JPH08273462A - 配電機器用ブッシング及び同ブッシングの取付構造 - Google Patents

配電機器用ブッシング及び同ブッシングの取付構造

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JPH08273462A
JPH08273462A JP7073803A JP7380395A JPH08273462A JP H08273462 A JPH08273462 A JP H08273462A JP 7073803 A JP7073803 A JP 7073803A JP 7380395 A JP7380395 A JP 7380395A JP H08273462 A JPH08273462 A JP H08273462A
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JP
Japan
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bushing
flange portion
power distribution
sealing
distribution device
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Application number
JP7073803A
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English (en)
Inventor
Junichi Matsumoto
純一 松本
Koichi Ishida
貢一 石田
Kozo Kishimoto
公蔵 岸本
Katsunori Aoki
勝則 青木
Tatsuya Kato
達也 加藤
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NGK Insulators Ltd
Energy Support Corp
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Energy Support Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 割れ等の破損のおそれがなく、また、シール
用部材を別途必要としない配電機器用ブッシングを提供
することにある。 【構成】 シリコンゴムによりブッシング1全体を一体
的にモールド成形する。ブッシング本体2の軸心方向中
央における外周面にフランジ部3を形成する。フランジ
部3の下面に環状をなし断面半円形状のシール用突条1
7を同フランジ部3と一体的に形成する。フランジ部3
の上側におけるブッシング本体2外周に複数の絶縁ひだ
4を形成する。ブッシング1はシリコンゴムにより形成
されているため、軽量であり、割れ等のおそれがない。
したがって、その取扱いが容易となる。シール用突条1
7がフランジ部3と一体的に設けられているため、Oリ
ング等のシール用部材が不要となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、開閉器、しゃ断機等
に用いられる配電機器用ブッシング及び同ブッシングの
取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】開閉器、しゃ断器等の配電機器に取着さ
れるブッシングの材料としては一般的に磁器が広く用い
られている。磁器製のブッシングは安価であり、また、
絶縁性にも優れているからである。そして、ブッシング
はその外周に設けられたフランジに対し取付金具が被冠
され、その取付金具を配電機器のケースに植設されたボ
ルト等の締付部材により締め付けることにより前記配電
機器に対して固定されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来技
術におけるブッシングには以下の問題があった。第1
に、磁器製のブッシングにおいてはその取扱いを慎重に
おこなう必要があった。すなわち、従来の磁器製ブッシ
ングは、配電機器に締付固定する際に過大な締付力によ
り固定したり、あるいは取付作業時にブッシングを誤っ
て落下させたりすると破損するおそれがあるからであ
る。また、そのブッシングが取着された配電機器を装柱
する作業においても同様に、割れ等の破損に対し十分に
配慮して作業をおこなわなければならなかった。したが
って、その作業効率が低下していた。加えて、磁器製の
ブッシングは重量が大きいため、同ブッシングが取着さ
れる配電機器の重量増加を招き、これは同配電機器の装
