JP3344652B2 - 固体電解コンデンサとその製造方法 - Google Patents
固体電解コンデンサとその製造方法Info
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Description
サの製造方法に関するものである。
体、誘電体層、固体電解質層、陰極導体層が上記の順で
配置された構造をとる。近年、固体電解コンデンサが使
用される電子機器では、集積回路の高周波化、大電流化
が著しい。これに伴い、等価直列抵抗(以下、「ES
R」と略する)が低く、容量が大きく、かつ漏れ電流が
小さい固体電解コンデンサが求められている。
サ充放電流の導電経路となる固体電解質層、陰陽極導
体、陰陽極導体端子、および誘電体膜が各々有する抵抗
である。従来は、その主要因は固体電解質層にあると考
えられていた。この主要因に鑑み、固体電解質として利
用されていた二酸化マンガン(導電率0.1〜1S/c
m程度)より高い導電率を有する導電性ポリマー材料が
見出された。導電性ポリマー、例えばポリピロールを用
いると、100S/cm程度の高導電率を有する固体電
解質層が得られる(例えば、特開平2−130906号
公報)。その他の導電性ポリマー材料として、アニリ
ン、フランなどの環状有機化合物ポリマーが知られてい
る。
体電解質に用いても、固体電解コンデンサの等価直列抵
抗は一定値以下に下がらないという問題があった。この
ため、陰極導体層と固体電解質層との間に導電性ポリマ
ーからなる軟質の中間層を形成することにより、陰極導
体層と固体電解質層との間の接触抵抗を低減することが
提案されている(特開2000−133551号公
報)。
ESRの低減に効果がある。しかし、特開2000−1
33551号公報に記載の方法では、陰極導体層と固体
電解質層との界面抵抗が十分に低減せず、改善の余地が
あった。一方、特に軟質の層を介在させた場合には、固
体電解コンデンサの漏れ電流が大きくなる。漏れ電流
は、チップ形状への組立ての際や樹脂でモールドする際
の外的圧力によって、誘電体層である陽極酸化皮膜に損
傷が与えられるために大きくなる。
固体電解質層との界面抵抗をさらに低減できる固体電解
コンデンサとその製造方法を提供することを目的とす
る。また、本発明は、第2に、漏れ電流を抑制できる固
体電解コンデンサとその製造方法を提供することを目的
とする。
るために、本発明の第1の固体電解コンデンサは、弁金
属からなる陽極導体と、前記陽極導体の表面に形成され
た誘電体層と、前記誘電体層の表面に形成された第1の
固体電解質層と、前記第1の固体電解質層上に形成され
た導電性高分子からなる第2の固体電解質層と、前記第
2の固体電解質層上に形成された陰極導体層とを有する
固体電解コンデンサであって、前記第2の固体電解質層
の下記式(1)で表されるダイナミック硬度DHが0.
14kg/m2以下であることを特徴とする。また、本
発明の第1の固体電解コンデンサの製造方法は、弁金属
からなる陽極導体の表面に誘電体層を形成し、前記誘電
体層の表面に第1の固体電解質層を形成し、前記第1の
固体電解質層上に導電性高分子からなる第2の固体電解
質層を形成し、前記第2の固体電解質層上に陰極導体層
を形成する固体電解コンデンサの製造方法であって、前
記第2の固体電解質層を、下記式(1)で表されるダイ
ナミック硬度DHが0.14kg/m2以下となる条件
で重合して形成することを特徴とする。
験荷重であり、Dは圧子の試料への侵入深さである。
固体電解質層と陰極導体層との界面抵抗をさらに低減し
て、ESRを一層低下させることができる。
の第2の固体電解コンデンサは、弁金属からなる陽極導
体と、前記陽極導体の表面に形成された誘電体層と、前
記誘電体層の表面に形成された導電性高分子からなる第
1の固体電解質層と、前記第1の固体電解質層上に形成
された第2の固体電解質層と、前記第2の固体電解質層
上に形成された陰極導体層とを有する固体電解コンデン
サであって、前記第1の固体電解質層の下記式で表され
るダイナミック硬度DHが0.15kg/m2以上であ
ることを特徴とする。また、本発明の第2の固体電解コ
ンデンサの製造方法は、弁金属からなる陽極導体の表面
に誘電体層を形成し、前記誘電体層の表面に導電性高分
子からなる第1の固体電解質層を形成し、前記第1の固
体電解質層上に第2の固体電解質層を形成し、前記第2
の固体電解質層上に陰極導体層を形成する固体電解コン
