JP3348513B2 - 高分子固体電解質電池 - Google Patents

高分子固体電解質電池

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JP3348513B2
JP3348513B2 JP08761894A JP8761894A JP3348513B2 JP 3348513 B2 JP3348513 B2 JP 3348513B2 JP 08761894 A JP08761894 A JP 08761894A JP 8761894 A JP8761894 A JP 8761894A JP 3348513 B2 JP3348513 B2 JP 3348513B2
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    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は両極間に、イオン導電性
の高分子固体電解質を使用した高分子固体電解質電池に
関する。
【0002】
【従来の技術】固体電解質を用いて全固体系の電池を構
成すると、従来型電池の問題点の一つである電池内の内
容物の漏液がなくなり、電池の安全性および信頼性が向
上する。また、電池の薄型化、積層化も可能になる。
【0003】この場合、使用する固体電解質に必要な特
性としては、一般的に(a)イオン導電性が高く、電子
導電性がないこと、(b)薄く成形できるように成膜性
が優れていること、(c)可撓性に優れていること、等
が挙げられる。
【0004】ところで、固体電解質の種類としては、無
機材料からなるものと有機材料からなるものとの大きく
二種類に分けられる。このうち無機材料からなる固体電
解質は比較的イオン導電性は高いが、結晶体であるため
に機械的強度が乏しく、可撓性を有する膜に加工するこ
とが困難であり、そのために電池デバイスに応用する場
合には著しく不利となっている。
【0005】これに対して、有機高分子からなる高分子
固体電解質は可撓性を有する薄膜に成膜することが可能
であり、また成形した薄膜には高分子固有の可撓性によ
り優れた機械的性質を付与することが可能となる。例え
ば、高分子固体電解質から成る薄膜は、無機系の固体電
解質に比べて、電極−高分子固体電解質間のイオン電子
交換反応過程で生じる体積変化に柔軟に適応させること
が可能となる。そこで、電池の固体電解質材料として、
特に、高エネルギー密度電池、薄型電池の電池材料とし
て、高分子固体電解質が有望視されている。
【0006】このような高分子固体電解質としては、ポ
リエーテル構造を有するポリエチレンオキサイド[(−
CHCHO−):以下PEOと略す]とLi塩や
Na塩等のアルカリ金属塩との複合体が、高いアルカリ
金属イオン導電性を示すものとして知られている。
【0007】ところで、高分子固体電解質におけるイオ
ン導電は、高分子マトリックス中のアルカリ金属イオン
が高分子マトリックス中の無定形部分において選択的に
イオン化し、高分子中の配位性原子と相互作用しながら
マトリックス内を電界に沿って拡散移動することによっ
て達成されると考えられている。例えば、PEOとアル
カリ金属塩からなる複合体膜においては、アルカリ金属
イオンがPEO主鎖中の誘電率の高いエーテル結合部の
酸素と相互作用しながら、熱による分子鎖のセグメント
運動によってイオン導電すると考えられている。そこ
で、高分子固体電解質のイオン導電率を向上させるため
には、高分子固体電解質の結晶性を抑制することが有効
であると考えられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
高分子固体電解質は、そのイオン導電率を向上させよう
とすると、逆に成膜性や可撓性が低下するという問題点
を有している。また、一般的に無機材料からなる固体電
解質に比べて室温近傍でのイオン導電率が小さいという
問題点を有している。
【0009】例えば、PEOとアルカリ金属塩との複合
体膜の場合、その構成有機高分子の分子量が10000
程度のときは、成膜性に優れ、イオン導電率も100℃
以上では10−3〜10−4S/cm程度の比較的高い
値を有する。しかし、この複合体膜は結晶性であるため
に60℃以下の温度では急激に導電率は低下し、室温で
は、10−7S/cm程度以下という非常に低い値を示
す。このため、室温を使用温度領域とする通常の電池の
材料として組み入れることが不可能となっている。
【0010】そこで、式(i )
【0011】
【化1】 (式中、nは任意の整数である)に示すようにPEOの
末端水酸基にジイソシアネートを反応させてウレタン架
橋を形成させたり、あるいはエステル架橋を形成させる
ことによって複合体膜の結晶性を抑制させる試みがなさ
れている。この架橋構造は無定形高分子のイオン導電率
を大きく低下させることなく機械的特性を向上させるた
めの手段として非常に有効である。しかしながら、この
ような手段でも十分な成果を得られるには至っていな
い。
【0012】一方、複合体膜を構成する有機高分子であ
るPEOの分子量を10000以下にすることによって
室温近傍でのイオン導電率を向上させることができる
が、この場合には成膜性が著しく低下し、フィルム化が
困難となる。
【0013】また、イオン導電率を向上させるためにア
ルカリ金属塩の含有濃度を高くした場合には、複合体膜
のガラス転移点Tgも上昇してしまい、そのためにイオ
ン導電性が低下してしまう。このようにキャリア体の密
度の増加と導電率の増加を同時に達成することはできな
い。
【0014】他の高分子固体電解質の例としては、上述
のPEOとアルカリ金属塩とから構成される複合体の類
似化合物で、式(ii)
【0015】
【化2】 (式中、m及びnはそれぞれ任意の整数である)で表さ
れるように、側鎖にPEO構造を有するアクリル系又は
メタクリル系の有機高分子が知られている。また、式
(iii )
【0016】
【化3】 (式中、m及びnはそれぞれ任意の整数である)で表さ
れるように、側鎖にPEO構造を有し、主鎖が -(-P=
N-)- からなるポリホスファゼン系の有機高分子や、
式(iv)
【0017】
【化4】 (式中、m及びnはそれぞれ任意の整数である)で表さ
れるように、側鎖にPEO構造を有し、主鎖が -(-Si
O-)- からなるシロキサン系の有機高分子が知られて
いる。これらの有機高分子とアルカリ金属塩からなる高
分子固体電解質のイオン導電率は〜10−5S/cm程
度であり、PEOとアルカリ金属塩からなる複合体膜に
比べてやや改善されているが、実用上はまだ不十分であ
り、また、成膜性や可撓性も十分なものとはなっていな
い。
【0018】そのため、従来の高分子固体電解質を使用
した電池で、実用上十分な電池性能を有するものは得ら
れていない。
【0019】本発明はこのような従来技術の課題を解決
しようとするものであり、室温付近でも高いイオン導電
性を有し、かつ優れた成膜性や可撓性も有する新たな高
分子固体電解質を使用し、内部抵抗が低く、高いエネル
ギー密度を有する高分子固体電解質電池を得ることを目
的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、カーボネ
ート基を官能基として有する有機高分子が、キャリアイ
オンと適度な相互作用する官能基を含むために、従来に
比べて高密度でキャリアイオンと複合体を形成すること
が可能であり、更に低温状態でも結晶化しにくく、その
ため無定形状態を保持して十分なセグメント運動を確保
することができ、かつ電子伝導が生じることがないとい
う特性を有することを知見した。そして、このカーボネ
ート基を官能基として有する有機高分子と金属塩とから
高分子固体電解質を構成し、この高分子固体電解質を用
いて電池を構成することにより、上述の目的が達成でき
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0021】即ち、本発明は、正極、負極及び両極間に
設けられた高分子固体電解質からなる高分子固体電解質
電池において、高分子固体電解質が、カーボネート基を
官能基として有する有機高分子と金属塩とを含有してな
ることを特徴とする高分子固体電解質電池を提供する。
【0022】また、本発明は、上述の本発明の電池のう
ち、特に、高分子固体電解質と電極表面との接触抵抗が
低く、また高いエネルギー密度を有することのできる電
池の製造方法として、負極として、負極活物質と結着剤
を含む混合物を集電体上に成形することにより負極活物
