JP3340809B2 - 縦型半導体素子及びその製造方法 - Google Patents

縦型半導体素子及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は集積回路素子に係わり、
特にこれに集積する縦型半導体素子のBVE B O の耐圧
向上に好適する。
【0002】
【従来の技術】集積回路素子を構成する部品として縦型
NPNトランジスタを図1を参照して説明する。N型即
ち第1導電型の半導体基板1には熱酸化膜2を形成後選
択酸化法により選択酸化物層3を設け、その間に露出す
る熱酸化膜2を介して半導体基板1内部に向けてP+
即ち第2導電型の外部ベ−スとして機能する第1領域4
を形成する。更にこれに一部が重なり内部ベ−スとして
動作するP型即ち第2導電型の第2領域5も設置する。
この形成にも、熱酸化膜2即ちインプラ(Ion Implanta
tion) 緩衝用熱酸化膜2を介して行う。内外ベ−ス領域
4、5の形成に当っては濃度が高い第1領域4と低濃度
の第2領域5をやはりイオン注入工程ならびに熱処理工
程を経て形成する。
【0003】また低濃度の第2領域5にはエミッタ領域
として動作するN型即ち第1導電型の領域を形成し、各
域には例えばAlまたはAl合金(Al−Si)(A
l−Si−Cu)などを例えばスパッタリング工程によ
り堆積して電気的に接続して電極を設ける。これには公
知のフォトリソグラフィ技術を利用して設ける窓(図示
せず)に前記のようにAlなどの導電性材料を例えばス
パッタリング工程により堆積する方法による。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】縦型NPNトランジス
タ即ち縦型半導体素子を集積回路素子内に形成するに際
しては、集積する各素子に共通なイオン注入工程を行っ
て生産性を向上せざるを得ないのが実情である。
【0005】一方縦型半導体素子のBVE B O を改善す
るには、イオン注入濃度を下げるのが有効なことが知ら
れているものの、hF E が高くなる外にhF E の制御が
難しくなる。と言うのは各素子に共通なイオン注入工程
が不可欠なために単一の素子の要求を満すことができ
ず、例えイオン注入濃度を下げても発生する抵抗成分の
バラツキなどによりhF E の制御に難点を生ずる。
【0006】BVE B O 耐圧の保証値は低電流領域が劣
化しない電流値による電圧で決めているが、回路上製品
によっては逆起電圧が印加される機種もあり、劣化によ
り差動増幅器の故障などが発生する。またBVE B O
よりトランジスタのベ−スをクランプすると回路上誤動
作が生ずる。このためにトランジスタの特性を変えずに
BVE B O 耐圧を改善し、マ−ジンを高くするのは極め
て重要である。
【0007】本発明はこのような事情により成されたも
ので、特に縦型半導体素子のBVE B O 耐圧を向上す
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の縦型半導体素子
は、第1導電型の半導体基板と、この半導体基板の一部に
形成された第2導電型の第1領域と、この第1領域に一部が
重なり、かつ、前記半導体基板上部に形成された第2導電
型の第2領域と、この第2領域上部で、かつ、前記第1領域
に接しない部分に形成された第1導電型の第1領域と、前
記第2導電型の第1領域表面および前記第2導電型の第2
領域表面を酸化することにより形成された熱酸化膜と、
前記各領域に電気的に接続される電極とを具備すること
を特徴とする。また、本発明の縦型半導体素子において
は、前記第2導電型の第2領域は、前記第2導電型の第1領
域より低濃度の不純物を含んでいることを特徴とする。
さらに、本発明の縦型半導体素子においては、前記熱酸化
膜の膜厚は、500オングストローム以下であることを
特徴とする。本発明の縦型半導体素子の製造方法は、第1
導電型の半導体基板に酸化膜を形成する工程と、この酸
化膜を介して前記半導体基板の一部に第2導電型の第1領
域を形成する工程と、前記酸化膜を介して前記半導体基
板の全面に第2導電型の第2領域を形成する工程と、前記
酸化膜を除去する工程と、この工程により前記酸化膜が
除去された表面を熱酸化することにより熱酸化膜を形成
する工程とを具備することを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明では縦型半導体素子のインプラ濃度プロ
ファイルを変更せずにBVE B O を向上するのに、ベ−
ス表面の熱酸化膜をエッチングにより除去すると共にベ
−ス表面付近も除去後再酸化処理により表面濃度を下げ
て不純物を再酸化膜中に取込む手法を採った。なおベ−
ス濃度が高い表面におけるエミッタ−ベ−ス接合により
耐圧が決まるために、耐圧を向上するには表面濃度を下
げる必要があることを付記する。
【0010】
【実施例】本発明に係わる実施例を図2乃至図7を参照
して説明する。図2に示すようにN型の第1導電型半導
体基板10表面には熱酸化膜11を形成後、窒化珪素を
利用する公知の選択酸化法により複数箇所に選択酸化物
層12を形成する。図面には縦型半導体素子を形成する
ことを想定して記載してあるが、実際には集積回路素子
用として複数の選択酸化物層12を設け、その間に熱酸
化膜11が存在する。
【0011】次に図2に示すように、インプラマスク
(図示せず)例えばレジストを利用してN型半導体基板
