JP3339751B2 - 抵抗付き断路器 - Google Patents
抵抗付き断路器Info
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Description
減するための抵抗体を備えたガス断路器に係り、特に抵
抗体に改良を施したガス断路器に関するものである。
圧程度のSF6 ガスなどの絶縁媒体を充填した密閉容器
内に、遮断器、断路器、接地開閉器、変流器、計器用変
圧器などの開閉操作に必要な機器を収納して構成されて
いる。これらの機器のうち、断路器の開閉操作は、通
常、遮断器を開いた状態で行われる。このような断路器
の開閉操作に伴ない、断路器サージと呼ばれる急峻波サ
ージが断路器の極間において発生し、ガス絶縁開閉装置
内を伝播するが、この断路器サージは、UHVクラスで
はガス絶縁開閉装置の絶縁を脅かす程度に大きくなるた
め、何等かの対応が必要となる。
の発生電圧レベルを抑制することを目的として、図7及
び図8に示すような方式の抵抗付き断路器が提案されて
いる。図7は従来の抵抗付き断路器の一例の全体構成を
示す断面図であり、図8は図7の断路器の原理図であ
る。
媒体を充填したタンク(密閉容器)1内には、可動側接
触部2と固定側接触部3とが同軸線上に対向して配置さ
れ、この接触部2,3間に可動接触子4が配置されてお
り、この可動接触子4が接触部2,3の軸方向に直線的
に摺動することにより、断路器の開閉が行われるように
構成されている。すなわち、タンク1の上部に固定され
ている操作装置7の駆動力は開閉装置8を介して回転運
動から直線運動に変換され、この変換された駆動力が絶
縁操作ロッド9を介して伝達されることにより可動接触
子4が駆動される。可動側接触部2は絶縁筒5を介して
タンク1に取り付けられ、固定側接触部3は絶縁筒6を
介してタンク1に取り付けられている。さらに可動側接
触部2には導体10と可動接触子4に接するフィンガー
11が設けられ、この導体10は絶縁スペーサ12を介
して外部に引き出される。固定側接触部3には、導体1
3と可動接触子4に接するフィンガー14が設けられ、
この導体13は絶縁スペーサ12を介して外部に引き出
される。
和用の抵抗体シールド装置15が配置されている。この
抵抗体シールド装置15は上下に離れて設けられる一対
の抵抗体シールド16,17と複数本の抵抗体18とか
ら構成されている。抵抗体18の上端は上部の抵抗体シ
ールド16の内面に固定され、下端は下部の抵抗体シー
ルド17に固定されている。また抵抗体シールド16の
内周側端部には耐アーク性能に優れた材料から成る抵抗
接点19が設けられている。この抵抗接点19は、断路
器投入時において可動接触子4との間にギャップgを有
するように配設されている。このギャップgは、断路器
の開閉操作途中、可動接触子4の先端が抵抗接点19の
近傍に位置する時刻において断路器極間に再点弧が発生
した場合、抵抗接点19と可動接触子4がフラッシオー
バによって通電し、この時刻においては可動接触子4と
固定側接触部3やタンク1とが絶縁破壊を起こすことの
ないように、絶縁協調面からの検討を行って決定され
る。さらに、抵抗体シールド16は断路器サージを十分
に抑制できる値の抵抗体18と抵抗体シールド17を介
して、電気的に固定側接触部3に接続されている。すな
わち、断路器の開閉操作途中には、可動接触子4と抵抗
接点19との間で再点弧が複数回発生するが、抵抗接点
19と固定側接触部3との間を電気的に仲介している低
抗体18の抵抗値が十分に大きく設定されているため、
断路器サージレベルは確実に抑制される。このように抵
抗体18は再点弧時のサージを低減するという重要な機
能を果たすものであるので、その材料面、構造面につい
ては現在検討がなされている。具体的には低抗体18を
巻線型抵抗線を用いて構成することが提案されており、
一般に抵抗線はニッケルクロム線、鉄クロム線、タング
ステンなどにエナメル被覆を施し、セラミックスまたは
プラスチックなどのボビンに巻いて構成され、その端部
が通電のためにばねやはんだ付けにより外部接触子に接
続されている。
体18を構成する抵抗線の素線である金属部分の直径
は、断路器サージ抑制に必要な抵抗値と、抵抗体の絶縁
