JP3348075B2 - 除塵方法 - Google Patents

除塵方法

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JP3348075B2
JP3348075B2 JP2000125256A JP2000125256A JP3348075B2 JP 3348075 B2 JP3348075 B2 JP 3348075B2 JP 2000125256 A JP2000125256 A JP 2000125256A JP 2000125256 A JP2000125256 A JP 2000125256A JP 3348075 B2 JP3348075 B2 JP 3348075B2
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忠義 原田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工場で発生する微
細粉塵やミスト、あるいは溶接ブースで発生する溶接ヒ
ュームなど、各種作業機器周りで発生するオイルミスト
や油煙、溶接ヒュームのように、気体や蒸気中に何等か
の微細混合物を含んで、全体としては気相を呈する流体
(以下、本明細書中では「気相流体」と呼称する。)を
処理対象として、その気相流体中から塵埃を除去するた
めの湿式除塵方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にこの種の気相流体を処理する除塵
方法としては、乾式タイプの集塵機を用いる方法と湿式
タイプの集塵機を用いる方法との2形態があることは従
来より知られている。このうち、乾式タイプの集塵機を
用いる方法では、処理対象の気相流体が溶接ヒュームの
ように、油煙や微細塵埃とともに火の粉を含む状態の気
体である場合に、集塵機内での火災発生を招く可能性が
高くなるため、その防火のための手段を種々講じる必要
がある。本発明が対象とする湿式の除塵方法では、この
ような火災発生のおそれを回避し易い点で有利である。
この種の湿式集塵機を用いた除塵方法としては、従来よ
り、図17,18に示す概念図から明らかなように、フ
ィルターによる除塵工程の前に、高圧シャワーによる気
液接触部で気相流体から塵埃等を除去する工程があるも
の〔図17参照〕、あるいは、フィルターによる除塵工
程の前に、処理対象の気相流体を水中に浸漬させて、水
中で気液接触させることで塵埃等を除去するようにした
ものがある〔図18参照〕。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような湿式の除塵
方法では、当然ながら乾式の除塵方法が有する欠点、つ
まり、処理対象の気相流体が、例えば、溶接物に防錆油
等が塗布されている状況下で発生した非常に粘性のある
溶接ヒュームなどのように乾燥粉塵でない場合に、除塵
用フィルターの目詰まりが早く、また塵払いの機構が有
効に働かなくなるという傾向を避ける上で有効である。
また、湿式であることにより、乾式の除塵方法に比べて
は火の粉を含む溶接ヒュームなどが火種となって火災が
発生する可能性を低くする上でも有効である。しかしな
がら、その反面で、この種の湿式の除塵方法は、図17
に示した前者の従来技術では、高圧のシャワーで大量の
水を噴射する割に、気液の接触面積及び時間が僅かであ
り、この気液接触を十分に行わせるにはさらに大量の給
水を要する不都合、ならびに、その水の後処理にもコス
トがかかる不都合がある。また、湿式集塵機では取りき
れない微細粉塵を捕捉するために、水処理後にフィルタ
ーで除塵処理しようとすると、フィルターに水がかから
ないように、相当な距離をおいて配設するなどの構成が
あり、装置の大型化を招くおそれがある。そして、図1
8に示した後者の従来技術のように、処理対象の気相流
体を水中に浸漬させて供給する構造においては、気液の
接触を確実にかつ比較的長く行える利点がある反面、処
理対象の気相流体中に含まれるガスによっては、これが
水と反応して有害ガス(例えば、亜硫酸ガスや塩素ガス
など)を生じるおそれがある。その結果、供給水を循環
させて長時間使用すると、有害ガス濃度が無視できない
レベルに達するおそれがあるため、供給水を長期間循環
使用することができず、やはり大量の給水による処理を
行う必要があった。このように、湿式の除塵方法は、乾
式のものにはない有効な利点を有する反面、大量の水を
使用するため、除塵処理後の水処理あるいは有害ガスの
処理が必要になるばかりか、装置全体が大がかりなもの
となり易い傾向がある。さらにまた、別の従来技術とし
て、散水装置や衝突板をサイクロン集塵機と組み合わせ
て高い集塵効率を有したベンチュリスクラバー方式で処
理する方法もあるが、この場合には、混相流であるため
圧損が高く300Pa以上必要であり、また、高圧で粉
塵を含むエアーを吸引させなければならないため、送風
機部分も大きくなる。このため、処理のために用いられ
る装置全体がより一層大型化し、また、ランニングコス
トも高くなく欠点がある。
【0004】本発明の目的は、湿式の除塵方法が本来備
えている利点を活かしながら、その欠点である大量の給
水が必要である点や、使用された水の後処理や有害ガス
の処理を行う必要などの不都合の発生を回避し得た湿式
除塵方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に講じた本発明による湿式集塵方法では、下記の技術手
段を講じたものである。 〔請求項1にかかる発明〕 請求項1にかかる発明で
は、ケーシング内に設けられた処理経路で、気相流体を
水と接触させる気液接触工程と、気相流体を除塵フィル
ターと接触させるフィルター処理工程とからなる除塵方
法において、前記気液接触工程では、気相流体が流動す
る処理経路内に、気相流体の吸入口に対向する前面側に
供給された水を受け止めて衝突プレートの中心部から放
射方向に向けながら前方へ戻すように案内する碗状の二
次曲面に形成された案内面に沿わせて気液接触用の水膜
を形成するとともに、気相流体の流動方向を、ケーシン
グ内に取り込まれた気相流体が水膜の膜面と接触するよ
うに水膜の膜面に向けた後、その膜面に沿って気相流体
を流動させるように制御して気液接触させ、前記フィル
ター処理工程では、気液接触後の気相流体を除塵フィル
ターに接触させて気相流体中の塵埃を除去するようにし
たことに特徴がある。
【0006】上記の技術手段を講じたことによる作用は
次の通りである。すなわち、気液接触工程では、気相流
体が流動する処理経路内に、気相流体の吸入口に対向す
る前面側に供給された水を受け止めて衝突プレートの中
心部から放射方向に向けながら前方へ戻すように案内す
る碗状の二次曲面に形成された案内面に沿わせて気液接
触用の水膜を形成するとともに、気相流体の流動方向
を、ケーシング内に取り込まれた気相流体が水膜の膜面
と接触するように制御して、前記形成された水膜の膜面
に沿って気相流体を流動させることにより気液接触させ
ている。したがって、気相流体は、そのほぼ全量が水膜
に沿う状態で移動し、この間、気液接触状態に維持され
ることになる。つまり、気相流体が水膜の一部箇所に衝
突してから、その水膜の面から外れる範囲にまで移動す
る距離だけ、水膜に接触しながら気相流体が移動する状
態となり、この距離は、例えば、高圧のシャワーを横切
る方向で移動する場合における気相流体の気液接触距離
に比べてかなり大きな距離を稼ぐことができる。そのう
え、このように大きな気液接触距離を得られるものであ
りながら、給水量は薄い水膜が形成される程度の僅かな
