JP3342971B2 - カルシウム補給強化食品、食材または菓子 - Google Patents
カルシウム補給強化食品、食材または菓子Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルシウム補給源とし
てグリシンカルシウムを含有せしめてなるカルシウム補
給強化食品、食材または菓子に関するものである。
てグリシンカルシウムを含有せしめてなるカルシウム補
給強化食品、食材または菓子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カルシウムは、人間にとって骨や歯の形
成維持に不可欠の成分であり、カルシウム不足は、骨や
歯の発育不良や骨粗鬆症を引き起こすばかりでなく、高
血圧、動脈硬化、関節痛、糖尿病、免疫病、肥満等の疾
患を招く原因にもなることが確認されている。
成維持に不可欠の成分であり、カルシウム不足は、骨や
歯の発育不良や骨粗鬆症を引き起こすばかりでなく、高
血圧、動脈硬化、関節痛、糖尿病、免疫病、肥満等の疾
患を招く原因にもなることが確認されている。
【0003】カルシウム含有食品としては、煮干し、イ
ワシ、ひじき、焼きのり等をはじめとする様々の食品が
知られており、また牛乳は最も代表的なカルシウム含有
飲料として広く飲用されている。また最近ではカルシウ
ム分を含有させた清涼飲料も種々市販されており、更に
は必須アミノ酸のカルシウム塩よりなるカルシウム剤も
多数市販されている。
ワシ、ひじき、焼きのり等をはじめとする様々の食品が
知られており、また牛乳は最も代表的なカルシウム含有
飲料として広く飲用されている。また最近ではカルシウ
ム分を含有させた清涼飲料も種々市販されており、更に
は必須アミノ酸のカルシウム塩よりなるカルシウム剤も
多数市販されている。
【0004】更に最近では、クッキー状あるいはウエハ
ース状の菓子にカルシウム分を多量含有せしめ、菓子感
覚でカルシウム分を摂取することのできる食品も市販さ
れている。
ース状の菓子にカルシウム分を多量含有せしめ、菓子感
覚でカルシウム分を摂取することのできる食品も市販さ
れている。
【0005】ところで、カルシウム補給源として最も一
般的に普及しているのは牛乳であり、該牛乳を原料とす
るチーズ等にも相当量のカルシウムが含まれており、有
効なカルシウム補給源とされている。しかしながら、牛
乳にしてもその中に含まれるカルシウム量はせいぜい1
00mg/100ml程度であり、また乳酸やアスパラ
ギン酸等のアミノ酸のカルシウム塩を含有する飲料にし
ても、その水に対する溶解度は非常に小さく、十分な量
のカルシウムを摂取するには多量飲用しなければならな
い。
般的に普及しているのは牛乳であり、該牛乳を原料とす
るチーズ等にも相当量のカルシウムが含まれており、有
効なカルシウム補給源とされている。しかしながら、牛
乳にしてもその中に含まれるカルシウム量はせいぜい1
00mg/100ml程度であり、また乳酸やアスパラ
ギン酸等のアミノ酸のカルシウム塩を含有する飲料にし
ても、その水に対する溶解度は非常に小さく、十分な量
のカルシウムを摂取するには多量飲用しなければならな
い。
【0006】例えば特開平5−161480号公報に
は、アミノ酸を含むカルシウム飲料が開示されており、
これによると、貝殻や珊瑚、骨等の焼成物にチロシン、
プロリン、バリン等のアミノ酸の2種以上を含有させた
カルシウム含有化合物を、醗酵乳酸水溶液に溶解したカ
ルシウム飲料が開示されているが、その中に含まれるカ
ルシウム分は、アミノ酸に対して0.005〜0.2重
量%と非常に少なく、満足のいくカルシウム摂取量を確
保することは容易でない。
は、アミノ酸を含むカルシウム飲料が開示されており、
これによると、貝殻や珊瑚、骨等の焼成物にチロシン、
プロリン、バリン等のアミノ酸の2種以上を含有させた
カルシウム含有化合物を、醗酵乳酸水溶液に溶解したカ
