JP3538831B2 - 回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法 - Google Patents

回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法

Info

Publication number
JP3538831B2
JP3538831B2 JP02326098A JP2326098A JP3538831B2 JP 3538831 B2 JP3538831 B2 JP 3538831B2 JP 02326098 A JP02326098 A JP 02326098A JP 2326098 A JP2326098 A JP 2326098A JP 3538831 B2 JP3538831 B2 JP 3538831B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
punch
die
cylinder end
green compact
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP02326098A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH11223189A (ja
Inventor
博文 羽柴
久 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP02326098A priority Critical patent/JP3538831B2/ja
Publication of JPH11223189A publication Critical patent/JPH11223189A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3538831B2 publication Critical patent/JP3538831B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転式圧縮機用シ
リンダー端面板の製造方法に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図6は、回転式圧縮機
の一例の概略を示している。同図において、1は密封容
器で、この密封容器1内にシリンダー2が設けられてい
る。このシリンダー2は、密封容器1に固定された両端
を開口した筒状のシリンダー本体3と、このシリンダー
本体3の両端開口をそれぞれ閉塞する円板状の下側シリ
ンダー端面板4および円板状の上側シリンダー端面板5
とからなっており、内部にシリンダー室6を形成するも
のである。前記シリンダー端面板4,5は、シリンダー
ヘッド、フロントヘッドあるいはリアヘッドなどとも称
するものである。そして、前記下側シリンダー端面板4
には、図5にも示すように、円筒状の軸受部4aが中心部
に突出形成されているとともに、いくつかの通孔4b,4c
が周辺部に形成されている。さらに、下側シリンダー端
面板4には外側(下側)の面に凹部4dが形成されてお
り、この凹部4dに一つの前記通孔4cが臨んでいる。ま
た、前記上側シリンダー端面板5にも、円筒状の軸受部
5aが中心部に突出形成されているとともに、通孔5bが周
辺部に形成されている。なお、シリンダー本体3には、
シリンダー端面板4,5の通孔4b,5bに通じる通孔3aが
形成されている。また、前記シリンダー室6にはローリ
ングピストン7が収納されており、このローリングピス
トン7は、これにクランク軸8により連結された図示し
ていないモーターの駆動によって偏心回転運動を行い、
これにより、シリンダー室6内の空気が圧縮されるよう
になっている。なお、前記クランク軸8は、前記シリン
ダー端面板4,5の軸受部4a,5aにより軸支されてい
る。また、下側シリンダー端面板4を下側から覆ってマ
フラー空間9を形成するマフラー10が固定されている。
さらに、下側シリンダー端面板4の凹部4dには吐出弁装
置11が設けられている。そして、シリンダー室6内でロ
ーリングピストン7により圧縮された気体は、下側シリ
ンダー端面板4の通孔4cおよび吐出弁装置11を通ってい
ったんマフラー空間9に吐出され、そこからシリンダー
2の通孔4b,3a,5bを通って密封容器1内に吐出し、外
部へ供給される。