上から決定される長さとから割り出すことができる。例
えば断路器サージ抑制に必要な抵抗値を約500Ω、抵
抗体の絶縁上から決定される長さを600mmとした場
合、抵抗線の金属部分の直径は0.3〜0.5mmとな
る。しかしながら、このように極めて細い抵抗線を外部
接触子に接続する際に、従来はバネやはんだ付けにより
接続していたため、抵抗体の製造過程や外部接触子との
接続作業中に切れ易く、また断路器操作時に発生する振
動により抵抗体の接続部分で抵抗線が断線する恐れがあ
った。また、抵抗線と外部接触子との位置決めが困難で
あることから、接続作業時に両者の位置にずれが生じや
すかった。さらに、抵抗線と外部接触子との接続不良が
発生しやすく、接続部に局部過熱が発生する恐れがある
などガス断路器の信頼性の低下を招く原因となった。
を解消するために提案されたものであり、その目的は、
電気的、機械的に安定した接続を行うことができる抵抗
体を備えた信頼性の高い抵抗付き断路器を提供すること
である。
めに、請求項1記載の抵抗付き断路器は、絶縁媒体を封
入した密閉容器内に、可動側接触部と固定側接触部とが
同軸線上に配置され、前記可動側接触部と前記固定側接
触部の間に可動接触子が配置されると共に、前記固定側
接触部の周囲には抵抗体が配置され、前記抵抗体の前記
可動側接触部と対向する端部には抵抗体シールドが配置
された抵抗付き断路器において、前記抵抗体が、絶縁物
と該絶縁物の外周に巻き付けられた抵抗線から構成さ
れ、かつ前記絶縁物及び抵抗線がエポキシ樹脂で注型さ
れ、前記絶縁物の少なくとも一方の端部には前記抵抗線
と導通する接続部が埋め込まれ、前記絶縁物の両端には
抵抗体を固定側接触部または抵抗体シールドに取り付け
る支持金具が設けられ、前記支持金具と前記接続部が外
部接触子を介して接続されていることを特徴とする。
1記載の抵抗付き断路器において、前記支持金具に空間
が設けられ、この空間内に前記外部接触子が配置された
ことを特徴とする。
1または請求項2記載の抵抗付き断路器において、前記
外部接触子として、前記支持金具と前記接続部間で圧縮
されたべローズバネが用いられたことを特徴とする。
1または請求項2記載の抵抗付き断路器において、前記
外部接触子が可撓性を有する板ばねの押圧力により前記
支持金具に接続されたことを特徴とする。
1記載の抵抗付き断路器において、前記絶縁物と前記支
持金具との側面接合部に互いに対向する窪みが設けら
れ、さらにこの窪みに樹脂が注入されたことを特徴とす
る。
1記載の抵抗付き断路器において、前記絶縁物と前記支
持金具との端面接合部に、両者の位置決め部材が設けら
れたことを特徴とする。
通りである。すなわち請求項1記載の発明によれば、棒
状または筒状の絶縁物の端面に埋め込まれた接続部に所
定接触力に保持される外部接触子と支持金具との通電接
続を行うことができるため、接続作業を容易かつ確実に
行うことができる。また、抵抗体を構成する絶縁物と抵
抗線が樹脂により注型されているので、この注型作業を
真空中で行い、ボイドレスすることが可能である。さら
に細く切れやすい抵抗線が全て樹脂内に注型され、また
接続部が外部接触子に直接締結されないため、注型後の
抵抗線の表面加工作業時や外部接触子と前記接触部との
接続作業時に抵抗線が断線する恐れが無い。
外部接触子を取り付けるための空間が配置されることに
より、容易に支持金具と外部接触子との電気的接続を行
うことができる。
接続部がベローズバネによって所定の接触力にて接続さ
れるため、接続部と支持金具との電気的接続を一層確実
に行うことができ、機械的な悪影響を接続部へ与えるこ
とがない。
接続部との間に外部接触子が所定の接触力を保つ板ばね
によって接続されているため、接続部と支持金具との電
気的接続を一層確実に行うことができ、機械的な悪影響
を接続部へ与えることがない。
絶縁物との接合部の窪みに樹脂が注入されることによ
り、支持金具と絶縁物の軸方向の位置が正確に決まり、
外部接触子と接続部の接続作業を正確に行うことができ
る。
絶縁物の周方向の位置が正確に決まり、容易に接続部と
外部接触子との接続を行うことができる。
て、図1乃至図5を参照して具体的に説明する。
抗体の構造を示す断面図であり、図2は図1の抵抗体中
芯の構造を示す断面図である。図3は図2の抵抗体中芯