質成形体を作製し、また、正極として、正極活物質と導
電助剤と結着剤を含む混合物を集電体上に成形すること
により正極活物質成形体を作製し、正極活物質成形体又
は負極活物質成形体上にキャスト法により上述の高分子
固体電解質を直接成膜し、両極を積層することを特徴と
する高分子固体電解質電池の製造方法を提供する。
【0023】以下、本発明を詳細に説明する。
【0024】本発明の高分子固体電解質電池は、両極間
に設ける高分子固体電解質として、特定の有機高分子と
金属塩からなるものを使用することを特徴としている。
ここで、この高分子固体電解質を構成する有機高分子と
しては、主鎖あるいは側鎖にカーボネート基を官能基と
して有する高分子の中から適宜選択して使用することが
できる。主鎖にカーボネート基を有する有機高分子とし
ては、例えば、次式(1)
【0025】
【化5】 (式中、R1 及びR2 は独立的に水素又は低級アルキル
であり、nは任意の整数である)で表される、ビニレン
カーボネート系モノマーの単独重合体であるポリビニレ
ンカーボネート(PVC)を使用することができる。こ
こで式(1)における置換基R1 及びR2 の低級アルキ
ルとしては、炭素数1〜3の低級アルキルが好ましい。
また低級アルキルは直鎖状でも分岐状でもよい。
【0026】式(1)の有機高分子の平均分子量は、重
合させたビニレンカーボネート系モノマーの種類により
異なるが、平均分子量が低すぎると固体とならず、成膜
性が低下してフィルム化しにくくなり、また高すぎても
溶媒に溶けにくくなってフィルム化しにくくなり、更に
可撓性や導電率も低下するので、好ましくは3×10
〜5×10の範囲とする。
【0027】また、本発明においては式(1)で表され
る有機高分子の物理的性質や化学的性質を更に改善させ
る目的で、例えば、高分子固体電解質の可撓性を更に改
善し、金属塩濃度を更に増加できるようにする目的で、
ビニレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマ
ーユニットを式(1)の有機高分子に導入することがで
きる。このような共重合体としては、例えば、式(2)
【0028】
【化6】 (式中、R1 及びR2 は独立的に水素又は低級アルキル
であり、m及びnは独立的に任意の整数であり、Xはビ
ニレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマー
からなるモノマーユニットである)で表される、ビニレ
ンカーボネート系モノマーとそれと共重合可能なモノマ
ーとの共重合体を使用することができる。ここで、式中
のXとしては、ビニル系モノマーユニットであることが
好ましい。このようなビニル系モノマーユニットを構成
するビニル系モノマーとしては、一種類のモノマーを使
用してもよいが、2種類以上のモノマーを併用してもよ
い。このようなビニル系モノマーの具体例としては、例
えば、CH=CHCOOH、CH=CHCOOM
(ここでMは金属イオンである)、CH=CHCOO
R(ここでRはアルキル基である)、CH=CHCO
O(CHCHO)CH(ここでnは1〜23の
整数である)などのアクリル系モノマー、CH=CC
COOH、CH=CCHCOOM(ここでMは
金属イオンである)、CH=CCHCOOR(ここ
でRはアルキル基である)、CH=CCHCOO
(CHCHO)CH(ここでnは1〜23の整
数である)などのメタクリル系モノマー、CH=C
[COO(CHCHO)CH(ここでnは
1〜23の整数である)、CH=CH(C)、
CH=CHCN、CH=CHCONH、ビニルピ
ロリドンなどを好ましく例示することができる。
【0029】式(2)の有機高分子は、有機高分子の物
理的及び化学的性質をコントロールするために、ビニレ
ンカーボネート系モノマーユニットに加えて一種以上の
他のモノマーユニットを含有させたものであるが、この
場合の物理的及び化学的性質のコントロール方法として
は、これらのモノマーユニットの構成比を変えることに
より各モノマーユニットの特性を所望の程度で発現させ
ればよい。例えば、ビニレンカーボネート系モノマーユ
ニット以外のモノマーとして、ポリエーテル構造を側鎖
として有するメタクリル系モノマーを含有させ、そのメ
タクリル系モノマーの含有率を増加させた場合には、有
機高分子の結晶性が低下し、逆に可撓性が増し、その結
果、高分子固体電解質に好ましい成膜性を付与すること
ができる。また、高分子固体電解質中に含有させること
のできる金属塩濃度、即ちキャリアイオン濃度を増大さ
せることができる。ただし、通常、式(2)の有機高分
子中に占めるビニレンカーボネート系モノマーユニット
の割合は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは
90モル%以上である。ビニレンカーボネート系モノマ
ーユニットの割合が50モル%を下回るとイオン導電性
が大きく低下し、また、有機溶剤に溶解しにくくなり、
成膜性が低下する。
【0030】式(1)又は式(2)の有機高分子のよう
に、主鎖にカーボネート基を官能基として有する有機高
分子は、ビニレンカーボネート系モノマーと、必要に応
じて他の一種以上のモノマーとを、常法、例えばラジカ
ル重合法や光重合法などにより重合させることにより容
易に得ることができる。
【0031】一方、本発明が使用する有機高分子のうち
側鎖にカーボネート基を有する有機高分子としては、例
えば、次式(3)
【0032】
【化7】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、jは0〜3の整数であ
り、kは任意の整数である)で表される、エチレンカー
ボネート系モノマーの単独重合体(ポリビニルエチレン
カーボネート:PVEC)を使用することができる。こ
こで、R1 、R2 及びR3 は、それぞれ水素又は置換も
しくは非置換のアルキル基とすることができるが、この
アルキル基としては、エーテル基、エステル基、カルボ
ニル基、カルボン酸基、水酸基等を有することができ
る。また、式(3)においてj=0とし、エチレンカー
ボネート基が直接主鎖に結合するようにしてもよく、あ
るいはj=1〜3とし、エチレンカーボネート基が低級
アルキルを介して主鎖に結合するようにしてもよい。
【0033】式(3)の有機高分子の平均分子量は、そ
のモノマーユニットの構造により異なるが、平均分子量
が低すぎると固体とならずに成膜性が低下し、また高す
ぎると溶媒に溶け難くなり、さらに柔軟性も低下するの
で、通常は5×10〜5×10の範囲内とすること
が好ましい。
【0034】式(3)の有機高分子の製造方法は常法に
よることができ、例えば、ビニルエエチレンカーボネー
トをラジカル重合法、光重合法等で重合させることによ
り容易に得ることができる。
【0035】本発明が使用する有機高分子のうち側鎖に
カーボネート基を有する有機高分子としては、上述の次
式(3)の有機高分子にその構成モノマーと共重合可能
な他のモノマーユニットを導入した共重合体も使用する
ことができる。
【0036】このような共重合体としては、例えば、次
式(4)
【0037】
【化8】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、jは0〜3の整数であ
り、k及びmは独立的に任意の整数であり、Xはエチレ
ンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーから
なるモノマーユニットである)で表される有機高分子を
使用することができる。
【0038】ここで、Xは、式(3)のエチレンカーボ
ネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットから
構成されるが、このようなモノマーユニットとしては前
述の式(2)の共重合体と同様の種々のビニル系モノマ
ーをあげることができる。また、各モノマーユニットの
構成比も式(2)の共重合体と同様に、所望の物理的及
び化学的性質にしたがい、各モノマーユニットの特性の
発現させるべき程度に応じて定める。例えばこの式
(4)の共重合体においても、エチレンカーボネート系
モノマーユニット以外のモノマーとして、ポリエーテル
構造を側鎖として有するメタクリル系モノマーを含有さ
せ、そのメタクリル系モノマーの含有率を増加させた場
合には、有機高分子の結晶性が低下し、逆に可撓性が増
し、その結果、高分子固体電解質に好ましい成膜性を付
与することができる。また、高分子固体電解質中に含有