【0003】前述のようなシリンダー端面板4,5の製
造方法として粉末冶金を利用したものがある。粉末冶金
では、金属を主成分とする原料粉末を粉末成形プレスで
圧縮して圧粉体を成形した後、この圧粉体を焼結炉で加
熱して焼結し、さらに、焼結後の焼結体に対して矯正プ
レスにより所定形状や所定寸法を得るための再圧縮であ
る矯正を施し、さらに必要に応じてバリ取りや切削加工
や表面処理などを施す。前記粉末成形や矯正に際して
は、前記シリンダー端面板4,5の外周面を形成するダ
イと、内周面を形成するコアロッドと、一端面を形成す
る下パンチと、他端面を形成する上パンチと、通孔4b,
4c,5bを形成するピンなどを備えた金型が用いられる。
特に粉末成形では、原料粉末の密度調節のためにパンチ
がいくつかに分割されることもある。
【0004】しかしながら、前述のようなシリンダー端
面板4,5の粉末成形や矯正においては次のような問題
が生じる。すなわち、シリンダー端面板4,5は、周面
が円柱面をなすものであるため、ダイとパンチとの嵌合
面も円柱面になるが、そのため、粉末成形に際して原料
粉末がダイ内で下パンチと上パンチとにより加圧されて
圧縮されるとき、原料粉末の密度差などに起因してパン
チに捩じれるような力が加わり、パンチが所定位置から
若干回転してしまうおそれがある。通孔4b,4c,5bを形
成するピンは、下パンチを摺動自在に貫通していて上パ
ンチに形成された孔に挿入されるものであるが、細くて
容易に屈曲するもので、パンチが捩じれてピンが屈曲す
ると、形成された通孔が傾いたり、通孔間のピッチの精
度が悪くなったりする。また、矯正に際しては、シリン
ダー端面板4,5を正しく方向付けてその通孔4b,4c,
5bの位置と矯正用金型のピンの位置とを一致させなけれ
ばならない。そうしないと、シリンダー端面板4,5が
矯正用金型に正常に装填されず、この金型の作動不良を
招いたり、矯正不良を招いたりする。ところが、シリン
ダー端面板4,5は、周面が円柱面をなすものであるた
め、円周方向の位置決めが行いにくく、矯正に際して位
置違いを生じやすい。
【0005】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、回転式圧縮機用シリンダー端面板を粉末
冶金により製造するに際して、粉末成形の段階での成形
精度を向上させるとともに、矯正に際して回転式圧縮機
用シリンダー端面板を確実に位置決めできるようにする
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、前記
目的を達成するために、円筒状の軸受部を中心部に有す
るとともに通孔を周辺部に有する円板状の回転式圧縮機
用シリンダー端面板の製造方法において、ダイ、コアロ
ッドおよびパンチを有する粉末成形用金型により原料粉
末を圧縮して圧粉体を成形する粉末成形工程と、この粉
末成形工程により得られた圧粉体を加熱して焼結する焼
結工程と、この焼結工程により得られた焼結体を矯正用
金型により再圧縮して矯正する矯正工程とを備え、前記
粉末成形工程に際して前記ダイにより圧粉体の外周面に
その軸方向に延びる凸条または凹溝を形成し、前記矯正
工程時に焼結体の前記凸条または凹溝によりこの焼結体
を位置決めし、前記矯正工程後に矯正体の外周面を切削
加工して、外周面の前記凸条または凹溝を除去するもの
である。
【0007】このように粉末成形工程に際して、ダイに
より圧粉体の外周面にその軸方向に延びる凸条または凹
溝を形成するには、ダイの内周面に凹溝または凸条が必
要であり、パンチの外周面にはダイの凹溝または凸条に
摺動自在に嵌合する凸条または凹溝が必要になるが、こ
れらダイおよびパンチの凹溝および凸条の嵌合によりダ
イとパンチとが回り止めされる。これにより、ダイ内で
パンチによって原料粉末が圧縮されるとき、加圧力によ
ってパンチが捩じれることが防止され、圧粉体に形成さ
れる通孔の位置精度も向上する。また、矯正工程に際し
て、焼結体の外周面の凸条または凹溝が矯正用金型のダ
イの内周面の凹溝または凸条に嵌合されることにより、
焼結体が正確に位置決めされる。
【0008】請求項2の発明は、請求項1の発明の回転
式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法において、前記
凸条または凹溝を圧粉体の外周面において非軸対称に形
成したものである。
【0009】もしも凸条または凹溝が圧粉体の外周面に