柱作業における効率をさらに低下させていた。
【0004】第2に、ブッシングはフランジ部が取付金
具により固定され配電機器のケースに取着されるが、磁
器製のブッシングはそのフランジ部が前記ケースに対し
て密着しないため、配電機器内部の気密性を確保するた
めにはシール用のOリングが別途必要となっていた。そ
の結果、部品点数が増加するとともに、ブッシングの組
付時にはOリングも同時に取り付けなければならず、組
付工数が増加していた。
【0005】本発明は、上記問題に着目してなされたも
のであって、その目的とするところは、割れ等の破損の
おそれがなく取扱いが容易であり、また、シール部材を
別途必要としない配電機器用ブッシングを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、高分子材料によりブッシング本体とフランジ部とが
一体的にモールド成形された配電機器用ブッシングにお
いて、前記フランジ部の下面には同フランジ部と一体的
にシール手段が形成されていることをその要旨とするも
のである。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
した配電機器用ブッシングにおいて、前記シール手段は
前記フランジ部下面において複数形成されていることを
その要旨とするものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
のいずれかに記載した配電機器用ブッシングにおいて、
前記シール手段は断面円弧状のシール用突条であること
をその要旨とするものである。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3
のいずれかに記載した配電機器用ブッシングにおいて、
前記高分子材料はエチレンプロピレンゴム又はシリコン
ゴムからなることをその要旨とするものである。
【0010】請求項5に記載の発明は、高分子材料によ
りブッシング本体とフランジ部とが一体的にモールド成
形され、フランジ部の下面には同フランジ部と一体的に
シール手段が形成されてなる配電機器用ブッシングをフ
ランジ部固定部材により配電機器に取り付ける取付構造
であって、前記フランジ部固定部材は導電性を有するも
のであり、かつ、少なくともフランジ部固定部材により
固定されるフランジ部の上面から前記フランジ部固定部
材に最も近接した位置に設けられる絶縁ひだにかけては
導電性材料からなる被覆層が形成されていることをその
要旨とするものである。
【0011】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、高分子材料に
より配電機器用ブッシングが形成されていため、割れ等
の破損のおそれがなく、また、同ブッシングが軽量化さ
れる。さらに、シール手段が配電機器用ブッシングのフ
ランジ部と一体的に形成されているため、シール用部材
が不要となる。
【0012】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載した発明の作用に加え、シール手段のシール性が
向上する。請求項3に記載の発明によれば、請求項1又
は2のいずれかに記載した発明の作用に加え、シール手
段のシール性が向上する。
【0013】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
乃至3のいずれかに記載した発明の作用に加え、配電機
器用ブッシングにおける絶縁性及び耐候性が向上され
る。特に、高分子材料としてシリコンゴムを用いた場合
には配電機器用ブッシングに対して撥水性が付与され
る。
【0014】請求項5に記載の発明によれば、導電性材
料からなる被覆層が形成されているフランジ部の上面に
フランジ部固定部材が取着されると、被覆層の電位は同
フランジ部固定部材と等しくなる。したがって、フラン
ジ部固定部材に最も近接した位置にある絶縁ひだにおけ
る電位もフランジ部固定部材の電位と等しくなる。その
結果、フランジ部固定部材と前記絶縁ひだとの間におけ
る電界強度が緩和され、両者間におけるコロナ放電が抑
制される。
【0015】
【実施例】以下、この発明を密閉ケース入りの気中開閉
器(以下、単に開閉器という)に取着される電源側ブッ
シングに具体化した実施例について、図1、図3、及び
図6を参照して説明する。
【0016】図6は本実施例のブッシング1が開閉器A
のケース11に対して取り付けられた状態を示してい
る。同図に示すように、ブッシング1はU相1a、V相
1b、及びW相1cの3相からなり、開閉器Aのケース
11側面において略直線上に取り付けられる。