量で済み、供給水量当たりの気液接触度合を極めて高く
維持することができる。その結果、このように通風量に
対する給水量が僅かであることにより、気相流体の気液
接触処理に用いられる水は、あえて、後処理のために取
り出す必要なく、そのほとんどが自然蒸発により消失す
るので、その消失分を補充する程度の給水を行うだけで
連続運転が可能となる。
【0007】〔請求項2にかかる発明〕 前記湿式除塵方法としては、請求項2に示すように、気
相流体の流れ方向に交差する状態で設置した衝突プレー
トに対して、流路内における気相流体の流れにのせて前
記衝突プレートの案内面上に到達するように自然流下状
態で給水して、気液接触工程における水膜の形成を行う
ようにするとよい。
【0008】請求項2に示すように、自然流下状態で給
水し、気相流体の吸引風圧で供給水が衝突プレートの案
内面に向けられ、かつ、拡散されるように、その供給水
の流下供給位置ならびに給水量を設定して構成されてい
る。したがって、衝突プレート面に対する供給水の供給
条件が、吸引風の風速変化などの影響を受け難く、ムラ
の少ない拡散が行われやすい。つまり、給水部からの給
水段階で予め広範囲に散布されるように分散させて給水
すると、個々の給水箇所あたりの水量は必然的に少なく
なり、個々の給水箇所での水柱が細くなる。この状態で
風速の変化や、吸入口での吸入部位における吸引風量の
偏りが生じたりすると、風の影響を受けて衝突プレート
に到達するまでの供給水の拡散方向が一定せず、分散状
況にバラツキがでやすくなる傾向がある。これに比べ
て、本発明のように自然流下状態でまとめて中央部分に
給水すると、衝突プレート案内面の中央部に到達するま
での間における水量が増し水柱が太くなるので、風の影
響を受けにくくなる。また、供給水に強い噴射圧を与え
て供給すると、衝突プレートの案内面に対する供給水の
衝突に際して、噴射圧によって加速された供給水は、衝
突時に跳ね返り方向への力が生じたり、拡がり時の初期
速度が速くなり過ぎて、案内面周方向にムラなく拡がり
難いものであるが、本発明では自然流下状態で供給する
ものであるため、噴射圧を与えて供給する場合に比べ
て、案内面への衝突による水の跳ね返りが生じ難く、案
内面中央部から放射方向への供給水の拡散がスムースに
行われる。
【0009】〔請求項3にかかる発明〕 前記湿式除塵方法としては、請求項3に示すように、
液接触工程で循環使用される水の貯水量を、1〜3日分
の稼動時間で蒸発する程度に設定するとよい。
【0010】請求項3に示すように、衝突プレートの案
内面に対する気相流体の風速と、気液接触工程での衝突
プレートの案内面に対する給水量との割合、及び気液接
触工程で循環使用される水の総量を、自然流下状態の供
給水を衝突プレートの案内面の中央部に吹き寄せ、か
つ、案内面の外周縁にまで拡散させる程度の風圧で、案
内面のほぼ全域に供給水を拡散させて水膜を形成するに
足る程度の水量を有するように設定し、しかも、気液接
触工程で循環使用される水の総量を、1〜3日分の稼動
時間で蒸発する程度に設定している。具体的に一例を示
すと、衝突プレートの案内面箇所における風速をを16
〜20m/sec程度で、風量を30〜37m3/mi
nとし、衝突プレートに対する給水部での供給水量を約
4リットル/minとする。この条件で1時間連続運転
したときの消費水量(蒸発量)は、約5.6kg/hと
なる。したがって、8時間稼動では44.6リットルが
自然蒸発する。貯水タンク部の容量をこの44.6リッ
トル程度に定め、この蒸発分を補うようにして使用する
と、ほぼ1日の稼働時間でタンク全体の水が入れ替わる
ことになるので、水の後処理は全く必要なく、新鮮な水
を使用しての気液接触が可能となる。このように、ほぼ
1日で蒸発してしまう程度、もしくは1〜3日で蒸発し
てしまう程度の小量の水を利用しながら、効率のよい気
液接触を行うことで、大量の水を使用した場合のよう
な、水の後処理を必要としない湿式除塵方法が得られた
ものである。
【0011】〔請求項4にかかる発明〕前記湿式除塵方
法としては、請求項4に示すように、ケーシング内に設
けられた処理経路で、気相流体を水と接触させる気液接
触工程と、気相流体を除塵フィルターと接触させるフィ
ルター処理工程とからなる湿式除塵方法において、前記
気液接触工程を、気相流体が流動する処理経路内に気液
接触用の水膜を形成するとともに、気相流体の流動方向
を、気相流体が水膜の膜面へ当てつけられた後に、前記
形成された水膜の膜面に沿って流動するように制御する
ことにより気液接触させる水膜接触工程と、水膜接触後
の気相流体を散水域でシャワー液と接触させるシャワー
接触工程と、シャワー接触工程を通過後の気相流体を、
流路の広範囲に拡散させながら、気相流体中に含まれる
水分と気体とを接触させる拡散接触工程とで構成し、前
記フィルター処理工程では、気液接触後の気相流体を除
塵フィルターに接触させて気相流体中の塵埃を除去する
ようにしてもよい。
【0012】請求項4に示すように、衝突プレートの案
内面で、途切れのない水膜の膜面に沿って気相流体を流
動させることによる確実で効率のよい気液接触を行わせ
るとともに、さらに散水域でシャワー液と接触させ、そ
の後に、吸引風に含まれる気相流体を、格子状のルーバ
ーフィルターを通過させることで、強制的に拡散させな
がらその吸引風に含まれる多くの水分と再度接触させる
ことになり、さらなる気液接触と、その気相流体中に含
まれる水分の分離とが行われる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面の記載に基づいて説明する。 〔集塵機の全体構成〕まず初めに、本発明方法を実施す
るための装置としての集塵機について説明する。この集
塵機は、ケーシング1の内部に、吸入口10から気相流
体を吸い込み、これを排出口11から排出するように、
内部に気相流体の気流を生じさせるための起風手段60
を備え、かつ、気相流体を通過させる途中で塵埃を除去
処理する処理経路を備えたものである。上記処理経路に
は、吸入口10から吸引導入された気相流体を処理経路
内で水と接触させる気液接触部2と、気液接触させた後
の気相流体を通過させることにより気相流体中の微細塵
埃を捕捉するフィルター処理部6とを設けてあり、これ
らの気液接触部2およびフィルター処理部6を通過させ
て、気相流体中の微細塵埃を除去処理した後に排出口1
1からケーシング1外へ排出するように構成してある。
前記ケーシング1は縦長の箱状に形成され、下部位置で
前記吸入口10を備えた下部室12と、上部位置で排出
口11を備えた上部室14と、中間位置でファイナルフ
ィルター70を内装した中間部室13とが内部に構成さ
れている。
【0014】〔気液接触部の構成〕気液接触部2は、図
2,5に示すように、ケーシング1の下部室12におい
て、前記吸入口10に連なる入り口側空間に設けられて
いる。この気液接触部2では、吸入口10から吸い込ま
れ、絞り部24を通して後の処理工程へ移行する処理対
象の気相流体の流路にほぼ直交する状態に臨ませて、気
相流体のほぼ全量が衝突するように、吸入口10の内径
よりも大径の金属製の衝突プレート20が設けられ、こ
の衝突プレート20箇所よりも気相流体の流れ方向での
上手側位置に、衝突プレート20の前面に向かう吸引風
の流路に水を供給する給水部30が設けられ、前記衝突
プレート20の背面側に離れた位置に、気相流体の流路
を前記衝突プレート20の外径よりも小さくなるように
絞る絞り部24が設けられている。
【0015】<衝突プレート>前記衝突プレート20
