JP3343634B2 - 重荷重用空気入りタイヤ - Google Patents

重荷重用空気入りタイヤ

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JP3343634B2 JP34397693A JP34397693A JP3343634B2 JP 3343634 B2 JP3343634 B2 JP 3343634B2 JP 34397693 A JP34397693 A JP 34397693A JP 34397693 A JP34397693 A JP 34397693A JP 3343634 B2 JP3343634 B2 JP 3343634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、タイヤ走行中におけ
るタイヤベルト体の逆反り変形を防止して耐偏摩耗性を
改良した重荷重用空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、国内トラック・バス輸送に見られ
る高速・長距離化、および北米等外国特有の高速走行に
おける長距離間直線走行と高速下定常走行では、これら
のいわゆる重荷重用タイヤでは、そのタイヤの内圧充填
に伴うタイヤ成長後のタイヤ特性により、走行後のトレ
ッド摩耗ライフ、偏摩耗性に対する耐久性等の諸性能が
ここで決定されてしまうといっても過言ではない。特
に、国内の一般使用条件下で見られる摩耗速度の速い強
制摩耗では、偏摩耗の程度も軽度であって、タイヤの成
長形状に与える影響も少ないが、摩耗速度の遅い定常下
の連続走行を主体とする高速条件下では、接地形状変化
やタイヤの構造に起因する接地面内の挙動の影響は少な
くない。このために、トラック・バス用タイヤの基本設
計においては、ベルト・カーカスを合わせた、いわゆる
NIP形状が重要となり、種々な試みがなされている。
例えば、その一つとして、トレッドの外形が単一の曲率
による円弧部により形成された重荷重用空気入りタイヤ
が試みられているが、単一形状の曲率であるために接地
形状におけるタイヤ幅方向の両端部でタイヤ周方向の接
地長が短く、偏摩耗を起こし易い。また他にトレッドの
外形を曲率半径が相異なる2つの曲率で構成した、いわ
ゆるダブルクラウン化されたトレッドのタイヤも試み
(例えば、特開昭54−159902号)られている。
この2種類の曲率半径はトレッド中央部外形を構成する
円弧部よりはショルダー部領域を構成する円弧部の方が
その曲率が大となっていて、しかも両円弧部の接点は接
しているものである。
【0003】しかしながら、かかる試みでは、2種類の
円弧部が相互に交叉せずに接触状態となっているので、
直進性は良好であるとしてもサイドフォース作用のある
走行では、ショルダー端の摩耗からトレッドセンター部
の偏摩耗へと移行するのでこの点、不適である。また他
方、偏摩耗と片落ち摩耗を低減させるためにトレッド中
央部の外形を構成する円弧部とショルダー部領域の外形
を構成する円弧部との境界域を凹状の屈曲部で接続して
トレッド外形を形成する試み(特開平5−77608
号)があるが、トレッド幅の1/4 幅の点が凹んでいるの
で、いわゆるリブパンチを起こして偏摩耗発生の原因と
なり易い。更に、トレッドセンター摩耗とショルダー摩
耗とを同時に低減させるために、ショルダー部を直線状
外形とする試み( 特開平5−77609号)がある。
【0004】しかし、このタイヤは扁平タイヤを目的と
したものであってコンベンショナルタイヤの設計にはな
じまず、しかもショルダー部が直線状となっているの
で、肩落ち形状によって生じる接地面内のワイピング作
用(横力)により、いわゆるリバーウエア(偏摩耗)が
起き易い。
【0005】ところで、トラック・バス用等の重荷重用
タイヤでは、高内圧,高荷重条件下においては、タイヤ
の走行に伴う温度上昇とも相俟って、タイヤ使用開始時
に内圧を充填してタイヤを成長させ、それぞれのタイヤ
に見合った自然平衡形状、即ち、カーカス張力と内圧と
のバランスで安定形状となるのが一般的である。
【0006】そこで、この発明者は、先ず、従来タイ
ヤ、特に単一形状の曲率でトレッド外形を形成したタイ