【0017】図1に示すように、本実施例のブッシング
1はブッシング本体2、フランジ部3、及び絶縁ひだ4
を備え、それらがシリコンゴムにより一体的にモールド
成形されて形成されている。ブッシング本体2は略円柱
状をなし、その両端部は後述する口出線5及び導電棒6
の径と等しくなるように縮径成形されている。同ブッシ
ング本体2の軸心方向における略中央の外周にはフラン
ジ部3が形成されている。同フランジ部3は円板状をな
し、ブッシング本体2の軸心に対して略垂直方向に延設
されている。
【0018】前記フランジ部3の外端側(図1において
上側)におけるブッシング本体2の外周には同じく円板
状をなす絶縁ひだ4が複数形成され、ブッシング1にお
ける耐汚損性の向上が図られている。前記フランジ部3
に最も近接した位置に形成された絶縁ひだ4は第1絶縁
ひだ4aとされ、同第1絶縁ひだ4aからブッシング本
体2の外端側にむけて順に第2絶縁ひだ4b、第3絶縁
ひだ4c、及び第4絶縁ひだ4dとされている。前記第
1〜4絶縁ひだ4a〜4dはいずれも前記フランジ部3
と同様にブッシング本体2の軸心に対して略垂直方向に
延設されており、それぞれ均等な間隔を隔てて配置され
ている。
【0019】ブッシング本体2の内部にはその外端部か
ら口出線5が挿通された状態となっている。同口出線5
の内部には銅からなる複数の芯線が集束された芯線部5
aが形成され、同芯線部5aの周囲はモールド材(通
常、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ポリエチレ
ン等からなる)によって絶縁被覆されている。ブッシン
グ本体2の内部において、前記口出線5の内端部は前記
芯線部5aが露出されている。そして、口出線5は絶縁
被覆を介してブッシング本体2に接着剤にて密着される
とともに、同芯線部5aは導電棒6の外端部に穿設され
たかしめ穴7にかしめ着され、ブッシング本体2と口出
線5とが一体化されている。また、前記導電棒6の内端
部は縮径され、その縮径された部分には螺子部8が形成
されている。同螺子部8には固定電極9が螺着されてい
る。
【0020】図3は前記ブッシング1のフランジ部3が
取付金具10により締付固定された状態を示している。
同図に示すように、ブッシング本体2の下部は開閉器ケ
ース11に透設された取付孔11aに挿通されている。
そして、フランジ部3の下面は開閉器ケース11に接す
るように載置されるとともに、同フランジ部の上面は取
付金具10により押さえられている。前記取付金具10
は前記絶縁ひだ4が挿通可能な透孔12を有した有蓋低
円筒状に形成されている。取付金具10の上蓋部10a
には周方向に均等な間隔をおいて、複数の挿通孔13が
透設されている。また、開閉器ケース11には複数の取
付ボルト14が植設されており、同取付ボルト14は前
記挿通孔13内に挿貫されるとともに、その上端部には
ワッシャ15を介して締付ナット16が螺合されてい
る。そして、前記フランジ部3は締付ナット16によ
り、取付金具10の上蓋部10aと開閉器ケース11と
の間において締付挟持される。尚、前記取付金具10、
取付ボルト14、ワッシャ15、及び締付ナット16は
いずれも本発明のフランジ部固定部材を構成するもので
ある。
【0021】前記フランジ部3の下面にはその外周に沿
って、環状をなすシール手段としてのシール用突条17
が突設されている。同シール用突条17は断面半円形状
であり、前記フランジ部3と一体的にモールド成形され
ている。また、フランジ部3に接する開閉器ケース11
の表面には前記シール用突条17と相対する位置に断面
凹字状の環状溝18が形成されている。ブッシング1が
開閉器ケース11に取着されるとシール用突条17は前
記環状溝18内に嵌入される。そして、前記フランジ部
3が取付金具10を介して締付ナット16により締め付
けられると前記シール用突条17は前記環状溝18の内
壁面に対して密接するように変形し、前記フランジ部3
と開閉器ケース11との間がシールされる。したがっ
て、開閉器A内部の気密性が保たれるため、外部から雨
等が開閉器A内部へ浸入することがない。
【0022】上記構成を備えた本実施例におけるブッシ
ング1の作用及び効果について説明する。本実施例のブ
ッシング1はシリコンゴムをモールド材として形成され
ているため、磁器製のブッシング1と比較してその取扱
いが非常に容易である。
【0023】すなわち、本実施例のブッシング1では取
付時におけるフランジ部3の締付力が多少過大となって
も、フランジ部3が弾性変形するため割れの生じるおそ
れがない。同様に、組付作業時に落下させた場合でもブ
