JP3344729B2 - ディスクブレーキ - Google Patents
ディスクブレーキInfo
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- JP3344729B2 JP3344729B2 JP00403491A JP403491A JP3344729B2 JP 3344729 B2 JP3344729 B2 JP 3344729B2 JP 00403491 A JP00403491 A JP 00403491A JP 403491 A JP403491 A JP 403491A JP 3344729 B2 JP3344729 B2 JP 3344729B2
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- cylinder
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両、特に二輪車に用
いて好適なディスクブレーキに関する。
いて好適なディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、二輪車用のディスクブレーキとし
ては、二輪車の非回転部分に固定され、ディスク表面に
対向する位置にシリンダを有する固定側キャリパ構成体
と、該固定側キャリパ構成体に結合され、前記ディスク
を介して前記固定側キャリパ構成体のシリンダに略対向
する位置にシリンダを有する非固定側キャリパ構成体
と、前記固定側キャリパ構成体のシリンダ及び前記非固
定側キャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ摺動可能に
嵌合されるピストンと、該ピストンの前記ディスク側に
それぞれ設けられ、該ピストンの摺動により前記ディス
クに押圧されるパッドとを具備する構造のもの等が用い
られている。
ては、二輪車の非回転部分に固定され、ディスク表面に
対向する位置にシリンダを有する固定側キャリパ構成体
と、該固定側キャリパ構成体に結合され、前記ディスク
を介して前記固定側キャリパ構成体のシリンダに略対向
する位置にシリンダを有する非固定側キャリパ構成体
と、前記固定側キャリパ構成体のシリンダ及び前記非固
定側キャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ摺動可能に
嵌合されるピストンと、該ピストンの前記ディスク側に
それぞれ設けられ、該ピストンの摺動により前記ディス
クに押圧されるパッドとを具備する構造のもの等が用い
られている。
【0003】このような構造のディスクブレーキにおい
て、上記両キャリパ構成体の素材として、従来はアルミ
ニウム合金を鋳造したものが使用されている。
て、上記両キャリパ構成体の素材として、従来はアルミ
ニウム合金を鋳造したものが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム合金ではキャリパの重量が重くなり、また鋳造品
では巣が発生しやすいという問題があった。また、重量
を軽減するためにマグネシウム合金を鋳造したものを使
用することも試行したが、上述と同様、巣が発生しやす
く、また、加工時に切り粉が粉状になって発火する恐れ
があるという問題があり、製造工程に十分注意を払わな
ければならなかった。
ニウム合金ではキャリパの重量が重くなり、また鋳造品
では巣が発生しやすいという問題があった。また、重量
を軽減するためにマグネシウム合金を鋳造したものを使
用することも試行したが、上述と同様、巣が発生しやす
く、また、加工時に切り粉が粉状になって発火する恐れ
があるという問題があり、製造工程に十分注意を払わな
ければならなかった。
【0005】本発明の目的は、重量が軽く、巣が発生し
にくくかつ加工時に切り粉が粉状にならない素材からな
るキャリパ構成体を具備してなるディスクブレーキを提
供することである。
にくくかつ加工時に切り粉が粉状にならない素材からな
るキャリパ構成体を具備してなるディスクブレーキを提
供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載のディスクブレーキは、車両
の非回転部分に固定され、ディスク表面に対向する位置
に同径のシリンダを複数有する固定側キャリパ構成体
と、該固定側キャリパ構成体に結合され、前記ディスク
を介して前記固定側キャリパ構成体の各シリンダに略対
向する位置に同径のシリンダを複数有する非固定側キャ
リパ構成体と、前記固定側キャリパ構成体のシリンダ及
