JP3374962B2 - オルダムリングの製造に用いる粉末成形用金型装置 - Google Patents

オルダムリングの製造に用いる粉末成形用金型装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オルダムリングを
粉末冶金により製造する際に用いる粉末成形用金型装置
に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】図6から図8は、軸心
が若干ずれている軸間でトルク伝達を行うオルダム軸継
手に利用される部品であるオルダムリング1の一例を示
している。図6から図8において、2はリング本体で、
このリング本体2は、外周面および内周面が同軸な円柱
面になっているとともに、両端面が前記円柱面と直交す
る平面になっている。そして、リング本体2の両端面に
は、突起部としての一対のキー部3,4がそれぞれ形成
されている。各端面のキー部3,4は、リング本体2の
中心軸について各々軸対称な位置にあり、かつ両端面の
キー部3と4とは、リング本体2の中心軸について互い
に90°離れた位置にある。これらキー部3,4は、図示
していないが、オルダム軸継手において入力側部品およ
び出力側部品のキー溝に係合し、このキー溝に対してリ
ング本体2の径方向へ摺動するものである。したがっ
て、オルダム軸継手の確実な作動のためには、特にキー
部3,4の両側面3a,4aの各精度が重要であり、リング
本体2の一端面のキー部3の側面3aと他端面のキー部4
の側面4aとの直角度も高精度が要求される。要求される
直角度は、例えば0.04mm以下である。
【0003】前述のようなオルダムリング1の製法とし
て粉末冶金を利用したものがある。粉末冶金では、金属
を主成分とする原料粉末を圧縮して圧粉体を成形した
後、この圧粉体を加熱して焼結することが行われる。さ
らに、オルダムリング1の製造においては、焼結後の焼
結体に対して所定形状や所定寸法を得るための再圧縮で
ある矯正を施し、さらにバリ取りや切削加工を実施した
後、耐摩耗性や疲労強度の向上のためのガス軟窒化処理
を施している。前記切削加工では、オルダムリング1と
なるワークの外周面を切削して、この外周面の径を所定
の寸法にする。図9は、外周面を切削する前のワーク1A
を示しており、鎖線aより外周側の部分が切削される。
完成後のオルダムリング1では、キー部3,4がリング
本体2の外周面よりも径方向外方へ突出して位置するの
に対して、ワーク1Aではキー部3,4を含めて外周面全
体が一つの円柱面をなしている。ワーク1Aの内周面も全
体が一つの円柱面をなしている。それに加えて、従来は
キー部3,4の両側面3a,4aにも切削加工を施して直角
度などにおいて必要な精度を出すようにしている。
【0004】このようにキー部3,4の両側面3a,4aに
切削加工を施すのは、粉末成形の段階において十分な精
度が得られないためである。其の理由は、原料粉末が粉
末成形プレスのダイ内で下パンチと上パンチとにより加
圧されて圧縮されるとき、原料粉末の密度差などに起因
してパンチに捩じれるような力が加わり、パンチが所定
の位置から若干回転してしまうためである。例えば上パ
ンチは回転せずに、下パンチのみが回転したとすると、
オルダムリング1の一端面のキー部3と他端面のキー部
4の位置関係に誤差が生じ、キー部3の側面3aと他端面
のキー部4の側面4aとの直角度が悪化する。
【0005】そのために側面3a,4aに対する切削加工が
必要になっていたが、切削加工が多くなると工数が増
え、コストアップをきたす問題がある。
【0006】本発明は、このような問題点を解決しよう
とするもので、所定角度をなして位置すべき突起部を両
端面にそれぞれ有するオルダムリングとなる圧粉体を製
造するにあたって、切削加工を行うことなく、突起部の
位置精度を高められる粉末成形用金型装置を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明のオルダ
ムリングの製造に用いる粉末成形用金型装置は、前記目
的を達成するために、周面がほぼ円形をなすとともに、
突起部を両端面にそれぞれ有し、これら両端面の突起部
が前記円形の中心軸について所定角度をなして位置する
オルダムリングとなる圧粉体を成形する粉末成形用金型
装置であって、圧粉体の外周面を形成するダイと、この
ダイ内に摺動自在に嵌合されるパンチとを備え、前記ダ
イの内周面およびパンチの外周面の一方に、これらダイ
およびパンチ相互の移動方向に延びる凹溝が形成され、
