JP3347857B2 - フィルム状回路積層体 - Google Patents
フィルム状回路積層体Info
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Description
着剤層からなる積層物に関するものであり、とくにベー
スフィルムの寸法安定性と、積層物の優れた寸法安定性
と回路作成が簡略化できる積層フィルム、またその積層
フィルムから作られた電気配線回路を持つ積層体に関す
る。
い、エレクトロニクス製品の、小型化、軽量化および高
機能化の要求が強くなり、軽量で立体的な配線のできる
フレキシブル印刷配線基板(FPC)やTABテープ、
ICCの需要が増大してきている。
熱フィルムとしてはポリイミドが、接着剤としてはエポ
キシ樹脂系が中心に使用されてきた。しかし、近年で
は、さらなる電気製品の軽薄・短小の要求にともなっ
て、これらの積層物の加工時間、加工精度、種々の電気
的特性等が十分に満足行くものではなくなってきた。例
えばフレキシブル印刷配線基板は、金属箔と絶縁基体で
ある耐熱性フィルムとを接着剤を介して張り合わせるた
め、使用される接着剤にも、より高度な、接着性、耐熱
性、耐熱劣化性および電気絶縁性が要求されるようにな
った。しかし従来の接着剤組成では、前記の特性を総て
十分に満足させる接着剤は開発されていない。例えば、
エポキシ樹脂ーポリアミド樹脂系接着剤は、接着力に優
れているが耐吸湿性に劣る。また、カルボキシル基含有
アクリロニトリルブタジエンゴムーエポキシ樹脂系接着
剤は、接着力、耐薬品性、および電気絶縁性に優れてい
るが、耐熱性に劣り、特に加熱により接着剤が劣化して
接着力の低下が著しい欠点があった。
たため、硬化過程において多大な時間を要していた。例
えば、硬化時間が短いとされる場合でも、150℃で数
十分から2時間程度かかっていたし、さらに電気的信頼
性や加工精度が要求される場合には、1日弱の硬化時間
を要していた。さらに、熱硬化性の接着剤を使用する場
合は、その寿命(ライフ)が問題となっている。より接
着力が高くなければならない製品においては、数日から
数週間で使用しなければならなかったし、長い期間保証
を持つものでも3カ月から6カ月程度の保存期間にしば
られていた。またその多くは、保存を冷蔵庫や冷凍庫で
行わねばならなかった。
このような硬化時間や保存期間の必要性は、結局製品の
コスト高や生産性の悪さにつながっていた。これらの問
題点を解決するために、例えば、特開平4ー71707
号公報、特開平2ー272077号公報、特開昭60ー
102751号公報、特開昭57ー50670号公報に
は、耐熱性のベースフィルムであるポリイミドフィルム
上に熱可塑性のポリイミドやその他の熱可塑性樹脂を積
層して得られる複合フィルムを用いた印刷配線板、及び
半導体素子固定用接着フィルム等が開示されている。ま
た特開平1ー276694号公報にみられるように、こ
のような積層フィルムをカバーレイに使用してその加工
時間を短縮させる試みがなされている。
ある範囲内で使用されるには有効であるが、近年の半導
体素子の高集積度化やこれにともなった素子の小型化あ
るいは、リードフレームの多ピン化が急速に進んでいる
中にあってはその寸法安定性が問題になって来ている。
即ち、リードピンの線幅は細かくなり、各リード間距離
も狭くなっており、これらの位置精度や実装精度はかな
りきびしく管理されている。当然、これらの半導体素子
を実装するキャリアテープも同様にファインピッチ化や
寸法安定性が要求されている。
子を実装する行程や、テープ自身を他のデバイスへ実装
する行程では、160℃〜300℃ほどの温度がかけら
れる。むろんこの時キャリアテープにもこの熱が伝わる
が、この時加えられる温度やその後、室温に製品自体が
戻った時の温度差からくる各素材の寸法変化の差から回
路の不良が生じる。即ち、従来一般的に用いられてきた
積層物のベースフィルムはポリイミドフィルムである
が、この代表的な市販品であるカプトンRフィルムの熱
膨張係数は2.0×10-5/℃である。一方、LSI等
電子素材の熱膨張係数は6.0×10-7〜6.0×10
-6/℃である。LSIを実装する工程では、回路が形成
されたTABキャリアテープ上に、LSIの足にあたる
リードがある間隔を持って接続されることとなる。この
実装工程で加熱されることから、相互の素材の熱膨張率
の違いにより寸法変化率が異なり、即ちフィルムの熱膨
張率が大いため、回路形成時に回路がずれるという問題
があった。またほかに、LSIが実装されたキャリアテ
ープを、例えば液晶画面へ接続する場合も、液晶のデバ
イスであるガラス素材とこのキャリアテープの素材であ
る有機高分子フィルムの熱膨張係数に差があるため、同
様の回路接続部のずれが生じ不良品につながっていた。
実際、実装行程ではこれらを見越した回路寸法設計がな
されている。このように回路にずれが生ずることや、回
路設計上で制限が加えられることによって、よりファイ
ンピッチの回路を作成するのはなかなか難しかった。
フィルムとして全芳香族ポリアミドから得られるフィル
ムをえている。例えば、p−フェニレンテレフタルアミ
ド(PPTA)のフィルムは、PPTAの光学異方性を
示す硫酸ドープを光学等方性ドープに相変化させた後凝
固させることにより、寸法精度や力学性能の卓越したフ
ィルム(特開昭62−37124号公報、特開昭62−
39634号公報)を得ている。これらのフィルムはそ
の優れた耐熱性や機械強度を利用して高密度・高精度の
電気・電子材料に使用されつつある。
ドフィルムは、非常に耐熱性が高く、軟化温度を有しな
い。このため、通常の熱可塑性または熱軟化性ポリマー
よりなるフィルムのような熱融着性が無いことによる利
用上の不便を生じ、これを上記のような電気・電子材料
用のキャリアーフィルムとして用いるためにはエポキシ
樹脂等の接着剤と共に使用せねばならず、上記で述べた
同様の問題を抱えて、せっかくの高寸法安定性を活かし
きれていなかった。
熱寸法安定性の良い芳香族ポリアミドフィルムに熱融着
層をもつ積層フィルムを得ることによって、寸法安定性
がよく、耐熱性がよく、加工時間がかからず、加工性が
複雑でない電気電子用に利用される積層フィルム上に電
気回路を形成させた積層体を提供することにある。
00℃における幅方向の平均熱線膨張係数が8ppm/
℃以下の全芳香族アラミドフィルムの片面もしくは両面
に融着剤として熱可塑性樹脂が配置された積層フィルム
の片面もしくは両面に回路状に作られた金属箔層を持つ
積層体であり、該金属箔層が熱線膨張係数が5ppm/
℃以下の金属箔からなる層であることを特徴とするフィ
ルム状回路積層体に関するものである。
使用する耐熱性のベースフィルムは、20℃〜300℃
における平均熱線膨張係数が8ppm/℃以下の全芳香
族アラミドフィルムを使用する。本発明に用いられる全
芳香族ポリアミドは、アミド結合の少なくとも85%以
上が芳香族環性ジアミン、芳香族環性ジカルボン酸成分
より得られるものである。
ド、ポリパラフェエレンテレフタルアミド、 ポリ−
4,4’−ジアミノベンズアニリド、ポリテレフタルア
ミド、ポリパラフェニレン−2,6−ナフタリックアミ
ド、コポリパラフェニレン/4,4’(3,3’−ジメ
チルビフェニレン)テレフタルアミド、コポリパラフェ
ニレン/2,5−ピリジレンテレフタルアミド、ポリオ
ルソフェニレンフタルアミド、ポリメタフェニレンフタ
ルアミド、ポリパラフェニレンフタルアミド、ポリオル
ソフェニレンイソフタルアミド、ポリメタフェニレンイ
ソフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミ
ド、ポリオルソフェニレンテレフタルアミド、ポリメタ
フェニレンテレフタルアミド、ポリ−1,5−ナフタレ
ンフタルアミド、ポリ−4,4’−ジフェニレンオルソ
フタルアミド、ポリ−4,4’−ジフェニレンイソフタ
ルアミド、ポリ1,4−ナフタレンフタルアミド、ポリ
−1,4−ナフタレンイソフタルアミド、ポリ−1,5
−ナフタレンイソフタルアミド等、及びこれらの芳香族
ジアミンのベンゼン核の一部をハロゲンで核置換した化
合物、さらには、これらの芳香族ジアミンのベンゼン核
の一部をピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、
2,5−ジエチルピペラジンで置換した化合物等に代表
される脂環式アミンを含む芳香族ポリアミド、または芳
香族ジアミンが3,3’−オキシジフェニレンジアミ
ン、3,4’−オキシジフェニレンジアミン等のアリル
基、アルキル基、−S−、−SO2−、−CO−、−N
H−等の基より結合された2個のフェニル基を含む芳香
族ポリアミド、または上述の芳香族ポリアミドのコポリ
マー、例えば、ポリ−3,3’−オキシジフェニレンテ
レフタルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミド
共重合体、ポリ−3,4’−オキシジフェニレンテレフ
タルアミド/ポリパラフェニレンテレフタルアミド共重
合体等を挙げることができる。
ィルムの幅方向の熱線膨張係数は20℃〜300℃の間
の平均で8ppm/℃以下のフィルムを用いる。より好
ましくは、4ppm/℃以下の物である。本発明中にお
いて、厚み方向の熱線膨張係数は特に規定しないが、以
下で述べる理由と同じで小さい方がより好ましい。
は、6.0×10-7〜6.0×10-6/℃である。例え
ば、LCD用のガラスは、約5ppm/℃であり、SI
単結晶は約3ppm/℃、SiO2は約0.6ppm/
℃である。一方、従来一般的に用いられてきた耐熱性の
ベースとなるポリイミドフィルムとしてのカプトンRフ
ィルムの熱線膨張係数は一般には20ppm/℃程度の
物である。これらのLSI素子等を実際に使用するため
には、ある回路をもったベースとなる基材上に実装する
ことになるが、これらを実装するときの半田付や、最終
製品に至るまでには、数々の熱がかけられることにな
る。これらの実装工程の温度変化によって、相互の素材
の線膨張係数の違いから寸法変化の差が生じ、即ちフィ
ルムの熱線膨張係数が素子等と比べ大きすぎるため、回
路成形路にずれが生じたり、製品全体が歪んだりするこ
ととなる。これらはすべて成形品の不良率の増加につな
がり、よりファインピッチの製品をつくるには限界がき
ていた。よってこれらの成形品不良を低減し、より製品
を小型化するためには、基材となるフィルムの線膨張係
数を低くしなければならない。
線膨張係数が小さい耐熱性フィルムである全芳香族ポリ
アミドフィルムを得るための製造方法は、特には本発明
中では規定しないが以下のような方法で容易に得ること
ができる。例えば、全芳香族ポリアミドの一種であるp
−フェニレンテレフタルアミド(PPTA)のフィルム
は、PPTAの光学異方性を示す硫酸ドープを光学等方
性ドープに相変化させた後凝固させることにより力学性
能の卓越したフィルム(特開昭62−37124号公
報、特開昭62−39634号公報)をえることができ
るが、同時に熱線膨張係数も約4ppm/℃程度のフィ
ルムが特に機械的な延伸操作等の処理無しでできる。こ
のようにして得られたフィルムは、熱処理や機械的延伸
操作によって所望の熱線膨張係数をもったフィルムに仕
上げることができる。
下、好ましくは4ppm/℃以下にするためには、上記
に示した全芳香族ポリアミドの内で、ポリパラベンズア
ミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド等のパラ配
向形の全芳香族ポリアミドの方がより好ましい態様であ
る。即ち、フィルムをつくる全芳香族ポリアミドの成分
は、その分子がより剛直性を持った方が、できあがった
フィルムに特に処理をすることなしで容易に低線膨張係
数を持った物が得られる。
たフィルムも以下のような処理をすることでより低い線
膨張係数を持つことが出来るようになる。たとえば、
1)有機フィルムの系内に、無機フィラー等の第二成分
を添加したり、2)有機フィイルムの一軸、二軸の方向
に加熱しながら延伸する方法、等で低い熱線膨張係数を
持ったフィルムが得られる。
なことの一つは、ベースとなるフィルムの熱線膨張係数
が8ppm/℃以下、好ましくは4ppm/℃以下であ
ることであり、上記の方法で得る事ができる。また上記
の方法で得られたPPTAフィルムは、例えば引張弾性
率が1400Kg/mm2、破断強度が40Kg/mm2
を示し、機械的性質にも優れている。この結果、製品の
強度が増したり製品へ加工する際のラインでのトラブル
が少なくなることは非常に好ましいことである。例え
ば、パンチングにより開けられたスプロケットホール部
で走行中に製品の加工ラインで力がかかりすぎてフィル
ムが引き裂かれるなどしてトラブルを起こし加工収率上
問題となっているがフィルムの強度を上げることによっ
てこれらのトラブルは少なくなる。
常16μm〜125μm程度の厚みを有するものが採用
される。これらは使用方法により厚みは異なり、例えば
FPCなら薄い方が良い。TABやなんらかの支持体に
用いられる場合は厚い方がよい。これらに使用されると
き全方向族ポリアミドフィルム、特にPPTA等のフィ
ルムは、前にも述べたように高強度、高弾性率を有する
フィルムであることから同じ強度や弾性率をもたせたい
場合は通常よりも薄くすることができ、製品の軽薄化
や、コスト面で有利にもなるし、同じ厚みの製品ならば
製品強度のアップにもつながり信頼性が増すことにな
る。
融着性を有しているものであるならば特に規定はない
が、半導体やその他の電子部品の実装・加工方法を考え
た場合その融点は100℃〜350℃が良く、さらに好
ましくは150℃〜330℃がよい。熱可塑性樹脂の融
点が低すぎるものでは、電子部品が使用される温度環境
下で部品同士の接合に不良が生じたり、電子部品を成形
する際の半田ずけ工程やその他の加熱によるボンディン
グ工程で不良が生じる恐れがある。例えば、一般の半導
体装置のアセンブリ工程において、半導体チップをリー
ドフレームに接着するダイボンディング工程では150
℃〜250℃程度が、またリードフレームのインナーリ
ードピン先端と半導体チップ上の配線用パッドとを金線
で接続するためのワイヤーボンディング工程では150
℃〜350℃程度の加熱処理がなされることになるし、
その他の電子部品の実装工程においても様々な熱履歴を
へることとなる。このような熱履歴を経る上でも、また
全方向属のポリアミドフィルムの耐熱性をそのまま利用
するためにも、本発明で使用される熱可塑性樹脂の耐熱
性は非常に有用である。
では、半導体装置やその他の電子部品をアセンブリする
工程または、回路となる金属箔と積層一体化する際に不
良が生じる。たとえば、熱可塑性樹脂の融点が高すぎる
場合、半導体素子を実装するダイボンディング工程で素
子自信に熱がかかりすぎて不良を起こしたりする。ま
た、銅などの金属箔を積層一体化する場合、金属のアニ
ールの問題が生じてせっかくの熱寸法安定性を損なう恐
れもでてくる。
熱可塑性樹脂は、熱融着性を有しているものであるなら
ば特に規定はないが、半導体やその他の電子部品の実装
・加工方法を考えた場合その融点は100℃〜350℃
が良く、さらに好ましくは150℃〜330℃がよい。
本発明に用いられる熱可塑性樹脂を具体的に挙げるなら
ば、ポリアミド樹脂(ナイロン6・6やナイロン6な
ど)、フッ素ポリマー(パーフルオロアルケンやパーフ
ルオロビニルエーテルなど)、ポリエステル(PETや
PBT、ポリカーボネートなど)、ポリアセタール、ポ
リフェニレンオキシド、ポリフェニレンサルファイド、
ポリサルフォン、芳香属ポリアミドイミド、ポリエーテ
ルイミド、芳香属ポリエステル等が挙げられる。またこ
れらのアロイ化物等が使用されるが、これらの熱可塑性
樹脂を選択する基準としては、実際の商品とするものの
特性や加工条件等を考え合わせて選ばれるべき物であ
る。また、上記で述べた熱可塑性樹脂層にエポキシ樹脂
やアリル基を持った樹脂などの架橋性樹脂を配合させる
ことは接着性などを上げる意味において有用である。
の両面もしくは片面に熱融着剤としてなる熱可塑性樹脂
を固定する方法は特に規定はしないが、溶剤を使用した
塗工方法やコーティング、溶剤を使用しない方法(例え
ば、ラミネート法、熱融着、、内部加熱法、ホットメル
ト法、蒸着等)などいろいろな方法がとれる。また用い
られる全芳香属ポリアミドフィルムと熱可塑性樹脂には
接着性向上の点から片方に、もしくは双方に対してコロ
ナ放電処理、イオンスパッタリング処理、サンドブラス
ト加工、アンダーコート加工、プライマー処理などの如
き表面処理を施すことは、製品の信頼性を増す目的でよ
り好ましい態様である。
としては1〜100μm、好適には寸法安定性を損ねな
いために50μm以下、さらに好ましくは30μm以下
が好ましい。本発明において、上記の積層体へ異物の付
着を防止するために、熱可塑性樹脂としての融着剤の側
に(片面もしくは両面に)、ポリエステルフィルム、ポ
リプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルムなどの保
護フィルムを用いてもよい。これらの保護フィルムは離
型処理された物でも良いが、電気回路状物や半導体固定
用テープ等として使用される場合にはこれらの保護フィ
ルムははがして使用される。
には銅箔であるが、アルミ箔、ニッケル箔、ステンレス
箔、タングステン箔、モリブデン箔等や金属合金箔(例
えば、鉄ーニッケルで作られた42合金等)を用いるこ
とも出来る。本発明の重要な目的である熱寸法変化によ
るファインピッチ化や電子製品を搭載したの後の製品不
良率の低減を達成するためには、回路となる金属層も低
熱線膨張率が望ましい。その意味において、例えばモリ
ブデン箔やタングステン箔(いずれも、熱線膨張係数は
約5ppm/℃)などや、42合金(線膨張係数は約
4.6ppm/℃)などを用いることは、より好ましい
態様である。
融着剤としてなる全芳香属ポリアミドフィルムの積層体
と、各々の熱可塑性樹脂の融点以上でラミネートし積層
物を得る。本発明で、上記で得られた熱可塑性樹脂を融
着剤としてなる全芳香属ポリアミドフィルムの積層体に
金属箔層で電気回路状に成形する方法は特に問わない
が、例を挙げるならば、エッチング法、サブトラクティ
ブ法、アディティブ法およびこれらの改良法、ダイスタ
ンプ法、PCB法等がある。この積層物の利点を生かす
為には、ダイスタンプ法、PCB法がより好ましい。ま
たダイスタンプ法の改良として提案されている新規な配
線成形方法(減圧下にある金型を用いたプレスによる回
路成形方法;プリント回路学会第7回学術講演会予稿集
P139、題名:乾式プロセスによる新規プリント配線
成形方法)などの回路成形方法によればより好ましい態
様である。
ティブ法やアディティブ法など湿式の回路作成法では、
廃液処理や多くの中間材料を必要とするばかりでなく、
回路形成終了までの中間工程が多く時間もかかってい
た。一方乾式プロセスによる回路成形方法であるなら
ば、接着剤層としてなる熱可塑性樹脂の利点を活かし
て、その融点以上の温度にて回路成形させれば短時間
に、また、溶剤等の中間材料を大幅に省き所望の回路状
物が得られる。これらの意味において、熱可塑性樹脂を
融着剤としてなる全芳香属ポリアミドフィルムの積層体
に金属箔層で電気回路状に成形する方法は、乾式プロセ
スがより望ましい。
ルや打ち抜きプレス等の機械的方法も必要であるならば
当然利用できる。このようにして得られた回路状の積層
体は、そのままFPCやTABの素材として利用された
り、半導体などの電子部品をダイボンディング法などで
その表面に実装させるようなベース材料として利用され
る。
る。これらの実施例は本発明を説明するものであって、
決して限定するものではない。尚、実施例中に、特に限
って規定しない場合は重量部または重量%を示す。以下
に本発明中での評価方法等を説明する。
にポリマー0.5gを溶解し、30℃で常法で測定した
値である。ドープの粘度は、B形粘度計を用いて1rp
mの回転速度で測定したものである。強伸度およびヤン
グ率は、定速伸長型強伸度測定機により、フィルム試料
を100mm*100mmの長方形に切り取り、最初の
つかみ長さ30mm、引っ張り速度30mm/分で測定
し、算出した。
ネートした試料を10mm幅に切り、定速伸長型強伸度
測定機により150mmのストローク長を引っ張り速度
