JP3350871B2 - 香気香味発現の速やかな菓子類の製法 - Google Patents

香気香味発現の速やかな菓子類の製法

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JP3350871B2 JP02347294A JP2347294A JP3350871B2 JP 3350871 B2 JP3350871 B2 JP 3350871B2 JP 02347294 A JP02347294 A JP 02347294A JP 2347294 A JP2347294 A JP 2347294A JP 3350871 B2 JP3350871 B2 JP 3350871B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、口に入れた瞬間から好
ましい香気香味が口一杯に広がり、リッチな気分にひた
ることができる菓子類の賦香方法に関する。
【0002】
【従来の技術】キャンディー、キャラメル、チョコレー
ト、チューインガム、錠菓、クッキー、クラッカー、ビ
スケット、ケーキ類、デザート類などの菓子類は口に入
れた瞬間にはほのかな香りを感じるだけで、ある程度咀
嚼しなれければ香りが発現してこないのが普通である。
従来、これら菓子類を粉末香料を用いて賦香するに際し
ては、香気香味の持続性、加熱工程又は保存中の揮散に
よるフレーバーのロスを最小限に止めようとするあま
り、香料成分の粉末化に際して可能な限り強固な皮膜に
よってコーティングするのが一般的であった。
【0003】例えば、食品用調合香料を、高揮発性成分
及び加熱酸化を受けやすい成分と、それ以外の成分とに
2分割して調整し、前者を環状デキストリンと包接化合
物を形成せしめ、この包接化合物を後者を含有させた常
温で固体の動植物性油脂でコーティングする食品用調合
香料製剤の製造方法(特開昭56−92755号公
報);また、第1段階において、油状香料をアラビアガ
ムの如き天然ガム類溶液又は加工澱粉溶液で乳化し、こ
れを噴霧乾燥して粉末香料を得、第2段階において、こ
の粉末香料を室温で固体状の動植物硬化油脂あるいは合
成油脂と溶融混合した後、これを噴霧乾燥する2重コー
ティング粉末香料の製造方法(特公昭45−12600
号公報);更に粉末状の香料、香辛料、色素、保存料を
ゼラチン、アラビアガム等の蛋白質又は多糖類等で乳化
し、これに硬化油、ワックス、樹脂等を作用させた後、
噴霧乾燥して得られる二重被覆の粉末香料の製造方法
(特開昭49−92242号公報)などが提案されてい
る。
【0004】さらに、例えばアセトアルデヒドのような
揮発性芳香化合物を過飽和溶融シュークロース溶液に溶
解し、冷却して結晶シュークロース中に固定する方法
(特公昭53−1827号公報);全糖濃度が83〜9
3重量%の範囲内にある少糖類とデキストリンの混合糖
水溶液にフレーバーを添加混合後、乾燥するフレーバー
含有糖組成物の製法(特公昭52−37062号公報、
特公昭52−57063号公報)なども提案されてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、例えば、香料
を環状デキストリンによって包接し、得られる包接物を
更に固体油脂でコーティングした粉末香料は揮散防止の
点では優れているが、該粉末香料を用いて菓子類に賦香
した場合には、香気の立ちが極度に抑えられるために、
菓子を口に入れた瞬間にはほとんど香りがなく、咀嚼に
よって初めて弱いパンチのない香りが感じられるに止ま
り、全体としてまるで物足りない結果に終ってしまうと
いう課題がある。かかる課題を解決するため、従来、こ
れら菓子類の生地に、前記コーティングフレーバーに加
えて、油性香料を添加して補強するなどの手段が取られ
ている。
【0006】しかしながら、従来のこのような方法によ
って得られる菓子類は、上記した如くトップノートが不
足し、口に入れてしばらく経たないと香りが出てこない
うえに、依然としてフレッシュ感のある先立ちを保持す
ることができないという課題がある。
【0007】本発明の主たる目的は、このような従来の
課題を解決し、菓子類の包装を解いた瞬間から食欲をそ
そる好ましい香気が漂い、さらに口に入れると直ちに好
ましい香気香味が口一杯に広がり、瞬時にしてリッチな