は、前記吸入口10に対向する前面側に、給水部30か
ら供給された水を受け止めて衝突プレート20の中心部
から放射方向に向けて案内するように凹曲した形状の案
内面21を備えている。この案内面21は、図6に示す
ように、断面視で中心部から外周縁近くに至る曲面が、
単なる円弧ではなく、中心部では曲率が小さく、周縁に
近くなるほど曲率が増大する放物線、もしくはこれに近
い曲線を描くように形成されている。一例を示せば、ボ
イラー缶などの圧力容器の鏡面の曲率と同じ曲率の曲
線、もしくはこれに近い曲線が好ましく、このように案
内面21の曲率を設定することで、案内面21のほぼ全
域に途切れのない水膜を形成するように構成されてい
る。また、案内面21の周縁には、衝突プレート20の
中心線pとほぼ平行な短い立ち上がり壁22が連設され
ている。この立ち上がり壁22は、案内面21の最外周
縁箇所での曲率の変化度合いを部分的に高め、最外周縁
に達した水がそのまま無制限に放射方向に飛散すること
を抑制し、かつ、ケーシング1の下部室12の前壁に向
けて水の飛散方向を案内している。この立ち上がり壁2
2部分は、前記最外周縁に達した水、粉塵、エアーの方
向性を決定するものであるから、衝突プレート20の径
にはあまり関係なく立ち上がり寸法を定めることができ
る。ただし、他の条件にはあまり影響を及ぼさないよう
に極端に長く設定すべきではない。実際には10〜20
mm、好ましくは15mm程度に定めておくのがよい。この
ように、最外周縁に達した水、粉塵、エアーの方向性を
決定付けるとともに、最外周縁箇所での放射方向への水
の飛散を少し抑制することで、放射方向に拡散しようと
する水が、周方向で最も抵抗の少ない部分から集中的に
多く飛散してしまう状態となることを避け、案内面21
の全域において万遍なく水膜が形成され易くなる。ま
た、この立ち上がり壁22が存在することで、きわめて
僅かな加工精度のバラツキで大きな影響を受けやすい供
給水の拡散ムラを抑制することができる。換言すれば、
ある程度の加工精度のバラツキを許した加工も可能とな
り、製作加工コストの低減に有効である。しかも、立ち
上がり壁22が、案内面21の周縁に達した水及び気相
流体をケーシング1の下部室12前壁側へ案内し、前壁
に衝突させるので、気相流体と水との分離を促進し、か
つ、水に含まれている粉塵等が、前壁を伝って水ととも
に流下し、貯水タンク部34に回収される。つまり、後
述するように自然流下状態で供給された水は、吸引圧で
衝突プレート20側へ引き寄せられ、そののち前記放物
線を描く案内面で案内されると、衝突プレート20の中
央部から外周縁側へ移行するほど案内面21上での水の
移動速度は次第に加速され、外周縁から離れる際の水の
速度を増してケーシング前壁へ衝突する。このとき、図
5に小さな丸い粒で図示したように、吸い込み気体に含
まれる塵埃は、水とともに衝突プレート20の案内面2
1に沿って中央部から外周縁側に向けて流れ、加速され
てケーシング1の前壁に衝突し、気体から分離して水と
ともに前壁を伝って流下し、回収される。また、前壁を
伝って流下する水に対して、衝突プレート20の外周縁
側から飛散してくる水が激しく衝突することで、この衝
突箇所付近にマイナスイオンが発生する可能性があり、
発生したマイナスイオンは、処理経路を経て排気部8か
らが排出される。このマイナスイオンは、作業環境の改
善に有効である。このように、衝突プレート20が、そ
の案内面21の全域にわたってムラのない状態で水が流
れるように構成されていることは、上述のように気液接
触面の確保や、前壁との衝突による気液分離に有効に作
用するのみならず、メンテナンス性の向上にも有効であ
る。つまり、例えば案内面21の一部に水の流れ難い部
分が生じると、その部位に、水とともに流動する粉塵が
付着堆積して、さらに水の流れ難い範囲が拡がり、気液
接触面積の減少を招くおそれがあり、そのような粉塵の
付着を取り除くための保守作業が頻繁に必要となるが、
本発明では、そもそもそのような水の流れの生じ難い部
分を生じさせずに気液接触を行うことができる。
【0016】 この衝突プレート20の曲面の設定方法
についての一例を、図11乃至図13に基づいて説明す
る。水の膜を案内面21の全体に張るためには、衝突プ
レート20の案内面21に吹き付けられる風によって案
内される供給水が、衝突プレート20で跳ね返ることな
く案内面21に沿って流れていくことが望ましい。この
衝突プレート20の案内面21となる曲面を算出決定す
る基本としたのが圧力容器に使用するサラ形の鏡板であ
り、高い内圧を受けて大きく塑性変形を起こすと、その
変形した子午線は楕円形に近くなるという事実である。
図11は、3中心曲線よりなる近似楕円形の求め方であ
る。図中、aは衝突プレートの半径、bは衝突プレート
の深さである。長方形ABCDの対角線ACを引き、∠
BAC及び∠BCAをそれぞれ二等分する直線AF及び
CFを引き、その交点をFとする。Fより直線ACに垂
線を下ろし直線ADとの交点Eとし、さらに延長し直線
CDとの交点をOとする。求めた交点E及びOを中心と
して、円弧AF及びFCを描く。上記のように、図11
の方法で近似楕円形のサラ形鏡板の形状を求めることで
きるが、a,bの組合せは無数に存在する(図12参
照)。衝突するエアーや水(粉塵を含む)の衝突する力
を案内面に沿う方向に分散させる機能は、サラ形鏡板の
a,b値によって変化する。実験の結果、サラ形の鏡板
の径を固定して曲面部高さを変化させたとき、多様な要
素はあるが、前記a,bの値は、次式 (a/3)<b<(a/1.7) を満たす関係に設定することにより、案内面21のほぼ
全域に水膜を形成することが可能である。尚、好ましく
は、次式 (a/2.5)<b<(a/2) の範囲(図12における塗りつぶし範囲)に設定してお
くと、案内面21のほぼ全域にわたってより良好な状態
に水膜を形成することができる。
【0017】上記のように寸法設定される衝突プレート
20と、吸入口10の口径や絞り部24の孔径との寸法
関係、及び、ケーシング下部室12の前壁との距離、給
水箇所との距離などは、ある一定の範囲に決定される。
図13に基づいて、衝突プレート20を集塵機に装備し
た状態での相関的な位置を説明する。 吸入口径、絞り部径 φQ 衝突プレート径 φ2a 衝突プレート曲面部深さ b 本体前壁と衝突プレート端面との距離 C 給水箇所中心と衝突プレート底面との距離 D 衝突プレートの立ち上がり部寸法 h 衝突プレート全体の高さ B
【0018】まず、吸入口10の口径φQと絞り部24
の孔径φQとは同一寸法に形成されている。そして、こ
の寸法φQと衝突プレート20の外径φ2aとの寸法比
は、実験の結果、次式 φ1.4Q≦φ2a≦φ2Q の範囲に設定する。吸入口10に対して衝突プレート2
0の外径が小さすぎると、エアー(水、粉塵を含む)が
衝突プレート20の表面に接触せず、背面に回り込む状
態となるので集塵効率が落ち、逆に、大きすぎると、エ
アーと、水及び粉塵との分離が不十分になるので、上記
の範囲に設定するのが望ましい。
【0019】上記衝突プレート20の端縁とケーシング
1の下部室12前壁との間隔C(図13(イ)において
衝突プレート20の前側における塗りつぶし部分の前後
幅)は次のように設定する。 吸入口面積S1=Q/2×Q/2×3.14 衝突プレート外周縁箇所の円柱状空間面積S2=2a×
3.14×C であるとき、 S1≦S2 の関係、つまり、 (Q/2)×(Q/2)×3.14≦2a×3.14×C C≧Q2/8a となるように設定するのが望ましい。上記計算式では、