デンサの製造方法であって、前記第1の固体電解質層
を、上記式(1)で表されるダイナミック硬度DHが
0.15kg/m2以上となる条件で重合して形成する
ことを特徴とする。
誘電体層の損傷を緩和して、漏れ電流を抑制することが
できる。
に記載のように、第1の固体電解質層をダイナミック硬
度が0.15kg/m2以上である導電性高分子からな
る層とし、第2の固体電解質層をダイナミック硬度が
0.14kg/m2以下である導電性高分子からなる層
とすると、ESRを低減し、かつ漏れ電流を抑制でき
る。また、上記第1および第2の製造方法に記載のよう
に、第1の固体電解質層をダイナミック硬度が0.15
kg/m2以上となる条件で形成した導電性高分子から
なる層とし、第2の固体電解質層をダイナミック硬度が
0.14kg/m2以下となる条件で形成した導電性高
分子からなる層とすると、ESRを低減し、かつ漏れ電
流を抑制した固体電解コンデンサを作製できる。第1の
固体電解質層のダイナミック硬度は、好ましくは0.1
6kg/m2以上である。第2の固体電解質層のダイナ
ミック硬度は、好ましくは0.13kg/m2以下であ
る。
に制限されないが、ポリピロール、ポリアニリン、ポリ
チオフェンおよびポリ−3,4−エチレンジオキシチオ
フェンから選ばれる少なくとも1種からなることが好ま
しい。この固体電解質層は、ピロール、アニリン、チオ
フェンおよび3,4−エチレンジオキシチオフェン(以
下「EDT」と称する)から選ばれる少なくとも1種の
モノマーを重合して形成することができる。
について説明する。本発明では、固体電解質層の可塑性
および柔軟性を、ダイナミック硬度を用いて評価するこ
ととした。ビッカース硬さ法、ヌープ硬さ法、三角錐硬
さ法などでは、圧子に荷重を負荷してくぼみを作製し、
除荷した後にくぼみの対角線長さから表面積を計算して
硬さを評価するため、導電性高分子のように弾性変形を
伴う材料の硬度測定においては大きな誤差を伴うことに
なる。しかし、ダイナミック硬度は、塑性変形とともに
弾性変形を反映した強度特性であるため、固体電解コン
デンサにおける固体電解質層の特性の評価に適してい
る。
に、基板14上に形成した測定対象膜15の表面に、初
期値0から設定試験力まで所定の割合で負荷を増しなが
ら圧子16を押し込んで測定し、圧子の押し込み量とそ
のときの負荷とから、算出できる。ダイナミック硬度
は、市販の装置(例えば、島津製作所製の超微小硬度計
「DUH−200」)を用いれば容易に測定できる。本
実施形態および下記実施例では、上記微小硬度計を用
い、下記測定条件によりダイナミック硬度を測定した。
依存するが、上記三角錐圧子の場合のαは37.838
である。ただし、この値は、押し込み深さ(侵入深さ:
D)をμmにより、負荷(試験荷重:P)をgfにより
評価したときに、ダイナミック硬度の単位がkg/m2
となるように定められた値である。基板厚さを500μ
m以上としたのは、基板が薄すぎると測定誤差を招くた
めである。測定対象膜(導電性高分子膜)の厚さも、同
様の観点から、上記範囲とした。
板としてガラス板、ニッケル板を用いたが、15kg/
m2以上のダイナミック硬度を有するものの上に形成さ
れていれば、ダイナミック硬度は測定誤差1%以内で評
価可能である。したがって、例えばタンタル焼結体など
を陽極導体に用いた固体電解コンデンサにおいても、陽
極導体上に形成された固体電解質層のダイナミック硬度
は、上記程度の誤差範囲内で測定できる。この場合も、
上記と同様、押込み深さは、固体電解質層の厚みの10
分の1以下とすることが好ましい。
に示す。この場合、押込み深さDが5μmのときの負荷
が0.164gfであるので、式(1)より、ダイナミ
ック硬度は約0.248kg/m2となる。
ーパントの種類によって相違するが、同一種類の材料か
ら形成した導電性高分子層であっても、モノマーと酸化
剤との比率や重合条件により相違する。例えば、一般
に、化学量論比よりもモノマー濃度をやや高くすると、
モノマー濃度と酸化剤との比率を化学量論比とした場合
よりもダイナミック硬度が低い、すなわち軟質の層を形
成できる。しかし、モノマー濃度をさらに高くすると、
ダイナミック硬度は逆にやや上昇する傾向を示す場合が
ある。また、ダイナミック硬度が低い導電性高分子層を
形成するためには、通常、反応温度は高いほうがよい。
また、重合液の粘性を高める増粘剤を添加すると、軟質