他方に、前記凹溝に摺動自在に嵌合する凸条が形成され
たものである。
【0008】これら凹溝と凸条との嵌合により、ダイ内
でパンチによって原料粉末が圧縮されるとき、加圧力に
よってパンチが捩じれることが防止される。これによ
り、圧粉体の両端面に別のパンチによって形成される突
起部の位置が正確に規制され、これら両端面の突起部の
なす所定角度の精度が向上する。
【0009】請求項2の発明は、請求項1の発明のオル
ダムリングの製造に用いる粉末成形用金型装置におい
て、前記凹溝および凸条の断面形状は、ほぼ矩形状であ
るものである。
【0010】これにより、ダイ内でパンチによって原料
粉末が圧縮されるとき、加圧力によってパンチが捩じれ
ることがよりいっそう確実に防止される。
【0011】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明のオルダムリングの製造に用いる粉末成形用金型装置
において、前記圧粉体は、焼結された後、外周面が切削
されるものであり、前記凸条または凹溝は、圧粉体にお
ける切削される部分に相当する位置に形成されたもので
ある。
【0012】ダイの凸条または凹溝によって圧粉体の外
周面にできる凹溝または凸条は、焼結後の切削によって
なくなり、最終的な製品には残らない。
【0013】
【発明の実施形態】以下、本発明のオルダムリングの製
造に用いる粉末成形用金型装置の一実施例について図1
から図5を参照しながら説明する。なお、本実施例の粉
末成形用金型装置は、先に説明した図6から図8に示す
ようなオルダムリング1となるワーク1B(図5にて示
す)である圧粉体を成形するものである。図2におい
て、11はダイプレート、12は下第1パンチプレート、13
はこの下第1パンチプレート12に立設された下第1パン
チホルダー、14は図示していない下第2パンチプレート
に立設された下第2パンチホルダー、15は図示していな
いベースプレートに立設された下第3パンチホルダー、
16は図示していないコアプレートに立設されたコアホル
ダーである。前記下第3パンチホルダー15を立設したベ
ースプレートの位置は固定している。前記コアプレート
は、粉末成形プレスの図示していない下ラムに接続され
るもので、この下ラムの駆動により上下動する。前記ダ
イプレート11は、前記コアプレートおよびコアホルダー
16と一体的に上下動する。前記下第1パンチホルダー13
を立設した下第1パンチプレート12と、下第2パンチホ
ルダー14を立設した下第2パンチプレートとは、粉末成
形プレスの図示していない連動機構により前記ダイプレ
ート11と連動して上下動するが、それぞれ異なる動きを
する。また、17は上第1パンチプレート、18は上第2パ
ンチプレートである。上第1パンチプレート17は、粉末
成形プレスの図示していない上ラムに接続されるもの
で、この上ラムの駆動により上下動する。上第2パンチ
プレート18は、上第1パンチプレート17に上下動自在に
組み込まれており、図示していないシリンダー装置の駆
動により上下動するようになっている。
【0014】前記ダイプレート11には、ダイ21がダイホ
ルダー22およびダイホルダー押さえ23,24により取り付
けられている。また、下第1パンチホルダー13上には下
第1パンチアダプター25が取り付けられており、この下
第1パンチアダプター25上に下第1パンチ26が下第1パ
ンチ押さえ27により取り付けられている。また、前記下
第2パンチホルダー14上には下第2パンチアダプター28
が取り付けられており、この下第2パンチアダプター28
上に一対の下第2パンチ29が下第2パンチ押さえ30によ
り取り付けられている。また、前記下第3パンチホルダ
ー15上には下第3パンチアダプター31が取り付けられて
おり、この下第3パンチアダプター31上に一対の下第3
パンチ32が下第3パンチ押さえ33により取り付けられて
いる。さらに、前記コアホルダー16上にはコアロッド34
がコアロッド押さえ35により取り付けられている。ま
た、前記上第1パンチプレート17の下側には上第1パン
チ36が上第1パンチホルダー19および上第1パンチ押さ
え37により取り付けられている。さらに、前記上第2パ
ンチプレート18の下側には一対の上第2パンチ38が上第
2パンチ押さえ39により取り付けられている。そして、
前記ダイ11と各パンチ26,29,32,36,38とコアロッド
34とが相互に上下方向に摺動自在に嵌合して所定形状の
圧粉体1Bを成形するものである。
【0015】前記ダイ21は、突起部としてのキー部3,
4を含めてワーク1Bの外周面を形成するもので、上下方