び前記非固定側キャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ
摺動可能に嵌合されるピストンと、該ピストンの前記デ
ィスク側にそれぞれ設けられ、該ピストンの摺動により
前記ディスクに押圧されるパッドとを具備するものであ
って、前記両キャリパ構成体は、マグネシウム合金を鍛
造して形成され、少なくとも前記複数のシリンダが切削
加工されるとともに、一のシリンダの外装の後端部壁側
に対して他のシリンダの外装の後端部壁側が突出するよ
うに段差を形成することを特徴としている。本発明の請
求項2記載のディスクブレーキは、車両の非回転部分に
固定され、ディスク表面に対向する位置に同径のシリン
ダを複数有する固定側キャリパ構成体と、該固定側キャ
リパ構成体に結合され、前記ディスクを介して前記固定
側キャリパ構成体の各シリンダに略対向する位置に同径
のシリンダを複数有する非固定側キャリパ構成体と、前
記固定側キャリパ構成体のシリンダ及び前記非固定側キ
ャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ摺動可能に嵌合さ
れるピストンと、該ピストンの前記ディスク側にそれぞ
れ設けられ、該ピストンの摺動により前記ディスクに押
圧されるパッドとを具備するものであって、前記両キャ
リパ構成体は、マグネシウム合金を鍛造して形成され、
少なくとも前記複数のシリンダが切削加工されるととも
に、一のシリンダの外装の後端部壁側に対して他のシリ
ンダの外装の後端部壁側が突出するように段差を形成
し、かつ、前記複数のシリンダの後端部壁をいずれも同
じ厚さに形成することを特徴としている。
に、本発明の請求項1記載のディスクブレーキは、車両
の非回転部分に固定され、ディスク表面に対向する位置
に同径のシリンダを複数有する固定側キャリパ構成体
と、該固定側キャリパ構成体に結合され、前記ディスク
を介して前記固定側キャリパ構成体の各シリンダに略対
向する位置に同径のシリンダを複数有する非固定側キャ
リパ構成体と、前記固定側キャリパ構成体のシリンダ及
び前記非固定側キャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ
摺動可能に嵌合されるピストンと、該ピストンの前記デ
ィスク側にそれぞれ設けられ、該ピストンの摺動により
前記ディスクに押圧されるパッドとを具備するものであ
って、前記両キャリパ構成体は、マグネシウム合金を鍛
造して形成され、少なくとも前記複数のシリンダが切削
加工されるとともに、一のシリンダの外装の後端部壁側
に対して他のシリンダの外装の後端部壁側が突出するよ
うに段差を形成することを特徴としている。本発明の請
求項2記載のディスクブレーキは、車両の非回転部分に
固定され、ディスク表面に対向する位置に同径のシリン
ダを複数有する固定側キャリパ構成体と、該固定側キャ
リパ構成体に結合され、前記ディスクを介して前記固定
側キャリパ構成体の各シリンダに略対向する位置に同径
のシリンダを複数有する非固定側キャリパ構成体と、前
記固定側キャリパ構成体のシリンダ及び前記非固定側キ
ャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ摺動可能に嵌合さ
れるピストンと、該ピストンの前記ディスク側にそれぞ
れ設けられ、該ピストンの摺動により前記ディスクに押
圧されるパッドとを具備するものであって、前記両キャ
リパ構成体は、マグネシウム合金を鍛造して形成され、
少なくとも前記複数のシリンダが切削加工されるととも
に、一のシリンダの外装の後端部壁側に対して他のシリ
ンダの外装の後端部壁側が突出するように段差を形成
し、かつ、前記複数のシリンダの後端部壁をいずれも同
じ厚さに形成することを特徴としている。
【0007】
【0008】
【作用】本発明のディスクブレーキによれば、両キャリ
パ構成体が、マグネシウム合金を鍛造して形成されると
ともに少なくともシリンダを切削加工しており、このよ
うにキャリパ構成体にマグネシウム合金を用いるためア
ルミニウム合金製のものより軽く、また、マグネシウム
合金を鍛造してキャリパ構成体を形成することで組織が
緻密化するため、キャリパ構成体に巣が発生しにくく、
かつ、キャリパ構成体のシリンダの切削加工時に切り粉
が粉状になることがない。
パ構成体が、マグネシウム合金を鍛造して形成されると
ともに少なくともシリンダを切削加工しており、このよ
うにキャリパ構成体にマグネシウム合金を用いるためア
ルミニウム合金製のものより軽く、また、マグネシウム
合金を鍛造してキャリパ構成体を形成することで組織が
緻密化するため、キャリパ構成体に巣が発生しにくく、
