキー部をそれぞれ一対ずつ有し、これら両端面
のキー部が前記リング本体の中心軸について直角をなし
て位置するオルダムリングの製造方法において、ダイお
よびパンチを有する粉末成形用金型を用いて原料粉末を
圧縮することにより圧粉体を成形する粉末成形工程と、
この粉末成形工程により得られた圧粉体を加熱して焼結
する焼結工程と、この焼結工程により得られた焼結体の
リング本体の外周面を所定寸法まで切削する切削工程と
を備え、前記粉末成形工程で、圧粉体の外周面を形成す
る前記ダイと、このダイ内に摺動自在に嵌合される前記
パンチとを、前記ダイの内周面およびパンチの外周面で
かつ焼結体における前記切削工程により切削される部分
に相当する位置に形成した凹溝および凸条により回 り止
めし、前記切削工程では、前記キー部の側面に対する切
削は行わないものである。
目的を達成するために、円環状のリング本体の両端面に
突起状のキー部をそれぞれ一対ずつ有し、これら両端面
のキー部が前記リング本体の中心軸について直角をなし
て位置するオルダムリングの製造方法において、ダイお
よびパンチを有する粉末成形用金型を用いて原料粉末を
圧縮することにより圧粉体を成形する粉末成形工程と、
この粉末成形工程により得られた圧粉体を加熱して焼結
する焼結工程と、この焼結工程により得られた焼結体の
リング本体の外周面を所定寸法まで切削する切削工程と
を備え、前記粉末成形工程で、圧粉体の外周面を形成す
る前記ダイと、このダイ内に摺動自在に嵌合される前記
パンチとを、前記ダイの内周面およびパンチの外周面で
かつ焼結体における前記切削工程により切削される部分
に相当する位置に形成した凹溝および凸条により回 り止
めし、前記切削工程では、前記キー部の側面に対する切
削は行わないものである。
【0009】このように粉末成形工程でダイとパンチと
を回り止めすることにより、ダイ内でパンチによって原
料粉末が圧縮されるとき、加圧力によってパンチが捩じ
れることが防止され、圧粉体の両端面に別々のパンチに
よって形成されるキー部の位置が正確に規制され、製造
されるオルダムリングにおいてもその一端面のキー部側
面に対する他端面のキー部側面の直角度などの精度が向
上し、キー部側面に切削加工を施すことも不要になる。
回り止めのために圧粉体の外周に形成された凸条または
凹溝は、焼結体の外周面に対する切削加工によってなく
なる。
を回り止めすることにより、ダイ内でパンチによって原
料粉末が圧縮されるとき、加圧力によってパンチが捩じ
れることが防止され、圧粉体の両端面に別々のパンチに
よって形成されるキー部の位置が正確に規制され、製造
されるオルダムリングにおいてもその一端面のキー部側
面に対する他端面のキー部側面の直角度などの精度が向
上し、キー部側面に切削加工を施すことも不要になる。
回り止めのために圧粉体の外周に形成された凸条または
凹溝は、焼結体の外周面に対する切削加工によってなく
なる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明のオル
ダムリングの製造方法において、前記切削工程後に焼結
体にガス軟窒化処理を施すガス軟窒化処理工程を備えた
ものである。
ダムリングの製造方法において、前記切削工程後に焼結
体にガス軟窒化処理を施すガス軟窒化処理工程を備えた
ものである。
【0011】前述のように、キー部側面に切削加工を施
していないことにより、キー部の側面において気孔が封
孔されない結果、ガス軟窒化処理の効果が高まり、キー
部の側面の耐摩耗性や疲労強度が確実に向上する。
していないことにより、キー部の側面において気孔が封
孔されない結果、ガス軟窒化処理の効果が高まり、キー
部の側面の耐摩耗性や疲労強度が確実に向上する。
【0012】
【発明の実施形態】以下、本発明のオルダムリングの一
実施例について図1から図8を参照しながら説明する。
本実施例のオルダムリング1は、形状的には先に説明し
た図1から図3に示すものと同じである。また、本オル
ダムリング1は、粉末冶金により製造されるものであ
る。
実施例について図1から図8を参照しながら説明する。
本実施例のオルダムリング1は、形状的には先に説明し
た図1から図3に示すものと同じである。また、本オル
ダムリング1は、粉末冶金により製造されるものであ
る。
【0013】まず、図6から図8に示すオルダムリング
1となるワーク1Bである圧粉体を成形する粉末成形用金
型装置につき、図4および図5に基づいて説明する。図
5において、11はダイプレート、12は下第1パンチプレ
