JP2004340602A - 銅製錬スラグの比重測定方法及びプログラム並びに比重選別装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製錬設備より排出されたスラグから、生コンメーカーの要求仕様に見合うコンクリート細骨材を正確に選別する。
【解決手段】ピット2は銅製錬設備より排出されたスラグ1を貯留する。搬送機構3のバケットエレベータ4はピット2内のスラグ1を汲み取って上方に搬送し、上方に搬送された時点でベルトコンベア5上に送り出し、ベルトコンベア5はバケット4bからのスラグ1を振り分け部6まで搬送する。振り分け部6は計算装置7の分析結果に基づいてコンクリート細骨材用とそれ以外のものとに振り分け動作する。計算装置7は、スラグの操業中の過程に比重に基づいてスラグ1がコンクリート細骨材用として使用できるか否かを判定するようになっている。
【選択図】 図1
【解決手段】ピット2は銅製錬設備より排出されたスラグ1を貯留する。搬送機構3のバケットエレベータ4はピット2内のスラグ1を汲み取って上方に搬送し、上方に搬送された時点でベルトコンベア5上に送り出し、ベルトコンベア5はバケット4bからのスラグ1を振り分け部6まで搬送する。振り分け部6は計算装置7の分析結果に基づいてコンクリート細骨材用とそれ以外のものとに振り分け動作する。計算装置7は、スラグの操業中の過程に比重に基づいてスラグ1がコンクリート細骨材用として使用できるか否かを判定するようになっている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、銅製錬設備から排出されるスラグの比重を測定する方法及びプログラム、並びにそのスラグの比重に基づいてスラグを選別する比重選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、銅の乾式製錬工程にあっては、銅精鉱等のような銅原料が熔錬炉に導入されると、そこで溶融されてスラグとマットとして排出される。マットは、その後、転炉,連続製銅炉等に送られて所望の工程を順次経ることにより最終的に銅が得られるが、熔錬炉で生成するスラグは分離炉などで分離・排出され種々の用途に利用されている。
【0003】
近年、銅製錬設備から排出されるスラグは、コンクリート用細骨材としても使用され、その需要が高まってきている。これは、1997年にJISにおいて銅スラグ骨材が制定されたのが一因となっている。このようなスラグをコンクリート細骨材用として使用する場合には、コンクリートの単位体積重量のばらつきを低く抑えるため、原料側のばらつきが小さいことが要求され、一般に、コンクリートメーカー、コンクリート2次製品メーカーより要求されるスラグの真比重、絶乾比重のばらつきは±0.02以下と非常に厳しいものとなっている。
【0004】
この要求を満たすため、従来の銅製錬設備においては、炉からスラグが取り出されると、そのスラグが一旦仮置き場に置き換えられ、そこでスラグの比重を直接測定すると共に、その比重が所望値となったもののみを選別し、選別したスラグをコンクリート細骨材用としていた。
従来、この種の関連技術としては各種のものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−26457号公報(第2−3頁、図2、図3)
【特許文献2】
特開2003−64427号公報(第2ー4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、銅製錬設備より排出されたスラグを仮置きし、そこで所望の比重値のものを選別するようにすると、仮置き用のスペースを確保しなければならず、又、炉より排出したスラグを仮置き場まで運搬しなければならず、更には、選別についてもサンプリングなどで人手を要すると共に時間もかかり、労力,コストがかさむ問題があった。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、銅製錬設備より排出されたスラグの比重を正確に測定する銅製錬スラグの比重測定方法及びプログラムを提供することにあり、又、製錬設備より排出されたスラグから、前述したコンクリートメーカー等の要求仕様に見合うコンクリート細骨材を正確に選別することができ、しかも仮置き用のスペースや人手等を要することなく選別することができるコンクリート細骨材用スラグの選別方法を提供することにあり、更に、上記方法を的確に実施し得るスラグの比重選別装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、銅製錬設備より排出されたスラグの比重測定方法であって、スラグ中に含まれる、少なくともFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めることを特徴とする。
この発明に係る比重測定方法によれば、スラグに含まれているFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めるので、スラグの比重を正確に得ることができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の銅製錬スラグの比重測定方法において、前記スラグの比重は、絶乾比重と、真比重と、表乾比重とのいずれかであることを特徴とする。
この発明に係る比重測定方法によれば、絶乾比重と、真比重と、表乾比重とのいずれかの比重を求めるので、これによってもスラグの比重を正確に行うことができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の銅製錬スラグの比重測定方法を用いてコンクリート細骨材用スラグを得ることを特徴とする。