かつ、キャリパ構成体のシリンダの切削加工時に切り粉
が粉状になることがない。
【0009】
【0010】
【実施例】本発明の一実施例によるディスクブレーキに
ついて以下に説明するが、まずその全体構造について図
1〜図3を参照して説明する。
ついて以下に説明するが、まずその全体構造について図
1〜図3を参照して説明する。
【0011】図中符号1はディスクブレーキ本体、符号
2はディスク、符号3は二輪車の非回転部分に固定され
る固定側キャリパ構成体、符号4は固定側キャリパ構成
体3に結合されてキャリパ5を構成する非固定側キャリ
パ構成体をそれぞれ示している。なお、固定側キャリパ
構成体3と非固定側キャリパ構成体4とは、ディスク2
の外周側に位置するブリッジ部6のタイボルト7で一体
に締結されてキャリパ5を構成している。
2はディスク、符号3は二輪車の非回転部分に固定され
る固定側キャリパ構成体、符号4は固定側キャリパ構成
体3に結合されてキャリパ5を構成する非固定側キャリ
パ構成体をそれぞれ示している。なお、固定側キャリパ
構成体3と非固定側キャリパ構成体4とは、ディスク2
の外周側に位置するブリッジ部6のタイボルト7で一体
に締結されてキャリパ5を構成している。
【0012】両キャリパ構成体3、4には、それぞれに
3個ずつのシリンダ8A〜8Cが設けられている。な
お、これらの固定側キャリパ構成体3及び非固定側キャ
リパ構成体4のシリンダ8A〜8Cは上記タイボルト7
を締結したときにディスク2をはさんで対称形状となる
ように、相対するもの同士が同じ位置に同じ大きさで形
成されている。このため、便宜上固定側キャリパ構成体
3のシリンダについては中央のシリンダ8Bのみ図3に
おいて図示している。
3個ずつのシリンダ8A〜8Cが設けられている。な
お、これらの固定側キャリパ構成体3及び非固定側キャ
リパ構成体4のシリンダ8A〜8Cは上記タイボルト7
を締結したときにディスク2をはさんで対称形状となる
ように、相対するもの同士が同じ位置に同じ大きさで形
成されている。このため、便宜上固定側キャリパ構成体
3のシリンダについては中央のシリンダ8Bのみ図3に
おいて図示している。
【0013】固定側キャリパ構成体3及び非固定側キャ
リパ構成体4のシリンダ8A〜8Cは、同一内径に形成
されて、ディスク2の周方向に沿って並列に並べられて
おり、図1及び図2で示す左右の両シリンダ8A・8C
は同一深さに形成されるが、中央のシリンダ8Bは左右
のシリンダ8A・8Cよりも深く形成されている。ま
た、左右のシリンダ8A・8Cの先端部付近にはピスト
ンシール9を保持するためのピストンシール溝10が同
じ深さの位置にそれぞれ形成され、中央のシリンダ8B
には、左右のシリンダ8A・8Cにおけるピストンシー
ル溝10よりも深い位置にピストンシール溝10が形成
されている。各シリンダ8A〜8Cにおけるピストンシ
ール溝10から奥までの深さはそれぞれ同一寸法に設定
される。一方、上記シリンダ8A〜8C内に摺動可能に
嵌合するピストン11A〜11Cはシリンダ8A〜8C
の深さに対応した長さにそれぞれ設定されている。ま
た、各シリンダ8A〜8Cの配設ピッチはピストンシー
ル溝10の最大径よりも小さく設定され、隣接するシリ
ンダ8A〜8Cにおけるピストンシール溝10の一部が
径方向に若干オーバーラップして配置されている。
リパ構成体4のシリンダ8A〜8Cは、同一内径に形成
されて、ディスク2の周方向に沿って並列に並べられて
おり、図1及び図2で示す左右の両シリンダ8A・8C
は同一深さに形成されるが、中央のシリンダ8Bは左右
のシリンダ8A・8Cよりも深く形成されている。ま
た、左右のシリンダ8A・8Cの先端部付近にはピスト
ンシール9を保持するためのピストンシール溝10が同
じ深さの位置にそれぞれ形成され、中央のシリンダ8B
には、左右のシリンダ8A・8Cにおけるピストンシー
ル溝10よりも深い位置にピストンシール溝10が形成
されている。各シリンダ8A〜8Cにおけるピストンシ
ール溝10から奥までの深さはそれぞれ同一寸法に設定
される。一方、上記シリンダ8A〜8C内に摺動可能に
嵌合するピストン11A〜11Cはシリンダ8A〜8C
の深さに対応した長さにそれぞれ設定されている。ま
た、各シリンダ8A〜8Cの配設ピッチはピストンシー
ル溝10の最大径よりも小さく設定され、隣接するシリ
ンダ8A〜8Cにおけるピストンシール溝10の一部が
径方向に若干オーバーラップして配置されている。
【0014】一方、各シリンダ8A〜8Cの後端部壁1
2はいずれも同じ厚さに形成されていることにより、シ
リンダ8A〜8Cの外面に、中央部が左右に対して突出