おいて軸対称に存在していたならば、例えば矯正工程時
に焼結体を位置決めする際、焼結体が正規の姿勢から18
0°逆転した姿勢で位置決めされることを排除できな
い。軸対称な形状の回転式圧縮機用シリンダー端面板な
らば、焼結体が180°逆転した姿勢で矯正用金型のダイ
に装填されても問題はないが、軸対称でない形状の回転
式圧縮機用シリンダー端面板の場合には問題である。こ
れに対して、請求項2の発明のように凸条または凹溝を
非軸対称に形成してあれば、焼結体は正しい姿勢に位置
決めされる。
【0010】
【発明の実施形態】以下、本発明の回転式圧縮機用シリ
ンダー端面板の製造方法の一実施例について図1から図
3を参照しながら説明する。本実施例において製造の対
象となる回転式圧縮機用シリンダー端面板は、先に説明
した図5および図6に示す下側シリンダー端面板4であ
る。なお、以下の説明において、このシリンダー端面板
4の製造の途中段階のワークである圧粉体や焼結体や矯
正体(矯正済焼結体)にも同一の符号4を付す。
【0011】まずシリンダー端面板4となる圧粉体4を
成形する粉末成形プレスの粉末成形用金型の構成を図1
および図2に基づいて説明する。21はダイプレート、22
は下第1パンチプレート、23はこの下第1パンチプレー
ト22上に立設された下第1パンチホルダー、24は下第2
パンチプレート、25はこの下第2パンチプレート22上に
立設された下第2パンチホルダー、26は図示していない
ベースプレート上に立設された下第3パンチホルダー、
27は図示していないコアプレートに立設されたコアホル
ダーである。前記ベースプレートの位置は固定してい
る。前記コアプレートは、粉末成形プレスの図示してい
ない下ラムに接続されるもので、この下ラムの駆動によ
り上下動する。前記ダイプレート21は、前記コアプレー
トおよびコアホルダー27と一体的に上下動する。前記下
第1パンチプレート22と下第2パンチプレート24とは、
粉末成形プレスの図示していない連動機構により前記ダ
イプレート21と連動して上下動するが、それぞれ異なる
動きをする。また、28は図示していない上パンチプレー
トの下側に取り付けられた上パンチホルダーである。前
記上パンチプレートは、粉末成形プレスの図示していな
い上ラムに接続されるもので、この上ラムの駆動により
上下動する。
【0012】前記ダイプレート21には、ダイ31がダイホ
ルダー32およびダイ押さえ33により取り付けられてい
る。また、前記下第1パンチホルダー23上には下第1パ
ンチアダプター34が取り付けられており、この下第1パ
ンチアダプター34上には下第1パンチ35が下第1パンチ
押さえ36により取り付けられている。また、前記下第2
パンチホルダー25上には下第2パンチアダプター37が取
り付けられており、この下第2パンチアダプター37上に
は下第2パンチ38が下第2パンチ押さえ39により取り付
けられている。また、前記下第3パンチホルダー26上に
は下第3パンチアダプター40が取り付けられており、こ
の下第3パンチアダプター40上には下第3パンチ41が下
第3パンチ押さえ42により取り付けられている。また、
前記コアホルダー27上にはコアロッド43がコアロッド押
さえ44により取り付けられている。さらに、前記下第2
パンチアダプター37の下方にはピンホルダープレート45
が設けられている。このピンホルダープレート45は、前
記下第1パンチアダプター34および下第2パンチアダプ
ター37を上下に貫通した複数の連結ロッド46により前記
ダイ31の下側に一体的に連結されている。そして、ピン
ホルダープレート45上には複数の通孔形成ピン47がピン
押さえ48により取り付けられている。これらの通孔形成
ピン47は、前記下第1パンチアダプター34および下第1
パンチ35、並びに、下第2パンチアダプター37および下
第2パンチ38を上下に貫通して上端がダイ31の上面と同
じ高さに位置している。すなわち、通孔形成ピン47は、
ダイ31と一体的に上下動するものである。さらに、前記
上パンチホルダー28の下側には上パンチアダプター49が
取り付けられており、この上パンチアダプター49の下側
には上パンチ50が上パンチ押さえ51により取り付けられ
ている。そして、前記ダイ31、各パンチ35,38,41,5
0、コアロッド43及び通孔形成ピン47とが相互に上下方
向に摺動自在に嵌合して所定形状の圧粉体4を成形する
ものである。
【0013】前記ダイ31は、圧粉体4の外周面を形成す