この発明に係るコンクリート細骨材用スラグの選別方法によれば、スラグの比重を正確に求めることができると共に、求めた比重の大きさによってスラグからコンクリート細骨材として適切なものを正確に選別することができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、スラグの比重選別装置であって、製錬炉より排出されたスラグからFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合を分析すると共に、その分析結果に基づいて比重を求める計算手段を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る比重選別装置によれば、前記計算手段がスラグからFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合を分析し、かつその分析結果に基づいてスラグの比重を求めるので、請求項1に係る発明を的確に実施することができる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4記載のスラグの比重選別装置において、製錬設備より排出されたスラグを貯留するピットと、ピット内のスラグを下流側に搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されたスラグを、前記計算手段の処理に基づき振り分ける振り分け部とを備えてなることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る比重選別装置によれば、スラグの搬送が自動的になされ、スラグが振り分け部により的確に振り分けられる。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項4記載のスラグの比重選別装置において、銅製錬設備より排出されたスラグを貯留するピットと、ピット内のスラグを下流側に搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されたスラグについて、前記計算手段の処理結果に基づき表示する表示部とを備えてなることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る比重選別装置によれば、スラグの選別において、選別されたスラグが表示される。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項4から6のいずれかに記載のスラグの比重選別装置において、計算手段による処理結果を表示する画像表示部と、スラグの移動を入力しかつ表示する手段とを有することを特徴とする。
【0018】
この発明に係る比重選別装置によれば、スラグの内容を表示できると共に移動場所を表示するので、選別処理を良好に管理することができる。
【0019】
請求項8に係る発明は、スラグ中に含まれる、少なくともFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類以上からなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めるプログラムであって、下記式(1),(2),(3)
A(Fe)+B …式(1)
A(SiO2)+B …式(2)
A(Fe/SiO2)+B …式(3)
(但し、A,B:係数)
のいずれかにより比重を算出することを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、スラグからFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類以上からなる特定成分の割合に基づいて比重を求めるので、スラグから比重を正確に求めるプログラムを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態を示すコンクリート細骨材用スラグの選別装置を示す全体説明図である。
【0021】
図1において、符号1はスラグ、2はピット、3は搬送機構、6は振り分け部(スタッカーベルトコンベア等)、7は計算装置、8a,8bはホッパーである。
ピット2は、銅製錬設備より排出されたスラグ1を貯留するものである。このピット2内のスラグ1は、炉より排出されると、予め、所定圧の水によって水砕されている。
【0022】
搬送機構3は、バケットエレベータ4と、ベルトコンベア5とを有している。バケットエレベータ4は、昇降体4aと、昇降体4aに沿って昇降移動させるバケット4bとからなり、昇降体4aの駆動によってバケット4bがピット2に下降したとき、ピット2内のスラグ1を汲み取って上方に搬送し、上方に搬送された時点で、反転してベルトコンベア5上に送り出す。
【0023】
ベルトコンベア5は、例えば駆動輪5aと従動輪5b間に巻き付けられており、バケット4bによってスラグ1が送り込まれると、そのスラグ1を下流方向に設けられた振り分け部6まで搬送する。
【0024】
振り分け部6は、ベルトコンベア5によってスラグ1が搬送されてくると、後述する計算装置7の分析結果と計算結果に基づいてコンクリート細骨材用とそれ以外のものとに振り分け動作するようになっている。
【0025】
一方、計算装置7は、上述のプログラムを用いてスラグの比重を求めることにより、そのスラグがコンクリート細骨材用として使用できるか否かを判定するようになっている。銅製錬工程では一般に熔体の組成、酸化度などを把握する目的で操業中にに一定間隔で熔体のサンプリングを行い分析を行っている。
【0026】
計算装置7は、分析部71と比重計算部72とを有しており、操業中にサンプリングされたスラグを分析し、分析された特定成分の割合に基づき、比重計算部72がスラグ1の比重を演算し、その演算結果に基づき、振り分け部6を振り分け動作させるようになっている。
【0027】
即ち、比重計算部72の演算結果、コンクリート細骨材として使用するのに適切であると、計算装置7の指令によって振り分け部6を振り分け動作させ、振り分け部6が、ベルトコンベア5からのスラグ1をホッパー8aへ投入する一方、コンクリート細骨材として使用するのに適切でないと、ベルトコンベア5からのスラグ1をホッパー8bへ投入するようになっている。
【0028】