におけるA部の構成を示す拡大断面図であり、図4は抵
抗線の巻き付き状態を示す図であり、図2の抵抗体中芯
におけるB部の構成を示す拡大断面図であり、図5は、
図1のA部の詳細を示す拡大断面図である。
は筒状の絶縁物20と、この絶縁物20の外周に互いに
逆方向に巻付けられる抵抗線21,22とから構成さ
れ、絶縁物20は繊維などで補強されており、外周の中
央部分に窪み39が設けられている。絶縁物20端面を
詳細に説明すると、図3に示すように抵抗線21,22
が圧着されて電気的に接続されている接続部25が埋め
込まれている。抵抗線21,22の巻付状態を説明する
と、図4に示すように、まず第1の抵抗線21を絶縁物
20の外周に一方向に密着して巻き、その外側に補強用
繊維30を巻く。その後、第2の抵抗線22を第1の抵
抗線21の逆方向に巻き、その上から補強用繊維23を
巻く。なお、図中29は抵抗線21,22の被覆に用い
られる繊維であり、この繊維29および前述の補強用繊
維23,30にはポリエステル、ガラス、クレープ紙な
どが適している。
縁物20に、優れた耐久性を持つエポキシなどの樹脂を
含浸させることによって抵抗体中芯31が注型される。
そして注型後の抵抗体中芯31に対して表面機械加工が
施され、接続部25の表面上から樹脂が除去される。こ
れにより接続部25の表面が露出し、この露出した部分
が通電面となる。
た抵抗体中芯31の絶縁物20の両端の外表面を覆うよ
うに支持金具26が設けられる。絶縁物20の両端外表
面には抵抗体中芯31製作時に機械加工された窪み33
を有し、支持金具26の内面には窪み33と軸方向の位
置が一致する窪み36と注入口37が設けられ、注入口
37より窪み33と窪み36に樹脂27を注入すること
により絶縁物20と支持金具26は接合され、両者の軸
方向の位置が正確に決まる。さらに支持金具26には外
部接触子34を配置する空間24が設けられる。また、
絶縁物20に埋め込まれ抵抗線22と電気的に接続され
る接続部25と空間24との周方向の位置を一致させる
よう、位置決め部材28が絶縁物20の端面と支持金具
26の端面と当接する内面に埋め込まれている。なお、
支持金具26の絶縁物20の接する端面と反対側の端面
には空間24を覆うように押え板38が取り付けられて
いる。支持金具26の空間24に外部接触子としてベロ
ーズバネ32を配置して所定の接触力を保持させ、抵抗
線22から接続部25とベローズバネ32を介して押え
板38に接続される通電回路を構成している。
ある。抵抗体中芯31は抵抗線21,22と接続部25
とを絶縁物20で注型して製作されているため機械的に
も強固である。一方、所定接触力を有する外部接触子3
4を介して支持金具26に通電接続させるために、接続
作業を容易かつ確実に行うことができる。また、接続部
25に外部接触子34を直接締結しないため、接続作業
中に、抵抗線が断線することはない。さらに支持金具2
6と絶縁物20との接合面に設けた窪み33に樹脂27
を注型し、かつ位置決め部材を設けることにより、支持
金具26と絶縁物20の軸方向及び周方向の位置が正確
に決まり、電気的接続を容易に行うことができる。
る抵抗線21,22及びその接続部25の機械的強度は
絶縁物20を注型することによって確保され、電気的接
続の不安定さは支持金具26と接続部25の間に設けた
外部接触子34を介して接続することで解消される。こ
のように確実な通電接続は断路器のように機械的振動を
伴って多数回操作されるような機器に対して抵抗体が機
械的及び電気的に劣化することを防止でき、その結果信
頼性の高い抵抗付き断路器が提供できる。
実施例を説明する。
中芯31製作時に機械加工された窪み33を有し、支持
金具26の内面には窪み33と軸方向の位置が一致する
窪み36と注入口37が設けられ、注入口37より窪み
33と窪み36に樹脂27を注入することにより絶縁物
20と支持金具26は接合され、両者の軸方向の位置が
正確に決まる。さらに支持金具26には外部接触子34
を配置する空間24が設けられる、また、絶縁物20に
埋め込まれ抵抗線22と電気的に接続される接続部25
と前記空間24との周方向の位置を一致させるよう、位
置決め部材28が絶縁物20の端面と支持金具26の端