ヤを基本としてその偏摩耗機構を解明すべく、この発明
の設計上の基本となるいわゆる基本タイヤを設定し、こ
の基本タイヤと従来タイヤとの相関性について、内圧充
填前・後におけるタイヤの変形状態について、トレッド
部・ベルト部・カーカス部等の変化と偏摩耗性との相関
性について実験的検討を加えた。即ち、内圧充填前の新
品タイヤに圧力空気を充填させて成長させた後において
は、図3(イ)に示した如く、従来タイヤでは、点線で
示した内圧充填前の形状が、内圧充填に伴ってタイヤは
張力を受けて実線で示したタイヤ骨格を形成するベルト
上ラジアスは不均一となって拡大変形に伴うベルトの逆
反り現象を示し、トレッドのクラウン部CRおよびカー
カスCC・ベルトBTの各層は、それぞれ不均一に成長
するためにクラウン部形状は不安定となって変化し易く
耐摩耗性を欠くこととなる。これに対し、同図(ロ)に
示したタイヤでは、タイヤのクラウン部の形状が均一で
あって、かつ、内圧の張力をベルト・カーカスで均一に
分担しており、これがまさしく基本タイヤの張力分担構
造である。そこで、上記従来タイヤの形状変化を更に詳
細に検討すると、タイヤの扁平化によって偏摩耗は更に
起こり易くなり、恰もベルトエツジがショルダーリブS
Rを突き抜ける如き変形でトレッドサイド部TSのゴム
にも内圧の応力が伝播してショルダーリブSRの両端S
REは下方に引張られてクラウン部CRの肩落ち現象、
即ち全トレッド展開幅TWのトレッドセンター軸CLよ
り1/4 の幅の点、即ち1/4 TW点が突出した変形状態と
なって表れる。これは内圧の張力により発生する剛性変
化を受けて拡大するベルト上ラジアスがトレッドラジア
スを凌いでクラウン部形状に干渉しているためと思考さ
れ、不均一な形状変化のみでなく、ベルト・カーカスの
スチール部材単一では最早や内圧を負担仕切れず、その
結果、弾性率の低いゴム部材にまでその応力の分担を余
儀なくさせてタイヤ表面歪の増加を招来している。それ
に加えてトレッドセンターの凹形状,ベルトエツジ端B
TEの跳ね上げによってトレッドのショルダー側最外側
ベルト上厚みは薄くなり、無負荷の状態で接地面内での
ベルト形状に自ずと接近する結果接地変形で得られるベ
ルト層の変形に伴う反力は減少し、接地性は大幅に低下
することとなる。ただし、ベルトエツジBTEは突出し
ているので、この近傍に相当する1/4 TW点では局部的
な応力集中とクラウン部の肩落ち形状とによって生じる
接地面内のワイピング作用(横力)によりリバーウエア
(レール偏摩耗)が発生する。しかし、基本タイヤ形状
では、ベルトセンター凸部が中心荷重を受けるので、ベ
ルトエツジ端で十分なるトレッドゴム厚みを確保するこ
ととなって、接地面全体で良好な接地が得られるが、一
方の従来タイヤでは浮き気味のトレッドセンターをベル
トエツジで支える形となり、クラウン部の肩落ち現象と
ともに、接地性をも損ねている。他方、ベルトBT、ク
ラウン部CR形状の変化としては、図4(イ)に示した
従来タイヤでは、実線で示した如く成長前ではトレッド
センター軸CLの最外側ベルト3BT上トレッド厚み
a′とショルダー部の最外側ベルト3BT上のトレッド
厚みb′とは同程度(a′≒b′)であったものが、成
長後ではトレッドのクラウン部CRの形状の肩落ちと共
にショルダー部SHの最外側ベルト上のトレッド厚み
B′はトレッドセンター軸の最外側ベルト上トレッド厚
みA′に比べて小さくなっている(A′>B′)。
【0007】そして、ベルト層全体の変形としては成長
前までは適度な曲率をもつ該ベルト上ラジアスを有して
いたが、成長後はベルト上ラジアスの拡大によって逆反
り変形を起こす。これに対し基本タイヤでは、図4
(ロ)に示す如く、同等割合で均一に変形することとな
る。この現象を、ベルトの変形状態として3層構造のベ
ルトの中間ベルト2BTの変形例を図5について説明す
ると、同図(イ)に示した従来タイヤでは、張力Fによ
って該中間ベルト2BTは対角線E′F′方向にスチー
ルコードが打込まれ、矢印のX軸方向の力、F(内圧に
よる張力)が加えられている。この場合、複合材料特有
の変形であって、クロスエラスティシティ(cross - Ela