させることのできる金属塩濃度、即ちキャリアイオン濃
度を増大させることができる。ただし、通常、式(4)
の共重合体の中に占めるエチレンカーボネート系モノマ
ーユニットの割合は、好ましくは50モル%以上、より
好ましくは90モル%以上とする。エチレンカーボネー
ト系モノマーユニットの割合が50モル%を下回るとイ
オン導電性が大きく低下し、また、有機溶剤に溶解しに
くくなり、成膜性が低下する。
【0039】式(4)の有機高分子の製造方法は常法に
よることができ、エチレンカーボネート系モノマーと、
その他のモノマーとを、例えばラジカル重合法や光重合
法などにより共重合させることにより容易に得ることが
できる。
【0040】本発明が使用する有機高分子のうち側鎖に
カーボネート基を有する有機高分子としては、例えば、
次式(5)
【0041】
【化9】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、kは任意の整数であ
る)で表される、側鎖のエステル構造の末端にエチレン
カーボネートがついているエチレンカーボネート系モノ
マーの単独重合体も使用することができる。また、この
ような有機高分子に共重合可能な他のモノマーユニット
を導入した共重合体である次式(6)
【0042】
【化10】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、k及びmは独立的に任
意の整数であり、Xはエチレンカーボネート系モノマー
と共重合可能なモノマーからなるモノマーユニットであ
る)の有機高分子も使用することができる。
【0043】この式(5)及び式(6)の有機高分子に
おいて、R1 、R2 及びR3 は、前述の式(3)の有機
高分子と同様に、それぞれ水素又は置換もしくは非置換
のアルキル基とすることができ、このアルキル基として
は、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボン
酸基、水酸基等を有することができる。また、式(6)
の有機高分子において、Xは、式(5)のエチレンカー
ボネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットか
ら構成されるが、このようなモノマーユニットとしては
前述の式(2)の共重合体と同様の種々のビニル系モノ
マーをあげることができる。また、各モノマーユニット
の構成比も式(2)の共重合体と同様に、所望の物理的
及び化学的性質にしたがい、各モノマーユニットの特性
の発現させるべき程度に応じて定める。例えばこの式
(6)の共重合体においても、エチレンカーボネート系
モノマーユニット以外のモノマーとして、ポリエーテル
構造を側鎖として有するメタクリル系モノマーを含有さ
せ、そのメタクリル系モノマーの含有率を増加させた場
合には、有機高分子の結晶性が低下し、逆に可撓性が増
し、その結果、高分子固体電解質に好ましい成膜性を付
与することができる。また、高分子固体電解質中に含有
させることのできる金属塩濃度、即ちキャリアイオン濃
度を増大させることができる。ただし、通常、式(6)
の共重合体の中に占めるエチレンカーボネート系モノマ
ーユニットの割合は、好ましくは50モル%以上、より
好ましくは90モル%以上とする。エチレンカーボネー
ト系モノマーユニットの割合が50モル%を下回るとイ
オン導電性が大きく低下し、また、有機溶剤に溶解しに
くくなり、成膜性が低下する。
【0044】式(5)及び式(6)の有機高分子の製造
方法は常法によることができ、例えば、エチレンカーボ
ネートメタクリレート(ECMA)等のエチレンカーボ
ネート系モノマー、あるいはそれと他のモノマーとをラ
ジカル重合法、光重合法等で重合させることにより容易
に得ることができる。
【0045】本発明が使用する有機高分子のうち側鎖に
カーボネート基を有する有機高分子としては、同一側鎖
中にカーボネート基とエーテル基とを有するものも使用
することができ、例えば、次式(7)
【0046】
【化11】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、R4 は直鎖状又は分岐
状のエーテル基であり、i及びkは独立的に任意の整数
である)で表される、側鎖のポリエーテル構造R4 の末
端にエチレンカーボネートがついているエチレンカーボ
ネート系モノマーの単独重合体も使用することができ
る。また、このような有機高分子に共重合可能な他のモ
ノマーユニットを導入した共重合体である次式(8)
【0047】
【化12】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、R4 は直鎖状又は分岐
状のエーテル基であり、i、k及びmは独立的に任意の
整数であり、Xはエチレンカーボネート系モノマーと共
重合可能なモノマーからなるモノマーユニットである)
の有機高分子も使用することができる。
【0048】この式(7)及び式(8)の有機高分子に
おいて、R1 、R2 及びR3 は、前述の式(3)の有機
高分子と同様に、それぞれ水素又は置換もしくは非置換
のアルキル基とすることができ、このアルキル基として
は、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボン
酸基、水酸基等を有することができる。
【0049】R4 は、−CHO−、−CHCH
−、−CHCHCHO−等の直鎖状エーテル基、
又は−CH(CH)O−、−CH(CH)CH
−、−CH(CH)CHCHO−等の分岐状エー
テル基のいずれとすることもできる。また、式(8)の
有機高分子において、Xは、式(7)のエチレンカーボ
ネート系モノマーと共重合可能なモノマーユニットから
構成されるが、このようなモノマーユニットとしては前
述の式(2)の共重合体と同様の種々のビニル系モノマ
ーをあげることができる。また、各モノマーユニットの
構成比も式(2)の共重合体と同様に、所望の物理的及
び化学的性質にしたがい、各モノマーユニットの特性の
発現させるべき程度に応じて定める。例えばこの式
(8)の共重合体においても、エチレンカーボネート系
モノマーユニット以外のモノマーとして、ポリエーテル
構造を側鎖として有するメタクリル系モノマーを含有さ
せ、そのメタクリル系モノマーの含有率を増加させた場
合には、有機高分子の結晶性が低下し、逆に可撓性が増
し、その結果、高分子固体電解質に好ましい成膜性を付
与することができる。また、高分子固体電解質中に含有
させることのできる金属塩濃度、即ちキャリアイオン濃
度を増大させることができる。ただし、通常、式(8)
の共重合体の中に占めるエチレンカーボネート系モノマ
ーユニットの割合は、好ましくは50モル%以上、より
好ましくは90モル%以上とする。エチレンカーボネー
ト系モノマーユニットの割合が50モル%を下回るとイ
オン導電性が大きく低下し、また、有機溶剤に溶解しに
くくなり、成膜性が低下する。
【0050】式(7)及び式(8)の有機高分子の製造
方法は常法によることができ、例えば、エチレンカーボ
ネートポリエチレングリコールメタクリレート(ECP
EMi )等のエチレンカーボネート系モノマー、あるい
はそれと他のモノマーとをラジカル重合法、光重合法等
で重合させることにより容易に得ることができる。
【0051】本発明が使用する有機高分子のうち、同一
側鎖中にカーボネート基とエーテル基とを有するものと
しては、例えば、次式(9)
【0052】
【化13】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、R4 は直鎖状又は分岐
状のエーテル基であり、g1 〜gx 、h1 〜hx、i1
〜ix 及びkは独立的に任意の整数である)で表され
る、エーテル構造とカーボネート構造とがそれぞれ任意
の繰り返し数で繰り返されたブロックが複数結合してい
る側鎖を有するエチレンカーボネート系モノマーの単独
重合体も使用することができる。この場合、この側鎖の
末端はエーテル構造でもカーボネート構造でもよい。
【0053】また、このような有機高分子に共重合可能
な他のモノマーユニットを導入した共重合体である次式
(10)
【0054】
【化14】 (式中、R1 、R2 及びR3 は独立的に水素又は置換も
しくは非置換のアルキルであり、R4 は直鎖状又は分岐
状のエーテル基であり、g1 〜gx 、h1 〜hx、i1
〜ix 、k及びmは独立的に任意の整数であり、Xはエ
チレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマー
からなるモノマーユニットである)の有機高分子も使用
することができる。
【0055】この式(9)及び式(10)の有機高分子
において、R1 、R2 及びR3 は、前述の式(3)の有
機高分子と同様に、それぞれ水素又は置換もしくは非置
換のアルキル基とすることができ、このアルキル基とし
ては、エーテル基、エステル基、カルボニル基、カルボ
ン酸基、水酸基等を有することができる。
【0056】R4 は、前述の式(7)または(8)の有
機高分子と同様に、−CHO−、−CHCH
−、−CHCHCHO−等の直鎖状エーテル基、
又は−CH(CH)O−、−CH(CH)CH
−、−CH(CH)CHCHO−等の分岐状エー
テル基のいずれとすることもできる。
【0057】また、式(10)の有機高分子において、
Xは、式(9)のエチレンカーボネート系モノマーと共
重合可能なモノマーユニットから構成されるが、このよ
うなモノマーユニットとしては前述の式(2)の共重合
体と同様の種々のビニル系モノマーをあげることができ
る。また、各モノマーユニットの構成比も式(2)の共
重合体と同様に、所望の物理的及び化学的性質にしたが
い、各モノマーユニットの特性の発現させるべき程度に
応じて定める。例えば、この式(10)の共重合体にお
いても、エチレンカーボネート系モノマーユニット以外
のモノマーとして、ポリエーテル構造を側鎖として有す
るメタクリル系モノマーを含有させ、そのメタクリル系
モノマーの含有率を増加させた場合には、有機高分子の
結晶性が低下し、逆に可撓性が増し、その結果、高分子
固体電解質に好ましい成膜性を付与することができる。
また、高分子固体電解質中に含有させることのできる金
属塩濃度、即ちキャリアイオン濃度を増大させることが
できる。ただし、通常、式(10)の共重合体の中に占
めるエチレンカーボネート系モノマーユニットの割合
は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは90モ
ル%以上とする。エチレンカーボネート系モノマーユニ
ットの割合が50モル%を下回るとイオン導電性が大き
く低下し、また、有機溶剤に溶解しにくくなり、成膜性
が低下する。
【0058】式(9)及び式(10)の有機高分子の製
造方法は常法によることができ、例えば、ポリエチレン
カーボネートポリエチレングリコールメタクリレート
(ECh PEMi )等のエチレンカーボネート系モノマ
ー、あるいはそれと他のモノマーとをラジカル重合法、
光重合法等で重合させることにより容易に得ることがで
きる。
【0059】また、本発明において使用する、カーボネ
ート基を官能基として有する有機高分子としては、上述
の式(1)〜式(10)の有機高分子を単独で用いるだ
けでなく、それと相溶性を有する他の高分子をブレンド
して得られるポリマーブレンドも使用することもでき
る。このような他の高分子としては、PEOや式(ii)
〜(iv)で表される高分子を使用することができる。ブ
レンドの割合としては、必要とする電導度などに応じて
適宜選択することができる。
【0060】一方、高分子固体電解質を構成する金属塩
としては、従来の高分子固体電解質に用いられているも
のを使用することが可能である。この場合、電池の電極
をリチウム系のもので構成する場合には、リチウム塩を
使用することが好ましい。リチウム塩としては、例え
ば、LiBr、LiCl、LiI、LiSCN、LiB
、LiAsF、LiClO、CHCOOL
i、CFCOOLi、LiCFSO、LiP
、LiN(CFSO、LiC(CFSO
などが挙げられる。また、これらのリチウム塩の
アニオンと、リチウム以外のアルカリ金属、例えばカリ
ウム、ナトリウムなどとの塩を使用することもできる。
この場合、塩としては複数の塩を同時に使用してもよ
い。
【0061】高分子固体電解質を構成する金属塩と有機
高分子との比率は、使用する金属塩や有機高分子の種類
などにより異なり、この比が低すぎると導電率が低下
し、高すぎると成膜性が低下する。
【0062】例えば、有機高分子として式(1)又は式
(2)のように直鎖にカーボネート基を有する有機高分
子を使用する場合、その有機高分子の全構成モノマー単
位(即ち、有機高分子中のカーボネート基)当たりの金
属塩の分子比(モル比)を、[金属塩分子]/[モノマ
ーユニット]で表した場合に、この値を0.02〜0.
8の範囲とすることが好ましい。また、式(3)のよう
に側鎖にカーボネート基を有する有機高分子を使用する
場合も、[金属塩分子]/[モノマーユニット]を0.
02〜0.8とすることが好ましい。式(3)の有機高
分子にその構成モノマーと共重合可能な他のモノマーユ
ニットを導入した式(4)の共重合体では[金属塩分
子]/[モノマーユニット]を0.02〜1.0とする
ことが好ましい。側鎖にカーボネート基を有する有機高
分子のうち、式(5)及び式(6)のようにエステル構
造の端部にエチレンカーボネート基を有するもの、式
(7)及び式(8)のようにポリエーテル構造の端部に
エチレンカーボネート基を有するものは、[金属塩分
子]/[モノマーユニット]を0.02〜0.8とする
ことが好ましく、式(9)及び式(10)のようにエー
テル構造とカーボネート構造が繰り返し結合している側
鎖を有するものも、[金属塩分子]/[エチレンカーボ
ネート基]を0.02〜0.8とすることが好ましい。
【0063】本発明の高分子固体電解質電池において
は、以上のような高分子固体電解質を使用する。この場
合、高分子固体電解質は、従来の高分子固体電解質電池
と同様に、正極と負極との間に膜の形態で設けることが
好ましい。高分子固体電解質の膜厚としては、厚くする
と電池の内部抵抗が大きくなるので薄い方が好ましい
が、薄くしすぎると高分子固体電解質電池の作製時、又
は電極に体積変化が生じる電池の充放電反応時に、正極
と負極とが接触する内部短絡が生じやすくなるので、通
常20〜200μmとすることが好ましい。
【0064】両極間に高分子固体電解質を膜の形態で設
ける方法としては、キャスト溶媒に上述のような有機高
分子と金属塩とを溶解し、その溶液を平坦な基板に広
げ、溶媒を蒸発させることによりフィルムを得るという
キャスト法を用いて、予め高分子固体電解質を膜状に形
成し、成膜した高分子固体電解質を両極間に配してもよ
く、あるいは同様のキャスト法により正極又は負極上に
高分子固体電解質を直接成膜してもよい。電極上に直接
成膜する方が、高分子固体電解質と電極との実質的な接
触面積を大きくすることができ、それにより電池の内部
抵抗を低下させることができるので好ましい。
【0065】高分子固体電解質をキャスト法により成膜
するに際し、使用するキャスト溶媒としては、種々の極
性溶媒、例えばプロピレンカーボネート、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒドロフラ
ン、ジメチルスルホキシド、1−メチル−2−ピロリド
ンなどを使用することができるが、中でも、プロピレン
カーボネートが、成膜後に高分子固体電解質に残存して
も高分子固体電解質の特性に悪影響を及ぼさないので好
ましい。
【0066】また、高分子固体電解質を両極間に設ける
に際し、その高分子固体電解質と共に多孔性絶縁性構造
材を設けてもよい。これにより、両極間に設ける高分子
固体電解質の厚さを極めて薄くすることができ、電池の
内部抵抗を大きく低減させることが可能となる。すなわ
ち、電池の内部抵抗を低減させるためには、両極間に設
ける高分子固体電解質の厚みをできる限り薄くし、高分
子固体電解質内のイオン導電による電気抵抗を減少させ
るという手法が考えられるが、単に高分子固体電解質を
薄く形成すると、前述のように高分子固体電解質電池の
作製時、又は電極の体積変化が生じる電池の充放電反応
時等に、正極と負極とが接触する内部短絡が起こりやす
くなる。そのため、高分子固体電解質を薄く形成するに
は限界がある。そこで、高分子固体電解質と共に多孔性
絶縁性構造材を設け、それにより内部短絡を防止し、高
分子固体電解質をより薄く形成することを可能とする。
【0067】より具体的には、例えば、多孔性絶縁性構
造材として、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔性
合成樹脂フィルム、ポリプロピレン、テフロン等の有機
材料からなる織布もしくは不織布、ガラス繊維、無機材
料からなる織布もしくは不織布等を使用し、これらを高
分子固体電解質で覆う。
【0068】この場合、多孔性絶縁性構造材の空孔率と