そして、計算装置7は、スラグ1の比重を次のようにして求める。
スラグには、Fe等多数の成分が含まれているが、その中でも、Feと、SiO2と、Fe/SiO2との何れかを選択し、それがスラグ中にどの程度の割合で含まれているかを分析する。これらFe,SiO2,Fe/SiO2は炉から取り出されたスラグの主成分をなすものであるが、スラグの組成において、それぞれ以下の関係となっている。
【0029】
即ち、図2はスラグに含まれるFeの割合と絶乾比重との関係を示し、Feの含有量が多くなるにつれてスラグの絶乾比重が次第に大きくなることがわかる。図3は、同様にスラグに含まれるSiO2の割合と絶乾比重との関係を示し、SiO2の含有量が多くなるにつれてスラグの絶乾比重が小さくなることがわかる。
【0030】
図4はスラグに含まれるFe/SiO2と絶乾比重との関係を示し、Feの場合と同様、Fe/SiO2の含有量が多くなるにつれて絶乾比重が大きくなることがわかる。
【0031】
上記図2から図4は、実験に基づきプロットをとり、回帰分析して成分と比重との相関関係を表した近似式に基づいている。図2から図4の近似式は、それぞれ以下の式(1)〜(3)により得られる。
A(Fe)+B …式(1)
A(SiO2)+B …式(2)
A(Fe/SiO2)+B …式(3)
(但し、A,B:係数)
これらの式に基づくプログラムを作成することにより、スラグの比重を正確に求めることができる。
【0032】
従って、計算装置7は、スラグ中に含まれているFeと、SiO2とFe/SiO2との何れか一方の割合を分析すると、比重計算部7がその分析した結果に基づいてスラグ1の絶乾比重を求めるので、スラグの絶乾比重を正確に求めることができる。
【0033】
ところで、前述したコンクリートメーカー等より要求されるスラグのばらつきは、±0.02以下と厳しく、その範囲に納める必要があるため、分析されるFe,SiO2,Fe/SiO2のばらつきもその範囲に納めなければならず、それぞれ所望値の中央値に対して±0.46,±0.72,±0.032の範囲内とする必要がある。
【0034】
ところが、銅製錬では、スラグ中のFe,SiO2,Fe/SiO2を酸化度の指標として、スラグ組成をコントロールすることが一般的に行われているが、今日においても、原料のばらつき,装入量の計量誤差等が少なからずあるので、銅製錬操業中の静的(或いは動的)なコントロールのみで、スラグ組成を前述の非常に限定された範囲に制御することは至難の業である。
【0035】
一例として、銅設備にて約半年間に取り出されたスラグの絶乾比重(Fe/SiO2)の分布を図5に示す。先に述べたように銅製錬では、酸化度コントロールの観点から、図5に示すように、Fe/SiO2が1.12を基準としたスラグ組成となり得るよう制御しているつもりでも、実際のコントロール精度結果は1.12±0.24となってしまう。これは、絶乾比重では、3.54±0.15とばらついてしまい、そのままでは、前述したコンクリートメーカー等が要望する許容範囲を超えてしまうこととなる。
【0036】
そのため、取り出されたスラグから特定種類の割合を求め、その割合とスラグの絶乾比重との相関に基づいて絶乾比重を求め、コンクリート細骨材として使用するのに適切な絶乾比重のもののみを選択的に取り出すのが望ましい。
【0037】
従って、計算装置7は、Feと、SiO2とFe/SiO2との何れか一方の割合を分析し、比重計算部7がその分析した結果に基づいてスラグの絶乾比重を求めることにより、スラグの絶乾比重を正確に求めることができるようになっている。
【0038】
上記構成において、いま、銅製錬設備の熔錬炉によって銅原料が溶融され、その溶湯は、その後、転炉、連続製銅炉等に送られて所望の工程を経ることにより最終的に銅が得られるが、その過程で発生するスラグは本実施形態の選別装置に送り込まれる。
【0039】
選別装置では、スラグ1が水砕されてピット2に貯留されるが、ピット2内のスラグ1は搬送機構3のバケットエレベータ4によって上昇し、上部にてベルトコンベア5に移し替えられた後、さらに下流側に搬送される。
【0040】
このように、スラグ1がピット2を経てベルトコンベア5まで搬送されている間、計算装置7の分析部71がスラグ1中に含まれているFeとSiO2とFe/SiO2 のいずれかを分析する。
【0041】
そして、分析部71が分析すると、そのデータが比重計算部72に出力され、比重計算部72が分析部71の分析結果に基づいてスラグ1の絶乾比重値を演算して求める。すると、計算装置7は比重計算部72の演算結果に基づき、ベルトコンベア5上の下流側に設けられている振り分け部6が振り分け動作するので、ベルトコンベア5によって搬送されてきたスラグ1が、ホッパー8aと8bとの何れかに振り分けられる。
【0042】
即ち、比重計算部72の演算結果、スラグ1がコンクリート細骨材用として使用可能と判定されると、振り分け部6がスラグ1をホッパー8aへ投入し、またスラグ1がコンクリート細骨材に適切でないと判定されると、振り分け部6がスラグ1をホッパー8bへ投入する。
【0043】
これにより、ホッパー8aへ投入されたスラグ1は、トラック等により細骨材用置場へ搬入され、ホッパー8bへ投入されたスラグ1は、一般用置場へ搬入されることとなる。
【0044】
この発明によれば、スラグ1に含まれている主成分であるFeとSiO2とFe/SiO2とのうち、何れか一方をスラグ1から選定して分析すると共に、その分析に基づいてスラグ1の絶乾比重を求め、求めた絶乾比重の大きさによってコンクリート細骨材か否かに振り分けるようにしたので、スラグ1からコンクリート細骨材として適切なものを正確に選別することができ、コンクリートメーカー等の厳しい要求仕様に確実に対処することができる。
【0045】
又、従来のようにスラグを一旦仮置き場に入れておくこと、仮置き場を用意すること等がいっさい不要になるので、仮置き用スペース,労力,コストを省略することができる。
