JP3339625B2 - 不定形原料の有価金属定量分析方法及びそれを実施する定量分析システム - Google Patents
不定形原料の有価金属定量分析方法及びそれを実施する定量分析システムInfo
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Description
態が不規則な不定形原料に所定比率の融剤を投入して有
価金属の定量分析を行う不定形原料の有価金属定量方法
及びそれを実施する分析システムに関する。
から金、銀、プラチナ、パラジウム等の有価金属を効率
的に得るためには、適切な処理方法を選択するのみなら
ず、経済性の面からもその鉱石や金属の製錬副産物及び
不定形原料等にそれら有価金属が含まれている量をあら
かじめ正確に分析しておくことが重要である。また、近
年の高品位鉱の枯渇による低品位鉱や不定形原料の処理
の必要性を考慮すればなおさらである。
としては一般的に「JIS M8111」による方法が
用いられている。この方法の概略は、試料を収納した粘
土ルツボに、ソーダ灰、一酸化鉛、ホウ砂ガラス、小麦
粉等を所定量加えて充分に混合し、その上から食塩を被
覆して融解した後、鉛ボタンとスラグに分離する。次に
鉛ボタンを灰吹炉内で灰吹きして得た金銀合粒を溶解処
理して含金銀率を計算するというものである。
状態が不規則な不定形原料では、自動機械によって、ル
ツボに投入された不定形原料の重量に見合う所定比率の
融剤を投入することができず、従って、規格で定められ
た有価金属の定量分析を精密に行うことができないとい
う欠点があった。そこで、従来は、不定形原料の重量計
測、ルツボへの投入、融剤ホッパでの溶剤重量の決定及
び投入、そして、ルツボパレットへの整列配置等の作業
を全て手作業で行うしかなかった。このため、かなりの
作業負担となっており、特に、粘土ルツボに試料である
不定形原料とそれに見合う融剤を正確に添加し混合する
調合部分は大変手間がかかり、また時間もかかるという
問題があった。
課題を解決し、手間のかかる融剤調合作業を自動化して
作業負担を軽減するとともに、かかる融剤調合作業を夜
間に自動的に行なうことによって無駄な作業時間をなく
し、効率のよい分析を可能とすることにある。また、融
剤調合作業を自動化するに際しては、あらかじめ定めら
れた量の融剤が正確にルツボ内へ投入されるようにする
ことを目的とする。
に請求項1に記載の本発明は、不定形原料に所定比率の
融剤を投入して有価金属の定量分析を行う方法であっ
て、不定形原料からなる試料のおおよその重量を燃焼可
能なカップに取り分ける工程と、不定形原料を入れたカ
ップをカップパレットに順次整列配置した後、試料スト
ックコンベアによって所定位置に搬送する工程と、空ル
ツボを整列配置したルツボパレットより順次空ルツボを
ルツボ挿入装置に搬入し、該ルツボ内にカップパレット
より不定形原料を入れた各カップを投入すると共に該カ
ップ内の不定形原料の重量を重量計測器により精密に計
量し、カップパレットに整列配置する際その位置情報と
重量情報とを記憶装置に記憶させておき、XY搬送ロボ
ットにより該カップを取り出した際、記憶されていた重
量情報を前記融剤ホッパに送り、この計量された不定形
原料の重量に対して定められた所定比率の融剤をカップ
内に投入する工程と、不定形原料及び所定比率の融剤を
収納したルツボを順次ルツボパレットに戻し整列配置す
る工程と、一つのルツボパレットの空ルツボ全てについ
て不定形原料を入れたカップ及び融剤を投入した後、該
ルツボパレットを溶融炉手前に搬送する工程とを含んで
構成されてなる不定形原料の有価金属定量分析方法を提
供する。
の本発明は、請求項1に記載の不定 形原料の有価金属定
量分析方法において、不定形原料の重量測定は、不定形
原料を入れたカップを空ルツボに投入した後、ルツボご
と重量を計り、該ルツボの重量及びカップの重量を引き
算することにより精密に計量することを特徴とする。
の本発明は、不定形原料に所定比率の融剤を投入して有
価金属の定量分析を行う不定形原料の有価金属定量分析
システムであって、おおよその重量ずつ不定形原料を収
納したカップが整列配置されたカップパレットを、所定
位置に搬送する試料ストックコンベアと、カップ内に入
れられた不定形原料の重量に対して定められた所定比率
の融剤をルツボ内に投入する融剤ホッパと、空ルツボを
整列配置したルツボパレットより順次搬入されてくる空
ルツボを把持し前記カップを投入した後融剤ホッパの下
方に移動するルツボ挿入装置と、ルツボパレットより空
ルツボを及びカップパレットから不定形原料を入れたカ