しては、大きすぎると内部短絡の原因となり、膜強度も
不十分となる。一方、小さすぎると内部抵抗が増大す
る。したがって、通常20〜70%とすることが好まし
い。また、この多孔性絶縁性構造材の厚みは、厚すぎる
と内部抵抗が増大し、薄すぎると内部短絡の原因とな
り、膜強度も不十分となるので、通常15〜50μmと
することが好ましい。
【0069】また、多孔性絶縁性構造材の表面は、予め
コロナ放電処理、プラズマ放電処理、その他界面活性剤
を用いた湿式処理等により、その疎水性が低減するよう
に改質しておくことが好ましい。これにより多孔性絶縁
性構造材の濡れ性が向上し、その表面に均一に高分子固
体電解質膜が形成されるようになり、また空孔内部にも
高分子固体電解質が入り込む。したがって、多孔性絶縁
性構造材を使用したことによる電池の内部抵抗の増加を
極力抑制することが可能となる。
【0070】また、多孔性絶縁性構造材を高分子固体電
解質で覆った被覆物を両極間に設けるに際し、この被覆
物の大きさは、正極又は負極より大きくすることが好ま
しい。電極と同等あるいはそれ以下の大きさとすると、
荷重又は変形により電極の周辺部において内部短絡が起
こる可能性が残るので好ましくない。
【0071】本発明の高分子固体電解質電池は、正極や
負極の構成については特に制限はない。
【0072】例えば、本発明の電池をリチウム一次電池
として構成する場合、正極には、正極活物質としてMn
、黒鉛等を使用することができる。また、本発明の
電池をリチウム二次電池として構成する場合には、正極
活物質として、例えば、MnO等のマンガン酸化物、
MoS、TiS、V等の遷移金属カルコゲン
化合物、V、V13等のバナジウム酸化物、
LiMO(xは、充放電状態によって異なり、通常
0.05≦x≦1.10である。また、Mは遷移金属を
表す。)等の遷移金属リチウム複合酸化物、ポリアニリ
ン等の有機ポリマーを使用することができる。
【0073】また、上述のような正極活物質を用いて正
極を形成する方法としては、例えば正極活物質と導電助
剤としてカーボンブラック等の導電性粉末とを混合し、
さらに必要に応じて結着剤を加え、その混合物を混練
し、所定の厚みのペレット又はシートに成形し、ステン
レス、ニッケル、アルミニウム等の金属箔又は金属メッ
シュからなる集電体に着設することにより正極を形成す
ることができる。
【0074】ここで、結着剤としてはポリビニリデンフ
ルオライド等の従来より使用されているものを使用して
もよいが、前述の高分子固体電解質を使用することが好
ましい。これにより、高分子固体電解質と電極との界面
でのイオンの伝授が速やかになり、さらに電極表面から
深部に至る正極活物質にまでリチウムイオンが容易に到
達するようになり、電池の内部抵抗が低下するので好ま
しい。この場合、正極活物質と結着剤としての高分子固
体電解質との混合比は特に制限はないが、電極内の電子
伝導性、電極の成形性、電池容量の点から、通常、重量
比で0.02〜0.3が好ましい。また、正極活物質と
導電助剤としてのカーボンブラックとの混合比も特に制
限はないが、電極内の電子導電性、電池容量の点から、
通常、重量比で0.02〜0.5が好ましい。
【0075】また、このように結着剤として高分子固体
電解質を使用して正極を形成した場合には、両極間に設
ける高分子固体電解質の形成方法としては、前述のよう
に、この正極上にキャスト法により高分子固体電解質膜
を直接成膜することが特に好ましい。これにより正極と
高分子固体電解質膜とを、相分離のない均一な状態で確
実に接着させることが可能となる。よって、電池の内部
抵抗が顕著に低減し、電池から大電流を取り出すことが
可能となる。
【0076】一方、負極には、本発明の電池をリチウム
一次電池あるいは二次電池として構成する場合、負極活
物質としてリチウム、リチウム合金等を使用することが
できる。その場合、負極は、これらの負極活物質をシー
ト状に加工することにより形成できる。あるいはこれら
の負極活物質を、ニッケル、ステンレス、銅箔等の集電
体上に圧着してシート状としてもよい。その場合、負極
活物質の厚さは、通常50μm以下程度とする。また、
負極活物質の薄膜を、ニッケル、ステンレス、銅箔等の
集電体上に真空蒸着法、スパッタ法等で形成してもよ
い。
【0077】また、負極活物質としては、正極活物質と
してLiMO(xは、充放電状態によって異なり、
通常0.05≦x≦1.10である。また、Mは遷移金
属を表す。)等の遷移金属リチウム複合酸化物を使用し
た場合には、難黒鉛化カーボン等の炭素材料を使用する
こともできる。
【0078】このような炭素材料を負極活物質の主体と
して負極を形成する方法としては、負極活物質に必要に
応じて結着剤を加え、その混合物を混練し、所定の厚み
のペレット又はシートに成形し、ステンレス、ニッケ
ル、銅等の金属箔又は金属メッシュからなる集電体に着
設することにより負極を形成することができる。
【0079】ここで、結着剤としてはポリビニリデンフ
ルオライド等の従来より使用されているものを使用して
もよいが、正極の形成に際して結着剤を使用する場合と
同様に、前述の高分子固体電解質を使用することが好ま
しい。これにより、電極表面から深部に至る正極活物質
にまでリチウムイオンが容易に到達するようになり、電
池の内部抵抗が低下するので好ましい。この場合、負極
活物質と結着剤としての高分子固体電解質との混合比は
特に制限はないが、電子伝導性の点から、通常、重量比
で0.02〜0.3が好ましい。
【0080】以上のような正極、負極を用いて本発明の
電池を作製する方法としては、例えば、まず、前述のよ
うに、正極活物質と導電助剤と結着剤として高分子固体
電解質とを含む混合物を、アルミニウム箔からなる集電
体に塗布し、乾燥させて正極を形成しておく。一方、前
述の有機高分子と金属塩とを所定の比率でキャスト溶媒
に溶解させてキャスト溶液を形成しておく。そして、そ
のキャスト溶液を正極上に直接塗布し、脱溶媒して高分
子固体電解質膜を成膜する。また、負極活物質を銅箔上
にシート状に成形することにより負極を形成する。そし
てアルゴン等の不活性ガス雰囲気中又は乾燥空気中で、
シート状の負極にキャスト溶液を塗布し、その塗布面
を、正極上に成膜した高分子固体電解質膜と合わせ、両
者を積層する。その後、再度脱溶媒し、この積層物を外
装材を用いて密封し、高分子固体電解質電池とする。こ
のように電池を作製するに際して、正極と高分子固体電
解質膜と負極との積層物をさらに繰り返し積層して電池
としてもよい。
【0081】また、両極間に高分子固体電解質と共に多
孔性絶縁性構造材を設けた電池を作製する場合には、上
述のように正極上にキャスト溶液を直接塗布した後、そ
こにその正極よりも大きい多孔性合成樹脂フィルム等の
多孔性絶縁性構造材を載置し、必要に応じてさらにその
上にキャスト溶液を塗布し、これを減圧下で加熱して脱
溶媒する。この後は、上述と同様にして負極を積層し、
電池を作製する。
【0082】なお、上記の例では正極上に高分子固体電
解質膜を直接成膜して電池を作製する方法を説明した
が、負極上に同様に高分子固体電解質膜を直接成膜して
電池を作製してもよい。ただし、負極に反応性の高いリ
チウム金属を使用する場合には、高分子固体電解質の成
膜中に腐食などによる電極の劣化が生じる可能性がある
ので、高分子固体電解質膜は正極上に成膜することが好
ましい。
【0083】本発明の高分子固体電解質電池は、電池形
状については特に制限はなく、フィルム状、コイン型、
筒型等の種々の形状に形成することができる。
【0084】
【作用】本発明の高分子固体電解質電池は、両極間に設
ける高分子固体電解質として、カーボネート基を官能基
として有する有機高分子と金属塩からなる高分子固体電
解質を使用する。この高分子固体電解質は、キャリアイ
オンとなる金属塩を高濃度で含有することができ、高い
イオン導電性を有する。また、低温状態でも結晶化しに
くく、無定形状態が保持され、高分子のセグメント運動
が十分に確保されるので、高いイオン導電性が保持され
る。また、成膜性や可撓性も良好である。
【0085】従って、本発明の高分子固体電解質電池
は、内部抵抗の低い、高エネルギー密度の電池となる。
【0086】特に、正極又は負極の形成に際して、結着
剤として、両極間に設ける高分子固体電解質膜と同様の
高分子固体電解質を使用すると、電極の表面から深部に
至るまで、イオン導電性を向上させることができ、電池
の内部抵抗を一層低下させることができる。さらに、こ
のように形成した電極上に、キャスト法により高分子固
