JP3350760B2 - 反応器およびビスフェノール類の製造法 - Google Patents

反応器およびビスフェノール類の製造法

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JP3350760B2 JP15407492A JP15407492A JP3350760B2 JP 3350760 B2 JP3350760 B2 JP 3350760B2 JP 15407492 A JP15407492 A JP 15407492A JP 15407492 A JP15407492 A JP 15407492A JP 3350760 B2 JP3350760 B2 JP 3350760B2
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  • Devices And Processes Conducted In The Presence Of Fluids And Solid Particles (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な充填層型反応器
およびビスフェノール類の製造法に関し、さらに詳細に
は、2層以上の触媒層同士間の間隙に除熱手段が嵌装さ
れてなる新規な充填層型反応器およびカルボニル化合物
とフェノール類とを、触媒である強酸性イオン交換樹脂
を充填した前記の新規な充填層型反応器を使用し、これ
に反応進行中の反応物を連続的に通過させることによ
り、反応物から効率よく除熱し、反応器内の局部的な温
度上昇を抑え、以て不純物の副生を抑制するビスフェノ
ール類の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術、発明が解決しょうとする課題】たとえ
ば、パラ体のビスフェノールAのようなビスフェノール
類は、ポリカーボネート樹脂およびエポキシ樹脂などの
原料として使用されている重要な化合物であり、その需
要は増加の一途を辿っている。ビスフェノール類の連続
的製造法においては、触媒である強酸性イオン交換樹脂
(以下 触媒樹脂 と記すこともある)を充填した充填
層型反応器が用いられるのが一般である。触媒樹脂を充
填した充填層型反応器を用いてビスフェノール類を製造
する場合に、反応温度は通常40〜120℃、好ましく
は60〜100℃とされ、反応温度が低過ぎると反応速
度が遅く、また、反応温度が高くなり過ぎると目的とす
るビスフェノール類以外の不純物の副生量が増加して、
目的とするビスフェノール類の収率がその分だけ低下す
る。ビスフェノール類を製造する際の、カルボニル化合
物とフェノール類との縮合反応は発熱反応であり、異常
な高温による不純物の副生量が増加しないように、この
反応経過中に反応系から除熱し、所定の温度に保つ必要
があるが、そのためには、一般には、つぎのような方法
が採られている。すなわち、 a) 充填層型反応器をジャケット構造とするか、また
は、外面にトレース管を巻き付けて、充填層型反応器の
外部から除熱する。 b) 複数の充填層型反応器を設け、これらの充填層型反
応器同士の間に熱交換器を配設して、充填層型反応器と
熱交換器とを配管で直列に接続し、反応物をこれらの充
填層型反応器と熱交換器とに順次通過させて、該熱交換
器で除熱する。 しかしながら、前記 a) の方法では、充填層型反応器の
触媒層の反応器の周壁の近辺では除熱され易く所定の温
度を保ち易いが、触媒層の中心部では充分に除熱されず
反応器内の温度が局部的に上昇し、目的とするビスフェ
ノール類以外の不純物の副生量が増加する欠点がある。
また、前記 b) の方法では、装置の設置に広い面積が必
要であり、かつ、装置が複雑となり、実用に際しての障
害とされている。さらに、前記 a) の方法および b) の
方法のそれぞれは通常、単独で使用されることは稀であ
り、両者は併用されことが多い。前記の充填層型反応器
を使用する方法における欠点を克服するために、特公平
3-4047号公報では、触媒樹脂を反応液中に浮遊、懸濁さ
せた攪拌槽型反応器を用い、内部に設置された攪拌翼を
回転させるとともに、一定の液深比で懸濁ゾーンと清澄
ゾーンとを生成させることにより、局部的な温度上昇を
防止することができるとしている。しかしながら、他方