の固体電解質層を得やすくなる。
ンデンサの一実施形態について説明する。図1に示す断
面構造を有する固体電解コンデンサにおいて、コンデン
サ素子8は、図2に示す断面を有している。このコンデ
ンサ素子は、細孔が形成された陽極導体1上に各層が形
成されて構成されている。陽極導体1の表面には誘電体
層2が形成され、誘電体層2の表面には第1の固体電解
質層3が形成されている。第1の固体電解質層3の表面
には、第2の固体電解質層4が形成され、この層の上に
は、グラファイト層6と外装銀導電性樹脂層7とからな
る陰極導体層5が形成されている。
は線と弁作用を有する金属の微粒子からなる焼結体ペレ
ットによって形成される。具体的には、タンタル、アル
ミニウム、チタン、ニオブ、ジルコニウム、亜鉛など、
またはこれら金属の合金が用いられる。または、静電容
量を大きくするためにエッチングなどによって拡面処理
を施した金属箔が陽極導体1に用いられる。誘電体層2
は、陰極導体1の表面を電解酸化して形成した陽極酸化
皮膜であり、焼結体ペレットの細孔表面にも形成され
る。
解質層4は、好ましくはともに導電性高分子から形成さ
れたものであり、第2の固体電解質層4は、第1の固体
電解質層3よりも相対的に軟質となるように形成されて
いる。第1の固体電解質層3は、ポリピロールから、第
2の固体電解質層4はポリEDTから形成することが好
ましいが、固体電解質層の材料はこれに限らず、両固体
電解質層に同じ導電性高分子を用いてもよい。この場合
は、ドーパントの種類、モノマーと酸化剤との比率、重
合温度などを適宜調整して、両固体電解質層のダイナミ
ック硬度を制御すればよい。
より形成してもよく、電解酸化重合法により形成しても
よい。絶縁性の誘電体層を用いて電解酸化重合を行うの
は困難であるから、第1の固体電解質層は、化学酸化重
合法により形成するとよい。
銀導電性樹脂層7とからなる二層構造を採用するとよ
い。グラファイト層6は、導電性粒子であるグラファイ
ト粒子を含んでおり、この粒子が第2の固体電解質層4
と外装銀導電性樹脂層7に含まれる銀粉との電気的接続
を密にする役割を担う。具体的には、図3に示すよう
に、外装銀導電性樹脂層7を形成する際には、銀導電性
樹脂の乾燥に伴う硬化収縮によって、グラファイト層の
層面内方向には圧縮応力が加わる。そして、この圧縮応
力によって、グラファイト層に含まれるグラファイト粒
子13と第2の固体電解質層4との密着度が高まる。固
体電解質層4のダイナミック硬度を低くすれば、上記圧
縮応力により両層間の密着性がさらに高まって層間の界
面抵抗が減少する。
図1に示した構造となるように、従来から行われてきた
方法に従い、陰極リード端子11、陽極リード端子10
がそれぞれ取り付けられ、エポキシ樹脂などの外装樹脂
12で外装され、固体電解コンデンサとなる。なお、陰
極リード端子11は、銀導電性接着剤9などによってコ
ンデンサ素子8に取り付ければよい。
を高くして誘電体層2を「硬い」被膜で覆うと、リード
端子の取り付けや樹脂による外装の際に生じる機械的ス
トレスによる誘電体膜2の損傷を抑制できる。したがっ
て、漏れ電流が小さい固体電解コンデンサを作製するに
は、第1の固体電解質層3のダイナミック硬度を高くす
るとよい。また、この固体電解コンデンサは機械的スト
レスに強いため、例えば、第1の固体電解質層や第2の
固体電荷質層の外層厚みや陰極導体層の厚みを薄くし
て、その分だけ陽極導体を大きくすること、すなわち大
容量化も可能となる。
明するが、本発明は下記の実施例に制限されない。
2と同様の構造を有する固体電解コンデンサを作製し
た。このコンデンサでは、第1の固体電解層をポリピロ
ールにより、第2の固体電解質層をポリEDTにより、
それぞれ形成した。
末を、1.4mm×3.0mm×3.8mmに成形、焼
結して、陽極引き出し用タンタルワイヤーリードを備え
た焼結体ペレットからなる陽極導体を作製した。次に、
この焼結体ペレットを約30Vで85℃リン酸水溶液に
よって化成して、ペレットの表面に誘電体層として酸化
タンタルの皮膜を形成した。さらに、焼結体ペレットを
洗浄し、乾燥した。
(vol)%含有する水溶液中に、モノマーとしてピロ
ールを0.1mol/l溶解させてモノマー溶液を調製
した。また、10vol%のイソプロピルアルコールを
含有する水溶液に、酸化剤として硫酸鉄(III) 0.1m
ol/lと、アルキルナフタレンスルホン酸イオン0.