sticity)効果が当然表れる。即ち、補強コードを有する
E′F′に対して、対角線G′H′方向には補強コード
が存在しないためX軸方向の力(張力)、Fによって
E′F′<<G′H′の異なる伸びが発生する結果、
G′H′方向に剪断変形が生じる効果がある。そして、
この変形は図中においては実線で示している。また、こ
の剪断変形は低角度ベルト層によるX軸方向の剛性の増
加および補強層の各同一方向の撚りを持つ2層以上のフ
イラメントから構成される高張カスチールコード(炭素
含有量:0.75〜0.85重量%の鉄) を採用した場合などに
顕著に表れる傾向が強い。特に注意されるべき点は、タ
イヤ成長量となるタイヤ周方向(X軸方向)の変形量で
あって、図5(イ)に示したトレッドセンター軸CLに
おける成長量C′とベルト端部の成長量d′とを比較す
ると、C′<<d′となってトレッドセンター軸CLの
成長量に対してベルト端部の成長量が大幅に増加してい
ることが分かる。即ち、図4(イ)に示した従来タイヤ
におけるベルト端部の跳ね上がり変形は、ベルト端部の
タイヤ周方向の成長がトレッドセンター軸CLのタイヤ
周方向の成長量を上回るために生じるベルトの不均一な
変形と思考される。この結果、図4(イ)に示した如
く、剛性の高いトレッドセンター軸CLに比較して剛性
の低いベルト端部の成長が過大となってベルト層体の逆
反り変形の原因となっているものと思考される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】因って、この発明者
は、上記知見を基本として、特に、図5(イ)に示した
従来タイヤのベルト変形図から、成長後のトレッドセン
ター軸CLのベルト変形量C′がベルト端部の変形量
d′より少ない(c′<d′)故に、ベルト端部のタイ
ヤ周長増加がベルトセンターのタイヤ周長増加を上回
り、その結果、これがベルト層体の逆反り変形の誘因と
なっており、このためには、図5(ロ)に示した基本タ
イヤの如く、成長後のベルトセンター部の変形量cはベ
ルト端部の変形量dと同等またはこれを上回る(c≧
d)設計が必要であり、そこで、図6に示すような従来
タイヤ(実線)の肩上げモールドクラウン形状では、成
長後のショルダー部SHにおけるベルト上トレッド厚み
B′が十分取ることができなかったほか、ショルダー部
SHの肩上りが全トレッド展開幅TWの1/4 TW点にま
で及ぶことより、成長後のトレッド上1/4 TW点の突出
の一因ともなっているという事実をも知見するととも
に、この1/4 TW点に注目するに至った。
【0009】しかして、この発明は上記諸知見に基づき
なされたもので、上記基本タイヤにアプローチするため
にはまず、タイヤの成長に伴うベルトの逆反り変形によ
って起こるショルダー部の最外側ベルト上トレッド厚み
B′(図6)の薄肉化を阻止する必要がありそのため
に、予めショルダー部におけるベルト最外側上トレッド
厚みBがトレッドセンター上厚みAを上回るように(A
<B)、モールドのショルダーリブSRの肩上げを行う
と同時に、これまで1/4 TW点の突出を修正して耐偏摩
耗性を改良、向上させることをその目的とするものであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして、上記目的に適
合するこの発明の重荷重用空気入りタイヤの特徴とする
ところは、トレッド外面上においてタイヤ周方向に配設
された複数の該周方向の主溝と、該トレッド外面の両側
のショルダー端部と前記主溝のうち最外側の主溝の外側
とで区画されたショルダーリブとを有する重荷重用空気
入りタイヤの内圧未充填時のトレッド断面形状におい
て、トレッドセンター軸のタイヤ回転軸芯側に曲率中心
を有する曲率半径Rよりなる第1円弧部によりトレッ
ド中央領域の外形を形成し、更に前記トレッドセンター
軸のタイヤ回転軸芯側又は該軸芯外に曲率中心を有し、
ショルダーリブのトレッド中央領域寄り端部で前記第1
円弧部と交わる曲率半径Rよりなる第2円弧部により
第2円弧部と上記第1円弧部との交点Pとショルダ
ー端Pとを結んでショルダーリブの外形を形成するに
あたり、以下の式
【0011】
