JP3339437B2 - 半導体ボンディングワイヤー端部のテープ止め方法および巻き取りスプール - Google Patents

半導体ボンディングワイヤー端部のテープ止め方法および巻き取りスプール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体ボンディ
ングワイヤーの端部、特に巻終り端部をテープ止めする
半導体ボンディングワイヤーの端部のテープ止め方法お
よびその方法でテープ止めして得られた半導体ボンディ
ングワイヤー巻き取りスプールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体ボンディングワイヤーの巻き取り
スプールを作製する方法として、図4の断面図に示され
るように、まず、胴3の両端にフランジ2、2´を設け
たスプールの一方のフランジ2´の切欠き部6に半導体
ボンディングワイヤーの巻始め端部12を引掛けたのち
フランジの外側に接着テープ4によりテープ止めし、つ
いで胴3に半導体ボンディングワイヤー1を適度の張力
をかけながら緩まないように巻き取り、巻き取り終了
後、半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部11を他
方のフランジ2の内側に接着テープ4によりテープ止め
する方法が知られている。この場合、図示されてはいな
いが、前記半導体ボンディングワイヤーの巻始め端部
は、半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部と同様に
一方のフランジの内側に接着テープによりテープ止めし
てもよい(実開昭59−187141号公報、実開昭5
9−187142号公報など参照)。しかし、巻始め端
部がフランジの内側に接着テープによりテープ止めさ
れ、その接着テープが一部剥がれたりすると、半導体ボ
ンディングワイヤーのボンディング作業中にボンディン
グワイヤーが一部剥がれた接着テープに引掛かるおそれ
があるところから、一般に、半導体ボンディングワイヤ
ーの巻始め端部12は図4の断面図に示されるようにフ
ランジ2´の外側に接着テープ4によりテープ止めされ
る。
【0003】このようにして半導体ボンディングワイヤ
ー巻終り端部11をスプールのフランジ2にテープ止め
して得られた巻き取りスプールをボンディング装置(図
示せず)にセットしてワイヤーを半導体装置にボンディ
ングする場合、巻き取りスプールをボンディング装置に
セットする前に、図5の一部断面図に示されるように、
半導体ボンディングワイヤー巻終り端部11をフランジ
2に止めた接着テープ5をピンセット5によりフランジ
2から剥すことにより、半導体ボンディングワイヤー巻
終り端部11を取り出した後ボンディング装置にセット
しする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、図5の一部断
面図に示されるように、半導体ボンディングワイヤーの
巻終り端部11を止めた接着テープ4をピンセット5に
よりフランジ2から剥して取り出す操作は、半導体ボン
ディングワイヤー巻き取り部分に近いフランジ2の内側
で行うために、ピンセット5が滑ってその先端が半導体
ボンディングワイヤー1の巻取り部分に触れ、半導体ボ
ンディングワイヤー1を傷つけることがある。半導体ボ
ンディングワイヤー1に傷が付くと、ボンディング作業
中に半導体ボンディングワイヤー1が断線し、ボンディ
ング作業が中断しなければならない事態が発生し、半導
体ボンディング作業の効率低下の原因になる、などの課
題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部を取り出す際
に、半導体ボンディングワイヤー1に傷が付くことなく
巻終り端部11を取り出す方法を開発すべく研究を行っ
た結果、図1の一部断面図に示されるように、半導体ボ
ンディングワイヤーの巻終り端部11をフランジ2の内
側に接着テープ4に止めた後、接着テープ4をフランジ
の内側から外側にまたがって張付けてテープ止めする
と、ピンセット5で接着テープ4をフランジ2から剥し
て半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部11を取り
出す際に、図2の一部断面図に示されるように、接着テ
ープ4をピンセット5によりフランジ2の外側で剥して
つかむすことができ、ピンセット5により接着テープ4
をフランジ2から剥し始める操作をフランジ2の外側で
行うために、ピンセットを滑らせてもフランジ2の内側
の胴3に巻き取られた半導体ボンディングワイヤーの巻
取り部分を傷付けることはない、という知見を得たので
ある。
【0006】この発明は、かかる知見にもとづいてなさ
れたものであって、 (1)胴3の両端にフランジ2、2´を有するスプール
の前記胴3に巻き取られた半導体ボンディングワイヤー
1の巻終り端部を接着テープ4によりフランジの内側に
テープ止めする方法において、前記半導体ボンディング
ワイヤー1の巻終り端部11を接着テープ4によりフラ