では、攪拌翼と触媒樹脂とが直接接触することにより、
該触媒樹脂が摩耗しまたは粉砕されて損耗され、そのた
めにプラグフローに対して反応効率が低下したり、運転
条件を少しでも誤ると、懸濁ゾーンが増加し清澄ゾーン
が減少することにより、該触媒樹脂の粉末が反応系外に
逸失し、反応系からの排水が悪化するとともに、触媒樹
脂の補充が必要になり、また、反応生成液からの触媒樹
脂の分離が必要であり、一般に、そのためには、たとえ
ば、濾過機および遠心分離機などの分離装置およびこれ
らの分離装置を駆動するために多大の動力が必要とされ
るなどの欠点がある。
【0003】
【問題を解決するための手段、作用】攪拌槽型反応器で
は、前記のように触媒樹脂の磨耗、粉砕および/または
逸失による損耗、さらにこれに伴う諸障害が発生すると
いう問題がある。他方、充填層型反応器内の触媒層中
に、たとえば、蛇管のような熱交換器などの除熱装置を
単に配設した場合には、反応物が反応器内の充填層内に
設置された除熱装置に沿ってショートパスし、反応物と
触媒樹脂との接触が不充分となり、そのために充分な反
応効率が得られない。本発明者らは、カルボニル化合物
とフェノール類とを反応させて目的とするビスフェノー
ル類を製造する際に、前記のような従来の方法における
諸欠点を克服して、反応器内での発熱を効率よく除去す
ることにより目的とするビスフェノール類以外の不純物
の副生を抑制し、かつ、触媒樹脂の損耗を低減させ、排
水を悪化させない方法および内部の発熱を効率よく除去
し得る反応器を開発すべく鋭意研究を推進した結果、本
発明の反応器およびビスフェノール類の製造法に到達し
た。
【0004】すなわち、本第1発明は、充填層型反応器
において、それぞれが該反応器内の反応物の流れを分断
するように充填されるとともに互いの間に間隙ができる
ように配置された2層以上の触媒層を有し、前記間隙に
除熱手段が嵌装されてなることを特徴とする反応器であ
る。また、本第2発明は、カルボニル化合物とフェノー
ル類とを触媒である強酸性イオン交換樹脂の存在下で反
応させてビスフェノール類を製造するに際して、それぞ
れが該反応器内の反応物の流れを分断するように充填さ
れるとともに互いの間に間隙ができるように配置された
2層以上の触媒層を有し、前記間隙に除熱手段が嵌装さ
れてなる反応器を使用して、該除熱手段により反応進行
中の反応物から除熱することにより、不純物の副生を抑
制することを特徴とするビスフェノール類の製造法であ
る。本第1発明の充填層型反応器(以下単に 反応器
と記すこともある)は、それぞれが該反応器内の反応物
の流れを分断するように充填されるとともに互いの間に
間隙ができるように配置された2層以上の触媒層を有し
ている。しかして、本第1発明の反応器において、反応
物は該反応器内を鉛直方向に流下せしめられることが多
いが、このような場合には、この流れを分断するように
該反応器内は実質的に水平な、たとえば、触媒支持板な
の支持体によって鉛直方向について分割されており、
該触媒支持板などの支持体上に触媒が載置・充填されて
触媒層が形成されている。この分割された触媒層同士の
間には間隙が設けられている。この分割される触媒層の
数は該反応器内の発熱の程度ならびに反応器の長さおよ
び直径などによって異なり、一概に特定することはでき
ないが、通常は5層以下であればよく、好ましくは、2
〜3層とされるが、6層以上とすることを妨げない。
【0005】このようにして設けられた複数の触媒層同
士の間の間隙には除熱手段が嵌装されている。除熱手段
としては、反応物から効率よく除熱することができるも
のであれば、特に制限はないが、その代表例として次の
ようなものを挙げることができる。すなわち、a)熱交
換器、b)反応器外部に配設されるとともに、触媒層同
士の間の間隙における反応進行中の反応物を導入して除
熱し、除熱された反応物を元の触媒層同士の間の間隙に
戻す熱交換器およびc)攪拌羽根などである。前記a)
における熱交換器としては、フィンを有し、または、有
せず、水またはその他の冷媒を通過させた、たとえば、
蛇管および多管などが好適に使用される。前記b)にお
ける熱交換器としては特に制限はないが、通常は、たと
えば、多管式熱交換器、蛇管式熱交換器、二重管熱交換
器、平板熱交換器、スパイラル熱交換器およびカスケー
ド式熱交換器などが使用される。また、通常、冷却によ