するように段差13が形成されている。
2はいずれも同じ厚さに形成されていることにより、シ
リンダ8A〜8Cの外面に、中央部が左右に対して突出
するように段差13が形成されている。
【0015】また、シリンダ8A〜8Cには、左右の両
シリンダ8A・8Cを中央のシリンダ8Bに連通させる
連通孔14が形成されている。該連通孔14は、左右の
シリンダ8A・8Cの奥から中央のシリンダ8Bの奥に
至る斜め方向に形成され、その角度は、連通孔14の軸
線の延長線が左右の両シリンダ8A・8Cの開口内に位
置するように設定される。
シリンダ8A・8Cを中央のシリンダ8Bに連通させる
連通孔14が形成されている。該連通孔14は、左右の
シリンダ8A・8Cの奥から中央のシリンダ8Bの奥に
至る斜め方向に形成され、その角度は、連通孔14の軸
線の延長線が左右の両シリンダ8A・8Cの開口内に位
置するように設定される。
【0016】そして、各ピストン8A〜8Cのディスク
2表面に対向する側には、裏金15に固着されたパッド
16がそれぞれ設けられている。なお、パッド16は裏
金15のディスク2側の側面に固着されており、この裏
金15は両キャリパ構成体3、4間に固定したピン17
により移動自在に支持されている。これによりパッド1
6はピストン11A〜11Cの摺動で前記ディスク2に
押圧されることになる。
2表面に対向する側には、裏金15に固着されたパッド
16がそれぞれ設けられている。なお、パッド16は裏
金15のディスク2側の側面に固着されており、この裏
金15は両キャリパ構成体3、4間に固定したピン17
により移動自在に支持されている。これによりパッド1
6はピストン11A〜11Cの摺動で前記ディスク2に
押圧されることになる。
【0017】また、固定側キャリパ構成体3には、上方
に突出する空気抜きのためのブリーダ18がブリーダ取
付用穴部20に取り付けられており、またその側方には
ブレーキ液を注入するためにブレーキホース等の接手が
接続されるブレーキ液注入用穴部19が設けられてい
る。
に突出する空気抜きのためのブリーダ18がブリーダ取
付用穴部20に取り付けられており、またその側方には
ブレーキ液を注入するためにブレーキホース等の接手が
接続されるブレーキ液注入用穴部19が設けられてい
る。
【0018】このような構造のディスクブレーキ1にお
いて、それぞれのキャリパ構成体3、4の素材をマグネ
シウム合金を鍛造することにより形成する。そして、シ
リンダ8A〜8C、ブレーキ液注入用穴部19、ブリー
ダ取付用穴部20等を加工して、両キャリパ構成体3、
4をタイボルト7で固定しキャリパ5とする。なお、両
キャリパ構成体3、4の素材を形成するマグネシウム合
金としては、引張強さが28kgf/mm2以上のものが好ま
しく、例えばJIS ZK60Aに示される合金等を用
いることができる。また、マグネシウム合金は錆びやす
いので、JISH8651 3種MX3(DOW7法)に
示される方法等によって、一次の防錆処理を行い、次に
アクリル系焼付塗装を行うことが好ましい。
いて、それぞれのキャリパ構成体3、4の素材をマグネ
シウム合金を鍛造することにより形成する。そして、シ
リンダ8A〜8C、ブレーキ液注入用穴部19、ブリー
ダ取付用穴部20等を加工して、両キャリパ構成体3、
4をタイボルト7で固定しキャリパ5とする。なお、両
キャリパ構成体3、4の素材を形成するマグネシウム合
金としては、引張強さが28kgf/mm2以上のものが好ま
しく、例えばJIS ZK60Aに示される合金等を用
いることができる。また、マグネシウム合金は錆びやす
いので、JISH8651 3種MX3(DOW7法)に
示される方法等によって、一次の防錆処理を行い、次に
アクリル系焼付塗装を行うことが好ましい。
【0019】このようにして作製されたディスクブレー
キ1のキャリパ5は、マグネシウム合金製であるためア
ルミニウム合金鋳物品より約23%の軽量化が図れた。
また、鍛造することにより組織が緻密化するため、巣が
発生しにくくかつ加工時に切り粉が粉状になることがな
いばかりか、線状になることもなかった。
キ1のキャリパ5は、マグネシウム合金製であるためア
ルミニウム合金鋳物品より約23%の軽量化が図れた。
また、鍛造することにより組織が緻密化するため、巣が
発生しにくくかつ加工時に切り粉が粉状になることがな
いばかりか、線状になることもなかった。
【0020】なお、固定側キャリパ構成体3は、同一車
輪に2枚のロータを用いそれぞれにディスクブレーキを
取り付ける場合には、車体側取付位置との関係上、左右
を共用化することは困難であるが、素材については、以
