JP3341665B2 - ディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの過渡時噴射量制御装置に関し、特に、ディーゼルエ
ンジンの実燃料噴射量を、加減速要求に応じて増減させ
る際に、ディーゼルエンジンの運転状態に応じて算出さ
れる要求燃料噴射量になまし計算にて算出されるなまし
燃料噴射量が追い付くまで、該なまし燃料噴射量に基づ
いて実燃料噴射量を設定するなまし制御を実行するディ
ーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車の駆動等に用いられている
ディーゼルエンジンにおいては、加減速ショックを防止
することを目的として、加減速操作がなされた際の燃料
増減量時、いわゆる加速増量時・減速減量時において急
激なトルク変化を抑制するためになまし処理を実行して
いる。
【0003】例えば、アクセル操作量に対応する実アク
セル開度の急激な変化をなまし処理により鈍化させるこ
とにより、急速なアクセルペダルの操作をした場合で
も、アクセル開度に基づいて算出される燃料噴射量の急
変を抑制し、加減速ショックを防止する技術(特公平3
−61013号公報,特公平3−61014号公報)が
提案されている。
【0004】すなわち、実アクセル開度が急激に変化す
ると、実アクセル開度の代わりに、なまし処理により変
化が鈍化されたアクセル開度(以下、「なまし後アクセ
ル開度」という)を求め、このなまし後アクセル開度が
実アクセル開度に追い付くまで、なまし後アクセル開度
に基づいて燃料噴射量を設定している。
【0005】また、実アクセル開度に対してなまし処理
を行うのではなく、実アクセル開度を反映する基本燃料
噴射量の急変を判断して、基本燃料噴射量のかわりに、
なまし処理した燃料噴射量を実際の噴射量として用いる
技術も提案されている(特開平7−150998号公
報)。
【0006】すなわち、アクセル操作量に基づいて要求
される燃料噴射量(以下、「要求燃料噴射量」という)
が急激に変化すると、要求燃料噴射量の代わりに、なま
し計算により変化が鈍化された燃料噴射量(以下、「な
まし後燃料噴射量」という)を求め、このなまし後燃料
噴射量が要求燃料噴射量に追い付くまで、なまし後燃料
噴射量に基づいて燃料噴射量制御を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなな
まし処理に入ってしまうと、なまし処理の最中にアクセ
ル操作を行っても十分な応答性が得られないという問題
が発生した。例えば、加速時のなまし処理(「加速なま
し処理」ともいう)を行っている場合に運転者がアクセ
ルペダルを戻しても、今まで通りの加速が少し継続して
から遅れてアクセルペダルに応答したり、その逆に減速
時のなまし処理を行っている場合に運転者がアクセルペ
ダルを踏み込んでも、今まで通りの減速が少し継続して
から遅れてアクセルペダルに応答するといった現象が発
生した。
【0008】すなわち、前者の従来例では、なまし処理
を実行している間に、なまし後アクセル開度と実アクセ
ル開度とが大きな差を生じている。このため、加速なま
し処理中に、運転者がアクセルペダルを戻すことで実ア
クセル開度が小さくなっても、なまし後アクセル開度の
方が、まだ小さいことがある。また、減速なまし処理中
に、運転者がアクセルペダルを踏み込むことで実アクセ
ル開度が大きくなっても、なまし後アクセル開度の方
が、まだ大きいことがある。このような場合は、なまし
後アクセル開度は、実アクセル開度に追い付いていない
ので、そのままなまし処理が継続されるからである。
【0009】このことは、後者の従来例でも同じことで
あり、なまし処理中に運転者がアクセルペダルに対して
今までと逆の操作をすることで要求燃料噴射量が逆方向
に変化しても、なまし後燃料噴射量が要求燃料噴射量に
追い付くまでは、そのまま同じなまし処理が継続されて
しまう。
【0010】このため、加減速時になまし処理が行われ
るディーゼルエンジンにおいては、運転者の加減速要求
に応答しないという現象が発生し、ドライバビリティを
低下させるという問題が生じている。
【0011】本発明は、燃料噴射量のなまし処理の最中
においても、ディーゼルエンジンの運転者の加減速要求
に対する応答性を高めて、ドライバビリティを向上させ
ることを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のディーゼ
ルエンジンの過渡時噴射量制御装置は、ディーゼルエン
ジンの実燃料噴射量を加速増量させる際に、ディーゼル
エンジンの運転状態に応じて算出される要求燃料噴射量
に加速時なまし計算にて算出される加速なまし燃料噴射
量が追い付くまで、該加速なまし燃料噴射量に基づいて
実燃料噴射量を設定する加速なまし制御を実行するディ
ーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置であって、ディ
ーゼルエンジンの減速要求の有無を判定する減速要求判
定手段と、前記加速なまし制御の実行中に、前記減速要
求判定手段にて減速要求が有ったと判定された場合に、
前記実燃料噴射量の変化率を、前記加速時なまし計算に
より算出される加速なまし燃料噴射量の変化率よりも低
くする減速要求時燃料噴射量設定手段と、を備えたこと
を特徴とする。
【0013】このように、減速要求時燃料噴射量設定手
段は、加速なまし制御の実行中に、減速要求判定手段に
て減速要求が有ったと判定された場合には、実燃料噴射
量の変化率を、前記加速時なまし計算により算出される
加速なまし燃料噴射量の変化率よりも低くする。このた
め、加速なまし制御中において、運転者の減速要求に直
ちに応答することができ、ドライバビリティを向上させ
ることができる。
【0014】ここで、実燃料噴射量の変化率を加速なま
し燃料噴射量の変化率よりも低くするとは、加速なまし
制御では燃料噴射量が増加している、すなわち変化率は
正の値であるが、その増加率よりも低い増加率にした
り、増加せずに減速要求判定手段にて減速要求が有った
と判定された時点の燃料噴射量を維持(変化率が0)し
たり、あるいは、逆に減少(変化率が負の値)に転じた
りすることを意味する。
【0015】なお、このような減速要求判定手段にて減
速要求が有ったと判定された後に行う、燃料噴射量の増
加率の低下の程度、燃料噴射量の維持、燃料噴射量の減
少、あるいは燃料噴射量の減少率の程度については、例
えば、減速要求の強さに応じて選択するようにしてもよ
い。また、燃料噴射量の増加率の低下、燃料噴射量の維
持、および燃料噴射量の減少の内のいずれを選択するか
についても、減速要求に応じて選択すればよい。例え
ば、減速要求が弱ければ実燃料噴射量の増加率の低下を
選択し、減速要求が中程度ならば燃料噴射量の維持を選
択し、減速要求が強ければ燃料噴射量の減少を選択する
ようにしてもよい。
【0016】ここで、請求項2に示したごとく、減速要
求判定手段は、アクセル開度あるいはアクセル開度に対
応する物理量に基づいて、ディーゼルエンジンの減速要
求の有無を判定することとしてもよい。アクセル開度に
てディーゼルエンジンの減速要求の有無を判定すれば、
運転者の要求が直接的に判明するので、特に良好な応答
性が得られる。