体電解質を直接成膜して電池を作製すると、電極と高分
子固体電解質膜とが確実に接触し、接触抵抗が著しく低
下する。したがって、より一層内部抵抗の低い、高エネ
ルギー密度の電池を得ることが可能となる。
【0087】また、本発明の電池において、両極間に、
高分子固体電解質と共に多孔性絶縁性構造材を設ける
と、高分子固体電解質を薄くすることができ、これによ
っても電池の内部抵抗を低下させることが可能となる。
この場合、この多孔性絶縁性構造材の表面の疎水性が低
下するように、コロナ放電処理又はプラズマ放電処理等
で表面改質すると、多孔性絶縁性構造材の表面に均一に
高分子固体電解質の膜が形成され、さらに多孔性絶縁性
構造材の空孔内部にも高分子固体電解質が入り込むの
で、多孔性絶縁性構造材を使用することによる内部抵抗
の増加を抑制することができる。
【0088】
【実施例】以下、この発明を実施例に基づいて具体的に
説明する。
【0089】実施例1 (有機高分子の合成)約20ml用の封管用ガラス性ア
ンプル中に、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)で
還留処理することにより精製したビニレンカーボネート
(VC)10mlと、アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)4mgとを加えた。このアンプルを窒素置換装
置につなぎ、内容物をドライアイス−メタノール浴で冷
却固化した後、高真空下で脱気、窒素導入、融解の操作
を3回繰り返し、最後に高真空下で封管した。
【0090】このアンプルを60℃に設定した振盪式恒
温槽中で24時間重合反応させた。この重合反応の間、
反応液の粘度は増加し全体が固化した。
【0091】反応物を室温まで冷却後、アンプルを開封
し、得られた固形物をジメチルホルムアミド(DMF)
に溶解させ、その溶液を5倍量のメタノール中に撹拌し
ながら注ぎ入れた。これにより、白色の繊維状の固体が
得られた。この固体を濾別し、メタノールで十分に洗浄
した。得られた白色の固体をDMF−メタノール混合溶
媒を用いて再沈操作を2〜3回繰り返し行うことにより
精製し、生成ポリマーを減圧下において乾燥させた。そ
の結果、約40%の収率で所期の有機高分子を得た。
【0092】この有機高分子はCDCl中でH−N
MRによりポリビニレンカーボネートであることが同定
できた。また、この有機高分子の平均分子量は、ゲルパ
ーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測
定したところ、3×10〜5×10程度であった。
【0093】(高分子固体電解質溶液の調製)上記で得
られた有機高分子を、十分に脱水したDMF中に添加
し、十分に撹拌して均一な溶液とし、さらに撹拌しなが
らLiClOを有機高分子の全構成モノマーに対し
て、[Li]/[VC ユニット]=0.5となるよ
うに加え、更に完全に溶解するまでしばらく撹拌を続け
た。その後、孔径0.45μmのフィルターを通過させ
て不溶物を除去し、高分子固体電解質溶液を得た。
【0094】(電極の作製) i) 正極活物質として、LiCoOを使用して次の
ように正極を作製した。まず、LiCoOをアルゴン
雰囲気中にて300℃で3時間加熱して含水分を除去し
た。乾燥後、LiCoO、カーボンブラック(導電助
材)及び上記の高分子固体電解質(結着剤)が重量比で
85:10:5となるように調製し、これを少量のDM
Fを用いて混練し、アルミニウム箔(厚さ20μm)上
に均一に塗布し、脱溶媒させた。さらにこれを加圧成形
し、真空加熱下で十分に脱溶媒し、厚さ約50μmの正
極を作製した。得られた正極の単位面積当たりのLiC
oOの重量は16mg/cmであった。
【0095】なお、ポリビニリデンフルオライド(結着
剤)と上記のLiCoOを使用して同様の手法により
電極を作製し、この電極と、非水電解液として1M−L
iPF/(PC:DMC=1:1)を使用し、リチウ
ム金属を対極とするコイン型リチウム金属電池を作製し
た。そして、この電池を23℃定温下250μA/cm
で充放電させたことろ、この正極活物質LiCoO
の単位重量当たりの容量は150mAh/gであること
がわかった。 ii) 負極活物質として難黒鉛化炭素を使用して次のよ
うに負極を作製した。まず、炭素をアルゴン雰囲気中に
て600℃で3時間加熱して含水分を除去した。乾燥
後、難黒鉛化炭素及び上記の高分子固体電解質(結着
剤)を重量比で90:10となるように少量のDMFを
用いて混練し、銅箔(厚さ20μm)上に均一に塗布
し、脱溶媒させた。さらにこれを加圧成形し、真空加熱
下で十分に脱溶媒し、厚さ約50μmの負極を作製し
た。得られた負極の単位面積当たりの難黒鉛化炭素の重
量は7.6mg/cmであった。
【0096】なお、ポリビニリデンフルオライド(結着
剤)と上記の難黒鉛化炭素を使用して同様の手法により
電極を作製し、この電極と、非水電解液として1M−L
iPF/(PC:DMC=1:1)を使用し、リチウ
ム金属を対極とするコイン型リチウム金属電池を作製し
た。そして、この電池を23℃定温下250μA/cm
で充放電させたことろ、この負極活物質の単位重量当
たりの容量は300mAh/gであることがわかった。
【0097】(高分子固体電解質電池の作製)上記の正
極、負極及び高分子電解質溶液を用いて、図1に示した
フィルム状の電池を次のように作製した。なお、図1
(a)はこのフィルム状電池の部分切り欠き斜視図であ
り、図1(b)は断面図である。
【0098】まず、正極集電体(アルミニウム箔)1と
正極活物質2からなる正極3に上記の高分子固体電解質
溶液(濃度30%)を塗布し、これを真空加熱下で脱溶
媒し、正極上に厚さ約150μmの高分子固体電解質フ
ィルム4を成膜した。さらに、この高分子固体電解質フ
ィルム4の上に少量の高分子固体電解質溶液を塗布し、
その上に、負極集電体(銅箔)5と負極活物質6からな
る負極7の当該負極活物質の面を合わせ、両極を積層し
た。そして脱溶媒し、高分子固体電解質電池の単位構造
(電極4cm×4.5cm)を作製した。
【0099】得られた電池の単位構造を防水、気密性シ
ール材8で包み、真空下、ヒーター・ローラープレスに
よりパッケージングし、密閉した。そして外部電極端子
9a、9bを設け、フィルム状の電池を作製した。
【0100】実施例2〜4 表1に示した正極活物質又は負極活物質を使用して電極
を形成し、また、高分子固体電解質を構成する金属塩と
して表1に示したリチウム塩を使用する以外は実施例1
と同様にして高分子固体電解質電池を作製した。
【0101】
【表1】 実施例5 実施例2の電池において、正極及び負極の結着剤とし
て、高分子固体電解質(ポリビニレンカーボネート)に
代えてポリビニリデンフルオライドを使用する以外は実
施例2と同様に有機高分子固体電解質電池を作製した。
【0102】実施例6 実施例1の電池の作製において、正極上に厚さ約150
μmの高分子固体電解質フィルム4を成膜することに代
えて、まず、正極上に高分子固体電解質溶液を塗布し、
次いでその上に多孔性絶縁性構造材としてポリエチレン
フィルム(空孔率45%、膜厚40μm、4.5cm×
5.0cm)を載置し、これを真空加熱下で脱溶媒させ
ることにより、多孔性絶縁性構造材を内包する高分子固
体電解質フィルム(厚さ約120μm)を形成する以外
は実施例1と同様にフィルム状の電池を作製した。
【0103】図2はこうして得られた電池の部分切り欠
き斜視図(同図(a))と断面図(同図(b))であ
る。なお、図2において、図1と同一符号は同一又は同
等の構成要素を表しており、符号10が多孔性絶縁性構
造材である。
【0104】実施例7 表2に示したように、負極活物質としてリチウム金属を
使用する以外は実施例6と同様にしてフィルム状の電池
を作製した。
【0105】
【表2】 参考例1〜4 多孔性絶縁性構造材のコロナ放電処理と濡れ性との関係
を次のようにして調べた。
【0106】多孔性絶縁性構造材として多孔性ポリエチ
レンフィルム(空孔率40%、膜厚10μm)を使用
し、この多孔性ポリエチレンフィルムに対し、表3に示
す照射量で大気コロナ放電処理(周波数30kHz、電
極間隔3mm)を行った。そして処理後の多孔性ポリエ
チレンフィルムの濡れ性を臨界表面張力を測定すること
により評価した。
【0107】臨界表面張力の測定方法としては、数種の
エチレングリコール系の濡れ試験標準試薬を多孔性ポリ
エチレンフィルムの表面に滴下し、その液滴の表面に対
する角度を測定し、その余弦を各標準試薬の表面張力に