ート、13はこの下第1パンチプレート12に立設された下
第1パンチホルダー、14は図示していない下第2パンチ
プレートに立設された下第2パンチホルダー、15は図示
していないベースプレートに立設された下第3パンチホ
ルダー、16は図示していないコアプレートに立設された
コアホルダーである。前記下第3パンチホルダー15を立
設したベースプレートの位置は固定している。前記コア
プレートは、粉末成形プレスの図示していない下ラムに
接続されるもので、この下ラムの駆動により上下動す
る。前記ダイプレート11は、前記コアプレートおよびコ
アホルダー16と一体的に上下動する。前記下第1パンチ
ホルダー13を立設した下第1パンチプレート12と、下第
2パンチホルダー14を立設した下第2パンチプレートと
は、粉末成形プレスの図示していない連動機構により前
記ダイプレート11と連動して上下動するが、それぞれ異
なる動きをする。また、17は上第1パンチプレート、18
は上第2パンチプレートである。上第1パンチプレート
17は、粉末成形プレスの図示していない上ラムに接続さ
れるもので、この上ラムの駆動により上下動する。上第
2パンチプレート18は、上第1パンチプレート17に上下
動自在に組み込まれており、図示していないシリンダー
装置の駆動により上下動するようになっている。
1となるワーク1Bである圧粉体を成形する粉末成形用金
型装置につき、図4および図5に基づいて説明する。図
5において、11はダイプレート、12は下第1パンチプレ
ート、13はこの下第1パンチプレート12に立設された下
第1パンチホルダー、14は図示していない下第2パンチ
プレートに立設された下第2パンチホルダー、15は図示
していないベースプレートに立設された下第3パンチホ
ルダー、16は図示していないコアプレートに立設された
コアホルダーである。前記下第3パンチホルダー15を立
設したベースプレートの位置は固定している。前記コア
プレートは、粉末成形プレスの図示していない下ラムに
接続されるもので、この下ラムの駆動により上下動す
る。前記ダイプレート11は、前記コアプレートおよびコ
アホルダー16と一体的に上下動する。前記下第1パンチ
ホルダー13を立設した下第1パンチプレート12と、下第
2パンチホルダー14を立設した下第2パンチプレートと
は、粉末成形プレスの図示していない連動機構により前
記ダイプレート11と連動して上下動するが、それぞれ異
なる動きをする。また、17は上第1パンチプレート、18
は上第2パンチプレートである。上第1パンチプレート
17は、粉末成形プレスの図示していない上ラムに接続さ
れるもので、この上ラムの駆動により上下動する。上第
2パンチプレート18は、上第1パンチプレート17に上下
動自在に組み込まれており、図示していないシリンダー
装置の駆動により上下動するようになっている。
【0014】前記ダイプレート11には、ダイ21がダイホ
ルダー22およびダイホルダー押さえ23,24により取り付
けられている。また、下第1パンチホルダー13上には下
第1パンチアダプター25が取り付けられており、この下
第1パンチアダプター25上に下第1パンチ26が下第1パ
ンチ押さえ27により取り付けられている。また、前記下
第2パンチホルダー14上には下第2パンチアダプター28
が取り付けられており、この下第2パンチアダプター28
上に一対の下第2パンチ29が下第2パンチ押さえ30によ
り取り付けられている。また、前記下第3パンチホルダ
ー15上には下第3パンチアダプター31が取り付けられて
おり、この下第3パンチアダプター31上に一対の下第3
パンチ32が下第3パンチ押さえ33により取り付けられて
いる。さらに、前記コアホルダー16上にはコアロッド34
がコアロッド押さえ35により取り付けられている。ま
た、前記上第1パンチプレート17の下側には上第1パン
チ36が上第1パンチホルダー19および上第1パンチ押さ
え37により取り付けられている。さらに、前記上第2パ
ンチプレート18の下側には一対の上第2パンチ38が上第
2パンチ押さえ39により取り付けられている。そして、
前記ダイ11と各パンチ26,29,32,36,38とコアロッド
34とが相互に上下方向に摺動自在に嵌合して所定形状の
圧粉体1Bを成形するものである。
ルダー22およびダイホルダー押さえ23,24により取り付
けられている。また、下第1パンチホルダー13上には下
第1パンチアダプター25が取り付けられており、この下
第1パンチアダプター25上に下第1パンチ26が下第1パ