下に示すようにして共用化することができ、また非固定
側キャリパ構成体4も同様の素材から形成することがで
きる。
輪に2枚のロータを用いそれぞれにディスクブレーキを
取り付ける場合には、車体側取付位置との関係上、左右
を共用化することは困難であるが、素材については、以
下に示すようにして共用化することができ、また非固定
側キャリパ構成体4も同様の素材から形成することがで
きる。
【0021】固定側キャリパ構成体3及び非固定側キャ
リパ構成体4の素材Aは、図4に示すように、その下部
の略中央には前記ディスク2の周方向に延在する略楕円
形状の穴明部21Aを有する取付部21を有するととも
に、その両端には下方に突出する端取付部23A、23
Bを有し、また、その上部には上方に突出する突出部2
2A、22Bを有する形状のものがマグネシウム合金を
鍛造することにより形成されたものである。
リパ構成体4の素材Aは、図4に示すように、その下部
の略中央には前記ディスク2の周方向に延在する略楕円
形状の穴明部21Aを有する取付部21を有するととも
に、その両端には下方に突出する端取付部23A、23
Bを有し、また、その上部には上方に突出する突出部2
2A、22Bを有する形状のものがマグネシウム合金を
鍛造することにより形成されたものである。
【0022】このような形状の素材Aに、まず固定側キ
ャリパ構成体3を得るために左右取付方向の違いに応じ
た加工をそれぞれ施すわけであるが、図5は二輪車の例
えば右側に取り付けられるものを示している。図5に示
すように、固定側キャリパ構成体3の右側取付品は、素
材Aの穴等の設けられない左側の突出部22B及び端取
付部23Bを切削加工で除去し(図5においては除去後
の状態を示している)、右側の突出部22Aに上述した
ブレーキ液注入用穴部19及びブリーダ取付用穴部20
が設けられ、また右側の端取付部23Aに車体取付用の
取付穴24が設けられ、取付部21に中央より若干右側
にオフセットさせて車体取付用の取付穴25等が設けら
れることにより形成されることになる。一方、図6は二
輪車の左側に取り付けられるものを示している。図6に
示すように、固定側キャリパ構成体3の左側取付品は、
素材Aの取付穴等の設けられない右側の突出部22A及
び端取付部23Aを切削加工で除去し(図6においては
除去後の状態を示している)、左側の突出部22Bに上
述したブレーキ液注入用穴部19及びブリーダ取付用穴
部20が設けられ、左側の端取付部23Bに車体取付用
の取付穴24が設けられ、また取付部21に中央より若
干左側にオフセットさせて車体取付用の取付穴25等が
設けられることにより形成されることになる。
ャリパ構成体3を得るために左右取付方向の違いに応じ
た加工をそれぞれ施すわけであるが、図5は二輪車の例
えば右側に取り付けられるものを示している。図5に示
すように、固定側キャリパ構成体3の右側取付品は、素
材Aの穴等の設けられない左側の突出部22B及び端取
付部23Bを切削加工で除去し(図5においては除去後
の状態を示している)、右側の突出部22Aに上述した
ブレーキ液注入用穴部19及びブリーダ取付用穴部20
が設けられ、また右側の端取付部23Aに車体取付用の
取付穴24が設けられ、取付部21に中央より若干右側
にオフセットさせて車体取付用の取付穴25等が設けら
れることにより形成されることになる。一方、図6は二
輪車の左側に取り付けられるものを示している。図6に
示すように、固定側キャリパ構成体3の左側取付品は、
素材Aの取付穴等の設けられない右側の突出部22A及
び端取付部23Aを切削加工で除去し(図6においては
除去後の状態を示している)、左側の突出部22Bに上
述したブレーキ液注入用穴部19及びブリーダ取付用穴
部20が設けられ、左側の端取付部23Bに車体取付用
の取付穴24が設けられ、また取付部21に中央より若
干左側にオフセットさせて車体取付用の取付穴25等が
設けられることにより形成されることになる。
【0023】次に、上述の素材から非固定側キャリパ4
を得るために、それに応じた加工を施すわけであるが、
非固定側キャリパ4は、図7に示すように、素材Aの両
突出部22A、22B、取付部21及び端取付部23
A、23B (図7に示す斜線部分) を切削加工で除去
し、取付穴等を設けることにより形成されることにな
る。
を得るために、それに応じた加工を施すわけであるが、
非固定側キャリパ4は、図7に示すように、素材Aの両
突出部22A、22B、取付部21及び端取付部23
A、23B (図7に示す斜線部分) を切削加工で除去
し、取付穴等を設けることにより形成されることにな
る。
