JP3345523B2 - 樹脂モールド貫通形変流器 - Google Patents

樹脂モールド貫通形変流器

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JP3345523B2 JP31741594A JP31741594A JP3345523B2 JP 3345523 B2 JP3345523 B2 JP 3345523B2 JP 31741594 A JP31741594 A JP 31741594A JP 31741594 A JP31741594 A JP 31741594A JP 3345523 B2 JP3345523 B2 JP 3345523B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エポキシ樹脂等でモー
ルドした貫通形変流器、特にその取付構造の改良に関す
る。
【0002】
【従来の技術】貫通形変流器を水平に取り付ける場合の
取付構造は種々あり、主な例を図4〜図8に示す。図
中、21,31,41,51は樹脂モールドした貫通形
変流器、22は固定枠(取付枠)である。貫通形変流器
21には、ねじ穴を有する埋め込み金具23がねじ穴を
下向きにして埋め込まれている。貫通形変流器41に
は、軸方向に貫通するボルト挿通孔42が複数個形成さ
れている。貫通形変流器51には、外周面の下端部に凸
部が一体成形され、この凸部にねじ穴を横向きにして埋
め込み金具52が埋め込まれている。
【0003】図4(a)(b)では、貫通形変流器21
の下面に取付脚24をボルト25で固定し、取付脚24
を固定枠22にボルト26で固定している。図5(a)
(b)では、貫通形変流器21を直接固定枠22上に載
置し、ボルト25で固定している。図6(a)(b)で
は、固定枠22に固定ボルト32を立設するとともに、
貫通形変流器31を載置し、上面に固定金具33を取り
付けて、ナット34により締め付けている。図7(a)
(b)では、固定枠22上に貫通形変流器41を載置
し、そのボルト挿通孔42に固定ボルト32を挿入して
固定枠22に固定した後、上端部にナット34を螺着し
て締め付けている。図8(a)(b)では、貫通形変流
器51に取付脚53をボルト54で固定し、取付脚53
を固定枠22にボルト26で固定している。
【0004】また、複数個の貫通形変流器を積み重ねた
形で使用する場合、図4,図5,図8のものでは、図9
に示すように各段毎に固定枠22を設置して、その上に
貫通形変流器21(51)を取付脚24(53)を介し
て固定する。図6,図7のものでは、図10に示すよう
に固定枠22上に各段の貫通形変流器31(41)を積
み重ねるとともに、固定ボルト35を立設し、最上段の
ものの上面に固定金具33を取り付けて、ナット34に
より締め付ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述の取付構
造には、次のような問題点がある。
【0006】(1).図4,図5,図8の場合、貫通形
変流器21(51)の樹脂モールド成形時に埋め込み金
具23(52)を一体に埋め込むため、埋め込み金具分
だけ高くなったり、幅が大きくなる。また、取付脚2
4,53と埋め込み金具23,52が必要であったり、
樹脂量が増加したり、取付工数が増えたりするので、コ
ストが高くなる。
【0007】(2).図6の場合、埋め込み金具を使用
していないため、高さ,幅等の外形寸法が小さく、他に
比べて小形であるが、振動等の外力や電磁力により貫通
形変流器31に位置ずれを生じる恐れがあるなど、安定
性に難点がある。図7の場合は、この問題点は解消され
るが、ボルト挿通孔42を形成するため、少し寸法を大
きくする必要があり、樹脂量も増加する。また、ボルト
挿通孔42と固定枠22側の穴との位置合わせの際、目
視での確認がしにくく、作業時間が長くなる。
【0008】一方、2段,3段と積み重ねて使用する場
合には、以下の問題点がある。
【0009】(1).図4,図5,図8の場合は、各段
毎に固定枠22を設けるため、高さ寸法が大きくなり、
それに応じた設置スペースが必要となる。
【0010】(2).図6の場合は、直接積み重ね、固
定金具33で固定するため、取付スペースは少なくて済
むが、動く可能性は単体時より更に大きくなる。
【0011】(3).図7の場合は、取付スペース、特
に高さが低くて済み、取付も堅固となるが、各段の貫通
形変流器41のボルト挿通孔42の位置合わせ及び固定
枠22の取付穴との位置合わせが必要であるのに外側か
ら目視で確認することができず、面倒な作業で長時間を
要する。また、重量の大きいものでは、かなりの労力が
要る。
【0012】そこで本発明は、上記の課題を解決し、安
定した取付状態とすることができるとともに、小形軽量
化が図れ、かつ縦方向に積み上げる際にその取付作業が
容易な樹脂モールド貫通形変流器を提供することを目的
とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、変流器本体を
樹脂モールドした貫通形変流器において、外周面に設定
された取付位置に、軸方向に伸び、かつ上端が段丘状の
平坦部に連なるU溝を中央部に有する突条を一体成形
し、取付枠に立設した固定ボルトをU溝に通し、その上