向を軸方向とするほぼ円筒形状になっている。また、前
記下第1パンチ26は、キー部3の側面3aおよびワーク1B
の一端面を形成するもので、上下方向を軸方向とすると
ともにこの軸方向に延びる複数の切溝を有するほぼ円筒
形状になっていて前記ダイ21内に下側から摺動自在に嵌
合している。また、前記下第2パンチ29は、キー部3の
端面を形成するもので、上下方向を軸方向とする角棒状
になっており、前記下第1パンチ26の切溝内に嵌合して
いる。また、前記下第3パンチ32は、ワーク1Bの一端面
におけるキー部4の裏側に相当する部分を形成するもの
で、上下方向を軸方向とする角棒状になっており、前記
下第1パンチ26の切溝内に嵌合している。さらに、前記
コアロッド34は、キー部3,4を含めてワーク1Bの内周
面を形成するもので、ほぼ円柱形状になっている。ま
た、前記上第1パンチ36は、キー部4の側面4aおよびワ
ーク1Bの他端面を形成するもので、上下方向を軸方向と
するとともにこの軸方向に延びる複数の切溝を有するほ
ぼ円筒形状になっていて前記ダイ21内に上側から摺動自
在にかつ挿脱自在に嵌合するものである。さらに、前記
上第2パンチ38は、キー部4の端面を形成するもので、
上下方向を軸方向とする角棒状になっており、前記上第
1パンチ36の切溝内に嵌合している。
【0016】さらに、図1に示すように、前記ダイ21の
内周面には上下方向に延びる4つの凸条41,42が形成さ
れている。これら凸条41,42は、それぞれ圧粉体1Bのキ
ー部3,4と約45°離れた位置にある。一方、下第1パ
ンチ26および上第1パンチ36の外周面には上下方向に延
び前記ダイ21の凸条41,42にそれぞれ摺動自在に嵌合す
る凹溝43,44,45,46が形成されている。これら凸条4
1,42および凹溝43,44,45,46のうち一対のものは、
断面形状がほぼ円弧状になっているが、他の一対のもの
は、断面形状がほぼ矩形状になっていてほぼ直角の2つ
の角部を有している。
【0017】つぎに、前記の構成についてその作用を説
明する。オルダムリング1の製造に際しては、まず前記
粉末成形用金型装置を組み付けた粉末成形プレスにより
圧粉体が成形される(粉末成形工程)。この粉末成形工
程においては、図2(a)に示すように、まず上第1パ
ンチ36および上第2パンチ38がダイ21から抜けた状態
で、このダイ21内に図示していないフィーダーにより原
料粉末Pが充填される。このとき、ダイ21内において、
下第2パンチ29および下第3パンチ32の上端は下第1パ
ンチ26の上端よりも低く位置しており、キー部3,4と
なる部分にそれに見合った量の原料粉末Pが充填され
る。
【0018】その後、上第1パンチ36および上第2パン
チ38が下降してダイ21内に嵌合するとともにダイ21が下
降して、このダイ21内でパンチ26,29,32,36,38によ
り原料粉末Pが圧縮される。これとともに下第1パンチ
26が下降し、加圧完了時点ではこの下第1パンチ26の上
端と下第3パンチ32の上端とが同高に位置する。また、
下第2パンチ29が下降し、加圧完了時点では下第2パン
チ29の上端は下第1パンチ26の上端よりも低く位置する
が、下第2パンチ29の下降量は下第1パンチ26の下降量
よりも小さい。これにより、ワーク1Bのキー部3,4は
リング本体2よりも大きな量圧縮される。
【0019】加圧が完了して、下第2パンチ29および下
第3パンチ32が停止した後も下第1パンチ26は若干下降
し、これにより、キー部3が下第1パンチ26から抜き出
される。その後もダイ21はさらに下降を続け、これによ
り、図2(b)に示すように成形されたワーク1Bがダイ
21から抜き出される。次に、上第1パンチ36および上第
2パンチ38が上昇するが、上第1パンチ36が上昇すると
き、シリンダー装置の駆動により上第2パンチ38が所定
期間停止状態を保つことにより、キー部4が上第1パン
チ36から抜き出される。
【0020】前述のようにして抜き出されたワーク1Bが
払い出された後、ダイ21、各パンチ26,29,32,36,38
およびコアロッド34は図2(a)に示す状態に戻り、再
び原料粉末Pの充填が行われて成形が繰り返される。図
3から図5は、成形されたワーク1Bを示している。
【0021】このようにして成形されたワーク1Bは、焼
結炉により加熱されて焼結される(焼結工程)。つぎ
に、焼結されたワーク(焼結体)1Bは、矯正プレスによ
り再圧縮されて矯正される(矯正工程)。この矯正工程
は、形状や寸法を整えるためのものである。つぎに、ワ