ッシング1が破損することがない。したがって、ブッシ
ング1の組付時における作業効率は大幅に向上すること
になる。また、同ブッシング1が取着された開閉器Aを
装柱する場合も同様に、ブッシング1の破損を考慮しな
くてもよいことからその作業効率は向上する。さらに、
シリコンゴムからなる本実施例のブッシング1は磁器製
のブッシングと比較して軽量化を図ることができるた
め、上記作業における作業効率がさらに向上される。
【0024】加えて、モールド材としてのシリコンゴム
は弾性を有している。したがって、フランジ部3が取付
金具10により固定されると、同フランジ部3は取付金
具10と開閉器ケース11との間において弾性変形した
状態となって両者に挟持されるが、このフランジ部3の
弾性変形は以下の効果を生じる。第1に、取付面におけ
る面圧が均一化され、フランジ部3と取付金具10及び
開閉器ケース11とはより密着した状態となる。その結
果、開閉器Aの気密性が向上される。第2に、前記口出
線5の揺動による振動が前記締付ナット16に伝達され
て同ナット16に多少の緩みが生じても、その締付力が
大きく減少してしまうことがない。
【0025】また、本実施例におけるブッシング1は、
フランジ部3の下面にシール用突条17が一体的に形成
されているため、Oリング等のシール用部材が不要とな
り部品点数が低減される。その結果、ブッシング1ある
いは同ブッシング1が取着される開閉器Aの製造コスト
を低減させることが可能となる。
【0026】さらに、シリコンゴムは撥水性を有してい
るため、ブッシング1は雨等の水分が付着しても濡れた
状態になることがなく塵埃の付着が極めて少ない。した
がって、本実施例のブッシング1における耐汚損性が向
上されている。
【0027】以下、上記第1実施例以外の実施例につい
て説明する。尚、以下の説明において第1実施例と同様
あるいは相当する構成部材については、第1実施例と同
一符号を付すとともにその説明を省略する。
【0028】(第2実施例)本発明を上記第1実施例と
同じく開閉器に取着される電源側ブッシングに具体化し
た第2実施例について図2及び図4を参照して説明す
る。
【0029】図2は本実施例のブッシング1が開閉器ケ
ース11に取り付けられた状態を示している。本実施例
の開閉器は密閉型ケース入りのガス開閉器であり、その
内部には消弧性のガスが封入されている。ブッシング1
に設けられた前記フランジ部3は、その上面が導電性材
料としての導電性ゴム19により覆われている。また、
前記第1絶縁ひだ4aの下面、及び同ひだ4aと前記フ
ランジ部3の間におけるブッシング本体2の周側面も同
様に導電性ゴム19により覆われた状態となっている。
導電性ゴム19は上記各部分を個々に被覆するものでは
なく、それらは一体的に形成されて電気的に導通状態と
なっている。また、前記導電性ゴム19の被覆層はブッ
シング1をモールド成形する際に、その成形工程を2段
階に分けておこなうことにより設けられるものである。
すなわち、予め同導電性ゴム19が除かれた部分を通常
のモールド材料によりモールド成形し、次に導電性ゴム
19からなるモールド材料によって、導電性ゴム19の
層を形成する。したがって、上記各部分の導電性ゴム1
9による被覆層は電気的に接続され、ブッシング1と一
体的に形成されることになる。尚、本実施例では、モー
ルド材料としてエチレンプロピレンゴム(以下、EPR
という)を使用し、導電性ゴム19としては、前記EP
Rに対して重量比5〜25%のカーボンを含有させたも
のを使用している。また、前記導電性ゴム19により形
成される被覆層の厚さは約1.5mmである。同被覆層
は1.0〜2.0mmの厚さを有する場合に後述するコ
ロナ放電を防止する効果を好適に奏することができる
が、0.3〜3.5mmの範囲であればよい。
【0030】図4はフランジ部3が取付金具10により
締付固定された状態を示すものである。同フランジ部3
の上面と取付金具10の取付面と間には前記導電性ゴム
19が介在され、締付ナット16により、前記フランジ
部3は開閉器ケース11に対して取付けられている。
【0031】フランジ部3の下面には第1実施例におい
て説明したシール用突条17とは別のシール用突条20
が前記突条17と所定間隔を隔てて環状に突設されてい
る。また、開閉器ケース11には前記シール用突条20
に対応する位置に前記環状溝18とは別の環状溝21が
形成されている。そして、それぞれのシール用突条1
7,20は前記環状溝18,21内に嵌入されている。
本実施例ではシール用突条17,20を複数設けること
によって、開閉器内部の気密性を向上させている。
【0032】上記構成を備える第2実施例の作用及び効
