JP3342079B2 - 固体高分子電解質燃料電池 - Google Patents

固体高分子電解質燃料電池

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JP3342079B2
JP3342079B2 JP03886293A JP3886293A JP3342079B2 JP 3342079 B2 JP3342079 B2 JP 3342079B2 JP 03886293 A JP03886293 A JP 03886293A JP 3886293 A JP3886293 A JP 3886293A JP 3342079 B2 JP3342079 B2 JP 3342079B2
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、固体高分子電解質燃料
電池の冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】固体高分子電解質燃料電池は、図1に示
すように、電解質1に高分子イオン交換膜(例えば、ス
ルホン酸基を持つフッ素樹脂イオン交換膜)を用い、両
側に触媒電極層(例えば白金)2,3及び多孔質カーボ
ン電極4,5を備えた電極接合体6構造をしている。ア
ノード極側に供給された加湿燃料中の水素は、触媒電極
(アノード極)2上で水素イオン化され、水素イオンは
電解質1中を水の介在もとH+ ・xH2 Oとして、カソ
ード極側へ水と共に移動する。
【0003】移動した水素イオンは、触媒電極(カソー
ド電極)3上で酸化剤中の酸素及び外部回路7を流通し
てきた電子と反応して水を生成し、その生成水はカソー
ド極3より燃料電池外へ排出されることになる。この
時、外部回路7を流通した電子流れを直流の電気エネル
ギーとして利用できる。なお、電解質1となる高分子イ
オン交換膜において、前述のような水素イオン透過性を
実現させるためには、この膜を常に充分なる保水状態に
保持しておく必要があり、通常、燃料又は酸化剤に電池
の運転温度近辺相当の飽和水蒸気を含ませて、すなわち
加湿して燃料及び酸化剤を電極接合体6に供給し、膜の
保水状態を保つようにしている。以下に、上記固体高分
子電解質燃料電池における反応式を示す。 アノード側:H2 →2H+ +2e- カソード側:(1/2)O2 +2H+ +2e- →H2 O 全反応:H2 +(1/2)O2 →H2 O 図2は、従来の固体高分子電解質燃料電池の構成の一例
を示す。
【0004】図中の11は、電解質12の上下にアノード極
13,カソード極14を積層した積層体である。この積層体
11の上側には、燃料流路15を有した燃料配流板16が設け
られている。ここで、燃料は、前記燃料流路15を通して
アノード極13に供給される。前記積層体11の下側には、
酸化剤流路17を有した酸化剤配流板18、冷却水流路19を
有した冷却水配流板20が夫々設けられている。ここで、
酸化剤は、前記酸化剤配流板18の酸化剤流路17を通して
カソード極14に供給される。前述した電池反応により、
燃料中の水素と酸化剤中の酸素から水を生成するが、こ
の時の反応発熱は、酸化剤配流板18の背面に隣接した冷
却水配流板20に、酸化剤流路17と直交する方向に設けら
れ、しかも等間隔、同一断面形状の冷却水流路19を流れ
る冷却水により吸収されるようになっている。前記冷却
水流路19は、等間隔、同一断面形状であるため、酸化剤
流路17に沿ってその中を流れる酸化剤のガス温度は、酸
化剤流路17の上流から下流に沿って略均一になることに
なる
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図2に
示すような等間隔、同一断面形状をした冷却水流路19を
持つ固体高分子電解質燃料電池の冷却水配流板20では、
酸化剤のガス温度が酸化剤流路17の上流から下流に沿っ
て略均一になることになり、酸化剤の飽和水蒸気分圧は
上流から下流に向けて一定ということになる。即ち、電
池反応による生成水と移動水を酸化剤中に蒸気として取
り込める量は、上流から下流に向けて一定ということに
なる。従って、電池反応に伴って発生する生成水、及び
水素イオンと共にアノード極13よりカソード極14へ移動
する移動水は、酸化剤流路17の下流域では、その酸化剤
の水蒸気分圧が飽和水蒸気圧に達し、生成水や移動水が
蒸気となってガス拡散排出されにくくなることになる。
また、一部液体化、液滴化した生成水や移動水が、カソ
ード極側の多孔質なカーボン電極中に詰まり、多孔質な
カーボン電極中の酸化剤のガス拡散が阻害され易くなる
ことになる。これらに述べる状態になると、電池反応が
行われにくくなる。
【0006】本発明は上記事情に鑑みてなされたもの
で、冷却水の流れる冷却水流路の間隔、又は断面形状を
酸化剤流路の上流域から下流域に向って変化させること