ーク1Bにはバリ取りおよび切削加工が施される(切削工
程)。この切削工程ではワーク1Bの外周部(図4におい
て鎖線aより外周側の部分)が切削され、これにより、
図6から図8に示すように、キー部3,4がリング本体
2から径方向外方へ突出した状態になる。そして、この
切削により、ダイ21の凸条41,42によってワーク1Bの外
周面にできた凹溝5,6はなくなり、最終的な製品とし
てのオルダムリング1には残らない。すなわち、ダイ21
の凸条41,42が、もとよりワーク1Bにおける切削される
部分に相当する位置に形成されているためである。さら
に、ワーク1Bには、耐摩耗性や疲労強度の向上のための
窒化物被膜を形成する熱処理であるガス軟窒化処理が施
される(ガス軟窒化処理工程)。
【0022】前記実施例の構成によれば、粉末成形工程
に際してダイ21内でパンチ26,29,32,36,38によって
原料粉末Pが圧縮されるとき、ダイ21の凸条41,42と下
第1パンチ26の凹溝43,44および上第1パンチ36の凹溝
45,46とが嵌合していることにより、加圧力によって下
第1パンチ26および上第1パンチ36が捩じれること、つ
まり円周方向に位置ずれを生じることが防止される。し
かも、一部の凸条41および凹溝43,45は断面形状がほぼ
矩形状になっているので、下第1パンチ26および上第1
パンチ36の回転がよりいっそう確実に防止される。これ
により、下第1パンチ26により形成されるワーク1Bの一
端面のキー部3の側面3aの位置と、上第1パンチ36によ
り形成されるワーク1Bの他端面のキー部4の側面4aの位
置とがそれぞれ正確に規制され、これらワーク1Bの両端
面のキー部3,4の側面3a,4aのなす所定角度θの精度
向上が可能になる。
【0023】このようにして粉末成形の段階でキー部
3,4の側面3a,4aの位置精度を高めることができ、精
度を高めるためにキー部3,4の両側面3a,4aに切削加
工を施すことも不要になる。すなわち、この切削加工を
行うことなく、キー部3,4の側面3a,4aの直角度を高
めることができ、例えば0.04mm以下にもできる。したが
って、オルダムリング1の作動の信頼性を確保できると
共に、切削加工の工程を減らせることから製造コストも
低減できる。
【0024】なお、前述のように凸条41および凹溝43,
45の断面形状をほぼ矩形状にすることには、パンチ26,
36の捩じれ防止をより確実にできる利点があるが、凸条
42および凹溝44,46のように滑らかな曲面により構成さ
れている方が加工は容易である。前記実施例では、断面
形状がほぼ矩形状の凸条41および凹溝43,45と断面形状
がほぼ円弧状の凸条42および凹溝44,46とを組み合わせ
ることにより、パンチ26,36の捩じれ防止効果と加工コ
ストの上昇抑制との両立を図っている。
【0025】また、粉末冶金により製造されたワーク1B
には気孔があるが、切削加工すると表面部の気孔は封孔
される。オルダムリング1では、製造の最後の段階で表
面処理としてのガス軟窒化処理により窒化物被膜が表面
に形成されるが、ワーク1Bの表面部の気孔が潰れている
とガスが内部まで浸透せず、処理の効果が弱くなる。こ
れに対して、本実施例においては、ワーク1Bのキー部
3,4の両側面3a,4aに切削加工を施しておらず、この
両側面3a,4aにおいて気孔が封孔されていないので、効
果的なガス軟窒化処理ができる。したがって、キー部
3,4の両側面3a,4aの耐摩耗性や疲労強度が確実に向
上し、オルダムリング1の作動の信頼性がよりいっそう
向上する。
【0026】さらに、ダイ21の凸条41,42によってワー
ク1Bの外周面に形成される凹溝5,6は、ワーク1Bの外
周部における最終的には切削される位置に形成されるの
で、最終的な製品形状に関係なく、凸条41,42および凹
溝43,44,45,46によるパンチ26,36の捩じれ防止を実
現できる。
【0027】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、種々の変形実施が可能である。例えば、
前記実施例では、ダイ21に凸条41,42を形成し、パンチ
26,36に凹溝43,44,45,46を形成したが、逆にダイに
凹溝を形成し、パンチに凸条を形成してもよい。この構
成は、特にワークの外周面に大きな切削代を確保できな
い場合に有利である。一方、ワークの外周面の切削代が
大きい場合は、前記実施例のように、ダイ21に凸条41,
42を形成し、パンチ26,36に凹溝43,44,45,46を形成
する構成にすれば、原料の無駄を少なくできる効果も得