10の一部に第2導電型のBイオンを注入して表面濃度
が5×101 9 〜102 0 atoms/cm3 の外部ベ−ス(P
+ )即ち第1領域13を形成する。
【0012】更にレジストを除去後図1に明らかにする
ように第2導電型のBイオンを熱酸化膜11の全面を介
して注入して表面濃度が101 9 atoms/cm3 の内部ベ−
ス即ち第2領域14の一部を第1領域13に重ねて形成
する。両イオン注入工程後には熱処理工程を行って注入
元素の活性化を行う。
【0013】続いてベ−スエッチング工程を行って熱酸
化膜11を除去すると共に内外ベ−ス層13、14表面
付近をもエッチングする。この工程後の断面を図3に明
らかにする。
【0014】この後第2導電型の第1領域13と第2領
域14の表面を再び熱酸化して厚さが500オングスト
ロ−ム以下の再酸化膜15を被覆し、各第2導電型の第
1領域13と第2領域14表面の不純物を薄い再酸化膜
15に取込んで表面濃度を1桁程度少なくする。
【0015】第2導電型の第2領域14にはPまたはA
sを102 1 atoms/cm3 程度拡散してエミッタ即ち第1
導電型領域16を形成する。
【0016】しかし、縦型半導体素子として完成するた
めに、各領域には例えばAlまたはAl合金(Al−S
i、Al−Si−Cu)などをスパッタリング工程や真
空蒸着法により堆積することにより電気的に接続して電
極を形成する。
【0017】この一連の工程のフローを示すと a.厚
い酸化膜12(LOCOS選択酸化物層)の形成工程、b.薄
い熱酸化膜11(500オングストローム以下)の形成工
、c.第2導電型の第1領域(P)13の形成および
熱処理工程、d.第2導電型の第2領域(P)14のイン
プラおよび熱処理工程、e.再酸化工程、f.第1導電型
の第1領域16の形成工程により 縦型半導体素子が形成
される。
【0018】図6と図7にはB濃度、横軸にベ−ス拡散
深さ(Xj )を採り第2導電型の第1領域13及び第2
領域14をエッチング処理の有無による表面不純物濃度
プロファイルを比較した図である。なお点線は半導体基
板の位置を表している。
【0019】なおBのイオン注入工程時の加速電圧は3
5KeVである。
【0020】この図からエッチング処理後のB濃度はエ
ッチング処理を行った図7の方が低くなっているのが明
らかである。
【0021】
【発明の効果】以上のように本発明に係わる縦型半導体
素子では集積回路素子の他の素子に影響することなく、
またインプラ濃度プロファイルを変更せずに要求される
縦型半導体素子の特性を満たし、しかもBVE B O 特性
を向上した。従来5.5vの耐圧が1v程度即ち約20
%向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の縦型半導体素子の製造工程を示す断面図
である。
【図2】本発明に係わる縦型半導体素子の製造工程を示
す断面図である。
【図3】図2に続く縦型半導体素子の製造工程を示す断
面図である。
【図4】図3に続く縦型半導体素子の製造工程を示す断
面図である。
【図5】図4に続く縦型半導体素子の製造工程を示す断
面図である。
【図6】従来の縦型半導体素子のベ−ス表面のB濃度プ
ロファイルを示す図である。
【図7】本発明の縦型半導体素子のベ−ス表面のB濃度
プロファイルを示す図である。
【符号の説明】
10:半導体基板、 11:熱酸化膜、 12:選択酸化物層、 13:第2導電型の第1領域、 14:第2導電型の第2領域、 15:再酸化膜、 16:第1導電型の第1領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/331 H01L 29/732

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型の半導体基板と この半導体基
    板の一部に形成された第2導電型の第1領域と この第1領
    域に一部が重なり かつ 前記半導体基板上部に形成され
    た第2導電型の第2領域と この第2領域上部で かつ
    記第1領域に接しない部分に形成された第1導電型の第1
    領域と 前記第2導電型の第1領域表面および前記第2導電
    型の第2領域表面を酸化することにより形成された熱酸
    化膜と 前記各領域に電気的に接続される電極とを具備
    することを特徴とする縦型半導体素子。
  2. 【請求項2】 前記第2導電型の第2領域は 前記第2導
    電型の第1領域より低濃度の不純物を含んでいることを
    特徴とする請求項1記載の縦型半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記熱酸化膜の膜厚は 500オングス
    トローム以下であることを特徴とする請求項1記載の縦
    型半導体素子。
  4. 【請求項4】 第1導電型の半導体基板に酸化膜を形成
    する工程と この酸化膜を介して前記半導体基板の一部
    に第2導電型の第1領域を形成する工程と 前記酸化膜を
    介して前記半導体基板の全面に第2導電型の第2領域を
    形成する工程と 前記酸化膜を除去する工程と この工程
    により前記酸化膜が除去された表面を熱酸化することに
    より熱酸化膜を形成する工程とを具備することを特徴と
    する縦型半導体素子の製造方法。
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