って低温を維持する恒温槽などを使用することもでき
る。前記c)における攪拌羽根は、通常は、反応器外に
配設された、たとえば、モータなどの動力源によって駆
動せしめられるが、反応器内に動力源を配設し、これに
よって駆動せしめることもできる。また、この攪拌羽根
を、触媒層を貫通せしめられた回転軸で回転させる場合
には、該回転軸の外側にこの回転軸と同心的に保護筒を
設けて、反応物が回転軸を伝って反応器内をショートパ
スすることを防止することが好ましい。本発明の反応器
において、その外周に、たとえば、除熱用ジャケットお
よびトレース管のような除熱手段をさらに設けることが
でき、しかも、好ましい。
【0006】本発明のビスフェノール類の製造法におい
ては、前記の本発明の反応器が適用される。本発明にお
けるビスフェノール類の製造法は、カルボニル化合物と
フェノール類とを触媒である強酸性イオン交換樹脂の存
在下で反応させて目的とするビスフェノール類を得る方
法である。本発明の方法における反応それ自体は常法で
行われる。すなわち、本発明の方法におけるカルボニル
化合物の代表例として、アセトン、メチルエチルケト
ン、アセトフェノンおよびクロロアセトンなどが挙げら
れ、就中、アセトンが好ましい。本発明の方法における
フェノール類の代表例として、フェノール、o-クレゾー
ル、m-クレゾール、o-クロロフェノール、o-フェニルフ
ェノール、o-tert.-ブチルフェノールおよび2,4-キシレ
ノールなどが挙げられ、就中、フェノールが好ましい。
また、目的とするビスフェノール類のうちでは、アセト
ンとフェノールとから得られるパラ体のビスフェノール
Aが最も好ましい。
【0007】本発明で触媒として使用される強酸性イオ
ン交換樹脂には特に制限はないが、通常、たとえば、 3
〜 6 meq/g程度のイオン交換能を有する強酸性イオン
交換樹脂を使用することができる。この代表例として
は、たとえば、スチレン−ジビニルベンゼン系イオン交
換樹脂、架橋スチレン系イオン交換樹脂、フェノール−
ホルムアルデヒド系イオン交換樹脂およびベンゼン−ア
ルデヒド系樹脂を母体としたスルホン酸型陽イオン交換
樹脂などが使用される。また、樹脂構造として巨大網状
(MR型)樹脂および微小網状(Gel型)樹脂のいずれを
も使用することができるが、いずれにしても、架橋度が
比較的低い樹脂が好ましい。前記のスルホン酸型強酸性
陽イオン交換樹脂の代表例として、K1221(バイエル
社:Gel型)、MSC-1(ダウケミカル社:MR型)およびア
ンバーリスト31(ローム・アンド・ハース社:Gel型)
などがある。これらのイオン交換樹脂は、一般には Na
型として販売されているので、塩酸および硫酸などの酸
により、H型に変換してから使用しなければならない。
【0008】ビスフェノール類を生成させる縮合反応の
効率を、さらに、向上させるためには、前記のスルホン
酸型強酸性陽イオン交換樹脂を変性剤で部分的に変性さ
せたイオン交換樹脂を使用することができ、かつ、好ま
しい。このときの変性剤として、たとえば、2−メルカ
プトエチルアミンおよび3−メルカプトブチルアミンな
どのメルカプト低級アルキルアミン類、3−メルカプト
メチルピリジンなどのメルカプト低級アルキルピリジン
類および2−メルカプトチアゾリンなどのメルカプトチ
アゾリン類などが好適に使用される。この場合の変性率
は、前記のスルホン酸型強酸性陽イオン交換樹脂中のス
ルホン酸基に対して、通常は3〜40モル%程度、好まし
くは5〜25モル%程度とされる。
【0009】本発明の方法において、カルボニル化合物
に対するフェノール類の混合割合は、通常は、約 2〜20
モル倍、好ましくは、約 5〜10モル倍とされる。この反
応系に第三成分として、エチルメルカプタン、ペンチル
メルカプタンおよびドデシルメルカプタンなどのアルキ
ルメルカプタン類を添加すると、反応効率は一層向上せ
しめられる。これらのアルキルメルカプタン類の添加量
は、反応原料物質の種類および両原料物質の混合割合な
らびに触媒樹脂の種類および使用量などによって異な
り、一概に特定し得ないが、反応原料液に対して、通常
は、0.1〜2重量%程度、好ましくは、0.3〜1重量%程度
とされる。カルボニル化合物およびフェノール類を含有
する反応原料液は、反応器の下部から供給されて反応器