【数2】 1/4TW<TWI<TW 0≦h≦10mm 0≦h ≦3mm A≦B (ただし、TWは全トレッド展開幅、TWIは、第2円
弧部と第1円弧部の交点Pとトレッドセンター軸間の
トレッド幅の2倍、1/4TWは、ショルダーリブに隣
接するトレッドセンター軸寄りリブのショルダー側肩部
と、トレッドセンター軸間のトレッド幅であって全
トレッド展開幅の1/4に相当する。また、hはショ
ルダー端Pにおける第1円弧部の延長線と第2円弧部
との段差量であり、h前記点Pと点Pのタイヤ
半径方向の段差量、Aはトレッドセンター軸におけるベ
ルト上トレッドの厚みを、Bはショルダーにおける最
外側ベルト端のベルト上トレッドの厚みをそれぞれ示
す。)
【0012】を満足する外形を形成した構成である。
【0013】そして、この場合第1円弧部の曲率半径R
1 を300〜2000mmの範囲に設定すれば好適であ
り、また、第2円弧部の曲率半径R2 を第1円弧部の曲
率半径R1 と同等以上の範囲であって4000mmより
は小なる曲率半径に設定すると好適である。
【0014】
【作用】この発明に係る重荷重用空気入りタイヤでは、
タイヤの成長に伴って起こるベルト層の逆反り変形を防
止するために、予めショルダー端におけるベルト上トレ
ッドの厚みBをクラウンセンター(トレッドセンター
軸)CLにおけるベルト上トレッドの厚みAを同等かま
たはこれを上回るようにショルダーリブのみに限定した
肩上げを行ったので、従来タイヤに見られた1/4 TW点
にまで及んだこの部分の成長による突出は修正された。
即ち、図6に示した基本タイヤではこの発明タイヤによ
く一致することとなって、モールドの肩上げによってベ
ルト上厚みBは十分確保され、またモールド成型時に上
記Bが増加することで図2に示す如く、従来タイヤ(実
線)のレイアウト中間ベルト端部8Eの径R′よりもこ
の発明タイヤでは小なる径R(R′>R)に位置するこ
ととなった。即ち、ベルトおよびカーカスの構成が同一
の場合では成長後の自然平衡形状も同一形状となって安
定するために、ベルト端部8EがR′よりも小なるRの
初期値から変形をはじめるこの発明タイヤのベルトのコ
ード角度変化は、当然増加し、図5(ロ)の変形を示す
こととなる。即ち、同図においては、GHまたはG′
H′方向には同じ張力が加わると共に補強コードがな
く、ゴムの引張り変形に限定されるので変形量の差は差
程大きくない。しかし、補強コードを有するFEまたは
F′E′の変形では、ベルトの角度変化量、即ち、R′
またはRの初期値によって相異するが、この発明タイヤ
ではR′>Rとなるので当然図2(イ)に示したベルト
角度変化は従来タイヤ(同図ロ)を上回ることとなる。
因って、図5に示したベルト端部の実質変形量dは、従
来タイヤ(イ)のd′に対して小となる(d<d′)。
更にこの発明タイヤ(ロ)では、従来タイヤ(イ)に見
られるc′<d′の関係に対してベルト端部の実質変形
量増加としてc>dとなってベルト端部の成長量がベル
トセンター(トレッドセンター軸)の成長量を下回り、
その結果図4(ロ)に示した如くトレッドの均一成長が
可能となって、トレッドの偏摩耗耐久性の向上がはから
れる。
【0015】
【実施例】次に、この発明を具体的に図面に基づき詳細
に説明するが、この発明はこれらに限定されるものでな
いのは云うまでもない。
【0016】図1は、この発明に係るタイヤの内圧充填
前の状態におけるタイヤ右半部のトレッド外形の構成を
示した要部断面説明図である。図において、1は重荷重
用空気入りラジアルタイヤであり、2はトレッド、3は
該トレッド2の外形上でタイヤ周方向に配設された周方
向に延びる最外側の主溝である。またP2 はトレッド2
の端部のショルダー端であって、4はトレッド2をショ
ルダー端P2 と最外側の主溝3とによって区画された陸
部であるショルダーリブである。そして、トレッド2
は、トレッド中心線であるトレッドセンター軸CLから
ショルダーリブ4の該トレッドセンター軸CL側の肩部
1 に至るトレッド中央領域5のトレッド外形は該第1
円弧部6Aで形成され、この第1円弧部6Aはタイヤ回
転軸芯側のトレッドセンター軸CL上にその曲率中心を
有し、その曲率半径R1 は、内圧充填前においては30