るもので、上下方向を軸方向とするほぼ円筒形状になっ
ている。また、前記下第1パンチ35は、凹部4dを除く圧
粉体4の一端面および軸受部4aの外周面を形成するもの
で、上下方向を軸方向とするほぼ円筒形状になっていて
前記ダイ31内に下側から摺動自在に嵌合している。ま
た、前記下第3パンチ41は、圧粉体4の軸受部4aの端面
を形成するもので、上下方向を軸方向とするほぼ円筒形
状になっていて前記下第1パンチ35内に下側から摺動自
在に嵌合している。また、前記下第2パンチ38は、圧粉
体4の一端面の凹部4dを形成するもので、上下方向を軸
方向とする棒状になっていて前記下第1パンチ35を下側
から上下摺動自在に貫通している。また、前記コアロッ
ド43は、軸受部4aを含めた圧粉体4の内周面を形成する
もので、ほぼ円柱形状になっていて前記下第3パンチ41
内に下側から摺動自在に嵌合している。さらに、前記通
孔形成ピン47は、圧粉体4の通孔4b,4cを形成するもの
で、下第1パンチ35及び下第2パンチ38を下側から上下
摺動自在に貫通している。また、前記上パンチ50は、圧
粉体4の他端面を形成するもので、上下方向を軸方向と
するほぼ円筒形状になっていて前記ダイ31とコアロッド
43との間に上側から挿脱自在にかつ摺動自在に嵌合する
ものである。なお、上パンチ50には、前記通孔形成ピン
47が挿脱自在にかつ摺動自在に嵌合される通孔52が上下
方向に形成されている。
【0014】そして、特に図1に示すように、前記ダイ
31の内周面には上下方向に延びる2つの凹溝56が形成さ
れている。これらの凹溝56は、ダイ31の中心について互
いに約90°離れて位置している。すなわち、両凹溝56
は、ダイ31の内周面において非軸対称な位置関係を有し
ている。また、凹溝56は、断面形状がほぼ円弧状の滑ら
かな形状になっている。一方、前記下第1パンチ35およ
び上パンチ50の外周面には上下方向に延び前記ダイ31の
凹溝56に摺動自在に嵌合する凸条57が形成されている。
【0015】つぎに、前記シリンダー端面板4の製造方
法について説明する。シリンダー端面板4の製造に際し
ては、まず前記粉末成形プレスにより圧粉体が成形され
る(粉末成形工程)。この粉末成形工程においては、図
2(a)に示すように、まず上パンチ50がダイ31から抜
けた状態で、このダイ31内に図示していないフィーダー
により原料粉末Pが充填される。この原料粉末Pの充填
時、下第1パンチ35の上端は下第2パンチ38の上端より
も低く位置しており、下第3パンチ41の上端は下第1パ
ンチ35の上端よりもさらに低く位置している。
【0016】その後、上パンチ50が下降してダイ31内に
嵌合するとともに通孔形成ピン47が上パンチ50の通孔52
内に嵌合し、続いて、ダイ31が下降することにより、ダ
イ31内でパンチ35,38,41,50により原料粉末Pが加圧
されて圧縮される。また、加圧中下第1パンチ35および
下第2パンチ38も下降するが、加圧完了までの下降量
は、ダイ31よりも下第1パンチ35が小さく、この下第1
パンチ35よりも下第2パンチ38が小さい。これにより、
圧粉体4は、軸受部4aと凹部4dとそれ以外の部分とがほ
ぼ同等の圧縮比で圧縮されることになる。
【0017】加圧が完了した後も、ダイ31、下第1パン
チ35および下第2パンチ38はそれぞれ所定量下降し、最
終的には、図2(b)に示すように下第1パンチ35、下
第2パンチ38および下第3パンチ41の上端が同じ高さに
位置するとともに、これよりもダイ31の上面が若干低く
位置する。これにより、圧粉体4がダイ31、下第1パン
チ35、下第2パンチ38および通孔形成ピン47から抜き出
される。これとともに、上昇する上パンチ50が圧粉体4
から離れた後、圧粉体4が払い出される。その後、ダイ
31、パンチ35,38,41,50、コアロッド43および通孔形
成ピン47は図2(a)に示す状態に戻り、再び原料粉末
Pの充填が行われて成形が繰り返される。図3は、成形
された圧粉体4を示している。この圧粉体4の外周面に
は、ダイ31の凹溝56によって圧粉体4の軸方向に延びる
凸条4eが形成されている。これら凸条4eは、圧粉体4の
中心について互いに約90°離れて位置している。すなわ
ち、両凸条4eは、圧粉体4の外周面において非軸対称な
位置関係を有している。
【0018】このようにして成形された圧粉体4は、焼
結炉で加熱されて焼結される(焼結工程)。つぎに、こ