05mol/lのNa塩とを溶解させて酸化剤溶液を調
製した。
トを、上記モノマー溶液に浸漬した後、上記酸化剤溶液
に浸漬して、酸化タンタル皮膜上に、第1の固体電解質
としてポリピロール層を形成し、焼結体ペレットを洗浄
し、乾燥させた。このようなポリピロール層形成工程を
20回繰り返しながら、適時、再化成を行って酸化タン
タル皮膜を修復した。再化成は、約0.05重量%のリ
ン酸水溶液で電圧20Vの条件で行った。引き続き、焼
結体ペレットを約90℃の純水中で洗浄し、さらに雰囲
気温度を約120℃にして乾燥させた。
化合物であるp−トルエンスルホン酸鉄(III)とを、
n−ブタノール溶液に混合して、EDTの濃度が0.7
5mol/l、鉄(III)イオンの濃度が1mol/l
となるように、重合液を調製した。この重合液では、化
学量論比(EDT濃度:鉄(III)=1:2)よりも、
50%EDT濃度が高くなっている。
を、5℃に保持した重合液に約6分間浸漬した後、1m
m/秒の速度で引き上げ、雰囲気温度を室温から160
℃に徐々に昇温して、焼結体ペレットの表面でEDTの
酸化重合を行い、第2の固体電解質層として、ポリED
T層を形成した。
焼結体ペレットを10vol%のイソプロピルアルコー
ル水溶液で洗浄し、リン酸を0.05%含有する5vo
l%イソプロピルアルコール水溶液を用い、電圧約20
Vで焼成体ペレットを再化成した。さらに、90℃の純
水中で焼結体ペレットを洗浄し、120℃で乾燥した。
ットを、グラファイト微粒子を含有する水性サスペンシ
ョン液に浸漬し、この液から1mm/秒の速度で引き上
げ、約130℃で約30分間放置し、サスペンション液
を乾燥・固化させて、ポリEDT層上にグラファイト層
を形成した。さらに、焼結体ペレットを、銀ペースト中
に浸漬し、0.3mm/秒の速度で引き上げ、室温で1
時間放置した後、約145℃で1時間乾燥・固化させ
て、グラファイト層上に外装銀導電性樹脂層を形成し、
グラファイト層と外装銀導電性樹脂層とからなる陰極導
体層を完成させた。
に、陰極リード端子を導電性接着剤を用いて接続し、こ
のコンデンサ素子の陽極導体側のタンタルワイヤーを陽
極リード端子に溶接した。さらに、コンデンサ素子をエ
ポキシ樹脂で外装して、図1と同様の構造を有する固体
電解コンデンサを得た。
電解質層の形成方法が異なる以外は、実施例1と同様に
して固体電解コンデンサを作製した。具体的には、第2
の固体電解質層を形成するための重合液を、EDTの濃
度が1mol/l、鉄(III)イオンの濃度が1mol
/lとなるように、EDTとp−トルエンスルホン酸鉄
(III)とをn−ブタノール溶液に混合して調製した。
この重合液では、化学量論比(EDT濃度:鉄(III)
=1:2)よりも、100%EDT濃度が高くなってい
る。なお、この重合液は、特開2000−133551
公報に開示されている液と同一である。
解コンデンサに、1.0Vのバイアス電圧を印加して、
100Hz〜40MHzにおいてインピーダンス周波数