そして、本実施形態の選別装置によれば、ピット2と、搬送機構3と、振り分け部6と、計算装置7とを備え、計算装置7がスラグ1に含まれているFeとSiO2とFe/SiO2との何れかの割合を分析し、かつそれに基づいて求めた絶乾比重の値に応じ、振り分け部6を振り分け動作させるように構成したので、上記選別方法を的確に実施することができる。
【0046】
しかも、計算装置7は、スラグ1からこれに含まれているFeとSiO2とFe/SiO2との何れかの割合を分析する分析部71と、その分析結果に基づいてスラグ1の絶乾比重を求める比重計算部72とを有し、比重計算部72の計算結果に応じて振り分け部6が振り分け動作するようにしているので、スラグ1の振り分けを的確に行うことができる。
【0047】
図6は本発明の第2の実施の形態に係る選別装置を示している。
この実施形態において前記第1の実施の形態と異なるのは、計算装置7の処理結果に応じ、スラグ1がコンクリート細骨材として使用できるか否かを表示部9によって表示するようにした点にある。
【0048】
表示部9は、ホッパー8に投入されたスラグ1を積載するための輸送員(あるいは周りの人)に報知できるよう、ホッパー8の近傍位置に設置されている。この表示部9は、計算装置7の比重計算部72の演算結果、ホッパー8に投入されたスラグ1がコンクリート細骨材として使用できる場合には、点灯(もしくは点滅)させ、そうでない場合には消灯するようになっている。そのため、計算装置7は、比重計算部72の演算結果に基づいて表示部9を点消灯させるようになっている。搬送されるスラグは順次ホッパー下部より層をなして貯留され順次下部より抜き出されるため単一のホッパーであっても選別が可能となる。
【0049】
従って、この実施形態によれば、表示部9が点灯しているか否かにより、ホッパー8内のスラグ1がコンクリート細骨材に使用できるものか否かを認識できるので、基本的には前記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施形態は前述したとおり、ホッパーが1つの場合に有利である。
【0050】
なお、これまでの実施形態において説明していないが、例えば図6に鎖線にて示すように、計算装置7による処理結果を表示する画像表示装置10と、スラグ1が製錬設備から排出されたスラグの位置を入力すると共に、そのスラグ1の移動場所を表示するスラグ表示装置11とを設ければ、スラグ1の内容を表示できると共に移動場所を表示するので、コンクリート細骨材の選別処理を良好に管理することができる。
【0051】
又、図示実施形態では、計算装置7がFeとSiO2とFe/SiO2の何れかを分析することによって絶乾比重を求めるようにしたが、二種類,あるいはそれら全ての種類をも分析することによって絶乾比重を求めるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、スラグに含まれている特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めるので、スラグの比重を正確に得ることができる。
【0053】
請求項2に係る発明によれば、絶乾比重と、真比重と、表乾比重とのいずれかの比重を求めるので、これによってもスラグの比重を正確に行うことができる。
【0054】
請求項3に係る発明によれば、スラグの比重を正確に求めることができると共に、求めた比重の大きさによってスラグからコンクリート細骨材として適切なものを正確に選別することができ、コンクリートメーカー等の厳しい要求仕様に確実に対処することができる効果が得られる。
【0055】
請求項4に係る発明によれば、前記計算手段がスラグから特定成分の割合を分析し、かつその分析結果に基づいてスラグの比重を求めるので、請求項1に係る発明を的確に実施することができる。
【0056】
請求項5に係る発明によれば、スラグの搬送と選別とを自動的に行うことができる。
【0057】
請求項6に係る発明によれば、スラグの選別結果を表示することができる。
請求項7に係る発明によれば、スラグの内容を表示できると共に移動場所を表示するので、選別処理を良好に管理することができる。
【0058】
請求項8に係る発明によれば、スラグの比重を正確に求めるプログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施の形態に係るコンクリート細骨材用スラグの選別装置を示す全体説明図である。
【図2】スラグに含まれるFeと絶乾比重との関係説明図である。
【図3】スラグに含まれるSiO2と絶乾比重との関係説明図である。
【図4】スラグに含まれるFe/SiO2と絶乾比重との関係説明図である。
【図5】銅製錬設備にて半年間に排出されたスラグ中の成分割合を示す説明図である。
【図6】この発明の第2実施の形態に係るコンクリート細骨材用スラグの選別装置を示す全体説明図である。
【符号の説明】
1 スラグ
2 ピット
3 搬送機構
4 バケットエレベータ
5 ベルトコンベア
6 振り分け部
7 計算装置(計算手段)
71 分析部
72 比重計算部
8,8a,8b
9 表示部
10 画像表示装置
11 スラグ表示装置
【発明の属する技術分野】
この発明は、銅製錬設備から排出されるスラグの比重を測定する方法及びプログラム、並びにそのスラグの比重に基づいてスラグを選別する比重選別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、銅の乾式製錬工程にあっては、銅精鉱等のような銅原料が熔錬炉に導入されると、そこで溶融されてスラグとマットとして排出される。マットは、その後、転炉,連続製銅炉等に送られて所望の工程を順次経ることにより最終的に銅が得られるが、熔錬炉で生成するスラグは分離炉などで分離・排出され種々の用途に利用されている。
【0003】