の焼結により得られた焼結体4は、浸油された後矯正プ
レスで再圧縮されて矯正される(矯正工程)。この矯正
工程は、形状や寸法を整えるためのものである。なお、
矯正プレスの矯正用金型は、図示していないが、下パン
チが分割されていない点や、ダイは固定で下パンチが昇
降する点を除いて前記成形用金型と類似の構成を有し、
前記粉末成形工程で形成された焼結体4の外周面の凸条
4eが嵌合される凹溝をダイの内周面に有するとともに、
このダイの凹溝が摺動自在に嵌合される凸条をパンチの
外周面に有している。また、焼結体4の通孔4b,4cを形
成するための通孔形成ピンも有している。矯正体4には
切削加工が施される(切削工程)。この切削工程では、
矯正体4の外周面が切削され、この外周面にある凸条4e
が除去される。すなわち、切削工程後、矯正体4の外周
面は最終的な製品形状である円柱面になる。
【0019】前記実施例の構成によれば、シリンダー端
面板4の外周面が円柱面であるのに対して、粉末成形用
金型のダイ31の内周面にその軸方向に延びる一対の非軸
対称の凹溝56を形成するとともに、下第1パンチ35およ
び上パンチ50の外周面には前記凹溝56に摺動自在に嵌合
する凸条57を形成したので、粉末成形工程に際してダイ
31内でパンチ35,38,41,50により原料粉末Pが圧縮さ
れるとき、加圧力によりダイ31に対して下第1パンチ35
および上パンチ50が捩じれること、つまり円周方向に位
置ずれを生じることが防止される。これにより、細い通
孔形成ピン47の屈曲なども防止され、この通孔形成ピン
47により形成される通孔4b,4cの位置精度も向上する。
すなわち、形成された通孔4b,4cが傾いたり、通孔4b,
4c間のピッチが不正確になったりすることを防止でき
る。また、矯正工程に際しては、焼結体4の外周面の凸
条4eが矯正用金型のダイの内周面の凹溝に嵌合されるこ
とにより、焼結体4を確実に位置決めでき、円周方向に
おいて正しく方向付けることができる。したがって、矯
正用金型の作動不良や矯正不良を防止できる。
【0020】ところで、もしも凸条4eが焼結体4の外周
面において軸対称に存在していたならば、例えば一対の
凸条4eが互いに180°離れた位置にあるならば、矯正工
程時に焼結体4を位置決めする際、焼結体4が正規の姿
勢から180°逆転した姿勢で位置決めされることを排除
できない。軸対称な形状のシリンダー端面板4ならば、
焼結体4が180°逆転した姿勢で矯正用金型のダイに装
填されても問題はないが、軸対称でない形状のシリンダ
ー端面板4の場合には問題である。これに対して、本実
施例のように一対の凸条4eが焼結体4の外周面において
軸対称でない位置にあれば、焼結体4は正しい姿勢に位
置決めされる。
【0021】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例の粉末成形用金型では、圧粉体4の各部の密
度調節のために、下パンチを下第1パンチ35と下第2パ
ンチ38と下第3パンチ41とに分割したが、パンチの分割
はそれに限るものではない。例えば、金型強度の向上の
ために、前記実施例の下第1パンチと下第2パンチとを
一体のものとし、上パンチを、圧粉体4の凹部4dの裏側
の位置を形成する上第2パンチと、それ以外の部分を形
成する上第1パンチとに分割してもよい。
【0022】また、本発明の適用の対象となる回転式圧
縮機用シリンダー端面板は、図5および図6に示すもの
には限らず、種々の構成のシリンダー端面板に本発明を
適用できる。特に、通孔の数や位置は種々のものがあり
得る。例えば、前記実施例では、図6に示す回転式圧縮
機の下側シリンダー端面板4を例に採って説明したが、
同回転式圧縮機の上側シリンダー端面板5にも本発明は
もちろん適用できる。
【0023】さらに、前記実施例では、圧粉体4の外周
面に形成される凸条4eを断面円弧状のものとしたが、図
4に示すように凸条4fは断面矩形に形成するなどしても
よい。先の実施例のように圧粉体4の外周面の凸条4eを
断面円弧状にした方が、金型の対応する凹溝の加工は容
易であり、また、切削により矯正体4の外周面から凸条
を除去することもより容易にでき、切削工具の寿命も伸
ばせる。しかし、回り止めおよび位置合わせの効果に関
しては、前述図4に示すように凸条4fを角張った形状に
した方が有利である。
【0024】加えて、圧粉体の外周面に形成する凸条の
数は、前記実施例のように2つに限るものではなく、1