気分にひたることができる菓子類の賦香方法を提供する
ことである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来の菓子用フレーバーの欠点を解決すべく研究を重ねた
結果、菓子用の香料を調製する際に、高揮発性成分及び
加熱酸化を受けやすい成分又はそれらに富む香料成分
[以下、(A)成分と称することがある]を主体とする
調合香料(1)と、高沸点で比較的安定性の高い香料成
分[以下、(B)成分と称することがある]を主体とす
る調合香料(2)を用い、前者の調合香料(1)を少糖
類、デキストリン及び化工澱粉よりなる群から選ばれる
水易溶性賦形剤を用いて粉末香料とし、且つ後者の調合
香料(2)を比較的水に溶解し難い賦形剤を用いて粉末
香料とし、これら両者の粉末香料を併用して菓子類を賦
香することにより、菓子類の包装を開けた途端に十分に
強い香りが漂い、口に入れた瞬間から好ましいパンチの
効いた(A)成分を主体とする香気香味が口一杯に広が
り、さらに時間の経過とともに、(B)成分を主体とす
る持続性に優れた香気香味を長時間にわたって楽しむこ
とができることを見いだし、本発明を完成した。しか
も、この強い香気は保留性と保存安定性に優れ、実用上
全くトラブルのない、充分に長いシェルフライフを有す
ることも判明した。
【0009】本発明における調合香料(1)中の(A)
成分のうち高揮発性成分又はそれに富む香料成分として
は、例えば、おおよその目安として沸点が200℃程度
までの低級アルコール、低級アルデヒド、低級ケトン、
低級脂肪酸、低級脂肪酸エステルなどの合成香料類;ま
た、これらの高揮発性成分を多量に含有するオレンジ
油、レモン油、ユーカリ油、ナツメグ油、コリアンダー
油、バジル油などの天然精油類を挙げることができる。
【0010】また(A)成分中で加熱酸化を受けやすい
成分又はそれに富む香料成分としては、例えば、ベンズ
アルデヒド、シンナミックアルデヒド、シトラールなど
の不飽和結合をもつ化合物又はそれらの化合物を多量に
含有するレモン油、ビターアーモンド油、シンナモン油
などの天然精油類を挙げることができる。
【0011】一方、調合香料(2)における(B)成分
としては、上記したごとき(A)成分以外の高沸点で比
較的安定性の高い香料化合物及び/又は天然精油類一般
が包含される。
【0012】更に、上記(A)成分を粉末化するのに利
用しうる水易溶性賦形剤としては、例えば、リボース、
アラビノース、キシロース、グルコース、マンノース、
ガラクトース、フラクトースなどの単糖類;マルトー
ス、ラクトース、シュークロースなどの二糖類;DEが
約6〜約40程度のデキストリン;酸化澱粉、燐酸澱
粉、澱粉カルボン酸エステル分解物などの化工澱粉類及
びこれらの混合物を挙げることができる。殊に、シュー
クロース、デキストリン、化工澱粉の三者の混合物が好
適である。これら三者の混合割合は厳密に制限されるも
のではなく、広範囲にわたり選択することができるが、
一般には重量比でシュークロース:デキストリン:化工
澱粉の重量比は1:約1〜約10:約0.5〜約5、好
ましくは、1:約1〜約5:約1〜約3の範囲内とする
ことができる。
【0013】また更に、比較的水に溶解し難い賦形剤と
しては、例えば、アラビアガム、ゼラチン、カゼイン、
DE約5以下のデキストリン、澱粉、CMC及びこれら
の任意の混合物などの乾燥粉末化された形態において水
に対して比較的難溶性の賦形剤類を挙げることができ
る。
【0014】次に本発明の好ましい実施態様を説明す
る。まず、食品用調合香料の調製に際して、(A)成分
を主体とする調合香料(1)と、(B)成分を主体とす
る調合香料(2)を準備する。それぞれの調合香料中に
おける(A)成分又は(B)成分の占める割合はそれを
構成する香料成分の種類、使用目的によって選択可能で
あるが、一般的には、調合香料(1)中に占める(A)
成分の割合は約70重量%以上、好ましくは約90%以
上であり、一方、調合香料(2)中に占める(B)成分
の割合も同じく約70重量%以上、好ましくは約90%
以上である。
【0015】(A)成分を主体とする調合香料の粉末化
に際しては、例えば、シュークロース、デキストリン、
化工澱粉を前記した如き割合で使用し、これらを混合し
又は別個に、三者の総重量に対して約0.5〜約3重量
倍、好ましくは約1〜約2倍量の水に加えて溶解する。