近年、銅製錬設備から排出されるスラグは、コンクリート用細骨材としても使用され、その需要が高まってきている。これは、1997年にJISにおいて銅スラグ骨材が制定されたのが一因となっている。このようなスラグをコンクリート細骨材用として使用する場合には、コンクリートの単位体積重量のばらつきを低く抑えるため、原料側のばらつきが小さいことが要求され、一般に、コンクリートメーカー、コンクリート2次製品メーカーより要求されるスラグの真比重、絶乾比重のばらつきは±0.02以下と非常に厳しいものとなっている。
【0004】
この要求を満たすため、従来の銅製錬設備においては、炉からスラグが取り出されると、そのスラグが一旦仮置き場に置き換えられ、そこでスラグの比重を直接測定すると共に、その比重が所望値となったもののみを選別し、選別したスラグをコンクリート細骨材用としていた。
従来、この種の関連技術としては各種のものが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−26457号公報(第2−3頁、図2、図3)
【特許文献2】
特開2003−64427号公報(第2ー4頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、銅製錬設備より排出されたスラグを仮置きし、そこで所望の比重値のものを選別するようにすると、仮置き用のスペースを確保しなければならず、又、炉より排出したスラグを仮置き場まで運搬しなければならず、更には、選別についてもサンプリングなどで人手を要すると共に時間もかかり、労力,コストがかさむ問題があった。
【0007】
この発明は、このような事情を考慮してなされたもので、その目的は、銅製錬設備より排出されたスラグの比重を正確に測定する銅製錬スラグの比重測定方法及びプログラムを提供することにあり、又、製錬設備より排出されたスラグから、前述したコンクリートメーカー等の要求仕様に見合うコンクリート細骨材を正確に選別することができ、しかも仮置き用のスペースや人手等を要することなく選別することができるコンクリート細骨材用スラグの選別方法を提供することにあり、更に、上記方法を的確に実施し得るスラグの比重選別装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は以下の手段を提案している。
請求項1に係る発明は、銅製錬設備より排出されたスラグの比重測定方法であって、スラグ中に含まれる、少なくともFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めることを特徴とする。
この発明に係る比重測定方法によれば、スラグに含まれているFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めるので、スラグの比重を正確に得ることができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の銅製錬スラグの比重測定方法において、前記スラグの比重は、絶乾比重と、真比重と、表乾比重とのいずれかであることを特徴とする。
この発明に係る比重測定方法によれば、絶乾比重と、真比重と、表乾比重とのいずれかの比重を求めるので、これによってもスラグの比重を正確に行うことができる。
【0010】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の銅製錬スラグの比重測定方法を用いてコンクリート細骨材用スラグを得ることを特徴とする。
この発明に係るコンクリート細骨材用スラグの選別方法によれば、スラグの比重を正確に求めることができると共に、求めた比重の大きさによってスラグからコンクリート細骨材として適切なものを正確に選別することができる。
【0011】
請求項4に係る発明は、スラグの比重選別装置であって、製錬炉より排出されたスラグからFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合を分析すると共に、その分析結果に基づいて比重を求める計算手段を備えることを特徴とする。
【0012】
この発明に係る比重選別装置によれば、前記計算手段がスラグからFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合を分析し、かつその分析結果に基づいてスラグの比重を求めるので、請求項1に係る発明を的確に実施することができる。
【0013】
請求項5に係る発明は、請求項4記載のスラグの比重選別装置において、製錬設備より排出されたスラグを貯留するピットと、ピット内のスラグを下流側に搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されたスラグを、前記計算手段の処理に基づき振り分ける振り分け部とを備えてなることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る比重選別装置によれば、スラグの搬送が自動的になされ、スラグが振り分け部により的確に振り分けられる。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項4記載のスラグの比重選別装置において、銅製錬設備より排出されたスラグを貯留するピットと、ピット内のスラグを下流側に搬送する搬送機構と、搬送機構によって搬送されたスラグについて、前記計算手段の処理結果に基づき表示する表示部とを備えてなることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る比重選別装置によれば、スラグの選別において、選別されたスラグが表示される。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項4から6のいずれかに記載のスラグの比重選別装置において、計算手段による処理結果を表示する画像表示部と、スラグの移動を入力しかつ表示する手段とを有することを特徴とする。
【0018】
この発明に係る比重選別装置によれば、スラグの内容を表示できると共に移動場所を表示するので、選別処理を良好に管理することができる。
【0019】