ンチ押さえ27により取り付けられている。また、前記下
第2パンチホルダー14上には下第2パンチアダプター28
が取り付けられており、この下第2パンチアダプター28
上に一対の下第2パンチ29が下第2パンチ押さえ30によ
り取り付けられている。また、前記下第3パンチホルダ
ー15上には下第3パンチアダプター31が取り付けられて
おり、この下第3パンチアダプター31上に一対の下第3
パンチ32が下第3パンチ押さえ33により取り付けられて
いる。さらに、前記コアホルダー16上にはコアロッド34
がコアロッド押さえ35により取り付けられている。ま
た、前記上第1パンチプレート17の下側には上第1パン
チ36が上第1パンチホルダー19および上第1パンチ押さ
え37により取り付けられている。さらに、前記上第2パ
ンチプレート18の下側には一対の上第2パンチ38が上第
2パンチ押さえ39により取り付けられている。そして、
前記ダイ11と各パンチ26,29,32,36,38とコアロッド
34とが相互に上下方向に摺動自在に嵌合して所定形状の
圧粉体1Bを成形するものである。
【0015】前記ダイ21は、キー部3,4を含めてワー
ク1Bの外周面を形成するもので、上下方向を軸方向とす
るほぼ円筒形状になっている。また、前記下第1パンチ
26は、キー部3の側面3aおよびワーク1Bの一端面を形成
するもので、上下方向を軸方向とするとともにこの軸方
向に延びる複数の切溝を有するほぼ円筒形状になってい
て前記ダイ21内に下側から摺動自在に嵌合している。ま
た、前記下第2パンチ29は、キー部3の端面を形成する
もので、上下方向を軸方向とする角棒状になっており、
前記下第1パンチ26の切溝内に嵌合している。また、前
記下第3パンチ32は、ワーク1Bの一端面におけるキー部
4の裏側に相当する部分を形成するもので、上下方向を
軸方向とする角棒状になっており、前記下第1パンチ26
の切溝内に嵌合している。さらに、前記コアロッド34
は、キー部3,4を含めてワーク1Bの内周面を形成する
もので、ほぼ円柱形状になっている。また、前記上第1
パンチ36は、キー部4の側面4aおよびワーク1Bの他端面
を形成するもので、上下方向を軸方向とするとともにこ
の軸方向に延びる複数の切溝を有するほぼ円筒形状にな
っていて前記ダイ21内に上側から摺動自在にかつ挿脱自
在に嵌合するものである。さらに、前記上第2パンチ38
は、キー部4の端面を形成するもので、上下方向を軸方
向とする角棒状になっており、前記上第1パンチ36の切
溝内に嵌合している。
ク1Bの外周面を形成するもので、上下方向を軸方向とす
るほぼ円筒形状になっている。また、前記下第1パンチ
26は、キー部3の側面3aおよびワーク1Bの一端面を形成
するもので、上下方向を軸方向とするとともにこの軸方
向に延びる複数の切溝を有するほぼ円筒形状になってい
て前記ダイ21内に下側から摺動自在に嵌合している。ま
た、前記下第2パンチ29は、キー部3の端面を形成する
もので、上下方向を軸方向とする角棒状になっており、
前記下第1パンチ26の切溝内に嵌合している。また、前
記下第3パンチ32は、ワーク1Bの一端面におけるキー部
4の裏側に相当する部分を形成するもので、上下方向を
軸方向とする角棒状になっており、前記下第1パンチ26
の切溝内に嵌合している。さらに、前記コアロッド34
は、キー部3,4を含めてワーク1Bの内周面を形成する
もので、ほぼ円柱形状になっている。また、前記上第1
パンチ36は、キー部4の側面4aおよびワーク1Bの他端面
を形成するもので、上下方向を軸方向とするとともにこ
の軸方向に延びる複数の切溝を有するほぼ円筒形状にな
っていて前記ダイ21内に上側から摺動自在にかつ挿脱自
在に嵌合するものである。さらに、前記上第2パンチ38
は、キー部4の端面を形成するもので、上下方向を軸方
向とする角棒状になっており、前記上第1パンチ36の切
溝内に嵌合している。
【0016】さらに、図4に示すように、前記ダイ21の
内周面には上下方向に延びる4つの凸条41,42が形成さ
れている。これら凸条41,42は、それぞれ圧粉体1Bのキ
ー部3,4と約45°離れた位置にある。一方、下第1パ
ンチ26および上第1パンチ36の外周面には上下方向に延
び前記ダイ21の凸条41,42にそれぞれ摺動自在に嵌合す
る凹溝43,44,45,46が形成されている。これら凸条4
1,42および凹溝43,44,45,46のうち一対のものは、
断面形状が円弧状になっているが、他の一対のものは、