得られる溶液は、例えば、約85〜約95℃程度の温度
で約10〜約20分間程度の範囲内の時間加熱殺菌後、
約30〜約50℃程度まで冷却することが好ましい。
【0016】このようにして得られる水易溶性賦形剤溶
液に撹拌しながら(A)成分を加え、例えばホモミキサ
ーなどを用いて均一に混合撹拌することによって乳化液
を調製する。所望により、更に高圧ホモジナイザー、コ
ロイドミルなどの高性能乳化機を利用することもでき
る。水易溶性賦形剤に対する(A)成分の配合割合は、
(A)成分の組成、賦香する菓子類の種類及び求められ
るトップノートの発現強度などによって任意に選択する
ことができるが、通常は水易溶性賦形剤1重量部に対し
て(A)成分約0.1〜約1.5重量部、好ましくは約
0.2〜約0.8重量部程度の範囲がしばしば採用され
る。
【0017】このようにして得られる乳化液を、常法に
より噴霧乾燥、減圧乾燥、その他適宜の乾燥法によって
粉末化することにより、本発明におけるトップノートを
構成する香気香味発現の極めて速やかな粉末香料を調製
することができる。
【0018】また、(B)成分の粉末化を行うに際して
は、例えば、アラビアガム、ゼラチン、DE約2〜約5
程度の低DEデキストリン及びこれらの任意の混合物の
水溶液に(B)成分を混合乳化し、上記と同様に噴霧乾
燥、減圧乾燥、その他適宜の乾燥法によって粉末化する
ことにより、香気香味の発現がコントロールされ、ベー
スとなる風味を底上げすることのできる持続性に優れた
(B)成分を主体とする粉末香料を得ることができる。
この場合の賦形剤と(B)成分との割合も、(B)成分
の組成、賦香する菓子類の種類、求められる香気発現の
遅延程度などによって任意に選択することができるが、
通常は水難溶性賦形剤1重量部に対して(B)成分約
0.1〜約1.5重量部、好ましくは約0.2〜約0.
8重量部程度の範囲が適当である。
【0019】(A)成分を主体とする粉末香料と(B)
成分を主体とする粉末香料との使用割合は菓子の種類、
形態などによって任意に選択することができるが、一般
的には(A)成分を主体とする粉末香料:(B)成分を
主体とする粉末香料の重量比が1:約0.1〜約10、
特に1:約0.2〜約5程度の範囲内になるようにする
のが好適である。これらの粉末香料の菓子類に対する添
加量は、任意に選択することができるが、例えば、
(A)成分を主体とする粉末香料と(B)成分を主体と
する粉末香料の合計量は菓子重量の約0.05〜約5重
量%の範囲内とすることができる。
【0020】以下、実施例により本発明をさらに具体的
に説明する。
【0021】
【実施例】
実施例1 化工澱粉(商品名カプシュール:ナショナルスターチ社
製)300g、DE8のデキストリン(商品名BLD:
松谷化学製)300g、上白糖200gを水1200g
に溶解し、90℃で15分間殺菌する。得られた溶液を
40℃以下に冷却し、処方例1に示す高揮発性成分及び
加熱酸化を受けやすい成分を主体とするストロベリーフ
レーバー200gを加えて撹拌し、更に高圧ホモジナイ
ザーにて150kg/cm2で乳化した。得られた乳化
液をスプレードライヤー(ニロ社製モービルマイナー)
を用いて、入口温度140℃、出口温度75℃の条件で
噴霧乾燥し、ストロベリーパウダー950gを得た(本
発明品1)。
【0022】比較例1 ゼラチン100g、アラビアガム700gを水2300
gに溶解し、90℃で15分間殺菌後50℃まで冷却す
る。得られた溶液に処方例1に示すストロベリーフレー
バー200gを加えて撹拌し、更に高圧ホモジナイザー
にて150kg/cm2で乳化する。得られた乳化液を
実施例1と同じ条件で噴霧乾燥し、ストロベリーパウダ
ー950gを得た(比較品1)。
【0023】実施例2 ゼラチン100g、アラビアガム700gを水2300
gに溶解し、90℃で15分間殺菌後50℃まで冷却す
る。得られた溶液に処方例2に示す高沸点で比較的安定
性の高い香料成分を主体とするストロベリーフレーバー
200gを加えて撹拌し、更に高圧ホモジナイザーにて
150kg/cm2で乳化する。得られた乳化液を実施
例1と同じ条件で噴霧乾燥し、ストロベリーパウダー9
50gを得た(本発明品2)。
【0024】比較例2 化工澱粉(カプシュール)300g、DE8のデキスト
リン(BLD)300g、上白糖200gを水1200