請求項8に係る発明は、スラグ中に含まれる、少なくともFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類以上からなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めるプログラムであって、下記式(1),(2),(3)
A(Fe)+B …式(1)
A(SiO2)+B …式(2)
A(Fe/SiO2)+B …式(3)
(但し、A,B:係数)
のいずれかにより比重を算出することを特徴とする。
この発明に係るプログラムによれば、スラグからFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類以上からなる特定成分の割合に基づいて比重を求めるので、スラグから比重を正確に求めるプログラムを得ることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、この発明の実施の形態について説明する。図1はこの発明の第1の実施の形態を示すコンクリート細骨材用スラグの選別装置を示す全体説明図である。
【0021】
図1において、符号1はスラグ、2はピット、3は搬送機構、6は振り分け部(スタッカーベルトコンベア等)、7は計算装置、8a,8bはホッパーである。
ピット2は、銅製錬設備より排出されたスラグ1を貯留するものである。このピット2内のスラグ1は、炉より排出されると、予め、所定圧の水によって水砕されている。
【0022】
搬送機構3は、バケットエレベータ4と、ベルトコンベア5とを有している。バケットエレベータ4は、昇降体4aと、昇降体4aに沿って昇降移動させるバケット4bとからなり、昇降体4aの駆動によってバケット4bがピット2に下降したとき、ピット2内のスラグ1を汲み取って上方に搬送し、上方に搬送された時点で、反転してベルトコンベア5上に送り出す。
【0023】
ベルトコンベア5は、例えば駆動輪5aと従動輪5b間に巻き付けられており、バケット4bによってスラグ1が送り込まれると、そのスラグ1を下流方向に設けられた振り分け部6まで搬送する。
【0024】
振り分け部6は、ベルトコンベア5によってスラグ1が搬送されてくると、後述する計算装置7の分析結果と計算結果に基づいてコンクリート細骨材用とそれ以外のものとに振り分け動作するようになっている。
【0025】
一方、計算装置7は、上述のプログラムを用いてスラグの比重を求めることにより、そのスラグがコンクリート細骨材用として使用できるか否かを判定するようになっている。銅製錬工程では一般に熔体の組成、酸化度などを把握する目的で操業中にに一定間隔で熔体のサンプリングを行い分析を行っている。
【0026】
計算装置7は、分析部71と比重計算部72とを有しており、操業中にサンプリングされたスラグを分析し、分析された特定成分の割合に基づき、比重計算部72がスラグ1の比重を演算し、その演算結果に基づき、振り分け部6を振り分け動作させるようになっている。
【0027】
即ち、比重計算部72の演算結果、コンクリート細骨材として使用するのに適切であると、計算装置7の指令によって振り分け部6を振り分け動作させ、振り分け部6が、ベルトコンベア5からのスラグ1をホッパー8aへ投入する一方、コンクリート細骨材として使用するのに適切でないと、ベルトコンベア5からのスラグ1をホッパー8bへ投入するようになっている。
【0028】
そして、計算装置7は、スラグ1の比重を次のようにして求める。
スラグには、Fe等多数の成分が含まれているが、その中でも、Feと、SiO2と、Fe/SiO2との何れかを選択し、それがスラグ中にどの程度の割合で含まれているかを分析する。これらFe,SiO2,Fe/SiO2は炉から取り出されたスラグの主成分をなすものであるが、スラグの組成において、それぞれ以下の関係となっている。
【0029】
即ち、図2はスラグに含まれるFeの割合と絶乾比重との関係を示し、Feの含有量が多くなるにつれてスラグの絶乾比重が次第に大きくなることがわかる。図3は、同様にスラグに含まれるSiO2の割合と絶乾比重との関係を示し、SiO2の含有量が多くなるにつれてスラグの絶乾比重が小さくなることがわかる。
【0030】
図4はスラグに含まれるFe/SiO2と絶乾比重との関係を示し、Feの場合と同様、Fe/SiO2の含有量が多くなるにつれて絶乾比重が大きくなることがわかる。
【0031】
上記図2から図4は、実験に基づきプロットをとり、回帰分析して成分と比重との相関関係を表した近似式に基づいている。図2から図4の近似式は、それぞれ以下の式(1)〜(3)により得られる。
A(Fe)+B …式(1)
A(SiO2)+B …式(2)
A(Fe/SiO2)+B …式(3)
(但し、A,B:係数)
これらの式に基づくプログラムを作成することにより、スラグの比重を正確に求めることができる。
【0032】
従って、計算装置7は、スラグ中に含まれているFeと、SiO2とFe/SiO2との何れか一方の割合を分析すると、比重計算部7がその分析した結果に基づいてスラグ1の絶乾比重を求めるので、スラグの絶乾比重を正確に求めることができる。
【0033】
ところで、前述したコンクリートメーカー等より要求されるスラグのばらつきは、±0.02以下と厳しく、その範囲に納める必要があるため、分析されるFe,SiO2,Fe/SiO2のばらつきもその範囲に納めなければならず、それぞれ所望値の中央値に対して±0.46,±0.72,±0.032の範囲内とする必要がある。
【0034】
ところが、銅製錬では、スラグ中のFe,SiO2,Fe/SiO2を酸化度の指標として、スラグ組成をコントロールすることが一般的に行われているが、今日においても、原料のばらつき,装入量の計量誤差等が少なからずあるので、銅製錬操業中の静的(或いは動的)なコントロールのみで、スラグ組成を前述の非常に限定された範囲に制御することは至難の業である。
【0035】