ップを順次取り出しルツボ挿入装置の位置まで搬送し各
空ルツボ内に不定形原料を入れたカップを投入するXY
搬送ロボットと、そして、各カップ内に入れられた不定
形原料の重量を精密に計量することができる重量計測器
とを備えて構成され、重量計測器は、不定形原料からな
る試料のおおよその重量を燃焼可能なカップに取り分け
る作業を行う位置に設置されており、不定形原料を投入
したカップごと重量を計り、カップの重量を引き算する
ことにより該不定形原料の重量を精密に計量すると共
に、カップパレットに整列配置する際その位置情報と重
量情報とを記憶装置に記憶させておき、XY搬送ロボッ
トが該カップを取り出した際、記憶されていた重量情報
を融剤ホッパに送るようにしてなることを特徴とする不
定形原料の有価金属定量分析システムを提供する。
の本発明は、請求項3に記載の不定形原料の有価金属定
量分析システムにおいて、重量計測器は、ルツボ挿入装
置の下方に設置されており、空ルツボが該ルツボ挿入装
置に搬入された時に該空ルツボの重量を計測し、さら
に、該空ルツボに不定形原料を入れたカップを投入した
後該ルツボごと重量を計り、それより、該ルツボの重量
及びカップの重量を引き算することにより不定形原料の
重量を精密に計量することを特徴とする。
の有価金属定量分析システム1ついて図示された好まし
い一実施形態を用いて詳細に説明する。図1及び図2
は、本発明に係る定量分析システム1の一実施形態を示
す平面図及び正面図である。
的に、試料ストックコンベア10と、融剤ホッパ20
と、ルツボ挿入装置30と、XY搬送ロボット40と、
重量計測器50と、そして、ルツボストックコンベア6
0とを備えて構成されている。試料ストックコンベア1
0は、おおよその重量ずつ不定形原料を収納したカップ
70が整列配置されたカップパレットをXY搬送ロボッ
ト40の稼働範囲まで搬送する。カップ70は、溶融処
理を行う溶融炉内で燃焼させるもので、不定形原料を収
納することができる強度を持ち且つ可燃性のものであれ
ばどのようなものであっても良い。例えば、カップ麺等
の容器として用いられている発泡スチロールとすること
もできる。本実施形態では、不定形原料の重量計測は、
ルツボ挿入装置30の下方に設置された重量計測器50
によって自動的に行われる。そこで、作業員は、不定形
原料である試料をおおよその重量ずつカップ70内に入
れ、これをカップパレット72に順次整列配置する。カ
ップパレット72に所定数のカップ70を並べ終わった
後、これを試料ストックコンベア10上に載せ、試料ス
トックコンベア10を駆動する。
れた不定形原料の重量に対して定められた所定比率の融
剤を該カップ70内に投入するものである。融剤ホッパ
20としては、有価金属の定量分析に使用する融剤を収
納しておくとともに、融剤を正確に計量して下方に置か
れたルツボ74内の不定形原料入りカップ70に供給す
ることができるものであるかぎりどのようなものであっ
ても良い。例えば、本出願人が平成10年3月31日に
出願した「有価金属の定量分析における調合作業自動化
方法及びそのユニットとそのユニットを用いた自動化装
置」(特願平10−101814号)に係る自動化装置
を用いることができる。ここで、融剤としては、ソーダ
灰、ケイ酸、ホウ砂ガラス、一酸化鉛、硝石、小麦粉、
食塩等が用いられる。
列配置したルツボパレット76より順次搬入されてくる
空ルツボ74を把持し、不定形原料入りカップ70を投
入した後、融剤ホッパ20の下方に移動する。XY搬送
ロボット40は、ルツボパレット76より空ルツボ74
を及びカップパレット72から不定形原料を入れたカッ
プ70を順次取り出し、ルツボ挿入装置30の位置まで
搬送し、各空ルツボ74内に不定形原料を入れたカップ
70を投入する。また、その中に所定量の融剤を入れた
後、該ルツボ74をルツボパレット76上に戻す。
施形態においては、ルツボ挿入装置30の下方に置かれ
ておいる。初に、空ルツボ74がルツボ挿入装置30に
搬入された時に該空ルツボ74の重量を計測し、さら
に、該空ルツボ74に不定形原料を入れたカップ74を
投入した後該ルツボ74ごと重量を計る。これより、該
ルツボ74の重量及びカップ70の重量を引き算するこ
とにより、カップ70に入れられていた不定形原料を精
密に計量することができる。
なる試料のおおよその重量を燃焼可能なカップに取り分
ける作業を行う位置に設置することもできる。この場
合、作業員は、不定形原料を投入したカップ70ごと重
量を計り、カップ70の重量を引き算することにより該