gに溶解し、90℃で15分間殺菌する。得られた溶液
を40℃以下に冷却し、処方例2に示すストロベリーフ
レーバー200gを加えて撹拌し、更に高圧ホモジナイ
ザーにて150kg/cm2で乳化した。得られた乳化
液を実施例1と同様に噴霧乾燥し、ストロベリーパウダ
ー949gを得た(比較品2)。
【0025】比較例3 化工澱粉(カプシュール)300g、DE8のデキスト
リン(BLD)300g、上白糖200gを水1200
gに溶解し、90℃で15分間殺菌する。得られた溶液
を40℃以下に冷却し、処方例1に示すストロベリーフ
レーバー80g及び処方例2に示すストロベリーフレー
バー120gをあらかじめ混合し、ストロベリーフレー
バー混合物を調製した。この混合フレーバー200g加
えて撹拌し、更に高圧ホモジナイザーにて150kg/
cm2で乳化した。得られた乳化液を実施例1と同様に
噴霧乾燥し、ストロベリーパウダー953gを得た(比
較品3)。
【0026】比較例4 ゼラチン100g、アラビアガム700gを水2300
gに溶解し、90℃で15分間殺菌後50℃まで冷却す
る。得られた溶液に処方例1示すストロベリーフレーバ
ー80gと処方例2に示す使用したストロベリーフレー
バー120gの混合物を加えて撹拌し、更に高圧ホモジ
ナイザーにて150kg/cm2で乳化する。得られた
乳化液を実施例1と同じ条件で噴霧乾燥し、ストロベリ
ーパウダー951gを得た(比較品4)。
【0027】実施例3及び比較例5〜8 チューイングキャンディーの製法 下記配合処方によりチューイングキャンディーを調製し
た。
【0028】 製法:グラニュー糖400gに水150gを加え、11
0℃まで加熱して完全に溶解し、さらに水飴550gを
加えて溶解した。これに乳化剤3gを植物硬化油80g
に溶解したものを添加し、撹拌混合後約130℃まで煮
詰め、チューイングキャンディーベースを調製した。こ
れを約60〜約70℃に保温したニーダーに入れ、水2
4gにゼラチン16gを溶解したものを加え、良く混捏
し、結晶化を行わせしめる。さらに、クエン酸8gおよ
びストロベリーパウダーを下記表1に示す添加量で添加
し、良く混捏する。冷却後、成型、切断し、チューイン
グキャンディーを調製した(実施例3及び比較例5〜
8)。
【0029】 表1:風味評価 フレーハ゛ーハ゜ウタ゛ー 添加量 評 価 実施例3 本発明品1 1.2g +本発明品2 1.8g トップノートの立ち強く持続性良好 比較例5 比較品1 3g 先立ち弱くフレーバーにパンチなし 比較例6 比較品2 3g 重く平凡なフレーバーで持続性なし 比較例7 比較品3 3g 平凡なフレーバーで持続性なし 比較例8 比較品4 3g 重く平凡なフレーバーで先立、持続性なし 表1の結果から明らかな如く、本発明品1と本発明品2
を併用した実施例3のチューイングキャンディーは、口
に入れた途端から、強いトップノートと好ましいフレー
バーが長時間持続し、非常に嗜好性に優れていた。これ
に対して比較例5のチューイングキャンディーは、トッ
プノートのパンチがなく旨味もかけていた。また比較例
6及び7のチューイングキャンディーは、何れも平凡な
フレーバーで持続性もなかった。さらに、比較例8のチ
ューイングキャンディーは、重く平凡なフレーバーがだ
らだらと出て新鮮な驚きにかけていた。
【0030】実施例4 実施例1において、処方例1に示す高揮発性成分及び加
熱酸化を受けやすい成分を主体とするストロベリーフレ
ーバー200gに代えて、処方例3に示す高揮発性成分
及び加熱酸化を受けやすい成分を主体とするマスカット
フレーバー200gを使用するほかは、全く同じ方法に
より、マスカットフレーバーパウダー952g(本発明
品3)を得た。
【0031】比較例9 比較例1において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて処方例3に示すマスカットフレーバー200gを
使用するほかは、全く同じ方法により、マスカットフレ
ーバーパウダー950g(比較品5)を得た。
【0032】実施例5 実施例2において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて処方例4に示す高沸点で比較的安定性の高い香料
成分を主体とするマスカットフレーバー200gを使用