衝突プレート20の端縁とケーシング1の下部室12前
壁との間隔Cの下限だけが求められることになるが、衝
突プレート20をケーシング1前壁から離し過ぎると、
前述した吸入口10及び絞り部と衝突プレート20との
寸法比を小さすぎた場合と同様に、エアー(水、粉塵を
含んだ状態)が衝突プレート20に当たらずに後ろに逃
げてしまうので、上記Cの距離の上限は、吸入口10か
ら吸入されたエアーが衝突プレート10の案内面に到達
し、なおかつ衝突プレート20より離れた水を含有した
エアーが正面のケース前壁に確実に衝突する範囲に設定
するのが望ましい。このように前記間隔Cを設定する
と、吸引風の圧損少なく効果的な気液接触を行い易く、
また、衝突プレート20から離れた水(粉塵を含む)
が、ケーシング1前壁との衝突によって、エアーと分離
するのに好都合である。
【0020】<支持板>前記衝突プレート20の背面側
には支持板25が設けられている。この支持板25は、
ケーシング1の下部室12に衝突プレート20を取付固
定するための支持部材であり、衝突プレート20の周辺
部との間を複数本のステー26で連結してあると共に、
中央部に、気相流体の流路を前記衝突プレート20の外
径よりも小さくなるように絞る絞り部24としての円形
孔を備えている。前記支持板25は、ケーシング1の下
部室内面の天井部分と床部分との両方に設けられたガイ
ド溝27に対して、気相流体の流路を横切る方向で抜き
差し自在に、かつ、上下端辺部分をガイド溝27に係合
させた状態で連結ボルト28により締め付け固定される
ように構成されている。
【0021】次に、衝突プレート20の外径と絞り部2
4の孔径との関係について説明する。図13に示すよう
に、衝突プレート20の中心線pと一致する中心線を有
した円形孔でかつ、吸入口10の内径と同程度の径を有
した絞り部24を設けてある。この絞り部24の孔径φ
Qと衝突プレート20の外径φ2aとの関係は、実験の
結果、次式が成り立つように構成するのがよい。 φ1.4Q≦φ2a≦φ2Q この式から外れて、絞り部24の孔径を衝突プレート2
0の外径に対して大きくしすぎると、エアー(水・粉塵
を含む)が衝突プレート表面に接触せずに背面に回り、
集塵効果が落ち、逆に小さくしすぎると衝突プレート2
0の周縁でのエアーと水の分離が不十分になる傾向があ
る。
【0022】<給水部>前記衝突プレート20の前面側
には、その衝突プレート20の前面に向かう吸引風の流
路に水を供給するための給水部30が設けられている。
この給水部30は、ケーシング1に設けられている吸入
口10のケーシング1内部側で吸入口10の周辺近くに
位置させた注水口31によって構成される。この注水口
31では、特に吐出圧を掛けて水を噴射するのではな
く、ほぼ大気圧下で、注水口31から自然流下状態で水
を吐出するように、かつ、流下する吐出水が気相流体の
吸引圧によって気相流体の流れ方向に沿うように向きを
変えられ、衝突プレート20の中心部に到達するように
構成してある。
【0023】次に、衝突プレート20の案内面21と給
水部30の注水口31との位置関係について説明する。
図13(イ)及び(ロ)に示すように、吸い込みエアー
によって衝突プレート20の中央に注水口31からの供
給水が当たることが水膜を形成する必要条件であるか
ら、ノズルの注水口31位置は下記のようにして求めら
れる。 吸入口での気体速度 f(m /sec ) 注水口での給水初速 g(m /sec ) 注水口から衝突プレート案内面までの水平距離 D 衝突プレート中心からの注水口の偏心量 E とした場合、 E:D=g:f E・f=D・g E=D・g/f D=E・f/g 上記のようにして、前記水平距離D及び偏心量Eを求め
ることができる。実験の結果、注水口31からの水の噴
出勢いを抑えた状態にして行ったときの水を拡散させる
ことができる最低風速fは、6m /sec (その他の条件
を変化させて行ったとき)であった。
【0024】次に、衝突プレート20の案内面21上に
水膜を形成するための必要最低水量について説明する。
算出方法は、衝突プレート20の案内面上に常にどの程
度の膜厚の水膜を形成するかという点に着目して算出す
る。図11に基づいて説明すると、給水口31と衝突プ
レート20との位置関係は、 2Rπ×(∠FOC/360)+2rπ×(∠AEF/
360) 上記の式を0〜360゜の範囲にて積分した値に水膜の
厚みtを掛けると π2(R2∠FOC+r2∠AEF)/180×t さらに上記の式を0〜60秒の範囲にて積分すると、 tπ2[ R2∠FOC+r2∠AEF)] /3 (m
3 ) となる。 tπ2[ R2∠FOC+r2∠AEF)] /3×100
0-2 (L/min ) 以上の水を供給する必要がある。
【0025】前記注水口31に対する水の供給装置は、
ケーシング1の下部室12の下方で、前記衝突プレート
20や後述する格子状ルーバーフィルター40、及び散
水域50などの気液接触部2おける余剰滴下水を回収す
るように設けた貯水タンク部34と、その貯水タンク部
34の水を揚水して前記注水口31に供給する揚水ポン
プ35とから構成されている。上記貯水タンク部34に
は、予定される液面レベルの許容範囲を検出する液面検
出センサとして、その上限と下限とに相当する箇所に、
上下一対のフロースイッチ36,37が設けられてい
る。前記貯水タンク部34の液面近く位置には、前記衝
突プレート20や後述する格子状ルーバーフィルター4
0、及び散水域50などの気液接触部2おける余剰滴下
水を回収するに際して、その回収液に含まれる塵埃を予
め除去するための第1ダストボックス32が設けてあ
る。この第1ダストボックス32は下部室の底面に対し
て着脱自在に構成された金属製の籠体33と、籠体33
に内装された不織布などからなり、ストレーナとしての
機能を果たすことになる。
【0026】<シャワー部>前記支持板25よりも気相
流体の流れ方向での下手側におけるケーシング1の下部
室内には、支持板25の絞り部24で絞られた気相流体
を、さらにその流動方向の下手側でシャワー水と接触さ
せるための散水域50が設けられている。この散水域5
0では、下部室12の天井部に、複数本の散水管51の
途中に多数の噴射孔を形成した散水ノズル52が設けら
れ、散水ノズル52からの噴出水によるシャワーと気相
流体とが気液接触されるように構成してある。
【0027】ケーシング1内において下部室12は、上
記の給水部30、衝突プレート20、散水域50、格子
状ルーバーフィルター40からなる気液接触部2が設け
られた入り口側空間と、その入り口側空間とは仕切り壁
15を挟んで区画された奥側空間とを備えている。そし
て、その奥側空間には、後述する水返しボックス55
と、除塵用のプレフィルター60とが設けられている。
【0028】<格子状ルーバーフィルター> 前記散水域50を通過した気相流体は、さらにその流動
方向の下手側におけるケーシング1の下部室内には、支
持板25の絞り部24で一旦絞られた気相流体を、再度
流路の全域に拡散させ、かつ、衝突プレート20と散水
ノズル52とによる気液接触で気相流体中に含まれる多
量の水分を除去するための格子状ルーバーフィルター4
0が設けられている。この格子状ルーバーフィルター4
0は、図7(イ)、(ロ)に示すように、吸入された気
相流体に衝突してその気相流体の流動方向を、上下また
は左右に変化させるように、鎧板と呼ばれる多数のスリ
ットを形成した金属製のヨロイ状板材41によって多数
の傾斜した衝突面42を構成している。この鎧板は、気
相流体の流動方向を変えながら通過させる多数のスリッ