断面形状が矩形状になっていて直角の2つの角部を有し
ている。
内周面には上下方向に延びる4つの凸条41,42が形成さ
れている。これら凸条41,42は、それぞれ圧粉体1Bのキ
ー部3,4と約45°離れた位置にある。一方、下第1パ
ンチ26および上第1パンチ36の外周面には上下方向に延
び前記ダイ21の凸条41,42にそれぞれ摺動自在に嵌合す
る凹溝43,44,45,46が形成されている。これら凸条4
1,42および凹溝43,44,45,46のうち一対のものは、
断面形状が円弧状になっているが、他の一対のものは、
断面形状が矩形状になっていて直角の2つの角部を有し
ている。
【0017】つぎに、オルダムリング1の製造方法につ
いて説明する。オルダムリング1の製造に際しては、ま
ず前記粉末成形用金型装置を組み付けた粉末成形プレス
により圧粉体が成形される(粉末成形工程)。この粉末
成形工程においては、図5(a)に示すように、まず上
第1パンチ36および上第2パンチ38がダイ21から抜けた
状態で、このダイ21内に図示していないフィーダーによ
り原料粉末Pが充填される。このとき、ダイ21内におい
て、下第2パンチ29および下第3パンチ32の上端は下第
1パンチ26の上端よりも低く位置しており、キー部3,
4となる部分にそれに見合った量の原料粉末Pが充填さ
れる。
いて説明する。オルダムリング1の製造に際しては、ま
ず前記粉末成形用金型装置を組み付けた粉末成形プレス
により圧粉体が成形される(粉末成形工程)。この粉末
成形工程においては、図5(a)に示すように、まず上
第1パンチ36および上第2パンチ38がダイ21から抜けた
状態で、このダイ21内に図示していないフィーダーによ
り原料粉末Pが充填される。このとき、ダイ21内におい
て、下第2パンチ29および下第3パンチ32の上端は下第
1パンチ26の上端よりも低く位置しており、キー部3,
4となる部分にそれに見合った量の原料粉末Pが充填さ
れる。
【0018】その後、上第1パンチ36および上第2パン
チ38が下降してダイ21内に嵌合するとともにダイ21が下
降して、このダイ21内でパンチ26,29,32,36,38によ
り原料粉末Pが圧縮される。これとともに下第1パンチ
26が下降し、加圧完了時点ではこの下第1パンチ26の上
端と下第3パンチ32の上端とが同高に位置する。また、
下第2パンチ29が下降し、加圧完了時点では下第2パン
チ29の上端は下第1パンチ26の上端よりも低く位置する
が、下第2パンチ29の下降量は下第1パンチ26の下降量
よりも小さい。これにより、ワーク1Bのキー部3,4は
リング本体2よりも大きな量圧縮される。
チ38が下降してダイ21内に嵌合するとともにダイ21が下
降して、このダイ21内でパンチ26,29,32,36,38によ
り原料粉末Pが圧縮される。これとともに下第1パンチ
26が下降し、加圧完了時点ではこの下第1パンチ26の上
端と下第3パンチ32の上端とが同高に位置する。また、
下第2パンチ29が下降し、加圧完了時点では下第2パン
チ29の上端は下第1パンチ26の上端よりも低く位置する
が、下第2パンチ29の下降量は下第1パンチ26の下降量
よりも小さい。これにより、ワーク1Bのキー部3,4は
リング本体2よりも大きな量圧縮される。
【0019】加圧が完了して、下第2パンチ29および下
第3パンチ32が停止した後も下第1パンチ26は若干下降
し、これにより、キー部3が下第1パンチ26から抜き出
される。その後もダイ21はさらに下降を続け、これによ
り、図5(b)に示すように成形されたワーク1Bがダイ
21から抜き出される。次に、上第1パンチ36および上第
2パンチ38が上昇するが、上第1パンチ36が上昇すると
き、シリンダー装置の駆動により上第2パンチ38が所定
期間停止状態を保つことにより、キー部4が上第1パン
チ36から抜き出される。
第3パンチ32が停止した後も下第1パンチ26は若干下降
し、これにより、キー部3が下第1パンチ26から抜き出
される。その後もダイ21はさらに下降を続け、これによ
り、図5(b)に示すように成形されたワーク1Bがダイ
21から抜き出される。次に、上第1パンチ36および上第
2パンチ38が上昇するが、上第1パンチ36が上昇すると
き、シリンダー装置の駆動により上第2パンチ38が所定
期間停止状態を保つことにより、キー部4が上第1パン
チ36から抜き出される。
【0020】前述のようにして抜き出されたワーク1Bが
払い出された後、ダイ21、各パンチ26,29,32,36,38