【0017】請求項3のディーゼルエンジンの過渡時噴
射量制御装置は、ディーゼルエンジンの実燃料噴射量を
減速減量させる際に、ディーゼルエンジンの運転状態に
応じて算出される要求燃料噴射量に減速時なまし計算に
て算出される減速なまし燃料噴射量が追い付くまで、該
減速なまし燃料噴射量に基づいて実燃料噴射量を設定す
る減速なまし制御を実行するディーゼルエンジンの過渡
時噴射量制御装置であって、ディーゼルエンジンの加速
要求の有無を判定する加速要求判定手段と、前記減速な
まし制御の実行中に、前記加速要求判定手段にて加速要
求が有ったと判定された場合に、前記実燃料噴射量の変
化率を、前記減速時なまし計算により算出される減速な
まし燃料噴射量の変化率よりも高くする加速要求時燃料
噴射量設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0018】このように、加速要求時燃料噴射量設定手
段は、減速なまし制御の実行中に、加速要求判定手段に
て加速要求が有ったと判定された場合には、実燃料噴射
量の変化率を、前記減速時なまし計算により算出される
減速なまし燃料噴射量の変化率よりも高くする。このた
め、減速なまし制御中において、運転者の加速要求に直
ちに応答することができ、ドライバビリティを向上させ
ることができる。
【0019】ここで実燃料噴射量の変化率を減速なまし
燃料噴射量の変化率よりも高くするとは、減速なまし制
御では燃料噴射量が減少している、すなわち変化率が負
の値であるが、その減少率よりも減少の程度を低くした
り、減少せずに加速要求判定手段にて加速要求が有った
と判定された時点の燃料噴射量を維持(変化率が0)し
たり、あるいは、逆に増加(変化率が正の値)に転じた
りすることを意味する。
【0020】なお、このような加速要求判定手段にて加
速要求が有ったと判定された後に行う、燃料噴射量の減
少率の低下の程度、燃料噴射量の維持、燃料噴射量の増
加、あるいは燃料噴射量の増加率の程度については、例
えば、加速要求の強さに応じて選択するようにしてもよ
い。また、燃料噴射量の減少率の低下、燃料噴射量の維
持、および燃料噴射量の増加の内のいずれを選択するか
についても、加速要求に応じて選択すればよい。例え
ば、加速要求が弱ければ実燃料噴射量の減少率の低下を
選択し、加速要求が中程度ならば燃料噴射量の維持を選
択し、加速要求が強ければ燃料噴射量の増加を選択する
ようにしてもよい。
【0021】ここで、請求項4に示したごとく、加速要
求判定手段は、アクセル開度あるいはアクセル開度に対
応する物理量に基づいて、ディーゼルエンジンの加速要
求の有無を判定することとしてもよい。アクセル開度に
てディーゼルエンジンの加速要求の有無を判定すれば、
運転者の要求が直接的に判明するので、特に良好な応答
性が得られる。
【0022】アクセル開度に対応する物理量としては、
請求項5に示したごとく、例えば、ディーゼルエンジン
の運転状態に応じて算出される要求燃料噴射量が挙げら
れる。運転者の加減速の要求は、ディーゼルエンジンの
運転状態に反映されることで、前記加減速の要求は要求
燃料噴射量に現れる。したがって、要求燃料噴射量にて
ディーゼルエンジンの加減速要求の有無を判定しても良
好な応答性が得られる。この場合のディーゼルエンジン
運転状態としては、例えば、アクセル開度とディーゼル
エンジンの回転数との組み合わせが挙げられる。すなわ
ち、要求燃料噴射量は、アクセル開度とディーゼルエン
ジンの回転数とに応じて求められるものであってもよ
い。
【0023】なお、要求燃料噴射量が、実燃料噴射量に
設定されている状況で有れば、実燃料噴射量は要求燃料
噴射量と同等であるので、このような場合には、アクセ
ル開度に対応する物理量として実燃料噴射量を用いても
よい。
【0024】請求項6に示したごとく、前記ディーゼル
エンジンが、例えば、自動車の駆動用に用いられるもの
であれば、ディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置
は、自動車の運転において上述した作用効果を生じさせ
ることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】[実施の形態1]図1は、上述し
た発明が適用された蓄圧式ディーゼルエンジン(コモン
レール型ディーゼルエンジン)1の過渡時噴射量制御装
置の一実施の形態を示す概略構成図である。本蓄圧式デ
ィーゼルエンジン1は自動車に搭載されて、自動車を走
行させる駆動源として用いられている。
【0026】ディーゼルエンジン1には、複数の気筒
(本実施の形態では4つの気筒)♯1,#2,#3,♯
4が設けられており、各気筒♯1〜♯4の燃焼室に対し
て燃料噴射手段を構成するインジェクタ2がそれぞれ配
設されている。インジェクタ2からディーゼルエンジン
1の各気筒♯1〜♯4への燃料噴射は、噴射制御用の電
磁弁3のオン・オフにより制御される。
【0027】インジェクタ2は、各気筒共通の蓄圧配管
としてのコモンレール4に接続されており、前記噴射制
御用の電磁弁3が開いている間、コモンレール4内の燃
料がインジェクタ2より各気筒♯1〜♯4に噴射される
ようになっている。前記コモンレール4には、連続的に
燃料噴射圧に相当する比較的高い圧力が蓄積されてい
る。この蓄圧を実現するために、コモンレール4は、供
給配管5を介してサプライポンプ6の吐出ポート6aに
接続されている。また、供給配管5の途中には、逆止弁
7が設けられている。この逆止弁7の存在により、サプ
ライポンプ6からコモンレール4への燃料の供給が許容
され、かつ、コモンレール4からサプライポンプ6への
燃料の逆流が規制されるようになっている。
【0028】前記サプライポンプ6は、吸入ポート6b
を介して燃料タンク8に接続されており、その途中には
フィルタ9が設けられている。サプライポンプ6は、燃
料タンク8からフィルタ9を介して燃料を吸入する。ま
た、これとともに、サプライポンプ6は、ディーゼルエ
ンジン1の回転に同期する図示しないカムによってプラ
ンジャを往復運動せしめて、燃料圧力を要求される所定
圧にまで高める。そして、サプライポンプ6は、高圧燃
料をコモンレール4に供給する。
【0029】さらに、サプライポンプ6の吐出ポート6
a近傍には、圧力制御弁10が設けられている。この圧
力制御弁10は、吐出ポート6aからコモンレール4の
方へ吐出される燃料圧力(ひいては吐出量)を制御する
ためのものである。この圧力制御弁10が開かれること
により、吐出ポート6aから吐出されない分の余剰燃料
が、サプライポンプ6に設けられたリターンポート6c
からリターン配管11を経て燃料タンク8へと戻される
ようになっている。
【0030】前記ディーゼルエンジン1の燃焼室には、
吸気通路13および排気通路14がそれぞれ接続されて
いる。吸気通路13には図示しないスロットルバルブが
設けられており、該スロットルバルブを運転条件により
開閉することにより、燃焼室内に導入される吸入空気の
流量が調整されるようになっている。
【0031】また、ディーゼルエンジン1の燃焼室内に
は、グロープラグ16が配設されている。このグロープ
ラグ16は、ディーゼルエンジン1の始動直前にグロー
リレー16aに電流を流すことにより自身を赤熱させ、
