JP3349041B2 - 開閉器用の内装部品支持具 - Google Patents

開閉器用の内装部品支持具

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、開閉器用の内装
部品支持具に関し、より詳しくは、高圧開閉器のケース
外壁におけるブッシング貫通部に装着されて変流器等の
内装部品を支持するという本来的機能の他に更に別機能
が付加された支持具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高圧開閉器におけるブッシン
グ貫通部には、図3に示すように、外方に口出線等の外
部導体31を有し内方には充電部に接続される内部導体
32を有するブッシング33が貫通取着されている。そ
して、ブッシング33のフランジ34とケース側壁35
との間にはパッキン36が配設され、ケース側壁35の
外面側に溶接固定されたボルト37にフランジ押え金具
38をナット39締めすることによりケース内外の気密
を図っていた。又、ケース内においてブッシング33に
は変流器CTが介装され、ケース側壁35の内面側に溶
接固定されたボルト40に絶縁性カバー41をナット4
2締めすることにより、前記変流器CTの固定を図って
いた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前述した従
来のブッシング貫通部において、パッキン36にはブッ
シング貫通部の気密を図るという単一機能しか付与され
ておらず、又、絶縁カバー41には変流器CTを固定す
るという単一機能しか付与されていなかった。即ち、従
来はブッシング貫通部にシール用のパッキン36と変流
器CT支持用の絶縁カバー41という二つの部材をそれ
ぞれ別々に装着する必要があった。
【0004】さらに、従来のブッシング貫通部において
は、前記絶縁カバー41を締付固定するためのボルト4
0をケース側壁35の内面側に溶接固定する作業も不可
欠となっていた。しかも、前述したブッシング貫通部に
おいては、ブッシング33の沿面と絶縁カバー41との
間に隙間が存在したため、この隙間を介して雷インパル
スの襲来時等には、図3に示すように、内部導体32と
ケース側壁35との間に閃絡Sが発生することもあっ
た。
【0005】本発明は、かかる問題を解決するためにな
されたものであり、その目的は高圧開閉器のブッシング
貫通部における部材構成を簡素化し、コストの低減を図
るとともに、ブッシング貫通部における対地間の耐電圧
性を簡単な構成にて向上することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため、請求項1の発明は、特に、絶縁性を有する弾性材
料からなり、ブッシングのフランジよりも内端側を挿通
可能な中空部を有しブッシング貫通部に挿通される筒状
の本体と、本体の端部から径方向へ延設され装着時には
ブッシングのフランジとケース外壁との間に介在される
シール部と、前記本体の外周面上に設けられ装着時には
ケース内に位置する内装部品用支持部とを備えたことを
要旨としている。
【0007】又、請求項2の発明は、前記請求項1に記
載の発明において、前記支持部は本体の軸線方向におい
て所定幅を有する嵌着凹部であることを要旨としてい
る。さらに、請求項3の発明は、前記請求項1又は2記
載の発明において、前記本体の中空部にはブッシングの
フランジよりも内端側が嵌合されるものであることを要
旨としている。
【0008】従って、請求項1の発明では、まず、支持
具の本体をブッシング貫通部に挿通するとともに、その
本体の中空部にブッシングのフランジよりも内端側を挿
通する。そして、その状態において、フランジ押え金具
などによりフランジをケース外壁に締付け固定すると、
シール部によりフランジとケース外壁との間が密閉さ
れ、ケース内外の気密が図られる。一方、ケース内にお
いては内装部品用支持部により変流器等の内装部品が支
持される。
【0009】又、請求項2の発明では、請求項1の発明
の作用に加えて、変流器等の内装部品は支持具の本体を
部分的に弾性変形させることにより嵌着凹部内に配置さ
れ、その嵌着凹部内に位置決め保持される。
【0010】さらに、請求項3の発明では、請求項1又
は2の発明の作用に加えて、本体の中空部にブッシング