0〜3000mmとしている。また、トレッド2は上記
ショルダーリブ4のトレッドセンター軸CL側の肩部P
1 からショルダー端P2 に至るトレッド外形、即ち、シ
ョルダーリブの外形は第2円弧部6Bで形成されてお
り、この第2円弧部6Bは、その曲率中心はタイヤ回転
軸芯側に位置するとは限らず、該軸芯外に位置すること
もある。即ち、この場合の外形はやや凹状となる。その
曲率半径R2 は、内圧充填前においてはR1 と同等かま
たは4000mm未満とされている。そして両円弧部R
1 ,R2 の交点はショルダーリブ4のトレッドセンター
軸CL側の肩部P1 であり、この交点はこの発明におい
ては重要であってショルダーリブ4の肩上げの起点とな
る。次に、トレッド2の全展開幅TWと、トレッド2上
にあってトレッドセンター軸CLから上記点P1 までの
トレッド幅の2倍の幅であるTWIと、更に第1円弧部
6A上にあって最外側主溝3のタイヤ軸方向内側端に相
当し、トレッドセンター軸CL寄りのリブのショルダー
側肩部P3 までの長さであって、そして、全トレッド展
開幅の1/4 幅に相当する1/4 TWとの間には、1/4 TW
<TWI<TWの関係を有する。
【0017】更に、ショルダー端Pにおける第2円弧
部6Bと第1円弧部6Aの延長線との段差h(斜線)
は0〜10mmの範囲に設定され、好ましくは5mm以
下である。10mmを越えると、ショルダー端部P
接地長が主溝3の1/4TW点の接地長を上まわり、リ
ブパンチ等、偏摩耗の原因となる。まちショルダーリブ
4の肩上げの起点となるPと1/4TWの点Pにお
けるタイヤ半径方向との段差量h(斜線)は、0〜3
mmの範囲に設定される。この場合0mm未満ではP
(1/4TW点)におけるリブ肩部の陥没による、いわ
ゆるリブパンチが問題となり、また3mmを越えると両
円弧部6A,6Bの曲率半径差が大となり過ぎてショル
ダーリブの肩部においてより偏摩耗の発生が助長され
る。そして更に、トレッドセンター軸CLにおける、ト
レッド2の外面2Sと最外側ベルト7との厚み、即ち、
トレッドセンター軸におけるベルト上トレッドの厚みA
と、同様にショルダー端で示したショルダーにおける
最外側ベルト端のベルト上トレッドの厚みBとはA≦B
の関係を有する。即ち、この発明において最も重要なる
点は、上記1/4TW点(P)の成長後の突出を修正
するために、第1円弧部と第2円弧部との交点Pを肩
上げの起点として肩上げをショルダーリブに限定した点
である。
【0018】また、図2はこの発明タイヤ(イ)と従来
タイヤ(ロ)における中間ベルト端8Eの両者の半径
R,R′とを対比した図である。R′>Rの関係があ
り、この発明タイヤの方が安定している。
【0019】(具体的タイヤの対比評価)次に、この発
明に係るタイヤと従来タイヤとを比較評価したので説明
する。
【0020】A 供試タイヤ; ・サイズ;11 R 22.5 14PR ・リム ; 8.25×22.5 ・内圧;7.4 kg/cm2 ・軸荷重;2,750kg ・速度;88km/h
【0021】B 評価方法 それぞれ、トレッドセンター軸CL点および両ショルダ
ー端P1 ,P1(図1参照)の3点を通るRについての
寸法変化をラジアス定規により測定し、また成長は上記
規定条件下で行ってその成長後の寸法変化を代用特性と
してトレッド3点ラジアス、およびベルト上3点ラジア
スとして示し、その評価結果は表1に示した。
【0022】
【表1】
【0023】表1から分かるとおり、この発明では内圧
未充填タイヤのショルダーリブを肩上げすることによっ
て、ベルトのショルダーにおける最外側ベルト端のベ
ルト上トレッド厚みが十分に確保されることとなるの
で、成長後に見られるベルト層の逆反り変形とトレッド
外形の肩落ちの防止に大きく寄与した。なお、この発明
は、重荷重用空気入りラジアルタイヤのみに適用される
ものではなく、バイアスタイヤ等の他の構造のタイヤに
適用してもよいのは勿論である。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る重
荷重用空気入りタイヤは、全トレッド展開幅TWの1/
4TW点を重視すると共に、ショルダーリブのトレッド