これに燃料噴霧の一部を吹きつけて着火・燃焼を促進さ
せる始動補助装置である。
【0032】ディーゼルエンジン1には、その状態を検
出するために、以下の各種センサ等が設けられており、
これらは、本実施の形態において、ディーゼルエンジン
1の運転状態を検出している。すなわち、図1に示すよ
うに、アクセルペダル15の近傍には、アクセル開度A
CCPFを検出するためのアクセルセンサ21が設けら
れ、該アクセルセンサ21の近傍には、アクセルペダル
15の踏込量がゼロの場合に全閉信号を出力する全閉ス
イッチ22が設けられている。
【0033】また、吸気通路13には、フィルタ17お
よびバキュームスイッチングバルブ(VSV)18を介
して、吸気圧センサ23が設けられている。この吸気圧
センサ23により、吸気通路13の内部における吸気の
圧力(吸気圧PM)が検出される。
【0034】さらに、ディーゼルエンジン1のシリンダ
ブロックには、その冷却水の温度(冷却水温THW)を
検出するための水温センサ24が設けられている。併せ
て、ディーゼルエンジン1には、同ディーゼルエンジン
1を始動させるためのスタータ19が設けられている。
このスタータ19には、その作動状態を検知するスター
タスイッチ25が設けられている。スタータスイッチ2
5は、ディーゼルエンジン1の始動時において運転者に
よりイグニッションスイッチ(図示略)がOFF位置の
状態からスタート位置まで操作され、スタータが作動し
ているとき(クランキング状態にあるとき)にスタータ
信号STAを「オン」として出力する。
【0035】また、ディーゼルエンジン1の始動が完了
して(完爆状態となって)、イグニッションスイッチが
スタート位置からON位置まで戻されると、スタータス
イッチ25は、スタータ信号STAを「オフ」として出
力する。
【0036】加えて、前記リターン配管11には、燃料
温度THFを検出するための燃温センサ26が設けられ
ている。また、前記コモンレール4には、該コモンレー
ル4内の燃料の圧力(燃圧PC)を検出するための燃圧
検出手段としての燃圧センサ27が設けられている。
【0037】また、本実施の形態においては、ディーゼ
ルエンジン1のクランクシャフト(図示略)に設けられ
たパルサの近傍には、NEセンサ28が設けられてい
る。さらに、クランクシャフトの回転は、吸気弁31お
よび排気弁32を開閉動作させるためのカムシャフト
(図示略)にタイミングベルト等を介して伝達される。
このカムシャフトは、クランクシャフトの1/2回転の
回転速度で回転するよう設定されている。このカムシャ
フトに設けられたパルサの近傍には、Gセンサ29が設
けられている。そして、本実施の形態では、これら両セ
ンサ28,29から出力されるパルス信号により、エン
ジン回転数NE、クランク角CA、各気筒♯1〜♯4の
上死点(TDC)が算出されるようになっている。
【0038】本実施の形態においては、上記ディーゼル
エンジン1の各種制御を司るための電子制御装置(EC
U)51が設けられており、このECU51により、燃
料噴射量制御等のディーゼルエンジン1を制御するため
の処理が行われる。
【0039】このECU51の電気的構成について、図
2のブロック図に従って説明する。ECU51は、中央
処理制御装置(CPU)52、所定のプログラムやマッ
プ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)53、C
PU52の演算結果等を一時記憶するランダムアクセス
メモリ(RAM)54、予め記憶されたデータ等を保存
するバックアップRAM55、タイマカウンタ56等を
備えているとともに、入力インターフェース57および
出力インターフェース58等を備えている。また、上記
各部52〜56と入力インターフェース57および出力
インターフェース58とは、バス59によって接続され
ている。
【0040】前述したアクセルセンサ21、吸気圧セン
サ23、水温センサ24、燃温センサ26、燃圧センサ
27等は、それぞれバッファ、マルチプレクサ、A/D
変換器(いずれも図示せず)を介して入力インターフェ
ース57に接続されている。
【0041】また、NEセンサ28、Gセンサ29は、
波形整形回路(図示せず)を介して入力インターフェー
ス57に接続されている。さらに、全閉スイッチ22、
スタータスイッチ25は入力インターフェース57に直
接接続されている。
【0042】CPU52は、上記各センサ等21〜29
の信号を入力インターフェース57を介して読み込むよ
うになっている。また、電磁弁3、圧力制御弁10およ
びVSV18は、それぞれ駆動回路(図示せず)を介し
て出力インターフェース58に接続されている。CPU
52は、入力インターフェース57を介して読み込んだ
入力値に基づき、出力インターフェース58を介して前
記電磁弁3、圧力制御弁10およびVSV18等を好適
に制御する。
【0043】次に、本実施の形態において、ECU51
により実行される制御のうち、燃料噴射制御処理につい
て説明する。まず、図3および図4は、ECU51によ
り実行される基本噴射量算出ルーチンを示すフローチャ
ートである。このルーチンは、180゜クランク角毎
(爆発行程毎)の割り込みで実行される。なお個々の処
理に対応するフローチャート中のステップを「S〜」で
表す。
【0044】本基本噴射量算出ルーチンの処理が開始さ
れると、まず、ガバナ噴射量QGOV(要求燃料噴射量
に相当し、アクセル開度ACCPFに対応する物理量に
も相当する)が求められる(S100)。このガバナ噴
射量QGOVは、NEセンサ28にて検出されるディー
ゼルエンジン1の回転数NEおよびアクセルセンサ21
にて検出されるアクセル開度ACCPFから求めること
ができる。例えば、次式1の計算により算出される。
【0045】
【数1】 QGOV ← A + B×ACCPF − C×NE … [式1] ここで、Aは定数、Bは正の定数、Cはアクセル開度A
CCPFに応じて、図5に示すグラフに傾向を表してい
るテーブルから得られる正の値である。なおCの値は、
アクセル開度ACCPFに基づき、図5と同様の傾向と
なるようにCの値が算出される算出式により計算するこ
とで求めてもよい。
【0046】次に、ステップS100で求められたガバ
ナ噴射量QGOVの値が先回の基本燃料噴射量QBAS
EOL以上か否かが判定される(S110)。例えば、
運転者がアクセルペダル15を踏み込むことにより、ス
テップS100にて算出されたガバナ噴射量QGOVが
先回の基本燃料噴射量QBASEOL以上となった場合
には(S110で「YES」)、ガバナ噴射量QGOV
に正の値が設定されているか否かが判定される(S14
0)。
【0047】もしガバナ噴射量QGOV≦0であった場
合には(S140で「NO」)、基本燃料噴射量QBA
SE(実燃料噴射量に相当する)にガバナ噴射量QGO
Vを設定し(S150)、次に先回の基本燃料噴射量Q
BASEOLの値として、基本燃料噴射量QBASEを
設定し(S160)、更に、先回のアクセル開度ACC
PFOLとして、今回検出されたアクセル開度ACCP
Fを設定し(S162)、処理を一旦終了する。
【0048】上述したごとくガバナ噴射量QGOV≦0
では、基本燃料噴射量QBASEには負または0の値が