特性を測定し、共振周波数におけるESRを求めた。ま
た、作製した固体電解コンデンサに直流電圧を10V印
加し、1分後の電流を測定して漏れ電流とした。また、
上記に記載した方法により、第2の固体電解質層のダイ
ナミック硬度を求めた。さらに、化学酸化重合で得られ
たポリEDT粉末をφ18mm×4mm形状にプレス成
形し、理論密度の約70%での導電率(電導度)を四端
子法で測定した。以上の結果を表1に示す。
施例1においてダイナミック硬度がより低い固体電解質
層が得られた。なお、重合液におけるモノマーと酸化剤
との比率を化学量論比のとおりとして作製したポリED
T層からなる固体電解質層のダイナミック硬度は0.1
55kg/m2程度となった。この液種の場合、軟質の
ポリEDT層を形成するためには、重合液におけるED
T濃度を、酸化剤との化学量論比よりも20〜60%程
度高くするとよい。
電解質層の形成方法が異なる以外は、実施例1と同様に
して固体電解コンデンサを作製した。実施例1では、ポ
リEDT層を化学酸化重合法により形成したが、実施例
2では、ポリEDT層を電解酸化重合法により形成し
た。
と支持電解質であるドーパントのp−トルエンスルホン
酸10gとを5重量%エタノール水溶液500mlに混
合して調製した。この電解重合液に、電圧印加のための
陽電極を設けた焼結体ペレットを浸漬させ、この液に浸
漬した陰電極との間に、電圧2.8Vを1時間印加して
電解酸化重合を行った。引き続き、焼結体ペレットをイ
ソプロピルアルコールで洗浄し、リン酸を0.05重量
%含有する5vol%イソプロピルアルコール水溶液を
用い、電圧約20Vで焼成体ペレットを再化成した。さ
らに、90℃の純水中で焼結体ペレットを洗浄し、12
0℃で乾燥させ、第2の固体電解質層として、ポリED
T層を形成した。
を適宜変更し、上記と同様にして第2の固体電解質層を
形成した。こうして得た各固体電解コンデンサについ
て、実施例1と同様にして、各特性を測定した。ただ
し、電導度は、硬度測定用に作成した試料から得た膜状
の電解酸化重合膜をニッケル板から剥離させてガラス板
上にのせ、四端子法で測定した。結果を表2に示す。
ック硬度が低ければ、ESRが低くなっていることがわ
かる。ESRは、明らかに、第2の固体電解質層の電導
度ではなく、この層のダイナミック硬度の影響を受けて
いる。第2の固体電解質層のダイナミック硬度を0.1
4kg/m2以下とすると、共振周波数におけるESR
が22mΩ以下となった。なお、表2において表1より
電導度が高くなっているのは、上記膜では理論密度の約
85%程度と密度が相対的に高くなっているためであ
る。
電解質層の形成に用いたモノマー、ドーパントの種類を
適宜変更した以外は、実施例1と同様にして固体電解コ
ンデンサを作製した。こうして得た各固体電解コンデン
サについて、実施例1と同様にして(電導度の測定も実
施例1と同様)、各特性を測定した。結果を表3に示
す。
ック硬度が高ければ、漏れ電流が低くなっていることが
わかる。第1の固体電解質層のダイナミック硬度を0.