中を上昇せしめられるか、または、反応器の上部から供
給されて反応器中を下降せしめられる。触媒樹脂の粒度
分布および充填密度並びに反応原料液の流速などによっ
て一概にいえないが、反応器の触媒充填層内で偏流の発
生を防止するためには、一般に、後者が好ましい。
【0010】反応温度は、触媒樹脂の種類および充填密
度、原料として使用されるカルボニル化合物およびフェ
ノール類の種類および両者の混合割合ならびに反応原料
液を流す方向および流速などによって異なり、一概に特
定しえないが、通常は40〜120℃、好ましくは、60〜100
℃とされる。反応温度が、40℃未満の場合には縮合反応
の反応速度が過小となり、また、120℃を越えると目的
とするビスフェノール類以外の不純物の副生量が増加す
るばかりか、触媒劣化が急激となり、いずれの場合も実
用上不利となる。しかしながら、この温度範囲以外とす
ることを妨げない。
【0011】反応圧力には、特に制限はなく、本質的に
は、殊更、加圧または減圧とする必要はなく、実用上、
通常は、常圧または0.1〜5kg/cm2G程度の加圧とされ
る。反応液のSV(空塔速度)は、触媒樹脂の種類および
充填密度、原料として使用されるカルボニル化合物およ
びフェノール類の種類および両者の混合割合、反応温度
および反応圧力などの反応条件ならびに反応器の大きさ
および長さと直径との比によって異なり、一概に特定し
得ないが、下降流および上昇流のいずれの場合でも、1
時間当り、通常は0.2〜5程度、好ましくは0.5〜3程度と
される。
【0012】本発明の方法において、反応原料液が触媒
樹脂に接触せしめられてから、縮合反応が生起するまで
に待ち時間−誘導期間−がある。この誘導期間は触媒樹
脂境膜内に反応原料液が拡散するに必要な時間である。
反応が生起すると反応熱が発生し、この反応熱によって
触媒層中の温度上昇は加速され、誘導期間直後の触媒樹
脂粒子内は最高温度に達する。その後、反応の進行に伴
って、生成されたビスフェノール類が触媒樹脂粒子内か
ら外へ拡散してくるため、反応は落着き、それに伴っ
て、触媒樹脂粒子内の温度も或る温度に落着く。本発明
の反応器および方法を使用することにより、この反応熱
を効率よく除去し、以て目的とするビスフェノール類以
外の不純物の副生を抑制し、目的とするビスフェノール
類を効率よく製造することができるのである。
【0013】
【実施例】本発明を実施例により、さらに具体的に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。本発明の反応器の実施態
様を図面に示す。すなわち、図1、図2および図3は、
それぞれ、本発明の反応器の原理を示すための縦断端面
図である。これらの反応器は、除熱手段が互いに相違す
るが、それ以外の点については、いずれも、共通であ
る。これらの反応器は、その長軸線は実質的に鉛直であ
る。反応器の反応槽 1の内部に2層の触媒層 2, 2が間
隙 3を挟んで配設されている。これらの触媒層 2, 2
は、触媒支持板 4, 4上に触媒樹脂 Aがそれぞれ充填さ
れている。これらの触媒支持板 4, 4は実質的に水平で
あり反応槽 1の内部の水平断面と実質的に一致する円盤
であり、多数の貫通孔が穿設されている。間隙 3は除熱
手段を配設するための空間である。反応槽 1の外周には
冷却用ジャケット 5が設けられている。反応槽 1の頂部
および底部には、頂部管12および底部管13がそれぞれ配
設されている。
【0014】図1に示された反応器の除熱手段として、
触媒層2,2同士の間の間隙 3内に除熱用蛇管 6が配設さ
れている。除熱用蛇管 6内には冷媒が通過せしめられて
おり、間隙 3内の反応液はこの除熱用蛇管 6の外表面と
接触せしめられることにより除熱、冷却される。図2
示された反応器の除熱手段として、触媒層2,2同士の間
間隙 3内と連絡せしめられた除熱用熱交換器 8が反応
槽 1の外部に配設されている。間隙 3内の反応液は、反
応槽 1の外部に配設された抜出しポンプ 7を経由して、
反応槽 1の外部に配設された除熱用熱交換器 8に送られ
て除熱、冷却され、除熱、冷却された反応液は元の間隙
3内に戻される。図3に示された反応器の除熱手段とし
て、触媒層2,2同士の間の間隙 3内に攪拌羽根 9が配設
されている。この攪拌羽根 9は、反応槽 1の頂部に開口