するほかは、全く同じ方法により、マスカットフレーバ
ーパウダー948g(本発明品4)を得た。
【0033】比較例10 比較例2において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて処方例4に示すマスカットフレーバー200gを
使用するほかは、全く同じ方法により、マスカットフレ
ーバーパウダー950g(比較品6)を得た。
【0034】実施例6及び比較例11 キャンディーの製法 下記配合処方によりマスカットキャンディーを調製し
た。
【0035】 製法:1,2,3を混合して加熱溶解し、150℃まで
煮詰める。次いで冷却盤に移し、4〜7を加え、均一に
撹拌混合する。この際、マスカットフレーバーパウダー
を下記表2に示す添加量で添加し、よく撹拌する。得ら
れた混合物は押し型にて成型し、マスカットキャンディ
ーを調製した。
【0036】 表2:風味評価 フレーハ゛ーハ゜ウタ゛ー 添加量 評 価 実施例6 本発明品3 1.5g +本発明品4 1.5g トップノートの立ち強く持続性良好 比較例11 比較品5 1.5g +比較品6 1.5g 重く平凡なフレーバーで持続性なし 評価:本発明品3と本発明品4を併用した実施例6のキ
ャンディーは、口に入れた途端から強いトップノートと
好ましいフレーバーが長時間持続し、非常に嗜好性に優
れていた。これに対して、比較品5と比較品6を併用し
た比較例11のキャンディーはトップノートのパンチが
なく、平凡なフレーバーがだらだらと出て新鮮な驚きに
かけていた。
【0037】実施例7 実施例1において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて、処方例5に示す高揮発性成分及び加熱酸化を受
けやすい成分を主体とするミルクフレーバー200gを
使用するほかは、全く同じ方法により、ミルクフレーバ
ーパウダー952g(本発明品5)を得た。
【0038】比較例12 比較例1において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて、処方例5に示すミルクフレーバー200gを使
用するほかは、全く同じ方法により、ミルクフレーバー
パウダー950g(比較品7)を得た。
【0039】実施例8 実施例1において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて、処方例6に示す高沸点で比較的安定性の高い香
料成分を主体とするミルクフレーバー200gを使用す
るほかは、全く同じ方法により、ミルクフレーバーパウ
ダー952g(本発明品6)を得た。
【0040】比較例13 比較例1において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて、処方例6に示すミルクフレーバー200gを使
用するほかは、全く同じ方法により、ミルクフレーバー
パウダー950g(比較品8)を得た。
【0041】実施例9 実施例2において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて、処方例7に示す高揮発性成分及び加熱酸化を受
けやすい成分を主体とするクリームフレーバー200g
を使用するほかは、全く同じ方法により、クリームフレ
ーバーパウダー948g(本発明品7)を得た。
【0042】比較例14 比較例2において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて処方例7に示すクリームフレーバー200gを使
用するほかは、全く同じ方法により、クリームフレーバ
ーパウダー950g(比較品9)を得た。
【0043】実施例10 処方例8: 実施例1において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて、処方例8に示す高沸点で比較的安定性の高い香
料成分を主体とするクリームフレーバー200gを使用
するほかは、全く同じ方法により、クリームフレーバー
パウダー952g(本発明品)を得た。
【0044】比較例15 比較例1において、ストロベリーフレーバー200gに
代えて、処方例8に示すクリームフレーバー200gを
使用するほかは、全く同じ方法により、クリームフレー
バーパウダー950g(比較品10)を得た。