ルシウム飲料が開示されているが、その中に含まれるカ
ルシウム分は、アミノ酸に対して0.005〜0.2重
量%と非常に少なく、満足のいくカルシウム摂取量を確
保することは容易でない。
【0007】これに対し、前記クッキー状菓子等の如く
固形食品にカルシウムを含有させる方法であれば、カル
シウムを溶解させる必要がないので、牛乳等に比べて多
量のカルシウム分を含有させることができ、一見カルシ
ウム補給食品として極めて有用と思われる。ところが、
カルシウム自体は水に対する溶解性が低いので、カルシ
ウムを例えば炭酸塩等の無害な無機塩等として食品中に
多量含有させても、実際に体内で吸収・摂取されるカル
シウム分はその極く一部分であり、殆んどのカルシウム
分は胃腸等の消化器そのまま通過して体外へ放出される
ので、必ずしも期待される様なカルシウム補給源となる
訳ではない。
固形食品にカルシウムを含有させる方法であれば、カル
シウムを溶解させる必要がないので、牛乳等に比べて多
量のカルシウム分を含有させることができ、一見カルシ
ウム補給食品として極めて有用と思われる。ところが、
カルシウム自体は水に対する溶解性が低いので、カルシ
ウムを例えば炭酸塩等の無害な無機塩等として食品中に
多量含有させても、実際に体内で吸収・摂取されるカル
シウム分はその極く一部分であり、殆んどのカルシウム
分は胃腸等の消化器そのまま通過して体外へ放出される
ので、必ずしも期待される様なカルシウム補給源となる
訳ではない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の様な問
題点に着目してなされたものであって、その目的は、比
較的少ない食餌量で多量のカルシウム分を効果的に吸収
・摂取し得る様な食品、食材および菓子を提供しようと
するものである。
題点に着目してなされたものであって、その目的は、比
較的少ない食餌量で多量のカルシウム分を効果的に吸収
・摂取し得る様な食品、食材および菓子を提供しようと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成した本発
明に係るカルシウム補給強化飲料の構成は、カルシウム
をグリシンカルシウムとして食品、食材または菓子に含
有させたものであるところに要旨を有するものである。
ここで食品とは、うどん、そば、ラーメンなどの麺類、
あるいはパン等を包含し、また食材とは、それらの原料
となる小麦等の穀物粉やそば粉あるいは各種澱粉等の炭
水化物、更には餃子、シュウマイ、ワンタンなどの皮等
が含まれる。また菓子としては、キャラメル、キャンデ
ー、チョコレート、チューインガム、焼き菓子、ビスケ
ット、米菓子、スナック菓子、和・洋生菓子等の全てが
包含される。これら食品、食材または菓子内に配合され
るグリシンカルシウムの好ましい含有量は0.2〜5重
量%、より一般的には0.5〜2重量%の範囲である。
明に係るカルシウム補給強化飲料の構成は、カルシウム
をグリシンカルシウムとして食品、食材または菓子に含
有させたものであるところに要旨を有するものである。
ここで食品とは、うどん、そば、ラーメンなどの麺類、
あるいはパン等を包含し、また食材とは、それらの原料
となる小麦等の穀物粉やそば粉あるいは各種澱粉等の炭
水化物、更には餃子、シュウマイ、ワンタンなどの皮等
が含まれる。また菓子としては、キャラメル、キャンデ
ー、チョコレート、チューインガム、焼き菓子、ビスケ
ット、米菓子、スナック菓子、和・洋生菓子等の全てが
包含される。これら食品、食材または菓子内に配合され
るグリシンカルシウムの好ましい含有量は0.2〜5重
量%、より一般的には0.5〜2重量%の範囲である。
【0010】
【作用】本発明では、上記の様な食品、食材または菓子
に含有させるカルシウム源としてグリシンカルシウム
[(NH2 COO)2 Ca]が使用される。即ちグリシ
ンは、あらゆるアミノ酸の中で最も分子量の小さいもの
であり、その塩としてカルシウムを最も高い比率で含有