つのみであってもよいし、3つ以上でもよい。凸条の数
が少ない方が金型製作上は有利であり、多い方が回り止
めなどの効果は高くなるので、両者を勘案して凸条の数
を決めればよい。凸条の位置も前記実施例のものには限
らない。例えば、前記実施例のように凸条の数が2つの
場合でも、特にシリンダー端面板が軸対称な形状のもの
である場合には、前記実施例のように互いにほぼ90°離
れた位置ではなく、対称な位置に設けてもよい。
【0025】さらに、前記実施例では、粉末成形工程に
おいてシリンダー端面板4となる圧粉体の外周面に凸条
を形成したが、逆に凹溝を形成してもよい。この場合、
粉末成形用金型および矯正用金型において、ダイの内周
面には凸条を形成し、パンチの外周面には凹溝を形成す
ることになる。ただし、最終的には矯正体の外周面を切
削してその凸条または凹溝を除去しなければならない
が、凹溝の場合よりも凸条の場合の方が、切削量は少な
くて済む。
【0026】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、円筒状の軸受
部を中心部に有するとともに通孔を周辺部に有する円板
状の回転式圧縮機用シリンダー端面板の粉末冶金による
製造方法において、粉末成形工程に際してダイにより圧
粉体の外周面にその軸方向に延びる凸条または凹溝を形
成し、矯正工程時に焼結体の前記凸条または凹溝により
この焼結体を位置決めし、矯正工程後に矯正体の外周面
を切削加工して、矯正体の外周面の前記凸条または凹溝
を除去するので、最終的な製品形状に影響を及ぼすこと
なく、粉末成形工程時におけるパンチの捩じれを防止で
き、通孔などの位置精度を向上できる。これとともに、
矯正工程に際して、焼結体の外周面の前記凸条または凹
溝により、矯正用金型に対して焼結体をその円周方向に
おいて位置決めできるので、矯正用金型の作動不良や矯
正不良を防止できる。
【0027】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、凸条または凹溝を圧粉体の外周面にお
いて非軸対称に形成したので、回転式圧縮機用シリンダ
ー端面板が軸対称でない形状のものであっても、矯正工
程時などに焼結体を正規の姿勢に位置決めすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回転式圧縮機用シリンダー端面板の製
造方法の一実施例を示すもので、粉末成形用金型の水平
断面図である。
【図2】同上粉末成形用金型の縦断面図で、中心線より
左側の(a)は充填工程時を示し、中心線より右側の
(b)は抜出し工程時を示している。
【図3】同上成形される圧粉体の斜視図である。
【図4】本発明の回転式圧縮機用シリンダー端面板の製
造方法の他の実施例を示すもので、成形される圧粉体の
斜視図である。
【図5】製造されるシリンダー端面板の斜視図である。
【図6】そのシリンダー端面板が用いられる回転式圧縮
機の概略断面図である。
【符号の説明】
4,5 シリンダー端面板 4a,5a 軸受部 4b,4c,5b 通孔 4e,4f 凸条 31 ダイ 35 下第1パンチ(パンチ) 50 上パンチ(パンチ)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円筒状の軸受部を中心部に有するととも
    に通孔を周辺部に有する円板状の回転式圧縮機用シリン
    ダー端面板の製造方法において、ダイ、コアロッドおよ
    びパンチを有する粉末成形用金型により原料粉末を圧縮
    して圧粉体を成形する粉末成形工程と、この粉末成形工
    程により得られた圧粉体を加熱して焼結する焼結工程
    と、この焼結工程により得られた焼結体を矯正用金型に
    より再圧縮して矯正する矯正工程とを備え、前記粉末成
    形工程に際して前記ダイにより圧粉体の外周面にその軸
    方向に延びる凸条または凹溝を形成し、前記矯正工程時
    に焼結体の前記凸条または凹溝によりこの焼結体を位置
    決めし、前記矯正工程後に矯正体の外周面を切削加工し
    て、外周面の前記凸条または凹溝を除去するように構成
    したことを特徴とする回転式圧縮機用シリンダー端面板
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記凸条または凹溝を圧粉体の外周面に
    おいて非軸対称に形成したことを特徴とする請求項1記