面と当接する内面に埋め込まれている。なお、前記支持
金具26の絶縁物20の接する前記端面と反対側の端面
には板ばね35が設けられている。
34を板ばね35の押圧力によって支持金具26に通電
接続させている。このように外部接触子34と支持金具
26の間に板ばね35を介在させることにより、所定の
接触力による電気的接続をより一層確実に行うことがで
きる。
造過程及び接続作業において抵抗線が断線することな
く、また、所定の接触力により外部への接続を行うこと
から確実な接続が可能であり、製造から実運用にわたっ
て優れた信頼性を発揮できる断路器を提供できる。
抵抗体の構造を示す断面図。
大断面図。
抵抗体中芯におけるB部の構成を示す拡大断面図。
の構造を示す断面図。
断面図。
Claims (6)
- 【請求項1】 絶縁媒体を封入した密閉容器内に、可動
側接触部と固定側接触部とが同軸線上に配置され、前記
可動側接触部と前記固定側接触部の間に可動接触子が配
置されると共に、前記固定側接触部の周囲には抵抗体が
配置され、前記抵抗体の前記可動側接触部と対向する端
部には抵抗体シールドが配置された抵抗付き断路器にお
いて、 前記抵抗体が、絶縁物と該絶縁物の外周に巻き付けられ
た抵抗線から構成され、かつ前記絶縁物及び抵抗線がエ
ポキシ樹脂で注型され、前記絶縁物の少なくとも一方の
端部には前記抵抗線と導通する接続部が埋め込まれ、 前記絶縁物の両端には抵抗体を固定側接触部または抵抗
体シールドに取り付ける支持金具が設けられ、前記支持
金具と前記接続部が外部接触子を介して接続されている
ことを特徴とする抵抗付き断路器。 - 【請求項2】 前記支持金具に空間が設けられ、この空
間内に前記外部接触子が配置されたことを特徴とする請
求項1記載の抵抗付き断路器。 - 【請求項3】 前記外部接触子として、前記支持金具と
前記接続部間で圧縮されたべローズバネが用いられたこ
とを特徴とする請求項1または請求項2記載の抵抗付き
断路器。 - 【請求項4】 前記外部接触子が可撓性を有する板ばね
の押圧力により前記支持金具に接続されたことを特徴と
する請求項1または請求項2記載の抵抗付き断路器。 - 【請求項5】 前記絶縁物と前記支持金具との側面接合
部に互いに対向する窪みが設けられ、さらにこの窪みに
樹脂が注入されたことを特徴とする請求項1記載の抵抗
付き断路器。 - 【請求項6】 前記絶縁物と前記支持金具との端面接合
部に、両者の位置決め部材が設けられたことを特徴とす
る請求項1記載の抵抗付き断路器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21922894A JP3339751B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 抵抗付き断路器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21922894A JP3339751B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 抵抗付き断路器 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0883540A JPH0883540A (ja) | 1996-03-26 |
JP3339751B2 true JP3339751B2 (ja) | 2002-10-28 |
Family
ID=16732214
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21922894A Expired - Fee Related JP3339751B2 (ja) | 1994-09-13 | 1994-09-13 | 抵抗付き断路器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3339751B2 (ja) |
-
1994
- 1994-09-13 JP JP21922894A patent/JP3339751B2/ja not_active Expired - Fee Related
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