設定され、実際には燃料噴射はなされない。すなわち、
ガバナ噴射量QGOV≦0の状態の場合には、運転者に
よる加速要求があるとは推定できないので、もし、ガバ
ナ噴射量QGOV≦0の場合に、後述するステップS1
70〜S230の処理に入ると、運転者が加速を望んで
いないのに、基本燃料噴射量QBASEが増加する処
理、例えばステップS210,S230の処理が実行さ
れることになる。これでは無用な噴射がなされることに
なるので、この無用な燃料噴射をなくすために、ステッ
プS140の判定を行っている。
【0049】ステップS140にてQGOV>0と判定
された場合(S140で「YES」)、すなわち、加速
要求があったと推定される場合には、次に、ガバナ噴射
量QGOVがロードロード噴射量QRLを越えているか
否かが判定される(S170)。ここで、ロードロード
噴射量QRLとは、現在のエンジン回転数NEを無負荷
状態で達成できる燃料噴射量を意味する。例えば、図6
に示すごとく、エンジン回転数NEをパラメータとする
テーブルから算出される。
【0050】いまだQRL≧QGOVである場合には
(S170で「NO」)、次に加速なまし燃料噴射量Q
SMAにロードロード噴射量QRLが設定される(S1
80)。
【0051】次に、今回検出されたアクセル開度ACC
PFが、先回のアクセル開度ACCPFOL−許容幅α
の値未満であるか否かが判定される(S200)。ここ
で許容幅αは正の値であり、十分にアクセル開度ACC
PFが減少側へ変化したか否かを検出するために設けら
れている。加速操作中か加速操作が終了した状態、すな
わち、運転者がアクセルペダル15を踏み込みつつある
状態あるいは踏み込みが停止して安定した状態であれ
ば、アクセル開度ACCPFは増加あるいは維持されて
いるのでステップS200で「NO」と判定される。
【0052】そして、次に、ガバナ噴射量QGOVが加
速なまし燃料噴射量QSMAを越えているか否かが判定
される(S220)。直前のステップS180にて、加
速なまし燃料噴射量QSMAにロードロード噴射量QR
Lが設定されているとともにQRL≧QGOVであるこ
とから(S220で「NO」)、基本燃料噴射量QBA
SEにガバナ噴射量QGOVが設定される(S15
0)。
【0053】次に、先回の基本燃料噴射量QBASEO
Lに基本燃料噴射量QBASEを設定し(S160)、
先回のアクセル開度ACCPFOLに今回検出されたア
クセル開度ACCPFを設定し(S162)、処理を一
旦終了する。
【0054】このように、運転者が加速のためにアクセ
ルペダル15の踏み込み中であり、ガバナ噴射量QGO
Vがロードロード噴射量QRLに到達していない状態に
ある場合には、ステップS100,S110,S14
0,S170,S180,S200,S220,S15
0,S160,S162の処理が継続される。すなわ
ち、本基本噴射量算出ルーチンが実行される毎に、ステ
ップS150の処理にて基本燃料噴射量QBASEには
ガバナ噴射量QGOVが常に設定される。
【0055】このことは、運転者が急加速を行ったとし
ても、ガバナ噴射量QGOVがロードロード噴射量QR
Lに到達するまでは、急速な燃料噴射量の増加を許すこ
とを意味する。これは、ディーゼルエンジンの性質上、
ロードロード噴射量QRLまでは、急速な燃料増量を行
っても実質的に加速トルクが発生しないことから加速シ
ョックが生じないことと、更に、加速操作をしているの
に、ロードロード噴射量QRL前でなまし処理に入ると
応答性が低下するため、ガバナ噴射量QGOVがロード
ロード噴射量QRLに到達するまでは、急速な燃料噴射
量の増加を許すのである。
【0056】上述したごとくの加速操作が継続して、ガ
バナ噴射量QGOVがロードロード噴射量QRLを追い
抜くと、ステップS100,S110,S140の次に
ステップS170にて「YES」と判定されて、次に次
式2に示すごとくの加速時なまし計算により、加速なま
し燃料噴射量QSMAが算出される(S190)。
【0057】
【数2】 QSMA ← QBASEOL + QSMA1 … [式2] ここで、第1加速なまし量QSMA1は、正の値であ
り、アクセル開度ACCPF、エンジン回転数NEおよ
びシフト位置をパラメータとして、マップあるいは計算
式にて求められる。このマップあるいは計算式は、アク
セル開度ACCPFが大きいほど第1加速なまし量QS
MA1の値が大きくなるように設定されている。また、
エンジン回転数NEおよびシフト位置に対する第1加速
なまし量QSMA1の値は、ディーゼルエンジン1の排
気対策その他の機能上の設計に対応して、適切なディー
ゼルエンジン1の運転が実現されるように設定されてい
る。
【0058】次にステップS200で「NO」と判定さ
れた後、ステップS220の判定処理が行われる。ここ
では、ガバナ噴射量QGOVが急速に上昇していて、加
速なまし燃料噴射量QSMAより大きな値にガバナ噴射
量QGOVがなっている場合には(S220で「YE
S」)、基本燃料噴射量QBASEに加速なまし燃料噴
射量QSMAが設定され(S230)、ステップS16
0,S162を経て、一旦処理を終了する。
【0059】上述した一連の処理(S100,S11
0,S140,S170,S190,S200,S22
0,S230,S160,S162)は、ガバナ噴射量
QGOVがロードロード噴射量QRLを越えて急速に燃
料噴射量を増加させると、急速なエンジントルクの上昇
により加速ショックを生じるので、基本燃料噴射量QB
ASEの増加を加速なまし燃料噴射量QSMA以下に規
制することにより、この加速ショックを防止するためで
ある。なお、最初から、加速操作が小さくて、ガバナ噴
射量QGOVの上昇が緩慢で、加速なまし燃料噴射量Q
SMAを越えることがなければ(S220で「N
O」)、基本燃料噴射量QBASEにはガバナ噴射量Q
GOVが設定されて(S150)、加速なまし制御には
入らない。
【0060】次に、加速なまし制御中に、アクセルペダ
ル15の踏み込みが鈍って、ガバナ噴射量QGOVが安
定化すると、上述した一連の処理(S100,S11
0,S140,S170,S190,S200,S22
0,S230,S160,S162)を繰り返す内に、
加速なまし燃料噴射量QSMAがガバナ噴射量QGOV
に追い付く。すなわち、ステップS220にて「NO」
と判定されて、基本燃料噴射量QBASEにガバナ噴射
量QGOVが設定される(S150)状態に戻る。この
ようにして、加速なまし処理は終了する。
【0061】上述した加速なまし処理の最中に、アクセ
ルペダル15が戻された場合には次のような処理が行わ
れる。すなわち、加速なまし処理としての一連の処理
(S100,S110,S140,S170,S19
0,S200,S220,S230,S160,S16
2)を繰り返す内に、先回のアクセル開度ACCPFO
L−許容幅αよりも、今回検出されたアクセル開度AC
CPFが低下した場合には、ステップS200にて「Y
ES」と判定される。このことにより、加速なまし燃料
噴射量QSMAに、次式3のごとくの値が設定される
(S210)。
【0062】
【数3】 QSMA ← QBASEOL + QSMA2 … [式3] ここで、第2加速なまし量QSMA2は、予め設定され
た正の値であり、前述した第1加速なまし量QSMA1