果について上記第1実施例との相違点を中心に説明す
る。図4において示す一点鎖線はフランジ部3及び取付
金具10近傍の電界E1 (等電位線の分布)の状態を表
している。また、これに対する比較例として、図4の二
点鎖線は前記導電性ゴム19がブッシング1に設けられ
ていない場合における電界E2 (等電位線の分布)の状
態を示すものである。
【0033】同図より比較例として示す電界E2 (二点
鎖線)では、取付金具10の透孔12付近において等電
位線が集中していることがわかる。このような状態にお
いては、前記透孔12の内周端縁における電界E2 が非
常に大きくなり、同内周端縁と前記第1絶縁ひだ4aと
の間に局部的な絶縁破壊、いわゆるコロナ放電が発生す
るおそれがある。コロナ放電が生じると、それに伴って
電磁波が発生しラジオ、テレビ、その他の通信機器にノ
イズとして影響(ラジオ障害)を与える。また、コロナ
放電が繰り返し生じた場合には、ブッシング1の劣化を
早め、その寿命を著しく低下させることになり問題とな
る。
【0034】これに対して、本実施例における電界E1
では図4に示すように取付金具10の透孔12付近にお
ける等電位線の集中が緩和されている。すなわち、取付
金具10がフランジ部3に取り付けられることにより、
同取付金具10と前記導電性ゴム19は電気的に導通状
態となる。したがって、導電性ゴム19により被覆され
ている第1絶縁ひだ4aの下面における電位は、取付金
具10の電位と等しくなる。その結果、図4に示すよう
に、ブッシング本体2の内部において電位勾配が生じる
のみであり、透孔12の内周端縁と絶縁ひだ4aとの間
において等電位線が集中することがない。以上のよう
に、本実施例では上記比較例において説明したようなコ
ロナ放電の発生が抑制されている。
【0035】尚、開閉器ケース11に設けられた取付孔
11aの内周端縁と、フランジ部3の下側にあるブッシ
ング本体2の外周面との間においても同様なコロナ放電
の発生が懸念されるが、本実施例では前述したように開
閉器の内部に消弧性ガスが封入され絶縁破壊電圧が大き
くされているため、前述したようなコロナ放電は発生し
ない。
【0036】(第3実施例)以下、第3実施例について
上記第2実施例との相違点を中心に図5を参照して説明
する。本実施例におけるブッシング1は第1実施例と同
じく気中開閉器の電源側ブッシングとして取着されるも
のである。
【0037】第3実施例のブッシング1は上記第2実施
例と同様にその表面の一部が導電性ゴム19によって覆
われている。前記導電性ゴム19からなる被覆層は、フ
ランジ部3の上下面及び周側面、第1絶縁ひだ4aの下
面、前記フランジ部3と第1絶縁ひだ4aとの間におけ
るブッシング本体2の周側面、及びフランジ部3の下側
にあるブッシング本体2の周側面の一部において形成さ
れている。上記各部分の導電性ゴム19の被覆層は一体
的に形成され、全て電気的に導通状態となっている。図
5に示すようにフランジ部3が取付金具10により開閉
器ケース11に取り付けられると、開閉器ケース11、
取付金具10、及び前記導電性ゴム19の被覆層におけ
る電位は全て等しくなる。
【0038】以上の構成を備えた第3実施例における取
付金具10近傍の電界E1 は図5の一点鎖線によって示
されるようになる。導電性ゴム19による被覆層の電位
は取付金具10の電位と等しくなっているため、取付金
具10の透孔12の内周端縁と第1絶縁ひだ4aは同電
位となり、また、開閉器ケース11に設けられた取付孔
11aの内周端縁と同内周端縁に近接したブッシング本
体2の周側面も同じく同電位となっている。したがっ
て、前記透孔12及び取付孔11a近傍には等電位線の
集中はみられない。このため、本実施例では、第2実施
例において説明したようなコロナ放電が前記透孔12及
び取付孔11aの内周端縁から生じることはなく、開閉
器におけるコロナ性能の向上を図ることが可能となって
いる。
【0039】以上、本発明を具体化した各実施例につい
て説明したが、上記実施例は以下に記載するようにその
構成を変更して実施することができる。 (1)フランジ部3の下面に形成されているシール用突
条17,20は断面が半円形状である場合に最もシール
性が良好であるが、例えば断面凸字状となるようにして
実施してもよい。すなわち、同シール用突条17,20
の断面は開閉器ケース11に形成された環状溝18に係
入されたときに一定のシール性が確保される形状であれ
ばよい。
【0040】(2)ブッシング1を形成するモールド材
料として、上記実施例ではシリコンゴム及びEPRを使
用しているが、これは絶縁破壊強度などが高く絶縁特性