【0024】このように、左右対称形状であって左右で
取付穴等の位置が違うディスクブレーキにおいても左右
の両固定側キャリパ構成体3を同一の素材Aから形成す
ることができ、またその素材Aから非固定側キャリパ構
成体4をも形成することができる。このため、別々の鍛
造型を製作する必要がなく、また、固定側キャリパ構成
体においては取付穴等の設けられない側の突出部及び端
取付部のみを除去すればよく、非固定側キャリパ構成体
4においては突出部、取付部、端取付部を除去すればよ
い。なお、本実施例においては端取付部23A、23B
を軽量化等の理由で切削加工により除去するものを例に
とり説明したが、この部分は除去しなくても素材の共用
化という効果を発揮することは勿論である。
取付穴等の位置が違うディスクブレーキにおいても左右
の両固定側キャリパ構成体3を同一の素材Aから形成す
ることができ、またその素材Aから非固定側キャリパ構
成体4をも形成することができる。このため、別々の鍛
造型を製作する必要がなく、また、固定側キャリパ構成
体においては取付穴等の設けられない側の突出部及び端
取付部のみを除去すればよく、非固定側キャリパ構成体
4においては突出部、取付部、端取付部を除去すればよ
い。なお、本実施例においては端取付部23A、23B
を軽量化等の理由で切削加工により除去するものを例に
とり説明したが、この部分は除去しなくても素材の共用
化という効果を発揮することは勿論である。
【0025】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のディスク
ブレーキによれば、両キャリパ構成体が、マグネシウム
合金を鍛造して形成されるとともに少なくともシリンダ
を切削加工しており、このようにキャリパ構成体がマグ
ネシウム合金製であるためアルミニウム合金鋳物品のも
のより約23%軽量化することができる。また、マグネ
シウム合金を鍛造してキャリパ構成体を形成することに
より組織が緻密化するため、キャリパ構成体に巣が発生
しにくい。また、キャリパ構成体のシリンダの切削加工
時に切り粉が粉状になることがないため、発火する恐れ
がなく、また切り粉が線状になることがないため、刃物
への巻き付きがなく、加工速度、加工しやすさ、寸法の
出しやすさ等の加工性が向上することになる。
ブレーキによれば、両キャリパ構成体が、マグネシウム
合金を鍛造して形成されるとともに少なくともシリンダ
を切削加工しており、このようにキャリパ構成体がマグ
ネシウム合金製であるためアルミニウム合金鋳物品のも
のより約23%軽量化することができる。また、マグネ
シウム合金を鍛造してキャリパ構成体を形成することに
より組織が緻密化するため、キャリパ構成体に巣が発生
しにくい。また、キャリパ構成体のシリンダの切削加工
時に切り粉が粉状になることがないため、発火する恐れ
がなく、また切り粉が線状になることがないため、刃物
への巻き付きがなく、加工速度、加工しやすさ、寸法の
出しやすさ等の加工性が向上することになる。
【0026】
【図1】本発明の一実施例によるディスクブレーキを示
す一部を断面にした平面図である。
す一部を断面にした平面図である。
【図2】図1のX−X線に沿う矢視図である。
【図3】図1のY−Y線に沿う断面矢視図である。
【図4】本発明の一実施例によるディスクブレーキのキ
ャリパ構成体の素材を示す正面図である。
ャリパ構成体の素材を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施例によるディスクブレーキの車
体右側に固定される固定側キャリパ構成体を示す正面図
である。
体右側に固定される固定側キャリパ構成体を示す正面図
である。
【図6】本発明の一実施例によるディスクブレーキの車
体左側に固定される固定側キャリパ構成体を示す正面図
である。
体左側に固定される固定側キャリパ構成体を示す正面図
である。
【図7】 本発明の一実施例によるディスクブレーキの
非固定側キャリパ構成体を得るための素材の除去部分を
示す正面図である。
非固定側キャリパ構成体を得るための素材の除去部分を
示す正面図である。
1 ディスクブレーキ本体 2 ディスク 3 固定側キャリパ構成体 4 非固定側キャリパ構成体 8A〜8C シリンダ 11A〜11C ピストン 16 パッド 19 ブレーキ液注入用穴部 20 ブリーダ取付用穴部 21 取付部 22A,22B 突出部 A 素材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭54−134262(JP,A) 特開 平1−295032(JP,A) 特開 昭63−282232(JP,A) 特開 昭61−115640(JP,A) 実開 平2−65724(JP,U) 実公 昭63−19633(JP,Y2)