が取り得る値よりも、小さい値が設定されている。
【0063】したがって、次にステップS220にて
「YES」と判定された後のステップS230では、基
本燃料噴射量QBASEには、第2加速なまし量QSM
A2分増加した加速なまし燃料噴射量QSMAが設定さ
れることになる。すなわち、変化率が低くなった加速な
まし燃料噴射量QSMAが基本燃料噴射量QBASEに
設定される。
【0064】このことにより、運転者が加速なまし処理
中にアクセルペダル15を戻すようなことが有っても、
ステップS200にて「YES」と判断されてステップ
S210が実行されることにより直ちに応答して、燃料
噴射量の増量を鈍らせることができる。
【0065】次に、減速なまし処理について説明する。
減速操作により、アクセルペダル15が戻されているこ
とがアクセルセンサ21にて検出されることで、ガバナ
噴射量QGOVが減少し、QGOV<QBASEOLと
なっていれば(S110で「NO」)、先回の基本燃料
噴射量QBASEOLがロードロード噴射量QRLを越
えているか否かが判定される(S300)。
【0066】先回の基本燃料噴射量QBASEOLがロ
ードロード噴射量QRLを越えている間は(S300で
「YES」)、次式4に示すごとく、減速時なまし計算
により、減速なまし燃料噴射量QSMDが設定される
(S310)。
【0067】
【数4】 QSMD ← QBASEOL − QSMD1 … [式4] ここで、第1減速なまし量QSMD1は、正の値であ
り、アクセル開度ACCPF、エンジン回転数NEおよ
びシフト位置をパラメータとして、マップあるいは計算
式にて求められる。このマップあるいは計算式は、アク
セル開度ACCPFが大きいほど第1減速なまし量QS
MD1の値が大きくなるように設定されている。また、
エンジン回転数NEおよびシフト位置に対する第1減速
なまし量QSMD1の値は、ディーゼルエンジン1の排
気対策その他の機能上の設計に対応して、適切なディー
ゼルエンジン1の運転が実現されるように設定されてい
る。
【0068】次に、今回検出されたアクセル開度ACC
PFが、先回のアクセル開度ACCPFOL+許容幅β
の値を越えているか否かが判定される(S320)。こ
こで許容幅βは正の値であり、十分にアクセル開度AC
CPFが増加側へ変化したか否かを検出するために設け
られている。この許容幅βは、加速なまし制御側の許容
幅αと同じ値でもよく、また異なる値でもよく、許容幅
αと共にβの値は制御の設計により適宜設定される。
【0069】減速中あるいは減速操作が終了した状態、
すなわち、運転者がアクセルペダル15を戻しつつある
状態あるいは戻しが停止して安定した状態であれば、ア
クセル開度ACCPFは減少あるいは維持されているの
でステップS320で「NO」と判定される。
【0070】そして、次に、ガバナ噴射量QGOVが減
速なまし燃料噴射量QSMDを越えているか否かが判定
される(S340)。運転者がアクセルペダル15を急
速に戻していて、ガバナ噴射量QGOVの低下がステッ
プS310にて設定される減速なまし燃料噴射量QSM
Dの低下より速い場合は、QSMD>QGOVとなるの
で(S340で「NO」)、基本燃料噴射量QBASE
に減速なまし燃料噴射量QSMDが設定される(S36
0)。運転者がアクセルペダル15をゆっくりと戻して
いて、ガバナ噴射量QGOVの低下がステップS310
にて設定される減速なまし燃料噴射量QSMDの低下よ
り遅い場合は、QSMD<QGOVとなるので(S34
0で「YES」)、基本燃料噴射量QBASEにはガバ
ナ噴射量QGOVが設定される(S350)。
【0071】次に、先回の基本燃料噴射量QBASEO
Lに基本燃料噴射量QBASEを設定し(S160)、
先回のアクセル開度ACCPFOLに今回検出されたア
クセル開度ACCPFを設定し(S162)、処理を一
旦終了する。
【0072】運転者が減速のためにアクセルペダル15
を戻している最中であり、ガバナ噴射量QGOVがロー
ドロード噴射量QRLにまで低下していない状態にある
場合には、ステップS100,S110,S300,S
310,S320,S340,S350(またはS36
0),S160,S162の処理が継続される。すなわ
ち、本基本噴射量算出ルーチンが実行される毎に、ステ
ップS350またはステップS360の処理にて基本燃
料噴射量QBASEにはガバナ噴射量QGOVと減速な
まし燃料噴射量QSMDとの内、大きい方の燃料噴射量
が設定される。
【0073】これは、ロードロード噴射量QRLを越え
た燃料噴射量領域にて、急速に燃料噴射量を減少させる
と、急速な駆動トルクの下降により減速ショックを生じ
るので、基本燃料噴射量QBASEの減少を減速なまし
燃料噴射量QSMD以下になることを規制しているので
ある。すなわち、ステップS340で「NO」と判定さ
せてステップS360を実行させることで減速なまし処
理を行い、減速ショックを防止する。
【0074】アクセルペダル15の戻しにより、ステッ
プS100,S110,S300,S310,S32
0,S340,S350(またはS360),S16
0,S162の処理を繰り返す内に、先回の基本燃料噴
射量QBASEOLがロードロード噴射量QRL以下と
なった場合(S300で「NO」)、減速なまし燃料噴
射量QSMDに0が設定される(S315)。
【0075】そして、アクセル開度ACCPFが減少し
ている状態では(S320で「NO」)、次にステップ
S340の判定がなされる。この判定にて、いまだガバ
ナ噴射量QGOVに0を越える値が設定されていれば、
QSMD<QGOVであるので(S340にて「YE
S」)、基本燃料噴射量QBASEにはガバナ噴射量Q
GOVが設定される(S350)。
【0076】急速なアクセルペダル15の戻しにより、
直前まで基本燃料噴射量QBASEに減速なまし燃料噴
射量QSMDが設定されている場合には、直前までの本
基本噴射量算出ルーチンの処理の時点では、減速なまし
燃料噴射量QSMDよりもガバナ噴射量QGOVは小さ
くなっている。したがって、今回のステップS350に
て基本燃料噴射量QBASEにガバナ噴射量QGOVが
設定されると、燃料噴射量はステップ的に落ち込む。し
かし、基本燃料噴射量QBASEがロードロード噴射量
QRL以下となった状態でのステップ的な低下であるの
で、実質的に車速に影響するトルクの変化はなく、減速
ショックは生じない。
【0077】このようにして、ガバナ噴射量QGOVが
基本燃料噴射量QBASEに反映される状態に戻る。な
お、基本燃料噴射量QBASEがロードロード噴射量Q
RLを越えている状態であっても、ガバナ噴射量QGO
Vの低下がステップS310にて設定される減速なまし
燃料噴射量QSMDの低下より遅くなり、減速なまし燃
料噴射量QSMDがガバナ噴射量QGOVに追い付いた
場合は、QSMD<QGOVとなるので(S340で
「YES」)、基本燃料噴射量QBASEにはガバナ噴
射量QGOVが設定されるようになる(S350)。
【0078】上述したごとく、アクセルペダル15を急
速に戻すことで基本燃料噴射量QBASEに減速なまし
燃料噴射量QSMDが設定されている状態、すなわち、
減速なまし制御がなされている場合に、運転者がアクセ