不定形原料の重量を精密に計量することができる。そし
て、このカップ70をカップパレット72に整列配置す
る際その位置情報と重量情報とをコンピュータの記憶装
置に記憶させておく。一方、XY搬送ロボット40がこ
のカップ70を取り出した際、記憶されていた重量情報
を融剤ホッパ20に送り、そのカップ70に入れてある
不定形原料に見合う融剤を正確に計量して投入する。
ら所定量の融剤がルツボ74内のカップ70内に投入さ
れた後、該ルツボ74を元の位置まで戻す。XY搬送ロ
ボット40は、このルツボ74をルツボパレット76の
所定位置まで戻す。上記作業を1つのルツボパレット7
6の全ての空ルツボ74について行い、全てのルツボ7
4に不定形原料入りカップ70及び所定量の融剤を投入
した後、ルツボストックコンベア60を駆動して、次の
空ルツボ74を積載したルツボパレット76について同
様の作業を繰り返す。
形原料の有価金属定量分析方法の一実施形態について説
明する。本発明の有価金属定量分析方法は、不定形原料
からなる試料のおおよその重量を燃焼可能なカップに取
り分ける工程(ステップ1)と、カップ内の不定形原料
の重量を精密に計量する工程(ステップ2)と、有価金
属の定量分析に用いるルツボ内に、不定形原料を入れた
カップを投入する(ステップ3)と、この計量された不
定形原料の重量に対して定められた所定比率の融剤をカ
ップ内に投入する工程(ステップ4)と、そして、不定
形原料及び所定比率の融剤を収納したカップを順次ルツ
ボパレットに整列配置する工程(ステップ5)とを含ん
で構成されている。なお、ステップ2の不定形原料の重
量計量工程は、融剤ホッパ20において融剤をルツボ7
4内のカップ70に投入するまでに予め行えば足り、従
って、ステップ3と順序を逆にすることもできる。
不定形原料からなる試料のおおよその重量を燃焼可能な
カップに取り分ける工程(ステップ11)と、不定形原
料を入れたカップをカップパレットに順次整列配置した
後、試料ストックコンベアによって所定位置に搬送する
工程(ステップ12)と、空ルツボを整列配置したルツ
ボパレットより順次空ルツボをルツボ挿入装置に搬入
し、該ルツボ内にカップパレットより不定形原料を入れ
た各カップを投入する工程(ステップ13)と、カップ
内の不定形原料の重量を精密に計量する工程(ステップ
14)と、この計量された不定形原料の重量に対して定
められた所定比率の融剤をカップ内に投入する工程(ス
テップ15)と、不定形原料及び所定比率の融剤を収納
したカップを順次ルツボパレットに戻し整列配置する工
程(ステップ16)と、一つのルツボパレットの空ルツ
ボ全てについて不定形原料を入れたカップ及び融剤を投
入した後、該ルツボパレットを溶融炉へ搬送し溶融処理
を行う工程(ステップ17)とを含んで構成されてい
る。ステップ14の不定形原料の重量計量工程は、融剤
ホッパ20において融剤をルツボ74内のカップ70に
投入するまでに予め行えば足りる点は、前述の第一の実
施態様と同様である。
なる試料のおおよその重量を燃焼可能なカップに取り分
けた後、直ぐに行うことができる。その場合、不定形原
料を投入したカップごと重量を計り、カップの重量を引
き算することにより該不定形原料の重量を精密に計量す
ることができる。そして、カップ70をカップパレット
72に整列配置する際その位置情報と重量情報とをコン
ピュタの記憶装置に記憶させておく。XY搬送ロボット
40がカップパレット72から該カップ70を取り出し
た際、記憶されていたそのカップ70についての重量情
報を融剤ホッパ20に送るようにすることができる。
置30の位置で行うことができる。その場合、XY搬送
ロボット40によりルツボパレット76から空ルツボ7
4が該ルツボ挿入装置30に搬入された時に該空ルツボ
74の重量を計測する。そして、空ルツボ74に不定形
原料を入れたカップ70を投入した後該ルツボごと重量
を計り、それより、該ルツボの重量及びカップの重量を
引き算することにより不定形原料の重量を精密に計量す
ることができる。
のおおよその重量を燃焼可能なカップに取り分ける工程
と、有価金属の定量分析に用いるルツボ内に、不定形原
料を入れたカップを投入すると共に該カップ内の不定形
原料の重量を精密に計量しておき、この計量された不定
形原料の重量に対して定められた所定比率の融剤をカッ
プ内に投入する工程と、そして、不定形原料及び所定比
率の融剤を収納したカップを順次ルツボパレットに整列
配置する工程とを含んで構成されているため、自動計測
器によっては所定量を取り分けすることができない種類
の不定形原料に所定比率の融剤を精密に投入して規格で