し得るばかりでなく、既に食品添加物としての安全性も
確認されており、更には砂糖以上の甘味を有していると
ころから、甘味料としての利用も可能なアミノ酸であ
る。
に含有させるカルシウム源としてグリシンカルシウム
[(NH2 COO)2 Ca]が使用される。即ちグリシ
ンは、あらゆるアミノ酸の中で最も分子量の小さいもの
であり、その塩としてカルシウムを最も高い比率で含有
し得るばかりでなく、既に食品添加物としての安全性も
確認されており、更には砂糖以上の甘味を有していると
ころから、甘味料としての利用も可能なアミノ酸であ
る。
【0011】そこで本発明者は、このグリシンをカルシ
ウム塩とすることによりカルシウム補給源として有効に
利用することを考え、研究を進めた。その結果、グリシ
ンカルシウムは優れた熱安定性を有していると共に、水
に対して広いpH域で高い溶解度と保存安定性を有して
おり、例えば中性水に対して30重量%以上の溶解度で
溶解する。
ウム塩とすることによりカルシウム補給源として有効に
利用することを考え、研究を進めた。その結果、グリシ
ンカルシウムは優れた熱安定性を有していると共に、水
に対して広いpH域で高い溶解度と保存安定性を有して
おり、例えば中性水に対して30重量%以上の溶解度で
溶解する。
【0012】従って、このグリシンカルシウムを水に溶
解して前述の様な食品、食材もしくは菓子の原料粉末等
と混合し、あるいは該原料粉末の中にグリシンカルシウ
ムを添加して均一に混合し、最終製品形態に応じた性状
に加工すると、カルシウムを多量に含有する食品、食材
もしくは菓子を得ることができる。しかもグリシンカル
シウムは、上記の様に水に対して非常に高い溶解度を有
しており、摂取後は速やかに溶解するので、カルシウム
を炭酸塩等として含有させた従来の菓子等に比べると体
内での吸収・摂取効率が高く、カルシウム補給源として
極めて有効なものとなるのである。
解して前述の様な食品、食材もしくは菓子の原料粉末等
と混合し、あるいは該原料粉末の中にグリシンカルシウ
ムを添加して均一に混合し、最終製品形態に応じた性状
に加工すると、カルシウムを多量に含有する食品、食材
もしくは菓子を得ることができる。しかもグリシンカル
シウムは、上記の様に水に対して非常に高い溶解度を有
しており、摂取後は速やかに溶解するので、カルシウム
を炭酸塩等として含有させた従来の菓子等に比べると体
内での吸収・摂取効率が高く、カルシウム補給源として
極めて有効なものとなるのである。
【0013】ちなみに、炭酸カルシウム以外のカルシウ
ム補給源として最も代表的な乳酸カルシウムの水に対す
る溶解度は約3重量%であり、該溶解度を超えて食品中
に多量含有させたとしても、過剰のカルシウム分は未溶
解状態のままで吸収されることなく消化器内を通過して
しまう。ところが食品等に混入されたグリシンカルシウ
ムは、前述の如く水に対する溶解度が非常に高く体内で
直ちに溶解するので、胃腸などにおける吸収が極めて効
率よく行なわれる。
ム補給源として最も代表的な乳酸カルシウムの水に対す
る溶解度は約3重量%であり、該溶解度を超えて食品中
に多量含有させたとしても、過剰のカルシウム分は未溶
解状態のままで吸収されることなく消化器内を通過して
しまう。ところが食品等に混入されたグリシンカルシウ
ムは、前述の如く水に対する溶解度が非常に高く体内で
直ちに溶解するので、胃腸などにおける吸収が極めて効
率よく行なわれる。
【0014】本発明は、こうしたグリシンカルシウムの
特性を有効に活用するものであって、これを前述の様な
食品、食材あるいは菓子中に含有させることにより、カ
ルシウム含有量が高く且つ体内での摂取効率の非常に高
いカルシウム補給強化食品等として提供するものある。
特性を有効に活用するものであって、これを前述の様な
食品、食材あるいは菓子中に含有させることにより、カ
ルシウム含有量が高く且つ体内での摂取効率の非常に高