ルペダル15を踏み込んで加速操作に入った場合には、
次のような処理が行われる。
【0079】まず、減速なまし制御として、ステップS
100,S110,S300,S310,S320,S
340,S360,S160,S162の処理が繰り返
されている。ここで、運転者が加速操作したことが、ア
クセル開度ACCPF>先回のアクセル開度ACCPF
OL+βとなったことで推定されたとする。この時、ガ
バナ噴射量QGOVが減速なまし燃料噴射量QSMDよ
りも大きく落ち込んでいるので、減速なまし燃料噴射量
QSMDが設定されている先回の基本燃料噴射量QBA
SEOLよりもガバナ噴射量QGOVは小さく、ステッ
プS110ではやはり「NO」と判定とされ、減速側の
処理(S300〜S360)を継続する。
【0080】しかし、アクセル開度ACCPF>先回の
アクセル開度ACCPFOL+βとなったため(S32
0で「YES」)、ステップS320の次に、次式5の
ごとく減速なまし燃料噴射量QSMDが設定される(ス
テップS330)。
【0081】
【数5】 QSMD ← QBASEOL − QSMD2 … [式5] ここで、第2減速なまし量QSMD2は、予め設定され
た正の値であり、前述した第1減速なまし量QSMD1
が取り得る値よりも、小さい値が設定されている。
【0082】したがって、次にステップS340にて
「NO」と判定された後のステップS360では、基本
燃料噴射量QBASEには、第2減速なまし量QSMD
2分減少した減速なまし燃料噴射量QSMDが設定され
ることになる。すなわち、変化率が高くなった(負の値
である変化率の絶対値が小さくなったことを意味する)
減速なまし燃料噴射量QSMDが基本燃料噴射量QBA
SEに設定される。
【0083】このことにより、運転者が減速なまし処理
中にアクセルペダル15を踏み込むようなことが有って
も、ステップS320にて「YES」と判断されてステ
ップS330が実行されることにより直ちに応答して、
燃料噴射量の減量を鈍らせることができる。
【0084】以上説明した本実施の形態によれば、以下
の作用効果が得られる。すなわち、図7にタイミングチ
ャートにて示すごとく、運転者がアクセルペダル15を
踏み込んで加速を開始すると(時刻T0)、その直後の
180゜CAのタイミングにて実行される基本噴射量算
出ルーチンのステップS110,S140で共に「YE
S」と判定され、最初は、ロードロード噴射量QRL>
ガバナ噴射量QGOVであることからステップS170
にて「NO」と判定されて、加速なまし燃料噴射量QS
MAにはロードロード噴射量QRLが設定される(S1
80)。このため、ステップS200で「NO」と判定
された後のステップS220の処理では、ガバナ噴射量
QGOV<加速なまし燃料噴射量QSMAであることか
ら「NO」と判定されて、ステップS150にて基本燃
料噴射量QBASEにガバナ噴射量QGOVが設定され
る。
【0085】したがって、ロードロード噴射量QRL=
ガバナ噴射量QGOVとなる時刻T1までは、ガバナ噴
射量QGOVに基づいて基本燃料噴射量QBASE(実
線で示す)が設定される。このガバナ噴射量QGOVが
急速な上昇であっても、ロードロード噴射量QRLまで
は車両は加速されないので加速ショックは生じることが
ない。しかも、加速操作に応じて急速にロードロード噴
射量QRLまで燃料噴射量が上昇するので、加速操作に
対する応答性が良い。
【0086】時刻T1以後は、ガバナ噴射量QGOVが
ロードロード噴射量QRLを越えるので(S170で
「YES」)、ステップS190の処理により加速なま
し燃料噴射量QSMAは、処理のサイクル毎に第1加速
なまし量QSMA1分の上昇に抑えられる。そして、ス
テップS220,S150,S230の処理により、基
本燃料噴射量QBASEには、ガバナ噴射量QGOVと
加速なまし燃料噴射量QSMAとの内で小さい方の値が
設定されるので、図7に示すごとくガバナ噴射量QGO
V(一点鎖線で示す)の上昇が急速で加速なまし燃料噴
射量QSMAの上昇よりも速い場合には、時刻T1以
降、基本燃料噴射量QBASEは第1加速なまし量QS
MA1分の上昇に抑えられる。すなわち、加速なまし制
御に入る。
【0087】そして、この加速なまし制御の最中に、ア
クセル開度ACCPF<先回のアクセル開度ACCPF
OL−αとなると(時刻T3:S200で「YE
S」)、加速なまし燃料噴射量QSMAは、処理のサイ
クル毎に第2加速なまし量QSMA2分の上昇に切り替
えられる(S210)。すなわち、運転者による減速要
求が有った場合においても、いまだガバナ噴射量QGO
Vは先回の基本燃料噴射量QBASEOLよりも大きい
ので、従来ならば、基本燃料噴射量QBASEは、その
まま、第1加速なまし量QSMA1分の上昇(破線で示
す)を維持するのであるが、本実施の形態においては、
運転者の減速要求に応じて、基本燃料噴射量QBASE
の上昇を、今までよりも小さい上昇率である第2加速な
まし量QSMA2分の上昇に切り替えている。
【0088】このことにより、加速なまし制御の最中で
も、運転者の減速要求に答えることができる。すなわ
ち、運転者が加速操作から減速操作に移行した場合に、
従来では今までの加速が継続して、運転者に違和感を生
じさせていたが、本実施の形態では、減速操作が有れば
直ちに加速を鈍らせることにより運転者の減速要求に応
答することができる。したがって、運転者に違和感を抱
かせることがなく、良好なドライバビリティを達成でき
る。
【0089】また、早期に運転者の減速要求に答えるこ
とができるので、排ガス量低減および白煙低減の副次的
な効果を伴う。このことは、減速操作から加速操作に移
行する場合も同じである。すなわち、図7において、減
速操作により、ガバナ噴射量QGOV<先回の基本燃料
噴射量QBASEOLとなると(時刻T4:S110で
「NO」)、ロードロード噴射量QRLより大きい燃料
噴射量領域では(S300で「YES」)、ステップS
310にて減速なまし燃料噴射量QSMDが、処理のサ
イクル毎に第1減速なまし量QSMD1分の下降となる
ように設定される。そして、ステップS340,S35
0,S360の処理により、基本燃料噴射量QBASE
には、ガバナ噴射量QGOVと減速なまし燃料噴射量Q
SMDとの内で大きい方の値が設定される。このため、
図7に示すごとくガバナ噴射量QGOV(一点鎖線で示
す)の下降が急速で減速なまし燃料噴射量QSMDの下
降よりも速い場合には、時刻T4以降、基本燃料噴射量
QBASEは第1減速なまし量QSMD1分の下降に抑
えられる。すなわち、減速なまし制御に入る。
【0090】そして、この減速なまし制御の最中に、ア
クセル開度ACCPF>先回のアクセル開度ACCPF
OL+βとなると(時刻T5:S320で「YE
S」)、減速なまし燃料噴射量QSMDは、処理のサイ
クル毎に第2減速なまし量QSMD2分の下降に切り替
えられる(S330)。すなわち、運転者による加速要
求が有った場合においても、いまだガバナ噴射量QGO
Vは先回の基本燃料噴射量QBASEOLよりも小さい
ので、従来ならば、そのまま、第1減速なまし量QSM
D1分の下降(破線で示す)を維持する。しかし、本実
施の形態においては、運転者の加速要求に応じて、基本
燃料噴射量QBASEの下降を、今までよりも小さい下