トを備えた金属製のヨロイ状板材41の複数枚(図示の
例では3枚)を、流動方向の前方から順に90度づつ向
きを変えながら、これらの複数枚のヨロイ状板材41を
ひとまとまりのものとして支持する外枠との組合せで構
成してある。
【0029】これらのヨロイ状板材41の夫々は、図7
に示すように、金属製板材の板面を所定幅で一定方向に
打ち出し成形して、その板面の全体にわたって多数のス
リット状の通気孔44と前記傾斜した衝突面42となる
打ち出し突片45とを形成したものである。これらのヨ
ロイ状板材41のうち、最も前面側に位置する最前段の
ヨロイ状板材41は、これらのヨロイ状板材41を前記
外枠と一体に成形されている。そして、次段のヨロイ状
板材41が、その通気孔44の長手方向を前記最前段の
ヨロイ状板材41の通気孔44の方向に対して直交する
状態に形成され、さらに、その次の段のヨロイ状板材4
1の通気孔44が直前のヨロイ状板材41の通気孔44
に対してやはり直交するように形成されている。このヨ
ロイ状板材41の衝突面42は、ヨロイ状板材41の板
面43と、そのヨロイ状板材41のスリットを形成する
ために打ち出された打ち出し突片45が備える斜め下向
き面とで構成されている。吸入気相流体は、これらの
に衝突し、このとき流体中に浮遊して運ばれる溶接ス
パッターなどの火の粉が残存していたとしても、その
との衝突で流動方向での移動速度を低減され、失速し
て落下する、もしくは流動方向を変化させながら気液接
触状態を伴って移動することになる。さらに、気相流体
中では、衝突プレート20の外周縁から飛散した水や、
散水域50で散水された水の飛沫が混在した状態で飛散
されてくるので、結果的に気液接触とともに、格子状ル
ーバーフィルター40の洗浄も連続的に行われることに
なる。また、この格子状ルーバーを通過させることで、
気相流体の処理経路長さ方向での距離としては短い範囲
で、気相流体中の水分の約90%は分離される。
【0030】〔フィルター処理部〕前記気液接触部2を
通過した気相流体は、次にフィルター処理部6を通過す
ることによって、その気相流体中の塵埃をさらに除去処
理される。フィルター処理部6は、ケーシング1の下部
室12のうち、前記気液接触部2が設けられた入り口側
空間よりも奥側の空間に配置された除塵用のプレフィル
ター60と、これよりも上位の中間部室13に配置され
た除塵用のファイナルフィルター70との組合せで構成
されている。
【0031】前記プレフィルター60が配設された奥側
空間では、気液接触部2との仕切り壁15の上方寄りの
部分に円形の連通口16が形成され、前記入り口側空間
から連通口16を介して導かれた気相流体を下向きに案
内する水返しボックス55が設けられているとともに、
その水返しボックス55を通して流入した気相流体を通
過させながら除塵処理して上方の中間部室13へ送るよ
うにプレフィルター60が配置されている。また、前記
水返しボックス55及びプレフィルター60の下側にお
ける奥側空間の底面側は、そのほぼ全域に第2ダストボ
ックス65が載置されている。この第2ダストボックス
65は、周枠の内側に網目状の底面を形成し、その底面
の上側表面にスポンジ状吸湿体を敷設したもので、その
第2ダストボックス65を通過した水分が下方に抜け
て、第2ダストボックス65よりも下側で漏斗状に傾斜
した底面の中央部に形成された小孔からさら下方に流下
して、前記貯水タンク部34と連通する回収タンク66
に戻されるように構成されている。
【0032】<水返しボックス>この水返しボックス5
5は、図8に示すように、気液接触部2から供給される
気相流体の流れを下向きに案内する下向き筒部56と、
その下向き筒部56の下端よりも下位で気相流体をさら
に下向きに案内するように連設された下端スカート部5
7とで構成されている。前記下向き筒部56は、仕切り
壁15に形成されている連通口16と同程度、もしくは
それよりもやや広めで、かつ、奥側空間の左右幅よりは
幅狭の左右幅を有した筒状体で構成され、仕切り壁15
に溶接固定されている。そして、この下向き筒部56の
下端部には、前記下向き筒部56の下端よりも左右方向
で幅広に形成され、かつ、奥部空間の左右幅と同程度の
左右幅に設定された下端スカート部57が設けられてい
る。さらに、この下端スカート部57の下端がプレフィ
ルター60のフィルター底面よりも下方に位置するよう
に、下部室12内での位置を定めて水返しボックス55
が設けてある。このように、水返しボックス55の下端
スカート部57の左右幅を下向き筒部56の幅よりも広
く設定し、かつ、フィルター底面よりも下方に位置させ
ているのは、下向き筒部56下端から離散しようとする
水滴が、下部室12の奥側空間の側壁から離れた箇所で
底面側へ脱落、もしくは下向き筒部56の下端よりも左
右外側に位置する下端スカート部57の内面に拡散しな
がら付着した状態となるようにして、落下途中の水滴が
吸引風に乗ってプレフィルター60に直接吸い込まれた
り、フィルター処理部6の側壁に付着して再度フィルタ
ー側へ飛散する状態となることを避けるためである。
【0033】<プレフィルター>下部室12の奥側空間
で前記水返しボックス55の気相流体移動方向における
下手側には、カセットタイプの4個のプレフィルター6
0が装備されている。このプレフィルター60の夫々
は、図5及び図9に示すように、下部室12の天井壁1
7部分に設けられたガイドレール64に対して、カセッ
ト枠61上端の鍔部61aを係合させて、吊り持ち状態
に係合支持、ならびにスライド移動自在に構成されてい
る。カセット枠61は、図9に示すように、吊下げ状態
で前後方向の2面及び底面が無孔の壁であり、左右方向
の2面が格子状の通気用面として構成され、その通気用
の2面の夫々に、格子状のフィルター抑え枠62が着脱
自在に装着されている。カセット枠61の天板は、その
中央部にカセット枠61の内部空間と連通する矩形の天
井開口61bが形成されている。気相流体と接触するフ
ィルター濾材63は不織布で構成されており、前記カセ
ット枠61の格子状の通気用面の外側に、その通気用面
の格子形状と同一の格子形状のフィルター抑え枠62を
外してフィルター濾材63を挟み込むように装着し、再
度、外側からフィルター抑え枠62を装着してカセット
式のプレフィルター60が構成される。下部室12の天
井部は上下二重の壁構造を有し、天井下壁には、前記ガ
イドレール64に装着された状態の各カセット枠61の
天井開口61bに対応する箇所に通気口が形成されてい
るとともに、その通気口からカセット枠61内部に向け
て逆洗用の高圧気体を吹き込む逆洗用ノズル67が、前
記天井下壁と上壁との間に配設されている。そして、こ
の上下二重の天井壁構造の間の空間が、下部室12のプ
レフィルター60から中間部室13のファイナルフィル
ター70側への気相流体の連通路18を構成し、この連
通路18の奥側が中間部室13に開口している。このプ
レフィルター60は、処理対象の気相流体中の残留オイ
ルミスト、残留塵埃、あるいは溶接ヒュームがファイナ
ルフィルター70側へ流れ込むことを極力低減するため
のものである。
【0034】<ファイナルフィルター>このファイナル
フィルター70は、プレフィルター60よりも流路下手
側(ケーシング1内では上方側)の中間部室13に配置
されており、最終的に気相流体中に残留しているオイル
ミスト、塵埃、あるいは溶接ヒュームなどを、ほぼ完全
に除去するように設けられたものであり、いわゆるHE
PAフィルターと呼ばれる直径1ミクロン程度のきわめ
て微細な繊維で作られた布状のフィルターエレメントを