いカルシウム補給強化食品等として提供するものある。
【0015】該グリシンカルシウムを食品、食材または
菓子中に含有させる方法は、先に簡単に説明した通りで
あるが、小麦粉等の穀物粉などの食材として提供する場
合は、該穀物粉等の中に粉末状で適量混合すればよく、
またそれらの混合物を水等と共に混練して任意の形状に
整形すると、餃子やシュウマイの皮等の加工食材とする
ことができる。またパンや麺類等の食品を製造する場合
は、それらの原料粉にグリシンカルシウム粉末を混入
し、あるいは適量の水にグリシンカルシウムを溶解乃至
分散させてから該原料粉と共に混練し、所定の形状に整
形し、必要によりイースト菌発酵、熟成、焼き上げ等を
行なって最終製品の形態に整えればよい。更にカルシウ
ム強化菓子とする場合は、菓子原料に適量のグリシンカ
ルシウムを配合し、その形態に応じて混練、整形、焼き
上げ等の処理を行なって最終製品の形態に整えればよ
い。但し本発明は、グリシンカルシウムを添加もしくは
含有させる方法には一切制限されず、最終製品の形態に
応じた様々の添加・混練法を採用することが可能であ
り、それらは全て本発明の技術的範囲に包含される。
菓子中に含有させる方法は、先に簡単に説明した通りで
あるが、小麦粉等の穀物粉などの食材として提供する場
合は、該穀物粉等の中に粉末状で適量混合すればよく、
またそれらの混合物を水等と共に混練して任意の形状に
整形すると、餃子やシュウマイの皮等の加工食材とする
ことができる。またパンや麺類等の食品を製造する場合
は、それらの原料粉にグリシンカルシウム粉末を混入
し、あるいは適量の水にグリシンカルシウムを溶解乃至
分散させてから該原料粉と共に混練し、所定の形状に整
形し、必要によりイースト菌発酵、熟成、焼き上げ等を
行なって最終製品の形態に整えればよい。更にカルシウ
ム強化菓子とする場合は、菓子原料に適量のグリシンカ
ルシウムを配合し、その形態に応じて混練、整形、焼き
上げ等の処理を行なって最終製品の形態に整えればよ
い。但し本発明は、グリシンカルシウムを添加もしくは
含有させる方法には一切制限されず、最終製品の形態に
応じた様々の添加・混練法を採用することが可能であ
り、それらは全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0016】本発明で使用するグリシンカルシウムの製
法には一切制限がなく、例えば水酸化カルシウムの水懸
濁液中にグリシンを添加して沸点付近にまで昇温して反
応させ、次いで未反応の水酸化カルシウムを除去する方
法等を採用することができる。この反応液を濃縮した後
冷却すると、グリシンカルシウム水和物の結晶を得るこ
とができる。このとき使用するカルシウム源としては、
水酸化カルシウムの他、酸化カルシウムあるいはそれら
を主成分として含有する化合物などを使用することがで
きる。カルシウム源として不純物を含む天然物の破砕粉
を使用する場合は、グリシンとの反応の後活性炭等の吸
着材等で処理してそれらの不純物を除去精製することが
望ましい。
法には一切制限がなく、例えば水酸化カルシウムの水懸
濁液中にグリシンを添加して沸点付近にまで昇温して反
応させ、次いで未反応の水酸化カルシウムを除去する方
法等を採用することができる。この反応液を濃縮した後
冷却すると、グリシンカルシウム水和物の結晶を得るこ
とができる。このとき使用するカルシウム源としては、
水酸化カルシウムの他、酸化カルシウムあるいはそれら
を主成分として含有する化合物などを使用することがで
きる。カルシウム源として不純物を含む天然物の破砕粉
を使用する場合は、グリシンとの反応の後活性炭等の吸
着材等で処理してそれらの不純物を除去精製することが
望ましい。
【0017】尚、前記特開平5−161480号公報に
は、カルシウム源として貝殻や骨等の粉末を使用し、こ
れを少量のアミノ酸混合物(アミノ酸の1種としてグリ
シンが開示されている)と併用することにより体内での