降率である第2減速なまし量QSMD2分の下降に切り
替えている。すなわち、基本燃料噴射量QBASEの変
化率を高くしている。
【0091】このことにより、減速なまし制御の最中で
も、運転者の加速要求に答えることができる。すなわ
ち、運転者が減速操作から加速操作に移行した場合に、
従来では今までの減速が継続して、運転者に違和感を生
じさせていたが、本実施の形態では、加速操作が有れば
直ちに減速を鈍らせることにより運転者の加速要求に応
答することができる。したがって、運転者に違和感を抱
かせることがなく、良好なドライバビリティを達成でき
る。
【0092】このように、加速なまし制御においても減
速なまし制御においても共に、運転者の要求の変化に直
ちに対応して、加減速を変更でき、運転操作全般におい
て良好なドライバビリティを達成できる。
【0093】なお、上述した実施の形態においては、E
CU51が減速要求判定手段、減速要求時燃料噴射量設
定手段、加速要求判定手段および加速要求時燃料噴射量
設定手段に相当し、ステップS200が減速要求判定手
段としての処理に相当し、ステップS210が減速要求
時燃料噴射量設定手段としての処理に相当し、ステップ
S320が加速要求判定手段としての処理に相当し、ス
テップS330加速要求時燃料噴射量設定手段としての
処理に相当する。
【0094】[その他の実施の形態]・前記実施の形態
において、第2加速なまし量QSMA2は「0」でもよ
く、負の値でもよい。また、第2加速なまし量QSMA
2の値を減速操作の程度(アクセル開度ACCPFと先
回のアクセル開度ACCPFOLとの差)に応じて、決
定しても良い。
【0095】・前記実施の形態において、第2減速なま
し量QSMD2は「0」でもよく、正の値でもよい。ま
た、第2減速なまし量QSMD2の値を減速操作の程度
(アクセル開度ACCPFと先回のアクセル開度ACC
PFOLとの差)に応じて、決定しても良い。
【0096】・前記実施の形態において、なまし制御中
における減速要求あるいは加速要求はアクセル開度AC
CPFの変化で検出したが、これ以外に、アクセル開度
ACCPFに対応する物理量として、ディーゼルエンジ
ンの減速要求の有無を判定することができれば、いかな
るデータを用いてもよい。例えば、ガバナ噴射量QGO
Vは、NEセンサ28にて検出されるディーゼルエンジ
ン1の回転数NEおよびアクセルセンサ21にて検出さ
れるアクセル開度ACCPFから求められているので、
アクセル開度ACCPFに対応する物理量として用いる
ことができる。
【0097】・また、前記実施の形態のステップS10
0において、ガバナ噴射量QGOVは、ディーゼルエン
ジン1の回転数NEおよびアクセル開度ACCPFの値
に基づいて前述した式1の計算により求めていたが、回
転数NEおよびアクセル開度ACCPFに応じたマップ
に基づいてガバナ噴射量QGOVを求めてもよい。
【0098】・また前記実施の形態のステップS190
において用いられる第1加速なまし量QSMA1あるい
はステップS310において用いられる第1減速なまし
量QSMD1は、アクセル開度ACCPF、エンジン回
転数NEおよびシフト位置をパラメータとして求められ
るものであったが、定数であってもよい。
【0099】・本発明のディーゼルエンジンの過渡時噴
射量制御装置は、コモンレール型のディーゼルエンジン
に限らず、分配型その他の燃料噴射量が制御可能なすべ
てのディーゼルエンジンに適用可能である。
【0100】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載
した技術的事項以外に次のような各種の技術的事項の実
施形態を有するものであることを付記しておく。
【0101】・負荷(アクセル開度ACCPF等)およ
びディーゼルエンジンの回転数(エンジン回転数NE)
に基づいた噴射量(ガバナ噴射量QGOV)と加速時な
まし噴射量(加速なまし燃料噴射量QSMA)との小さ
い方を基本噴射量(基本燃料噴射量QBASE)とし、
該基本噴射量(基本燃料噴射量QBASE)に基づいて
ディーゼルエンジンに燃料を供給すると共に、今回の噴
射量(ガバナ噴射量QGOV)が前回の基本噴射量(先
回の基本燃料噴射量QBASEOL)より大きくなる
と、加速時なまし噴射量(加速なまし燃料噴射量QSM
A)制御を行うディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御
装置において、加速時なまし噴射量(加速なまし燃料噴
射量QSMA)制御中に減速要求が検出された時には、
加速時なまし噴射量(加速なまし燃料噴射量QSMA)
制御を停止するディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御
装置。
【0102】このような構成によっても、請求項1と同
様な効果を生じさせることができる。ここで、噴射量
(ガバナ噴射量QGOV)は請求項1に示すごとく、デ
ィーゼルエンジンの運転状態に応じて算出してもよい。
また、減速要求は請求項2に示すごとく、アクセル開度
あるいはアクセル開度に対応する物理量に基づいて検出
してもよい。
【0103】・負荷(アクセル開度ACCPF等)およ
びディーゼルエンジンの回転数(エンジン回転数NE)
に基づいた噴射量(ガバナ噴射量QGOV)と減速時な
まし噴射量(減速なまし燃料噴射量QSMD)との大き
い方を基本噴射量(基本燃料噴射量QBASE)とし、
該基本噴射量(基本燃料噴射量QBASE)に基づいて
ディーゼルエンジンに燃料を供給すると共に、今回の噴
射量(ガバナ噴射量QGOV)が前回の基本噴射量(先
回の基本燃料噴射量QBASEOL)より小さくなる
と、減速時なまし噴射量(減速なまし燃料噴射量QSM
D)制御を行うディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御
装置において、減速時なまし噴射量(減速なまし燃料噴
射量QSMD)制御中に加速要求が検出された時には、
減速時なまし噴射量(減速なまし燃料噴射量QSMD)
制御を停止するディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御
装置。
【0104】このような構成によっても、請求項3と同
様な効果を生じさせることができる。ここで、噴射量
(ガバナ噴射量QGOV)は請求項3に示すごとく、デ
ィーゼルエンジンの運転状態に応じて算出してもよい。
また、加速要求は請求項4に示すごとく、アクセル開度
あるいはアクセル開度に対応する物理量に基づいて検出
してもよい。
【0105】
【発明の効果】請求項1記載のディーゼルエンジンの過
渡時噴射量制御装置は、その減速要求時燃料噴射量設定
手段が、加速なまし制御の実行中に、減速要求判定手段
にて減速要求が有ったと判定された場合には、実燃料噴
射量の変化率を、前記加速時なまし計算により算出され
る加速なまし燃料噴射量の変化率よりも低くする。この
ため、加速なまし制御中において、運転者の減速要求に
直ちに応答することができ、ドライバビリティを向上さ
せることができる。
【0106】請求項2に示したごとく、減速要求判定手
段は、アクセル開度あるいはアクセル開度に対応する物
理量に基づいて、ディーゼルエンジンの減速要求の有無