およびコアロッド34は図5(a)に示す状態に戻り、再
び原料粉末Pの充填が行われて成形が繰り返される。
払い出された後、ダイ21、各パンチ26,29,32,36,38
およびコアロッド34は図5(a)に示す状態に戻り、再
び原料粉末Pの充填が行われて成形が繰り返される。
【0021】このようにして成形されたワーク1Bは、焼
結炉により加熱されて焼結される(焼結工程)。つぎ
に、焼結されたワーク(焼結体)1Bは、矯正プレスによ
り再圧縮されて矯正される(矯正工程)。この矯正工程
は、形状や寸法を整えるためのものである。つぎに、ワ
ーク1Bにはバリ取りおよび切削加工が施される(切削工
程)。この切削工程ではワーク1Bのリング本体2の外周
部(図7において鎖線aより外周側の部分)が所定径ま
で切削され、これにより、図1から図3に示すように、
キー部3,4がリング本体2から径方向外方へ突出した
状態になる。そして、この切削により、ダイ21の凸条4
1,42によってワーク1Bの外周面にできた凹溝5,6は
なくなり、最終的な製品としてのオルダムリング1には
残らない。すなわち、ダイ21の凸条41,42が、もとより
ワーク1Bにおける切削される部分に相当する位置に形成
されているためである。一方、キー部3,4の側面3a,
4aに対しては切削加工が行われない。さらに、ワーク1B
には、耐摩耗性や耐疲れ性の向上のための窒化物被膜を
形成する熱処理であるガス軟窒化処理が施される(ガス
軟窒化処理工程)。
結炉により加熱されて焼結される(焼結工程)。つぎ
に、焼結されたワーク(焼結体)1Bは、矯正プレスによ
り再圧縮されて矯正される(矯正工程)。この矯正工程
は、形状や寸法を整えるためのものである。つぎに、ワ
ーク1Bにはバリ取りおよび切削加工が施される(切削工
程)。この切削工程ではワーク1Bのリング本体2の外周
部(図7において鎖線aより外周側の部分)が所定径ま
で切削され、これにより、図1から図3に示すように、
キー部3,4がリング本体2から径方向外方へ突出した
状態になる。そして、この切削により、ダイ21の凸条4
1,42によってワーク1Bの外周面にできた凹溝5,6は
なくなり、最終的な製品としてのオルダムリング1には
残らない。すなわち、ダイ21の凸条41,42が、もとより
ワーク1Bにおける切削される部分に相当する位置に形成
されているためである。一方、キー部3,4の側面3a,
4aに対しては切削加工が行われない。さらに、ワーク1B
には、耐摩耗性や耐疲れ性の向上のための窒化物被膜を
形成する熱処理であるガス軟窒化処理が施される(ガス
軟窒化処理工程)。
【0022】以上のようにして製造されたオルダムリン
グ1において、リング本体2の両端面のキー部3,4の
側面3a,4aの直角度は0.04mm以下である。
グ1において、リング本体2の両端面のキー部3,4の
側面3a,4aの直角度は0.04mm以下である。
【0023】前記実施例の構成によれば、粉末成形工程
に際してダイ21内でパンチ26,29,32,36,38によって
原料粉末Pが圧縮されるとき、ダイ21の凸条41,42と下
第1パンチ26の凹溝43,44および上第1パンチ36の凹溝
45,46とが嵌合していることにより、加圧力によって下
第1パンチ26および上第1パンチ36が捩じれること、つ
まり円周方向に位置ずれを生じることが防止される。し
かも、一部の凸条41および凹溝43,45は断面形状が矩形
状になっているので、下第1パンチ26および上第1パン
チ36の回転がよりいっそう確実に防止される。これによ
り、下第1パンチ26により形成されるワーク1Bの一端面
のキー部3の側面3aの位置と、上第1パンチ36により形
成されるワーク1Bの他端面のキー部4の側面4aの位置と
がそれぞれ正確に規制され、これらワーク1Bの両端面の
キー部3,4の側面3a,4aのなす所定角度θの精度向上
が可能になる。
に際してダイ21内でパンチ26,29,32,36,38によって
原料粉末Pが圧縮されるとき、ダイ21の凸条41,42と下
第1パンチ26の凹溝43,44および上第1パンチ36の凹溝
45,46とが嵌合していることにより、加圧力によって下
第1パンチ26および上第1パンチ36が捩じれること、つ
まり円周方向に位置ずれを生じることが防止される。し
かも、一部の凸条41および凹溝43,45は断面形状が矩形
状になっているので、下第1パンチ26および上第1パン
チ36の回転がよりいっそう確実に防止される。これによ
り、下第1パンチ26により形成されるワーク1Bの一端面