折り畳んでブック状のカセットタイプに構成してある。
このカセットタイプの個々のファイナルフィルター70
は、中間部室13内において被処理気体の流れ方向に交
差する状態で小間隔置きに多数配設されるものであり、
その外郭寸法は、中間部室13に形成される気相流体の
流路を横切る方向での流路断面積とほぼ同一寸法に形成
されている。この中間部室13は、図10に示すよう
に、前記カセットタイプの個々のファイナルフィルター
70を小間隔置きに配設するためのガイド部材71を、
その天井部と底面部とに備えるとともに、その中間部室
13の横側部の開閉側壁72の開放によって横側部を開
放可能に構成されており、その開放状態で前記ファイナ
ルフィルター70を出し入れ可能に構成してある。そし
て、この中間部室13の開閉自在な開閉側壁72は、高
強度の外装板72aの内側に、ある程度弾性変形可能な
薄板状の押さえ板72bが板バネ72cを介して装着さ
れている。このように構成された開閉側壁72を装着す
ることによって、個々のファイナルフィルター70が弾
性変形可能な前記押さえ板72bを介して弾性的に押圧
される。したがって、個々のファイナルフィルター70
の製作誤差などによって多少ファイナルフィルター70
の大きさにバラツキがあっても、確実に各ファイナルフ
ィルター70を中間部室内面に密接させた状態とするこ
とができ、気相流体の無用なショートサーキットを回避
して、効率の良い除塵効果を期待し得るものである。上
記中間部室13の天井部も上下二重の壁構造を有し、そ
の壁内部に気相流体の通路19を形成している。この通
路19は、中間部室13の気相流体流れ方向での最終箇
所にあるファイナルフィルター70とケーシング1内面
との間に連通し、ここから吸い込んだ処理済みの気相流
体を上部室14の排気部8に取り込むように構成されて
いる。
【0035】<排気部> 前記中間部室13よりも流路下手側(ケーシング内では
上側)に相当する上部室14に、処理済みの気相流体を
排出するための排気部8を設けてある。この上部室14
と前記中間部室13とは、前記中間部室13との間に形
成された通路19を介して連通され、上部室14の天井
部にはさらに上側の排出口11が連通形成されて、処理
済みの気相流体の吸引排出経路が構成されている。そし
て、前記上部室14には、吸引ファン、および、吸引フ
ァンを駆動するための電動モータからなる起風手段80
が設置されている。上部室14の内側壁面に吸音材を貼
着してあって、これが吸引排出経路の終端部において吸
引ファンや電動モータを備える起風手段80で発生する
騒音を吸音し、排出口11から漏れ出す騒音レベルの低
減に役だっている。
【0036】<逆洗手段>逆洗手段90は、逆洗用の空
気を貯留するエアータンク91と、そのエアータンク9
1に圧縮空気を供給する電動式コンプレッサー92と、
前記エアータンク91の圧縮空気を前記下部室12の天
井部における連通路18に配設されている逆洗用ノズル
67に導く導管94、及び、その途中に配設した電磁式
開閉弁95とからなる。これらは、ケーシング1の上部
外面に設けてある制御パネル100での指令スイッチ操
作に基づいて、電動式コンプレッサー92の駆動・停
止、ならびに電磁式開閉弁95の開閉操作を電気的に制
御できるように構成してある。
【0037】<制御パネル>ケーシング1の上部外壁に
設けられた制御パネル100には、上記の逆洗手段90
の操作スイッチのみなず、前記排気部8の起風手段80
の駆動・停止、ならびに前記給水部30における揚水ポ
ンプ35の駆動・停止を行うための操作スイッチも設け
られている。これらの各操作スイッチの操作に基づい
て、前述の電動式コンプレッサー92や起風手段80、
ならびに揚水ポンプ35などの作動を制御する制御装置
(図外)に操作信号が入力される。また、その制御装置
では、前記給水部のフロースイッチ36,37によって
検出される貯水タンク部34における液面レベルが許容
範囲であるときにだけ、前記起風手段80や揚水ポンプ
35を作動させ、液面レベルが許容範囲を外れたときに
は、作動中の起風手段80や揚水ポンプ35を強制停止
させ、制御パネル100の警告灯を点灯させるなど、適
宜報知手段を作動させるように構成されている。さら
に、前記制御装置に対しては、給水部30における揚水
ポンプ35から注水口31への揚水経路での給水が連続
的に行われているか否かを検出する手段からの検出信号
も入力されるように構成されている。この検出手段とし
ては、図4及び図16に示すように、給水部30におけ
る揚水ポンプ35から注水口31への揚水路38aの途
中に揚水溜め部38bを設け、この揚水溜め部38b
に、給水が連続的に行われているか否かを検出する検出
装置として、揚水レベルの増減に伴って上下位置変位す
ることにより、揚水レベルが設定範囲内にあるか否かを
検出するフローセンサー39を設けてある。このフロー
センサー39は、揚水ポンプ35が正常に機能して、揚
水が所定どおりに行われていると、揚水溜め部38bに
所定量の水が貯留された状態に維持されるので、その揚
水レベルは安定しフロートセンサー39も一定高さにあ
るが、揚水ポンプ35そのものが故障したり、揚水ポン
プ35は稼動していても、エアーがみ等によって所定量
が揚水できなくなると、揚水レベルが低下するので、こ
れに伴って下降する。このように、フロートセンサー3
9が揚水レベルの増減に伴って上下位置変位することに
より、揚水レベルが設定範囲内にあるか否かが検出さ
れ、揚水レベルが所定量以下に低下を検出したことの検
出結果によって、揚水ポンプ35及び吸引風の起風手段
80の作動停止を行うように構成してある。尚、集塵機
の起動直後は、当然ながら、前記フローセンサー39は
揚水レベルの基準以下を検出しているが、揚水ポンプ3
5が起動して、給水部30の給水が始まるまでに相当す
る所定時間は、前記検出結果を無視して揚水ポンプ35
及び吸引風の起風手段80の作動が継続される。
【0038】尚、図4に示すように、前記ケーシング1
内において、下部室12に設けられた吸入口10に連な
る入り口側空間では、吸入直後の気相流体が、例えば、
揮発性ガスに火の粉が含まれたり、粉塵爆発を起こすな
ど、何らかの原因で爆発した場合に、その爆発力によっ
て装置の全体が破壊されてしまうことがないように、比
較的小さな爆発エネルギーで開放することが可能な爆発
蓋12aを設けている。この爆発蓋12aは、ケーシン
グ1の一部に強度的に少し弱い部分を形成して、爆発に
よってケーシング壁が破られて開放姿勢となるが、爆発
蓋12aそのものが吹き飛ばされることがないように構
成されている。これによって、ケーシング1の全体が破
損するほどに大きな爆発エネルギーを生じさせる前にエ
ネルギーの消散を図るように工夫されている。 〔除塵方法〕上記の集塵機を用いて、除塵する方法につ
いて説明する。 <気液接触工程> [ a] 吸入口10から絞り部24に至る気相流体の流れ
方向にほぼ直交する交差する状態で設置した衝突プレー
ト20に対して、流路内における気相流体の流れにのせ
て、給水部30から前記衝突プレート20の案内面21
上で、その中心部に到達するように自然流下状態で給水
する。このときの、衝突プレート20の案内面21側に
おける諸条件の一例を示すと、概略次のとおりである。 吸入口の内径 ; 190(mm) 絞り部の孔径 ; 190(mm) 衝突プレートの直径 ; 340(mm) 風速 ; 16〜20(m/秒) 風量 ; 30〜37(m3 /分) 給水部での供給水量 ; 4(リットル/分) 貯水量(循環用貯水量); 40〜50(リットル)
【0039】[ b] 上記衝突プレート20の中心部に衝