を判定することとしてもよく、特に、アクセル開度にて
ディーゼルエンジンの減速要求の有無を判定すれば、運
転者の要求が直接的に判明するので、特に良好な応答性
が得られる。
【0107】請求項3のディーゼルエンジンの過渡時噴
射量制御装置は、加速要求時燃料噴射量設定手段が、減
速なまし制御の実行中に、加速要求判定手段にて加速要
求が有ったと判定された場合には、実燃料噴射量の変化
率を、前記減速時なまし計算により算出される減速なま
し燃料噴射量の変化率よりも高くする。このため、減速
なまし制御中において、運転者の加速要求に直ちに応答
することができ、ドライバビリティを向上させることが
できる。
【0108】請求項4に示したごとく、加速要求判定手
段は、アクセル開度あるいはアクセル開度に対応する物
理量に基づいて、ディーゼルエンジンの加速要求の有無
を判定することとしてもよく、特に、アクセル開度にて
ディーゼルエンジンの加速要求の有無を判定すれば、運
転者の要求が直接的に判明するので、特に良好な応答性
が得られる。
【0109】請求項5に示したごとく、アクセル開度に
対応する物理量として、ディーゼルエンジンの運転状態
に応じて算出される要求燃料噴射量を用いると、運転者
の加減速の要求はディーゼルエンジンの運転状態に反映
されることで前記加減速の要求は要求燃料噴射量に現れ
る。したがって、要求燃料噴射量にてディーゼルエンジ
ンの加減速要求の有無を判定しても良好な応答性が得ら
れる。
【0110】請求項6に示したごとく、前記ディーゼル
エンジンは、例えば、自動車の駆動用に用いられるもの
であれば、ディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置
は、自動車の運転において上述した効果を生じさせるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用された実施の形態1としての蓄
圧式ディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置の概略
構成図。
【図2】 実施の形態1で用いられるECUの電気的構
成を示すブロック図。
【図3】 実施の形態1でECUにより実行される基本
噴射量算出ルーチンを示すフローチャート。
【図4】 実施の形態1でECUにより実行される基本
噴射量算出ルーチンを示すフローチャート。
【図5】 ガバナ噴射量QGOVの算出に用いられるC
のテーブルの説明図。
【図6】 エンジン回転数NEに対応するロードロード
噴射量のテーブルの説明図。
【図7】 実施の形態1における効果を示すタイミング
チャート。
【符号の説明】
1…蓄圧式ディーゼルエンジン(コモンレール型ディー
ゼルエンジン)、2…インジェクタ、3…噴射制御用の
電磁弁、4…コモンレール、5…供給配管、6…サプラ
イポンプ、6a…吐出ポート、6b…吸入ポート、6c
…リターンポート、7…逆止弁、8…燃料タンク、9…
フィルタ、10…圧力制御弁、11…リターン配管、1
3…吸気通路、14…排気通路、15…アクセルペダ
ル、16…グロープラグ、16a…グローリレー、17
…フィルタ、18…バキュームスイッチングバルブ(V
SV)、19…スタータ、21…アクセルセンサ、22
…全閉スイッチ、23…吸気圧センサ、24… 水温セ
ンサ、25…スタータスイッチ、26…燃温センサ、2
7… 燃圧センサ、28…NEセンサ、29…Gセン
サ、31…吸気弁、32…排気弁、51…電子制御装置
(ECU)、52…中央処理制御装置(CPU)、53
…読出専用メモリ(ROM)、54…ランダムアクセス
メモリ(RAM)、55…バックアップRAM、56…
タイマカウンタ、57…入力インターフェース、58…
出力インターフェース、59…バス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/00 - 45/00 395

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディーゼルエンジンの実燃料噴射量を加
    速増量させる際に、ディーゼルエンジンの運転状態に応
    じて算出される要求燃料噴射量に加速時なまし計算にて
    算出される加速なまし燃料噴射量が追い付くまで、該加
    速なまし燃料噴射量に基づいて実燃料噴射量を設定する
    加速なまし制御を実行するディーゼルエンジンの過渡時
    噴射量制御装置であって、 ディーゼルエンジンの減速要求の有無を判定する減速要
    求判定手段と、 前記加速なまし制御の実行中に、前記減速要求判定手段
    にて減速要求が有ったと判定された場合に、前記実燃料
    噴射量の変化率を、前記加速時なまし計算により算出さ
    れる加速なまし燃料噴射量の変化率よりも低くする減速
    要求時燃料噴射量設定手段と、 を備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの過渡時
    噴射量制御装置。
  2. 【請求項2】 前記減速要求判定手段は、アクセル開度
    あるいはアクセル開度に対応する物理量に基づいて、デ
    ィーゼルエンジンの減速要求の有無を判定することを特
    徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの過渡時噴
    射量制御装置。
  3. 【請求項3】 ディーゼルエンジンの実燃料噴射量を減
    速減量させる際に、ディーゼルエンジンの運転状態に応
    じて算出される要求燃料噴射量に減速時なまし計算にて
    算出される減速なまし燃料噴射量が追い付くまで、該減
    速なまし燃料噴射量に基づいて実燃料噴射量を設定する
    減速なまし制御を実行するディーゼルエンジンの過渡時
    噴射量制御装置であって、 ディーゼルエンジンの加速要求の有無を判定する加速要
    求判定手段と、 前記減速なまし制御の実行中に、前記加速要求判定手段
    にて加速要求が有ったと判定された場合に、前記実燃料
    噴射量の変化率を、前記減速時なまし計算により算出さ
    れる減速なまし燃料噴射量の変化率よりも高くする加速
    要求時燃料噴射量設定手段と、 を備えたことを特徴とするディーゼルエンジンの過渡時
    噴射量制御装置。
  4. 【請求項4】 前記加速要求判定手段は、アクセル開度
    あるいはアクセル開度に対応する物理量に基づいて、デ
    ィーゼルエンジンの加速要求の有無を判定することを特
    徴とする請求項3記載のディーゼルエンジンの過渡時噴
    射量制御装置。
  5. 【請求項5】 前記アクセル開度に対応する物理量と
    は、前記要求燃料噴射量であることを特徴とする請求項
    2または4に記載のディーゼルエンジンの過渡時噴射量
    制御装置。
  6. 【請求項6】 前記ディーゼルエンジンは、自動車の駆
    動用であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載のディーゼルエンジンの過渡時噴射量制御装置。
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