吸収性を高めた組成物およびこれを含む醗酵乳酸飲料が
記載されているが、この技術は、2種以上のアミノ酸を
カルシウム含有粉体と共に含有させることによってカル
シウム分の体内での摂取効率を高めたものであって、ア
ミノ酸カルシウムを積極的に生成させるという技術思想
は存在せず、またこの様な単なる混合でアミノ酸カルシ
ウムが生成する訳でもない。まして、本発明の様にアミ
ノ酸のうち最も分子量の小さいグリシンを選択し、グリ
シンカルシウムの水に対する高い溶解性と甘味剤として
の優れた特性を活用し、食品、食材あるいは菓子内にカ
ルシウム補給成分として含有させるという思想は全く存
在しない。
は、カルシウム源として貝殻や骨等の粉末を使用し、こ
れを少量のアミノ酸混合物(アミノ酸の1種としてグリ
シンが開示されている)と併用することにより体内での
吸収性を高めた組成物およびこれを含む醗酵乳酸飲料が
記載されているが、この技術は、2種以上のアミノ酸を
カルシウム含有粉体と共に含有させることによってカル
シウム分の体内での摂取効率を高めたものであって、ア
ミノ酸カルシウムを積極的に生成させるという技術思想
は存在せず、またこの様な単なる混合でアミノ酸カルシ
ウムが生成する訳でもない。まして、本発明の様にアミ
ノ酸のうち最も分子量の小さいグリシンを選択し、グリ
シンカルシウムの水に対する高い溶解性と甘味剤として
の優れた特性を活用し、食品、食材あるいは菓子内にカ
ルシウム補給成分として含有させるという思想は全く存
在しない。
【0018】上記グリシンカルシウムは、pH3〜11
の酸性からアルカリ性の広い範囲に渡って高い溶解度を
有しており、最終製品に加工するまでの安定性はもとよ
り最終製品としての保存時においても優れた安定性を示
し、更には甘味料や食用香料等の副添加剤等の共存下に
おいても変質したり分解することがなく、食品等として
の保存安定性に悪影響を及ぼす恐れもなく、極めて安全
で且つカルシウム摂取効率の高い健康食品等として極め
て優れたものであり、あるいは菓子感覚でカルシウムを
効率よく摂取することができるので、成人はもとより乳
幼児や老人、妊婦や産後の婦人等に対しても何らの抵抗
もなく健康食品等として幅広く活用することができる。
の酸性からアルカリ性の広い範囲に渡って高い溶解度を
有しており、最終製品に加工するまでの安定性はもとよ
り最終製品としての保存時においても優れた安定性を示
し、更には甘味料や食用香料等の副添加剤等の共存下に
おいても変質したり分解することがなく、食品等として
の保存安定性に悪影響を及ぼす恐れもなく、極めて安全
で且つカルシウム摂取効率の高い健康食品等として極め
て優れたものであり、あるいは菓子感覚でカルシウムを
効率よく摂取することができるので、成人はもとより乳
幼児や老人、妊婦や産後の婦人等に対しても何らの抵抗
もなく健康食品等として幅広く活用することができる。
【0019】尚、これら食品等へのグリシンカルシウム
の含有量は特に制限されず、最終製品の形態やカルシウ
ム補給の要求度等に応じて任意に調整すればよいが、一
般的なのは、食品、食材もしくは菓子中に占める含有率
で0.2〜5重量%、より一般的なのは0.5〜2重量
%の範囲である。
の含有量は特に制限されず、最終製品の形態やカルシウ
ム補給の要求度等に応じて任意に調整すればよいが、一
般的なのは、食品、食材もしくは菓子中に占める含有率
で0.2〜5重量%、より一般的なのは0.5〜2重量
%の範囲である。
【0020】
【実施例】次に本発明の実施例を示すが、本発明はもと
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
より下記実施例によって制限を受けるものではなく、前
後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施
することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の