により、酸化剤流路の上流域から下流域に向って電池冷
却能力を小さくして酸化剤温度が徐々に上昇するように
し、これにより生成水や移動水が蒸気となってガス拡散
排出され易くし、またこれによりカソード極でのこれら
蒸気の液体化や液滴化を少なくしてガス閉塞を防止しえ
る固体高分子電解質燃料電池を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、酸化剤の流れ
る酸化剤流路の上流域から下流域に向かって電池冷却能
力を小さくし、酸化剤温度が徐々に上昇するように冷却
水流路の間隔又は断面形状を酸化剤温度の上流域から下
流域に向かって変化させたことを要旨とする。具体的に
は、
【0008】本願第1の発明は、電解質の両面側にアノ
ード極、カソード極を夫々配置した積層体と、前記積層
体のアノード極側に設けられ、前記アノード極に燃料を
供給する燃料流路を有した燃料配流板と、前記積層体の
カソード極に酸化剤を供給する酸化剤流路を有した酸化
剤配流板と、前記酸化剤配流板または燃料配流板の背面
に隣接して設けられ、酸化剤配流板の酸化剤流路と直交
する方向に冷却水流路を有した冷却水配流板とを具備
し、前記冷却水流路の間隔を、酸化剤流路の上流域から
下流域に向かって徐々に大きくしたことを特徴とする固
体高分子電解質燃料電池である。本願第2の発明は、電
解質の両面側にアノード極、カソード極を夫々配置した
積層体と、前記積層体のアノード極側に設けられ、前記
アノード極に燃料を供給する燃料流路を有した燃料配流
板と、前記積層体のカソード極に酸化剤を供給する酸化
剤流路を有した酸化剤配流板と、前記酸化剤配流板また
は燃料配流板の背面に隣接して設けられ、酸化剤配流板
の酸化剤流路と直交する方向に冷却水流路を有した冷却
水配流板とを具備し、前記冷却水流路の断面積を、酸化
剤流路の上流域から下流域に向かって徐々に小さくした
ことを特徴とする固体高分子電解質燃料電池である。
【0009】
【作用】固体高分子電解質燃料電池において、冷却水流
路の間隔、又は断面形状を、酸化剤流路の上流域から下
流域に向かって変化させて酸化剤の流れる酸化剤流路の
上流域から下流域に向かって電池冷却能力を小さくし、
酸化剤ガス温度を徐々に上昇させることにより、酸化剤
の飽和水蒸気分圧が酸化剤流路の上流域から下流域に向
かって上昇することになる。
【0010】即ち、電池反応による生成水と移動水を酸
化剤中に蒸気としてとりこめる量が上流から下流に向け
て増大し、生成水や移動水が蒸気となってガス拡散排出
され易くなる。また、これにより、カソード極側の多孔
質なカーボン電極中でのこれら蒸気の液体化や液滴化が
少なくなり、多孔質なカーボン電極中でのガス閉塞を防
止することができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図を参照して説明す
る。 (実施例1)図3を参照する。
【0012】図中の符号31は、電解質32の上下にアノー
ド極33,カソード極34を積層した積層体である。この
層体31の上側には、燃料流路35を有した燃料配流板36が
設けられている。ここで、燃料は、前記燃料流路35を通
して前記アノード極33に供給される。前記積層体31の下
側には、酸化剤流路37を有した酸化剤配流板38、冷却水
流路39を有した冷却水配流板40が夫々設けられている。
ここで、酸化剤は、前記酸化剤配流板38の酸化剤流路37
を通して前記カソード極34に供給される。また、前記冷
却水流路39の間隔は、酸化剤流路37の上流域から下流域
に向かって大きくして電池冷却能力を酸化剤流路37の上
流域から下流域に向かって小さくし、酸化剤ガス温度が
酸化剤流路37の上流域から下流域に向かって上昇するよ
うになっている。前述した電池反応により、燃料中の水
素と酸化剤中の酸素から水を生成するが、この時の反応
発熱は、酸化剤配流板38の背面に隣接した冷却水配流板
40に、酸化剤流路37と直交する方向に設けられ、しかも
前記冷却水流路39を流れる冷却水により吸収されるよう
になっている。
【0013】上記実施例1によれば、冷却水流路39の間
隔を、酸化剤流路37の上流域から下流域に向かって大き
くした構成になっているため、電池冷却能力を酸化剤流
路37の上流域から下流域に向かって小さくなり、酸化剤
ガス温度が酸化剤流路37の上流域から下流域に向かって
上昇するようになる。従って、酸化剤の飽和水蒸気分圧
が酸化剤流路37の上流域から下流域に向かって上昇する
ことになり、電池反応による生成水と移動水を酸化剤中
に蒸気としてとりこめる量が上流から下流に向けて増大
し、生成水や移動水が蒸気となってガス拡散排出され易
くなる。また、これにより、カソード側極側の多孔質な
カーボン電極中でのこれら蒸気の液体化や液滴化が少な
くなり、多孔質なカーボン電極中でのガス閉塞を防止す
ることができる。これにより、安定した電池反応を継続