のフランジよりも内端側を嵌合すると、その嵌合部分が
本体の芯材として作用する。そのため、内装部品をその
支持部(嵌着凹部)にて支持した状態でも本体の外周面
形状が安定保持される。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明を高圧開閉器のブッ
シング貫通部に装着されるパッキン兼用の内装部品支持
具に具体化した一実施形態について図面を参照しながら
説明する。
【0012】図1に示すように、開閉器ケース11の一
方の側壁12には三つのブッシング貫通部13が水平方
向へ並列状に開口され(図1には一つのみ図示)、各貫
通部13には電源側ブッシング14が夫々貫通取着され
ている。尚、図示しない他方の側壁にも同様に三つのブ
ッシング貫通部が並設され、各貫通部には負荷側ブッシ
ングが貫通取着されているが、その構成は電源側ブッシ
ング14の貫通取着構造と同様であるため、その説明は
省略する。
【0013】前記ブッシング14は磁器碍管からなり、
その内部にはブッシング14の軸線方向に沿って延びる
ように導電棒15が固着されている。ブッシング14内
に位置する導電棒15の一端部にはケース11の外方へ
延びる外部導体としての口出線16が接続され、ブッシ
ング14の内端部から露出する導電棒15の他端部には
端子金具17が接続されている。端子金具17にはケー
ス11内において図示しない内部リード線が接続され、
これらケース11内に位置する導電棒15の他端部、端
子金具17及び内部リード線等により内部導体が構成さ
れている。
【0014】一方、前記ブッシング貫通部13にはパッ
キン兼用の内装部品支持具(以下、「兼用支持具」とい
う。)18がブッシング14と共に装着されている。こ
の兼用支持具18は、絶縁性及び弾性を有する合成樹脂
材料からなり、図2に示すように、筒状をなす本体19
にシール部20と内装部品用支持部としての嵌着凹部2
1が一体成形されている。前記本体19の外径はブッシ
ング貫通部13に嵌合する大きさとされ、その中空部1
9aの内径はブッシング14のフランジ22よりも内端
側が嵌合する大きさとされている。シール部20は、本
体19の一端部から鍔状をなすように径方向へ延設さ
れ、兼用支持具18の装着時にはブッシング14のフラ
ンジ22とケース11の側壁12外面との間に挟着され
るようになっている。
【0015】前記本体19の外周面上において、その本
体19の他端部からは絶縁バリヤ部23aと押さえ突部
23bからなる第1の係止突条23が鍔状をなすように
径方向へ延設されている。一方、前記シール部20から
ケース11の側壁12の厚みに相当する距離だけ離間し
た位置には第2の係止突条24が鍔状をなすように径方
向へ延設されている。即ち、両係止突条23,24間に
前記嵌着凹部21が形成され、第2の係止突条24とシ
ール部20との間には取着凹部25が形成されている。
そして、兼用支持具18の装着時には、前記取着凹部2
5内にブッシング貫通部13の開口縁が嵌着されると共
に、前記嵌着凹部21内に変流器CTが嵌合支持される
ようになっている。
【0016】又、前記ケース11の側壁12外面上にお
いてブッシング貫通部13近傍の複数箇所には複数本
(図1には2本のみ図示)のボルト26が立設されてい
る。そして、これら各ボルト26にブッシング14のフ
ランジ22部分を覆うフランジ押え金具27をナット2
8にて締付け固定することにより、ブッシング14は前
記ブッシング貫通部13に貫通取着されるようになって
いる。
【0017】次に、以上のように構成された兼用支持具
18の作用について組付工程を交えながら説明する。さ
て、開閉器ケース11のブッシング貫通部13にブッシ
ング14を貫通取着するには、まず兼用支持具18をブ
ッシング貫通部13に装着する。即ち、ケース11の外
側から本体19の他端部及び各係止突条23,24を弾
性変形させながら筒状をなす本体19をブッシング貫通
部13内に挿入し、取着凹部25にブッシング貫通部1
3の開口縁を嵌合させる。すると、兼用支持具18はブ
ッシング貫通部13に仮止め状態で嵌合係止される。
【0018】次に、前記兼用支持具18がブッシング貫
通部13に嵌合係止された状態において、係止突条23
を再度その弾性に抗して図2に示す矢印A方向へ折り曲