一例として、銅設備にて約半年間に取り出されたスラグの絶乾比重(Fe/SiO2)の分布を図5に示す。先に述べたように銅製錬では、酸化度コントロールの観点から、図5に示すように、Fe/SiO2が1.12を基準としたスラグ組成となり得るよう制御しているつもりでも、実際のコントロール精度結果は1.12±0.24となってしまう。これは、絶乾比重では、3.54±0.15とばらついてしまい、そのままでは、前述したコンクリートメーカー等が要望する許容範囲を超えてしまうこととなる。
【0036】
そのため、取り出されたスラグから特定種類の割合を求め、その割合とスラグの絶乾比重との相関に基づいて絶乾比重を求め、コンクリート細骨材として使用するのに適切な絶乾比重のもののみを選択的に取り出すのが望ましい。
【0037】
従って、計算装置7は、Feと、SiO2とFe/SiO2との何れか一方の割合を分析し、比重計算部7がその分析した結果に基づいてスラグの絶乾比重を求めることにより、スラグの絶乾比重を正確に求めることができるようになっている。
【0038】
上記構成において、いま、銅製錬設備の熔錬炉によって銅原料が溶融され、その溶湯は、その後、転炉、連続製銅炉等に送られて所望の工程を経ることにより最終的に銅が得られるが、その過程で発生するスラグは本実施形態の選別装置に送り込まれる。
【0039】
選別装置では、スラグ1が水砕されてピット2に貯留されるが、ピット2内のスラグ1は搬送機構3のバケットエレベータ4によって上昇し、上部にてベルトコンベア5に移し替えられた後、さらに下流側に搬送される。
【0040】
このように、スラグ1がピット2を経てベルトコンベア5まで搬送されている間、計算装置7の分析部71がスラグ1中に含まれているFeとSiO2とFe/SiO2 のいずれかを分析する。
【0041】
そして、分析部71が分析すると、そのデータが比重計算部72に出力され、比重計算部72が分析部71の分析結果に基づいてスラグ1の絶乾比重値を演算して求める。すると、計算装置7は比重計算部72の演算結果に基づき、ベルトコンベア5上の下流側に設けられている振り分け部6が振り分け動作するので、ベルトコンベア5によって搬送されてきたスラグ1が、ホッパー8aと8bとの何れかに振り分けられる。
【0042】
即ち、比重計算部72の演算結果、スラグ1がコンクリート細骨材用として使用可能と判定されると、振り分け部6がスラグ1をホッパー8aへ投入し、またスラグ1がコンクリート細骨材に適切でないと判定されると、振り分け部6がスラグ1をホッパー8bへ投入する。
【0043】
これにより、ホッパー8aへ投入されたスラグ1は、トラック等により細骨材用置場へ搬入され、ホッパー8bへ投入されたスラグ1は、一般用置場へ搬入されることとなる。
【0044】
この発明によれば、スラグ1に含まれている主成分であるFeとSiO2とFe/SiO2とのうち、何れか一方をスラグ1から選定して分析すると共に、その分析に基づいてスラグ1の絶乾比重を求め、求めた絶乾比重の大きさによってコンクリート細骨材か否かに振り分けるようにしたので、スラグ1からコンクリート細骨材として適切なものを正確に選別することができ、コンクリートメーカー等の厳しい要求仕様に確実に対処することができる。
【0045】
又、従来のようにスラグを一旦仮置き場に入れておくこと、仮置き場を用意すること等がいっさい不要になるので、仮置き用スペース,労力,コストを省略することができる。
そして、本実施形態の選別装置によれば、ピット2と、搬送機構3と、振り分け部6と、計算装置7とを備え、計算装置7がスラグ1に含まれているFeとSiO2とFe/SiO2との何れかの割合を分析し、かつそれに基づいて求めた絶乾比重の値に応じ、振り分け部6を振り分け動作させるように構成したので、上記選別方法を的確に実施することができる。
【0046】
しかも、計算装置7は、スラグ1からこれに含まれているFeとSiO2とFe/SiO2との何れかの割合を分析する分析部71と、その分析結果に基づいてスラグ1の絶乾比重を求める比重計算部72とを有し、比重計算部72の計算結果に応じて振り分け部6が振り分け動作するようにしているので、スラグ1の振り分けを的確に行うことができる。
【0047】
図6は本発明の第2の実施の形態に係る選別装置を示している。
この実施形態において前記第1の実施の形態と異なるのは、計算装置7の処理結果に応じ、スラグ1がコンクリート細骨材として使用できるか否かを表示部9によって表示するようにした点にある。
【0048】
表示部9は、ホッパー8に投入されたスラグ1を積載するための輸送員(あるいは周りの人)に報知できるよう、ホッパー8の近傍位置に設置されている。この表示部9は、計算装置7の比重計算部72の演算結果、ホッパー8に投入されたスラグ1がコンクリート細骨材として使用できる場合には、点灯(もしくは点滅)させ、そうでない場合には消灯するようになっている。そのため、計算装置7は、比重計算部72の演算結果に基づいて表示部9を点消灯させるようになっている。搬送されるスラグは順次ホッパー下部より層をなして貯留され順次下部より抜き出されるため単一のホッパーであっても選別が可能となる。
【0049】
従って、この実施形態によれば、表示部9が点灯しているか否かにより、ホッパー8内のスラグ1がコンクリート細骨材に使用できるものか否かを認識できるので、基本的には前記第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施形態は前述したとおり、ホッパーが1つの場合に有利である。
【0050】
なお、これまでの実施形態において説明していないが、例えば図6に鎖線にて示すように、計算装置7による処理結果を表示する画像表示装置10と、スラグ1が製錬設備から排出されたスラグの位置を入力すると共に、そのスラグ1の移動場所を表示するスラグ表示装置11とを設ければ、スラグ1の内容を表示できると共に移動場所を表示するので、コンクリート細骨材の選別処理を良好に管理することができる。
【0051】