定められた有価金属の定量分析を行うことができる利点
を有している。
が自動化されるので作業負担の大きい手作業から開放さ
れるとともに、無駄な作業時間がなくなるため作業の効
率化を図ることが可能となる。さらに、かかる融剤投入
作業を多数のルツボを複数のルツボパレットに、そし
て、多数の不定形原料入りカップを複数のカップパレッ
トに整列配置しておき、コンピュータによる自動制御を
行えば夜間に無人で本発明方法を実施できるため、前日
にセットしておけば翌日には朝から次の作業にスムーズ
に入ることができ、効率のよい分析が可能となる。
を示す平面図である。
法の一実施形態のフローチャートである。
法の他の実施形態のフローチャートである。
Claims (4)
- 【請求項1】 不定形原料に所定比率の融剤を投入して
有価金属の定量分析を行う方法であって、 不定形原料からなる試料のおおよその重量を燃焼可能な
カップに取り分ける工程と、 不定形原料を入れたカップをカップパレットに順次整列
配置した後、試料ストックコンベアによって所定位置に
搬送する工程と、 空ルツボを整列配置したルツボパレットより順次空ルツ
ボをルツボ挿入装置に搬入し、該ルツボ内にカップパレ
ットより不定形原料を入れた各カップを投入すると共に
該カップ内の不定形原料の重量を重量計測器により精密
に計量し、前記カップパレットに整列配置する際その位
置情報と重量情報とを記憶装置に記憶させておき、XY
搬送ロボットにより該カップを取り出した際、記憶され
ていた重量情報を前記融剤ホッパに送り、この計量され
た不定形原料の重量に対して定められた所定比率の融剤
をカップ内に投入する工程と、 不定形原料及び所定比率の融剤を収納したルツボを順次
ルツボパレットに戻し整列配置する工程と、 一つのルツボパレットの空ルツボ全てについて不定形原
料を入れたカップ及び融剤を投入した後、該ルツボパレ
ットを溶融炉手前に搬送する工程と、 を含んで構成されてなる不定形原料の有価金属定量分析
方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の不定形原料の有価金属
定量分析方法において、 不定形原料の重量測定は、不定形原料を入れたカップを
空ルツボに投入した後、ルツボごと重量を計り、該ルツ
ボの重量及びカップの重量を引き算することにより精密
に計量することを特徴とする不定形原料の有価金属定量
分析方法。 - 【請求項3】 不定形原料に所定比率の融剤を投入して
有価金属の定量分析を行う不定形原料の有価金属定量分
析システムであって、 おおよその重量ずつ不定形原料を収納したカップが整列
配置されたカップパレットを、所定位置に搬送する試料
ストックコンベアと、 カップ内に入れられた不定形原料の重量に対して定めら
れた所定比率の融剤を ルツボ内に投入する融剤ホッパ
と、 空ルツボを整列配置したルツボパレットより順次搬入さ
れてくる空ルツボを把持し前記カップを投入した後前記
融剤ホッパの下方に移動するルツボ挿入装置と、 前記ルツボパレットより空ルツボを及び前記カップパレ
ットから不定形原料を入れたカップを順次取り出し前記
ルツボ挿入装置の位置まで搬送し各空ルツボ内に不定形
原料を入れたカップを投入するXY搬送ロボットと、そ
して、 各カップ内に入れられた不定形原料の重量を精密に計量
することができる重量計測器と、 を備えて構成され、 前記重量計測器は、不定形原料からなる試料のおおよそ
の重量を燃焼可能なカップに取り分ける作業を行う位置
に設置されており、不定形原料を投入したカップごと重
量を計り、カップの重量を引き算することにより該不定
形原料の重量を精密に計量すると共に、前記カップパレ
ットに整列配置する際その位置情報と重量情報とを記憶
装置に記憶させておき、前記XY搬送ロボットが該カッ
プを取り出した際、記憶されていた重量情報を前記融剤
ホッパに送るようにしてなることを特徴とする不定形原
料の有価金属定量分析システム。 - 【請求項4】 請求項3に記載の不定形原料の有価金属
定量分析システムにおいて、 重量計測器は、前記ルツボ挿入装置の下方に設置されて
おり、空ルツボが該ルツボ挿入装置に搬入された時に該
空ルツボの重量を計測し、さらに、該空ルツボに不定形
原料を入れたカップを投入した後該ルツボごと重量を計
り、それより、該ルツボの重量及びカップの重量を引き
算することにより不定形原料の重量を精密に計量するこ
とを特徴とする不定形原料の有価金属定量分析システ
ム。
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