端部にナットを螺着して締め付けるようにしたこと、並
びに段丘状の平坦部にその段丘の高さより厚いスペーサ
を介在させて複数個を積み重ね、上端部で一括して締め
付けるようにしたことを特徴とする。
【0014】
【作用】取付枠に立設した固定ボルトをU溝に通し、そ
の上端部に座金,ナットを装着して締め付けると、堅固
に固定される。複数個積み重ねる場合は、最上段のもの
以外の段丘状の平坦部に段丘の高さ(くぼみの深さ)よ
り厚いスペーサを介在させ、上端部で一括して締め付け
る。
【0015】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて
説明する。
【0016】本発明による樹脂モールド貫通形変流器の
実施例を図1,図2に示す。図のように貫通形変流器1
の樹脂モールド時に外周面の複数個所、例えば4個所に
軸方向(上下方向)に伸びる突条2を一体成形してい
る。突条2は、U溝3が中央部を軸方向に走るととも
に、上端部に段丘状の平坦部4が形成されている。この
平坦部4は、座ぐり面に相当するものであり、突条2の
上端面から本体側にかけて形成されている。U溝3は、
固定ボルト11をセットするためのもので、その底面を
樹脂モールド部の外周(円周)に略一致させている。
【0017】貫通形変流器を水平に取り付けるには、取
付枠(固定枠)12上に貫通形変流器1を載置し、その
U溝3と取付枠12の取付穴12Aとの位置合わせを目
視で確認しながら行う。この後、固定ボルト11を取付
枠12上に立設する。つまり、固定ボルト11をU溝3
内にセットする。そして、その上端部に座金13,ナッ
ト14を装着し、ナット14で締め付ける。この作業が
4個所で行われると、取付完了となり、堅固な取付状態
となる。
【0018】また、多段積み、例えば2段積みとする場
合は、図3に示すように下段の変流器1の平坦部4に段
丘の高さ(くぼみの深さ)より少々厚いスペーサ15を
セットし、その上に上段の変流器1を載置してそのU溝
3を下段のU溝3に合わせる。この時には、下段の変流
器1のU溝3と取付枠12の取付穴12Aとの位置合わ
せは既に行われているものとする。この後、固定ボルト
16をスペーサ15に挿通して取付枠12上に立設す
る。両変流器1のU溝3内にセットされた固定ボルト1
6の上端部に座金13,ナット14を装着し、ナット1
4で締め付ける。これにより、2段積みの取付が完了す
る。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、外周面に
固定ボルトを通すためのU溝を形成して埋め込み金具や
取付脚を不要としたので、本体の高さを低くし、かつ樹
脂量を少なくすることが可能となり、小形軽量化及び低
廉化が図れる。また、複数個のU溝内に固定ボルトをセ
ットし、その上端部にナットを螺着して締め付けるよう
にしたので、堅固で安定した取付状態とすることができ
る。しかも、位置合わせ時に目視確認を行えるため、作
業が容易になる。これは、多段積みの場合により一層顕
著となる。更に、多段積みの場合、段間に最小限の間隙
を有するようにスペーサを介在させたので、本体の高さ
の低減と相俟って取付スペース、特に高さ寸法を大幅に
縮小することができるとともに、安定性を確保すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による樹脂モールド貫通形変流器の実施
例を示す平面図。
【図2】本発明による樹脂モールド貫通形変流器の実施
例を示す正面図。
【図3】本発明による樹脂モールド貫通形変流器の実施
例における2段積み取付状態を示す要部正面図。
【図4】貫通形変流器の従来例に係り、(a)は正面
図、(b)は側面図。
【図5】貫通形変流器の従来例に係り、(a)は正面
図、(b)は側面図。
【図6】貫通形変流器の従来例に係り、(a)は正面
図、(b)は側面図。
【図7】貫通形変流器の従来例に係り、(a)は正面
図、(b)は側面図。
【図8】貫通形変流器の従来例に係り、(a)は正面
図、(b)は側面図。
【図9】貫通形変流器の従来例における2段積み取付状
態を示す正面図。
【図10】貫通形変流器の従来例における2段積み取付
状態を示す正面図。
【符号の説明】
1…樹脂モールド貫通形変流器 2…突条 3…U溝 4…平坦部 11,16…固定ボルト 12…取付枠 12A…取付穴 14…ナット 15…スペーサ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変流器本体を樹脂モールドした貫通形変
    流器において、外周面に設定された取付位置に、軸方向
    に伸び、かつ上端が段丘状の平坦部に連なるU溝を中央
    部に有する突条を一体成形し、取付枠に立設した固定ボ
    ルトをU溝に通し、その上端部にナットを螺着して締め
    付けるようにしたことを特徴とする樹脂モールド貫通形
    変流器。
  2. 【請求項2】 段丘状の平坦部にその段丘の高さより厚
    いスペーサを介在させて複数個を積み重ね、上端部で一
    括して締め付けるようにしたことを特徴とする請求項1
    に記載の樹脂モールド貫通形変流器。
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