【0045】実施例11及び比較例16 下記配合処方によりホワイトチョコレートを調製した。
【0046】 製法:ココアバターの半量にレシチンを溶解し、そこ
へ、予め粉体混合しておいた全脂粉乳、粉糖及びバニリ
ンを加えて混合し、さらにレファイナーに通して滑らか
にする。得られる混合物に加温溶解しておいた残りのコ
コアバターを少量ずつ加え、次いで色素及びフレーバー
を加え、約45℃で均一に混合する。8のミルクフレー
バーパウダーおよび9のクリームフレーバーパウダーを
下記表3に示す添加量で添加する。混合物はテンパリン
グして型に流し、10〜17℃の乾燥空気で固化させ
る。
【0047】 表3:風味評価 フレーハ゛ーハ゜ウタ゛ー 添加量 評 価 実施例11 本発明品5 0.8g +本発明品6 1.2g +本発明品7 1.0g +本発明品8 1.0g トップノートの立ち強く持続性良好 比較例16 比較品7 0.8g +比較品8 1.2g +比較品9 1.0g +比較品10 1.0g 重く平凡なフレーバーで先立、持続性なし 官能評価結果:本発明品5〜8を併用した実施例11の
ホワイトチョコレートは口に入れた途端から濃厚なクリ
ーム感が口腔内に広がり、ミルク様の好ましいフレーバ
ーが長時間持続し、非常に嗜好性に優れていた。これに
対して、比較品7〜10を併用した比較例16のホワイ
トチョコレートは、まとまりのないミルク様のフレーバ
ーがだらだらと出て満足感に欠けていた。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、比較的低沸点の高揮発
性成分および加熱酸化を受けやすい成分に富む香料成分
を主体とする調合香料と、それ以外の高沸点で比較的安
定性の高い香料成分を主体とする調合香料を用い、前者
の調合香料を少糖類、デキストリン及び化工澱粉よりな
る群から選ばれる任意の水易溶性賦形剤を用いて粉末香
料とし、且つ後者の調合香料を比較的水に溶解し難い賦
形剤を用いて粉末香料とし、両者を併用して菓子類を賦
香することにより、前者の調合香料は香気香味の発現が
極めて速やかで菓子類のトップノートの形成に有効に働
き、さらに後者の調合香料が優れた持続性をもって該菓
子類のベースとなる香気香味を与え、全体として非常に
好ましく嗜好性に優れたフレーバーを付与することがで
きる。このように優れた賦香効果を付与するにふさわし
い菓子類としては、例えば、キャンディー、キャラメ
ル、チョコレート、チューインガム、錠菓、クッキー、
クラッカー、ビスケット、ケーキ類、デザート類などの
菓子類を例示することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI A23L 1/22 A23L 1/22 C (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23G 3/00 A23G 3/30 A23G 1/00 A21D 13/08 A23L 1/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 菓子類を粉末香料を用いて賦香するにあ
    たり、高揮発性成分もしくは加熱酸化を受けやすい成分
    又はそれらに富む香料成分を主体とする調合香料(1)
    と、高沸点で比較的安定性の高い香料成分を主体とする
    調合香料(2)を用い、調合香料(1)を少糖類、デキ
    ストリン及び化工澱粉よりなる群から選ばれる少なくと
    も1種の水易溶性賦形剤を用いて粉末香料とし、且つ調
    合香料(2)をアラビアガム、ゼラチン、カゼイン、D
    E5以下のデキストリン、澱粉及びCMCよりなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の比較的水に溶解し難い賦形
    剤を用いて粉末香料とし、これら両者の粉末香料を併用
    して菓子類を賦香することを特徴とする香気香味発現の
    速やかな菓子類の製法。
  2. 【請求項2】 菓子類がキャンディー、キャラメル、チ
    ョコレート、チューインガム、錠菓、クッキー、クラッ
    カー、ビスケット、ケーキ類又はデザート類である請求
    項1記載の製法。
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