15kg/m2以上とすると、漏れ電流が24μA以下
となった。なお、表3において表1よりも電導度が高く
なっているのは、重合液の溶媒の相違による。
ダイナミック硬度が0.14kg/m 2以下となる条件
で導電性高分子からなる第2の固体電解質層を形成する
ことにより、ESRを低減することができる。また、ダ
イナミック硬度が0.15kg/m2以上となる条件で
導電性高分子からなる第1の固体電解質層を形成するこ
とにより、漏れ電流を低減することができる。
図である。
ンサ素子の一例の部分断面図である。
導体層との間の界面抵抗を説明するための断面図であ
る。
の断面図である。
のグラフである。
Claims (10)
- 【請求項1】 弁金属からなる陽極導体と、前記陽極導
体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の表面
に形成された第1の固体電解質層と、前記第1の固体電
解質層上に形成された導電性高分子からなる第2の固体
電解質層と、前記第2の固体電解質層上に形成された陰
極導体層とを有する固体電解コンデンサであって、前記
第2の固体電解質層の下記式で表されるダイナミック硬
度DHが0.14kg/m2以下であることを特徴とす
る固体電解コンデンサ。 DH=α×P/D2 ただし、αは圧子形状により定まる係数であり、Pは試
験荷重であり、Dは圧子の試料への侵入深さである。 - 【請求項2】 第2の固体電解質層が、ポリピロール、
ポリアニリン、ポリチオフェンおよびポリ−3,4−エ
チレンジオキシチオフェンから選ばれる少なくとも1種
からなる請求項1に記載の固体電解コンデンサ。 - 【請求項3】 第1の固体電解質層が、ダイナミック硬
度DHが0.15kg/m2以上である導電性高分子か
らなる層である請求項1または2に記載の固体電解コン
デンサ。 - 【請求項4】 弁金属からなる陽極導体と、前記陽極導
体の表面に形成された誘電体層と、前記誘電体層の表面
に形成された導電性高分子からなる第1の固体電解質層
と、前記第1の固体電解質層上に形成された第2の固体
電解質層と、前記第2の固体電解質層上に形成された陰
極導体層とを有する固体電解コンデンサであって、前記
第1の固体電解質層の下記式で表されるダイナミック硬
度DHが0.15kg/m2以上であることを特徴とす
る固体電解コンデンサ。 DH=α×P/D2 ただし、αは圧子形状により定まる係数であり、Pは試
験荷重であり、Dは圧子の試料への侵入深さである。 - 【請求項5】 第1の固体電解質層が、ポリピロール、
ポリアニリン、ポリチオフェンおよびポリ−3,4−エ
チレンジオキシチオフェンから選ばれる少なくとも1種
からなる請求項3または4に記載の固体電解コンデン
サ。 - 【請求項6】 弁金属からなる陽極導体の表面に誘電体
層を形成し、前記誘電体層の表面に第1の固体電解質層
を形成し、前記第1の固体電解質層上に導電性高分子か
らなる第2の固体電解質層を形成し、前記第2の固体電
解質層上に陰極導体層を形成する固体電解コンデンサの
製造方法であって、前記第2の固体電解質層を、下記式
で表されるダイナミック硬度DHが0.14kg/m2
以下となる条件で重合して形成することを特徴とする固
体電解コンデンサの製造方法。 DH=α×P/D2 ただし、αは圧子形状により定まる係数であり、Pは試
験荷重であり、Dは圧子の試料への侵入深さである。 - 【請求項7】 第2の固体電解質層を、ピロール、アニ
リン、チオフェンおよび3,4−エチレンジオキシチオ
フェンから選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合し
て形成する請求項6に記載の固体電解コンデンサの製造
方法。 - 【請求項8】 第1の固体電解質層を、導電性高分子か
らなる層として、ダイナミック硬度DHが0.15kg
/m2以上となる条件で形成する請求項6または7に記
載の固体電解質の製造方法。 - 【請求項9】 弁金属からなる陽極導体の表面に誘電体
層を形成し、前記誘電体層の表面に導電性高分子からな
る第1の固体電解質層を形成し、前記第1の固体電解質
層上に第2の固体電解質層を形成し、前記第2の固体電
解質層上に陰極導体層を形成する固体電解コンデンサの
製造方法であって、前記第1の固体電解質層を、下記式
で表されるダイナミック硬度DHが0.15kg/m2
以上となる条件で重合して形成することを特徴とする固
体電解コンデンサの製造方法。 DH=α×P/D2 ただし、αは圧子形状により定まる係数であり、Pは試
験荷重であり、Dは圧子の試料への侵入深さである。 - 【請求項10】 第1の固体電解質層を、ピロール、ア
ニリン、チオフェンおよび3,4−エチレンジオキシチ
オフェンから選ばれる少なくとも1種のモノマーを重合
して形成する請求項8または9に記載の固体電解コンデ
ンサの製造方法。
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