突した気相流体ならびに供給水は、断面放物線曲面であ
る案内面21に沿って放射方向に拡散し、案内面21上
に供給水による水膜を形成し、その水膜に沿って気相流
体が移動することになる。この気相流体の移動が水膜接
触工程である。そして、衝突プレート20の背面側で
は、絞り部24によって気相流体を絞り込みながら吸引
する。これにより、衝突プレート20の前面である案内
面21に対する吸い込み気相流体ならびに供給水の衝突
に対する悪影響を及ぼす虞少なく気相流体を吸引するこ
とができる。つまり、衝突プレート20よりも気相流体
流れ方向の後方側での吸い込みが、衝突プレート20の
外周縁よりも外側からの吸い込みであると、気相流体や
供給水が衝突プレート20から外れて、水膜による気液
接触を良好に行えない場合があるが、前述のように絞り
込みながら吸引することで、そのような不都合を回避し
得る。
【0040】[ c] 上記の絞り部24を通過した気相流
体は、散水域50を通過させ、散水ノズル52からのシ
ャワー水と接触させる。散水ノズル52によるシャワー
も、特に噴出圧を掛けて噴出させたものではなく、散水
管51の孔から自然流下状態での散水によって行われ
る。このときの気液接触がシャワー接触工程である。
【0041】[ d] 上記の散水域50を通過した気相流
体は、格子状ルーバーフィルター40を通過させる。こ
こでは、絞り部24によって絞り込まれた気相流体を、
格子状ルーバーフィルター40を通過させることで、上
下方向、ならびに左右方向に移動させ、再び流路の広範
囲に気相流体を拡散させる。このとき、気相流体の流れ
には、前記衝突プレート20での気液接触、ならびに前
記散水域50での気液接触によって生じた多量の水の飛
沫が混在する状態であるため、この飛沫が格子状ルーバ
ーフィルターに付着し、格子状ルーバーフィルター40
が水に濡れた状態となる。そして、この水に濡れた状態
の格子状ルーバーフィルター40に接触する気相流体
が、ここでも気液接触されることになる。この格子状ル
ーバーフィルター40を通過する際の気液接触が拡散接
触工程である。このとき、格子状ルーバーフィルター4
0自体も、供給水の飛沫によって濡れる状態となること
で、稼動中、常に洗浄された状態と似た状態に維持され
る。
【0042】<フィルター処理工程> [ e] 散水域50を通過した気相流体は、気液接触用の
入り口側空間を出て、フィルター処理用の奥側空間に吸
い込まれる。この奥側空間では、初めに水返しボックス
55が設けてあり、ここで、気相流体の流動方向を下方
に向けて案内し、かつ、その水返しボックス55の下端
をプレフィルター60の下端よりも下方に位置させて、
できるだけ奥側空間の床面に近づけ、気相流体に含まれ
る水滴を床面側に落下させるようにしている。
【0043】[ f] 水返しボックス55を出た気相流体
は、下部室12のプレフィルター60を通過させ、下部
室12の天井壁部分に形成されている連通路18を介し
て、中間部室13のファイナルフィルター70側へ気相
流体を移行させる。
【0044】[ g] 中間部室13に供給された気相流体
は、ファイナルフィルター70を通過させることで、そ
の気相流体中の塵埃を除去され、その処理後の気相流体
が上部室14の排気部8に送り、排出口11から外部へ
排出する。
【0045】<給水処理> [ h] 前記気液接触工程、及び、フィルター処理工程の
水返しボックス55での処理工程で気相流体から分離さ
れた水は、夫々、下部室の入り口側空間の床面、ならび
に奥側空間の床面の下方に設けた貯水タンク部34に回
収し、これを再び揚水ポンプ35で給水部30へ供給す
ることにより循環使用する。このとき、貯水タンク部3
4内での貯水量が、フロースイッチ36,37で設定さ
れる許容範囲を下回ると、揚水ポンプ35の稼動ならび
に起風手段80の稼動を停止し、外部から新たな水を補
給する。
【0046】〔他の実施の形態〕 [ 1] 本発明方法に使用する集塵機のケーシング1と
しては、前述の実施形態で示した縦長のものに限らず、
横長であるとか、自由な形態を採用すれば良く、特にそ
の形状に制約を受けるものではない。そして、このと
き、気相流体の吸入方向や排気方向、あるいは、給水部
30における水の供給方向を変化させることも自由であ
る。例えば、上方の天井壁側に吸入口10を設けて、上
から気相流体や水を供給されるものであってもよい。ま
た、ケーシング1下方の床面側に気相流体の吸入口10
を設けても構わないが、この場合、衝突プレート20や
給水部30における自然流下水の供給方向は、下側から
よりも、横もしくは上からの方が望ましく、このために
気相流体の流動方向を変化させておくほうがよい。
【0047】[ 2] 本発明方法に使用する衝突プレー
ト20の案内面形状としては、上述の実施の形態で示し
た放物線断面形状、もしくはこれに近い断面形状のもの
が好ましいが、必ずしもこれに限られるものではない。
つまり、実施の形態で示したように案内面が放物線断面
である場合は、案内面の中央部に衝突した水が、その後
に放射方向へ拡がる際の水の移動速度の変化率と、案内
面面積の増加率との関係が近似的な傾向を有することに
よって、水の拡がりをスムースに、かつ、面積当たりの
水量に過不足がないように水量調節されながら拡がるよ
うにしようとしたものであるが、水の拡がり時の速度や
方向をある程度コントロールすることによって、案内面
の広範囲に所定の水膜を形成することが可能である。例
えば、図14の(イ),(ロ)に示すように、凹曲面の
一部に、部分的な円弧状凹入溝23を、放射方向での水
の流れと交差するように複数個設けたり、図15
(イ),(ロ)に示すように、微少段差を有した階段状
断面のものであってもよい。このように放射方向への水
の流れに部分的な抵抗の異なる部分を形成すると、その
箇所に粉塵の付着堆積が生じるおそれがあるが、頻繁な
メンテナンス、もしくは、自動的に堆積物を除去する手
段を付加するように構成することで使用可能である。要
は、周方向での水の途切れが無い状態で水膜を形成する
ことによって、案内面に沿って放射方向に移動する気相
流体との接触を確実に行え、かつ、その水膜の形成範囲
を、案内面上での比較的広い領域に形成できるようにす
ることによって、水膜と気相流体との接触時間を十分に
稼げるように構成されたものであればよい。
【0048】[ 3] 気液接触部2としては、散水域5
0でのシャワー工程を行う装置、および、格子状ルーバ
ーフィルター40での気液接触工程を行う装置のうち、
いずれか一方、もしくは両方の装置を省略したものであ
ってもよい。
【0049】[ 4] 下部室12における入り口側空間
と、奥側空間との間の仕切り壁15に形成された連通口
16には、金網もしくはパンチングメタルなどを設け
て、気相流体中に含まれる水分の通過を制限するように
しても良い。
【0050】[ 5] 本発明方法で用いられる集塵機の
吸入口10の大きさや、衝突プレート20の寸法、絞り
部24の孔径、衝突プレート20箇所での風速、給水部
30の給水量、気相流体の処理風量、及び貯水タンク部
34での循環用貯水量などは、前述した実施の形態に示
す範囲のものに限らず、本発明方法の目的を達成し得る
範囲で任意に設定することができる。
【0051】
【発明の効果】請求項1に記載のように、気液接触工程
では、気相流体が流動する処理経路内に気液接触用の水
膜を形成するとともに、気相流体の流動方向を、ケーシ
ング内に取り込まれた気相流体のほぼ全量が水膜の膜面
と接触するように制御して、前記形成された水膜の膜面