技術的範囲に含まれる。
【0021】実施例 グリシン472.9g(6.3モル)と水酸化カルシウ
ム222.3g(3.0モル)を水1500gに添加
し、撹拌下に60分間加熱還流すると、懸濁状の水酸化
カルシウムは殆んど消失した。この反応液を、活性炭の
充填された吸着層に通して不純物および未反応物を除去
した後、減圧下に全量が900gになるまで濃縮した。
次いで18℃まで冷却し、生成する結晶(グリシンカル
シウム1水和物)を濾取した。収量219g:収率3
5.5重量%。
ム222.3g(3.0モル)を水1500gに添加
し、撹拌下に60分間加熱還流すると、懸濁状の水酸化
カルシウムは殆んど消失した。この反応液を、活性炭の
充填された吸着層に通して不純物および未反応物を除去
した後、減圧下に全量が900gになるまで濃縮した。
次いで18℃まで冷却し、生成する結晶(グリシンカル
シウム1水和物)を濾取した。収量219g:収率3
5.5重量%。
【0022】上記で得たグリシンカルシウム水和物を使
用し、その溶解性および安定性を調べた。 1)pH グリシンカルシウム 5%水溶液:pH11.4 乳酸カルシウム 1%水溶液:pH 7.2 2)水溶液の安定性 グリシンカルシウム20%水溶液:5℃×30日(澄
明) 乳酸カルシウム 1%水溶液:5℃×30日(澄
明) 3)pH域での安定性(クエン酸または水酸化ナトリウ
ムによりpH調整) グリシンカルシウム 10%水溶液 pH11.4:5℃×30日(澄明) pH10 :5℃×30日(澄明) pH 8 :5℃×30日(澄明) pH 6 :5℃×30日(澄明) pH 3 :5℃×30日(澄明)
用し、その溶解性および安定性を調べた。 1)pH グリシンカルシウム 5%水溶液:pH11.4 乳酸カルシウム 1%水溶液:pH 7.2 2)水溶液の安定性 グリシンカルシウム20%水溶液:5℃×30日(澄
明) 乳酸カルシウム 1%水溶液:5℃×30日(澄
明) 3)pH域での安定性(クエン酸または水酸化ナトリウ
ムによりpH調整) グリシンカルシウム 10%水溶液 pH11.4:5℃×30日(澄明) pH10 :5℃×30日(澄明) pH 8 :5℃×30日(澄明) pH 6 :5℃×30日(澄明) pH 3 :5℃×30日(澄明)
【0023】4)食品等への添加例 (1) 前記で得たグリシンカルシウム・水和物の粉末を1
g、水20ccに溶解し、これに小麦粉100gと少量
の砂糖を加えて均一に混合し、更に少量のイースト菌を
加えて充分に混練した後、室温で1時間熟成し整形型に
形を整えて充填してからオーブンに入れ170℃で30
分間焼き上げてグリシンカルシウム含有パンを製造し
た。得られたパンの食感は、グリシンカルシウムを添加
しなかった以外は上記と全く同様にして得たパンと殆ん
ど変わらなかった。 (2) 手打ち生うどんの製造工程で、原料粉末に前述のグ
リシンカルシウムを5重量%配合して水と共に均一に混
練し、これを引き伸ばして手打ち生うどんを製造した。
この生うどんを食用に供したところ、何ら違和感のない
味と食感を有していることが確認された。 (3) 小麦粉に5重量%のグリシンカルシウムを添加し、
この小麦粉を用いてホットケーキおよびお好み焼を作っ
たところ、通常の小麦粉を使用したのと全く変わらない
味と食感のものが得られた。 (4) 市販のチョコレートを湯せんで溶融し、これに前記
のグリシンカルシウム2重量%を加えて均一に混合した
後、これを整形し冷蔵庫に入れて冷却固化させた。得ら
れた再生チョコレートは、味や舌ざわり等において再生
前のチョコレートと殆んど同等のものであった。
g、水20ccに溶解し、これに小麦粉100gと少量
の砂糖を加えて均一に混合し、更に少量のイースト菌を
加えて充分に混練した後、室温で1時間熟成し整形型に
形を整えて充填してからオーブンに入れ170℃で30
分間焼き上げてグリシンカルシウム含有パンを製造し