ンジ2の内側に張付けたのち、前記接着テープ4をフラ
ンジ2の内側から外側にまたがって張付けることにより
テープ止めする半導体ボンディングワイヤー端部のテー
プ止め方法、 (2)胴3の両端にフランジ2、2´を設けたスプール
の前記胴3に半導体ボンディングワイヤー1を巻き取
り、接着テープ4で半導体ボンディングワイヤー1の巻
終り端部をフランジの内側にテープ止めしてなる巻き取
りスプールにおいて、前記半導体ボンディングワイヤー
1の巻終り端部11はフランジの内側から外側にまたが
って張付けた接着テープ4によりフランジ2の内側にテ
ープ止めされている半導体ボンディングワイヤー巻き取
りスプール、に特徴を有するものである。
【0007】この発明の半導体ボンディングワイヤーの
テープ止め方法および巻き取りスプールにおいて、フラ
ンジの内側から外側にまたがって張付けた接着テープの
外側の先端がフランジの外側に接着しないように、接着
テープの先端を接着面側に折り曲げて互に合わせ、フラ
ンジの外側に接着しない部分を形成し、ピンセットによ
りつかみやすくすることが一層好ましい。また、半導体
ボンディングワイヤーの巻終り端部の接触面積を広くす
るために、前記半導体ボンディングワイヤーの巻終り端
部をU字形またはループ状にすることが一層好ましく、
さらに前記半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部の
先端を接着テープから出して張付け、前記半導体ボンデ
ィングワイヤーの巻終り端部の先端をつかみながら接着
テープを外せるようにすることが一層好ましい。
【0008】この発明の半導体ボンディングワイヤーの
テープ止め方法および巻き取りスプールにおいて使用す
る接着テープは、幅が1〜5mmでかつフランジの外側
に接着する長さが0.1〜4mmであることが好まし
い。この接着テープは支持体と粘着剤からなり、支持体
はガラスクロス、ポリエステル、ノーメックス、カプト
ン、アラミド、フッ素樹脂、PPS、PEI、PEN、
アセテート、綿布、クレープ紙、クラフト紙、ビニル、
ポリエチレン、フラット紙、ポリプロピレン、銅、アル
ミニウム、ニッケル、アクリル、不織布のフィルム、布
を単体または複合で構成されており、粘着剤はシリコー
ン系、ゴム系、アクリル系などの粘着剤またはこの粘着
剤中にAg,Cu,Niなどの導電性物質を混合してな
る粘着剤で構成されていることが好ましい。
【0009】
【発明の実施の形態】実施例 図3の斜視図に示されるように、フランジ2´の外周に
切欠き部6を設けたスプールに金線からなる半導体ボン
ディングワイヤー1の巻始め端部12を接着テープ4に
より止め、前記半導体ボンディングワイヤー1を胴3に
巻き取った後、巻終り端部11をフランジ2の内側に接
着テープ4により止め、さらに接着テープ4をフランジ
2の内側から外側にかけてまたぐように張付けてテープ
止めすることによりこの発明の半導体ボンディングワイ
ヤー巻き取りスプールを作製した。この半導体ボンディ
ングワイヤー巻き取りスプール200巻を使用して一年
間半導体装置のワイヤーボンディング操業を行ったが、
半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部11をフラン
ジ2から外す際に巻取り部分の半導体ボンディングワイ
ヤー1に傷を付けたことは一度もなかった。
【0010】従来例 金線からなる半導体ボンディングワイヤー1の巻終り端
部11を図4の一部断面図に示されるようにフランジの
内側に接着テープ4で張り付けてテープ止めした従来の
半導体ボンディングワイヤー巻き取りスプールを作製
し、このこの半導体ボンディングワイヤー巻き取りスプ
ール200巻を使用して一年間半導体装置のワイヤーボ
ンディング操業を行ったところ、半導体ボンディングワ
イヤーの巻終り端部11をフランジ2から外す際に、ピ
ンセット5を滑らせて半導体ボンディングワイヤー1に
傷を付ける操作ミスが10回あった。
【0011】
【発明の効果】上述のように、この発明の半導体ボンデ
ィングワイヤー端部のテープ止め方法により作製した巻
き取りスプールは、接着テープ4がフランジの内側から
外側にまたがって張付けられているために、接着テープ
4をピンセット5によりフランジ2の外側から剥して半
導体ボンディングワイヤーの巻終り端部11を取り出す
ことができ、ピンセット5を滑らせて半導体ボンディン
グワイヤー1に傷を付けることはなくなるところから、
半導体ボンディングワイヤー1に付けられた傷による断
線が無くなって、従来よりも効率良く半導体装置のボン
ディングを行うことができ、半導体装置産業の発展に大
いに貢献し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】接着テープにより半導体ボンディングワイヤー
の巻取り端部がテープ止めさたこの発明の半導体ボンデ
ィングワイヤー巻き取りスプールの一部断面である。
【図2】この発明の半導体ボンディングワイヤー巻き取
りスプールにおいて、接着テープによりテープ止めされ
ている半導体ボンディングワイヤー巻取り端部をピンセ