に沿って気相流体を流動させることにより気液接触させ
ている。したがって、気相流体は、そのほぼ全量が水膜
に沿う状態で移動し、この間、気液接触状態に維持され
ることになる。つまり、気液接触のために使用する水の
量の少ない割に、気相流体と水との気液接触面積をきわ
めて大きくすることができる。したがって、気相流体と
水との接触を十分に行わせて、気相流体中に火の粉を含
む場合であっても、集塵機内での火災発生を招く可能性
をきわめて低くすることができるという、湿式除塵方法
としての機能を果たしながら、その気液接触のために用
いられる水の量をきわめて少なくすることが可能とな
る。その結果、このように通風量に対する給水量が僅か
であることにより、気相流体の気液接触処理に用いられ
る水は、あえて、後処理のために取り出す必要なく、そ
のほとんどが自然蒸発により消失するので、その消失分
を補充する程度の給水を行うだけで連続運転が可能とな
る。
【0052】請求項2に記載のように、自然流下状態で
給水し、吸引風の風圧で供給水が衝突プレートの中心部
に向けられるように、その流下供給位置ならびに給水量
を設定したので、衝突プレート面に対する供給水の供給
条件が、吸引風の風速変化などの影響を受け難く、ムラ
の少ない拡散が行われやすい。したがって、使用条件の
多少の変化に拘わらず安定した気液接触状態を維持し易
い。
【0053】請求項3に記載のように、衝突プレートの
案内面に対する気相流体の風速と、気液接触工程での衝
突プレートの案内面に対する給水量との割合、及び気液
接触工程で循環使用される水の総量を、自然流下状態の
供給水を衝突プレートの案内面の中央部に吹き寄せ、か
つ、案内面の外周縁にまで拡散させる程度の風圧で、案
内面のほぼ全域に供給水を拡散させて水膜を形成するに
足る程度の水量を有するように設定し、しかも、気液接
触工程で循環使用される水の総量を、1〜3日分の稼動
時間で蒸発する程度に設定しているので、ほぼ1日で蒸
発してしまう程度、もしくは1〜3日で蒸発してしまう
程度の小量の水を利用して所要量の気相流体を処理で
き、大量の水を使用した場合のような、水の後処理を必
要としない湿式除塵方法が得られたものである。
【0054】請求項4に記載のように、衝突プレートの
案内面で、途切れのない水膜による確実な気液接触を行
わせるとともに、一旦絞られた吸引風に含まれる気相流
体を、格子状のルーバーフィルターを通過させること
で、強制的に拡散させながらその吸引風に含まれる多く
の水分と再度接触させ、より一層の気液接触と、気相流
体中の水分の分離を、気相流体流れ方向での短い距離で
行うことが可能となった。したがって、比較的小型の装
置でのさらなる気液接触と、気液接触後の水分分離とを
効率よく行うことができ、本発明方法を実施するための
装置の小型化と、フィルター処理などの後処理を効率よ
く行わせる上でも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】除塵装置の全体を示す正面図。
【図2】除塵装置の全体を示す左側面図。
【図3】除塵装置の全体を示す背面図。
【図4】除塵装置の全体を示す右側面図。
【図5】除塵装置の下部室部分を示す一部切り欠き左側
面図。
【図6】衝突プレート箇所の説明図。
【図7】格子状ルーバーフィルターを示し、(イ)は一
部切り欠き正面図、(ロ)は断面図。
【図8】水返しボックス部分を示す部分断面図。
【図9】プレフィルターを示す斜視図。
【図10】中間部室部分を示す断面図。
【図11】衝突プレートの曲面の設定方法を示す説明
図。
【図12】衝突プレートの曲面の設定範囲を示す説明
図。
【図13】気液接触部周りの寸法関係を示す説明図。
【図14】衝突プレートの他の実施形態を示し、図中
(イ)は正面図、(ロ)は断面図。
【図15】衝突プレートの他の実施形態を示し、図中
(イ)は正面図、(ロ)は断面図。
【図16】給水部における揚水レベルの検出構造を示す
説明図
【図17】従来例を示す説明図。
【図18】従来例を示す説明図。
【符号の説明】
1 ケーシング 2 気液接触部 6 フィルター処理部 10 吸入口 11 排出口 20 衝突プレート 24 絞り部 30 給水部 34 貯水タンク部 40 格子状ルーバーフィルター 50 散水域 55 水返しボックス 60 プレフィルター 70 ファイナルフィルター
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B01D 50/00 B01D 50/00 501K 501L 502 502A B23K 9/32 B23K 9/32 J (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 47/06 B01D 47/12 B23K 9/32 B01D 50/00 501

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシング内に設けられた処理経路で、
    気相流体を水と接触させる気液接触工程と、気相流体を
    除塵フィルターと接触させるフィルター処理工程とから
    なる除塵方法であって、 前記気液接触工程では、気相流体が流動する処理経路内
    、気相流体の吸入口に対向する前面側に供給された水
    を受け止めて衝突プレートの中心部から放射方向に向け
    ながら前方へ戻すように案内する碗状の二次曲面に形成
    された案内面に沿わせて気液接触用の水膜を形成すると
    ともに、気相流体の流動方向を、ケーシング内に取り込
    まれた気相流体が水膜の膜面と接触するように水膜の膜
    面に向けた後、その膜面に沿って気相流体を流動させる
    ように制御して気液接触させ、 前記フィルター処理工程では、気液接触後の気相流体を
    除塵フィルターに接触させて気相流体中の塵埃を除去す
    るようにした湿式除塵方法。
  2. 【請求項2】 気相流体の流れ方向に交差する状態で設
    置した衝突プレートに対して、流路内における気相流体
    の流れにのせて前記衝突プレートの案内面上に到達する
    ように自然流下状態で給水して、気液接触工程における
    水膜の形成を行うようにした請求項1記載の湿式除塵方
    法。
  3. 【請求項3】 気液接触工程で循環使用される水の貯水
    量を、1〜3日分の稼動時間で蒸発する程度に設定して
    ある請求項1または2記載の湿式除塵方法。
  4. 【請求項4】 ケーシング内に設けられた処理経路で、
    気相流体を水と接触させる気液接触工程と、気相流体を
    除塵フィルターと接触させるフィルター処理工程とから
    なる湿式除塵方法であって、 前記気液接触工程を、気相流体が流動する処理経路内に
    気液接触用の水膜を形成するとともに、気相流体の流動
    方向を、気相流体が水膜の膜面へ当てつけられた後に、
    前記形成された水膜の膜面に沿って流動するように制御
    することにより気液接触させる水膜接触工程と、水膜接
    触後の気相流体を散水域でシャワー液と接触させるシャ
    ワー接触工程と、シャワー接触工程を通過後の気相流体
    を、流路の広範囲に拡散させながら、気相流体中に含ま
    れる水分と気体とを接触させる拡散接触工程とで構成
    し、 前記フィルター処理工程では、気液接触後の気相流体を
    除塵フィルターに接触させて気相流体中の塵埃を除去す
    るようにした湿式除塵方法。
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