の良好なもの、例えば、ブチルゴムあるいはクロロピレ
ンゴムに置き換えることができる。
【0041】(3)第2実施例及び第3実施例における
導電性ゴム19は、EPRにカーボンを所定量含有させ
たものであるが、EPRに換えてシリコンゴムあるいは
ブチルゴムとしてもよい。また、導電性をさらに向上さ
せるため、金、銀、銅、アルミミニウム等の金属粉をカ
ーボンとともに混合させてもよい。
【0042】(3)ブッシング本体2に形成される絶縁
ひだ4はブッシング1が使用される状況に応じてその数
あるいは形状を変化させてもよい。例えば、低汚損地域
では絶縁ひだ4の数を少なくし、また、塩害地域等の重
汚損地域では絶縁ひだ4の形状を大きくするとともに、
同絶縁ひだ4の数を増加させてもよい。
【0043】(4)上記実施例において絶縁ひだ4はブ
ッシング本体2の軸心方向に対して略垂直方向に延設さ
れているが、これは同軸心方向に対して所定角度傾斜さ
せて設けてもよい。また、絶縁ひだ4の形状は上記実施
例において示した円板形状に限定されることなく、例え
ば、その外周が前記フランジ部3側に垂下された形状で
あってもよい。
【0044】(5) 上記実施例では口出線5の絶縁被
覆を一般的なモールド材としてブッシング1の形成をお
こなったが、この絶縁被覆をブッシング本体2と同材質
のシリコンゴムとすれば両者の密着性はさらに向上す
る。
【0045】(6)上記実施例はいずれも開閉器に取り
付けられるブッシング1として本発明を具体化したもの
であるが、しゃ断機、変圧器等の配電機器に取着される
ブッシングに具体化することもできる。
【0046】以下、特許請求の範囲に記載されないもの
であって、上記実施例によって把握されるその他の技術
的思想について、その効果とともに記載する。 (a)高分子材料によりブッシング本体とフランジ部と
が一体的にモールド成形され、前記フランジ部の下面に
は同フランジ部と一体的にシール手段が形成された配電
機器用ブッシングをフランジ部固定部材により配電機器
に取り付ける取付構造であって、前記シール手段は、フ
ランジ部固定部材と配電機器との間において挟持される
ことを特徴とする配電機器用ブッシングの取付構造。
【0047】上記構成によれば、シール手段がフランジ
部固定部材と配電機器の間に挟持されるとシール手段に
おけるシール圧が増加し、そのシール効果が向上され
る。尚、本明細書中において、「高分子材料」とは、ポ
リエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、あるいはポ
リスチレン系樹脂等の合成樹脂が含まれ、また、クロロ
プレンゴム、ブチルゴム、シリコンゴム、エチレンプロ
ピレンゴム等の合成ゴムが含まれる。
【0048】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、割れ等
の破損によるトラブルを未然に防止することができると
ともに、配電機器用ブッシングの軽量化を図ることがで
きる。また、配電機器用ブッシングが軽量化され、ま
た、割れ等の破損に対して特に配慮する必要がないた
め、同ブッシングを配電機器に組み付ける際の作業効率
を向上させることができ、その作業工数の低減を図るこ
とができる。さらに、シール手段が配電機器用ブッシン
グのフランジ部と一体的に形成されているため、シール
用部材が不要となり、部品点数を低減することができ
る。
【0049】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
に記載した発明の効果に加え、シール手段におけるシー
ル性が向上し、配電機器用ブッシングが取着される配電
機器の気密性が高められる。
【0050】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は2のいずれかに記載した発明の効果に加え、シール
手段におけるシール性が向上し、配電機器用ブッシング
が取着される配電機器の気密性が高められる。
【0051】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
乃至3のいずれかに記載した発明の効果に加え、配電機
器用ブッシングの絶縁性及び耐候性の向上を図ることが
でき、同ブッシングの寿命を向上させることができる。
特に、高分子材料としてシリコンゴムを用いた場合には
配電機器用ブッシングに撥水性が付与され、同ブッシン
グの耐汚損性を向上させることができる。
【0052】さらに、請求項5に記載の発明によれば、
フランジ部固定部材近傍におけるコロナ放電の発生を抑
制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例におけるブッシングの断面図。
【図2】第2実施例におけるブッシングの断面図。
【図3】第1実施例のフランジ部近傍を示す部分断面
図。
【図4】第2実施例のフランジ部近傍を示す部分断面
図。
【図5】第3実施例のフランジ部近傍を示す部分断面
図。
【図6】第1実施例におけるブッシングが開閉器に取着
された状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1…ブッシング、2…ブッシング本体、3…フランジ
部、4…絶縁ひだ、5…取付金具(フランジ部固定部
材)、14…取付ボルト(フランジ部固定部材)、15
…ワッシャ(フランジ部固定部材)、16…締付ナット
(フランジ部固定部材)、17,20…シール用突条
(シール手段)、19…導電性ゴム(導電性材料)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岸本 公蔵 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジーサ ポート 株式会社内 (72)発明者 青木 勝則 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジーサ ポート 株式会社内 (72)発明者 加藤 達也 愛知県犬山市字上小針1番地 エナジーサ ポート 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料によりブッシング本体とフラ
    ンジ部とが一体的にモールド成形された配電機器用ブッ
    シングにおいて、前記フランジ部の下面には同フランジ
    部と一体的にシール手段が形成されていることを特徴と
    する配電機器用ブッシング。
  2. 【請求項2】 前記シール手段は前記フランジ部下面に
    おいて複数形成されてなる請求項1に記載の配電機器用
    ブッシング。
  3. 【請求項3】 前記シール手段は断面円弧状のシール用
    突条である請求項1又は2のいずれかに記載の配電機器
    用ブッシング。
  4. 【請求項4】 前記高分子材料はエチレンプロピレンゴ
    ム又はシリコンゴムからなる請求項1乃至3のいずれか
    に記載の配電機器用ブッシング。
  5. 【請求項5】 高分子材料によりブッシング本体とフラ
    ンジ部とが一体的にモールド成形され、フランジ部の下
    面には同フランジ部と一体的にシール手段が形成されて
    なる配電機器用ブッシングをフランジ部固定部材により
    配電機器に取り付ける取付構造であって、前記フランジ
    部固定部材は導電性を有するものであり、かつ、少なく
    ともフランジ部固定部材により固定されるフランジ部の
    上面から前記フランジ部固定部材に最も近接した位置に
    設けられる絶縁ひだにかけては導電性材料からなる被覆
    層が形成されていることを特徴とする配電機器用ブッシ
    ングの取付構造。
JP7073803A 1995-03-30 1995-03-30 配電機器用ブッシング及び同ブッシングの取付構造 Pending JPH08273462A (ja)

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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100431252B1 (ko) * 2002-03-08 2004-05-20 주식회사 평일 가공 개폐기 및 변압기용 폴리머 부싱
JP2010153223A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Swcc Showa Cable Systems Co Ltd ポリマー套管及びポリマー套管の取り付け構造
JP2010277848A (ja) * 2009-05-28 2010-12-09 Mitsubishi Electric Corp 開閉装置
US9806504B2 (en) 2014-01-27 2017-10-31 Mitsubishi Electric Corporation Gas circuit breaker and method for attaching bushing
WO2022131226A1 (ja) * 2020-12-16 2022-06-23 Agc株式会社 電気設備、充填設備、および貯蔵設備

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