対してプロットし、得られたプロットを直線近似する。
そしてこの直線において余弦の値が1となる点、すなわ
ち滴下した液体の濡れ性が無限大となるときの表面張力
を求め、臨界表面張力とした。この結果を表3に示す。
【0108】
【表3】 表3から、コロナ放電処理をした多孔性ポリエチレンフ
ィルムは、未処理のものに対して濡れ性が向上している
こと、またコロナ放電処理による濡れ性の向上の程度
は、照射量がある程度以上で飽和することがわかる。
【0109】参考例5〜7 多孔性絶縁性構造材を内包した高分子固体電解質フィル
ムについて、多孔性絶縁性構造材のコロナ放電処理の有
無と高分子固体電解質フィルムの導電率との関係を次の
ようにして調べた。
【0110】参考例1のコロナ放電処理をした多孔性ポ
リエチレンフィルムの片面に実施例1で調製した高分子
固体電解質溶液を塗布し、真空加熱して溶剤を除去し、
高分子固体電解質フィルムを成膜した。その後、この多
孔性ポリエチレンフィルムのもう一方の面にも同様に高
分子固体電解質フィルムを成膜し、表4に示す膜厚のフ
ィルムを作製した(参考例5)。
【0111】また、同様に、コロナ放電処理をしない多
孔性ポリエチレンフィルムを使用して表4に示す膜厚の
フィルムを作製した(参考例6)。なおこの場合、多孔
性ポリエチレンフィルム上で高分子固体電解質溶液がは
じかれて均一に塗布することが困難であり、フィルムを
厚さ300μm以下に形成することは困難であった。
【0112】また、比較のため、多孔性ポリエチレンフ
ィルムを内包しない高分子固体電解質フィルムも作製し
た(参考例7)。
【0113】そして、得られた各フィルムの導電率を次
のようにして求めた。まずフィルムを白金電極板ではさ
み、白金/フィルム/白金におけるそれぞれの接触が十
分に保たれるように圧着した。次に定電圧複素インピー
ダンス法(交流振幅電圧30〜100mV、交流周波数
10−2〜10Hz)により得られた半円弧部から導
電率を解析的に算出した。この結果を表4に示す。
【0114】
【表4】 表4から、多孔性絶縁性構造材(多孔性ポリエチレンフ
ィルム)を内包しない参考例7のフィルムが、最も導電
率が高いことがわかる。これは、このフィルムが全体と
して均質な構造を有しているためと考えられる。また、
多孔性絶縁性構造材として、コロナ処理済み多孔性ポリ
エチレンフィルムを内包した参考例5のフィルムは、参
考例7のフィルムよりは導電率が低いが、コロナ処理を
していない多孔性ポリエチレンフィルムを内包した参考
例5のフィルムよりも著しく導電率が高く、また、機械
的強度を低下させることなく参考例7のフィルムよりも
薄く形成できるので、高密度電池を形成する材料として
有利であることがわかる。
【0115】実施例8 実施例6の電池の作製において、多孔性多孔性絶縁性構
造材として、参考例1のコロナ放電処理をした多孔性ポ
リエチレンフィルムを使用する以外は実施例6と同様に
してフィルム状の電池を作製した。
【0116】実施例9 表5に示したように、負極活物質としてリチウム金属を
使用する以外は実施例8と同様にしてフィルム状の電池
を作製した。
【0117】
【表5】 比較例1 実施例1の電池において、高分子固体電解質を構成する
有機高分子として、ポリビニレンカーボネートに代えて
ポリエチレンオキサイドを使用し、また高分子固体電解
質における金属塩(LiClO)の濃度が[Li
/[EO ユニット]=0.02となるように高分子電
解質溶液を調製した。そして、この高分子電解質溶液を
正極及び負極の結着剤として使用し、またこの高分子電
解質溶液を用いて正極上に高分子電解質フィルムを形成
する以外は実施例1と同様に有機高分子固体電解質電池
を作製した。 (i) 高分子固体電解質電池の充放電特性の評価 実施例1〜9で得られた電池を定電流充電(50μA/
cm)し、電池電圧が4.2Vに達した後、定電圧充
電(4.2V)した。この場合、充電時間は、負極活物
質容量300mAg/gに対して、30%過剰容量が充
電される時間とした。充電終了後、30分間休止時間を
おき、その後、電池電圧が2.5Vになるまで定電流放
電(50μA/cm)し、放電終了後、30分間休止
時間をおいた。この充電−放電を1サイクルとし、充放
電を繰り返し行い、各サイクルごとのカーボン1g当た
りの電池容量(負極換算容量mAh/g)と充放電効率
(充電容量に対する放電容量の割合)(%)を求めた。
なお、この充放電サイクルは23℃の恒温条件下で行っ
た。ただし、負極にリチウム金属を使用した実施例3及
び実施例4では、電池容量として、正極活物質1g当り
の電池容量を求めた。また、充電時間は、正極活物質容
量150mAh/gに対して、10%過剰容量が充電さ
れる時間とした。
【0118】これらの結果を実施例1及び2について図
3に示し、実施例3及び4について図4に示す。また、
実施例2及び実施例5について、充放電時の時間と電圧
との関係を図5に示した。
【0119】比較例1の電池は、各実施例の電池と同様
に50μAの定電流で充放電させようとしても、充電開
始直後に上限の電池電圧4.2Vに達して電流が流れな
くなり、ほとんど充電できなかった。また、充電時の電
流値を10μAとすると若干充電することができたが、
放電はほとんどできなかった。これは、有機高分子とし
てポリエチレンオキサイドを使用した高分子固体電解質
では、リチウムイオンの導電性が低く、電池の内部抵抗
が非常に大きくなるためと考えられる。したがって、本
発明が使用する高分子固体電解質を使用することが有利
であることがわかる。
【0120】図5から、実施例2と実施例5の電池は同
じ電流密度で定電流充電しているにもかかわらず、実施
例2の電池の方が遅く上限の電池電圧4.2Vに達し、
実施例5の電池に比べて充電容量が大きいことがわか
る。同様に、放電容量についても、実施例2の電池の方
が実施例5の電池よりも大きいことがわかる。
【0121】また、実施例5の電池には充電終了後の休
止時間に電圧の低下が見られ、放電開始直後の電圧低下
の程度が大きいが、実施例2の電池にはこのような現象
はみられない。これは、実施例2の電池は実施例5の電
池に比べて高分子固体電解質と電極との界面抵抗及び電
極内における電極反応抵抗が低いことに起因すると思わ
れる。したがって、両極間に設ける高分子電解質フィル
ムだけでなく両極の結着剤としても本発明が使用する高
分子固体電解質を使用することが有利であることがわか
る。
【0122】なお、図3から、負極活物質として難黒鉛
化炭素を使用した実施例1及び実施例2の電池は、サイ
クル1回目の充放電効率が2回目以降に比べて著しく低
いことがわかるが、これは初期充電時に負極にドープさ
れたリチウムイオンの一部が負極内部に取り込まれてし
まい、可逆的にドープ、脱ドープできるリチウムイオン
が減少するためと考えられる。
【0123】また、内部に多孔性絶縁性構造材を有する
実施例6〜9の電池は、このような充放電特性の測定に
おいて、それぞれ多孔性絶縁性構造材を有さない対応す
る電池とほぼ同様の結果であった。
【0124】さらに、実施例6及び実施例8について
は、充電を定電流50μA/cmと上限電圧4.2V
での定電圧充電との合計60時間行い、その後休止し、
放電を定電流50μA/cmで行った。そして、この
ときの時間と電圧との関係を求めた。この結果を図6に
示す。
【0125】図6から、実施例6の電池は定電流及び定
電圧で充電後、休止状態にすると電池電圧が低下し、放
電開始直後の電圧低下の程度が実施例8に比べて大きい
ことがわかる。また、実施例8の電池は、実施例6の電
池に比べて充電容量及び放電容量共に10〜20%大き
いことがわかる。これらは、実施例6の電池が実施例8
の電池に比べて電池内部抵抗が大きいことに起因すると
思われる。したがって、高分子電解質フィルムと共に多
孔性絶縁性フィルムを使用する場合、その多孔性絶縁性
フィルムはコロナ放電処理しておくことが有利であるこ
とがわかる。
【0126】(ii)電池の内部短絡の発生率 実施例1〜7の電池の内部短絡の発生率をそれぞれ求め
た。その結果、両極間の高分子固体電解質フィルムに絶
縁性多孔性構造材を内包させた実施例6及び実施例7の
電池は、両極間の厚さ(120μm)が絶縁性多孔性構
造材を使用しない実施例1〜5の電池の両極間の厚さ
(150μm)より薄いにもかかわらず、内部短絡の発
生率は0%であった。
【0127】(iii) 電池の内部抵抗 実施例6及び実施例8の電池について、初期充電を行う
前に電池の内部抵抗を測定した。この場合、内部抵抗の