た。得られたパンの食感は、グリシンカルシウムを添加
しなかった以外は上記と全く同様にして得たパンと殆ん
ど変わらなかった。 (2) 手打ち生うどんの製造工程で、原料粉末に前述のグ
リシンカルシウムを5重量%配合して水と共に均一に混
練し、これを引き伸ばして手打ち生うどんを製造した。
この生うどんを食用に供したところ、何ら違和感のない
味と食感を有していることが確認された。 (3) 小麦粉に5重量%のグリシンカルシウムを添加し、
この小麦粉を用いてホットケーキおよびお好み焼を作っ
たところ、通常の小麦粉を使用したのと全く変わらない
味と食感のものが得られた。 (4) 市販のチョコレートを湯せんで溶融し、これに前記
のグリシンカルシウム2重量%を加えて均一に混合した
後、これを整形し冷蔵庫に入れて冷却固化させた。得ら
れた再生チョコレートは、味や舌ざわり等において再生
前のチョコレートと殆んど同等のものであった。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、低
分子量で且つ水への溶解度が非常に高く、且つ甘味料と
しての効果にも優れたグリシンカルシウムを食品、食材
あるいは菓子中へ含有させることによって、カルシウム
含有率が高く且つ体内での摂取効率が高く、更には食品
等の保存安定性を損なうことなく、安全でカルシウム補
給源として有用な食品、食材および菓子を提供し得るこ
とになった。そしてこの食品等は、ことさら薬品感覚で
なく通常の食餌もしくはおやつ感覚で食することができ
るので、成人はもとより乳幼児や老人、妊婦、更には産
後の婦人などに対しても、優れたカルシウム補給源とし
て極めて有効なものである。
分子量で且つ水への溶解度が非常に高く、且つ甘味料と
しての効果にも優れたグリシンカルシウムを食品、食材
あるいは菓子中へ含有させることによって、カルシウム
含有率が高く且つ体内での摂取効率が高く、更には食品
等の保存安定性を損なうことなく、安全でカルシウム補
給源として有用な食品、食材および菓子を提供し得るこ
とになった。そしてこの食品等は、ことさら薬品感覚で
なく通常の食餌もしくはおやつ感覚で食することができ
るので、成人はもとより乳幼児や老人、妊婦、更には産
後の婦人などに対しても、優れたカルシウム補給源とし
て極めて有効なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/304 A23L 1/305 A61K 31/198 JICSTファイル(JOIS) 食品関連文献情報(食ネット)
Claims (2)
- 【請求項1】 グリシンカルシウムを、食品、食材また
は菓子に含有させたものであることを特徴とするカルシ
ウム補給強化食品、食材または菓子。 - 【請求項2】 0.2〜5重量%のグリシンカルシウム
を含有するものである請求項1に記載のカルシウム補給
強化食品、食材または菓子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP26908594A JP3342971B2 (ja) | 1994-11-01 | 1994-11-01 | カルシウム補給強化食品、食材または菓子 |
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JP26908594A JP3342971B2 (ja) | 1994-11-01 | 1994-11-01 | カルシウム補給強化食品、食材または菓子 |
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1994
- 1994-11-01 JP JP26908594A patent/JP3342971B2/ja not_active Expired - Fee Related
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