せしめられ、触媒層 2および触媒支持板 4のそれぞれ
の、略、中心を貫通せしめられた回転軸保護筒10内に挿
通された回転軸11によって、反応槽 1の外部のモータ
(図示されていない)と接続される。この攪拌羽根 9を
回転させることにより間隙 3内の反応液は除熱され、そ
の温度は均一化される。
【0015】これらの反応器の反応槽 1内には、ほぼ、
水平な触媒支持板 4上に樹脂触媒 Aが載置・充填されて
形成せしめられた触媒槽 2が2層設けられている。該触
媒槽2はほぼ水平に設けられており、反応槽 1内の空間
を流下する反応物を分断し、上段の第1段の触媒層 2と
下段の第2段の触媒層 2との間には間隙 3が形成されて
いる。これらの反応器において、反応原料液は頂部管12
から反応槽 1内に送られ、反応槽 1内を流下する。さら
に液は触媒樹脂 Aが充填されている第1段の触媒層 2
を、触媒樹脂 Aと接触しつつ流下し、反応を生起して反
応熱が発生する。発生した反応熱によって、反応液の温
度は上昇する。この反応進行中の反応液は触媒支持板 4
の貫通孔を通過して間隙 3へ流下し、ここで除熱手段に
よって除熱される。さらに液は触媒樹脂 Aが充填されて
いる第2段の触媒層 2を触媒樹脂 Aと接触しつつ流下し
て、反応はさらに進行する。反応液は触媒支持板 4の貫
通孔を通過して反応槽 1の底部に至り、底部管13から反
応槽 1外へ排出される。なお、これらの反応器におい
て、反応原料液を反応槽 1の底部管13から供給して、反
応生成液を反応槽 1の頂部管12から排出させることもで
きる。
【0016】実施例1 図1に示された反応器(50mmφ×400mmH)の触媒層(触
媒層同士の間の間隙の大きさ100mm)に、スルホン酸型
強酸性陽イオン交換樹脂(バイエル社 K1221)を変性剤
である2−メルカプトエチルアミンでそのスルホン酸基
の18%が予め変性された触媒樹脂を厚さ100mmづつ充填
した。触媒層同士の間の間隙には、内径 5mmφのポリふ
っ化エチレン繊維製チューブを1巻きの直径を30mmφと
し、これを10回巻いてコイルとし、このコイルに冷媒と
して60℃の温水を通した。この反応器の頂部管から、60
℃に予熱されたフェノールとアセトンとの混合物(アセ
トンに対するフェノールのモル比 5、ドデシルメルカ
プタン 1wt%添加)である反応原料液をSVが1となる
ように400ml/hrの速度で供給した。反応原料液の供給
開始から30分後に触媒層の温度は約60℃で安定した。反
応原料液の供給開始から 3時間後に反応槽底部から排出
された反応生成液を、液クロマトグラフィで成分分析を
行った。その結果を表1に示す。なお、反応槽の外周の
冷却用ジャケットには60℃の温水を通した。また、反応
期間中は反応槽内の圧力は略大気圧に保たれていた。
【0017】実施例2 図1で示された反応器の変わりに図2で示された反応器
を使用した他は、実施例1と同様にして行った。すなわ
ち、触媒層同士の間の間隙内の反応液をポリふっ化エチ
レン繊維製チューブで反応槽から抜き出す。抜出しポン
プにより、反応器外に設けられ間隙内と連絡している除
熱用熱交換器に導く。ここで反応液除熱し、その温度
を60℃とする。除熱された反応液をポリふっ化エチレ
ン繊維製チューブで前記の間隙内に戻した。
【0018】実施例3 図1で示された反応器の代わりに図3で示された反応器
を使用した他は、実施例1と同様にして行った。すなわ
ち、反応槽の内部直径に対する攪拌羽根の直径の比0.7
5、攪拌羽根の厚さ25mm、攪拌羽根の段数1段の攪拌羽
根を30r.p.m.で連続回転させて、反応液から除熱した。
【0019】比較例 層高200mmの触媒層1層とし、反応器内の反応液を
応槽外周の冷却用ジャケットのみで除熱した以外は実施
例1と同様にして行った。実施例1〜3および比較例の
それぞれにおいて得られた反応生成液の、液クロマトグ
ラフィによる成分分析結果を表1に示す。
【0020】 註1: p-p’BPAは、パラ体のビスフェノールA、すなわち、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンを
示す。 註2: o-p’BPAは、オルソ体のビスフェノールA、すなわち、