又、図示実施形態では、計算装置7がFeとSiO2とFe/SiO2の何れかを分析することによって絶乾比重を求めるようにしたが、二種類,あるいはそれら全ての種類をも分析することによって絶乾比重を求めるようにしてもよい。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、スラグに含まれている特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めるので、スラグの比重を正確に得ることができる。
【0053】
請求項2に係る発明によれば、絶乾比重と、真比重と、表乾比重とのいずれかの比重を求めるので、これによってもスラグの比重を正確に行うことができる。
【0054】
請求項3に係る発明によれば、スラグの比重を正確に求めることができると共に、求めた比重の大きさによってスラグからコンクリート細骨材として適切なものを正確に選別することができ、コンクリートメーカー等の厳しい要求仕様に確実に対処することができる効果が得られる。
【0055】
請求項4に係る発明によれば、前記計算手段がスラグから特定成分の割合を分析し、かつその分析結果に基づいてスラグの比重を求めるので、請求項1に係る発明を的確に実施することができる。
【0056】
請求項5に係る発明によれば、スラグの搬送と選別とを自動的に行うことができる。
【0057】
請求項6に係る発明によれば、スラグの選別結果を表示することができる。
請求項7に係る発明によれば、スラグの内容を表示できると共に移動場所を表示するので、選別処理を良好に管理することができる。
【0058】
請求項8に係る発明によれば、スラグの比重を正確に求めるプログラムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施の形態に係るコンクリート細骨材用スラグの選別装置を示す全体説明図である。
【図2】スラグに含まれるFeと絶乾比重との関係説明図である。
【図3】スラグに含まれるSiO2と絶乾比重との関係説明図である。
【図4】スラグに含まれるFe/SiO2と絶乾比重との関係説明図である。
【図5】銅製錬設備にて半年間に排出されたスラグ中の成分割合を示す説明図である。
【図6】この発明の第2実施の形態に係るコンクリート細骨材用スラグの選別装置を示す全体説明図である。
【符号の説明】
1 スラグ
2 ピット
3 搬送機構
4 バケットエレベータ
5 ベルトコンベア
6 振り分け部
7 計算装置(計算手段)
71 分析部
72 比重計算部
8,8a,8b
9 表示部
10 画像表示装置
11 スラグ表示装置
Claims (8)
- 銅製錬設備より排出されたスラグの比重測定方法であって、
スラグ中に含まれる、少なくともFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めることを特徴とする銅製錬スラグの比重測定方法。 - 請求項1記載の銅製錬スラグの比重測定方法において、
前記スラグの比重は、絶乾比重と、真比重と、表乾比重とのいずれかであることを特徴とする銅製錬スラグの比重測定方法。 - 請求項1又は2記載の銅製錬スラグの比重測定方法を用いることを特徴とするコンクリート細骨材用スラグの選別方法。
- スラグの比重選別装置であって、
製錬炉より排出されたスラグ中に含まれる、少なくともFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類よりなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求める計算手段を備えてなることを特徴とするスラグの比重選別装置。 - 請求項4記載のスラグの比重選別装置において、
製錬設備より排出されたスラグを貯留するピットと、
ピット内のスラグを下流側に搬送する搬送機構と、
搬送機構によって搬送されたスラグを、前記計算手段の処理に基づき振り分ける振り分け部とを備えてなることを特徴とするスラグの比重選別装置。 - 請求項4記載のスラグの比重選別装置において、
製錬設備より排出されたスラグを貯留するピットと、
ピット内のスラグを下流側に搬送する搬送機構と、
搬送機構によって搬送されたスラグについて、前記計算手段の処理結果に基づき表示する表示部とを備えてなることを特徴とするスラグの比重選別装置。 - 請求項4から6のいずれかに記載のスラグの比重選別装置において、
計算手段による処理結果を表示する画像表示部と、
スラグの移動場所を入力しかつ表示する手段とを有することを特徴とするスラグの比重選別装置。 - スラグ中に含まれる、少なくともFeと、SiO2と、Fe/SiO2とのいずれか一種類以上からなる特定成分の割合に基づいてスラグの比重を求めるプログラムであって、下記式(1),(2),(3)
A(Fe)+B …式(1)
A(SiO2)+B …式(2)
A(Fe/SiO2)+B …式(3)
(但し、A,B:係数)
のいずれかによりスラグの比重を算出することを特徴とする比重算出用プログラム。
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
JP2013137250A (ja) * | 2011-12-28 | 2013-07-11 | Pan Pacific Copper Co Ltd | 試料取得装置、及び試料取得方法 |
KR101447245B1 (ko) | 2013-12-10 | 2014-10-23 | 성산환경주식회사 | 건설폐기물과 전로슬래그의 비중 조절에 의한 중량 혼합과 파쇄에 의한 순환골재 제조 방법 및 장치 |
CN107631955A (zh) * | 2017-09-07 | 2018-01-26 | 北京矿冶研究总院 | 利用真密度推测条带状磁铁石英岩型铁矿中铁品位的方法 |
CN108732063A (zh) * | 2017-04-17 | 2018-11-02 | 黄忠信 | 检测方法 |
-
2003
- 2003-05-13 JP JP2003134477A patent/JP2004340602A/ja not_active Withdrawn
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