のキー部3の側面3aの位置と、上第1パンチ36により形
成されるワーク1Bの他端面のキー部4の側面4aの位置と
がそれぞれ正確に規制され、これらワーク1Bの両端面の
キー部3,4の側面3a,4aのなす所定角度θの精度向上
が可能になる。
【0024】このようにして粉末成形の段階でキー部
3,4の側面3a,4aの位置精度を高めることができ、精
度を高めるために施されるキー部3,4の側面3a,4aの
切削加工を省くことが可能となる。すなわち、この切削
加工を行うことなく、キー部3,4の側面3a,4aの直角
度を高めることができる。そして、製造されたオルダム
リング1においてリング本体2の両端面のキー部3,4
の側面3a,4aの直角度が所定精度0.04mm以下であること
により、オルダムリング1の作動の信頼性が確保され
る。また、切削加工の工程を減らせることから製造コス
トも低減でき、安価にできる。
3,4の側面3a,4aの位置精度を高めることができ、精
度を高めるために施されるキー部3,4の側面3a,4aの
切削加工を省くことが可能となる。すなわち、この切削
加工を行うことなく、キー部3,4の側面3a,4aの直角
度を高めることができる。そして、製造されたオルダム
リング1においてリング本体2の両端面のキー部3,4
の側面3a,4aの直角度が所定精度0.04mm以下であること
により、オルダムリング1の作動の信頼性が確保され
る。また、切削加工の工程を減らせることから製造コス
トも低減でき、安価にできる。
【0025】なお、前述のように凸条41および凹溝43,
45の断面形状を矩形状にすることには、パンチ26,36の
捩じれ防止をより確実にできる利点があるが、凸条42お
よび凹溝44,46のように滑らかな曲面により構成されて
いる方が加工は容易である。前記実施例では、断面形状
が矩形状の凸条41および凹溝43,45と断面形状が円弧状
の凸条42および凹溝44,46とを組み合わせることによ
り、パンチ26,36の捩じれ防止効果と加工コストの上昇
抑制との両立を図っている。
45の断面形状を矩形状にすることには、パンチ26,36の
捩じれ防止をより確実にできる利点があるが、凸条42お
よび凹溝44,46のように滑らかな曲面により構成されて
いる方が加工は容易である。前記実施例では、断面形状
が矩形状の凸条41および凹溝43,45と断面形状が円弧状
の凸条42および凹溝44,46とを組み合わせることによ
り、パンチ26,36の捩じれ防止効果と加工コストの上昇
抑制との両立を図っている。
【0026】また、粉末冶金により製造されたワーク1B
には気孔があるが、切削加工を施すと表面部の気孔は封
孔される。オルダムリング1では製造の最後の段階で表
面処理としてのガス軟窒化処理により窒化物被膜が表面
に形成されるが、ワーク1Bの表面部の気孔が潰れている
とガスが内部まで浸透せず、処理の効果が弱くなる。こ
れに対して、本実施例においては、ワーク1Bのキー部
3,4の側面3a,4aに切削加工を施しておらず、この側
面3a,4aにおいて気孔が封孔されていないので、効果的
なガス軟窒化処理ができる。したがって、キー部3,4
の側面3a,4aの耐摩耗性や疲労強度が確実に向上し、オ
ルダムリング1の作動の信頼性がより一層向上する。
には気孔があるが、切削加工を施すと表面部の気孔は封
孔される。オルダムリング1では製造の最後の段階で表
面処理としてのガス軟窒化処理により窒化物被膜が表面
に形成されるが、ワーク1Bの表面部の気孔が潰れている
とガスが内部まで浸透せず、処理の効果が弱くなる。こ
れに対して、本実施例においては、ワーク1Bのキー部
3,4の側面3a,4aに切削加工を施しておらず、この側
面3a,4aにおいて気孔が封孔されていないので、効果的
なガス軟窒化処理ができる。したがって、キー部3,4
の側面3a,4aの耐摩耗性や疲労強度が確実に向上し、オ
ルダムリング1の作動の信頼性がより一層向上する。
【0027】さらに、ダイ21の凸条41,42によってワー
ク1Bの外周面に形成される凹溝5,6は、ワーク1Bの外
周部における最終的には切削される位置に形成されるの
で、最終的な製品形状に関係なく、凸条41,42および凹
溝43,44,45,46によるパンチ26,36の捩じれ防止を実
現できる。
ク1Bの外周面に形成される凹溝5,6は、ワーク1Bの外
周部における最終的には切削される位置に形成されるの
で、最終的な製品形状に関係なく、凸条41,42および凹
溝43,44,45,46によるパンチ26,36の捩じれ防止を実
現できる。