2−(2−ヒドロキシフェニル)−2−(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパンを示す。この表1における結
果は、アセトンおよびフェノールとの縮合反応におい
て、本発明の反応器を使用して反応進行中の反応液から
除熱した場合には、不純物である2−(2’−ヒドロキ
シフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロ
パン(オルソ体のビスフェノールA)の副生を抑制し得
たことを示している。
【0021】
【発明の効果】本発明は、本発明の反応器および製造方
法により、カルボニル化合物とフェノール類とからビス
フェノールを製造する方法において、カルボニル化合物
およびフェノール類を含有する反応原料液を、触媒であ
る強酸性イオン交換樹脂が充填された反応器内を通過さ
せて両原料物質同士を反応させるに際し、反応液から、
容易に、かつ、効率よく除熱することが可能となり、反
応器内の局部的な温度上昇を抑え、以て、目的とするビ
スフェノール類以外の不純物の副生を抑制し、目的とす
るビスフェノール類の収率を向上させることを可能なら
しめるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】触媒層が2層であり、該触媒層同士の間の間隙
に、除熱手段として除熱用蛇管が配設されている反応
器の縦断端面図である。
【図2】触媒層が2層であり、触媒層間同士の同一間隙
内と連絡した除熱用熱交換器が反応槽の外部に配設され
ている反応器の縦断端面図である。
【図3】触媒層が2層であり、該触媒層同士の間の間隙
内に、除熱手段として攪拌羽根が配設されている反応器
の縦断端面図である。
【符号の説明】
1 反応槽 2 触媒層 3 間隙 4 触媒支持板 5 冷却用ジャケット 6 除熱用蛇管 7 抜出しポンプ 8 除熱用熱交換器 9 攪拌羽根 10 回転軸保護筒 11 回転軸 12 頂部管 13 底部管 A 触媒樹脂
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹上 敬三 東京都中央区佃2丁目17番15号 月島機 械株式会社内 (56)参考文献 特開 昭51−101963(JP,A) 特開 昭62−65735(JP,A) 特開 平1−149746(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 8/00 - 8/06 B01J 31/10 C07B 61/00 C07C 37/20 C07C 39/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 充填層型反応器において、それぞれが該
    反応器内の反応物の流れを分断するように充填されると
    ともに互いの間に間隙ができるように配置された2層以
    上の触媒層を有し、前記間隙に除熱手段が嵌装されてな
    ることを特徴とする反応器。
  2. 【請求項2】 除熱手段が熱交換器である請求項1記載
    の反応器。
  3. 【請求項3】 除熱手段が、反応器外部に配設されると
    ともに前記間隙に連絡される熱交換器を含んでいる請求
    項1記載の反応器。
  4. 【請求項4】 除熱手段が攪拌羽根である請求項1記載
    の反応器。
  5. 【請求項5】 攪拌羽根の回転軸が触媒層を貫通せしめ
    られた回転軸保護筒内を挿通せしめられている請求項4
    記載の反応器。
  6. 【請求項6】 カルボニル化合物とフェノール類とを触
    媒である強酸性イオン交換樹脂の存在下で反応させてビ
    スフェノール類を製造するに際して、それぞれが該反応
    器内の反応物の流れを分断するように充填されるととも
    に互いの間に間隙ができるように配置された2層以上の
    触媒層を有し、前記間隙に除熱手段が嵌装されてなる反
    応器を使用して、該除熱手段により反応進行中の反応物
    から除熱することにより、不純物の副生を抑制すること
    を特徴とするビスフェノール類の製造法。
  7. 【請求項7】 目的物であるビスフェノール類がビスフ
    ェノールAである請求項記載のビスフェノール類の製
    造法。
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