センター軸側のリブの肩部に相当するP点を肩上げの
起点としてショルダーにおける最外側ベルト端のベル
ト上トレッド厚みをトレッドセンター軸におけるベルト
層上トレッド厚みと同等以上としたので、内圧充填後の
成長タイヤにおいて、ベルト層の逆反り変形とトレッド
形状の肩落ちが防止されてショルダー部の段差摩耗・リ
バー偏摩耗を防止する効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る右半部トレッドの構
成を示した要部断面図である。
【図2】(イ)および(ロ)は、この発明タイヤと従来
タイヤとのタイヤ成長前・後のベルト、トレッドの変形
状態を示す断面説明図である。
【図3】(イ)および(ロ)は、タイヤの成長前・後の
変形状態および接地時の形状を示す断面の概念説明図で
ある。
【図4】(イ)および(ロ)は、タイヤの成長前・後の
ベルト,トレッドの変形状態を示す断面説明図である。
【図5】(イ)および(ロ)は、タイヤの成長前・後の
ベルトの変形状態を示す断面説明図である。
【図6】タイヤの右半部トレッドの成長前・後のショル
ダーリブの断面説明図である。
【符号の説明】
1 重荷重用空気入りラジアルタイヤ 2 トレッド 2S トレッド外面 3 最外側の主溝 4 ショルダーリブ 5 トレッド中央領域 6A 第1円弧部 6B 第2円弧部 7 最外側ベルト 8 中間ベルト 8E 中間ベルト端 P1 第1円弧部と第2円弧部との交点 P2 ショルダー端 P3 リブのショルダー側肩部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】トレッド外面上において、タイヤ周方向に
    配設された複数の該周方向の主溝と、該トレッド外面の
    両側のショルダー端部と前記主溝のうち最外側の主溝の
    外側とで区画されたショルダーリブとを有する重荷重用
    空気入りタイヤの内圧未充填時のトレッド断面形状にお
    いて、トレッドセンター軸(トレッドの中心部を通って
    タイヤ径方向に延びる直線、以下同じ)のタイヤ回転軸
    芯側に曲率中心を有する曲率半径Rよりなる第1円弧
    部によりトレッド中央領域の外形を形成し、更に、前記
    トレッドセンター軸のタイヤ回転軸芯側又は該軸芯外に
    曲率中心を有しショルダーリブのトレッド中央領域寄り
    端部で前記第1円弧部と交わる曲率半径Rよりなる第
    2円弧部により該第2円弧部と上記第1円弧部との交点
    とショルダー端Pとを結んでショルダーリブの外
    形を形成するにあたり、以下の式 【数1】 1/4TW<TWI<TW 0≦h≦10mm 0≦h ≦3mm A≦B (ただし、TWは全トレッド展開幅、TWIは、第2円
    弧部と第1円弧部の交点Pとトレッドセンター軸間の
    トレッド上幅の2倍の幅、1/4TWは、ショルダーリ
    ブに隣接するトレッドセンター軸寄りリブのショルダー
    側肩部Pと、トレッドセンター軸間のトレッド上の幅
    であって、全トレッド展開幅の1/4に相当する。ま
    た、hはショルダー端Pにおける第1円弧部の延長
    線と第2円弧部との段差量であり、h前記点P
    点Pのタイヤ半径方向の段差量、Aはトレッドセンタ
    ー軸におけるベルト上トレッドの厚みを、Bはショルダ
    における最外側ベルト端のベルト上トレッドの厚み
    をそれぞれ示す。) を満足する外形を形成したことを特徴とする重荷重用空
    気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記第1円弧部の曲率半径R1 を300
    〜2000mmの範囲に設定することを特徴とする請求
    項1記載の重荷重用空気入りタイヤ。
  3. 【請求項3】 前記第2円弧部の曲率半径R2 を第1円
    弧部の曲率半径R1と同等以上の範囲であって4000
    mmよりも小なる曲率半径に設定したことを特徴とする
    請求項1または2記載の重荷重用空気入りタイヤ。
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