げ、同図に二点鎖線で示すように弾性変形させる。そし
て、その弾性変形した係止突条23部分に変流器CTを
ケース11の内側から挿通させる。すると、前記係止突
条23が弾性復帰し、同係止突条23に一体化された押
さえ突部23bが変流器CTを側壁12に向かって弾性
的に押圧付勢する。従って、変流器CTは嵌着凹部21
内に配置され、両係止突条23,24により両側から挟
持された状態で兼用支持具18の本体19外周面上に支
持される。しかも、その状態において、変流器CTは前
記押さえ突部23bにより常に側壁12側へ押圧付勢さ
れる。
【0019】そして、次には、ケース11の外側から前
記本体19の中空部19a内にブッシング14の内端側
を嵌入させる。そして、ブッシング14のフランジ22
にフランジ押え金具27を当接させながら、ボルト26
に対してフランジ押え金具27をナット28により締付
け固定する。すると、フランジ22と側壁12との間で
兼用支持具18のシール部20が挟着され、同シール部
20によりブッシング貫通部13におけるケース内外の
気密が図られる。
【0020】本実施形態では兼用支持具18を以上のよ
うに構成したことにより、次のような効果を有する。 (1)兼用支持具18の装着時にはブッシング貫通部1
3の開口縁に取着凹部25を嵌合係止させることによ
り、同支持具18をブッシング貫通部13に仮止めする
ことができ、作業能率を向上することができる。 (2)兼用支持具18が装着されると、ブッシング貫通
部13には変流器CTを嵌合支持可能な内装部品用支持
部としての嵌着凹部21と各相毎の絶縁バリヤ部23a
及びケース内外の気密を図るシール部20が一度に設置
される。従って、シール用のパッキンや変流器CT支持
用の絶縁カバー等といった機能の異なる複数種の部材を
それぞれ別々に装着する必要がなく、又、該カバー締付
け固定用のボルトを側壁12の内面側に溶接固定する必
要もなくなり、製造及び作業コストの低減を図ることが
できる。 (3)変流器CTを嵌着凹部21内へ配置するには第1
の係止突条23及び本体19の他端部を部分的に弾性変
形させるだけでよいため、嵌着凹部21に対する変流器
CTの支持固定作業を簡単に行うことができる。 (4)嵌着凹部21内において変流器CTは両係止突条
23,24により両側から挟着保持されるので、変流器
CTを嵌着凹部21内に位置決め状態で支持することが
できる。しかも、その際には第1の係止突条23に一体
化された押さえ突部23bが常に変流器CTを側壁12
側に押圧付勢しているので、前記嵌着凹部21内におけ
る変流器CTの位置決め保持をより確実に行うことがで
きる。 (5)兼用支持具18の装着時において本体19の中空
部19a内にはブッシング14のフランジ22よりも内
端側が嵌合し、同嵌合部分は筒状をなす本体19に対し
て芯材として作用する。従って、前記本体19外周面上
の嵌着凹部21において変流器CTを安定した状態で支
持することができる。 (6)ケース11の側壁12と端子金具17等との間は
絶縁性を有する兼用支持具18の本体19により遮蔽さ
れるので、雷インパルスの襲来時等においても前記端子
金具17等とケース11の側壁12との間に閃絡が発生
することもない。 (7)各相ブッシング貫通部13においては、鍔状をな
す第1の係止突条23の先端部に一体化された絶縁バリ
ヤ部23aにより各相別に沿面閃絡を防止しているの
で、より確実に前記端子金具17等とケース11の側壁
12との間における閃絡の発生を阻止出来る。
【0021】なお、本発明は前記実施形態の構成に限定
されるものではなく、以下のように構成することも可能
である。 (イ)前記実施形態では嵌着凹部21に対して変流器C
Tを嵌着したが、零相変流器ZCTなど他の電装部品を
嵌着するようにしてもよい。 (ロ)前記実施形態では兼用支持具18の本体19外周
面上の二箇所に内装部品用支持部としての嵌着凹部21
を形成するために二つの係止突条23,24を設けた
が、係止突条は三箇所以上に設けてもよい。例えば、第
3の係止突条を第1及び第2の両係止突条23,24間
に設け、第3の係止突条と第1の係止突条23の間に嵌
着凹部21を形成し、第3の係止突条と第2の係止突条
24の間に全相に亘る絶縁バリヤを嵌着支持可能な支持
部を形成するようにしてもよい。 (ハ)前記実施形態では第2の係止突条24が、シール