することが可能である。 (実施例2)図4を参照する。但し、図3と同部材は同
符号を付して説明を省略し、要部のみを説明する。
【0014】図中の符号41は、冷却水流路である。この
冷却水流路41の間隔は一定で、その流路深さを酸化剤流
路37の上流域から下流域に向かって徐々に浅くして、電
池冷却能力を酸化剤流路37の上流域から下流域に向かっ
て小さくし、酸化剤ガス温度が酸化剤流路37の上流域か
ら下流域に向かって上昇するようになっている。
【0015】上記実施例2によれば、冷却水流路41の間
隔は一定であるが、その流路深さを酸化剤流路37の上流
域から下流域に向かって徐々に浅くして、電池冷却能力
を酸化剤流路37の上流域から下流域に向かって小さく
し、酸化剤ガス温度が酸化剤流路37の上流域から下流域
に向かって上昇するようになっている。従って、上記実
施例1と同様に、電池反応による生成水と移動水を酸化
剤中に蒸気としてとりこめる量が上流から下流に向けて
増大し、生成水や移動水が蒸気となってガス拡散排出さ
れ易くなる。また、これにより、カソード側極側の多孔
質なカーボン電極中でのこれら蒸気の液体化や液滴化が
少なくなり、多孔質なカーボン電極中でのガス閉塞を防
止することができる。これにより、安定した電池反応を
継続することが可能である。
【0016】なお、上記実施例では、冷却水流路の間隔
を変えたり、その流路深さを変えることにより酸化ガス
温度を酸化剤流路の上流域から下流域に向かって上昇す
ることについて述べたが、これに限らず、その他、冷却
水流路の断面形状一定で相似的に小さくしたり流路幅を
変化させることも考えられる。
【0017】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明によれば、冷却
の流れる冷却水流路の間隔、又は断面形状を酸化剤流
路の上流域から下流域に向って変化させることにより、
酸化剤流路の上流域から下流域に向って電池冷却能力を
小さくして酸化剤温度が徐々に上昇するようにし、これ
により生成水や移動水が蒸気となってガス拡散排出され
易くし、またこれによりカソード極でのこれら蒸気の液
体化や液滴化を少なくしてガス閉塞を防止しえる固体高
分子電解質燃料電池の冷却方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固体高分子電解質燃料電池の機能を説明するた
めの図。
【図2】従来の固体高分子電解質燃料電池の説明図。
【図3】本発明の実施例1に係る固体高分子電解質燃料
電池の説明図。
【図4】本発明の実施例2に係る固体高分子電解質燃料
電池の説明図。
【符号の説明】 31…積層体、 32…電解質、 33…ア
ノード極、34…カソード極、 35…燃料通路、
36…燃料配流板、37…酸化剤流路、 38…酸化
剤配流板、 39,41…冷却水流路、40…冷却水配流
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 8/02 H01M 8/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電解質の両面側にアノード極、カソード
    極を夫々配置した積層体と、前記積層体のアノード極側
    に設けられ、前記アノード極に燃料を供給する燃料流路
    を有した燃料配流板と、前記積層体のカソード極に酸化
    剤を供給する酸化剤流路を有した酸化剤配流板と、前記
    酸化剤配流板または燃料配流板の背面に隣接して設けら
    れ、酸化剤配流板の酸化剤流路と直交する方向に冷却水
    流路を有した冷却水配流板とを具備し、 前記冷却水流路の間隔を、酸化剤流路の上流域から下流
    域に向かって徐々に大きくしたことを特徴とする固体高
    分子電解質燃料電池。
  2. 【請求項2】 電解質の両面側にアノード極、カソード
    極を夫々配置した積層体と、前記積層体のアノード極側
    に設けられ、前記アノード極に燃料を供給する燃料流路
    を有した燃料配流板と、前記積層体のカソード極に酸化
    剤を供給する酸化剤流路を有した酸化剤配流板と、前記
    酸化剤配流板または燃料配流板の背面に隣接して設けら
    れ、酸化剤配流板の酸化剤流路と直交する方向に冷却水
    流路を有した冷却水配流板とを具備し、 前記冷却水流路の断面積を、酸化剤流路の上流域から下
    流域に向かって徐々に小さくしたことを特徴とする固体
    高分子電解質燃料電池。
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JP4889983B2 (ja) * 2005-09-02 2012-03-07 本田技研工業株式会社 燃料電池
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