    載の回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法。
JP02326098A 1998-02-04 1998-02-04 回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法 Expired - Fee Related JP3538831B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02326098A JP3538831B2 (ja) 1998-02-04 1998-02-04 回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP02326098A JP3538831B2 (ja) 1998-02-04 1998-02-04 回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11223189A JPH11223189A (ja) 1999-08-17
JP3538831B2 true JP3538831B2 (ja) 2004-06-14

Family

ID=12105642

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP02326098A Expired - Fee Related JP3538831B2 (ja) 1998-02-04 1998-02-04 回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3538831B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH11223189A (ja) 1999-08-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2348429C (en) Method for producing a sintered part with a subsequent shaping of the green compact
JP4852922B2 (ja) ラック軸の製造方法
JP3538831B2 (ja) 回転式圧縮機用シリンダー端面板の製造方法
JPH11192596A (ja) オルダムリングの製造に用いる粉末成形用金型装置
JP3652632B2 (ja) 球形焼結軸受の製造方法
JP3374962B2 (ja) オルダムリングの製造に用いる粉末成形用金型装置
JPH09176701A (ja) 異形部付きはす歯歯車成形体の成形金型
JP3151798B2 (ja) 粉末成形用金型
JP3350924B2 (ja) オルダムリングの製造方法
JP2003041302A (ja) ベアリングキャップの製造方法
JPH08104904A (ja) インターナルヘリカルギアの粉末成形用金型
JP3238300B2 (ja) 焼結軸受の製造方法
JP3158244B2 (ja) 多段ヘリカルギアの製造方法及びその粉末成形用金型
JP2002048136A (ja) 焼結軸受及びその製造方法
JP3662902B2 (ja) 特殊形状円筒状部品のサイジング方法
JP3324110B2 (ja) 多段ヘリカルギアの製造方法、及びその粉末成形用金型
JP2000220588A (ja) ロータの製造方法とその製造装置
JPH09267198A (ja) 粉末成形装置
JPS63183106A (ja) ヘリカルギヤの粉末成形装置
JP3939671B2 (ja) 三次元カムの製造方法および粉末成形装置
JP2000144212A (ja) 軸孔を有する焼結品およびその焼結品と軸部材との結合方法
JPH0988962A (ja) 軸受の製造方法
JPH07113122B2 (ja) 焼結ヘリカルギヤの成形方法
JPH07188709A (ja) 内外面に異形部を有する粉末成形体の製造方法
JPH06145707A (ja) 粉末成形用金型

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040224

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040301

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees