JP4480337B2 - 回路基板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマー(以下、これを熱可塑性液晶ポリマーと称したり、また、単に液晶ポリマーと略称したりすることがある)を用いた回路基板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
移動体通信を始め、携帯用電子機器の小型・軽量化の要求が強くなり、高密度実装に対する期待が一段と強まっている。これに伴い、配線板の多層化、配線ピッチの狭幅化、バイアホールの微細化、ICパッケージの小型多ピン化が進められており、またコンデンサや抵抗の受動素子についても小型化と表面実装化が合わせて進められている。特に、これらの受動素子を直接配線板等の表面あるいは内部に形成する技術は、高密度実装を達成することができるだけでなく、信頼性の向上にも寄与する。
【0003】
高密度実装を行うには、できるだけ配線パターンを細く、かつ、その間隔を狭くする方法が有効であるが、以下の問題が生じる。
1.微細な配線パターンを設けた薄型の配線板は、基板に対する微細な配線パターンの接合面積が小さくなるために、折り曲げや引張りなどの外力が加わると、配線パターンの一部が基板から剥離し易くなる。
2.配線パターンの間隔を狭くすると、半導体素子等の電子部品を実装する際に、半田ブリッジなどによって、隣接する配線パターン同士の短絡などを招く恐れがある。
これらのことから、高密度実装する上で配線密度が制約されることになり、さらには、回路基板および該回路基板を使用した装置の信頼性、小形化、製品歩留まりにも大きく影響を及ぼすことになる。
【0004】
以上の問題を解決する手法として、従来、フィルム状支持体に形成した配線パターン面に絶縁体層を積層配置し、この積層体を加圧一体化して配線パターンを絶縁体層中に埋め込んだ後に、前記フィルム状支持体を剥離する方法(例えば、特許文献1)が提案されている。しかし、この方法では、積層体を加圧一体化する際に、絶縁体層を形成する樹脂の流動により配線パターンのズレが発生しやすい。また、フィルム状支持体をはがす工程が必要であることから製造プロセスが長くなるばかりか、フィルム状支持体が廃棄物となってしまい、製造コストが高くなる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−68824号公報
【0006】
しかして、本発明の目的は、熱可塑性液晶ポリマーを用いて、配線パターンの微細化や狭ピッチ化に由来する上記の問題点を解消した高性能かつ高信頼性の回路基板を低コストで提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、基板上に形成された配線パターンとの対応個所に貫通孔が設けられた光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマーからなるフィルムであって、配線パターンのズレを抑制するように、その融点が基板を構成する材料の融点よりも15℃以上低いフィルムを、該基板上の配線パターンが形成されていない領域に、接着剤層を介在させて熱圧着することにより、配線パターンが外部と導通可能な状態で、該領域に前記熱可塑性ポリマーを充填することからなる回路基板の製造方法を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明において使用される熱可塑性液晶ポリマーの原料は特に限定されるものではないが、その具体例として、以下に例示する(1)から(4)に分類される化合物およびその誘導体から導かれる公知のサーモトロピック液晶ポリエステルおよびサーモトロピック液晶ポリエステルアミドを挙げることができる。但し、光学的に異方性の溶融相を形成し得るポリマーを得るためには、各々の原料化合物の組み合わせには適当な範囲があることは言うまでもない。
【0009】
(1)芳香族または脂肪族ジヒドロキシ化合物(代表例は表1参照)
【0010】
【表1】
Figure 0004480337
【0011】
(2)芳香族または脂肪族ジカルボン酸(代表例は表2参照)
【0012】
【表2】
Figure 0004480337
【0013】
(3)芳香族ヒドロキシカルボン酸(代表例は表3参照)
【0014】
【表3】
Figure 0004480337
【0015】
(4)芳香族ジアミン、芳香族ヒドロキシアミンまたは芳香族アミノカルボン酸(代表例は表4参照)
【0016】
【表4】
Figure 0004480337
【0017】
これらの原料化合物から得られる熱可塑性液晶ポリマーの代表例として表5に示す構造単位を有する共重合体(a)〜(e)を挙げることができる。
【0018】
【表5】
Figure 0004480337
【0019】
熱可塑性液晶ポリマーの融点は、耐熱性および加工性の点で、約200〜約400℃の範囲内、とりわけ約250〜約350℃の範囲内に融点を有するものが好ましい。
【0020】
本発明の第1構成では、上記した熱可塑性液晶ポリマーからなり、配線パターンとの対応個所に貫通孔が設けられたフィルムを、基板の配線パターンが形成されていない領域に接合する。
【0021】
熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムの融点は、同ポリマーからなるフィルムの接合を熱圧着によって行う場合には、基板を構成する材料の融点に対し差を設けておくことが好ましい。つまり、熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムと基板とを熱圧着する際の温度および圧力による配線パターンのズレを抑制する目的においては、熱可塑性液晶ポリマーの融点を、基板を構成する材料の融点よりも15℃以上、特に25℃以上低く設定することが好ましい。
【0022】
熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムとしてより高い耐熱性や融点を必要とする場合には、一旦得られたフィルムを加熱処理することによって、耐熱性や融点を高めることができる。加熱処理の条件の一例を説明すれば、一旦得られたフィルムの融点が283℃の場合でも、260℃で5時間加熱すれば、融点は320℃になる。
【0023】
熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムは、熱可塑性液晶ポリマーを押出成形して得られる。任意の押出成形法がこの目的のために使用されるが、周知のTダイ法、インフレーション法等が工業的に有利である。特にインフレーション法では、フィルムの機械軸方向(以下、MD方向と略す)だけでなく、これと直交する方向(以下、TD方向と略す)にも応力が加えられるため、MD方向とTD方向との間における機械的性質および熱的性質のバランスのとれたフィルムを得ることができるので、より好適に用いることができる。
【0024】
本発明の適用分野によって、必要とされる熱可塑性液晶ポリマーフィルムの分子配向度SORは当然異なるが、SOR≧1.5の場合は熱可塑性液晶ポリマー分子の配向の偏りが著しいためにフィルムが硬くなり、かつMD方向に裂け易い。加熱時の反りがないなどの形態安定性が必要とされるプリント配線板や多層プリント配線板等の場合には、SOR≦1.3であることが望ましい。特に、SOR≦1.3の熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、MD方向とTD方向との間における機械的性質および熱的性質のバランスが良好であるので、より実用性が高い。また、加熱時の反りをほとんど無くす必要がある精密プリント配線板や多層プリント配線板等の場合には、SOR≦1.03であることが望ましい。
【0025】
ここで、分子配向度SOR(Segment Orientation Ratio)とは、分子配向の度合いを与える指標をいい、従来のMOR(Molecular Orientation Ratio)とは異なり、物体の厚さを考慮した値である。この分子配向度SORは、以下のように算出される。
まず、周知のマイクロ波分子配向度測定機において、熱可塑性液晶ポリマーフィルムを、マイクロ波の進行方向にフィルム面が垂直になるように、マイクロ波共振導波管中に挿入し、該フィルムを透過したマイクロ波の電場強度(マイクロ波透過強度)が測定される。
そして、この測定値に基づいて、次式により、m値(屈折率と称する)が算出される。
m=(Zo/△z) × [1−νmax/νo]
ただし、 Zoは装置定数、△z は物体の平均厚、νmaxはマイクロ波の振動数を変化させたとき、最大のマイクロ波透過強度を与える振動数、νoは平均厚ゼロのとき(すなわち物体がないとき)の最大マイクロ波透過強度を与える振動数である。
次に、マイクロ波の振動方向に対する物体の回転角が0°のとき、つまり、マイクロ波の振動方向と、物体の分子が最もよく配向されている方向であって、最小マイクロ波透過強度を与える方向とが合致しているときのm値をm0、回転角が90°のときのm値をm90として、分子配向度SORがm0/ m90により算出される。
【0026】
熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムの厚さは、特に限定されるものではないが、配線パターンの厚みと実質的に同一であることが好ましく、なかでも配線パターンの厚み±15%の範囲内であることが好ましい。熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムの厚さが、配線パターンの厚みより必要以上に厚いと、配線パターンの上面全体が熱可塑性液晶ポリマーで被覆され、実装部品等との導通が確保できなくなることがある。
【0027】
一方、熱可塑性液晶ポリマーからなるフィルムの厚さが、配線パターンの厚みより必要以上に薄いと、基板上の配線パターンが形成されていない領域に熱可塑性液晶ポリマーが充分に充填されない結果、基板に対する配線パターンの接合力を高めることができなくなることがある。
【0028】
本発明においては、基板上の配線パターンとの対応個所に貫通孔が形成された熱可塑性液晶ポリマーフィルムを用いるが、この貫通孔を形成する手段としては、金型による打ち抜きやレーザーによる開孔などの公知の手法が採用される。
貫通孔の形状は、配線パターンと完全に同じ形状であってもよいし、配線パターンの一部に対応した形状であってもよい。
【0029】
また、熱圧着の温度は、基板を構成する材料の融点より15℃以上低い温度であることが好ましい。
【0030】
熱可塑性液晶ポリマーフィルムと基板との接合は、直接両者を熱圧着することによって実施するのが簡便であるが、接着剤を使用して実施することもできる。この接着剤としては、エポキシ系、ビスマレイミド系、ポリイミド系、熱可塑性液晶ポリマーを含むポリエステル系およびポリエステルアミド系接着剤を例示することができる。熱可塑性液晶ポリマーフィルムと基板との接合は、このような接着剤を介在させて両者を熱圧着することによって実施してもよい。
【0031】
基板は、その少なくとも一方の表面に配線パターンを有する単層基板、この単層基板を複数枚積層した多層基板のいずれであってもよい。基板を構成する材料に特に制限は無く、エポキシ系、ビスマレイミド系、ポリイミド系、熱可塑性液晶ポリマーを含むポリエステル系およびポリエステルアミド系の材料を例示することができる。これらのなかでも電気特性、低吸水性、耐熱性、寸法安定性等に優れている熱可塑性液晶ポリマーが好ましい。基板を構成する熱可塑性液晶ポリマーは、特に制限されるものではないが、上記した熱可塑性液晶ポリマーフィルムの素材と同じ化学組成を有していることが好ましい。また、基板には、所望の特性を損なわない範囲において、ガラス繊維やフィラーが含まれていてもよい。
【0032】
基板上に形成される配線パターンの材質としては、電気的接続に使用されるような金属が好適であり、銅、金、銀、ニッケル、アルミニウムなどを挙げることができる。
【0033】
本発明において、基板上の配線パターンが形成されていない領域に接合される熱可塑性液晶ポリマーフィルムの熱膨張係数は、配線パターンの熱膨張係数と実質的に同一であることが好ましい。熱可塑性液晶ポリマーフィルムは、熱処理することにより、熱膨張係数を調整することができる。この熱処理は、配線パターンを形成した基板と接合する前に行ってもよいし、基板と接合した後に行ってもよい。熱処理の手段としては特に制限はなく、熱風循環炉、熱ロール、セラミックヒーター、熱プレスなどを例示することができる。
【0034】
また、本発明の第2構成では、上記した熱可塑性液晶ポリマーからなるワニスを、基板の配線パターンが形成されていない領域に塗布し、乾燥する。かかる操作により、配線パターンが形成されていない領域に熱可塑性液晶ポリマーが充填される。なお、塗布に際し、配線パターンをマスクしておくことが好ましい。
充填された熱可塑性液晶ポリマーの厚さは、特に限定されるものではないが、配線パターンの厚さと実質的に同一であることが好ましく、なかでも配線パターンの厚さ±15%の範囲内であることが好ましい。
【0035】
熱可塑性液晶ポリマーのワニスは、そのポリマー濃度や溶媒の種類を特に規定するものではないが、ワニスのポリマー濃度を大としたいときには、ペンタフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、p−フルオロフェノール、p−クロロフェノール、テトラフルオロ酢酸、テトラクロロ酢酸等の熱可塑性液晶ポリマーの溶解度が比較的大きい溶媒が用いられる。
【0036】
また、熱可塑性液晶ポリマーのワニスは、本発明の第1の構成において、配線パターンと充填された熱可塑性液晶ポリマーの間に隙間が存在する場合、封止材として、その隙間を埋める目的で使用することもできる。
【0037】
図1(a)は、本発明の第1構成の一実施形態にかかる回路基板の製造方法を模式的に示す断面図である。この図では、基板10上の配線パターン20との対応個所に貫通孔50が設けられた熱可塑性液晶ポリマーフィルム60を用い、このフィルム60の貫通孔50と基板10上の配線パターン20とが一致するように両者を配置して熱圧着させている。
【0038】
図1(b)は、本発明の第1構成の他の実施形態にかかる回路基板の製造方法を模式的に示す断面図である。本図では、フィルム60の貫通孔は、配線パターン20の一部に対応するようになっている。その他の部分は、図1(a)と同様であるので、対応する部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。なお、本図の製造法によって得られる回路基板は、後述する図7として示される。
【0039】
図2は、本発明の第2構成の一実施形態にかかる回路基板の製造方法を模式的に示す断面図である。この図においては、基板10上の配線パターン20をマスク80で覆った状態で、基板10上の配線パターン20が形成されていない領域に熱可塑性液晶ポリマーのワニス90を塗布し、この後乾燥させてワニス中の溶媒を除去する。
【0040】
図3〜7は、以上の製造方法により得られる回路基板の一例を示す断面図である。
図3では、基板10の最表層に形成された配線パターン20が、一面を残し他の周面が熱可塑性液晶ポリマー30により面一状に埋め込まれて互いに絶縁・離隔されている。この結果、隣接する微細な配線パターン同士の確実な絶縁が確保されるだけではなく、微細な配線パターン20と基板10との接合一体性が維持された高性能かつ高信頼性の高密度回路基板40が得られる。
【0041】
図4では、配線パターン20の上面よりも若干低い位置に熱可塑性液晶ポリマー30が埋め込まれている。また、図5では、配線パターン20の上面よりも若干高い位置にまで熱可塑性液晶ポリマー30が埋め込まれている。なお、符号75は基板と熱可塑性液晶ポリマーフィルムを接合する際に生じた隙間を熱可塑性液晶ポリマーのワニスで埋めた部分である。図6では、配線パターン20の上面よりも若干高い位置にまで熱可塑性液晶ポリマー30が埋め込まれ、かつ、配線パターン20の上面の一部が熱可塑性液晶ポリマー30で覆われている。図7では、配線パターン20は、図3と同様に、一面を残し他の周面が熱可塑性液晶ポリマー30により面一状に埋め込まれ、さらに配線パターン20の上面の一部は熱可塑性液晶ポリマー30によって覆われている。
ここで、半導体素子等の電子部品を実装する際に、半田ブリッジなどによって隣接する配線パターン同士が短絡する危険性を低減する目的においては、図3,5,6または7の回路基板が好ましい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。なお、実施例における熱可塑性液晶ポリマーフィルムの融点、膜厚、ならびに基板と熱可塑性液晶ポリマーとの接着強度、配線パターンのズレ、埋め込み量は、以下の方法により測定または評価した。
【0043】
融点
示差走査熱量計を用いて、フィルムの熱挙動を観察して得た。すなわち、フィルムを20℃/分の速度で昇温して完全に溶融させた後、50℃/分の速度で50℃まで急冷し、再び20℃/分の速度で昇温した時に現れる吸熱ピークの位置を、フィルムの融点として記録した。
【0044】
膜厚
デジタル厚み計(ミツトヨ社製)を用い、得られたフィルムをTD方向に1cm間隔で測定し、中心部および端部から任意に選んだ10点の平均値を膜厚とした。
【0045】
接着強度
積層体から1.0cm幅の剥離試験片を作成し、そのフィルム層を両面接着テープで平板に固定し、JIS C 5016に準じて、180°法により、配線パターンを50mm/分の速度で剥離したときの強度を測定した。
【0046】
配線パターンのズレ
予め配線パターンに基準点と評点をつけ、3次元測定装置(ミツトヨ社製)を用いて評点と基準点の距離Lを測定した。次に、基板上の配線パターンが形成されていない領域に熱可塑性液晶ポリマーを充填した後に、再度評点と基準点の距離Lを測定し、配線パターンのズレを評価した。
【0047】
埋め込み量
回路基板の表面を表面粗さ計(ミツトヨ社製)でトレースして、配線パターンの埋め込み量を測定した。評価は、配線パターンがその厚みの2/3以上熱可塑性液晶ポリマーで埋め込まれたものを良好○とし、2/3よりも少ないものを不良×とした。また、良好と判定されたもののうち、配線パターンがその厚みの85%以上熱可塑性液晶ポリマーで埋め込まれているものは、非常に良好◎とした。
【0048】
参考例1
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物である熱可塑性液晶ポリマーを溶融押出し、インフレーション成形法により、融点が280℃、膜厚が50μm、分子配向度SORが1.05の熱可塑性液晶ポリマーフィルム(A)を得た。
【0049】
参考例2
参考例1の熱可塑性液晶ポリマーフィルム(A)を260℃で5時間加熱することにより、融点が310℃、膜厚が50μm、分子配向度SORが1.05の熱可塑性液晶ポリマーフィルム(B)を得た。
【0050】
参考例3
熱可塑性液晶ポリマーフィルム(B)の片面に厚さ18μmの電解銅箔を重ね合わせ、真空熱プレス装置を用いて、温度が320℃、圧力が30Kg/cm2の条件で加熱圧着することにより、熱可塑性液晶ポリマーフィルムと銅箔からなる積層体を作製した。
その後、銅箔上にレジスト膜を被覆し、次いで、塩化第2銅水溶液をエッチング液として、前記レジスト膜が被覆形成されていない領域の銅箔を溶解除去することにより、熱可塑性液晶ポリマーフィルム上に配線パターンを有する基板を作製した。
【0051】
参考例4
膜厚が20μmであること以外は参考例1と同様にして、融点が280℃、分子配向度SORが1.05の熱可塑性液晶ポリマーフィルムを得た。次いで、該フィルムに、参考例3で作製した基板の配線パターンの配置に対応した貫通孔を炭酸ガスレーザーにより形成することにより、貫通孔付き熱可塑性液晶ポリマーフィルム(C)を作製した。
【0052】
参考例5
p−ヒドロキシ安息香酸と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸の共重合物である熱可塑性液晶ポリマー10重量部をペンタフルオロフェノール90重量部に溶解させて、熱可塑性液晶ポリマーのワニスを調製した。
【0053】
実施例1
参考例3で作製した基板の配線パターンの配置と、参考例4で作製した熱可塑性液晶ポリマーフィルム(C)の貫通孔の配置が一致するようにして両者を重ね合わせ、真空熱プレス装置を用い、温度が290℃、圧力が20Kg/cm2の条件で加熱圧着した。得られた回路基板の評価結果を表6に示す。
【0054】
実施例2
参考例3で作製した基板の配線パターンと同一の領域を残して開孔した50μm厚のステンレス製マスクを、配線パターンの配置と一致するように重ね合わせた。次いで、該マスクの上から参考例5で調製した熱可塑性液晶ポリマーのワニスを流延し、スキージ法によりマスクの貫通孔にワニスを充填した。その後、145℃で溶媒を乾燥させた。得られた回路基板の評価結果を表6に示す。
【0055】
【表6】
Figure 0004480337
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、配線パターンの微細化つまり狭ピッチ化を行う場合でも配線パターンのズレを招いたりすることがなくなって、高性能かつ高信頼性の回路基板が低コストで得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、本発明の第1構成にかかる回路基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第2構成にかかる回路基板の製造方法を模式的に示す断面図である。
【図3】本発明の製造方法により得られる回路基板の一例を示す断面図である。
【図4】同じく、回路基板の別の例を示す断面図である。
【図5】同じく、回路基板の別の例を示す断面図である。
【図6】同じく、回路基板の別の例を示す断面図である。
【図7】同じく、回路基板の別の例を示す断面図である。
【符号の説明】
10…基板、20…配線パターン、30…熱可塑性液晶ポリマー、40…伝送回路基板、50…熱可塑性液晶ポリマーフィルムの貫通孔、60…熱可塑性液晶ポリマーフィルム、90…熱可塑性液晶ポリマーのワニス

Claims (3)

  1. 基板上に形成された配線パターンとの対応個所に貫通孔が設けられた光学的異方性の溶融相を形成し得る熱可塑性ポリマーからなるフィルムであって、配線パターンのズレを抑制するように、その融点が基板を構成する材料の融点よりも15℃以上低いフィルムを、該基板上の配線パターンが形成されていない領域に、接着剤層を介在させて熱圧着することにより、配線パターンが外部と導通可能な状態で、該領域に前記熱可塑性ポリマーを充填することを特徴とする回路基板の製造方法。
  2. 前記熱可塑性ポリマーからなるフィルムの分子配向度(SOR)が1.3以下である請求項1に記載の回路基板の製造方法。
  3. 前記基板が少なくとも前記熱可塑性ポリマーにより構成されている請求項1または2に記載の回路基板の製造方法。
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