50mm/分で測定しそのときの荷重を見た。フィルム
の熱膨張係数は、フィルム試料を25mm*25mmの
長方形に切り取り、島津制作所TMA;DT−40にて
昇温速度5℃/分にて測定し、20℃〜300℃の間の
平均線膨張率を計算した(n=5)。
きるかどうかの基準として半導体素子固定用に用いるリ
ードフレームを使用してこのリードフレームの寸法変化
を測定した。以下にその測定方法を記す。リードシフト
率を測定するために128ピンQFPリードフレーム
(図1)を使用した。前もってこのリードフレームのA
で示された部分(図2;図1の部分拡大図)の距離
(a)を測定(測定精度1μm)しておく。次に本発明
で示されたところの積層接着テープを図1に示された位
置(B、C)に張り合わせる。テーピングの終えたリー
ドフレームを半導体装置の実装温度を想定してホットプ
レート上で300℃下、3分加熱処理を行う。その後、
先の図2で示されたA部の距離(a’)を同様に測定し
てリードシフト率(α)を、α=(a’−a)/a*1
00の式にしたがって計算した。
定する部位を示す。
PPTAフィルムを製膜した。このときの条件として
は、ηinhが5.5のポリパラフェニレンテレフタルア
ミド(PPTA)のポリマーを99.7%の硫酸にポリ
マー濃度11.5%で溶解し、60℃で光学異方性のあ
るドープを得た。このドープの粘度を常温で測定したと
ころ10600ポイズだった。このドープを約70℃に
加温して、真空下に脱気した。この場合も上記と同じ光
学異方性を有し、粘度は4400ポイズであった。タン
クから静止型混合機を通じ、ギアポンプを経て、0.9
5mm*300mmのスリットを有するダイから、鏡面
に磨いたタンタル製のベルトにキャストし、相対湿度約
85%の約90℃の空気を吹き付けて、流延ドープを光
学等方化し、ベルトと共に、−20℃の30重量%硫酸
水溶液の中に導いて凝固させた。ついで凝固フィルムを
ベルトからひき剥し、約40℃の温水中を走行させて洗
浄した。洗浄の終了したフィルムを水切りロールで表面
に付着した水分を除去し、テンターを用いて横方向に
1.1倍延伸しつつ240℃で熱風乾燥した後、250
℃でフリー熱処理をした。その後コロナ処理を両面に施
し、そして巻とり、厚さ50.5μmのフィルムを得
た。
2、伸度は18.2%、弾性率は1520kg/mm2、
熱膨張係数は4.1*10-6cm/cm/℃であった。
得られたPPTAのフィルム上にポリエーテルイミド
(PEI;融点275℃)を溶融塗工した。膜厚は25
μmであった。この積層シートを幅20mm及び幅17
mmに、ベースフィルムのマシン方向にそって切り出
し、リードシフト用のサンプルとした。リードフレーム
は42アロイ合金で作られた前記の物を用い、このリー
ドフレームへの接着シートの貼合わせは、260℃のホ
ットプレート上で6kg/cm2の圧力で実質的に約1
5秒間熱圧着した。得られたサンプルの寸法変化の安定
性を見るために前記したリードシフト率を測定し、これ
らの結果を表1にまとめた。
エチレンーヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P;融点270℃)を溶融塗工した(膜厚;30μ
m)。この接着シートを、実施例1と同様の手順でリー
ドフレームに貼合わせ成形品とした。これらの結果は表
1にまとめた。
ルムを、さらにテンターを用いて横、縦両方向に1.0
5倍延伸しつつ270℃で熱風乾燥した後、250℃で
フリー熱処理をし、その後巻とり、厚さ50.4μmの
フィルムを得た。このフィルムの強度は45.7kg/
mm2、伸度は9.8%、弾性率は1620kg/m
m2、熱膨張係数は2.2*10-6cm/cm/℃であ
った。
融塗工し(膜厚;30μm)、実施例1と同様の操作で
成形品を得た。
0H;東レデュポン社製)に、実施例1と同様にPEI
を溶融塗工し、同様の操作でサンプルを得た。これらの
結果を表1に合わせて記した。
熱硬化性の接着剤であるアクリル系の接着剤(テイサン
レジンSG−70L;帝国化学産業社製)を塗工し、熱
風乾燥機中(150℃)で10分間おき接着シート(塗