ットで外す状態を示す一部断面である。
【図3】この発明の半導体ボンディングワイヤー巻き取
りプールの斜視図である。
【図4】半導体ボンディングワイヤー巻終り端部をテー
プ止めした状態を示す従来スプールの断面図である。
【図5】従来の半導体ボンディングワイヤー巻き取りス
プールにおいて、接着テープによりテープ止めされてい
る半導体ボンディングワイヤー巻取り端部をピンセット
で外す状態を示す一部断面である。
【符号の説明】
1 半導体ボンディングワイヤー 2 フランジ 3 胴 4 接着テープ 5 ピンセット 6 切欠き部 11 半導体ボンディングワイヤー巻終り端部 12 半導体ボンディングワイヤー巻始め端部
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−172182(JP,A) 特開 昭59−187572(JP,A) 実開 昭59−187142(JP,U) 実開 昭59−187141(JP,U) 実開 昭56−154966(JP,U) 実開 昭61−193973(JP,U) 実開 昭57−93144(JP,U) 実開 昭59−112909(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/60 301 B65H 75/28

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 胴の両端にフランジを有するスプールの
    前記胴に巻き取られた半導体ボンディングワイヤーの
    終り端部を接着テープによりフランジの内側にテープ止
    めする方法において、前記 半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部を接着テ
    ープによりフランジの内側に張付けたのち、前記接着テ
    ープをフランジの内側から外側にまたがって張付けるこ
    とによりテープ止めすることを特徴とする半導体ボンデ
    ィングワイヤー端部のテープ止め方法。
  2. 【請求項2】 前記接着テープの先端がフランジの外側
    に接着しないように、接着テープの先端接着面を折り曲
    げて互に合わせることを特徴とする請求項1記載の半導
    体ボンディングワイヤー端部のテープ止め方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体ボンディングワイヤーの巻終
    り端部の先端をつかみながら接着テープを外せるよう
    に、前記半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部の先
    端を接着テープから出して張付けたことを特徴とする請
    求項1または2記載の半導体ボンディングワイヤー端部
    のテープ止め方法。
  4. 【請求項4】 前記接着テープは、幅が1〜5mmでか
    つフランジの外側に接着する長さが0.1〜4mmであ
    ることを特徴とする請求項1、2または3記載の半導体
    ボンディングワイヤー端部のテープ止め方法。
  5. 【請求項5】 胴の両端にフランジを設けたスプールの
    前記胴に半導体ボンディングワイヤーを巻き取り、接着
    テープで半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部をス
    プールのフランジの内側にテープ止めしてなる巻き取り
    スプールにおいて、前記 半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部はフラン
    ジの内側から外側にまたがって張付けた接着テープによ
    りフランジの内側にテープ止めされていることを特徴と
    する半導体ボンディングワイヤー巻き取りスプール。
  6. 【請求項6】 前記接着テープの先端がフランジの外側
    に接着しないように、接着テープの先端接着面を折り曲
    げて互に合わせてなることを特徴とする請求項5記載の
    半導体ボンディングワイヤー巻き取りスプール。
  7. 【請求項7】 前記半導体ボンディングワイヤーの巻終
    り端部の先端をつかみながら接着テープを外せるよう
    に、前記半導体ボンディングワイヤーの巻終り端部の先
    端を接着テープから出して張付けたことを特徴とする請
    求項5または6記載の半導体ボンディングワイヤー巻き
    取りスプール。
  8. 【請求項8】 前記接着テープは、幅が1〜5mmでか
    つフランジの外側に接着する長さが0.1〜4mmであ
    ることを特徴とする請求項5、6または7記載の半導体
    ボンディングワイヤー巻き取りスプール。
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CN110536852B (zh) * 2017-04-27 2021-11-02 日东纺绩株式会社 纱线卷装
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