【0028】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例ではオルダムリング1となる圧粉体1Bを成形
する粉末成形用金型装置で、ダイ21に凸条41,42を形成
し、パンチ26,36に凹溝43,44,45,46を形成したが、
逆にダイに凹溝を形成し、パンチに凸条を形成してもよ
い。この構成は、特にワークの外周面に大きな切削代を
確保できない場合に有利である。一方、ワークの外周面
の切削代が大きい場合は、前記実施例のように、ダイ21
に凸条41,42を形成し、パンチ26,36に凹溝43,44,4
5,46を形成する構成にすれば、原料の無駄を少なくで
きる効果も得られる。また、ダイおよびパンチに形成す
る凸条および凹溝の形状や数や位置は、前記実施例のも
のには限らず、適宜設定できる。
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例ではオルダムリング1となる圧粉体1Bを成形
する粉末成形用金型装置で、ダイ21に凸条41,42を形成
し、パンチ26,36に凹溝43,44,45,46を形成したが、
逆にダイに凹溝を形成し、パンチに凸条を形成してもよ
い。この構成は、特にワークの外周面に大きな切削代を
確保できない場合に有利である。一方、ワークの外周面
の切削代が大きい場合は、前記実施例のように、ダイ21
に凸条41,42を形成し、パンチ26,36に凹溝43,44,4
5,46を形成する構成にすれば、原料の無駄を少なくで
きる効果も得られる。また、ダイおよびパンチに形成す
る凸条および凹溝の形状や数や位置は、前記実施例のも
のには限らず、適宜設定できる。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明のオルダムリングの製造
方法によれば、粉末成形工程で、ダイとパンチとを、ダ
イの内周面およびパンチの外周面に形成した凹溝および
凸条により回り止めし、焼結工程により得られた焼結体
の外周面を切削する切削工程で、前記凹溝および凸条に
より形成された焼結体の外周の凸条または凹溝を除去す
るので、最終的なオルダムリングの形状に影響を与える
ことなく、粉末成形工程時にパンチが捩じれることを防
止できる。したがって、粉末成形工程の段階でキー部の
位置精度を高めることができ、精度を出すためのキー部
の切削加工を不要にできる。
方法によれば、粉末成形工程で、ダイとパンチとを、ダ
イの内周面およびパンチの外周面に形成した凹溝および
凸条により回り止めし、焼結工程により得られた焼結体
の外周面を切削する切削工程で、前記凹溝および凸条に
より形成された焼結体の外周の凸条または凹溝を除去す
るので、最終的なオルダムリングの形状に影響を与える
ことなく、粉末成形工程時にパンチが捩じれることを防
止できる。したがって、粉末成形工程の段階でキー部の
位置精度を高めることができ、精度を出すためのキー部
の切削加工を不要にできる。
【0030】また、キー部側面に切削加工を施していな
いことにより、キー部の側面において気孔が封孔されな
い結果、請求項2の発明のように、切削工程後に焼結体
にガス軟窒化処理を施す場合、このガス軟窒化処理の効
果が高まり、キー部の側面の耐摩耗性や疲労強度を確実
に向上できる。
いことにより、キー部の側面において気孔が封孔されな
い結果、請求項2の発明のように、切削工程後に焼結体
にガス軟窒化処理を施す場合、このガス軟窒化処理の効
果が高まり、キー部の側面の耐摩耗性や疲労強度を確実
に向上できる。
【図1】本発明のオルダムリングの一実施例を示す斜視
図である。
図である。
【図2】同上平面図である。
【図3】同上側面図である。
【図4】同上オルダムリングとなる圧粉体を成形する粉
末成形用金型装置の一実施例を示す水平断面図である。
末成形用金型装置の一実施例を示す水平断面図である。
【図5】同上粉末成形用金型装置の縦断面図で、中心線
より左側の(a)は充填工程時を示し、中心線より右側
の(b)は抜出し工程時を示している。
より左側の(a)は充填工程時を示し、中心線より右側
の(b)は抜出し工程時を示している。
【図6】同上成形される圧粉体であるワークの斜視図で
ある。
ある。
【図7】同上ワークの平面図である。
【図8】同上ワークの断面図である。
【図9】従来の技術の一例を示すもので、オルダムリン
グとなる圧粉体であるワークの斜視図である。
グとなる圧粉体であるワークの斜視図である。