測定方法としては、交流インピーダンス装置を用い、交
流振幅電圧30〜100mV、交流周波数1kHzで得
られた抵抗値を電池内部抵抗とした。この結果を表6に
示す。
【0128】
【表6】 表6から、多孔性絶縁材構造材として、コロナ放電処理
をした多孔性ポリエチレンフィルムを用いた実施例8の
電池の方が、コロナ放電処理をしていない同様のフィル
ムを用いた実施例6の電池に対して電池内部抵抗が低い
ことがわかる。したがって、多孔性絶縁材構造材を使用
して電池を構成する場合に、予めその多孔性絶縁性構造
材にコロナ放電処理をしておくことが有利であることが
わかる。
【0129】
【発明の効果】本発明によれば、内部抵抗が低く、高い
エネルギー密度を有する高分子固体電解質電池を得るこ
とが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の電池の部分切り欠き斜視図及び断面図
である。
【図2】実施例の電池の部分切り欠き斜視図及び断面図
である。
【図3】実施例の電池の充放電サイクル特性図である。
【図4】実施例の電池の充放電サイクル特性図である。
【図5】実施例の電池の充放電時間と電池電圧との関係
図である。
【図6】実施例の電池の充放電時間と電池電圧との関係
図である。
【符号の説明】
1 正極集電体 2 正極活物質 3 正極 4 高分子固体電解質フィルム 5 負極集電体 6 負極活物質 7 負極 8 シール材 9a、9b 外部電極端子 10 多孔性絶縁性構造材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 浩一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソ ニー株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−190208(JP,A) 特開 平5−325934(JP,A) 特開 平2−295070(JP,A) 特開 平3−177410(JP,A) 特開 平5−290883(JP,A) 特開 平1−221440(JP,A) 特開 平2−132757(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 6/18 H01M 4/00 - 4/62

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極及び両極間に設けられた高分
    子固体電解質からなる高分子固体電解質電池において、
    高分子固体電解質がカーボネート基を官能基として有す
    る有機高分子と金属塩とを含有してなり、該有機高分子
    が、式(3) 【化1】 (式中、R 1 、R 2 及びR 3 は独立的に水素又は置換も
    しくは非置換のアルキルであり、jは0〜3の整数であ
    り、kは任意の整数である。)で表される、ビニレンカ
    ーボネート系モノマーの単独重合体であることを特徴と
    する高分子固体電解質電池。
  2. 【請求項2】 正極、負極及び両極間に設けられた高分
    子固体電解質からなる高分子固体電解質電池において、
    高分子固体電解質がカーボネート基を官能基として有す
    る有機高分子と金属塩とを含有してなり、該有機高分子
    が、式(4) 【化2】 (式中、R 1 、R 2 及びR 3 は独立的に水素又は置換も
    しくは非置換のアルキルであり、jは0〜3の整数であ
    り、k及びmは独立的に任意の整数であり、Xはビニレ
    ンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマーから
    なるモノマーユニットである。)で表される、ビニレン
    カーボネート系モノマーとそれと共重合可能なモノマー
    との共重合体であることを特徴とする高分子固体電解質
    電池。
  3. 【請求項3】 正極、負極及び両極間に設けられた高分
    子固体電解質からなる高分子固体電解質電池において、
    高分子固体電解質がカーボネート基を官能基として有す
    る有機高分子と金属塩とを含有してなり、該有機高分子
    が、式(9) 【化3】 (式中、R 1 、R 2 及びR 3 は独立的に水素又は置換も
    しくは非置換のアルキルであり、R4 は直鎖状又は分岐
    状のエーテル基であり、g1 〜gx 、h1 〜hx、i1
    〜ix 及びkは独立的に任意の整数である)で表され
    る、エーテル構造とカーボネート構造とがそれぞれ任意
    の繰り返し数で繰り返されたブロックが複数結合してい
    る側鎖を有するビニレンカーボネート系モノマーの単独
    重合体であることを特徴とする高分子固体電解質電池。
  4. 【請求項4】 正極、負極及び両極間に設けられた高分
    子固体電解質からなる高分子固体電解質電池において、
    高分子固体電解質がカーボネート基を官能基として有す
    る有機高分子と金属塩とを含有してなり、該有機高分子
    が、式(10) 【化4】 (式中、R 1 、R 2 及びR 3 は独立的に水素又は置換も
    しくは非置換のアルキルであり、R 4 は直鎖状又は分岐
    状のエーテル基であり、g1 〜gx 、h1 〜hx、i1
    〜ix 、k及びmは独立的に任意の整数であり、Xはビ
    ニレンカーボネート系モノマーと共重合可能なモノマー
    からなるモノマーユニットである。)で表される、エー
    テル構造とカーボネート構造とがそれぞれ任意の繰り返
    し数で繰り返されたブロックが複数結合している側鎖を
    有するビニレンカーボネート系モノマーとそれと共重合
    可能なモノマーとの共重合体であることを特徴とする
    分子固体電解質電池。
  5. 【請求項5】 負極が、負極活物質として、リチウム金
    属、リチウム合金又は炭素材料を含む請求項1〜4のい
    ずれかに記載の高分子固体電解質電池。
  6. 【請求項6】 負極が、負極活物質と結着剤を含む混合
    物を集電体上に成形した負極活物質成形体からなり、該
    結着剤が、両極間に設けられている高分子固体電解質と
    同様の高分子固体電解質からなる請求項1〜4のいずれ
    かに記載の高分子固体電解質電池。
  7. 【請求項7】 正極が、正極活物質と導電助剤と結着剤
    を含む混合物を集電体上に成形した正極活物質成形体か
    らなり、該結着剤が、両極間に設けられている高分子固
    体電解質と同様の高分子固体電解質からなる請求項1〜
    4のいずれかに記載の高分子固体電解質電池。
  8. 【請求項8】 両極間に、高分子固体電解質と共に多孔
    性絶縁性構造材が設けられている請求項1〜4のいずれ
    かに記載の高分子固体電解質電池。
  9. 【請求項9】 多孔性絶縁性構造材が、多孔性合成樹脂
    フィルム又は織布からなる請求項記載の高分子固体電
    解質電池。
  10. 【請求項10】 多孔性絶縁性構造材が、コロナ放電処
    理又はプラズマ放電処理されたものである請求項8又は
    9に記載の高分子固体電解質電池。
  11. 【請求項11】 請求項1〜4のいずれかに記載の高分
    子固体電解質電池の製造方法であって、負極として、負
    極活物質と結着剤を含む混合物を集電体上に成形するこ
    とにより負極活物質成形体を作製し、また、正極とし
    て、正極活物質と導電助剤と結着剤を含む混合物を集電
    体上に成形することにより正極活物質成形体を作製し、
    次いで正極活物質成形体又は負極活物質成形体上にキャ
    スト法により高分子固体電解質を直接成膜し、両極を積
    層することを特徴とする高分子固体電解質電池の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 キャスト溶媒として、ジメチルホルム
    アミド、1−メチル−2−ピロリドン又はプロピレンカ
    ーボネートを使用する請求項11記載の高分子固体電解
    質電池の製造方法。
  13. 【請求項13】 正極又は負極に使用する結着剤とし
    て、両極間に成膜する高分子固体電解質と同様の高分子
    固体電解質を使用する請求項11記載の高分子固体電解
    質電池の製造方法。
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