工厚み;25μm)とした。この接着シートを用いて実
施例1と同様のリードフレームに貼合わせた。次に、後
硬化として150℃の硬化炉に1時間いれて硬化を完了
し、サンプルを得た。
たが、硬化時間中に樹脂の流動性が大きいため、不良率
が多かった。
ーテルサルホン(PES)を溶融塗工(塗工厚み;30
μm)し、接着フィルムとした。溶剤を使用しない乾式
の回路作製法として減圧下においた回路原版用金型を用
いた熱プレス法(改良ダイスタンプ法)で、この接着フ
ィルムと18μmの電解銅箔を積層し回路成形し、プリ
ント回路基盤を作成した。このときの成形条件として
は、回路原版用金型温度は240℃、加圧圧力は550
kg/cm2、加圧時間は20秒であった。
0.3mmであり、平坦で良好な配線回路基盤であっ
た。
0H;東レデュポン社製)に、参考例1と同様にPES
を溶融塗工し、同様の操作でサンプルを得ようとした。
しかしながら、フィルムが破れてしまったり、操作条件
を検討してようやく得たサンプルも全体的に成形体が歪
んだ物しか得られず、回路基盤として用いるには不適で
あった。
(例えば、FPC用、リードフレーム補強用テープ,T
ABキャリアテープ、ダイボンディング用テープとして
使用する)際に、本発明中の強度が強く熱寸法安定性の
良い芳香族ポリアミドフィルムに熱融着層をもつ積層フ
ィルムを使うことによって、加工時間を短縮し、加工工
程を簡略でき、さらに得られた製品も寸法安定性がよい
物が得られる事からよりファインピッチ化することがで
きる。これによって、製品もよりダウンサイジング化
し、製品コストも低下できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 20℃〜300℃における幅方向の平均
熱線膨張係数が8ppm/℃以下の全芳香族アラミドフ
ィルムの片面もしくは両面に融着剤として熱可塑性樹脂
が配置された積層フィルムの片面もしくは両面に回路状
に作られた金属箔層を持つ積層体であり、該金属箔層が
熱線膨張係数が5ppm/℃以下の金属箔からなる層で
あることを特徴とするフィルム状回路積層体。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00569594A JP3347857B2 (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | フィルム状回路積層体 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP00569594A JP3347857B2 (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | フィルム状回路積層体 |
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JPH07205382A JPH07205382A (ja) | 1995-08-08 |
JP3347857B2 true JP3347857B2 (ja) | 2002-11-20 |
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Family Applications (1)
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JP00569594A Expired - Fee Related JP3347857B2 (ja) | 1994-01-24 | 1994-01-24 | フィルム状回路積層体 |
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-
1994
- 1994-01-24 JP JP00569594A patent/JP3347857B2/ja not_active Expired - Fee Related
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