Claims (2)
- 【請求項1】 車両の非回転部分に固定され、ディスク
表面に対向する位置に同径のシリンダを複数有する固定
側キャリパ構成体と、 該固定側キャリパ構成体に結合され、前記ディスクを介
して前記固定側キャリパ構成体の各シリンダに略対向す
る位置に同径のシリンダを複数有する非固定側キャリパ
構成体と、 前記固定側キャリパ構成体のシリンダ及び前記非固定側
キャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ摺動可能に嵌合
されるピストンと、 該ピストンの前記ディスク側にそれぞれ設けられ、該ピ
ストンの摺動により前記ディスクに押圧されるパッドと
を具備するディスクブレーキにおいて、 前記両キャリパ構成体は、マグネシウム合金を鍛造して
形成され、少なくとも前記複数のシリンダが切削加工さ
れるとともに、一のシリンダの外装の後端部壁側に対し
て他のシリンダの外装の後端部壁側が突出するように段
差を形成することを特徴とするディスクブレーキ。 - 【請求項2】 車両の非回転部分に固定され、ディスク
表面に対向する位置に同径のシリンダを複数有する固定
側キャリパ構成体と、 該固定側キャリパ構成体に結合され、前記ディスクを介
して前記固定側キャリパ構成体の各シリンダに略対向す
る位置に同径のシリンダを複数有する非固定側キャリパ
構成体と、 前記固定側キャリパ構成体のシリンダ及び前記非固定側
キャリパ構成体のシリンダ内にそれぞれ摺動可能に嵌合
されるピストンと、 該ピストンの前記ディスク側にそれぞれ設けられ、該ピ
ストンの摺動により前記ディスクに押圧されるパッドと
を具備するディスクブレーキにおいて、 前記両キャリパ構成体は、マグネシウム合金を鍛造して
形成され、少なくとも前記複数のシリンダが切削加工さ
れるとともに、一のシリンダの外装の後端部壁側に対し
て他のシリンダの外装の後端部壁側が突出するように段
差を形成し、かつ、前記複数のシリンダの後端部壁をい
ずれも同じ厚さに形成することを特徴とするディスクブ
レーキ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00403491A JP3344729B2 (ja) | 1991-01-17 | 1991-01-17 | ディスクブレーキ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00403491A JP3344729B2 (ja) | 1991-01-17 | 1991-01-17 | ディスクブレーキ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04341622A JPH04341622A (ja) | 1992-11-27 |
JP3344729B2 true JP3344729B2 (ja) | 2002-11-18 |
Family
ID=11573683
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00403491A Expired - Fee Related JP3344729B2 (ja) | 1991-01-17 | 1991-01-17 | ディスクブレーキ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3344729B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4510217B2 (ja) * | 2000-03-23 | 2010-07-21 | 日立オートモティブシステムズ株式会社 | ディスクブレーキ |
WO2022114085A1 (ja) * | 2020-11-27 | 2022-06-02 | 日立Astemo株式会社 | 車両用ディスクブレーキのキャリパボディ |
-
1991
- 1991-01-17 JP JP00403491A patent/JP3344729B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04341622A (ja) | 1992-11-27 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20001031 |
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