部20との間で取着凹部25を形成し、装着時には側壁
12の内面に当接する構成となっているが、装着時に第
2の係止突条24は側壁12の内面から離間する構成で
あってもよい。 (ニ)前記実施形態では内装部品用支持部としての嵌着
凹部21を係止突条23,24間に形成したが、本体1
9の外周面上の複数箇所に突起を突設し、それらの突起
間に内装部品用支持部としての嵌着凹部21を形成して
もよい。 (ホ)前記実施形態では本体19の外周面上に突出形成
した係止突条23,24間に嵌着凹部21を構成した
が、本体19の外周面上に嵌着凹部21を凹設して支持
部を構成してもよい。 (ヘ)前記実施形態では本体19の外径をブッシング貫
通部13に嵌合する大きさとしたが、ブッシング貫通部
13に挿通可能な径であればよい。 (ト)前記実施形態では本体19における中空部19a
の内径をブッシング14のフランジ22よりも内端側が
嵌合する大きさとしたが、ブッシング14の内端側を挿
通可能な径であればよい。
【0022】次に、前記実施形態から把握できる請求項
記載以外の技術的思想をその効果と共に記載する。 (A)請求項1に記載の内装部品支持具において、その
本体はブッシング貫通部に嵌合されるものである開閉器
用の内装部品支持具。このように構成すれば、ブッシン
グ貫通部に対して内装部品支持具を仮止め状態にでき、
作業能率を向上できる。 (B)請求項2に記載の内装部品支持具において、嵌着
凹部は筒状をなす本体の外周面と同外周面上の複数箇所
に突設された係止突部(係止突条,突起)とにより形成
されている開閉器用の内装部品支持具。このように構成
すれば、内装部品支持具に対して内装部品用支持部とし
ての嵌着凹部を簡単に一体成形できる。
【0023】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ブッシング貫
通部における部材構成を簡素化してコストの低減を図る
ことができるとともに、ブッシング貫通部における対地
間の耐電圧性を簡単な構成にて向上することができる。
【0024】請求項2の発明によれば、前記請求項1の
発明の効果に加えて、内装部品用支持部により変流器等
の内装部品を支持する際には支持具の本体を部分的に弾
性変形させるという簡単な操作にて位置決め支持するこ
とができる。
【0025】請求項3の発明によれば、前記請求項1又
は2の発明の効果に加えて、内装部品用支持部を設けた
支持具本体の外周面形状が安定保持されるので、変流器
等の内装部品を前記支持部により安定確実に支持するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 開閉器におけるブッシング貫通部付近の部分
断面図。
【図2】 本実施形態の兼用支持具の取付状態を説明す
る分解断面図。
【図3】 従来の開閉器におけるブッシング貫通部付近
の部分断面図。
【符号の説明】
11…ケース、12…側壁(外壁)、13…ブッシング
貫通部、14…ブッシング、18…兼用支持具(内装部
品支持具)、19…パッキン本体、19a…中空部、2
0…シール部、21…嵌着凹部(内装部品用支持部)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高圧開閉器のケース外壁におけるブッシ
    ング貫通部に装着される内装部品支持具において、 絶縁性を有する弾性材料からなり、ブッシングのフラン
    ジよりも内端側を挿通可能な中空部を有しブッシング貫
    通部に挿通される筒状の本体と、本体の端部から径方向
    へ延設され装着時にはブッシングのフランジとケース外
    壁との間に介在されるシール部と、前記本体の外周面上
    に設けられ装着時にはケース内に位置する内装部品用支
    持部とを備えた開閉器用の内装部品支持具。
  2. 【請求項2】 前記支持部は本体の軸線方向において所
    定幅を有する嵌着凹部である請求項1に記載の開閉器用
    の内装部品支持具。
  3. 【請求項3】 前記本体の中空部にはブッシングのフラ
    ンジよりも内端側が嵌合されるものである請求項1又は
    2に記載の開閉器用の内装部品支持具。
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