1 オルダムリング 2 リング本体 3,4 キー部 3a,4a 側面41,42 凸条 43,44,45,46 凹溝
フロントページの続き (72)発明者 相馬 準吉 新潟県新潟市小金町3番地1 三菱マテ リアル株式会社新潟製作所内 (72)発明者 甲田 一史 新潟県新潟市小金町3番地1 三菱マテ リアル株式会社新潟製作所内 (56)参考文献 特開 平5−231348(JP,A) 特開 平5−18422(JP,A) 特開 平7−110037(JP,A) 特開 昭59−113103(JP,A) 特開 昭50−54535(JP,A) 特開 昭64−63677(JP,A) 特開 平6−65606(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 3/04 B22F 3/02 B22F 3/24 C23C 8/30
Claims (2)
- 【請求項1】 円環状のリング本体の両端面に突起状の
キー部をそれぞれ一対ずつ有し、これら両端面のキー部
が前記リング本体の中心軸について直角をなして位置す
るオルダムリングの製造方法において、ダイおよびパン
チを有する粉末成形用金型を用いて原料粉末を圧縮する
ことにより圧粉体を成形する粉末成形工程と、この粉末
成形工程により得られた圧粉体を加熱して焼結する焼結
工程と、この焼結工程により得られた焼結体のリング本
体の外周面を所定寸法まで切削する切削工程とを備え、
前記粉末成形工程で、圧粉体の外周面を形成する前記ダ
イと、このダイ内に摺動自在に嵌合される前記パンチと
を、前記ダイの内周面およびパンチの外周面でかつ焼結
体における前記切削工程により切削される部分に相当す
る位置に形成した凹溝および凸条により回り止めし、前
記切削工程では、前記キー部の側面に対する切削は行わ
ないことを特徴とするオルダムリングの製造方法。 - 【請求項2】 前記切削工程後に焼結体にガス軟窒化処
理を施すガス軟窒化処理工程を備えたことを特徴とする
請求項1記載のオルダムリングの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00089098A JP3350924B2 (ja) | 1998-01-06 | 1998-01-06 | オルダムリングの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00089098A JP3350924B2 (ja) | 1998-01-06 | 1998-01-06 | オルダムリングの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11193827A JPH11193827A (ja) | 1999-07-21 |
JP3350924B2 true JP3350924B2 (ja) | 2002-11-25 |
Family
ID=11486288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00089098A Expired - Fee Related JP3350924B2 (ja) | 1998-01-06 | 1998-01-06 | オルダムリングの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3350924B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006029400A (ja) * | 2004-07-14 | 2006-02-02 | Asa Denshi Kogyo Kk | オルダムカップリング用ハブ、オルダムカップリング、およびハブ加工装置 |
JP5418942B2 (ja) * | 2010-01-28 | 2014-02-19 | 住友電工焼結合金株式会社 | 成形用金型、サイジング用金型およびそれを用いた焼結部品の製造方法 |
EP2963782B1 (en) | 2013-02-28 | 2019-03-06 | Nidec Sankyo Corporation | Motor device |
-
1998
- 1998-01-06 JP JP00089098A patent/JP3350924B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11193827A (ja) | 1999-07-21 |
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