られる。また、ダイおよびパンチに形成する凸条および
凹溝の形状や数や位置は、前記実施例のものには限ら
ず、適宜設定できる。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、周面がほぼ円
形をなすとともに、突起部を両端面にそれぞれ有し、こ
れら両端面の突起部が前記円形の中心軸について所定角
度をなして位置するオルダムリングとなる圧粉体を成形
する粉末成形用金型装置であって、ダイの内周面および
パンチの外周面の一方に、これらダイおよびパンチ相互
の移動方向に延びる凹溝が形成され、他方に、前記凹溝
に摺動自在に嵌合する凸条が形成されたものであるか
ら、原料粉末の加圧時にパンチが捩じれることを防止で
き、したがって、粉末成形の段階で突起部の位置精度を
高めることができ、精度を出すための突起部の切削加工
を不要にできる。
【0029】請求項2の発明のオルダムリングの製造に
用いる粉末成形用金型装置によれば、請求項1の発明の
効果に加えて、凹溝および凸条の断面形状がほぼ矩形状
であるので、原料粉末の加圧時にパンチが捩じれること
をよりいっそう確実に防止できる。
【0030】請求項3の発明のオルダムリングの製造に
用いる粉末成形用金型装置によれば、請求項1または2
の発明の効果に加えて、圧粉体は、焼結された後、外周
面が切削されるものであるのに対して、凸条または凹溝
は、圧粉体における切削される部分に相当する位置に形
成されたものであるから、最終的な製品の形状に関係な
く、凸条および凹溝によるパンチの捩じれ防止を実現で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のオルダムリングの製造に用いる粉末成
形用金型装置の一実施例を示す水平断面図である。
【図2】同上粉末成形用金型装置の縦断面図で、中心線
より左側の(a)は充填工程時を示し、中心線より右側
の(b)は抜出し工程時を示している。
【図3】同上成形される圧粉体であるワークの斜視図で
ある。
【図4】同上ワークの平面図である。
【図5】同上ワークの断面図である。
【図6】製造されるオルダムリングの斜視図である。
【図7】同上オルダムリングの平面図である。
【図8】同上オルダムリングの側面図である。
【図9】従来の粉末成形用金型装置により成形された圧
粉体であるワークの斜視図である。
【符号の説明】
1B ワーク(圧粉体) 3,4 キー部(突起部) 21 ダイ 26 下第1パンチ 29 下第2パンチ 32 下第3パンチ 36 上第1パンチ 38 上第2パンチ 41,42 凸条 43,44,45,46 凹溝
フロントページの続き (72)発明者 相馬 準吉 新潟県新潟市小金町3番地1 三菱マテ リアル株式会社新潟製作所内 (72)発明者 甲田 一史 新潟県新潟市小金町3番地1 三菱マテ リアル株式会社新潟製作所内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22F 3/03 - 3/035 B30B 11/00 - 11/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周面がほぼ円形をなすとともに、突起部
    を両端面にそれぞれ有し、これら両端面の突起部が前記
    円形の中心軸について所定角度をなして位置するオルダ
    ムリングとなる圧粉体を成形する粉末成形用金型装置で
    あって、圧粉体の外周面を形成するダイと、このダイ内
    に摺動自在に嵌合されるパンチとを備え、前記ダイの内
    周面およびパンチの外周面の一方に、これらダイおよび
    パンチ相互の移動方向に延びる凹溝が形成され、他方
    に、前記凹溝に摺動自在に嵌合する凸条が形成されたこ
    とを特徴とするオルダムリングの製造に用いる粉末成形
    用金型装置。
  2. 【請求項2】 前記凹溝および凸条の断面形状は、ほぼ
    矩形状であることを特徴とする請求項1記載のオルダム
    リングの製造に用いる粉末成形用金型装置。
  3. 【請求項3】 前記圧粉体は、焼結された後、外周面が
    切削されるものであり、前記凸条または凹溝は、圧粉体
    における切削される部分に相当する位置に形成されたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のオルダムリング
    の製造に用いる粉末成形用金型装置。
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